JP2018178281A - 防振性を有するブラジャー - Google Patents

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Abstract

【課題】運動時の胸の揺れ軽減効果に優れるブラジャーの提供。【解決手段】一対のカップ部と、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部と、該カップ部の脇側に隣接するウイング部と、端部が該カップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部とを有する本体、並びに該カップ部上又は該連結部と該カップ部との境界部から、該カップ部の少なくとも一部及び該ウイング部の少なくとも一部を覆うように配置されたサブウイング部を有するブラジャーであって、該サブウイング部が、該本体と接合されている接合部と、該本体と接合されていない非接合部とを有し、接合部の少なくとも一部は、バストトップHから連結部とカップ部との境界部の上端点Qまでを最短距離で繋ぐ線分上と;バストトップHから該背中心Cに向かって該バストトップHから該背中心Cまでの距離の55〜100%の位置とに存在するブラジャー。【選択図】図1

Description

本発明は着用動作時の胸の揺れを抑えるブラジャーに関する。より詳細には、本発明は、快適性を損なわずに着用動作時の胸の揺れ抑制効果、すなわち防振性を備えたブラジャーに関する。
ブラジャーは胸の形をきれいに整えることを主な目的の一つとするが、運動時の胸の揺れを抑えることも大きな役割の一つである。しかし、ブラジャーを着用していても、歩いたり、走ったりすると、胸が大きく揺れる場合が多い。特に胸のサイズが大きい場合には、その揺れは非常に大きくなり、不快及び着用者への負担になるばかりか胸の下垂の原因にもなる。この揺れを軽減する方法としては強い着圧のブラジャーをつける方法が効果を奏するが、この方法では着用快適性は著しく悪化する。また、運動時においては、特に胸の揺れはさらに大きくなるため、着用者の動作の妨げになったり、負担になったりと問題がより顕在化する。このため、運動時の胸の揺れを軽減するブラジャーとしてスポーツ用ブラジャーが多数開発されている(特許文献1及び2)。しかし、スポーツ用ブラジャーは運動時の揺れを抑えるために、被覆面積が大きく、胸の谷間を覆うデザインが多い。このため、審美性に欠け、日常での使用が好まれないことが多い。
このため、日常での使用を考慮すると、胸の谷間を大きく開け、審美性を保った状態で、日常の軽い運動時に胸の揺れを軽減し、着圧も適正であるブラジャーの開発が望まれている。
しかし、胸が大きいサイズにおいては、ボリュームを小さく見せたいという要望もある。これは、バストボリュームを小さく見せることで、外観をスリムに見せたいという要望のためである。
特許文献3は、カップ部の前中心部分からバストトップ周辺部を経由して脇側部分に至る領域に接する部分のバストを押圧する押圧部と、前記押圧部の下側部分の少なくとも一部に、前記押圧されたバストボリュームが膨出するための膨出容易領域とを備えているブラジャーを記載する。
特許文献4は、一対のカップ部、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部、ウイング部、及び端部が該一対のカップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部を備えたブラジャーにおいて、該カップ部が少なくともパッドを有し、該パッドが、パッド上縁、若しくはパッド下縁、又はこれらの両者に沿って延びるパッド高応力部であって、パッドのバストトップ部の伸張応力S1に対するパッド高応力部の伸張応力S2の比S2/S1が2/1〜80/1であるパッド高応力部を有する、ブラジャーを記載する。
特許第4413548号公報 特許第5557556号公報 特許第5807735号公報 特開2014−163018号公報
特許文献3に記載されるブラジャーによれば、バストボリュームを小さく見せることは可能になるものの、動作時の胸の揺れには着目しておらず、着用快適性が十分とは言えない。
また、特許文献4のブラジャーにおいては、カップ部からウイング部の一部に亘る領域において、ブラジャー本体上にサブウイング部を配置している。本体の布帛と引張応力の異なる生地布帛から作製されたサブウイングを配置することで、着用時に本体布帛とサブウイングの引張応力差により、カップ部におけるサブウイング部の接合部からウイング部に向けて引っ張る力が働き、防振効果が発揮されるようにしている。このようなサブウイング部による効果により、胸の谷間を大きく開けながらも、快適性を損なうことなく、動作時の揺れを抑えることは可能となる。しかし、このようなブラジャーは胸を寄せてバストボリュームがしっかりと出ることが意図されており、バストボリュームを小さく見せたい要望に対しては、十分に応えることができなかった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、運動時の胸の揺れ軽減効果、すなわち防振性に優れるブラジャーを提供することであり、好ましくは、防振性に加え、快適性にも優れ且つバストボリュームを小さく見せることができるブラジャーを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究し、実験を重ねた結果、開口部且つ特定の防振部を有するブラジャーにおいて、特定配置のサブウイング部によって、高い防振性を保持しつつも、着圧を上げることなく、大きなサイズにおいてもバストボリュームを小さく見せることが可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 一対のカップ部と、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部と、該カップ部の脇側に隣接するウイング部と、端部が該カップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部とを有する本体、並びに
該カップ部上又は該連結部と該カップ部との境界部から、該カップ部の少なくとも一部及び該ウイング部の少なくとも一部を覆うように配置されたサブウイング部
を有するブラジャーであって、
該サブウイング部が、該本体と接合されている接合部と、該本体と接合されていない非接合部とを有し、接合部の少なくとも一部は、該カップ部のバストトップHから該ウイング部の背中心Cまでを最短距離で繋ぐ線分が最長になるようにブラジャーを配置したときに:
バストトップHから連結部とカップ部との境界部の上端点Qまでを最短距離で繋ぐ線分上と;
バストトップHから背中心Cまでを最短距離で繋ぐ線分上において、該線分と同一方向の法線を有する平面を規定した場合に、該バストトップHから該背中心Cに向かって、該バストトップHから該背中心Cまでの距離の55〜100%の位置の該平面上と;
に存在する、ブラジャー。
[2] 該カップ部が、
カップ上縁に沿って延びる上縁高応力部であって、カップ中央部の伸長応力S1に対する上縁高応力部の伸張応力S2の比S2/S1が2/1〜400/1である、上縁高応力部、若しくは
カップ下縁に沿って延びる下縁高応力部であって、カップ中央部の伸長応力S1に対する下縁高応力部の伸張応力S3の比S3/S1が2/1〜400/1である下、縁高応力部、
又はこれらの両方を有する、上記態様1に記載のブラジャー。
[3] 肩紐部の平均断面積が20〜120mm2である、上記態様1又は2に記載のブラジャー。
[4] 肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、肩紐部のカップ部前中心側端点と該連結部の前中心下端点とを結んで形成される三角形の面積に占めるブラジャー構成素材が存在しない部分の面積の割合が60%以上である、上記態様1〜3のいずれかに記載のブラジャー。
[5] 最大着圧が50hPa以下である、上記態様1〜4のいずれかに記載のブラジャー。
本発明のブラジャーは、防振部として所定のサブウイング部を備えることにより、動作時の揺れ低減することができる。また、本発明の特定の態様では、上記サブウイング部と特定の防振部との組み合わせにより、大きいカップサイズの場合でも運動時の胸の上下動(Y方向)及び左右動(X方向)さらには前後動(Z方向)の胸全体の大きな揺れを抑えつつ、カップ内での細かな揺れも抑制することが可能となり、快適なブラジャーを提供できる。特に、本発明の特定の態様においては、カップの下縁及び/若しくは上縁に高応力部を設けること、特定の肩紐部を設けること、又はこれらの任意の2つ以上の組合せにより、更に良好な揺れ抑制効果を発揮できる。
