JP2018176014A - オゾン分解触媒及びそれを用いたオゾン分解方法、並びに、voc除去触媒及びそれを用いたvoc除去方法 - Google Patents

オゾン分解触媒及びそれを用いたオゾン分解方法、並びに、voc除去触媒及びそれを用いたvoc除去方法 Download PDF

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由彦 伊藤
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Abstract

【課題】オゾン分解性能及びVOC除去性能に優れた触媒を提供すること。【解決手段】多孔質担体と、該多孔質担体に担持されているAg、Pr及びBiとを備えており、前記多孔質担体200g当たり、Agの担持量が0.16〜3.5モルであり、Prの担持量が0.015〜0.13モルであり、Biの担持量が0.015〜0.075モルである、ことを特徴とするオゾン分解触媒及びVOC除去触媒。【選択図】なし

Description

本発明は、オゾン分解触媒及びそれを用いたオゾン分解方法、並びに、VOC除去触媒及びそれを用いたVOC除去方法に関する。
光化学オキシダントによる大気汚染は未だ深刻な環境問題の一つであり、特に東京や名古屋等の都市部においては、光化学オキシダント濃度が環境基準値を満たしておらず、人体への影響が懸念されている。このような光化学オキシダントは、工場や自動車等の内燃機関からの排ガスに含まれる窒素酸化物と炭化水素類とが太陽の紫外線照射の下で反応して生成するオゾンを主成分とする酸化力の強い汚染物質である。オゾンは物質の酸化劣化を引き起こすだけでなく、人体に対しても悪影響を及ぼすものであるため、従来から、熱分解法、活性炭法、触媒法等の様々なオゾン分解方法が採用されている。
また、前記光化学オキシダントの発生原因としては、工場や自動車等の内燃機関からの排ガスのほかに、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)も挙げられる。VOCとしては、アセトアルデヒド、トルエン、キシレンベンゼン、酢酸エチル、メタノール、ジクロロメタン等が挙げられ、塗料、接着剤、印刷インキ、洗浄剤等に用いられている。このようなVOCの除去方法としては、吸着法、触媒法、燃焼法等が採用されている。
このようなオゾン分解方法やVOC除去方法においては、従来、触媒として二酸化マンガンが用いられていたが、そのオゾン分解性能及びVOC除去性能が必ずしも十分なものではなかった。
また、特開平11−296087号公報(特許文献1)には、臭気成分又は有害ガス成分を分解するための脱臭触媒として、Al、ZrO、CeO、SiO及びゼオライトからなる群から選択され、かつZrO又はCeOを必須とする1種以上の金属酸化物からなる担体に、Ag、Pd、Pt、Mn及びRhからなる群から選択される1種以上の触媒成分が担持されている脱臭触媒が開示されている。また、特許文献1には、添加成分として、PrO、Fe、La、Bi、MgO、CoO、NiO、CuO、ZnO等が採用できることが記載されている。
特開平10−296087号公報
しかしながら、多孔質担体にAgのみを担持した場合には、高いオゾン分解性能及びVOC除去性能を有する触媒を得ることができず、また、AgとPrとを担持した場合やAgとBiとを担持した場合にも、十分に高いオゾン分解性能を有する触媒を得ることができないという問題があることを本発明者らは見出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、オゾン分解性能及びVOC除去性能に優れた触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、多孔質担体にAgとPrとBiとを特定の担持量で担持することによって、オゾン分解性能及びVOC除去性能に優れた触媒が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のオゾン分解触媒は、多孔質担体と、該多孔質担体に担持されているAg、Pr及びBiとを備えており、前記多孔質担体200g当たり、Agの担持量が0.16〜0.35モルであり、Prの担持量が0.015〜0.13モルであり、Biの担持量が0.015〜0.075モルである、ことを特徴とするものである。
このようなオゾン分解触媒においては、Prの担持量とBiの担持量との合計に対するAgの担持量がモル比〔Ag/(Pr+Bi)〕で1.3〜3.0であることが好ましい。
また、本発明のVOC除去触媒は、多孔質担体と、該多孔質担体に担持されているAg、Pr及びBiとを備えており、前記多孔質担体200g当たり、Agの担持量が0.16〜0.35モルであり、Prの担持量が0.015〜0.13モルであり、Biの担持量が0.015〜0.075モルである、ことを特徴とするものである。
このようなVOC除去触媒においては、Prの担持量とBiの担持量との合計に対するAgの担持量がモル比〔Ag/(Pr+Bi)〕で1.3〜3.0であることが好ましい。
