JP4916479B2 - 炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法 - Google Patents

炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法に関し、さらに詳しくはカーボンの供給を抑えた反応室内条件下に、特定組成のガスを用いて炭化珪素基板表面を加熱処理してSiドロップレットが抑制され平滑な表面を有する炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法に関する。
近年、エレクトロニクス分野における低損失化や小型化の実現に向けて、従来のシリコン半導体素子に比べて高い電気変換効率および高い熱伝導率などによって大幅な性能向上が期待できる炭化珪素単結晶半導体素子がパワー半導体デバイス材料として有望視されている。この炭化珪素単結晶半導体素子は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)装置などの製膜装置を用いて半導体基板上へのエピタキシャル薄膜の形成によって得られる。
この製膜装置によれば、サセプタおよび断熱材を備えた反応室に原料ガスであるSi原料ガスおよびC原料ガスをキャリアガスとともに供給して炭化珪素基板に炭化珪素単結晶薄膜をエピタキシャル結晶成長させることができる。
しかし、一般的な製膜装置にグラファイトサセプタやグラファイト断熱材などを備えた反応室内条件下にエピタキシャル成長させると、この製膜装置を起源とするハイドロカーボン・不純物の発生があり、その発生量や種類の制御が難しく、炭化珪素単結晶のエピタキシャル成長条件の精密な制御が困難である。
このため、サセプタとして炭化珪素を用いるかサセプタ表面を炭化珪素でコートした炭化珪素コートグラファイトを用いるなどのカーボンの供給を抑えた反応室内条件下で炭化珪素基板上に炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させる技術が検討されている。
一方、炭化珪素基板のスライス技術や研磨技術がシリコン基板(シリコンウェハー)の技術に比べて未だ十分でないため、炭化珪素基板には研磨によるダメージ層やスクラッチと呼ばれる傷が全面に発生する。最終的なデバイス性能の多くは炭化珪素基板上に成長させたエピタキシャル薄膜の膜質に左右され、エピタキシャル薄膜は下地層の影響を受けることから、高品質のエピタキシャル薄膜を得るためには、エピタキシャル成長前に炭化珪素基板表面のダメージ層を除去して平坦かつ清浄な表面を得ることが必要となる。
このため、炭化珪素基板へのエピタキシャル成長の前処理として、炭化珪素基板の水素雰囲気によるエッチング処理が提案された(特許文献1〜4)。
特開2001−077030号公報 特開2002−255692号公報 特開2005−277229号公報 特開2005−311348号公報
上記の特許文献1には、炭化珪素基板を反応炉に配置し、炭化珪素基板を加熱して水素ガス又は水素とアルゴンとの混合ガスを導入し、雰囲気圧力を760Torr(1気圧)より小さい減圧にして炭化珪素基板表面をエッチングする工程を含む炭化珪素半導体装置の製造方法が記載されている。
上記の特許文献2には、炭化珪素単結晶ウェハーを1550℃以上の温度で水素ガス又は塩化水素ガス流通雰囲気中で前処理を行った後に、該ウェハー上に炭化珪素薄膜をエピタキシャル成長する炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法が記載されている。そして、具体例として、水素ガスのみ又は水素ガスと塩化水素ガスとの混合ガスによりグラファイトサセプタを用いて前記温度および雰囲気で前処理を行った後エピタキシャル成長により炭化珪素エピタキシャル基板を得た例が示されている。
上記の特許文献3には、炭化珪素基板の平滑化における水素エッチング時に原料ガスを添加する炭化珪素平滑化基板の作製方法が記載されている。そして、原料ガスとしてシランが記載され、サセプタの種類については記載がない。
上記の特許文献4には、炭化珪素基板の表面を水素エッチングで処理した後に、この処理面から炭化珪素をエピタキシャル成長させてエピタキシャル層を形成するバイポーラ型半導体装置の製造方法が記載されているが、サセプタの種類については記載がない。
このように、公知文献に記載されている炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法は、いずれもグラファイトサセプタを用いるなどカーボンの供給を前提とする反応室内条件下あるいはカーボンの供給を抑えることが不明な反応室内条件下での水素エッチングによるエピタキシャル成長の前処理によるものであり、カーボンの供給を抑えた反応室内条件下で加熱処理して平滑な表面を有する炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法は知られていない。