また、本発明のブラジャーにおいては、バストトップ部よりも前中心側にサブウイング構造を設けることにより、揺れを低減しつつも、外観上の胸を小さく見せることが可能となる。本発明は、一般的なブラジャーに好適に適用できる。また、本発明によれば、大きいカップサイズの場合の揺れ抑制効果が特に顕著である。
本発明のブラジャーの構造の一例を示す模式図である。 本発明のブラジャーの構造の一例を示す模式図である。 本発明のブラジャーの構造の一例を示す模式図である。 本発明のブラジャーの構造の一例を示す模式図である。 本発明のブラジャーの構造の一例を示す模式図である。 実施例1におけるブラジャーの構造を示す模式図である。 実施例2におけるブラジャーの構造を示す模式図である。 実施例3におけるブラジャーの構造を示す模式図である。 実施例4におけるブラジャーの構造を示す模式図である。 実施例5におけるブラジャーの構造を示す模式図である。 比較例1におけるブラジャーの構造を示す模式図である。 バストトップボリュームの外観上の見え方の計測に関する模式図である。
以下、本発明の典型的な態様の例について詳細に説明するが、本発明はこれらの態様に限定されるものではない。本開示の図面において、同一の符号が付された要素は同様の構成又は機能を有することが意図される。
本開示の一態様は、
一対のカップ部と、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部と、該カップ部の脇側に隣接するウイング部と、端部が該カップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部とを有する本体、並びに
該カップ部上若しくは該連結部と該カップ部との境界部から、該カップ部の少なくとも一部及び該ウイング部の少なくとも一部を覆うように配置されたサブウイング部
を有するブラジャーを提供する。
図1〜5は、本発明のブラジャーの構造の一例を示す模式図である。図1を参照し、本発明の一態様に係るブラジャー100は、一対のカップ部101と、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部102と、ウイング部103(これはカップ部101の脇側(すなわち着用者の脇側)に配置されている)を備える。連結部102は、例えば下辺テープとしてカップ部101の下縁に沿って延びてブラジャー下端を形成していてもよい。ウイング部103は着用者の背側に向かって延びる。ウイング部103は、基部と下辺部(例えばテープ)とを有することができる。各部材は布帛で構成されている。ブラジャーは、端部がウイング部103と一対のカップ部101とに連結された肩紐部110を更に備える。
本開示のブラジャーにおいて、カップ部は着用者の乳房を受け入れることが想定される。また、連結部は、該カップ部の前中心側を互いに連結することが想定される。また肩紐部は、フロント部から延びて着用者の左右各々の肩に掛け渡された後、着用者の背面側でウイング部に接続することが想定される。
本開示で、「着用者側」とは、ブラジャーの裏側(すなわちカップが凹形状となる側)を意図し、「外側」とは上記着用者側と反対側を意図する。
本開示で、ブラジャーに関して言及する「ヨコ方向」(例えば、連結部のヨコ方向)とは、2つのカップの配列方向であり、具体的には、ブラジャーを平置きした状態で、2つのカップのバストトップ位置が互いに最も離れるようにブラジャーを置いたときの、2つのバストトップ位置を結ぶ直線の方向を意図する。本開示で、ブラジャーの「タテ方向」とは、上記ヨコ方向と垂直の方向であり、着用者の身体の上下方向に対応することが意図される。
本開示で、「バストトップ」位置は、ブラジャー着用時に着用者のバストトップに対応する位置(すなわち着用者の乳首に対応する位置)を意図する。バストトップ位置は、カップの膨らみ形状(凸形状)の頂部である。本開示で、ブラジャーの「前中心線」及び「背中心線」とは、それぞれ、2つのバストトップ位置を結ぶ線分の中点を通ってブラジャーのタテ方向に延びる線であって、前中心線はフロント部上、背中心線はウイング部上の線である。
本開示で、ブラジャーの周長とは、本体において、前中心線から背中心線を通って前中心線に戻るように引いた線の最短長さ(但し、ブラジャーが長さ調節機構(例えば図4中の長さ調節機構106)を有する場合には周長が最大となるように長さ調節機構を調節した状態での値)を意図する。
図1及び3を特に参照し、本開示において、ブラジャーは防振部として、サブウイング部109を有する。特定の態様において、ブラジャーは、カップ部上又は連結部とカップ部との境界部から、カップ部の少なくとも一部及びウイング部の少なくとも一部を覆うように配置されたサブウイング部を有し、該サブウイング部は、本体と接合されている接合部と、本体と接合されていない非接合部とを有する。特定の態様において、接合部の少なくとも一部は、該カップ部のバストトップHから該ウイング部の背中心Cまでを最短距離で繋ぐ線分が最長になるようにブラジャーを配置したときに:
(1)バストトップHから連結部とカップ部との境界部の上端点Q(以下、点Qともいう。)までを最短距離で繋ぐ線分L1(以下、線分L1ともいう。)上と;
(2)バストトップHから背中心Cまでを最短距離で繋ぐ線分I(以下、線分Iともいう。)上において、該線分Iと同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該バストトップHから該背中心Cに向かって、該バストトップHから該背中心Cまでの距離の55〜100%の位置の該平面上と;
に存在する。このような配置のサブウイング部は、揺れを低減しつつ、外観上の胸を小さく見せることを可能とする点で有利である。
特定の態様において、サブウイング部と本体との接合部は、上記(1)の部位を含む領域に配置されたカップ部側接合部と、上記(2)の部位を含む領域に配置されたウイング部側接合部とを有する。
図1及び3を特に参照し、特定の態様において、カップ部側接合部は、カップ上縁周縁部(より具体的には、肩紐部とカップ部との脇側の連結点P(以下、点Pともいう。)から、幅W1をなす線分を通って肩紐部とカップ部との前中心側の連結点P1(以下、点P1ともいう。)を通り、更に点Qに至る線分)上の任意の位置から上記(1)の部位を通ってカップ下縁周縁部(より具体的には、ウイング部とカップ部との境界部の下部端点Y(以下、点Yともいう。)からカップ最下点K(以下、点Kともいう。)を通って連結部とカップ部との境界部の下部端点W(以下、点Wともいう。)に至る線分)上の任意の位置に亘って延びるように設けられる。すなわち、カップ部側接合部は、上記(1)の部位を通ってブラジャーのタテ方向に亘って延びることができる。
特定の態様において、カップ部側接合部は、上記のカップ上端周縁部上に存在するカップ上部接合端部と、上記のカップ下端周縁部上に存在するカップ下部接合端部とを有する。以下では、カップ上部接合端部のうち最も前中心側の点をカップ上部前中心端点、最も背中心側の点をカップ上部背中心端点とし、カップ下部接合部端点のうち最も前中心側の点をカップ下部前中心端点とし、最も背中心側の点をカップ下部背中心端点として説明する。なおカップ上部接合端部及びカップ下部接合端部は、それぞれ1点であってもよく、この場合、カップ上部前中心端点とカップ上部背中心端点とは同一点であり、またカップ下部前中心端点とカップ下部背中心端点とは同一点であるものと理解される。しかし、良好な防振性を得る観点から、カップ上部前中心端点とカップ上部背中心端点とが異なる点であることが好ましく、また、カップ下部前中心端点とカップ下部背中心端点とが異なる点であることが好ましい。特に、サブウイング部の高さを得る観点から、カップ上部接合端部は、2点以上存在することが好ましく、カップ上部背中心端点が点Pから点P1まで延びる線上に存在することがより好ましい。
好ましい態様において、カップ上部接合端部は、カップ上部前中心端点から、これと異なる点であるカップ上部背中心端点まで連続している。また、好ましい態様において、カップ下部接合端部は、カップ下部前中心端点から、これと異なる点であるカップ下部背中心端点まで連続している。
また、好ましい態様において、カップ部側接合部は、カップ上部前中心端点から、線分L1と交わりカップ下部前中心端点まで延びる線分を含む。
