JP2018174628A - 磁気結合装置およびこれを用いたワイヤレス電力伝送システム - Google Patents

磁気結合装置およびこれを用いたワイヤレス電力伝送システム Download PDF

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Abstract

【課題】第1および第2のコイルの一方から発生する磁束が他方のコイルに及ぼす影響を抑制して電力または信号の伝送効率を高める。【解決手段】磁気結合装置1Aは、第1のコイルユニット10と、第1のコイルユニット10との間で電力または信号をワイヤレス伝送する第2のコイルユニット20とを備え、第1および第2のコイルユニット10,20の各々は、第1および第2のコイルと、第1のコイルと鎖交する第1の磁束φ1の磁路を構成する第1の磁性体13,23と、第2のコイルと鎖交する第2の磁束φ2の磁路を構成する第2の磁性体15,25とを備え、第2のコイルの駆動周波数は、第1のコイルの駆動周波数よりも10倍以上高く、第1の磁性体13,23の透磁率は、第1のコイルの駆動周波数において第2の磁性体15,25の透磁率よりも高く且つ第2のコイルの駆動周波数において第2の磁性体15,25の透磁率よりも低い。【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤレスで信号や電力を伝送する磁気結合装置およびこれを用いたワイヤレス電力伝送システムに関する。
電源ケーブルや電源コードを用いずに電力を伝送するワイヤレス電力伝送技術が注目されている。ワイヤレス電力伝送技術は、送電側から受電側にワイヤレスで電力を供給できることから、電車、電気自動車等の輸送機器、家電製品、電子機器、無線通信機器、玩具、産業機器といった様々な製品への応用が期待されている。
ワイヤレス電力伝送する方法としては、送電コイルに電流を流して磁束を発生させ、この磁束が受電コイルに鎖交することで受電コイルに電圧を発生させて電力伝送する方法がある。受電コイルで受電したエネルギーは負荷へと供給されることとなるが、負荷はその種類によらずほとんどの場合、安定した電力、電圧または電流の供給が必要となり、これらのいずれかが一定になるように制御を行うことが求められる。
このような制御を実現するためには、受電側から送電側に制御信号を伝送する必要がある。制御信号を伝送する方法として、磁界結合を用いて行う方法がある。磁界結合方式は、受電側の信号送信コイルで磁束を発生させ、送電側の信号受信コイルにその磁束を鎖交させ、電圧を発生させて信号を伝送する方法である。このとき、電力伝送の磁束も発生しているので、この磁束が信号受信コイルに鎖交すると制御ができなくなる問題がある。
こうした背景から、電力伝送の磁束の影響を受けない磁界結合方式を構成することが課題となっている。例えば、特許文献1には、電力伝送するコイルが発生する磁界の向きHpが、信号伝送するコイルが受電する磁界の向きHsに対して直交する構造を設けることで信号伝送が電力伝送の磁束の影響を受けにくい磁界結合方式の信号送受信コイル構造が提案されている。
また特許文献2では、電力伝送コイルとNFC(Near Field Communication)用コイルが配置されているコイル装置が提案されている。電力伝送周波数とNFCの周波数は異なっており、また、磁性材料もその周波数に合わせた材料を用いているものが提案されている。
特開2011−3947号公報 特開2013−169122号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、電力伝送するコイルと信号伝送するコイルとが近傍に配置されており、電力伝送の磁束が依然として信号伝送に影響を及ぼす虞があることから、改善の余地があった。
