JP2018177616A - 炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法 - Google Patents

炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法 Download PDF

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勉 堀
和田 圭司
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古米 正樹
Masaki Komai
正樹 古米
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Abstract

【課題】表面欠陥の発生を抑制可能な炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は以下の工程を有している。{0001}面に対して8°以下<11−20>方向にオフした主面を有し、かつポリタイプが4Hである炭化珪素基板が準備される。水素ガスを含む第1の雰囲気中において第1温度で第1の時間の間、炭化珪素基板が加熱される。炭化珪素基板を加熱する工程後、水素ガスを含む第2の雰囲気中において第1温度よりも高い第2温度で第1の時間よりも短い第2の時間の間、主面において炭化珪素基板がエッチングされる。第1温度よりも高くかつ第2温度よりも低い第3温度で、炭化珪素基板の主面において第1炭化珪素層がエピタキシャル成長する。第3温度よりも高い第4温度で、第1炭化珪素層上に第2炭化珪素層がエピタキシャル成長する。
【選択図】図4

Description

本開示は、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法に関する。
特開2014−170891号公報(特許文献1)には、炭化珪素単結晶基板上に炭化珪素層をエピタキシャル成長させる方法が開示されている。
特開2014−170891号公報
本開示の目的は、表面欠陥の発生を抑制可能な炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を提供することである。
本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法は以下の工程を備えている。{0001}面に対して8°以下<11−20>方向にオフした主面を有し、かつポリタイプが4Hである炭化珪素基板が準備される。水素ガスを含む第1の雰囲気中において第1温度で第1の時間の間、炭化珪素基板が加熱される。炭化珪素基板を加熱する工程後、水素ガスを含む第2の雰囲気中において第1温度よりも高い第2温度で第1の時間よりも短い第2の時間の間、主面において炭化珪素基板がエッチングされる。第1温度よりも高くかつ第2温度よりも低い第3温度で、炭化珪素基板の主面において第1炭化珪素層がエピタキシャル成長する。第3温度よりも高い第4温度で、第1炭化珪素層上に第2炭化珪素層がエピタキシャル成長する。
本開示によれば、表面欠陥の発生を抑制可能な炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る製造方法により製造された炭化珪素エピタキシャル基板の構成を示す平面模式図である。 本実施形態に係る製造方法により製造された炭化珪素エピタキシャル基板の構成を示す断面模式図である。 本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法に用いられる製造装置の構成を示す一部断面模式図である。 本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法を概略的に示すフローチャートである。 本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の第1工程を示す断面模式図である。 本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の第2工程を示す断面模式図である。 本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法における温度と時間との関係を示す図である。 本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の変形例における温度と時間との関係を示す図である。
[本開示の実施形態の概要]
