JP2018176743A - 撥液性プラスチック成形体及びその製造方法 - Google Patents

撥液性プラスチック成形体及びその製造方法 Download PDF

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正毅 青谷
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正弘 國則
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Abstract

【課題】液体、特に粘稠な流動体が常時接触している状態に保持されている場合にも、優れた撥液性が長期間にわたって維持され、しかも、包装材の分野にも適用可能な方法で製造し得る撥液性プラスチック成形体を提供する。【解決手段】撥液性表面を有する撥液性プラスチック成形体1において、前記撥液性表面は、拡径した頭部20aを有するピラー20の配列により形成されたリエントラント構造表面を有しており、前記リエントラント構造表面の少なくとも一部には、フッ素原子が分布している含フッ素表面を有していることを特徴とする。【選択図】図3

Description

本発明は、撥液性に優れた表面を有するプラスチック成形体及びその製造方法に関する。
一般にプラスチックは、ガラスや金属等に比して成形が容易であり、種々の形状に容易に成形できるため、種々の用途に使用されている。その中でも、袋状容器(パウチ)やボトルなどの包装容器の分野は、プラスチックの用途の代表的な分野である。
ところで、上記の容器に粘稠な流体が収容されている場合には、その排出性が求められる。即ち、粘稠な流体を内容物とする場合には、このような内容物を、容器内に付着残存することなく、速やかに綺麗に排出させることが求められている。
粘稠な流動体に対する排出性を高めるためには、容器の内面を形成するプラスチック製表面の内容物に対する撥液性を高め、内容物に対する滑り性を向上させるという手段が採用される。
このような手段として、表面に凹凸を形成するという手段が知られている。
また、表面に凹凸を設けるという手段は、表面形状により物理的に撥液性を付与するというものである。即ち、凹凸面上を液が流れるときには、凹部にエアポケットが形成され、凹凸面と液体との接触状態が固液接触及び気液接触となり、しかも、気体(空気)は最も疎水性の高い物質である。このため、凹凸の粗密を適宜設定することにより、著しく高い撥液性が発現するというものである。しかしながら、かかる手段では、液が繰り返し凹凸面上を流れていくと、次第に凹部に液が溜まっていき、エアポケットが次第に失われていき、この結果、撥液性が次第に低下していくこととなる。
凹凸表面により撥液性を発現させたときの撥液性の経時的低下が抑制されたプラスチック成形体として、特許文献1には、表面に一次凹凸が形成され、この一次凹凸の少なくとも一部に微細な二次凹凸が形成されているフラクタル的な階層表面凹凸構造を有するプラスチック成形体が、本出願人により提案されている。
この成形体では、一次凹凸の領域内に、さらに微細な二次凹凸が形成されているため、一次凹凸内への液体の侵入が有効に抑制され、一次凹凸による撥液性が安定に維持されるというものである。
しかしながら、このような手段によっても、液切れ性や液転落性の低下を抑制するには限界がある。即ち、二次凹凸内への液体の侵入を完全に防止することはできず、二次凹凸に形成されるエアポケットによる撥液性は徐々に低下していき、従って、一次凹凸内に徐々に液体が侵入することとなり、やはり、撥液性の経時的低下は免れない。
また、特許文献2には、やはり、本出願人により上記のようなフラクタルな凹凸表面構造(粗面)が形成されている成形体に関して、かかる粗面をフッ素プラズマ処理することにより、表面を形成している樹脂中にフッ素原子を組み込むという手法が提案されている。
上記の手段は、表面にフッ素原子を分布させるという手段により凹凸表面の撥液性を化学的に向上させるというものであり、これにより、凹凸表面を液が繰り返し流れたときの撥液性の低下はかなり改善され、また、フッ素原子の表面分布はフッ素プラズマ処理により行われているため、表面からのフッ素原子膜の剥離による表面撥液性の低下を生じることもない。
しかしながら、上記の手段は、容器の口部を撥液性として液垂れを防止するなどの手段には好適であるが、粘稠な流動体が撥液性の表面に常時接触しているようなときには、撥液性が十分に発揮されないことがあり、さらなる改善が求められている。
また、特許文献3には、リエントラント構造を有するインクジェットヘッドのノズルプレートが開示されており、このような構造を有するノズルプレートが優れた撥液性を示し、ノズルヘッドのインク汚れを有効に防止することが記載されている。