また、特許文献2に開示される技術では、NFC用コイルは電力伝送コイルと同時に動作させないことから電力伝送中の磁束が信号伝送に与える影響が考慮されておらず、改善の余地があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することが可能な磁気結合装置およびこれを用いたワイヤレス電力伝送システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による磁気結合装置は、第1のコイルユニットと、前記第1のコイルユニットとの間で電力または信号をワイヤレス伝送する第2のコイルユニットとを備え、前記第1および第2のコイルユニットの各々は、第1および第2のコイルを有し、前記第1および第2のコイルユニットの少なくとも一方は、前記第1のコイルと鎖交する第1の磁束の磁路を構成する第1の磁性体と、前記第2のコイルと鎖交する第2の磁束の磁路を構成する第2の磁性体とを有し、前記第1の磁性体の透磁率は、前記第1のコイルの駆動周波数において前記第2の磁性体の透磁率よりも高く、且つ、前記第1のコイルの駆動周波数よりも高い第2のコイルの駆動周波数において前記第2の磁性体の透磁率よりも低いことを特徴とする。
本発明によれば、第1のコイルの駆動周波数帯域において第1の磁性体の透磁率が第2の磁性体の透磁率よりも高くなり、第2のコイルの駆動周波数帯において第1の磁性体の透磁率が第2の磁性体の透磁率よりも低くなるため、第1および第2のコイルの一方から発生する磁束が他方のコイルに及ぼす影響を第1および第2の磁性体により抑制することができる。したがって、例えば、第1および第2のコイルユニットの第1のコイル間で電力伝送し、第2のコイル間で信号伝送する場合に、電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができる。
本発明において、前記第1のコイルのコイル軸は、前記第2のコイルのコイル軸と直交していることが好ましい。この構成によれば、第1のコイルと鎖交する磁束の向きと第2のコイルと鎖交する磁束の向きを直交させて互いの影響を最小限に抑えることができる。
本発明において、前記第2のコイルと鎖交する磁束が前記第2の磁性体を通過する方向における前記第2の磁性体の透磁率は、前記第1のコイルと鎖交する磁束が前記第2の磁性体を通過する方向における前記第2の磁性体の透磁率よりも高いことが好ましい。このように、第2の磁性体の透磁率が異方性を有することにより、信号伝送における磁路の磁気抵抗の増加を抑制しつつ、第1のコイルと鎖交する磁束が第2の磁性体を通過しにくくすることができる。したがって、第1および第2のコイルの一方から発生する磁束が他方のコイルに影響を及ぼすことをより一層抑制することができる。
本発明において、前記第2の磁性体は、前記第1のコイルと鎖交する磁束が前記第2の磁性体を通過する方向に向かって、磁性層と非磁性層が交互に積層された多層構造を有することが好ましい。これにより、第2のコイルと鎖交する磁束の磁路の磁気抵抗の増加を抑制しつつ、第1のコイルと鎖交する磁束が第2の磁性体を通過しにくくすることができる。したがって、第1のコイルから発生する磁束が第2のコイルに及ぼす影響をより一層抑制することができる。
本発明において、前記第1のコイルは、第1の方向にコイル軸を有するスパイラルコイルであり、前記第2のコイルは、前記第1の方向と直交する第2の方向にコイル軸を有するソレノイドコイルであることが好ましい。この構成によれば、第1のコイルと鎖交する磁束の向きと第2のコイルと鎖交する磁束の向きを直交させて互いの影響を最小限に抑えることができる。
本発明において、前記第1の方向から見た前記ソレノイドコイルの平面サイズは、前記スパイラルコイルの開口部の平面サイズよりも小さいことが好ましい。これにより、スパイラルコイルから発生する磁束がソレノイドコイルに及ぼす影響を抑制することができる。
本発明において、前記スパイラルコイルは前記第1の磁性体の主面に形成されており、前記ソレノイドコイルは前記第2の磁性体に巻回されており、前記第1の方向から見た前記第2の磁性体の平面サイズは、前記スパイラルコイルの開口部の平面サイズよりも小さいことが好ましい。これにより、スパイラルコイルから発生する磁束がソレノイドコイルに及ぼす影響を抑制することができる。