まず本開示の実施形態の概要について説明する。本明細書の結晶学的記載においては、個別方位を[]、集合方位を<>、個別面を()、集合面を{}でそれぞれ示す。結晶学上の指数が負であることは、通常、数字の上に”−”(バー)を付すことによって表現されるが、本明細書では数字の前に負の符号を付すことによって結晶学上の負の指数を表現する。
(1)本開示に係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法は以下の工程を備えている。{0001}面に対して8°以下<11−20>方向にオフした主面11を有し、かつポリタイプが4Hである炭化珪素基板10が準備される。水素ガスを含む第1の雰囲気中において第1温度T1で第1の時間A1の間、炭化珪素基板10が加熱される。炭化珪素基板10を加熱する工程後、水素ガスを含む第2の雰囲気中において第1温度T1よりも高い第2温度T2で第1の時間A1よりも短い第2の時間A2の間、主面11において炭化珪素基板10がエッチングされる。第1温度T1よりも高くかつ第2温度T2よりも低い第3温度T3で、炭化珪素基板10の主面11において第1炭化珪素層21がエピタキシャル成長する。第3温度T3よりも高い第4温度T4で、第1炭化珪素層21上に第2炭化珪素層22がエピタキシャル成長する。
(2)上記(1)に係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法において、第4温度は、第2温度以上であってもよい。
(3)上記(1)に係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法において、第4温度は、第2温度未満であってもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法において、第1の時間は、3分以上100分以下であってもよい。
(5)上記(1)〜(3)のいずれかに係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法において、第2の時間は、3分以上100分以下であってもよい。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかに係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法において、第1温度は、1000℃以上1200℃以下であってもよい。
(7)上記(1)〜(6)のいずれかに係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法において、第2温度は、1600℃以上であってもよい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法において、第1炭化珪素層21の不純物濃度は、第2炭化珪素層22の不純物濃度よりも高くてもよい。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態の詳細について説明する。以下の説明では、同一または対応する要素には同一の符号を付し、それらについて同じ説明は繰り返さない。
(炭化珪素エピタキシャル基板)
図1および図2に示されるように、本実施形態に係る製造方法により製造された炭化珪素エピタキシャル基板100は、炭化珪素基板10と、炭化珪素エピタキシャル膜20とを有している。炭化珪素基板10は、第1主面11と、第1主面11と反対側の第2主面12とを有する。炭化珪素エピタキシャル膜20は、第1主面11と接する。炭化珪素エピタキシャル膜20は、第1主面11と接する第3主面13と、第3主面13と反対側の第4主面14とを有する。炭化珪素基板10および炭化珪素エピタキシャル膜20のポリタイプは、4H−SiCである。図1に示されるように、炭化珪素エピタキシャル基板100には、第1方向101に延在する第1フラット16が設けられて入れてもよい。炭化珪素エピタキシャル基板100には、第2方向102に延在する第2フラット(図示せず)が設けられていてもよい。
第2方向102は、たとえば<1−100>方向である。第1方向101は、第4主面14に対して平行であり、かつ第2方向102に対して垂直な方向である。第1方向101は、たとえば<11−20>方向成分を含む方向である。図1に示されるように、炭化珪素エピタキシャル基板100の最大径111(直径)は、たとえば100mm以上である。最大径111は150mm以上でもよいし、200mm以上でもよいし、250mm以上でもよい。最大径111の上限は特に限定されない。最大径111の上限は、たとえば300mmであってもよい。