カップ部側接合部は、胸のボリュームを小さく見せる観点から、前中心側に近いほど好ましい。好ましい態様において、カップ上部前中心端点が点Qに位置し、カップ上部背中心端点が点Pに位置し、カップ下部接合端部が(1点として)点Wに位置し、カップ部側接合部が、点P1から線分L1と交わり点Wまで延びる線分を含む。この態様において、カップ上部接合端部は、点P及び点Qに加えて、カップ上端周縁部上の任意の位置に(より好ましくは点Pから点Qまでの全域に亘って)更に存在することが好ましい。またこの態様において、カップ部周縁に沿って点Qから点Wまで延びる線分上の任意の位置で(より好ましくは点Qから点Wまでの全域に亘って)カップ部とサブウイング部とがさらに接合されていることが好ましい。
特定の態様においては、カップ上部背中心端点とウイング部側接合部の後述の上部端点とを結ぶ線分がサブウイングの上辺となり、カップ下部背中心端点とウイング部側接合部の後述の下部端点とを結ぶ線分がサブウイングの下辺となる。
ウイング部側接合部の少なくとも一部は、バストトップHから背中心Cまでを最短距離で繋ぐ線分I上において、該線分Iと同一方向の法線を有する平面Sを規定した場合に、該バストトップHから該背中心Cに向かって、バストトップHから背中心Cまでの距離の55〜100%の位置、好ましくは55〜95%の位置の該平面上に存在する。ウイング部側接合部の位置がバストトップから背中心までの距離の55%以上である場合は、バストに引っ張り力がかかりやすく高い防振性が得られ、且つバストボリュームを小さく見せることが可能となる。一方、ウイング部側接合部の位置がバストトップから背中心までの距離の100%以下であれば、バストを身体の体幹方向に引き寄せる力が働きやすく高い防振性が得られる。特定の態様において、ウイング部側接合部は該平面上のサブウイング部の全域に亘って存在する。この態様において、ウイング部側接合部の上部端点及び下部端点はそれぞれサブウイング部の上端及び下端である。好ましい態様において、ウイング部側接合部は、平面S上に線状に形成されている。別の好ましい態様において、ウイング部側接合部は、ホック部(長さ調節機構部106)とウイング部との接合部にて接合されていても良い。
サブウイング部109は、縫合、溶着又はその他の方法で本体と接合できる。例えば、カップ部側接合部及びウイング部側接合部で本体用の布帛とサブウイング部109用の布帛とを重ね、縫合、溶着、又はその他の方法で固定することにより、サブウイング部109を形成できる。例えば、本体が2層以上の布帛で構成されている場合には、そのうち1層と接合しても良いし、全層と接合してもよい。例えば、カップ本体部の表面の生地の伸張応力が小さい場合は、表面の生地だけに接合しても生地が伸ばされて、カップを引っ張る効果が小さいため、表面の生地だけが延ばされないようカップ部本体に接合、縫合等することが好ましい。
サブウイング部の、着用時に引張力を受ける領域の面積のうち、非接合部(すなわち本体と接合されていない領域)の面積は、良好な防振効果を得る観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは60%以上、更に好ましくは80%以上であり、サブウイング部と本体とがしっかりと接合されているという観点から、好ましくは99.5%以下、より好ましくは99%以下、更に好ましくは98%以下である。
サブウイング部長さは、典型的には、後述のように規定される線分La+Lbの長さである。ウイング部の長さ、並びにLaの幅及びLbの幅の求め方を以下に図3を参照して説明する。
ブラジャー最下端に接するように引いた直線K1から、カップ上縁とカップ脇縁との境界点Paまでの最短距離を規定する線分K2を仮想する。線分K2を通りかつ線分K2と垂直をなす平面と、本体の布帛表面(着用者からみて外側の表面)との交線のうち、カップ部領域内の長さが最大となる交線を選び、該交線とカップ脇縁との交点をM1とし、該交線とカップ部側接合部107aSにおけるサブウイング部端部側の辺縁との交点をM2とし、該交線上のM1とM2との間の線分を線分Laとする。該交線とウイング部側接合部107bSのサブウイング部端部側の辺縁との交点をM3とする。該交線上のM2とM3との間の線分を線分Lbとする。
ウイング部の長さとは、点M1から、ウイング部の背部端(ウイング部端にホック部を有する場合はホック部との境界、ホック部を有さなければ着用時の背中心C)までの布帛上での最短長さを意味する。
上記線分K2の長さは、5cm〜25cmが適当である。
サブウイング部長さm1は本体との接合部の点M2と点M3とを結ぶ生地の中での最短長さとする。また、本体における線分La及び線分Lbの合計の長さを本体の接合部間長さm2とする。通常ブラジャーは伸張させた状態で着用する。サブウイング部の着用時のヨコ方向伸長率をE1とすると、
E1={(m2/m1)×(1+E2/100)−1}×100 (1)
を満たすことが好ましい。
ここで、サブウイング部のヨコ方向とは、点M2とM3を結ぶ生地の中での最短長さとなる線分の方向である。ここで、サブウイング部の長さm1、本体における接合部間長さm2は、ブラジャーのデザイン、外観形状によって決定されるべき数値である。なお、E2は着用時の本体のヨコ方向の伸び率を表しており、以下の式にて定義される。
E2={(アンダーバストサイズ/ブラジャーの最下部の周長)×100}−100
E2は上記の式に従い、ブラジャーのサイズによって決定されるべき数値である。
これらの数値を用い、(1)式に従い、ブラジャー着用時のサブウイング部ヨコ方向伸長率E1が算出される。
なお、サブウイング部長さm1と本体の接合部間長さm2との関係においては、以下の関係を満たすことが好ましい。
1.01×m1≦m2≦1.5×m1 (2)
接合部間長さm2に対し、サブウイング部の長さが短いことで、製品時及び着用時にサブウイングが弛むことなく着用が可能となり、外観形状が美しいまま、十分な防振性能を有することが可能となる。
上記伸長率E1において、サブウイング部に発生しているヨコ方向応力σ1は
100cN/inch≦σ1≦1000cN/inch (3)
を満たすことが好ましい。
σ1が100cN/inch以上であれば、十分な防振性の発現及びバストボリュームを低減させる効果が発現し、σ1が1000cN/inch以下であれば、着圧、特に肩部、バスト部における着圧が高くなりすぎず、締め付け感が抑制される。好ましくは、150cN/inch≦σ1≦800cN/inch、特に好ましくは、200cN/inch≦σ1≦600cN/inchである。上記の伸張応力と伸び率との関係の評価は、JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠して実施する。
更に、サブウイング部109のヨコ方向のヤング率YR1とウイング部103のヨコ方向のヤング率YR2が
0.5≦YR1/YR2≦3 (4)
を満たすことが好ましい。YR1/YR2が0.5以上であれば、サブウイング部109の長さをウイング部103の長さとの対比で極端に短くすることなく、外観形状を美しく維持したまま、十分な防振性を得ることができ、YR1/YR2が3.0以下であれば、サブウイング部109をウイング部との対比で極端に伸長することなく、防振性を発現させる応力が得られ、且つ、バスト部の締め付け感を抑制できる。好ましくは、0.5≦YR1/YR2≦2.5、特に好ましくは、0.7≦YR1/YR2≦2.0である。YR1、YR2は、JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠して得られた、荷重―歪関係から、荷重を以下の式を参考に、応力に換算し、ひずみ0〜0.1部分の傾きとして算出される。
応力[N/m2]=ひずみ0.1時の荷重[N]/(生地の測定幅[m]×生地の厚み[m])
ヤング率(YR1及びYR2)[Pa]=応力[N/m2]/(0.1)
サブウイング部109の形状、物性の決定方法は以下の通りである。ブラジャーのデザイン、外観、サイズによって、m1、m2、E2を決定し、(1)式によって、サブウイン部の109のヨコ方向伸長率E1を算出する。その後、サブウイング部109とウイング部103のヨコ方向のヤング率の比が(4)式を満たしていることを確認する。その後、サブウイング部109布帛の伸長率E1時の応力を求め、(3)式を満たすことを確認して、適切な範囲であれば、サブウイング部109の形状、物性を確定する。なお、適切な範囲でない場合は、サブウイング部に用いる布帛の変更、m1及びm2つまりブラジャーのデザイン、外観及びE2の変更、つまりブラジャーサイズの変更により、適切な範囲になるように変更を行う。
サブウイング部109の高さは、サブウイング部のK1と垂直な線分の長さで表され、高さが大きいほど防振効果は大きい。したがって、カップ部において、接合部の一部が
カップ部と肩紐部の境界であるW1(PからP1の線分)に存在することが好ましく、ウイング部103側の接合部は、ウイングの上端と下端とに亘って延びていることが好ましい。さらに接合部以外の部分では、サブウイング部109の高さが本体の高さと同等以上であることが好ましい。