本発明のオゾン分解方法は、前記本発明のオゾン分解触媒に、オゾン含有ガスを接触させることを特徴とする方法である。また、本発明のVOC除去方法は、前記本発明のVOC除去触媒に、オゾンの存在下で揮発性有機化合物を含有するガスを接触させることを特徴とする方法である。
なお、本発明のオゾン分解触媒が優れたオゾン分解性能を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明のオゾン分解触媒にオゾンが接触すると、Agが価数変化を起こすことによってオゾンが分解されて活性酸素種(原子状酸素、一重項酸素)及び過酸化物等が生成すると推察される。このとき、Pr及びBiの作用により、触媒中での酸素イオンの移動度が向上するため、Agによるオゾンの分解が促進され、優れたオゾン分解性能が発現すると推察される。
また、本発明のVOC除去触媒が優れたVOC除去性能を示す理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明において、揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compound)とは、揮発性を有し、大気中(常温常圧)において、揮発して気体となる有機化合物の総称であり、例えば、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、ベンゼン、酢酸エチル、エチルベンゼン、スチレン、エタノール、メタノール、ジクロロメタン等が挙げられる。このようなVOCをオゾンの存在下で本発明のVOC除去触媒に接触させると、Agが価数変化を起こすことによってオゾンが分解されて活性酸素種(酸素イオン)が生成し、この活性酸素種によってVOCが酸化分解されると推察される。このとき、Pr及びBiの作用により、触媒中での酸素イオンの移動度が向上してAgによるオゾンの分解及び活性酸素種の生成が促進されるため、活性酸素種によるVOCの酸化分解も促進され、優れたVOC除去性能が発現すると推察される。
本発明によれば、オゾン分解性能及びVOC除去性能に優れた触媒を提供することが可能となる。
実施例1、6及び比較例1、8〜11で得られた触媒のオゾン分解率及びアセトアルデヒド酸化率を示すグラフである。 Ag担持量とオゾン分解率との関係を示すグラフである。 Pr担持量とオゾン分解率との関係を示すグラフである。 Bi担持量とオゾン分解率との関係を示すグラフである。 PrとBiとの合計担持量に対するAg担持量のモル比〔Ag/(Pr+Bi)〕とオゾン分解率との関係を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
〔オゾン分解触媒及びVOC除去触媒〕
先ず、本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒について説明する。本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒は、多孔質担体と、該多孔質担体に所定量担持されているAg、Pr及びBiとを備えるものである。多孔質担体に所定量のAgとPrとBiとを担持させることによって、オゾン分解性能及びVOC除去性能に優れた触媒を得ることができる。一方、Pr又はBiを担持しなかった場合(Ag及びBiのみを担持した場合及びAg及びPrのみを担持した場合)には、オゾン分解性能及びVOC除去性能が低下し、Pr及びBiを担持しなかった場合(Agのみを担持した場合)には、オゾン分解性能及びVOC除去性能が更に低下し、Agを担持しなかった場合(Pr及びBiのみを担持した場合)には、オゾン分解性能及びVOC除去性能が著しく低下する。
本発明に用いられる多孔質担体は特に制限はなく、その材質としてはシリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア、ゼオライト、マグネシア、アルミノリン酸塩(ALPO)、シリコアルミノリン酸塩(SAPO)等の従来のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒に用いられる多孔質担体が挙げられる。
このような多孔質担体の平均細孔直径としては、0.5〜100nmが好ましく、1〜50nmがより好ましい。多孔質担体の平均細孔直径が前記下限未満になると、オゾン及びVOCが多孔質担体の細孔内に十分に拡散せず、オゾン分解性能及びVOC除去性能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、比表面積が小さくなるため、オゾン及びVOCを吸着する能力が低下して、オゾン分解性能及びVOC除去性能が低下する傾向にある。なお、多孔質担体の平均細孔直径は、多孔質担体の窒素吸着等温線に基づいてBJH法により求めることができる。