しかしながら、このようなリエントラント構造体は、フォトリソグラフィーによりノズルプレートの所定の表面部分にマスク材を形成し、次いでドライエッチング装置を用いてのエッチングによりリエントラント構造を形成する凹部を作製し、この後、マスク材を除去するという極めて面倒な手段により製造されるものであり、シリコンなどからなるインクジェットヘッドのノズルプレートには適用できるが、コストや生産性のなどの観点から、包装材の分野には全く適用できない。さらに、粘稠な液が常時接触している状態での撥液性の寿命などについても、特許文献3では全く検討されていない。
特開2015−80929号 特開2016−88947号 特開2013−52546号
従って、本発明の目的は、液体、特に粘稠な流動体が常時接触している状態に保持されている場合にも、優れた撥液性が長期間にわたって維持され、しかも、包装材の分野にも適用可能な方法で製造し得る撥液性プラスチック成形体及びその製造法を提供することにある。
本発明によれば、撥液性表面を有する撥液性プラスチック成形体において、
前記撥液性表面は、拡径した頭部を有するピラーの配列により形成されたリエントラント構造表面を有しており、
前記リエントラント構造表面の少なくとも一部には、フッ素原子が分布している含フッ素表面を有していることを特徴とする撥液性プラスチック成形体が提供される。
本発明の撥液性プラスチック成形体においては、
(1)前記含フッ素表面が、フッ素プラズマ処理面であること、
(2)フィルムの形態を有していること、
が好適である。
特にフィルム形態の撥液性プラスチック成形体は、これを製袋して袋状容器として使用される。
本発明によれば、また、
所定形状に成形されたプラスチック成形体と、直胴形状の柱状凸部の配列により形成された凹凸表面を転写面として有する転写用型とを用意する工程;
前記プラスチック成形体の表面に前記転写用型の転写面を対面させ、該転写面の凹凸表面を該プラスチック成形体表面に転写させることにより、リエントラント前駆構造体表面を形成する転写工程;
前記転写により形成されたリエントラント前駆構造体表面に分布しているピラーを加熱及び/または加圧して、該ピラーの上端部を拡径させることにより、前記前駆体表面をリエントラント構造表面とする表面形状変形工程;
前記リエントラント構造表面の少なくとも一部にフッ素原子を分布させるフッ素表面分布工程;
を含むことを特徴とする撥液性プラスチック成形体の製造方法(転写法1或いはリフロー法)が提供される。
本発明によれば、さらに、所定形状に成形されたプラスチック成形体と、転写によりリエントラント構造凹凸面を形成する転写凹凸表面を有する転写用型とを用意する工程;
前記プラスチック成形体の表面に前記転写用型の転写凹凸表面を対面させ、該転写凹凸表面を該プラスチック成形体表面に転写させることにより、リエントラント構造表面を該プラスチック成形体の表面に形成する転写工程;
前記リエントラント構造表面の少なくとも一部にフッ素原子を分布させるフッ素表面分布工程;
を含むことを特徴とする撥液性プラスチック成形体の製造方法(転写法2)が提供される。
上記の2つの製造方法は、転写法と呼ばれる方法であり、かかる方法では、
(1)前記フッ素表面分布工程において、前記プラスチック成形体表面が、含フッ素化合物が配合された樹脂により形成されており、該フッ化化合物のブリーディングにより、フッ素原子の表面分布が行われること、
(2)前記フッ素表面分布工程において、前記リエントラント構造表面の少なくとも一部をフッ素プラズマ処理することにより、フッ素原子の表面分布が行われること、
が好適である。
本発明によれば、さらに、
所定形状に成形されたプラスチック成形体と、端面が拡径した形状のプラスチック製柱状体とを用意する工程;
前記プラスチック製柱状体の多数個を、前記プラスチック成形体の表面に接合することにより、リエントラント構造表面を形成する表面形成工程;
次いで、前記リエントラント構造表面の少なくとも一部にフッ素原子を分布させるフッ素表面分布工程;
を含むことを特徴とする撥液性プラスチック成形体の製造方法が提供される。
かかる方法は、プラスチック成形体表面に所定形状の柱状成形体を接合させることによりリエントラント構造を形成するものであり、接合法と呼ぶ方法である。
このような接合法においては、
(1)前記表面形成工程において、前記プラスチック製柱状体の前記プラスチック成形体表面への接合を、静電植毛により行うこと(静電植毛法と呼ばれる)、
或いは、
(2)前記表面形成工程において、前記プラスチック製柱状体の前記プラスチック成形体表面への接合を、該プラスチック製柱状体を該プラスチック成形体表面に溶射することにより行うこと(溶射法と呼ばれる)、
という手段が採用される。
このような静電植毛法或いは溶射法では、