サブウイング部の布帛は必ずしも本体の布帛より伸びにくい必要はなく、サブウイング部の伸びやすさに応じてm1とm2との長さを上述の式により調整することにより、ブラジャーの肌へのフィット効果を高め、且つ、着用時にサブウイング部のカップ部側接合部に引張り力がかかり、防振効果を発揮させることができる。
サブウイング部は胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、特にX及びZの方向の防振性に大きく寄与する。すなわちサブウイング部は、カップと胸との密着性を高めてこれらを一体化させる効果に優れ、動作時の胸のはみ出しを防ぐ効果がある。カップと胸との密着性を高めてこれらを一体化させる効果は特にZ方向の防振性により有効に発揮され、胸のはみ出しを防ぐ効果は特に引っ張り力のかかっているX方向の防振性により有効に発揮される。ここでX方向は着用時のブラジャーのヨコ方向を意味し、Y方向及びZ方向はそれぞれX方向に対して垂直である。このため、X方向はヨコ方向、Y方向はタテ方向(身長方向)であり、Z方向は奥行方向を表している。
サブウイング部はカップを斜め後ろ方向(X方向及びZ方向の複合方向に対応する)に引っ張ることで、胸を体幹方向に引き寄せることが可能となり、カップと胸との密着性を高めている。カップとバストの密着性が高まることで、カップ内での胸の動きも抑制することが可能となり、総じてY方向の揺れも抑制することが可能となる。
サブウイング部は、綿織物、ポリエステル織編物等の、本体の布帛よりも伸びの小さい布帛、又はパワーネット組織の編地等の、本体の布帛よりも伸びの大きい布帛によって構成することができる。サブウイング部の本体との接合部がカップ部側とウイング部側との両端である場合、カップ部側及びウイング部側の両端で本体用の布帛とサブウイング部用の布帛とを重ね、縫合、溶着又はその他の方法で固定することによりサブウイング部を形成できる。
サブウイング部に加え、カップ上縁及び/又は下縁の高応力部を設けること、並びに肩紐部に防振部を設けることにより、外観上の大きな揺れを抑制すると同時に、胸を体幹に引き寄せる効果との相乗効果によって、さらにカップと胸がしっかりと密着することで細かな揺れもより抑制することが可能となる。
特定の態様において、ブラジャーはカップの上縁に沿って延びる上縁高応力部(例えば図2における上縁高応力部104)を有する。カップの上縁部に高応力部を配することにより防振効果を発現できる。上縁高応力部は、カップ上縁部に沿って延びて配置されている。なお、上縁高応力部はカップ部の実質的な周縁部分の少なくとも一部を構成すればよい。
カップ部において、中央部の伸張応力S1に対する上縁高応力部S2の伸張応力の比S2/S1は、2/1〜400/1であることが好ましい。本開示で、カップの中央部とは、カップ部のバストトップH(すなわち着用者のバストのトップ部に対応する位置)を含み単一の伸張応力を有している領域を意味する。本開示において、伸張応力とは、JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法引張り試験に準拠して布帛のタテ方向10%伸張時応力(N/2.5cm幅、以下単にNと記す)及びヨコ方向10%伸張時応力(N)を測定し、これらを平均した値(以下、タテヨコ平均伸張応力、又は単に伸張応力ともいう)をいう。
カップ部が2層以上(例えばウレタンパッド及び布帛の2層)から構成されている場合には、2層以上を重ねた状態で伸張応力を測定する。
上記比S2/S1が2/1以上であれば、高応力部による胸の揺れの抑制効果が大きい。一方上記比S2/S1が400/1以下であれば、該高応力部における伸張応力が高くなりすぎず、硬くフィットしにくいブラジャーとなることを回避できる。上記比S2/S1は、3/1〜100/1であることが好ましく、5/1〜80/1であることがより好ましく、特に好ましくは10/1〜60/1である。
上縁高応力部は胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、特にX及びYの方向の防振性に大きく寄与する。歩く、走る等の動作時には人体の上下動に対し、幾分かの遅れをもって、カップに納まっている胸が上下する。この場合の上方への胸の揺れは、上縁高応力部を設けることにより、効果的に抑制できる。さらに歩く、走る等の動作時には人体の上下動に加えて、体を回転させる左右動も同時に発生する。更に、上縁高応力部をカップ上縁に沿って延びるように設けると、通常、上縁高応力部を水平方向に対してやや斜めに取り付けることができる。これにより、左右動による胸の内側への揺れ、すなわちX方向の揺れを抑制することが可能となる。
上縁高応力部はカップ部の上部に幅0.5〜5.0cmに亘って配置されていることが好ましい。上記幅は1.0〜4.0cmであることがさらに好ましい。また、上記幅は任意にデザインできる。例えば、上縁高応力部の幅は、カップ部の着用者身体の前中心側で細く、脇側で太くなるようにデザインできる。
特定の態様において、ブラジャーはカップの下縁に沿って延びる下縁高応力部(例えば図2における下縁高応力部105)を有する。カップの下縁部に高応力部を配することにより防振効果を発現できる。下縁高応力部は、カップ部の下縁部に沿って延びて配置されている。なお、下縁高応力部はカップ部の実質的な周縁部分の少なくとも一部を構成すればよい。
カップ部において、中央部の伸張応力S1に対する下縁高応力部S3の伸張応力の比S3/S1は、2/1〜400/1であることが好ましい。S3/S1が2/1以上であれば、高応力部による胸の揺れの抑制効果が大きい。一方上記比S3/S1が400/1以下であれば、該高応力部における伸張応力が高くなりすぎず、硬くフィットしにくいブラジャーとなることを回避できる。上記比S3/S1は、3/1〜100/1であることが好ましく、5/1〜80/1であることがより好ましく、特に好ましくは10/1〜60/1である。
下縁高応力部は胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、特にY方向の防振性に大きく寄与する。歩く、走る等の動作時には人体の上下動に対し、幾分かの遅れをもって、カップに納まっている胸が上下する。この場合の下方にたたきつけるような胸の揺れが、下縁高応力部を設けることにより、効果的に抑制できる。
下縁高応力部はカップ部の下部に幅0.5〜4.0cmに亘って配置されていることが好ましい。上記幅は1.0〜3.0cmであることがさらに好ましい。上記幅は任意にデザインできる。例えば、カップ部の着用者身体の前中心側で細く、脇側で太くなるようにデザインできる。
上縁高応力部と下縁高応力部とをともに設ける場合には、カップ部全体の面積に対する上縁高応力部と下縁高応力部との面積の和の割合は10%〜50%であることが好ましく、20%〜40%であることが特に好ましい。上記割合が10%以上である場合補強効果が大きく、大きいカップであっても胸の揺れ抑制効果が良好に得られる。一方、上記割合が50%以下である場合、着用時の不快感を良好に回避できる。上縁高応力部と下縁高応力部との面積比率は特に限定されない。
上縁高応力部及び下縁高応力部の伸張応力S2及びS3は、それぞれ20〜500Nであることが好ましく、より好ましくは50〜400N、更に好ましくは100〜350Nである。上記伸張応力が20N以上である場合、補強効果が大きく、500N以下である場合、着用時の不快感を良好に回避できる。上縁高応力部と下縁高応力部との伸張応力比率は特に限定されない。また、中央部の伸張応力は0.5〜50Nであることが好ましく、より好ましくは1〜20N、更に好ましくは1.5〜15N、特に好ましくは2〜10Nである。上記伸張応力が0.5N以上である場合、着用時及び洗濯時に破れ等が起こりにくく、50N以下である場合、着用時の不快感を良好に回避できる。
カップ部に上縁高応力部及び/又は下縁高応力部を形成する場合には、カップの所定の位置において、編組織、使用糸のデニール数等の変更により伸張応力の高い部位を配してもよい。また、ブラジャーの内側(すなわち着用者肌面側)に、上縁高応力部又は下縁高応力部となる補強布を縫いつけ又は接着する方法を用いることができる。若しくは、カップにウレタンパッドを使用する場合は、ウレタンパッドをモールド処理する際等に、高応力部となる織物等を挟み込むことで、パットの一部の剛性を高める方法等を使用してもよい。
このような補強布としては、特に限定はしないが、綿織物、ポリエステル織編物、ポリアミド素材の織編物又はパワーネット組織の編地、ツーウエイ組織の編地等のポリウレタン弾性繊維を含む布帛等を使用できる。