炭化珪素基板10は、たとえば炭化珪素単結晶から構成される。炭化珪素基板10は、たとえば窒素(N)などのn型不純物を含んでいる。炭化珪素基板10の導電型は、たとえばn型である。第1主面11は、たとえば{0001}面に対して8°以下のオフ角θだけ<11−20>方向にオフしている。炭化珪素基板10の厚みは、たとえば350μm以上500μm以下である。
図2に示されるように、炭化珪素エピタキシャル膜20は、炭化珪素基板10の第1主面11上にある。炭化珪素エピタキシャル膜20は、エピタキシャル層である。炭化珪素エピタキシャル膜20は、たとえば窒素などのn型不純物を含んでいる。炭化珪素エピタキシャル膜20の導電型は、たとえばn型である。第4主面14は、たとえば{0001}面に対して8°以下のオフ角θだけ<11−20>方向にオフしている。
オフ角θは、第4主面14が{0001}面に対して傾斜している角度である。言い換えれば、オフ角θは、第4主面14の法線が<0001>方向に対して傾斜している角度である。オフ角θは、たとえば0°より大きく8°以下である。オフ角θは、1°以上であってもよいし、2°以上であってもよい。オフ角θは、7°以下であってもよいし、6°以下であってもよい。
図2において破線で記載された面は、たとえば{0001}面である。第3方向103は、{0001}面に対して垂直な方向である。第3方向103は、たとえば<0001>方向である。第4方向104は、第3方向103に対して垂直な方向である。第4方向104は、たとえば<11−20>方向である。第4方向104は、オフ方向である。第4主面14の法線方向は、第5方向105である。第5方向は、<0001>方向に対してオフ方向にオフ角θだけ傾斜した方向である。
炭化珪素エピタキシャル膜20は、第1炭化珪素層21と、第2炭化珪素層22とを含む。第1炭化珪素層21は、たとえばバッファ層である。第2炭化珪素層22は、たとえばドリフト層である。バッファ層は、第1主面11に接している。第1炭化珪素層21は、第3主面13を構成する。第2炭化珪素層22は、第1炭化珪素層21上にある。第2炭化珪素層22は、第4主面14を構成する。
第1炭化珪素層21と、第2炭化珪素層22とは、たとえば窒素などのn型不純物を含んでいる。第1炭化珪素層21が含むn型不純物の濃度は、たとえば1×1018cm-3である。第2炭化珪素層22が含むn型不純物の濃度は、たとえば8×1015cm-3である。第1炭化珪素層21が含むn型不純物の濃度は、炭化珪素基板10が含むn型不純物の濃度より低く、かつ第2炭化珪素層22が含むn型不純物の濃度より高くてもよい。n型不純物の濃度は、たとえば水銀プローブ方式のC−V測定装置により測定される。第1炭化珪素層21のキャリア濃度は、第2炭化珪素層22のキャリア濃度よりも高くてもよい。第1炭化珪素層21のキャリア濃度は、炭化珪素基板10のキャリア濃度よりも低くてもよい。キャリアは、電子であってもよいし、正孔であってもよい。
(炭化珪素エピタキシャル基板の製造装置)
次に、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法に用いられる製造装置200の構成について説明する。
図3に示されるように、炭化珪素エピタキシャル基板100の製造装置200は、たとえばホットウォール方式の横型CVD(Chemical Vapor Deposition)装置である。製造装置200は、反応室201と、発熱体203と、石英管204と、断熱材205と、誘導加熱コイル206とを主に有している。
発熱体203は、たとえば筒状の形状を有しており、内部に反応室201を形成している。発熱体203は、たとえば黒鉛製である。断熱材205は、発熱体203の外周を取り囲んでいる。断熱材205は、石英管204の内周面に接するように石英管204の内部に設けられている。誘導加熱コイル206は、たとえば石英管204の外周面に沿って巻回されている。誘導加熱コイル206には、外部電源(図示せず)により、交流電流が供給可能に構成されている。これにより、発熱体203が誘導加熱される。結果として、反応室201が発熱体203により加熱される。
反応室201は、発熱体203に取り囲まれて形成された空間である。反応室201内には、炭化珪素基板10が配置される。反応室201は、炭化珪素基板10を加熱可能に構成されている。反応室201には、炭化珪素基板10を保持するサセプタ210が設けられている。サセプタ210は、回転軸212の周りを自転可能に構成されている。