(a)前記フッ素表面分布工程において、前記リエントラント構造表面の少なくとも一部が、フッ素化合物が配合された樹脂により形成されており、該含フッ化化合物のブリーディングにより、フッ素原子の表面分布が行われること、
(b)前記フッ素表面分布工程において、前記リエントラント構造表面の少なくとも一部をフッ素プラズマ処理することにより、フッ素原子の表面分布が行われること、
が好適である。
本発明の撥液性プラスチック成形体は、その表面に拡径した上端部を有するピラーが配列されており、このようなピラーの配列により、リエントラント構造が形成されている。即ち、ピラー間に形成されている凹部は、上部が狭くなった形状となっている。本発明では、このようなリエントラント構造では、この表面を液が流れたとき、凹部内に液が入り難い構造となっており、所謂カシー(cassie)モード安定に維持されるため、安定した撥液性が発現しているのであるが、特に重要な点は、この面にフッ素原子が分布していることにより、液体が常時接触して保持されていた場合にも、著しく長期にわたって、撥液性が安定に保持される。
さらに、この撥液性プラスチック成形体は、成形体表面を直接エッチングするなどの手法を採用することなく、連続的に製造することができるため、製造コストも安価であり且つ生産性が高いという利点を有している。
従って、本発明の撥液性プラスチック成形体は、液体が常時接触した状態で保持される包装分野(特に容器)に好適に適用され、例えば、カレーのような粘稠な流動体(例えば25℃での粘度が250mPa・s以上)を内容物として収容する袋状容器などとして使用した場合、製造から半年〜1年もの時間が経過した後でも、内部に付着残存することなく、速やかに内容物を排出することができる。
粗面での液滴の接触パターンをCassie−Baxterモデル及びWenzelモデルで示す模式図。 従来公知のピラー構造の凹凸面の形態を示す概略図。 本発明によるリエントラント構造の凹凸面の形態を示す図。 転写法1(リフロー法)による本発明の撥液性プラスチック成形体の製造プロセスを示す図。 転写法2に用いる転写用型の作成に用いる転写基板の形態を示す概略側断面図。 接合法に用いるリエントラント構造面形成用柱状体の例を示す図。 接合法による本発明の撥液性プラスチック成形体の製造プロセスの一例(静電植毛法)を示す図。 接合法による本発明の撥液性プラスチック成形体の製造プロセスの他の例(溶射法)を示す図。
粗面(凹凸表面)による撥液性の原理を説明するための図1を参照して、粗面100上に液滴が載ったCassieモードでは、粗面100中の凹部がエアポケットとなっており、液滴は固体と気体(空気)との複合接触となる。即ち、このような複合接触では、液滴の接触界面での半径Rは小さく、疎水性が最も高い空気に液体が接触するため、高い撥水性が発現することが知られている。即ち、見かけの接触角θは180度に近い値を示す。
一方、液滴が粗面100中の凹部に侵入した場合には、液滴は複合接触ではなく、固体のみとの接触であり、Wenzelモードで示される。このようなWenzelモードでは、液滴の接触界面での接触半径Rは大きく、この場合にも、見かけの接触角θは180度に近く、撥液性を示すことが知られている。
このように、WenzelモードとCassieモードのいずれの状態でも、撥液性が向上することは知られているが、撥液性を高めるためには、Wenzelモードではなく、Cassieモードを安定的に維持すること(凹部のエアポケットを安定に維持すること)が必要であると考えられている。即ち、Wenzelモードは液相と固相の界面が大きく、結果、界面に働く物理的な吸着力も大きくなるので、接触角は大きく撥液はしているが、液滴が容易に転落することはない。Cassieモードは界面が小さいため、液滴が転落する際乗り越えなければならないエネルギー障壁が低く、容易に転落し、何度でも繰り返し転落すると考えられるからである。
本発明においては、上記のCassieモードでの液滴の接触を有効に維持するためにプラスチック成形体1の表面100にリエントラント構造を形成している。
このリエントラント構造は、凹凸表面の凹部の上端が底部に比して狭くなっている形態であり、液滴が凹部の内部に入り難い構造となっており、この結果、上述したCassieモードが長期にわたって安定に保持されることとなる。
即ち、凹凸面の形態を示す図2及び図3を参照して、これらの図3には、ピラー(柱状体)10或いは20の配列によりプラスチック成形体1の表面に形成された凹凸表面(粗面)100の概略が示されている。
図2では、直胴形状のピラー10(以下、ノーマルピラーと呼ぶ)が配列されており、このパターンで形成される凹凸表面100は、従来公知のパターンであり、以下、ピラー構造と呼ぶことがある。
