JP2018091398A - 軸受用保持器及び転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】トランスミッションに備わる回転軸の支持用途のような軸受運転条件の転がり軸受の運転中、潤滑油を転動体及び軌道に行き届き易くすることが可能な軸受用保持器を提供する。
【解決手段】軸受用保持器4の柱部8に対して周方向一方側に位置するポケット7に連通する油溝10を当該柱部8の内周面に形成する。その油溝10の深さは、周方向一方へポケット7に向かって次第に深くする。軸受運転中の軸受用保持器4の回転方向Aは、周方向一方と反対の周方向他方である。軸受運転中に回転させられる軌道輪が内輪1である。
【選択図】図1

Description

この発明は、軸受用保持器、及びこれを備える転がり軸受に関する。
転がり軸受に供給される潤滑油が少量かつ低粘度である過酷な潤滑条件下においては、潤滑性能の低下を軽減するための対策が取られる。例えば、近年、車両用のトランスミッションでは、燃費の向上を目的として潤滑油の撹拌抵抗を下げるため、オイルレベルの設定を必要最低限に下げることや、動粘度の低いオイルを選択する傾向にあり、軸受には過酷な潤滑環境下となる。それでも、油膜切れが起因となる焼き付き等の破損が無く、要求寿命を満足することができるように対策が求められている。
その対策として、特許文献1の軸受用保持器では、隣接するポケット間を仕切る柱部の内径や外径から径方向に凹んだ複数の細い油溝を周方向に平行に形成し、これら油溝によって潤滑油等の流体の流れを整流化することにより、攪拌抵抗の低減を図り、軸受回転トルクの低減及び発熱を抑えている。
特開2003−232362号公報
一般に、トランスミッションの回転軸は、一方向に限って回転させられる。この回転軸を支持する転がり軸受は、図8に示すように、内輪101と、外輪102と、軸受用保持器103と、複数の転動体104とを備える。内輪101は、回転軸に取り付けられている。軸受運転中、内輪101と外輪102のうち、内輪101だけが回転させられる。その内輪101の回転方向は、回転軸の回転方向と同一方向に限られる。このような軸受運転条件の場合、内輪101の回転方向によって軸受用保持器103の回転方向が決まり、図8のようになる。すなわち、同図中に例示する矢線Aを内輪101の回転方向と仮定したとき、軸受用保持器103も矢線A方向に回転する。このとき、転動体104の自転方向は、図8中の矢線B方向となる。
特許文献1の軸受用保持器103では、ポケット105間の柱部106に形成された油溝107の径方向深さが一定なため、潤滑油が流れる方向は、図8中で油溝107内に矢線fで概念的に示すように、周方向に沿う方向となる。油溝107から周方向に流出した潤滑油は、ポケット105に収容された転動体104と直交する。局部的にみると、転動体104に直交した潤滑油が乱流化するので(図中矢線fからの分岐矢線を参照。)、過酷潤滑時にポケット105の内面と転動体104との間に潤滑油が積極的に介入し難く、内輪101、外輪102の軌道へ潤滑油が行き届き難くなり、やがて焼き付きや異常発熱を引き起こしてしまう恐れがある。
上述の背景に鑑み、この発明が解決しようとする課題は、トランスミッションに備わる回転軸の支持用途のような軸受運転条件の転がり軸受の運転中、潤滑油を転動体及び軌道に行き届き易くすることが可能な軸受用保持器を提供することである。
上記の課題を達成するため、この発明は、周方向に隣接するポケット間を仕切る複数の柱部を備え、前記複数の柱部のうち少なくとも1つの柱部が、前記ポケットに連通して軸受運転中に潤滑油を前記ポケットへ導く油溝を有する軸受用保持器において、前記油溝が、前記柱部に対して周方向一方側に位置する前記ポケットに連通するように当該柱部の内周面に形成されると共に、前記ポケットに向かって次第に深くなっている構成を採用した。