製造装置200は、ガス導入口207およびガス排気口208を有している。ガス排気口208は、排気ポンプ(図示せず)に接続されている。図3中の矢印は、ガスの流れを示している。ガスは、ガス導入口207から反応室201に導入され、ガス排気口208から排気される。反応室201内の圧力は、ガスの供給量と、ガスの排気量とのバランスによって調整される。
製造装置200は、混合ガスを反応室201に供給可能に構成されたガス供給部(図示せず)を有している。具体的には、ガス供給部は、プロパン(C)を供給可能なガスボンベと、水素(H)を供給可能なガスボンベと、シラン(SH)を供給可能なガスボンベと、窒素(N)を供給可能なガスボンベとを有していてもよい。
反応室201の軸方向において、誘導加熱コイル206の巻き密度を変化させてもよい。巻き密度[回/m]とは、装置の軸方向の単位長さあたりのコイルの周回数である。たとえば、上流側でアンモニアを効果的に熱分解させるために、上流側の誘導加熱コイル206の巻き密度は、下流側の誘導加熱コイル206の巻き密度よりも高くてもよい。
(炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法)
次に、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法について説明する。
まず、炭化珪素基板を準備する工程(S10:図4)が実施される。たとえば昇華法により、ポリタイプ4Hの炭化珪素単結晶が製造される。次に、たとえばワイヤーソーによって、炭化珪素単結晶をスライスすることにより、炭化珪素基板10が準備される。炭化珪素基板10は、たとえば窒素などのn型不純物を含んでいる。炭化珪素基板10の導電型は、たとえばn型である。
図5に示されるように、炭化珪素基板10は、第1主面11と、第1主面11の反対側にある第2主面12とを有する。第1主面11は、たとえば{0001}面に対してオフ角θだけオフ方向に傾斜した面である。具体的には、第1主面11は、たとえば(0001)面に対してオフ角θだけオフ方向に傾斜した面であってもよいし、(000−1)面に対してオフ角θだけオフ方向に傾斜した面であってもよい。オフ方向は、<11−20>方向である。オフ角θは、0°より大きく8°以下である。炭化珪素基板10の第1主面11の最大径は、たとえば100mm以上である。以上により、{0001}面に対して8°以下<11−20>方向にオフした第1主面11を有し、かつポリタイプが4Hである炭化珪素基板10が準備される(図5参照)。
次に、炭化珪素基板10が反応室201内においてサセプタ210上に配置される(図3参照)。たとえば反応室201の圧力が大気圧から1×10-6Pa程度に低減された後、炭化珪素基板10の昇温が開始される。図7に示されるように、時点B0から時点B1にかけて、炭化珪素基板10の温度が室温T0から第1温度T1まで上昇する。第1温度T1は、たとえば1100℃である。第1温度T1は、1000℃以上1200℃以下であってもよい。第1温度T1の下限は、1020℃であってもよいし、1040℃であってもよい。第1温度T1の上限は、1180℃であってもよいし、1160℃であってもよい。図3に示されるように、ガス導入口207から反応室201に水素ガスが供給される。水素ガスの流量は、たとえば130slmである。
次に、炭化珪素基板を加熱する工程(S20:図4)が実施される。具体的には、水素ガスを含む第1の雰囲気中において第1温度T1で第1の時間A1の間、炭化珪素基板10が加熱される。図7に示されるように、炭化珪素基板10は、時点B1から時点B2まで第1温度T1に維持される。第1の時間A1は、たとえば3分以上100分以下である。第1の時間A1の下限は、5分であってもよいし、10分であってもよい。第1の時間A1の上限は、80分であってもよいし、60分であってもよい。時点B1から時点B2までの間、反応室201には、水素ガスのみが供給され、シランガス、プロパンガスおよび窒素ガスは供給されない。時点B1から時点B2までの間、第1主面11において炭化珪素基板10の一部がエッチングされる。
第1温度T1の設定温度が1100℃の場合、炭化珪素基板10は、時点B1から時点B2まで、たとえば1100℃±25℃以内に維持される。言い換えれば、時点B1から時点B2までの第1の時間A1において、炭化珪素基板10の最高温度および最低温度は、それぞれ1125℃以下および1075℃以上である。炭化珪素基板10は、設定温度±20°以内に維持されてもよいし、設定温度±15℃以内に維持されてよい。