一方、図3(a)及び(b)で形成されている凹凸表面100が、本発明で採用されているリエントラント構造を有しているパターンである。即ち、これらのパターンでは、何れも、拡径した頭部を有するピラー20(以下、ピニングピラーと呼ぶ)が配列されており、これにより、凹部100aは、底部が広く且つ上部が狭い形態となっている。即ち、リエントラント構造が形成されている。
図3(a)は、一般的なリエントラント構造(以下、シングルリエントラント構造と呼ぶことがある)であるが、図3(b)のパターンでは、ピニングピラー20の頭部20aの周縁が折り曲げられ、頭部20aの内側に空隙20bが形成されており、このパターンは、ダブルリエントラント構造と呼ぶことができる。
これらの凹凸表面100上で液滴が載っている状態において、図2のピラー構造では、液滴の自重や外乱などで圧力Δpが加わるが、凹凸表面100を構成する材料に対する液滴の接触角θEが90°よりも大きい撥液状態の場合(図2ではθE=130°)、液滴の表面張力により形成されるメニスカスは下に凸の形状になるため(ピン止め効果)、液滴は凹部100aに侵入しない。しかし液滴の接触角θEが90°以下の親液状態の場合、メニスカスは上に凸の形状になり、液滴は凹部100aに侵入する。
これに対して、図3(a)及び(b)のリエントラント構造では、液滴の接触角θEが90°以下の親液状態であっても(図3ではθE=20°)、表面張力により形成されるメニスカスは下に凸の形状になるため(ピン止め効果)、液滴は凹部100aに侵入しない。
特に図3(b)のダブルリエントラント構造では曲率の小さなメニスカスが形成され、大きな圧力ΔP(>Δp)が加わってもメニスカスが反転することが無いため、優れた撥液性が長時間維持される。
上述した本発明で採用される図3(a)及び(b)のリエントラント構造において、初期撥液性と共に、ピン止め効果を十分に発揮させて長期にわたって撥液性を維持するためには、ピニングピラー20のピッチpが1〜500μm程度であり、且つ凹部100aの深さdが、5〜200μm程度の範囲にあると共に、ピニングピラー20の頭部20aでツバ幅f1、ツバ厚さe1、第二ツバ幅f2、第二ツバ厚さe2が1〜10μm程度であることが好適である。
また、この凹凸表面100を占めるピニングピラー20の頭部20aの単位投影面積当たりの面積割合Φは0.05〜0.8の範囲が好適である。
このように、図3(a)或いは図3(b)で示されているようなリエントラント構造により、凹凸表面100上に液が常時接触して保持されている場合にも長期にわたって優れた撥液性が維持されるが、本発明では、上記の凹凸表面100にフッ素原子が分布しているため、このような撥液性の維持効果はさらに高められている。このようなフッ素原子の分布量は、これを表面に分布させる方法によっても異なるが、特にピニングピラー20の頭部20aの上端面及び凹部100aの底面において、単位面積当たりのフッ素原子とカーボンとの元素比(F/C)が40%以上、特に50〜300%の範囲にあるとき、表面強度を損なわずに、上記のような安定した超撥液性を確保することができる。元素比は、X線光電子分光装置を用い、表面の元素組成を分析することにより算出することができる。
かかるフッ素原子の分布により、例えば、図3(a)のシングルリエントラント構造では、カレーのような粘稠な流動体が常時接触している場合において、約半年以上、初期と同様の撥液性が維持され、図3(b)のダブルリエントラント構造では、約1年近く、初期と同様の撥液性が維持されている。
本発明において、上記のようなリエントラント構造を表面に有するプラスチック成形体1及びピニングピラー20は、所定形状に成形され得る限り任意のプラスチック、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などにより形成されていてよく、この成形体1の用途に応じて、適宜の樹脂を選択すればよく、多層構造とすることも可能である。
一般に、包装材分野では、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンもしくはプロピレンと他のオレフィンとの共重合体などに代表されるオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルが表面形成用の樹脂として代表的である。
また、上記の樹脂には、後述するブリーディング性の含フッ素化合物などが表面にフッ素原子を分布させるために配合されていてもよい。
さらに、用途に応じては、プラスチック成形体1の背面にアルミ箔等の金属箔が接着固定されていてもよいし、後述する製法によっては、ピニングピラー20のみが他の樹脂で形成されることもある。
<撥液性プラスチック成形体の製造>
上述したリエントラント構造表面を有する本発明の撥液性プラスチック成形体は、大きく分けて、転写法と接合法により製造される。
1.転写法;