上記構成によれば、軸受運転中に回転させられる軌道輪が内輪である転がり軸受に対し、軸受運転中の軸受用保持器の回転方向が周方向一方と反対の周方向他方となるように軸受用保持器を適用することができる。その軸受運転中に回転する軸受用保持器の油溝に対して、潤滑油が相対的に周方向一方側へ流れることになる。したがって、その油溝に入り込んだ潤滑油は、当該油溝に対して周方向一方側に位置するポケットへ導かれる。油溝が柱部の内周面に形成されているため、油溝における潤滑油の流れは、遠心力の影響により、径方向に深さをもった油溝の溝底面に沿う。その油溝の深さが周方向一方へポケットに向かって次第に深くなっているので、油溝において潤滑油の流れの向きを軸受用保持器の外径側へ変えつつ、潤滑油を当該油溝に対して周方向一方側のポケットまで導くことが可能である。このため、当該油溝から当該ポケットへ排出される潤滑油は、軸受用保持器の外径側へ排出され易くなり、ポケットに収容された転動体にスムーズに巻き込まれる。したがって、潤滑油の攪拌抵抗が低減され、局部的な乱流化が抑えられるので、転動体及び軌道に潤滑油が行き届き易くなる。結果的に、軸受回転トルクが低トルクになり、また、油膜形成能力が向上し、過酷潤滑環境下における焼き付きも防止される。
例えば、前記複数の柱部がそれぞれ前記油溝を有するようにしてもよい。
例えば、前記油溝が、ラジアル平面において(すなわち、周方向に沿った切断面において)円弧状、直線状又はS字状の流路になっていてもよい。
例えば、前記油溝が、アキシアル平面において(すなわち、軸方向に沿った切断面において)四角状、V字状又はU字状の流路になっていてもよい。
例えば、軸受用保持器が樹脂製の冠形保持器になっていてもよい。
この発明を転がり軸受として考えると、この発明に係る軸受用保持器を備え、軸受運転中の前記軸受用保持器の回転方向が、前記周方向一方と反対の周方向他方であり、軸受運転中に回転させられる軌道輪が、内輪である転がり軸受といえる。
この発明に係る転がり軸受は、トランスミッションに備わる回転軸を支持する用途に好適である。
上述のように、この発明は、上記構成の採用により、トランスミッションに備わる回転軸の支持用途のような軸受運転条件の転がり軸受の運転中、潤滑油を転動体及び軌道に行き届き易くすることが可能な軸受用保持器を提供することができる。
この発明の第一実施形態に係る転がり軸受を図3中のI−I線の切断面で示す部分断面図 この発明の第一実施形態に係る軸受用保持器の斜視図 この発明の第一実施形態に係る軸受用保持器の部分正面図 (a)は図1の油溝のアキシアル平面における流路形状を示す部分断面図、(b)はその流路形状の変更例を示す部分断面図、(c)はその流路形状の別の変更例を示す部分断面図 この発明の第二実施形態に係る軸受用保持器を図1と同じ切断面で示す部分断面図 この発明の第三実施形態に係る軸受用保持器を図1と同じ切断面で示す部分断面図 この発明に係る転がり軸受を備えるトランスミッションの一例を示す断面図 従来例の軸受用保持器を示す断面図
この発明の第一実施形態に係る軸受用保持器及び転がり軸受を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この転がり軸受50は、内輪1と、外輪2と、複数の転動体3と、これら転動体3を保持する軸受用保持器4とを備える。
ここで、内輪1の中心軸と、外輪2の中心軸と、軸受用保持器4の中心軸Cとは、同軸に設定されている。以下、「軸方向」とは、軸受用保持器4の中心軸Cに沿った方向のことをいい、「径方向」とは、その中心軸Cに対して直角な方向のことをいい、「周方向」とは、その中心軸C周りの円周方向のことをいう。また、その中心軸Cに直交する仮想平面のことをラジアル平面といい、その中心軸Cを含む仮想平面のことをアキシアル平面という。
内輪1は、内側の軌道5を有する軌道輪になっている。外輪2は、外側の軌道6を有する軌道輪になっている。内輪1と外輪2は、ラジアル軸受用のものとなっている。同軸に配置された内輪1の外周と外輪2の内周との間は、環状の軸受内部空間になっている。
転動体3は、内側の軌道5と、外側の軌道6との間に介在する。転動体3として、玉が採用されている。
軸受用保持器4は、図1〜図3に示すように、周方向に所定間隔でポケット7が形成された環状の軸受部品になっている。ポケット7は、転動体3を収容する空間になっている。ポケット7は、軸受用保持器4の内径面と外径面間を貫通している。各ポケット7に一個の転動体3が収容されている。軸受用保持器4は、周方向に隣接するポケット7、7間を仕切る複数の柱部8と、複数の柱部8の軸方向一方側に連続すると共に周方向全周に亘って連続する環状部9とを有し、内側の軌道5と外側の軌道6間に介在する複数の転動体3間の周方向間隔を所定に保つ。