また、前記多孔質担体の比表面積としては、10〜2000m/gが好ましく、50〜1500m/gがより好ましい。多孔質担体の比表面積が前記下限未満になると、オゾン及びVOCを吸着する能力が低下して、オゾン分解性能及びVOC除去性能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、嵩高さが増大し、触媒体積当たりの活性が低下する傾向にある。なお、多孔質担体の比表面積は、多孔質担体の窒素吸着等温線に基づいてBET法により求めることができる。
前記多孔質担体の細孔容積としては、0.1〜1.5cm/gが好ましく、0.3〜1cm/gがより好ましい。なお、多孔質担体の細孔容積は、多孔質担体の窒素吸着量から求めることができる。
前記多孔質担体の平均粒径としては、0.02〜500μmが好ましく、0.02〜200μmがより好ましい。多孔質担体の平均粒径が前記下限未満になると、反応に寄与しない部分が増加し、オゾン及びVOC除去性能が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、オゾン及びVOCが多孔質担体の細孔内に十分に拡散せず、オゾン及びVOC除去性能が低下する傾向にある。なお、多孔質担体の平均粒径は、乾式又は湿式のレーザー回折・散乱法により測定した積算粒度分布において、メジアン径D50として求めることができる。
本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒は、このような多孔質担体にAgを担持させたものであり、前記多孔質担体200g当たりのAgの担持量は0.16〜0.35モルである。Agの担持量が前記下限未満又は前記上限を超えると、オゾン分解性能及びVOC除去性能が低下する。また、オゾン分解性能及びVOC除去性能がより高くなるという観点から、前記多孔質担体200g当たりのAgの担持量としては、0.17〜0.32モルが好ましく、0.19〜0.24モルがより好ましい。
また、本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒は、前記多孔質担体にPrを担持させたものであり、前記多孔質担体200g当たりのPrの担持量は0.015〜0.13モルである。Prの担持量が前記下限未満又は前記上限を超えると、オゾン分解性能及びVOC除去性能が低下する。また、オゾン分解性能及びVOC除去性能がより高くなるという観点から、前記多孔質担体200g当たりのPrの担持量としては、0.03〜0.1モルが好ましく、0.04〜0.08モルがより好ましい。
さらに、本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒は、前記多孔質担体にBiを担持させたものであり、前記多孔質担体200g当たりのBiの担持量は0.015〜0.075モルである。Biの担持量が前記下限未満又は前記上限を超えると、オゾン分解性能及びVOC除去性能が低下する。また、オゾン分解性能及びVOC除去性能がより高くなるという観点から、前記多孔質担体200g当たりのBiの担持量としては、0.03〜0.065モルが好ましく、0.04〜0.06モルがより好ましい。
また、本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒においては、Prの担持量とBiの担持量との合計に対するAgの担持量がモル比〔Ag/(Pr+Bi)〕で1.3〜3.0であることが好ましく、1.8〜2.7であることがより好ましく、1.8〜2.4であることが特に好ましい。モル比〔Ag/(Pr+Bi)〕が前記下限未満又は前記上限を超えると、オゾン分解性能及びVOC除去性能が低下する傾向にある。
このような本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒において、前記多孔質担体には、Ce等のPr以外の希土類元素が更に担持されていてもよいが、より高いオゾン分解性能及びVOC除去性能が得られるという観点から、その担持量が少ないことが望ましい。例えば、前記多孔質担体200g当たりのCeの担持量としては、0.08モル以下が好ましく、0.05モル以下がより好ましく、0.03モル以下が特に好ましく、Ceが担持されていないこと(Ceの担持量が0モルであること)が最も好ましい。また、Laについては、担持されていないこと(Laの担持量が0モルであること)が好ましい。
本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒の使用形態としては特に制限はなく、例えば、粉末状の触媒をそのまま使用してもよく、粉末状の触媒を定法によりペレット状、円柱状、球状等の各種形状に成形して使用してもよく、粉末状の触媒を含有するスラリーを他の基材に被覆成形して使用してもよい。また、このような成形に際しては、前記多孔質担体にAgとPrとBiとを担持させた後、各種形状に成形してもよいし、前記多孔質担体を各種形状に成形した後、AgとPrとBiとを担持させてもよい。