従って、この発明の目的は、カーボンの供給を抑えた反応室内条件下でのエピタキシャル成長用基板として好適な炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法を提供することである。
この発明者らは、前記の目的を達成することを目的として鋭意検討した結果、カーボンの供給を抑えた反応室内条件下に水素ガスを供給して炭化珪素基板を高温加熱処理すると基板表面がSi過剰となりSiドロップレットが生じ、エピタキシャル成長用基板として好ましくないことを見出し、さらに検討を行った結果、この発明を完成した。
この発明は、カーボンの供給を抑えた反応室内条件下、炭化珪素基板をアルゴン雰囲気下にてエピタキシャル成長温度まで昇温させて基板表面をアルゴン処理し、エピタキシャル成長温度に到達した段階で昇温のための加熱およびアルゴンガス供給を停止した後、さらに、水素ガスを供給して基板表面をエッチングする炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法に関する。
また、この発明は、前記の製造方法によって得られた炭化珪素エピタキシャル用基板の表面に、引き続いてキャリアガス、Si原料ガスおよびC原料ガスを供給して炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させる成長方法に関する。
この発明によれば、カーボンの供給を抑えた反応室内条件下でのエピタキシャル成長用基板として好適な、Siドロップレットが抑制されて平滑な表面を有する炭化珪素エピタキシャル用基板を得ることができる。
この発明における好適な態様を次に示す。
1)昇温のための加熱およびアルゴンガス供給を停止した後、さらに、水素ガスを供給して基板表面をエッチングする前記の製造方法。
2)カーボンの供給を抑えた反応室内条件が、サセプタを炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトによって構成することである前記の製造方法。
3)カーボンの供給を抑えた反応室内条件が、断熱材を炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトによって構成することである前記の製造方法。
4)水素ガスを5〜60分間供給して基板表面をエッチングする前記の製造方法。
以下、この発明を図面を参照して説明する。図1は、この発明の製造方法に用いる製膜装置の1実施態様の概略図であり、図2はこの発明の1実施態様における加熱温度の時間変化および供給ガスの時間変化を示すグラフであり、図3はこの発明の他の1実施態様における加熱温度の時間変化および供給ガスの時間変化を示すグラフである。
図1において、製膜装置は、反応室1内に例えば炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトで構成したサセプタ2および例えば炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトで構成した断熱材3を備え、サセプタ2上の炭化珪素基板4に薄膜を形成するためのチャンバー、例えば、石英製チャンバーからなり、反応室1外に装置内加熱装置5、例えば、高周波電源と、装置内加熱温度測定用の熱電対温度計6と、アルゴンガスおよび他のガス、例えば水素キャリアガス、原料ガスの供給配管(図示せず)、排気管(図示せず)および形成された薄膜を取り出す薄膜取り出し装置(図示せず)を備えている。なお、図1の円形図(右側にある図)は反応室内の横断面図である。
この発明は、例えば図1に一例を示す製膜装置を用いたカーボンの供給を抑えた反応室内条件下、炭化珪素基板をアルゴン雰囲気下にてエピタキシャル成長温度まで昇温させて基板表面をアルゴン処理し、エピタキシャル成長温度に到達した段階で昇温のための加熱およびアルゴンガス供給を停止する炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法に関するものであり、先ずカーボンの供給を抑えた反応室内条件下に炭化珪素基板をアルゴン雰囲気下にてエピタキシャル成長温度まで昇温させることが必要である。
前記のカーボンの供給を抑えた反応室内条件としては、好適にはサセプタを炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトで構成すること、又は断熱材を炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトで構成することが挙げられる。特に、サセプタを炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトで構成することと断熱材を炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトで構成することを組み合わせることが好ましい。