軸受用保持器4は、樹脂製の冠形保持器になっている。ここで、冠形保持器とは、弾性変形によって複数の転動体3と軸受用保持器4とを組み合わせることが可能な形の片持ちの柱部8をもった軸受用保持器のことをいう。樹脂製の冠形保持器は、鋼製のものに比して、形状設計の自由度が大きく、低トルク(低摩擦、低摩耗)化、軽量化を実現可能である。このため、軸受回転トルクの低トルク性が重視される玉軸受の場合、樹脂製の冠形保持器を利用することが好ましい。
軸受用保持器4の全体を形成する樹脂として、例えば、ポリアミド樹脂(PA46、PA66、PA9T等)、ポリエーテルエーテルケトン樹脂(PEEK)、又はポリフェニレンサルファイド樹脂(PSS)が挙げられる。
軸受用保持器4は、転動体案内方式のものとなっている。ここで、転動体案内方式とは、軸受用保持器4が転動体3によって径方向に案内されることをいう。ポケット7を規定する対の柱部8及び環状部9の内面部分は、転動体3の玉径よりも若干大きい単一球面に沿った形態のものを例示したが、他の内面形状に変更してもよい。
軸受用保持器4の各柱部8は、ポケット7に連通する油溝10を有する。油溝10は、潤滑油をポケット7に導く溝からなる。油溝10は、柱部8の内周面に形成されている。柱部8の内周面は、柱部8の表面のうち、軸受用保持器4の内側で径方向に露出する表面部分のことをいう。柱部8の内周面のうち、油溝10以外の部分は、軸受用保持器4の内径寸法を規定する円弧面状部となっている。このため、油溝10の深さは、軸受用保持器4の内径からの深さに相当している。油溝10の溝幅は、油溝10の周方向全長に亘って一定になっている。油溝10の溝幅中央は、ポケット7の軸方向の中心を含むラジアル平面上に設定されている。
油溝10は、アキシアル平面において四角状の流路になっている。ここで、四角状の流路とは、図4(a)に示すように、油溝10に交差する任意のアキシアル平面において、軸方向に沿った溝底面10aと、ラジアル平面に沿った一対の溝側面10b、10bとで形成された溝のことをいう。
油溝10は、アキシアル平面においてV字状の流路になっていてもよい。ここで、V字状の流路とは、図4(b)に示すように、油溝10に交差する任意のアキシアル平面において、溝底で交差する傾斜直線を成す一対の溝底面10c、10cによって形成され、その溝底から深さが浅くなるに連れて次第に溝幅が大きくなっている溝のことをいう。また、油溝10は、アキシアル平面においてU字状の流路になっていてもよい。ここで、U字状の流路とは、図4(c)に示すように、油溝10に交差する任意のアキシアル平面において、凹円弧面状の溝底面10dと、ラジアル平面に沿った一対の溝側面10e、10eによって形成されている溝のことをいう。油溝10を前述のようなV字状又はU字状の流路にすると、潤滑油が油溝10を速く流れ易くなるため、油溝10に異物が滞留しにくくなり、潤滑油の排出もスムーズに行われ易くなる。
油溝10は、図1〜図3に示すように、周方向に隣接するポケット7、7間に亘って連通している。油溝10は、図1、図2に示すように、周方向一方へポケット7に向かって次第に深くなっている。図1例では、油溝10が、ラジアル平面において円弧状の溝底面10aを有する流路になっている。油溝10は、当該柱部8に対して周方向一方側に位置するポケット7に連通すればよく、当該柱部8に対して周方向一方と反対の周方向他方側に位置するポケット7に連通している必要はない。
図1中に軸受運転中に回転させられる軌道輪の回転方向、軸受用保持器4の回転方向をそれぞれ矢線Aで示し、軸受運転中の転動体3の自転方向を矢線Bで示す。図1中に示すように、この転がり軸受において、軸受運転中に回転させられる軌道輪は、内輪1である。その内輪1の回転方向は、前述の周方向一方と反対の周方向他方であり、図中時計回りの方向に設定されている。軸受運転中、転動体3の公転方向及び軸受用保持器4の回転方向は内輪1と同じになるが、転動体3の自転方向Bは内輪1の回転方向とは逆に図中反時計回りの方向となる。