前記他の基材としては特に制限はなく、例えば、モノリス担体基材(ハニカムフィルタ、高密度ハニカム等)、フォームフィルタ基材、ペレット状基材、プレート状基材等が挙げられる。また、このような基材の材質としては特に制限はなく、例えば、コージェライト、炭化ケイ素、ムライト等のセラミックス、クロム及びアルミニウムを含むステンレススチール等の金属が挙げられる。
このような本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒は、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、先ず、銀、プラセオジム及びビスマスの各金属の塩を溶解した溶液(金属塩溶液)に前記多孔質担体を浸漬して、前記金属塩溶液を前記多孔質担体に含浸させる。その後、この金属塩溶液が含浸した多孔質担体を乾燥して溶媒を除去して前記多孔質担体に前記金属塩を付着させ、さらに、この金属塩が付着した多孔質担体を焼成することによって、前記多孔質担体にAgとPrとBiが担持された本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒が得られる。
前記金属塩としては溶媒に可溶であり、焼成によってカウンターアニオンが除去されるものであれば特に制限はなく、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、シアン化物等が挙げられる。前記溶媒としては前記金属塩を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、水、エタノール、メタノール、アセトン、グリセリン、ジエチルエーテル等が挙げられる。
前記金属塩溶液における金属塩の濃度は、Ag、Pr及びBiの所望の担持量に応じて適宜設定することができる。乾燥温度及び乾燥時間としては溶媒を十分に除去できる温度及び時間であれば特に制限はないが、例えば、50〜200℃及び1〜48時間が好ましい。また、焼成温度及び焼成時間としては金属塩のカウンターアニオンを十分に除去できる温度及び時間であれば特に制限はないが、例えば、300〜700℃及び1〜48時間が好ましい。
本発明のオゾン分解触媒及びVOC除去触媒は、上記の方法によって製造されるものに制限されず、例えば、共沈法によって製造してもよい。
〔オゾン分解方法〕
次に、本発明のオゾン分解方法について説明する。本発明のオゾン分解方法においては、前記本発明のオゾン分解触媒にオゾン含有ガスを接触させる。オゾン分解触媒とオゾン含有ガスとの接触方法としては特に制限はなく、オゾン分解触媒とオゾン含有ガスとを反応容器に投入して反応させた後、オゾン分解後のガスを回収するバッチ式であっても、オゾン分解触媒を充填した触媒床にオゾン含有ガスを流通させる流通式であってもよい。前記オゾン含有ガスとしては、オゾンを含有する空気等が挙げられる。
オゾン分解触媒とオゾン含有ガスとを接触させる際の条件は適宜設定することができるが、接触温度としては、オゾンを効率的に分解できるという観点から、0〜300℃が好ましい。
〔VOC除去方法〕
次に、本発明のVOC除去方法について説明する。本発明のVOC除去方法においては、前記本発明のVOC除去触媒に、オゾンの存在下で揮発性有機化合物(VOC)を含有するガス(VOC含有ガス)を接触させる。オゾンの存在下でVOC除去触媒にVOCを接触させる方法としては特に制限はなく、VOC除去触媒とオゾン含有ガスとVOC含有ガスとを反応容器に投入して反応させた後、VOC除去後のガスを回収するバッチ式であっても、オゾン分解触媒を充填した触媒床にオゾン含有ガスとVOC含有ガスとを別々の供給源から同時に流通させるか、或いは、オゾンとVOCとを含有する混合ガスを前記触媒床に流通させる流通式であってもよい。前記オゾン含有ガス及び前記VOC含有ガスとしては、それぞれオゾン及びVOCを含有する空気等が挙げられる。また、前記混合ガス中のオゾンとしては、VOC含有ガスに元来含まれていたものであってもよいし、VOC含有ガスに新たに添加したものであってもよい。
VOC除去触媒とVOC含有ガスとを接触させる際の条件は適宜設定することができるが、接触温度としては、VOCを効率的に除去できるという観点から、0〜300℃が好ましく、オゾンの分解を利用してVOCを効率的に除去できるという観点から、室温〜300℃がより好ましい。また、VOC除去触媒とVOC含有ガスとを接触させる際の反応雰囲気におけるオゾン濃度(例えば、前記混合ガス中のオゾン濃度)としては、オゾンの分解を利用してVOCを効率的に除去できるという観点から、0.005〜10000ppmが好ましく、0.01〜5000ppmがより好ましい。さらに、VOC除去触媒とVOC含有ガスとを接触させる際の反応雰囲気におけるVOC濃度(炭素換算濃度)とオゾン濃度との比(VOC/O)としては、オゾンの分解を利用してVOCを効率的に除去できるという観点から、0.2〜3が好ましく、0.5〜2がより好ましい。
