JP2019010803A - 内容物の付着防止性を備えたシーラントフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒートシール性を維持しつつ、付着防止性を備えたシーラントフィルムを提供する。【解決手段】基材層、シーラント層、疎水性微粒子層、が積層されたシーラントフィルムにおいて、前記シーラント層は撥液剤が練り込まれた熱可塑性樹脂からなり、前記シーラント層の内側表面には複数の突起からなる凹凸構造が形成されており、該突起の突起高さが突起高さ/ピッチで計算されるアスペクト比0.5〜3であり、かつピッチ500nm〜5μmで配列しており、該突起の凸部には疎水性微粒子層が形成されておらず、該突起の谷部に前記疎水性微粒子層が形成されているシーラントフィルム。【選択図】図1
Description
本発明は、液体、粘稠状液体、もしくはゲル状の食品、飲料、医薬品、化学品等の包装に用いられる包装材料および包装容器に関するものであり、より詳しくは、内容物に触れる面が付着防止性を有し、内容物の付着を抑制する包装材料およびこれを蓋材として備える包装容器に関する。
従来の包装材料は、特に内容物が液体状、粘稠状もしくはゲル状の内容物を含むような場合、内容物が包装材料内面に付着するという問題がある。この問題によって、包装材料内面に付着した内容物を使い切ることが困難となり無駄が生じる。また、無駄なく使うために内容物を取り出す労力や、廃棄時の内容物除去に要する労力が必要となる。また、開封時に内容物が飛散し、衣服や手を汚す一因となったりする。従って、包装材料は内容物が付着しにくい性質を備えていることが望ましい。
前記のような包装材料に内容物が付着しにくい性質を備えるためには、包装材料を構成するシーラント層の上に付着防止層を設ける必要がある。
付着防止層を設けた包装材料は、内容物が付着しにくい性質を備える一方で、付着防止層がシーラント層から脱落して内容物を汚染してしまうことが懸念されており、付着防止層が脱落しないことが求められている。
特許文献1には、基材層及び熱接着層を有する包装材料からなる蓋材において、前記熱接着層が他の層と隣接していない最外面に一次粒子平均径3〜100nmの疎水性酸化物微粒子が付着し、疎水性酸化物微粒子が三次元網目状構造からなる多孔質層を形成している蓋材が提案されている。
特許文献2には、基材層と熱封緘層とを有する蓋材において、前記熱封緘層の外面に、高さ100μm以下の多数の微小突起が全面に亘って密に設けられると共に、この突起を有する前記外面に、付着防止層が形成され、該付着防止層は、疎水性微粒子からなり、その付着量が0.05g/m2以上でかつ多くとも前記微小突起の頂端面を僅かに覆う量以下に設定されていることを特徴とする内容物付着防止蓋材が提案されている。
特許文献3には、少なくとも、外側から基材層、金属箔層、シーラント層、付着防止層、が積層された蓋材において、前記シーラント層の内側表面に複数の凹凸が形成され、該凹凸の凹部に前記付着防止層が形成され、該凹凸の凸部は、凸部の先端が尖っている形状、外側にR状の曲線を有する形状であって、該凸部には付着防止層が形成されておらず、該付着防止層が、少なくとも、疎水性無機酸化物微粒子とワックスを含有していることを特徴とする蓋材が提案されている。
上述の、特許文献1および特許文献2では、疎水性酸化物微粒子の凝集により形成される多孔質層によって、優れた内容物の非付着性が得られると共に、疎水性酸化物微粒子が熱接着層に埋め込まれることによって、熱接着性を可能とする蓋材であるが、疎水性微粒子が熱接着層全体を覆っているために、ヒートシール時のシール阻害が懸念される。
また、特許文献3では、内容物に最も接触する凸部には付着防止層が設けられていないので、付着防止層によるヒートシール時のシール阻害が少ない一方、水以外の液体に対する付着防止効果が弱いことが懸念される。
本発明は、上記の従来技術における諸問題の改善をはかることを目的としており、具体的には、内容物の付着防止性とヒートシール性を有したシーラントフィルムを提供する。
本発明者は、上記の課題を解決するために、鋭意検討を行い、本発明を完成するに至った。