以下に示す方法は、転写法の中でもリフロー法(転写法1)と呼ぶことができ、この方法は、図4に示されているようなプロセスで実施されており、転写用型を用意する工程、転写工程については、以下で示す公知技術等を利用しても良い。(例えば、Keisuke Nagato et al;J.mat.Proc.Tech,214,2444−2449(2014)参照)
先ず、所定形状に成形されたプラスチック成形体1と、リエントラント前駆構造の表面を形成するための転写用型3とを用意する。
この転写用型3は、石英ガラス等のレーザー光透過性の透明基板5と、該基板5の一方の表面に形成された転写部7とから形成される。転写部7は、レーザー吸収性の高い材料を蒸着することにより形成されたものであり、例えばダイヤモンドライクカーボン等からなる蒸着膜により形成されている。この転写部7では、それ自体公知のフォトグラフィー法及びドライエッチングにより、直胴形状の柱状凸部を転写するための穴部7aが配列されており、これにより、リエントラント前駆構造を形成するための転写面が形成されている。
透明基板5の表面自体を転写面とするときには、レーザーは透明板を透過してしまうので、プラスチック成形体1の材料にはレーザー吸収性の高い材料に限定されてしまう。
上記のような転写用型3を使用し、図4(a)に示されているように、プラスチック成形体1の表面を、転写用型3の転写面に対面させる。
次いで、図4(b)に示されているように、プラスチック成形体1に圧力Pを加えて転写面に圧接しながら、透明基板5側からレーザー光を照射して転写面に形成されている穴部7aを局部的に加熱し、穴部7aをプラスチック成形体1の表面に押し込んでいく。用いるレーザー光は、穴部7aの押し込みが可能なレベルに穴部7aを加熱できる限り、任意のレーザーを用いることができる。
このようにプラスチック成形体1を転写面に圧接しながら、レーザー光の照射位置をスキャンさせていくことにより、スポット加熱と冷却を繰り返して行くことになるので、図4(c)に示されているように、プラスチック成形体1の所定の表面全体にわたって、穴部7aが押し込まれる。
スポット加熱により成形体1の表面だけが加熱、押し込みされるので、成形体1全体が熱変形することがなく、特に成形体1がフィルム状の剛性が無い製品であっても、熱変形によるシワは発生しない。
次いで、図4(c)の状態で冷却し、プラスチック成形体1を転写面から引き離すことにより、転写面の凹凸が反転したリエントラント前駆構造面がプラスチック成形体1の所定の表面全体にわたって形成される。
このようなリエントラント前駆構造面は、図4(d)に示されているように、先端が先細の鉛筆型ピラー30が配列された面となっている。
リフロー法では、上記のようにして形成されたリエントラント前駆構造面のピラー30の上端を加熱、加圧或いは加圧下で加熱することにより、ピラー30の上端部が拡径する。この結果、図4(e)に示されているように、拡径した頭部20aを有するピニングピラー20が形成され、このような形状のピニングピラー20の配列によって、例えば前述した図3(b)に示されているシングルリエントラント構造面が形成される。
また、上記のリフロー法で使用される転写用型3とは別の形態を有する転写用型を用いて、リエントラント構造面を形成することもできる。
この方法は、通常の転写法(転写法2)であり、上記のような転写用型3において、リエントラント構造表面を転写により直接プラスチック成形体1の表面に形成することができる。
例えば、図5を参照して、ここで使用される転写用型3は、透明基板5と転写基板9とをビス等により接合したものであり、この転写基板9には、貫通孔9aが配列されており、この上端には、拡径幅部9bが形成されている。この拡径幅部9bは、型抜き性を考慮して、上部に行くほど大径となるようなテーパー面となっている。
このような転写基板9の拡径幅部9b側が透明基板5に対面するように、転写基板9と透明基板5とが接合されて転写用型3が形成されており、上端に拡径幅部9bを有する貫通孔9aの配列により、転写により直接リエントラント構造表面をプラスチック成形体1の表面に形成することができる。即ち、前述した方法と同様、転写用型3(転写基板9)にプラスチック成形体1を重ね、レーザー光を照射しながら加圧し、次いでプラスチック成形体1を引き離すことにより、プラスチック成形体1の表面にリエントラント構造表面を転写させることができる。
または、透明基板5のかわりにヒートシンク基板5を準備し、転写基板9と対面しない面に、ハロゲンランプ、レーザー等の加熱線源を吸収する塗料(例えば黒色塗料)を塗工する、もしくは、表面を粗面化するなどして加熱線の吸収を良くしておき、ハロゲンランプないしレーザーを転写用金型3に対しヒートシンク基板5側から照射、加熱したのち、プラスチック成形体1を重ね、加圧し、次いでプラスチック成形体1を引き離すことにより、プラスチック成形体1の表面にリエントラント構造表面を転写させることができる。