特定の態様において、肩紐部は、平均断面積が20〜120mm2である。このような肩紐部は防振部として機能でき、防振性を一層良好に達成できる。該平均断面積は25〜100mm2であるとさらに好ましい。断面積は肩紐の幅(mm)×肩紐の厚み(mm)を意味する。平均断面積は、肩紐部の両端部及びその間を10等分した各部で測定された断面積の数平均値である。平均断面積は、具体的には以下のように算出できる。
図1及び図4を参照し、肩紐部の平均断面積は、肩紐部のカップ部側(すなわち前側)の端部(すなわち付け根部)の幅W1×厚み(図示せず)で算出される断面積、ウイング部側(すなわち後側)の端部(すなわち付け根部)の幅W2×厚み(図示せず)で算出される断面積、及び、カップ部側の端部とウイング部側の端部との間を肩紐部の長さ方向に10等分する断面(すなわち9つの断面)について、各々の幅×厚み(図示せず)(例えば図1中の幅W3×厚み)で算出される断面積、の数平均値である。なお、幅W1及び幅W2は、それぞれ、肩紐部とカップ部及びウイング部のそれぞれとの脇側の連結点P及びP’から、肩紐部の前中心側の連結点P1又は背中心側の連結点P’1までの最短距離を意味する。なお、肩紐の長さを調節するアジャスターを備える場合には、アジャスターの長さを最大にして計測する。
胸の重さは肩紐部分に大きくかかり、特にカップサイズの大きい場合にはその力は非常に大きくなる。そのため、スポーツブラ及びカップサイズの大きいブラジャーの場合には肩紐部の幅を大きくする工夫がされている。しかし、肩紐部の幅が広い場合には、審美性に劣る。肩紐部の幅が狭い場合であっても、肩紐部の断面積を大きくすることで、振動を吸収し、カップ部を安定して支えることができる。肩紐部の平均断面積が20mm2より小さい場合には振動を吸収する効果が小さい傾向がある。肩紐部の平均断面積が120mm2より大きい場合には振動は吸収するが、幅を大きくした場合には審美性が損なわれ、厚みを大きくした場合にはごわつき等の肌触り及びアウターへの響きが問題になる傾向がある。ただし、ブラジャーがサブウイング部及び肩紐部に加えて更に補強部(例えば上縁高応力部及び/又は下縁高応力部)を有する場合には、肩紐部の平均断面積を20mm2の例えば約80%以上とすればブラジャーの優れた防振性を保つことができる。例えば肩紐部の平均断面積を16mm2以上100mm2以下とすることができる。
肩紐部の背側連結中心は、ウイング部の背中心からカップ部側に向かってウイング部の長さの好ましくは15〜80%、より好ましくは30〜60%離れた位置に存在する。肩紐部の背側連結中心の、ウイング部の背中心からのずれが15%以上である場合、防振性に優れる利点があり、60%以下である場合、肩紐部がずり落ち難い利点がある。なおウイング部の長さは前述のように規定される。また肩紐部の背側連結中心とは、図4中、幅W2をなす線分の中点からウイング部の長さをなす線分に下ろした垂線と、該ウイング部の長さをなす線分との交点を意味する。
肩紐部の伸度(パワー)は、長さ方向に0.5N/mm2の加重時の伸びで計測され、30〜80%であることが好ましく、40〜70%であることがさらに好ましい。伸びはJIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法引張り試験に準拠して測定できるが、肩紐部全体をつかみ間隔とし、測定の荷重は平均断面積に0.5Nを乗じた荷重とする。肩紐部のパワーが30%以上であれば硬くなりすぎず、振動を良好に吸収できる。肩紐部のパワーが80%以下であれば伸びが大きくなりすぎず、振動を良好に吸収できる。
肩紐部110は、一部に、他の部分よりも小さい伸張応力を有する低応力部を有することが好ましい。このような低応力部を設けることにより着圧の集中を防ぎ、快適性を高めることができる。例えば、図1を参照し、肩部110aを含む領域に、他の部分よりも小さい伸張応力を有する低応力部を有することが望ましい。
肩紐部は胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、特にY方向の防振性に大きく寄与する。歩く、走る等の動作時には人体の上下動が起こり、幾分かの遅れをもって、カップに納まっている胸の上下動が起こるが、一定以上の断面積をもつ肩紐部でカップを上から支えることにより、胸の上下動を押えることができる。さらに肩紐部を中央近くではなく脇側近くに取り付けることにより、胸のX、Y、Z方向の揺れのうち、X方向の防振性にも大きく寄与する。肩紐部を脇側近くに取り付けることにより、カップを斜め上側に引っ張る力が働くため、歩く、走る等の動作時の人体の回転の動きを効果的に抑制できる。肩紐部の取り付け位置は、前側はカップ部の脇側端部から概ねX方向に3cm以内の位置、後側は背中心と脇中心(すなわち前中心と背中心との中間)との中点から脇側に5cm以内の位置が好ましい。さらに肩紐部は体の後面側に向かって前面のカップを引っ張っているため、Z方向の防振性にも寄与する。
本発明のブラジャーは、上述したとおり、サブウイング部に加え、防振部として、カップの上縁高応力部、カップの下縁高応力部、及び特定の平均断面積の肩紐部のうち1つ又は2つ以上を有する場合、特段の防振効果を発現できる。特にそれぞれのX、Y又はZの方向への防振効果を組み合わせることにより、より一層防振性を高めることができる。
各部材は、それぞれ別個の布帛で形成されていてもよいし、連続した布帛で形成され、形状のみで部材間の境界が画定されてもよい。後者の場合、特にカップ部の外縁は、カップの膨らみの縁が明確であれば縁の位置、不明確であれば膨らみ形状から想定される縁と見なされる位置として画定される。
サブウイング部は前述のように本体を構成する生地(本開示で、身生地ともいう。)に接合されて取り付けられる。また、上縁高応力部及び/下縁高応力部もまた、本体とは別の布帛の補強部として構成されてもよい。本体の身生地とは別体の布帛で構成された補強部は、身生地にパワー切替え等により(すなわち伸張応力の強弱をつけることにより)設けられるものと比べ、防振性がより良好であるという利点を有する。
図5を参照し、特定の態様においては、肩紐部とカップ部との前中心側の連結点P1、P2間の距離が最大となるようにブラジャーを配置した時に、肩紐部のカップ部前中心側端点P1、P2と連結部の前中心下端点P3とを結んで形成される三角形Tの面積に対する、ブラジャー構成素材で覆われない部分111の面積割合が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましく、最も好ましいのは、100%である。この三角形は、いわゆる胸の谷間の部分を形成する。上記割合が60%以上ある場合、谷間が隠れてしまうことを防止して良好な審美性を実現できる。本発明のブラジャーは、例えば、特定の防振部を有することによって達成される、後述のような特定の揺れ値を有することができる。本開示のブラジャーは、上記割合が60%以上である、いわゆる開放された状態であっても、防振性に優れる点で有利である。
本開示のブラジャーは、特定の防振部を有することによって、良好な防振性を示す。したがって、胸の揺れを抑えながら、各部位の着圧を50hPa以下にすることができるために本開示の最大着圧を50hPa以下にすることができ、着用時の不快な締め付け感を回避できる。一般には、胸の揺れを抑制するためには締め付けを強くすることが多く、特に肩部の着圧が非常に高いブラジャーが散見される。しかし、ブラジャーの各部位の着圧が50hPaを超えると一般に不快である傾向がある。本発明においては、X、Y、Zの各方向の胸の動きが抑制され、分散されているために、着圧の集中も防ぐことができる。特に上述の肩紐部の補強は着圧分散効果に優れる。最大着圧は、より好ましくは45hPa以下、更に好ましくは40hPa以下である。一方、最大着圧は着用時のずれを抑え、また揺れを抑える観点から、例えば、好ましくは10hPa以上、より好ましくは13hPa以上、更に好ましくは15hPa以上であることができる。
本開示のブラジャーの各部材(すなわち、身生地及び補強部をそれぞれ構成する部材)の素材は特に限定されず、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維等の合成繊維、レーヨン、キュプラ、アセテート等のセルロース系繊維、及び綿、麻等の天然繊維が好適に用いられる。各部材を構成する布帛の構造も特に限定されず、編物、織物、不織布等が用いられる。また、捲縮された繊維を用いてもよい。本発明においては、各部材に適正な伸張特性を有する布帛を配置することが有効である。各部材においては、ポリウレタン弾性繊維が交編された伸びを有する編地が好適に用いられる。また、カップ及びウイング部の生地にはダブル丸編、トリコット編、ラッシェル編等を使用できる。使用する編機の編ゲージとしては20〜40GGが好ましい。また、高応力部には織物又は経編み物等が好適に用いられ、ジャカード編み機を用いた若干伸びのあるレース等は意匠性にも優れ非常に好適に用いられる。