そして、前記のカーボンの供給を抑えた反応室内条件下に炭化珪素基板をアルゴン雰囲気下にてエピタキシャル成長温度まで昇温させるために、図2に示すように、昇温の最初からアルゴンガスを供給する。また、前記の昇温とは、エピタキシャル成長温度に到達するまでの温度範囲内で熱電対温度計が示す温度が上昇している状態を示す。昇温の条件については特に制限はなく、図2に示すように一定の昇温速度で温度上昇させてもよく又は、温度上昇−温度保持−温度上昇等の段階的な昇温を繰り返しても良い。
この発明の方法において、アルゴンガスは、好適には10〜5000sccm(standard cc/minの略号、0℃で規格化したccmを表示する。)、特に50〜2500sccmの供給速度で供給することが好ましい。また、圧力は、1torr〜2atm、特に2torr〜1atm、その中でも2〜100torrであることが好ましい。
また、この発明の好適な態様として、昇温のための加熱およびアルゴンガス供給を停止し、さらに、水素ガスを供給して炭化珪素エピタキシャル用基板表面をエッチングすることが好ましい。
この発明においては、前記のカーボンの供給を抑えた反応室内条件下で昇温中にアルゴンガスを供給することが必要であり、昇温中にエッチングガスとしての水素ガスを供給したのでは炭化珪素基板表面にシリコンドロップレットが生じる。この水素ガスによるSiドロップレットの発生は水素ガス単独でも水素ガスとアルゴンガスとの混合ガスでも水素ガスが存在する限り避けられない。
この昇温中での水素ガス供給によるSiドロップレット生成の要因として、水素雰囲気下に炭化珪素基板を加熱することによって炭化珪素基板表面で下記の反応が起こることによると考えられる。
炭化珪素+2H→Si(s)+CH(g)+0.72eV (1)
この炭化珪素基板表面に発生したSi(s)がドロップレットとして表面に残ると考えられる。
このSi(s)は加熱により次式に従って蒸発すると考えられる。
Si(s)→Si(g)+4.4eV (2)
この反応によるSiの蒸発は、活性化エネルギーの関係から低温域では遅く、高温域では早い。また、飽和蒸気圧の関係から、蒸発速度は圧力の平方根分の1に比例するため温度や圧力によって炭化珪素基板表面に残るSi量が異なり、結局水素ガス雰囲気では炭化珪素基板表面にSiがドロップレットとして残ることは避けられない。
これに対して、この発明においては昇温中にアルゴンガスを供給し水素ガスを供給しないためSiドロップレットの発生を抑えた状態で高温に到達させることができ、活性化エネルギーの関係から、発生したSiはすぐに蒸発し炭化珪素基板表面に残らず、ハイドロカーボンなしで平坦な炭化珪素エピタキシャル用基板表面が得られると考えられる。また、この発明によれば、ハイドロカーボン供給下で起きる平坦化の悪化を抑えることが出来る。
さらに、昇温中のガスはアルゴンのみであるため、昇温過程における昇温条件、特に昇温速度が表面に及ぼす影響がほとんどない。このため、形状やタイプの異なる製膜装置(成長炉)を用いても、昇温中に水素ガスを供給する場合に比べて、再現性が得られやすいので好適である。
この発明においては、前記のアルゴン雰囲気下にてエピタキシャル成長温度に到達した段階で昇温のための加熱およびアルゴンガス供給を停止することによって、この発明における炭化珪素エピタキシャル用基板を得ることができる。
この発明においては、図3に示すようにエピタキシャル成長温度に到達した段階でアルゴンガス供給を停止した後、さらに、水素ガスを供給して炭化珪素エピタキシャル用基板表面をエッチングしてもよい。この場合エピタキシャル成長温度以上の温度であれば温度については特に制限はなく、前記の範囲で温度一定に保つか前記の範囲で降温させて基板表面を水素ガスでエッチングして炭化珪素エピタキシャル用基板を得てもよい。
前記のエピタキシャル成長温度としては、1500℃以上〜2000℃未満、特に1500℃以上〜1800℃、その中でも特に1500〜1650℃の温度が好適である。
また、前記のアルゴンガスの供給を停止した後に引き続き水素ガスを供給して基板表面をエッチングする条件としては、10〜5000sccm、特に50〜2500sccm程度の水素ガス供給量、1500℃以上〜2000℃未満、特に1500〜1800℃程度、その中でも特に1500〜1650℃の温度、5分間〜2時間、特に5〜60分間の時間が好ましい。
この発明の方法により得られる炭化珪素エピタキシャル用基板は、基板表面に炭化珪素ドロップレットの発生が抑制され、表面の研磨ひずみ層が除去されてSRqが好適には1nm以下、特に0.5nm以下、その中でも0.4nm以下の平坦面を有している。