本発明の請求1に係る発明は、基材層、シーラント層、疎水性微粒子層、が積層されたシーラントフィルムにおいて、前記シーラント層は撥液剤が練り込まれた熱可塑性樹脂からなり、前記シーラント層の内側表面には複数の突起からなる凹凸構造が形成されており、該突起の突起高さが突起高さ/ピッチで計算されるアスペクト比0.5〜3であり、かつピッチ500nm〜5μmで配列しており、該突起の凸部には疎水性微粒子層が形成されておらず、該突起の谷部に前記疎水性微粒子層が形成されていることを特徴とするシーラントフィルムである。
本発明の請求2に係る発明は、前記疎水性微粒子層が、突起高さに対して、5〜70%の厚みで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシーラントフィルムである。
本発明の請求3に係る発明は、前記撥液剤がシリコーン系化合物、またはフッ素系化合物のいずれか、もしくは双方の混合物であることを特徴とする請求項1〜2に記載のシーラントフィルムである。
本発明の請求4に係る発明は、前記疎水性微粒子が、表面を疎水化処理した金属酸化物もしくはシリカを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3に記載のシーラントフィルムである。
本発明のシーラントフィルムによれば、微細な突起構造および突起谷部に存在する疎水性微粒子層により、高い付着防止性を示す。
また、突起間のピッチが小さく設計され、撥液剤が練り込まれているため、液滴と接触した際に、突起間で空隙を作り液滴が付着しにくい。
また、衝撃等外力を受けた際に突起間の空隙に侵入した液滴は、通常なら付着の起点となって付着防止性を損なう原因となるが、突起間に存在する疎水性微粒子によって、突起間の付着防止性が維持される。
また、形成する疎水性微粒子層は突起谷部のみであるため、ヒートシール時のシール阻害の影響が小さく、良好なヒートシール性を示すことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(基材層1)
基材層1としては、シーラントフィルムの外側に配置されるもので、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アルミニウム箔、蒸着フィルム、紙などの単層フィルム、もしくは、これらのフィルムを積層した積層フィルムなどが使用できる。使用する用途に合わせて、任意の組み合わせで、任意の厚みに積層すればよい。
基材層1としては、シーラントフィルムの外側に配置されるもので、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アルミニウム箔、蒸着フィルム、紙などの単層フィルム、もしくは、これらのフィルムを積層した積層フィルムなどが使用できる。使用する用途に合わせて、任意の組み合わせで、任意の厚みに積層すればよい。
(ヒートシール層2)
ヒートシール層2を構成する熱可塑性樹脂は、用途に応じて必要な樹脂を選択すればよく、その組成は特に限定されない。例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが例示できる。
ヒートシール層2を構成する熱可塑性樹脂は、用途に応じて必要な樹脂を選択すればよく、その組成は特に限定されない。例えば低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などが例示できる。
また、シーラント層2を構成する樹脂には、ヒートシール性を阻害しない濃度で撥液剤が添加されている。撥液剤としては、シリコーン系化合物やフッ素系化合物が例示でき、これらの材料を単独あるいは、組み合わせて用いることができる。
シリコーン系化合物の例としては、例えば、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイルなどの各種変性シリコーンオイルや、シリコーンゴムやポリジメチルポリシロキサン、ポリオルガノシルセスオキサンなどのシリコーン樹脂や、これらの架橋物や複合物などを例示することができるが、必ずしもこれらに限定するものではない。
また、フッ素系化合物としては、例えば各種フッ素系界面活性剤やフッ素変性シリコーンオイル、またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン・エチレン共重合体(EFEP)等のフッ素樹脂などを例示することができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