各部材は、モノフィラメント又はマルチフィラメントで構成できる。マルチフィラメント糸には、二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。
本開示のブラジャーの各部材を構成する布帛素材の総繊度は、衣料等で一般的に使用されている範囲であることができる。中でも、強度及びソフトさの観点から、総繊度が約22〜700dtexであることが好ましい。
ブラジャーの各部材に用いる布帛の目付は特に限定されないが、約50〜500g/m2が好ましい。
また、各部材に用いる布帛には吸水加工を施すことが望ましい。
カップにウレタンパッドを使用する場合は、厚み2〜15mmのウレタンパッドが好適に用いられるが、立体編み物をカップに用いて通気性を高めることも好ましい。
本開示のブラジャーは防振性に極めて優れる。揺れの程度を客観的に評価するために、以下の方法を用いることができる。身長160cm±8cmで(トップバスト寸法−アンダーバスト寸法)の値が17.5cm以上である5名の被験者にブラジャーを着用させ、トレッドミルで速度4.5km/h、1分間に140歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせる。この際、鎖骨部及びバストトップ部に直径1.3cmの反射球を取り付けておき、反射球を2台の高速カメラで20秒間撮影する。鎖骨部の揺れが7.0cm程度となるように小走りしたときの胸の揺れの指標として、(バストトップの揺れ)−(鎖骨の揺れ)(cm)の20秒間での(極大値の平均)−(極小値の平均)(cm)を、ヨコ(X)、タテ(Y)及び奥行き(Z)の3方向について算出する。ここでX方向はブラジャーのヨコ方向を意味し、Y方向及びZ方向はそれぞれX方向に対して垂直である。3方向の値のうち最も大きい値を着用時の揺れ(cm)とし、(トップバスト寸法−アンダーバスト寸法)の値(cm)で除して揺れ値とする。揺れ値が0.3以下であると揺れが小さく、有利である。揺れ値は0.25以下であることが好ましく、0.2以下であることがより好ましい。揺れ値は小さい程好ましいが、過度な圧迫を回避し良好な着用感を容易に得る観点から、例えば、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上であることが好ましい。
本開示におけるカップ内の胸の細かな揺れの程度をさらに、客観的に評価するために、以下の方法を用いることができる。上述する外観の胸の揺れの評価の際に、3軸加速度計(SA12ZSCA:富士セラミックス社製)を被験者のバストトップの近傍(ブラジャーの内側に位置することとなる)に直接取り付けておき、トレッドミルで速度4.5km/h、1分間に140歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせる。この際の20秒間の測定において、x方向(ヨコ方向)、y方向(タテ方向)、z方向(奥行方向)の加速度を測定し、各方向の(極大値の平均)−(極小値の平均)(m/s2)を各3方向について算出する。加速度は、低い方がカップ内の胸の細かい揺れが少ないことを表しており、値が小さい方が望ましい。特に50m/s2以下であると、カップ内での胸の細かい振動を抑えることが可能となり、着用動作時の違和感を低減することが可能となる。
バストボリュームの評価するためには以下の方法を用いる。ブラジャー着用時のブラジャーの左右トップを結んだ線上と胸骨柄から垂直にZ軸方向(胸骨柄からブラジャー方向)に伸ばした線が直交する点をGとし、胸骨柄から点Gまでの距離をバスト高さとして測定を行う。本距離が小さいほど、外観上のバストボリュームが小さくなると考えられ、バストのボリューム抑制効果があると評価される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。無論、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得たブラジャーは、以下の方法で評価した。
(1)各部材の生地のタテヨコ平均伸張応力
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、生地サンプルの応力を計測した。10%伸張時応力特性については任意に設定した第1の方向の伸張10%時応力と、第1の方向と垂直の第2の方向の伸張10%時応力(幅2.5cmあたり)を測定し、これらの平均値を算出した。ヤング率は、応力計測値の歪0〜10%部分の平均傾きを算出した値を用いて計算を実施した。
試験片の幅:2.5cm
試験片のつかみ長さ:10cm
伸張速度:30cm/min
各部材の生地サンプルについて上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し、得られた応力値を2.5cm幅あたりの数値に換算した。
(2)本体の生地の伸張応力及び伸び
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、22.1Nまでの伸びを計測し、設定の応力に対応する伸びを求めた。
(3)サブウイング部生地のヨコ方向伸張応力の測定
伸縮性編地の伸張応力は次の方法により測定した。
試料の大きさ:長さ100mm(把持部を除く)
試験片の幅:25mm
引張り試験機:テンシロン引張り試験機((株)オリエンテック製 RTC−1210A)
初荷重:0.1N
引張り速度:300mm/min
引張り長及び測定:30%伸張まで伸張し、同じ速度で伸張後元の長さに戻し(回復させ)、この条件で伸張、回復を3回繰り返し、3回目の30%伸張時の伸張応力値を求めた。
(4)肩紐部の伸度
JIS L1096.8.12.1 A法のカットストリップ法に準拠し、肩紐部の伸張時応力特性を計測した。肩紐の長さ方向に0.5(N)×断面積(mm2)の荷重をかけ、伸度(%)を測定した。なお補強部の肩紐が存在する場合は、身生地の肩紐部と補強部の肩紐の各々の伸度を測定した。
試験片のつかみ長さ:10cm
伸張速度:30cm/min
各部材の生地サンプルについて上記条件で測定を行ったが、試験片のつかみ長さが取れない場合には適宜長さを変更した。試験片の幅が取れない場合には、適宜幅を変更し測定した。
(5)着用時の揺れ
身長160cm±8cmで(トップバスト−アンダーバスト)によるブラジャーサイズが38DD(イギリスサイズ)(日本サイズでは85E)である5名の被験者にブラジャーを着用させ、トレッドミルで速度4.5km/h、1分間に140歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせた。(この際、鎖骨部及びバストトップ部に直径1.3cmの反射球を取り付けておき、反射球を2台の高速カメラ(250コマ/SEC)で20秒間撮影した。鎖骨部の揺れは7.0cm程度とした。着用時の胸の揺れの指標として、(バストトップの揺れ)−(鎖骨の揺れ)(cm)の20秒間での(極大値の平均)−(極小値の平均)(cm)を算出し、ヨコ(X)、タテ(Y)及び奥行き(Z)の値のうち最も大きい方向の値を着用時の揺れ(cm)とし、(トップバスト−アンダーバスト)(cm)で除して揺れ値とした。5名の結果を平均して算出した。
(6)着用時の加速度
着用時の揺れの測定時、3軸加速度計(SA12ZSCA:富士セラミックス社製)を被験者のバストトップの近傍(ブラジャーの内側に位置することとなる)に直接取り付けておき、上記揺れの測定試験時と同様に、トレッドミルで速度4.5km/h、1分間に140歩のペースで、着地時に片足が地面から離れているように小走りさせた。この際の20秒間の測定において、x方向(ヨコ方向)、y方向(タテ方向)、z方向(奥行方向)の加速度を測定し、各方向の(極大値の平均)−(極小値の平均)(m/s2)を各3方向について算出した。なお、加速度は、各方向の値において、5名の被験者の結果を平均して算出を行った。
(7)バストボリュームの外観上の見え方の計測
図12を参照し、ブラジャー着用時のブラジャーの左右トップを結んだ線上と胸骨柄から垂直にZ軸方向(胸骨柄からブラジャー方向)伸ばした線が直交する点をGとし、胸骨柄から点Gまでの距離をバスト高さとして測定を行った。
(8)最大着圧