前記の方法によって得られた炭化珪素エピタキシャル用基板の表面に、図4に示すように、引き続いてキャリアガス(例えば、水素ガス)およびSi原料ガスおよびC原料ガスを供給して炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させることができる。
この発明の方法によれば、カーボンの供給を抑えた反応室内条件下にエピタキシャル成長に好適な炭化珪素エピタキシャル用基板を製造することができ、基板自体が良好な特性を有しているとともにそのままの反応室内で炭化珪素単結晶のエピタキシャル成長を行うことによって、従来の製膜装置を起源とするハイドロカーボン・不純物の発生を抑制することができる。
前記の炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させる方法としては特に制限はなく、任意の方法を採用することが出来る。
例えば、エピタキシャル成長によって形成される薄膜は単一層であってもよく2種以上の多層であってもよい。また、炭化珪素のみからなる薄膜の場合、p型およびn型の単結晶が相互に接合されて構成されてもよく、異種の結晶からなる薄膜が相互に接合されて構成されてもよい。
前記の炭化珪素をエピタキシャル成長させるためのSi原料ガスとしては、SiHやジクロルシランなどを挙げることができ、C原料ガスとしてメタン、プロパン、アセチレンなどを挙げることができる。
さらに、エピタキシャル成長させるときの反応室内の温度(例えば、サセプタの熱電対温度)は1000℃以上2000℃未満、特に1500〜1800℃の範囲内の温度であることが好ましく、1torr〜2atmの圧力、厚みによって異なるが5〜10μmの場合には通常1〜2時間の反応時間(素子1枚ごとの成長時間)でエピタキシャル成長を行うことが好ましい。
前記の各サセプタおよび断熱材のうちどれを組み合わせて使用するかによって、原料のSi原料およびC原料の割合を変えることが好ましく、例えば、炭化珪素サセプタおよび炭化珪素断熱材を組み合わせて用いる場合、炭化珪素エピタキシャル結晶成長時の適切な原料供給比のC/Siは6である。
この発明の製造方法によって得られるSiドロップレットがなく平滑な表面を有する炭化珪素エピタキシャル用基板の表面に、前記の炭化珪素エピタキシャル成長によって炭化珪素エピタキシャル薄膜を形成することができる。
以下にこの発明の実施例を示すが、この発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の各例において、炭化珪素エピタキシャル用基板の表面粗さを原子間力顕微鏡によって測定し、SRq(粗さ曲面の自乗平均平方根粗さを示す)で表示する。
実施例1
図1に示す製膜装置(CVD装置)を用いて、下記の工程で炭化珪素エピタキシャル用基板を製造し、評価した。
1)洗浄した炭化珪素基板を、炭化珪素サセプタおよび炭化珪素断熱材を備えたCVD装置の反応室に設置した。
2)アルゴンガス500sccmを流しながら5torrの圧力下で加熱を始める。
3)50℃/ 分の一定の昇温速度で昇温させて基板表面をアルゴン処理し、エピタキシャル成長温度(1650℃)になったところで昇温のための加熱を停止して、炭化珪素エピタキシャル用基板を得た。
加熱を停止した後、降温して炭化珪素エピタキシャル用基板を取り出し、基板の表面形状をAFM(Atomic Force Microscope、原子間力顕微鏡)を用いて評価した。実験結果をまとめて表1に示す。実施例1で得られた炭化珪素エピタキシャル用基板のAFMによる表面形状写真を図5に示す。
また、得られた炭化珪素エピタキシャル用基板の表面粗さを測定した結果、鏡面でSRq=0.5nmの平坦面であった。
実施例2
加熱を停止した後、さらに、以下の工程に示すように水素ガスを供給して炭化珪素エピタキシャル用基板表面をエッチングする工程を加えた他は実施例1と同様に実施した。
1)洗浄した炭化珪素基板を、炭化珪素サセプタおよび炭化珪素断熱材を備えたCVD装置の反応室に設置した。
2)アルゴンガス500sccmを流しながら5torrの圧力下で加熱を始める。
3)50℃/ 分の一定の昇温速度で昇温させて基板表面をアルゴン処理し、エピタキシャル温度(1650℃)になったところで昇温のための加熱を停止して、供給ガスをアルゴンから水素に切替えて30分間保持して、炭化珪素エピタキシャル用基板を得た。
30分間保持した後、降温して炭化珪素エピタキシャル用基板を取り出し、基板の表面形状をAFMを用いて評価した。実験結果をまとめて表1に示す。実施例2で得られた炭化珪素エピタキシャル用基板のAFMによる表面形状写真を図6に示す。
また、得られた炭化珪素エピタキシャル用基板の表面粗さを測定した結果、鏡面でSRq=0.2nmの平坦面であった。
比較例1
以下の工程に示すように、昇温中の供給ガスをアルゴンから水素に変えた他は実施例1と同様に実施した。