次に、炭化珪素基板10の昇温が開始される。図7に示されるように、時点B2から時点B3にかけて、炭化珪素基板10の温度が、第1温度T1から第2温度T2まで上昇する。第2温度T2は、たとえば1625℃である。第2温度T2は、たとえば1600℃以上である。第2温度T2は、たとえば1620℃以上であってもよいし、1640℃以上であってもよい。第2温度T2の上限は特に限定されないが、たとえば1750℃である。
次に、炭化珪素基板をエッチングする工程(S30:図4)が実施される。具体的には、炭化珪素基板を加熱する工程(S30:図4)後、水素ガスを含む第2の雰囲気中において第2温度T2で第2の時間A2の間、第1主面11において炭化珪素基板10がエッチングされる。第2温度T2は、第1温度T1よりも高い。第2の時間A2は、第1の時間A1よりも短い。第2の時間A2は、たとえば3分以上100分以下である。第2の時間A2の下限は、5分であってもよいし、10分であってもよい。第2の時間A2の上限は、80分であってもよいし、60分であってもよい。時点B3から時点B4までの間、反応室201には、水素ガスのみが供給され、シランガス、プロパンガスおよび窒素ガスは供給されない。時点B3から時点B4までの間、第1主面11において炭化珪素基板10がさらにエッチングされる。第2の雰囲気中における水素ガスの濃度および流量は、第1の雰囲気中における水素ガスの濃度および流量と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2温度T2の設定温度が1625℃の場合、炭化珪素基板10は、時点B3から時点B4まで、たとえば1625℃±25℃以内に維持される。言い換えれば、時点B3から時点B4までの第2の時間A2において、炭化珪素基板10の最高温度および最低温度は、それぞれ1650℃以下および1600℃以上である。炭化珪素基板10は、設定温度±20°以内に維持されてもよいし、設定温度±15℃以内に維持されてよい。
次に、炭化珪素基板10の降温が開始される。図7に示されるように、時点B4から時点B5にかけて、炭化珪素基板10の温度が、第2温度T2から第3温度T3に低下する。第3温度T3は、たとえば1615℃である。第3温度T3は、第1温度T1よりも高くかつ第2温度T2よりも低い。
次に、第1炭化珪素層をエピタキシャル成長させる工程(S40:図4)が実施される。具体的には、炭化珪素基板10の第1主面11において第1炭化珪素層21がエピタキシャル成長する。図7に示されるように、炭化珪素基板10がたとえば第3温度T3になった後、反応室201に、原料ガス、ドーパントガスおよびキャリアガスが供給される。具体的には、シランとプロパンと窒素と水素とを含む混合ガスが反応室201に供給される。
具体的には、シランの流量が、たとえば60sccmとなるように調整される。プロパンの流量が、たとえば20sccmとなるように調整される。窒素の流量が、たとえば20sccmとなるように調整される。水素の流量が、たとえば130slmとなるように調整される。第1炭化珪素層21にドーピングされるn型不純物(窒素)の濃度は、たとえば2×1017cm-3以上9×1018cm-3以下程度である。第1炭化珪素層21の厚みは、たとえば1μmである。反応室201の圧力は、たとえば5kPaである。時点B5から時点B6までの間、炭化珪素基板10は、第3温度T3に維持される。時点B5から時点B6までの時間は、たとえば3分以上60分以下である。反応室201において、それぞれのガスが熱分解され、炭化珪素基板10上に第1炭化珪素層21が形成される(図6参照)。
次に、第2炭化珪素層をエピタキシャル成長させる工程(S50:図4)が実施される。図7に示されるように、時点B6において、炭化珪素基板10の昇温が再度開始される。具体的には、時点B6から時点B7にかけて、炭化珪素基板10の温度が第3温度T3から第4温度T4まで上昇する。第4温度T4は、たとえば1635℃である。第4温度T4は、たとえば第2温度T2以上である。
炭化珪素基板10が第4温度T4になった後、シランとプロパンと窒素の供給量が調整される。具体的には、シランの流量が、たとえば140sccmとなるように調整される。プロパンの流量が、たとえば60sccmとなるように調整される。窒素の流量が、たとえば10sccmとなるように調整される。水素の流量が、たとえば130slmとなるように調整される。反応室201の圧力は、たとえば6kPaである。