(株)エイエムアイ・テクノ社製の多点接触圧計(AMI3037−10)を用いて、ブラジャー着用時に、ウイング部における下辺テープ部、ウイング部中央部、肩紐部の肩中央部、肩紐部の後側付け根部、カップ上方、カップ脇部、及びカップ下方において、着用者とブラジャーとの間にセンサーを挿入して着圧を測定し、得られた値のうち最大値を最大着圧(hPa)とした。
(9)快適性及び揺れ感、バストボリュームの見え方
快適性
(5)の着用試験時に以下の基準で評価し、モニターの評価を平均した。
5: 圧迫感がほとんどなく非常に快適である
4: 圧迫感が小さく快適である
3: やや圧迫感があるが不快ではない。
2: 圧迫感があり不快である
1: 圧迫感が強く非常に不快である
揺れ感
(5)の着用試験時に以下の基準で評価し、モニターの評価を平均した。
5: 胸の揺れが気にならない
4: 胸の揺れがあまり気にならない
3: どちらともいえない
2: 胸の揺れが気になる
1: 胸の揺れがかなり気になる
バストボリュームの見え方
ブラジャー着用時にモニターに鏡に映った自身のシルエットを見てもらい、ブラを着用することでのバストボリュームの見え方を評価し、モニターの評価を平均した。
5: バストの大きさが特に気にならない
4: バストの大きさがあまり気にならない
3: 特に変わらない
2: バストの大きさがやや気になる
1: バストの大きさがかなり気になる
[実施例1]
以下の方法で、図6に示す形状である、イギリスサイズ38DDのブラジャー(日本サイズのE85に対応)(トップバスト寸法とアンダーバスト寸法との差は、20cm、バストトップから背中心線までの最短距離が最長になるようにブラジャーを配置したときの当該最短距離は、30cm)を作製した。
カップに厚み6mmで10%タテヨコ平均伸張応力が3.0Nのウレタン成形品を用い、ナイロン56dtexポリウレタン44dtexの28GGツーウエイトリコット編地で、10%タテヨコ平均伸張応力が0.4Nの生地でカップを包み、カップ部102を作製した。カップ部全体の10%タテヨコ平均伸張応力は3.7Nであった。ウイング部103にも同じツーウエイトリコット編地を用い、下辺テープにはラッセル1cm幅テープであってタテヨコ平均伸張応力が1.7Nのものを用いた。
カップ上部接合端部が、点Qと点P1(すなわち2点)であり、カップ下部接合端部が点W(すなわち1点)であり、更に、カップ部周縁に沿って点Qから点Wまで延びる線分上の全域でサブウイング部とカップ部とが接合されており(したがって点P1と点Wとがそれぞれサブウイング部の上辺端部及び下辺端部であり)、バストトップHから背中心Cに向かって線分I全長の80%の位置に、サブウイング部の上辺から下辺に亘って線状に延びるウイング側接合部を有するサブウイング部を、ナイロン33dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。本ブラジャーにおいては、m2を31cmとし、m1を28cmとした結果、着用時のサブウイング部の伸長率であるE1は31.8%となった。本伸長率におけるサブウイング部の伸張応力σは273cN/inchであった。なお、サブウイング部とウイング部のヤング率比であるYR1/YR2は1.19であった。
肩紐部は経糸に640dtexポリウレタンに70dtexのナイロン加工糸をダブルカバーリングした糸(ドラフト3.5)と155dtexのナイロン加工糸を1本交互で配し、緯糸に155dtexのナイロン加工糸を用いた織物を作製した。W1において、幅1.0cm、厚みは2.0mm及び、W2において、幅1.2cm、厚みは2.0mm、中間点であるW3において、幅1.8cm、厚みは2.0cm(平均断面積は27mm2)とし取り付けた。肩紐部の長さ方向の伸度は肩中央部で64%であった。
カップの下縁部及び上縁部に幅2cmのマーキゼット織物をウレタンカップに挟み込み、モールドすることで、カップと一体化させた。本防振部における10%平均伸張応力は35Nであった。
肩紐部のカップ部前中心側端点P1,P2と連結部の前中心下端点P3とを結んで形成される三角形の面積において、ブラジャー構成素材で覆われていない面積は72%であった。
作製したブラジャーを着用したときの着用時の胸の揺れの防振効果は大きく、また着圧の最大値は小さく、加速度の絶対値も小さく抑えられており、快適性にも優れていた。更に肩紐部のカップ部前中心側端点P1,P2と連結部の前中心下端点P3とを結んで形成される三角形の面積の72%がブラジャー構成素材で覆われておらず、審美性にも優れていた。また、本ブラジャー着用時には、バストの高さが低減されており、外観上バストボリュームが小さく見える傾向であった。
[実施例2]
図7を参照し、実施例1のブラジャーにおいて、サブウイングの形状を変更したものを作製した。カップ上部接合端部が点P1であり、カップ下部接合端部が点Kであり、点P1から線分L1の中点を通って点Kに至る線分に亘ってサブウイング部とカップ部とが接合されており(したがって点P1と点Kとがそれぞれサブウイング部の上辺端部及び下辺端部であり)、バストトップHから背中心Cに向かって80%の位置に実施例1と同様のウイング部側接合部を有するサブウイング部を、ナイロン33dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。本ブラジャーにおいては、m2を28cmとし、m1を25.5cmとした結果、着用時のサブウイング部の伸長率であるE1は30.7%となった。本伸長率におけるサブウイング部の伸張応力σは254cN/inchであった。なお、サブウイング部とウイング部のヤング率比であるYR1/YR2は1.19であった。
[実施例3]
図8を参照し、実施例1のブラジャーにおいて、サブウイング部の形状を変更したものを作製した。カップ上部接合端部が点P1であり、カップ下部接合端部が点Kであり、点P1からバストトップHを通って点Kに至る線分に亘ってサブウイング部とカップ部とが接合されており(したがって点P1と点Kとがそれぞれサブウイング部の上辺端部及び下辺端部であり)、バストトップHから背中心Cに向かって80%の位置に実施例1と同様のウイング部側接合部を有するサブウイング部を、ナイロン33dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。本ブラジャーにおいては、m2を26cmとし、m1を23.5cmとした結果、着用時のサブウイング部の伸長率であるE1は31.7%となった。本伸長率におけるサブウイング部の伸張応力σは266cN/inchであった。なお、サブウイング部とウイング部のヤング率比であるYR1/YR2は1.19であった。
[実施例4]
図9を参照し、実施例1のブラジャーにおいて、サブウイングの形状を変更したものを作製した。カップ上部接合端部が点Pであり、カップ下部接合端部が点Yであり、点Pから線分L1と交わって点Yに至る線分に亘ってサブウイング部とカップ部とが接合されており(したがって点Pと点Yとがそれぞれサブウイング部の上辺端部及び下辺端部であり)、バストトップHから背中心Cに向かって80%の位置に実施例1と同様のウイング部側接合部を有するサブウイング部を、ナイロン33dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。本ブラジャーにおいては、m2を28cmとし、m1を25.5cmとした結果、着用時のサブウイング部の伸長率であるE1は30.7%となった。本伸長率におけるサブウイング部の伸張応力σは254cN/inchであった。なお、サブウイング部とウイング部のヤング率比であるYR1/YR2は1.19であった。
[実施例5]
図10を参照し、実施例1のブラジャーにおいて、サブウイングの形状を変更したものを作製した。カップ上部接合端部が点P1であり、カップ下部接合端部が点Wであり、点P1から線分L1と交わって点Wに至る線分に亘ってサブウイング部とカップ部とが接合されており(したがって点P1と点Wとがそれぞれサブウイング部の上辺端部及び下辺端部であり)、バストトップHから背中心Cに向かって80%の位置に実施例1と同様のウイング部側接合部を有するサブウイング部を、ナイロン33dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。本ブラジャーにおいては、m2を28cmとし、m1を25.5cmとした結果、着用時のサブウイング部の伸長率であるE1は30.7%となった。本伸長率におけるサブウイング部の伸張応力σは254cN/inchであった。なお、サブウイング部とウイング部のヤング率比であるYR1/YR2は1.19であった。
[実施例6]