ヒートシール層2は図1に示すように突起構造3が形成されており、この突起構造3は、高さ/ピッチで計算されるアスペクト比が0.5〜3である複数の突起形状が500nm〜5μmピッチで形成されている。
突起の配列に制限はなく、四角格子状、六方格子状のような規則性のある配列、あるいは規則性をもたない配列でも良い。
また、突起構造3の凸部形状は、例えば、円錐状、多角錐状、楕円錐状、円柱状もしく
は円筒状、多角柱状もしくは多角筒状、截頭円錐状、截頭角錐状、截頭楕円錐状、円柱もしくは円筒に円錐を接合した形状、多角柱もしくは多角筒に多角錐を接合した形状、半球、半楕円体、弾丸型、おわん型をした形状など任意の形状で設けることができる。
は円筒状、多角柱状もしくは多角筒状、截頭円錐状、截頭角錐状、截頭楕円錐状、円柱もしくは円筒に円錐を接合した形状、多角柱もしくは多角筒に多角錐を接合した形状、半球、半楕円体、弾丸型、おわん型をした形状など任意の形状で設けることができる。
(突起構造3の形成)
突起構造3の形成は、モールドを用いた熱成形により構造形成することができる。シーラント層2に用いられる熱可塑性樹脂をガラス転移点以上に加温し、ガラス点移転以上の温度でフィルムをモールドに押し付け、冷却固化した後に、モールドから剥離することで、モールドの転写形状が得られる。
突起構造3の形成は、モールドを用いた熱成形により構造形成することができる。シーラント層2に用いられる熱可塑性樹脂をガラス転移点以上に加温し、ガラス点移転以上の温度でフィルムをモールドに押し付け、冷却固化した後に、モールドから剥離することで、モールドの転写形状が得られる。
熱成形は、フィルムを形成した後に枚葉で実施する方法や、フィルム成形時の冷却ロールにモールドを取り付けて、フィルム成形の過程で突起構造を連続的に形成する方法などが可能である。
モールドには、突起構造3の反転形状を予め形成しておく。モールドの作製手法は特に限定されず、例えば、電子ビーム描画を用いてシリコン基板上に形成する方法や、金属板にレーザーで形成する方法などの手法がある。
(疎水性微粒子層4)
疎水性微粒子層4は突起間の空隙に侵入してきた液体に対して、谷部への付着を抑制するために形成される。用いられる疎水性微粒子は、5nm〜100nmの直径を持つことが好ましい。直径100nmを超える大きさの場合、疎水性微粒子は突起間の隙間に入り込みにくくなるため、好ましくない。
疎水性微粒子層4は突起間の空隙に侵入してきた液体に対して、谷部への付着を抑制するために形成される。用いられる疎水性微粒子は、5nm〜100nmの直径を持つことが好ましい。直径100nmを超える大きさの場合、疎水性微粒子は突起間の隙間に入り込みにくくなるため、好ましくない。
また、疎水性微粒子径は必ずしも均一である必要はなく、あらゆるサイズの疎水性微粒子が混合されてあってもよい。更には、疎水性微粒子の形状は不定形、球形ともに使用することが可能である。
疎水性微粒子としては、疎水性を有するものであれば特に限定されるものではない。表面処理により疎水化されたものであっても良く、特に疎水化処理された金属酸化物やシリカを主成分としたものなどを好適に用いることができる。
このような疎水化処理された微粒子としては、例えば、親水性酸化物粒子をシランカプリング剤等で表面処理を施し、表面状態を疎水性とした微粒子などを用いることができる。
酸化物の種類も特に限定されるものではなく、例えば、シリカをはじめ、アルミナ、チタニアなどを例示することができるが、これらに限定されるものではない。
(疎水性微粒子層4の形成方法)
疎水性微粒子をインキ化する際には、任意の分散媒に対して、分散可能な濃度範囲内で任意に濃度設定することができる。
疎水性微粒子をインキ化する際には、任意の分散媒に対して、分散可能な濃度範囲内で任意に濃度設定することができる。
塗工方法は特に限定されず、バーコート、スプレーコート、グラビアコートなどの方法で塗工することができる。
ただし、疎水性微粒子を過剰に塗布してしまうと、熱可塑性樹脂と撥液剤からなる突起を覆い尽くしてしまうため、ヒートシール性が低下する原因となる。
本実施形態では、付着防止性を備えたシーラントフィルムを形成するために、シーラン