本発明において、前記第1の磁性体は、前記スパイラルコイルの開口部と平面視で重なる貫通孔を有することが好ましい。これにより、第1の磁性体の低コスト化が図れるだけでなく、貫通孔に第2のコイルを挿入することによるコイルユニットの薄型化を図ることができる。
本発明において、前記第1の磁性体と前記第2の磁性体は同一平面上に配置されないことが好ましい。これによれば、スパイラルコイルから発生する磁束がソレノイドコイルに及ぼす影響を抑制して一対のソレノイドコイル間の伝送効率を高めることができる。
本発明において、前記第1の方向から見た前記ソレノイドコイルの前記第2の方向のサイズは、前記スパイラルコイルの開口部の前記第2の方向のサイズよりも大きく、前記第1の方向から見た前記ソレノイドコイルの前記第1の方向および前記第2の方向と直交する第3の方向のサイズは、前記スパイラルコイルの開口部の前記第3の方向のサイズよりも小さいことが好ましい。このような構成であっても、スパイラルコイルから発生する磁束がソレノイドコイルに及ぼす影響を抑制することができる。またソレノイドの巻き数を増やして両者の磁気結合を強めることができ、伝送効率を高めることができる。
本発明において、前記スパイラルコイルは前記第1の磁性体の主面に形成されており、前記ソレノイドコイルは前記第2の磁性体に巻回されており、前記第1の方向から見た前記第2の磁性体の前記第2の方向のサイズは、前記第1の磁性体の前記第2の方向のサイズよりも大きく、前記第1の方向から見た前記第2の磁性体の前記第3の方向のサイズは、前記スパイラルコイルの開口部の前記第3の方向のサイズよりも小さいことが好ましい。このような構成であっても、スパイラルコイルから発生する磁束がソレノイドコイルに及ぼす影響を抑制することができる。
本発明において、前記第2のコイルは、第1の方向にコイル軸を有するスパイラルコイルであり、前記第1のコイルは、前記第1の方向と直交する第2の方向にコイル軸を有するソレノイドコイルであり、前記第1の方向から見て、前記スパイラルコイルの平面サイズは、前記ソレノイドコイルの平面サイズよりも小さいことが好ましい。この構成によれば、第1のコイルと鎖交する磁束の向きと第2のコイルと鎖交する磁束の向きを直交させて互いの影響を最小限に抑えることができる。
本発明において、前記第1のコイルユニットの前記ソレノイドコイルおよび前記第2のコイルユニットの前記ソレノイドコイルは、前記第1のコイルユニットの前記スパイラルコイルと前記第2のコイルユニットの前記スパイラルコイルに挟まれた空間内に設けられていることが好ましい。この構成により、スパイラルコイルから発生する磁束がソレノイドコイルに及ぼす影響を容易に抑制することができる。
本発明において、前記第1のコイルユニットの前記ソレノイドコイルおよび前記第2のコイルユニットの前記ソレノイドコイルは、前記第1のコイルユニットの前記スパイラルコイルと前記第2のコイルユニットの前記スパイラルコイルに挟まれた空間の外側に設けられていることが好ましい。このような構成であっても、スパイラルコイルから発生する磁束がソレノイドコイルに及ぼす影響を抑制することができる。
本発明において、前記第1のコイルは、第1の方向にコイル軸を有する第1のソレノイドコイルであり、前記第2のコイルは、前記第1の方向と直交する第2の方向にコイル軸を有する第2のソレノイドコイルであることが好ましい。この構成によれば、第1のコイルと鎖交する磁束の向きと第2のコイルと鎖交する磁束の向きを直交させて互いの影響を最小限に抑えることができる。
本発明において、前記第1の方向および前記第2の方向と直交する第3の方向から見た前記第1のソレノイドコイルの前記第1の方向のサイズは、前記第2のソレノイドコイルの前記第1の方向のサイズよりも大きく、前記第3の方向から見た前記第1のソレノイドコイルの前記第2の方向のサイズは、前記第2のソレノイドコイルの前記第2の方向のサイズよりも小さいことが好ましい。