図1に示す転がり軸受の運転中、軸受用保持器4の柱部8の内周面に形成された油溝10には、潤滑油が入り込む(図1中に潤滑油の流れを矢線で概念的に示す。)。軸受運転中に回転する軸受用保持器4の油溝10に対して、油溝10に入り込んだ潤滑油が相対的に周方向一方側(矢線A方向と反対側)へ流れることになり、ここで潤滑油の流れが整流化される。油溝10に入り込んだ潤滑油は、やがて、当該油溝10に対して周方向一方側に位置するポケット7へ導かれる。油溝10が柱部8の内周面に形成されているため、油溝10における潤滑油の流れは、遠心力の影響により、径方向に深さをもった油溝10の溝底面10aに沿う傾向をもつ。油溝10の深さが周方向一方(矢線A方向と反対の方)へポケット7に向かって次第に深くなっているので、油溝10において潤滑油の流れの向きを軸受用保持器4の外径側へ変えつつ、潤滑油を当該柱部8に対して周方向一方側のポケット7まで導くことが可能である。このため、油溝10から当該油溝10に対して周方向一方側のポケット7へ排出される潤滑油は、軸受用保持器4の外径側へ排出され易くなり、自転方向Bに自転する転動体3にスムーズに巻き込まれる。したがって、潤滑油の攪拌抵抗が低減され、局部的な乱流化が抑えられるので、転動体3及び軌道5、6に潤滑油が行き届き易くなる。結果的に、軸受回転トルクが低トルクになり、また、油膜形成能力が向上し、過酷潤滑環境下における焼き付きも防止される。
このように、軸受用保持器4は、トランスミッションに備わる回転軸の支持用途のような軸受運転条件、すなわち軸受運転中の軸受用保持器4の回転方向が周方向一方と反対の周方向他方(矢線A方向)であり、かつ軸受運転中に回転させられる軌道輪が内輪1である転がり軸受の運転中、潤滑油を転動体3及び軌道5、6に行き届き易くすることができる。
なお、第一実施形態では、軸受運転中の軸受用保持器4の回転方向が矢線A方向(図1中時計回り方向)に設定された転がり軸受の場合を示したが、軸受用保持器の回転方向が図1中反時計回り方向に設定された転がり軸受の場合は、油溝を図1中時計回り方向へポケット7に向かって次第に深くなっている流路に変更すればよいだけのことであり、その詳細説明を省略する。
また、第一実施形態では、各柱部8に一本の油溝10を形成したが、各柱部8に複数本の油溝10を形成してもよい。
また、第一実施形態では、冠形の樹脂製の軸受用保持器4を例示したが、かご形の軸受用保持器や、金属製の軸受用保持器に変更してもよい。
また、第一実施形態では、転動体3として玉を例示したが、転動体をころに変更してもよい。
また、第一実施形態のように、各柱部8に油溝10を形成することにより、全ての転動体3について攪拌抵抗を抑えることが好ましいが、所望の低トルク性や潤滑性を確保できるのであれば、軸受用保持器の全ての柱部に油溝を形成する必要はなく、少なくとも1つの柱部が油溝を有していてもよい。
また、油溝10は円弧状の溝底面10aを有するものを例示したが、油溝は潤滑油流入側が浅く、潤滑油流出側が深くあれば良く、潤滑油の流れ方を考慮して、円弧状、直線状、S字状の溝底面を使い分けてもよい。その一例としての第二実施形態を図5に基づいて説明する。なお、以下では、第一実施形態との相違点を述べるに留める。
図5に示す軸受用保持器20の柱部21に形成された油溝22は、ラジアル平面において直線状の溝底面22aを有する流路になっている。ここで、溝底面22aとは、油溝22の表面部分のうち、最も深い溝底を含み、かつ径方向に深さをもって露出する領域のことをいう。また、直線状とは、溝底面22aに交差する任意のラジアル平面において、一直線状のことをいう。
別の油溝の変更例としての第三実施形態を図6に基づいて説明する。
図6に示す軸受用保持器30の柱部31に形成された油溝32は、ラジアル平面においてS字状の溝底面32aを有する流路になっている。ここで、S字状とは、溝底面32aに交差する任意のラジアル平面において、溝底面32aに対して軸受用保持器30の内径側に曲率中心をもった第一の曲線状領域と、溝底面32aに対して軸受用保持器30の外径側に曲率中心をもった第二の曲線状領域とが連続していることをいう。
上述の第一〜第三実施形態のいずれかに係る転がり軸受によって車用のトランスミッションに備わる回転軸を支持する構成の一例を図7に示す。