ト層の内側表面には複数の突起からなる凹凸構造が形成されており、該突起の谷部にのみ疎水性微粒子層4が形成されている。
ト層の内側表面には複数の突起からなる凹凸構造が形成されており、該突起の谷部にのみ疎水性微粒子層4が形成されている。
上述のような疎水性微粒子層4の厚みとしては、突起構造3の突起高さに対して、5〜70%の範囲内の厚みとすることが好ましい。
このような構成によれば、構造転写・疎水性微粒子塗布の簡便な工程で高い付着防止性を有する凹凸構造を作製できる。このとき、突起谷部にのみ疎水性微粒子層が形成されていることで、付着防止性の補助となり、一方でヒートシール阻害を最低限に抑えることが可能となる。
以下に、実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<基材層>
基材層として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚み12μmナイロン6フィルムを、ウレタン系接着剤を用いドライラミネートして貼り合わせた。
<基材層>
基材層として厚み12μmのポリエチレンテレフタレートフィルムと厚み12μmナイロン6フィルムを、ウレタン系接着剤を用いドライラミネートして貼り合わせた。
<ヒートシール層>
低密度ポリエチレン(LC600A 日本ポリエチレン(株))にフッ素系添加剤(ユ二ダインTG−1001 ダイキン工業(株))を10%添加して成膜したフッ素添加ポリエチレンフィルム(厚み100μm)を前記基材層とウレタン系接着剤を用いドライラミネートして貼り合わせた。貼り合せた積層体120℃に加熱し、積層体ヒートシール層面にモールドを1分間10kg/cm2の圧力で押し当てたのち、25℃まで冷却してからモールドを離型して、ヒートシール層表面にピッチ1μm、高さ1μmの突起構造を形成した。
低密度ポリエチレン(LC600A 日本ポリエチレン(株))にフッ素系添加剤(ユ二ダインTG−1001 ダイキン工業(株))を10%添加して成膜したフッ素添加ポリエチレンフィルム(厚み100μm)を前記基材層とウレタン系接着剤を用いドライラミネートして貼り合わせた。貼り合せた積層体120℃に加熱し、積層体ヒートシール層面にモールドを1分間10kg/cm2の圧力で押し当てたのち、25℃まで冷却してからモールドを離型して、ヒートシール層表面にピッチ1μm、高さ1μmの突起構造を形成した。
<疎水性微粒子塗布>
平均粒径12nmの疎水性シリカ(RY200S 日本アエロジル(株))を1%重量濃度でイソプロピルアルコールに分散し、疎水性シリカ分散液を作製した。
平均粒径12nmの疎水性シリカ(RY200S 日本アエロジル(株))を1%重量濃度でイソプロピルアルコールに分散し、疎水性シリカ分散液を作製した。
作製した疎水性シリカ分散液を、ワイヤーバー(番手3)を用いて、上述の突起を形成したシーラント層に塗布・乾燥した。
(比較例1)
実施例1にて疎水性微粒子層を形成しなかった他は実施例1と同様にサンプル作製を行った。
実施例1にて疎水性微粒子層を形成しなかった他は実施例1と同様にサンプル作製を行った。
(比較例2)
実施例1にて疎水性シリカ分散液を10%重量濃度で作製し、それを塗布・乾燥した他は実施例1と同様にサンプル作製を行った。
実施例1にて疎水性シリカ分散液を10%重量濃度で作製し、それを塗布・乾燥した他は実施例1と同様にサンプル作製を行った。
(比較例3)
実施例1にてヒートシール層の突起構造をピッチ10μm、高さ2μmで形成した他は実施例1と同様にサンプル作製を行った。
実施例1にてヒートシール層の突起構造をピッチ10μm、高さ2μmで形成した他は実施例1と同様にサンプル作製を行った。
(比較例4)
実施例1にて、ヒートシール層の低密度ポリエチレンに撥液剤を添加しなかった他は実
施例1と同様にサンプル作製を行った。
実施例1にて、ヒートシール層の低密度ポリエチレンに撥液剤を添加しなかった他は実
施例1と同様にサンプル作製を行った。
(評価方法)
<付着防止効果>
各実施例及び各比較例のサンプルについて、付着防止評価を行った。
<付着防止効果>
各実施例及び各比較例のサンプルについて、付着防止評価を行った。
その付着防止評価は次のように行った。
○:評価液体の付着量が初期の20重量%以下
×:評価液体の付着量が初期の20重量%以上