尚、上記の貫通孔9aを有する転写基板9は、金属や熱硬化性樹脂等からなる板状体に、レーザー加工等により貫通孔9aを穿孔し、この貫通孔9aの上端をカッター等を用いて面取りすることにより作製することができる。
このような転写法(転写法2)は、リエントラント前駆構造面を介することなく、直接リエントラント構造面を形成することができるという利点はあるが、型抜き性の観点から、拡径幅部9bの大きさが制限される。
上述した方法においては、上記のようにして形成されたリエントラント構造面の表面にフッ素原子を分布させる。
このようなフッ素原子の分布手段としては、プラスチック成形体1の成形に使用する前述した樹脂中にブリーディング性の含フッ素化合物を配合しておくという手段が最も好適に使用される。即ち、含フッ素化合物が配合された樹脂を用いて成形されたプラスチック成形体1は、経時と共に表面に含フッ素化合物がブリーディングし、結果として表面にフッ素原子が分布することとなる。
含フッ素化合物の配合量は、前述した量のフッ素原子が表面に分布するような量に設定しておけばよい。
このような含フッ素化合物としては、含フッ素アルキル基を有する変性オレフィン系樹脂や、含フッ素アルキル基を有するシランカップリング剤、含フッ素系界面活性剤などを挙げることができる。特に、プラスチック成形体1の成形用樹脂としてオレフィン系樹脂が使用される場合には、上記の変性オレフィン系樹脂が好適である。
かかる含フッ素変性オレフィン系樹脂としては、例えば下記式で表されるフルオロアルキル基2鎖型ポリマーが知られている。(例えば、川瀬徳三;超撥水・超撥油技術,繊消誌,55(6),2014参照)
上記式中、nは、繰り返し単位の数を示す整数であり、
Rfは、パーフロロヘキシル基(C13)である。
また、フッ素原子の表面分布は、リエントラント構造面をフッ素プラズマ処理することにより行うこともできる。
このようなフッ素プラズマ処理は、それ自体公知の方法で行うことができる。例えば、CFガスやSiFガスなどを使用し、リエントラント構造面を有するプラスチック成形体1を、一対の電極間に配置し、高周波電界を印加することにより、フッ素原子のプラズマ(原子状フッ素)を生成させ、これをリエントラント構造面に衝突させることによって、リエントラント構造面を形成している樹脂の分子鎖中にフッ素原子を組み込むことができる。即ち、表面の樹脂が気化乃至分解し、同時に、フッ素原子が組み込まれることとなる。
上述した転写法は、特に図3(a)に示すリエントラント構造面を有する撥液性プラスチック成形体の製造に好適に適用される。
2.接合法;
上述した転写法が、プラスチック成形体1の表面を加工することによりリエントラント構造面を形成するのに対して、接合法は、リエントラント構造面を形成するピニングピラー20を外添接合するという方法である。
即ち、この方法を実施するためには、前述したプラスチック成形体1と共に、ピニングピラー形成用の柱状体を用意する。
かかる柱状体としては、図6に示された形態のものが使用される。図6において、この柱状体は40で示されている。
例えば図6(a)に示されている柱状体40は、プラスチック製の短繊維を切断することにより得られるものであり、短繊維の切断により、両端部40aが拡径した形状となり、この拡径した部分の一方が、ピニングピラー20の頭部20aに相当するものとなる。
また、図6(b)に示されている形態の柱状体40は、やはりプラスチック製繊維から形成されている撚糸を切断することにより得られる。かかる柱状体40においても、切断により端部40bが拡径した形態となり、この端部40bがピニングピラー20の頭部20aに相当するものとなる。この図6(b)の柱状体40は、撚糸の切断により得られたものであるため、端部40が折り返された形態を有しており、従って、特に図3(b)のダブルリエントラント構造の形成に好適に適用される。
尚、上述した柱状体40を形成するプラスチック製繊維としては、プラスチック製成形体1の表面に融着接合しやすい樹脂材料のものが使用されるが、一般的には、ナイロン製のものが安価であり且つ容易に入手できるという点で好適に使用されるが、プラスチック成形体1の表面と同じ樹脂材料を紡糸してもよい。
また、柱状体40の形成に用いる短繊維や撚糸の太さや長さは、前述したピニングピラー20に対応していればよい。
上述した柱状体40のプラスチック成形体1の表面への外添接合は、静電植毛或いは溶射により行うことができる。これらの接合方法を図7及び図8に示した。
尚、図7及び図8では、プラスチック成形体1としてフィルム形状のものを示した。
静電植毛による接合;
図7を参照して、この方法では、原反ローラ51にプラスチック成形体であるフィルム1が巻かれており、このフィルム1を巻き取りローラ53で巻き取る搬送路で、静電植毛による接合が行われる。