また、VOC除去触媒とVOC含有ガスとを接触させる際の反応雰囲気としては酸化雰囲気が好ましい。これにより、VOCを更に効率的に除去することが可能となる。このような酸化化雰囲気における酸化性ガスの濃度としては、0.1容量%以上が好ましく、0.1〜20容量%がより好ましい。前記酸化性ガスとしては酸素、一酸化窒素等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
多孔質担体200g当たりのAg、Pr及びBiの担持量がそれぞれ0.2モル、0.05モル、0.05モルとなるように、所定量の硝酸銀、硝酸プラセオジム(III)n水和物及び硝酸ビスマス(III)五水和物(いずれも和光純薬工業株式会社製)をイオン交換水5gに溶解した。得られた硝酸塩水溶液に多孔質担体としてメソポーラスシリカ(太陽化学株式会社製「TMPS−4R」、平均細孔直径3.9nm、比表面積920.9m/g、細孔容積0.89cm/g、平均粒径55.8μm)1gを投入した後、前記硝酸塩を含浸させたメソポーラスシリカを110℃で12時間乾燥し、さらに、大気中、500℃で1時間焼成して、前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(実施例2)
Agの担持量が多孔質担体200g当たり0.3モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(実施例3)
Prの担持量が多孔質担体200g当たり0.02モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(実施例4)
Prの担持量が多孔質担体200g当たり0.1モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(実施例5)
Biの担持量が多孔質担体200g当たり0.07モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(実施例6)
Ceの担持量が多孔質担体200g当たり0.05モルとなるように、所定量の硝酸セリウム(III)六水和物(和光純薬工業株式会社製)を硝酸塩水溶液に更に溶解した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr、Bi及びCeが担持された触媒を調製した。
(比較例1)
化成二酸化マンガン(中央電気工業(株)製「CMD−K200」、形状:ペレット状、粒子径:0.5〜1mm)をそのまま触媒として使用した。
(比較例2)
Agの担持量が多孔質担体200g当たり0.1モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(比較例3)
Agの担持量が多孔質担体200g当たり0.15モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(比較例4)
Agの担持量が多孔質担体200g当たり0.4モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(比較例5)
Prの担持量が多孔質担体200g当たり0.2モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(比較例6)
Biの担持量が多孔質担体200g当たり0.01モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(比較例7)
Biの担持量が多孔質担体200g当たり0.1モルとなるように硝酸塩水溶液を調製した以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg、Pr及びBiが担持された触媒を調製した。
(比較例8)
硝酸ビスマス(III)五水和物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg及びPrが担持された触媒を調製した。
(比較例9)
硝酸プラセオジム(III)n水和物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAg及びBiが担持された触媒を調製した。
(比較例10)
硝酸プラセオジム(III)n水和物及び硝酸ビスマス(III)五水和物を使用しなかった以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにAgが担持された触媒を調製した。
(比較例11)
硝酸銀を使用しなかった以外は実施例1と同様にして前記メソポーラスシリカにPr及びBiが担持された触媒を調製した。
<オゾン分解性能及びVOC除去性能>
実施例及び比較例で得られた触媒を粒子径が0.5〜1mmのペレット状に成形した。このペレット触媒0.2gを、オゾン発生器(荏原実業株式会社製「OZSD−3000AS)を接続した排ガス触媒評価装置(株式会社ベスト測器製「CATA−5000」)の触媒床に充填した。この触媒床にオゾン(O、50ppm)とアルデヒド(CHCHO、100ppmC(炭素換算濃度))と酸素(20%)と窒素(残部)とを含む混合ガスを75℃、流量5L/minの条件で流通させ、触媒床通過前後のオゾン濃度をオゾンモニター(荏原実業株式会社製「PG−620MA」)を用いて測定し、また、触媒反応後の生成CO濃度及び生成CO濃度を赤外線式ガス濃度測定装置(株式会社島津製作所製「CGT−7000」)を用いて測定し、O分解率及びCHCHO酸化率を下記式:
分解率(%)={(触媒入りガスO濃度−触媒出ガスO濃度)/触媒入りガスO濃度}×100
CHCHO酸化率(%)=[{触媒入りガスCHCHO濃度−(生成CO濃度+生成CO濃度)}/触媒入りガスCHCHO濃度]×100
により求めた。その結果を表1及び図1〜図5に示す。
図1に示した結果から明らかなように、所定量のAg、Pr及びBiが担持された触媒(実施例1、6)は、二酸化マンガンからなる触媒(比較例1)、Biが担持されていない触媒(比較例8)、Prが担持されていない触媒(比較例9)、Pr及びBiが担持されていない触媒(比較例10)、Agが担持されていない触媒(比較例11)に比べて、高いオゾン分解活性を有することが確認された。また、アセトアルデヒド酸化活性も高く、VOC除去触媒としても有効であることが確認された。
図2に示した結果から明らかなように、所定量のAg、Pr及びBiが担持された触媒(実施例1〜2)は高いオゾン分解活性を有するのに対して、多孔質担体200g当たりのAg担持量が0.1モル(比較例2)、0.15モル(比較例3)又は0.4モル(比較例4)になると、オゾン分解活性が著しく低くなることがわかった。
図3に示した結果から明らかなように、所定量のAg、Pr及びBiが担持された触媒(実施例1、3〜4)は高いオゾン分解活性を有するのに対して、多孔質担体200g当たりのPr担持量が0.2モル(比較例5)になると、オゾン分解活性が著しく低くなることがわかった。
図4に示した結果から明らかなように、所定量のAg、Pr及びBiが担持された触媒(実施例1、5)は高いオゾン分解活性を有するのに対して、多孔質担体200g当たりのBi担持量が0.01モル(比較例6)又は0.1モル(比較例7)になると、オゾン分解活性が著しく低くなることがわかった。
図5に示した結果から明らかなように、所定量のAg、Pr及びBiが担持された触媒(実施例1〜6)はいずれも、Prの担持量とBiの担持量との合計に対するAgの担持量のモル比〔Ag/(Pr+Bi)〕が所定の範囲内にあることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、オゾン分解性能及びVOC除去性能に優れた触媒を提供することが可能となる。したがって、本発明のオゾン分解触媒は、オゾン分解性能に優れているため、光化学オキシダント等の主成分であるオゾンを分解除去するための触媒として有用である。また、本発明のVOC除去触媒は、VOC除去性能、特に、オゾン分解を利用したVOC除去性能に優れているため、光化学オキシダント等の発生原因であるVOCを除去するための触媒、特に、オゾン存在下においてVOCを除去するための触媒として有用である。

Claims (6)

  1. 多孔質担体と、該多孔質担体に担持されているAg、Pr及びBiとを備えており、
    前記多孔質担体200g当たり、Agの担持量が0.16〜0.35モルであり、Prの担持量が0.015〜0.13モルであり、Biの担持量が0.015〜0.075モルである、ことを特徴とするオゾン分解触媒。
  2. Prの担持量とBiの担持量との合計に対するAgの担持量がモル比〔Ag/(Pr+Bi)〕で1.3〜3.0であることを特徴とする請求項1に記載のオゾン分解触媒。
  3. 請求項1又は2に記載のオゾン分解触媒に、オゾン含有ガスを接触させることを特徴とするオゾン分解方法。
  4. 多孔質担体と、該多孔質担体に担持されているAg、Pr及びBiとを備えており、
    前記多孔質担体200g当たり、Agの担持量が0.16〜0.35モルであり、Prの担持量が0.015〜0.13モルであり、Biの担持量が0.015〜0.075モルである、ことを特徴とするVOC除去触媒。
  5. Prの担持量とBiの担持量との合計に対するAgの担持量がモル比〔Ag/(Pr+Bi)〕で1.3〜3.0であることを特徴とする請求項4に記載のVOC除去触媒。
  6. 請求項4又は5に記載のVOC除去触媒に、オゾンの存在下で揮発性有機化合物を含有するガスを接触させることを特徴とするVOC除去方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110217951A (zh) * 2019-07-17 2019-09-10 中国环境科学研究院 一种抗生素制药废水的深度处理方法
WO2020110874A1 (ja) * 2018-11-30 2020-06-04 住友化学株式会社 アルデヒド分解用触媒
KR102520257B1 (ko) * 2021-12-27 2023-04-11 (주) 세라컴 휘발성유기화합물 제거용 흡착제 조성물

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