また評価液体としては、水、ソース、ヨーグルトを使用した。
×:評価液体の付着量が初期の20重量%以上
また評価液体としては、水、ソース、ヨーグルトを使用した。
<ヒートシール性>
次に、各実施例のサンプルについて、ヒートシール性の評価を行った。温度180℃、圧力0.2MPa、時間1.0secの条件下で、サンプル同士をヒートシールし、テンシロンにてシール強度を測定した。評価基準は下記の通りである。
次に、各実施例のサンプルについて、ヒートシール性の評価を行った。温度180℃、圧力0.2MPa、時間1.0secの条件下で、サンプル同士をヒートシールし、テンシロンにてシール強度を測定した。評価基準は下記の通りである。
○:付着防止層がない場合の80%〜同等
×:強度低下80%以下
×:強度低下80%以下
各評価を実施した結果を表1に示した。
実施例1と比較例1とから、疎水性微粒子層4を設けない場合には、シーラント層2に添加された撥液剤の効果ならびに、突起構造3の効果により、評価液滴下直後では、付着防止効果を発揮しているものの、1日後には水以外に対する付着防止効果が低下していることが判る。
また、比較例2より、疎水性微粒子層4をシーラント層の突起構造3全体を覆うほど厚く設けると、付着防止効果は十分に得られるものの、シール性が低下することが判る。
また、比較例3より、シーラント層の突起構造3の突起高さに対して、適性範囲内の膜厚となる疎水性微粒子層4を設けた場合でも、突起構造のピッチを、10μmと適性範囲外に設定することにより、十分な付着防止効果が得られないことが判る。
比較例4より、シーラント層2に撥液剤を添加しないと、疎水性微粒子層4を設けたとしても十分な付着防止効果が得られないことが判った。
以上のように、表1の結果より、本発明で示した範囲であれば、水以外の粘稠体に対しても高い付着防止性が示された。
本発明は、汚れ付着防止が求められる外装材、食品包装材などへ利用することができる。
1 基材層
2 シーラント層
3 突起構造
4 疎水性微粒子
10 シーラントフィルム
2 シーラント層
3 突起構造
4 疎水性微粒子
10 シーラントフィルム
Claims (4)
- 基材層、シーラント層、疎水性微粒子層、が積層されたシーラントフィルムにおいて、前記シーラント層は撥液剤が練り込まれた熱可塑性樹脂からなり、前記シーラント層の内側表面には複数の突起からなる凹凸構造が形成されており、該突起の突起高さが突起高さ/ピッチで計算されるアスペクト比0.5〜3であり、かつピッチ500nm〜5μmで配列しており、該突起の凸部には前記疎水性微粒子層が形成されておらず、該突起の谷部に前記疎水性微粒子層が形成されていることを特徴とするシーラントフィルム。
- 前記疎水性微粒子層が、前記突起高さに対して、5〜70%の厚みで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシーラントフィルム。
- 前記撥液剤がシリコーン系化合物、またはフッ素系化合物のいずれか、もしくは双方の混合物であることを特徴とする請求項1〜2に記載のシーラントフィルム。
- 前記疎水性微粒子が、表面を疎水化処理した金属酸化物もしくはシリカを主成分とすることを特徴とする請求項1〜3に記載のシーラントフィルム。
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JP2017128775A JP2019010803A (ja) | 2017-06-30 | 2017-06-30 | 内容物の付着防止性を備えたシーラントフィルム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7452250B2 (ja) | 2019-06-19 | 2024-03-19 | Toppanホールディングス株式会社 | 撥液性構造体及びその製造方法並びに包装材 |
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2017
- 2017-06-30 JP JP2017128775A patent/JP2019010803A/ja active Pending
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