即ち、原反ローラ51に対面して塗布ローラ55が配置され、この塗布ローラ55により、フィルム1の一方の面(リエントラント構造形成面)にヒートシールラッカーが塗布される。
また、原反ローラ51と巻き取りローラ53の間に、一対の電極57(陽極57a,陰極57b)と、オーブン59が配置されており、ヒートシールラッカーが塗布されたフィルム1は、一対の電極57間を通り、オーブン59で加熱された後、巻き取りローラ53で巻き取られる構造となっている。
上記のような構造において、陰極57b上には、前述したピニングピラー20を形成するための柱状体40が保持されており、また、フィルム1は、ヒートシールラッカーが塗布された面が陰極側となるようにして陽極57aに沿って移動する。このようにしてフィルム1が電極57間を通過するときに、電源61により直流電圧(通常、40kV程度)が印加され、これにより、陰極57b上の柱状体40が電界に沿って飛翔し、フィルム1のヒートシールラッカーが塗布された面に垂直に付着する。このようにして表面に柱状体1が付着しているフィルム1は、オーブン59中で加熱し、柱状体40がしっかりとフィルム1の表面に固定され、これにより、フィルム1の表面には、ピニングピラー20が接合し、リエントラント構造が形成され、巻き取りローラ53に巻き取られ、これにより、外添接合工程が完了する。
溶射法による接合;
図8を参照して、この方法では、原反ローラ51にプラスチック成形体であるフィルム1が巻かれており、このフィルム1を巻き取りローラ53で巻き取る搬送路で、前述した柱状体40を溶射することによりが行われる。
即ち、この搬送路には、溶射装置71と陽極73が対面するように配置されており、フィルム1は、その一方の面が陽極73に沿って且つ溶射装置71と陽極73との間を移動するように構成されている。
溶射装置71は、内部がストレートな筒状空間となっている金属製ノズル75、このノズルの筒状空間内に溶射メディアをストレートに供給するための溶射メディア供給管77及び溶射メディアを加熱するためのホットエア供給管79を備えている。
即ち、溶射法では、溶射メディアとして前述した柱状体40を使用し、陰極73上を通過するフィルム1の表面に、加熱された柱状体40を吹き付けることにより、フィルム1の表面に柱状体40を接合してピニングピラー20が配列されたたリエントラント構造面を形成するというものである。
例えば、溶射装置71において、溶射メディア供給管71には、前述した柱状体40が供給される。また、ホットエア供給管77からは、溶射メディアである柱状体40を加熱するためのホットエアが供給される。ホットエアの温度は、フィルム1の表面に付きけられた柱状体40がフィルム1表面に溶融接合するが、その形態が維持される程度の温度に加熱されるように設定される。具体的な温度は、柱状体40の材質によっても異なるが、ポリエチレン製の場合、フィルム1表面直前の温度が400〜500℃程度になるように設定される。
尚、図8に示されているように、溶射メディア供給管77は、柱状体40が一定の方向を指向した状態でフィルム1の表面に吹き付けられるように、ノズル75の中心に向かってストレートに延びているが、ホットエア供給管79は、柱状体40を均一に加熱するために、溶射メディア供給管77を取り巻くように傾斜し且つ複数本設けられている。
上記のようにして柱状体40をホットエアにより加熱して吹き付ける際に、陽極73とノズル75との間に電源81により電圧(通常、40kV程度)を印加しておく。これにより、加熱された柱状体40は、電界に沿って陽極73上のフィルム1の表面に対して垂直に吹き付けられる。
このようにして加熱された柱状体40がフィルム1の表面に吹き付けられて接合されてピニングピラー20が固定され且つ配列されたリエントラント構造面が形成され、この状態で巻き取りローラ53にフィルム1が巻き取られ、この接合工程が完了する。
尚、上述した図7及び図8の例では、成形体1がフィルムの形態を有している場合を例に採ったが、フィルムの形態を有していない場合にも、ローラによる搬送を行わないのであれば、同様にして柱状体と40の接合によりピニングピラー20が配列されたリエントラント構造面を形成できることは、当業者には自明のことである。
上記のようにして静電植毛或いは溶射法によりリエントラント構造が表面に形成された成形体1は、前述したフッ素プラズマ処理が行われ、これによりリエントラント構造面にフッ素原子が分布され、本発明の撥液性プラスチック成形体が得られる。もしくは、プラスチック成形体1及び柱状体40にブリーディング性の含フッ素化合物を配合しておくことにより、マイグレーションによりフッ素原子が分布され、本発明の撥液性プラスチック成形体が得られる。