時点B7から時点B8までの間、炭化珪素基板10は、第4温度T4で維持される。時点B7から時点B8までの時間は、たとえば30分以上600分以下である。反応室201において、それぞれのガスが熱分解される。以上により、第3温度T3よりも高い第4温度T4で、第1炭化珪素層21上に第2炭化珪素層22がエピタキシャル成長する(図2参照)。第2炭化珪素層22にドーピングされるキャリアの濃度は、たとえば8×1015cm-3程度である。第2炭化珪素層22の厚みは、たとえば10μm以上30μm以下程度である。次に、炭化珪素基板10が第4温度T4から室温まで冷却される。以上のように、炭化珪素エピタキシャル基板100が製造される。
なお、時点B0から時点B8までの間、サセプタ210は回転軸212の周りを自転する(図3参照)。これにより、炭化珪素基板10は回転軸212の周りを公転する。具体的には、炭化珪素基板を加熱する工程(S20:図4)から第2炭化珪素層をエピタキシャル成長させる工程(S50:図4)までの間、炭化珪素基板10を公転させながら、炭化珪素基板10上に水素などのガスが供給される。
次に、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の変形例について説明する。
図8に示されるように、第4温度T4は、第2温度T2未満であってもよい。具体的には、第2炭化珪素層をエピタキシャル成長させる工程(S50:図4)において、第2炭化珪素層が第1炭化珪素層上に形成される際の反応室内の温度は、炭化珪素基板をエッチングする工程(S30:図4)において、炭化珪素基板に対して水素エッチングが行われる際の反応室内の温度未満であってよい。図8に示されるように、第4温度T4は、第3温度T3よりも高い。第3温度T3は、第1温度T1よりも高く、かつ第2温度T2よりも低い。
次に、本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法の作用効果について説明する。
本実施形態に係る炭化珪素エピタキシャル基板100の製造方法によれば、水素ガスを含む第1の雰囲気中において第1温度T1で第1の時間A1の間、炭化珪素基板10が加熱される。炭化珪素基板10を加熱する工程後、水素ガスを含む第2の雰囲気中において第1温度T1よりも高い第2温度T2で第1の時間A1よりも短い第2の時間A2の間、第1主面11において炭化珪素基板10がエッチングされる。第1温度T1よりも高くかつ第2温度T2よりも低い第3温度T3で、炭化珪素基板10の第1主面11において第1炭化珪素層21がエピタキシャル成長する。第3温度T3よりも高い第4温度T4で、第1炭化珪素層21上に第2炭化珪素層22がエピタキシャル成長する。これにより、三角欠陥またはキャロットなどの表面欠陥の発生を抑制することができる。また第1炭化珪素層21の成長温度(第3温度T3)を、第2炭化珪素層22の成長温度(第4温度T4)よりも低く維持することにより、熱膨張率の異なる第1炭化珪素層21と第2炭化珪素層22の間の熱膨張差の絶対値が小さくなり、歪を小さく抑えることができる。そのため、炭化珪素基板10に基底面転位が存在している場合において、基底面転位が貫通刃状転位に転換する割合(転換率)を向上することができる。
まず、サンプル1および2に係る炭化珪素基板をそれぞれ3枚準備した。次に、サンプル1および2に係る炭化珪素基板に対して水素エッチングを行い、その後、炭化珪素基板上に炭化珪素層をエピタキシャル成長させた。サンプル1に係る炭化珪素基板に対しては、2段階の水素エッチングを行った後、炭化珪素基板10上に第1炭化珪素層21および第2炭化珪素層22を形成した。具体的には、本実施形態の図7に示した温度プロファイルを用いて、炭化珪素基板10に対して2段階の水素エッチングを行った。具体的には、第1温度T1を1100℃とした。第1の時間A1を20分とした。第2温度を1625℃とした。第2の時間A2を18分とした。第3温度T3を1615℃とした。第4温度T4を1635℃とした。
一方、サンプル2に係る炭化珪素基板に対しては、1段階の水素エッチングを行った後、炭化珪素基板10上に第1炭化珪素層21および第2炭化珪素層22を形成した。具体的には、図7において炭化珪素基板を加熱する工程(S20:図4)を省略した。つまり、反応室の温度を室温から第2温度T2まで上昇させ、第2温度T2において第2の時間A2の間、炭化珪素基板10のエッチングを行った。第2温度を1625℃とした。第2の時間A2を18分とした。第3温度T3を1615℃とした。第4温度T4を1635℃とした。
次に、第2炭化珪素層22の第4主面14(図2参照)おける三角欠陥を、共焦点微分干渉顕微鏡を有する欠陥検査装置を用いて観察した。共焦点微分干渉顕微鏡を有する欠陥検査装置として、レーザーテック株式会社製のWASAVIシリーズ「SICA 6X」を用いた。対物レンズの倍率を10倍とした。観察された画像に基づいて、第2炭化珪素層22の第4主面14の単位面積あたりにおける三角欠陥の密度を算出した。サンプル1に係る炭化珪素エピタキシャル基板の各3枚に対して三角欠陥の密度を算出し3枚の平均を求めた。同様に、サンプル2に係る炭化珪素エピタキシャル基板の各3枚に対して三角欠陥の密度を算出し3枚の平均を求めた。