実施例1のブラジャーにおいて、カップ上部接合端部が、カップ上縁周縁部上の点Qから点P1まで連続する部位であり、カップ下部接合端部が点Wであり、更に、カップ部周縁に沿って点Qから点Wまで延びる線分に亘ってサブウイング部とカップ部とが接合されており(したがって点P1と点Wとがそれぞれサブウイング部の上辺端部及び下辺端部であり)、バストトップHから背中心Cに向かって80%の位置に実施例1と同様のウイング部側接合部を有するサブウイング部を、ナイロン33dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。本ブラジャーにおいては、m2を31cmとし、m1を30cmとした結果、着用時のサブウイング部の伸長率であるE1は23%となった。本伸長率におけるサブウイング部の伸張応力σは130cN/inchであった。なお、サブウイング部とウイング部のヤング率比であるYR1/YR2は1.19であった。
[実施例7]
実施例1のブラジャーにおいて、カップ上部接合端部が、カップ上縁周縁部上の点Qから点P1まで連続する部位であり、カップ下部接合端部が点Wであり、更に、カップ部周縁に沿って点Qから点Wまで延びる線分に亘ってサブウイング部とカップ部とが接合されており(したがって点P1と点Wとがそれぞれサブウイング部の上辺端部及び下辺端部であり)、バストトップHから背中心Cに向かって80%の位置に実施例1と同様のウイング部側接合部を有するサブウイング部を、ナイロン33dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。本ブラジャーにおいては、m2を31cmとし、m1を26cmとした結果、着用時のサブウイング部の伸長率であるE1は42%となった。本伸長率におけるサブウイング部の伸張応力σは744cN/inchであった。なお、サブウイング部とウイング部のヤング率比であるYR1/YR2は2.6であった。
[実施例8]
実施例1のブラジャーにおいて、カップ上部接合端部が、カップ上縁周縁部上の点Qから点P1まで連続する部位であり、カップ下部接合端部が点Wであり、更に、カップ部周縁に沿って点Qから点Wまで延びる線分に亘ってサブウイング部とカップ部とが接合されており(したがって点P1と点Wとがそれぞれサブウイング部の上辺端部及び下辺端部であり)、バストトップHから背中心Cに向かって80%の位置に実施例1と同様のウイング部側接合部を有するサブウイング部を、ナイロン56dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。本ブラジャーにおいては、m2を31cmとし、m1を29cmとした結果、着用時のサブウイング部の伸長率であるE1は27%となった。本伸長率におけるサブウイング部の伸張応力σは322cN/inchであった。なお、サブウイング部とウイング部のヤング率比であるYR1/YR2は1.19であった。
[実施例9]
実施例1のブラジャーにおいて、カップ部の上縁高応力部及び下縁高応力部を設けないブラジャーを作製し、着用試験を実施した。
[実施例10]
実施例1のブラジャーにおいて、肩紐部を経糸に640dtexポリウレタンに70dtexのナイロン加工糸をダブルカバーリングした糸(ドラフト3.5)と155dtexのナイロン加工糸を1本交互で配し、緯糸に155dtexのナイロン加工糸を用いた織物にて作製した。W1において、幅1.0cm、厚みは1.5mm及び、W2において、幅1.0cm、厚みは1.5mm、中間点であるW3において、幅1.0cm、厚みは1.5cm(平均断面積は15mm2)とし取り付けた。肩紐部の長さ方向の伸度は肩中央部で72%であった。
[比較例1]
図11を参照し、実施例1のブラジャーにおいて、サブウイング部の形状を変更したものを作製した。バストトップHから背中心Cに向かって、15%の位置(カップ部上に存在)に第1の接合部を、80%の位置に第2の接合部(ウイング部上に存在)を有するサブウイング部を、ナイロン44dtex及びポリウレタン44dtex及び挿入糸としてポリウレタン310dtexからなるパワーネットにより形成した。パワーネットのヨコ方向の30%伸張応力は2.70Nであった。また、サブウイング部におけるLbは、ウイング部の長さに対して85%にて形成した。
[比較例2]
実施例1のブラジャーにおいて、サブウイング部を設置しないものを作製し、着用試験を実施した。
実施例と比較例の結果からわかるように、本開示の所定形状のサブウイング部によれば、高い防振性を保持しつつも、着圧を上げることなく、バストボリュームを小さく見せるブラジャーを得ることができる。また、着圧を上げることなく高い防振性を保持できていることによって、快適性も高いブラジャーを得ることが可能となる。
特に、各実施例及び比較例に示す結果からわかるように、本開示の所定形状のサブウイング部によれば、全体的な大きな揺れを低減しつつも細かな揺れを減らすことが可能となり、着用時の違和感に対応する揺れ感を低減できるような高い快適性を有するブラジャーを得ることができる。
Figure 2018178281
Figure 2018178281
Figure 2018178281
本発明は、フロント部に一般的な開口部を有するような一般用ブラジャーに好適に適用できる。
100 ブラジャー
101 カップ部
102 連結部
103 ウイング部
104 上縁高応力部
105 下縁高応力部
106 長さ調節機構
107aS カップ部側接合部
107bS ウイング部側接合部
109 サブウイング部
110 肩紐部
111 ブラジャー構成素材で覆われない部分
C 背中心
G ブラジャーの左右トップを結んだ線上と胸骨柄から垂直にZ軸方向(胸骨柄からブラジャー方向)に伸ばした線が直交する点
H バストトップ
I バストトップと背中心とを結ぶ線分
K カップ最下点
L1 バストトップから連結部とカップ部との境界部の上端点までを最短距離で繋ぐ線分
Q 連結部とカップ部との境界部の上端点
P 肩紐部とカップ部との脇側の連結点
P1 肩紐部とカップ部との前中心側の連結点
P’ 肩紐部とウイング部との脇側の連結点
P’1 肩紐部とウイング部との背中心側の連結点
P2 肩紐部とカップ部との前中心側の連結点
P3 連結部の前中心下端点
S 平面
T 三角形
W 連結部とカップ部との境界部の下部端点
Y ウイング部とカップ部との境界部の下部端点

Claims (5)

  1. 一対のカップ部と、該カップ部の前中心側を互いに連結する連結部と、該カップ部の脇側に隣接するウイング部と、端部が該カップ部と該ウイング部とに連結された肩紐部とを有する本体、並びに
    該カップ部上又は該連結部と該カップ部との境界部から、該カップ部の少なくとも一部及び該ウイング部の少なくとも一部を覆うように配置されたサブウイング部
    を有するブラジャーであって、
    該サブウイング部が、該本体と接合されている接合部と、該本体と接合されていない非接合部とを有し、接合部の少なくとも一部は、該カップ部のバストトップHから該ウイング部の背中心Cまでを最短距離で繋ぐ線分が最長になるようにブラジャーを配置したときに:
    バストトップHから連結部とカップ部との境界部の上端点Qまでを最短距離で繋ぐ線分上と;
    バストトップHから背中心Cまでを最短距離で繋ぐ線分上において、該線分と同一方向の法線を有する平面を規定した場合に、該バストトップHから該背中心Cに向かって、該バストトップHから該背中心Cまでの距離の55〜100%の位置の該平面上と;
    に存在する、ブラジャー。
  2. 該カップ部が、
    カップ上縁に沿って延びる上縁高応力部であって、カップ中央部の伸長応力S1に対する上縁高応力部の伸張応力S2の比S2/S1が2/1〜400/1である、上縁高応力部、若しくは
    カップ下縁に沿って延びる下縁高応力部であって、カップ中央部の伸長応力S1に対する下縁高応力部の伸張応力S3の比S3/S1が2/1〜400/1である下、縁高応力部、
    又はこれらの両方を有する、請求項1に記載のブラジャー。
  3. 肩紐部の平均断面積が20〜120mm2である、請求項1又は2に記載のブラジャー。
  4. 肩紐部のカップ部前中心側端点の距離が最大となるようにブラジャーを配置したときに、肩紐部のカップ部前中心側端点と該連結部の前中心下端点とを結んで形成される三角形の面積に占めるブラジャー構成素材が存在しない部分の面積の割合が60%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラジャー。
  5. 最大着圧が50hPa以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラジャー。
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