このようにして得られた本発明の撥液性プラスチック成形体は、種々の流動体に対して優れた撥液性もしくは滑り性を有しているため、これを利用して種々の用途に適用される。特に、本発明の撥液性プラスチック成形体は、液体が常時接触保持されている場合にも長期にわたって初期と同様、優れた撥液性が発揮され、しかも、上述したリエントラント構造はレトルト殺菌等の加熱処理によっても損なわれないため、包装分野に好適に適用される。
例えば、フィルムの形態を有するものは、製袋等の後加工により、内容物が長期保存される袋状容器或いはチューブ容器として最も好適に使用される。特に粘度(25℃)が250mPa・s以上の粘稠なペースト状の内容物が収容されている場合にも、優れた撥液性により、速やかに且つ容器内に内容物が付着残存せず、きれいに排出することができる。
このようなペースト状の内容物としては、カレー、とろみを付けた各種食品、プリンやヨーグルトなどのゲル状物質、ジャム、シャンプー、コンディショナー、液体洗剤、練り歯磨きなどが代表的である。
勿論、袋状容器あるいはチューブ容器に限らず、カップ形態或いはトレイ形態の容器にも本発明を適用できる。
100:粗面
160:一次凹凸
160a:凹部
160b:凸部
165:二次凹凸
170:液滴

Claims (11)

  1. 撥液性表面を有する撥液性プラスチック成形体において、
    前記撥液性表面は、拡径した頭部を有するピラーの配列により形成されたリエントラント構造表面を有しており、
    前記リエントラント構造表面の少なくとも一部には、フッ素原子が分布している含フッ素表面を有していることを特徴とする撥液性プラスチック成形体。
  2. 前記含フッ素表面が、フッ素プラズマ処理面である請求項1に記載の撥液性成形体。
  3. フィルムの形態を有している請求項1または2に記載の撥液性成形体。
  4. 請求項3に記載のフィルム形態の撥液性成形体を製袋してなる袋状容器。
  5. 所定形状に成形されたプラスチック成形体と、直胴形状の柱状凸部の配列により形成された凹凸表面を転写面として有する転写用型とを用意する工程;
    前記プラスチック成形体の表面に前記転写用型の転写面を対面させ、該転写面の凹凸表面を該プラスチック成形体表面に転写させることにより、リエントラント前駆構造体表面を形成する転写工程;
    前記転写により形成されたリエントラント前駆構造体表面に分布しているピラーを加熱及び/または加圧して、該ピラーの上端部を拡径させることにより、前記前駆体表面をリエントラント構造表面とする表面形状変形工程;
    前記リエントラント構造表面の少なくとも一部にフッ素原子を分布させるフッ素表面分布工程;
    を含むことを特徴とする撥液性プラスチック成形体の製造方法。
  6. 所定形状に成形されたプラスチック成形体と、転写によりリエントラント構造凹凸面を形成する転写凹凸表面を有する転写用型とを用意する工程;
    前記プラスチック成形体の表面に前記転写用型の転写凹凸表面を対面させ、該転写凹凸表面を該プラスチック成形体表面に転写させることにより、リエントラント構造表面を該プラスチック成形体の表面に形成する転写工程;
    前記リエントラント構造表面の少なくとも一部にフッ素原子を分布させるフッ素表面分布工程;
    を含むことを特徴とする撥液性プラスチック成形体の製造方法。
  7. 所定形状に成形されたプラスチック成形体と、端面が拡径した形状のプラスチック製柱状体とを用意する工程;
    前記プラスチック製柱状体の多数個を、前記プラスチック成形体の表面に接合することにより、リエントラント構造表面を形成する表面形成工程;
    次いで、前記リエントラント構造表面の少なくとも一部にフッ素原子を分布させるフッ素表面分布工程;
    を含むことを特徴とする撥液性プラスチック成形体の製造方法。
  8. 前記フッ素表面分布工程において、前記リエントラント構造表面の少なくとも一部が、含フッ素化合物が配合された樹脂により形成されており、該含フッ化化合物のブリーディングにより、フッ素原子の表面分布が行われる請求項5〜7の何れかに記載の製造方法。
  9. 前記フッ素表面分布工程において、前記リエントラント構造表面の少なくとも一部をフッ素プラズマ処理することにより、フッ素原子の表面分布が行われる請求項5〜7の何れかに記載の製造方法。
  10. 前記表面形成工程において、前記プラスチック製柱状体の前記プラスチック成形体表面への接合を、静電植毛により行う請求項7に記載の製造方法。
  11. 前記表面形成工程において、前記プラスチック製柱状体の前記プラスチック成形体表面への接合を、該プラスチック製柱状体を該プラスチック成形体表面に溶射することにより行う請求項7に記載の製造方法。
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