Figure 2018177616
表1は、サンプル1および2の規格化した三角欠陥密度を示している。表1において、サンプル1に係る炭化珪素エピタキシャル基板の三角欠陥密度は、サンプル2に係る炭化珪素エピタキシャル基板の三角欠陥密度によって規格化されている。言い換えれば、サンプル2に係る炭化珪素エピタキシャル基板の三角欠陥密度を1個(cm-2)として場合における、サンプル1に係る炭化珪素エピタキシャル基板の三角欠陥密度(cm-2)の相対値が示されている。表1に示されるように、サンプル1に係る炭化珪素エピタキシャル基板の三角欠陥密度は、サンプル2に係る炭化珪素エピタキシャル基板の三角欠陥密度の3/8であった。以上の結果より、炭化珪素基板に対して2段階水素エッチングを行うことにより、三角欠陥などの表面欠陥の発生を抑制可能であることが確認された。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施形態ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 炭化珪素基板
11 第1主面(主面)
12 第2主面
13 第3主面
14 第4主面
16 第1フラット
20 炭化珪素エピタキシャル膜
21 第1炭化珪素層
22 第2炭化珪素層
100 炭化珪素エピタキシャル基板
101 第1方向
102 第2方向
103 第3方向
104 第4方向
105 第5方向
111 最大径
200 製造装置
201 反応室
203 発熱体
204 石英管
205 断熱材
206 誘導加熱コイル
207 ガス導入口
208 ガス排気口
210 サセプタ
212 回転軸
A1 第1の時間
A2 第2の時間
B0,B1,B2,B3,B4,B5,B6,B7,B8 時点
T0 室温
T1 第1温度
T2 第2温度
T3 第3温度
T4 第4温度

Claims (8)

  1. {0001}面に対して8°以下<11−20>方向にオフした主面を有し、かつポリタイプが4Hである炭化珪素基板を準備する工程と、
    水素ガスを含む第1の雰囲気中において第1温度で第1の時間の間、前記炭化珪素基板を加熱する工程と、
    前記炭化珪素基板を加熱する工程後、水素ガスを含む第2の雰囲気中において前記第1温度よりも高い第2温度で前記第1の時間よりも短い第2の時間の間、前記主面において前記炭化珪素基板をエッチングする工程と、
    前記第1温度よりも高くかつ前記第2温度よりも低い第3温度で、前記炭化珪素基板の前記主面において第1炭化珪素層をエピタキシャル成長させる工程と、
    前記第3温度よりも高い第4温度で、前記第1炭化珪素層上に第2炭化珪素層をエピタキシャル成長させる工程とを備える、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  2. 前記第4温度は、前記第2温度以上である、請求項1に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  3. 前記第4温度は、前記第2温度未満である、請求項1に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  4. 前記第1の時間は、3分以上100分以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  5. 前記第2の時間は、3分以上100分以下である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  6. 前記第1温度は、1000℃以上1200℃以下である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  7. 前記第2温度は、1600℃以上である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
  8. 前記第1炭化珪素層のキャリア濃度は、前記第2炭化珪素層のキャリア濃度よりも高い、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法。
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