図7に示すトランスミッションは、段階的に変速比を変化させる多段変速機になっており、その回転軸(例えば入力軸S1および出力軸S2)を回転可能に支持する転がり軸受Bとして、上述の第一〜第三実施形態のいずれかに係る転がり軸受を備えている。図示のトランスミッションは、エンジンの回転が入力される入力軸S1と、入力軸S1と平行に設けられた出力軸S2と、入力軸S1から出力軸S2に回転を伝達する複数のギア列G1〜G4と、各ギア列G1〜G4と入力軸S1または出力軸S2との間に組み込まれた図示しないクラッチとを有する。トランスミッションは、クラッチを選択的に係合させることで使用するギア列G1〜G4を切り替え、入力軸S1から出力軸S2に伝達する回転の変速比を変化させるものである。出力軸S2の回転は出力ギアG5に出力され、その出力ギアG5の回転がディファレンシャルギヤ等に伝達される。入力軸S1と出力軸S2は、それぞれ転がり軸受Bで回転可能に支持されている。また、このトランスミッションは、ギアの回転に伴う潤滑油のはね掛けにより、又はハウジングHの内部に設けられたノズル(図示省略)からの潤滑油の噴射により、はね掛け又は噴射された潤滑油が各転がり軸受Bの側面にかかるようになっている。
例えば、入力軸S1は、エンジンからの駆動力を伝達する回転軸なので、一方向にのみ回転する。その回転方向は、図1中の矢線A方向に一致している。図7に示す入力軸S1が回転する転がり軸受Bの運転時、転がり軸受Bの内部に存在する潤滑油の一部が上述のように軸受用保持器の油溝を相対的に流れて整流化されると共に、転動体によってスムーズに巻き込まれるため、攪拌抵抗が低減され、ひいては、転がり軸受Bの回転トルクの低減及び発熱の抑制を図ることができる。特に、トランスミッションにおいて、自動車の燃費向上を目的とした条件(例えば、動粘度の低いオイルを用いる等)が設定された場合でも、転がり軸受Bの焼き付き及び異常発熱の抑制を図ることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 内輪
2 外輪
3 転動体
4、20、30 軸受用保持器
5 内側の軌道
6 外側の軌道
7 ポケット
8、21、31 柱部
10、22、32 油溝
10a、10c、10d、22a、32a 溝底面
50、B 転がり軸受
S1 入力軸(回転軸)

Claims (7)

  1. 周方向に隣接するポケット間を仕切る複数の柱部を備え、
    前記複数の柱部のうち少なくとも1つの柱部が、前記ポケットに連通して軸受運転中に潤滑油を前記ポケットへ導く油溝を有する軸受用保持器において、
    前記油溝が、前記柱部に対して周方向一方側に位置する前記ポケットに連通するように当該柱部の内周面に形成されると共に、前記ポケットに向かって次第に深くなっていることを特徴とする軸受用保持器。
  2. 前記複数の柱部が、それぞれ前記油溝を有する請求項1に記載の軸受用保持器。
  3. 前記油溝が、ラジアル平面において円弧状、直線状又はS字状の溝底面を有する流路になっている請求項1又は2に記載の軸受用保持器。
  4. 前記油溝が、アキシアル平面において四角状、V字状又はU字状の流路になっている請求項1から3のいずれか1項に記載の軸受用保持器。
  5. 樹脂製の冠形保持器になっている請求項1から4のいずれか1項に記載の軸受用保持器。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の軸受用保持器を備え、
    軸受運転中の前記軸受用保持器の回転方向は、前記周方向一方と反対の周方向他方であり、
    軸受運転中に回転させられる軌道輪が、内輪である転がり軸受。
  7. トランスミッションに備わる回転軸を支持する請求項6に記載の転がり軸受。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111677763A (zh) * 2020-06-28 2020-09-18 瓦房店轴承集团国家轴承工程技术研究中心有限公司 平衡支撑轴承

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