1)洗浄した炭化珪素基板を、炭化珪素サセプタおよび炭化珪素断熱材を備えた製膜装置の反応室に設置した。
2)水素ガス500sccmを流しながら2torrの圧力下で加熱を始める。
3)50℃/ 分の一定の昇温速度で昇温し、エピタキシャル温度(1650℃)になったところで昇温のための加熱を停止して、炭化珪素エピタキシャル用基板を得た。
加熱を停止後、降温して炭化珪素エピタキシャル用基板を取り出し、基板の表面形状をAFMを用いて評価した。実験結果をまとめて表1に示す。比較例1で得られた炭化珪素エピタキシャル用基板のAFMによる表面形状写真を図7に示す。
炭化珪素エピタキシャル用基板表面にはSiドロップレットの発生が確認された(図7の全面に点在する白い部分がSiドロップレットである。)。
比較例2
以下の工程に示すように、昇温中の供給ガスをアルゴンから水素に変えた他は実施例2と同様に実施した。
1)洗浄した炭化珪素基板を、炭化珪素サセプタおよび炭化珪素断熱材を備えた製膜装置の反応室に設置した。
2)水素ガス500sccmを流しながら2torrの圧力下で加熱を始める。
3)50℃/ 分の一定の昇温速度で昇温し、エピタキシャル温度(1650℃)になったところで昇温のための加熱を停止し30分間保持して、炭化珪素エピタキシャル用基板を得た。
30分間保持した後、降温して炭化珪素エピタキシャル用基板を取り出し、基板の表面形状をAFMを用いて評価した。実験結果をまとめて表1に示す。比較例2で得られた炭化珪素エピタキシャル用基板のAFMによる表面形状写真を図8に示す。
基板周辺部にのみSiドロップレットの発生が確認された(図8の周辺部の白く見えるところがSiドロップレットの発生領域)。
図5(実施例1)および図6(実施例2)と図7(比較例1)および図8(比較例2)との比較、および表1から、この発明のカーボンの供給を抑えた反応室内条件下、炭化珪素基板をアルゴン雰囲気下にてエピタキシャル成長温度まで昇温させて基板表面をアルゴン処理し、エピタキシャル成長温度に到達した段階で昇温のための加熱およびアルゴンガス供給を停止することによって得られた炭化珪素エピタキシャル用基板は、基板表面にSiドロップレットの生成が抑制されて、平滑な表面を有しており、炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させる基板として好適であることが理解される。
図1は、この発明に用いるCVD装置の1実施態様の概略図である。 図2は、この発明の1実施態様における加熱温度の時間変化およびガス供給の時間変化を示すグラフである。 図3は、この発明の他の1実施態様における加熱温度の時間変化およびガス供給の時間変化を示すグラフである。 図4は、この発明の他の1実施態様に引き続いてエピタキシャル成長を行う1例の温度変化およびガス供給の時間変化を示すグラフである。 図5は、実施例1で得られた炭化珪素エピタキシャル用基板のAFMによる表面形状写真である。 図6は、実施例2で得られた炭化珪素エピタキシャル用基板のAFMによる表面形状写真である。 図7は、比較例1で得られた炭化珪素エピタキシャル用基板のAFMによる表面形状写真である。 図8は、比較例2で得られた炭化珪素エピタキシャル用基板のAFMによる表面形状写真である。
符号の説明
1 反応室
2 サセプタ
3 断熱材
4 基板
5 装置内加熱装置
6 熱電対温度計
10 製膜装置

Claims (5)

  1. カーボンの供給を抑えた反応室内条件下、炭化珪素基板をアルゴン雰囲気下にてエピタキシャル成長温度まで昇温させて基板表面をアルゴン処理し、エピタキシャル成長温度に到達した段階で昇温のための加熱およびアルゴンガス供給を停止した後、さらに、水素ガスを供給して基板表面をエッチングする炭化珪素エピタキシャル用基板の製造方法。
  2. カーボンの供給を抑えた反応室内条件が、サセプタを炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトによって構成することである請求項1に記載の製造方法。
  3. カーボンの供給を抑えた反応室内条件が、断熱材を炭化珪素又は炭化珪素コートグラファイトによって構成することである請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 水素ガスを5〜60分間供給して基板表面をエッチングする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法によって得られた炭化珪素エピタキシャル用基板の表面に、引き続いてキャリアガス、Si原料ガスおよびC原料ガスを供給して炭化珪素単結晶をエピタキシャル成長させる成長方法。
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