本発明において、前記第1のソレノイドコイルは前記第1の磁性体に巻回されており、前記第2のソレノイドコイルは前記第2の磁性体に巻回されており、前記第3の方向から見た前記第1の磁性体の前記第1の方向のサイズは、前記第2の磁性体の前記第1の方向のサイズよりも大きく、前記第3の方向から見た前記第1の磁性体の前記第2の方向のサイズは、前記第2の磁性体の前記第2の方向のサイズよりも小さいことが好ましい。
本発明において、前記第1の方向および前記第2の方向と直交する第3の方向から見た前記第2のソレノイドコイルの平面サイズは、前記第1のソレノイドコイルの平面サイズよりも小さいことが好ましい。これにより、第1のソレノイドコイルから発生する磁束が第2のソレノイドコイルに及ぼす影響を十分に抑制して一対の第2のソレノイドコイル間の伝送効率を高めることができる。
本発明において、前記第1のソレノイドコイルは前記第1の磁性体に巻回されており、前記第2のソレノイドコイルは前記第2の磁性体に巻回されており、前記第3の方向から見た前記第2の磁性体の平面サイズは、前記第1の磁性体の平面サイズよりも小さいことが好ましい。これにより、第1のソレノイドコイルから発生する磁束が第2のソレノイドコイルに及ぼす影響を十分に抑制して一対の第2のソレノイドコイル間の伝送効率を高めることができる。
本発明において、前記第1のコイルユニットの前記第2のソレノイドコイルおよび前記第2のコイルユニットの前記第2のソレノイドコイルは、前記第1のコイルユニットの前記第1のソレノイドコイルと前記第2のコイルユニットの前記第1のソレノイドコイルに挟まれた空間内に設けられていることが好ましい。この構成により、第1および第2のソレノイドコイルの一方から発生する磁束が他方に及ぼす影響を容易に抑制することができる。
本発明による磁気結合装置は、回転軸を中心に回転する第1の支持体と、前記第1の支持体と一緒に回転しない第2の支持体を備え、前記第1および第2のコイルユニットの一方は前記第1の支持体に設けられており、前記第1および第2のコイルユニットの他方は前記第2の支持体に設けられていることが好ましい。本発明によれば、回転体である第1の支持体と非回転体(または別の回転体)である第2の支持体と間で電力または信号の伝送が可能であるとともに、第1および第2のコイルの一方から発生する磁束が他方のコイルに及ぼす影響を第1および第2の磁性体により抑制することができる。
本発明において、前記第1のコイルは、ソレノイドコイルであり、前記第2のコイルは、円筒面に形成されたループコイルであり、前記ソレノイドコイルのコイル軸は、前記回転軸方向に延在しており、前記ループコイルのコイル軸は、前記回転軸と直交する径方向に放射状に延在していることが好ましい。このように、一対の第1のコイルのコイル軸が回転軸方向に延在しており、一対の第2のコイルのコイル軸が回転軸と直交する径方向に放射状に延在していることから、第2のコイルと鎖交する磁束の向きを第1のコイルと鎖交する磁束の向きと直交させることができる。したがって、回転体に用いられる回転型磁気結合装置において、一対の第1のコイル間の電力または信号の伝送と一対の第2のコイル間の電力または信号の伝送の互いの影響を小さくすることができる。
本発明において、前記第1および第2のコイルユニットの前記第1のコイルと前記第1および第2のコイルユニットの前記第2のコイルとの間に配置される中間磁性体をさらに備え、前記中間磁性体は、第1の円筒磁性層と、前記第1の円筒磁性層よりも前記径方向の内側に配置された第2の円筒磁性層とを有し、前記第1の円筒磁性層は前記第1の磁性体を構成しており、前記第2の円筒磁性層は前記第2の磁性体を構成していることが好ましい。これによれば、回転体である第1の支持体と非回転体(または別の回転体)である第2の支持体と間で電力または信号の伝送が可能であるとともに、第1および第2のコイルの一方から発生する磁束が他方のコイルに及ぼす影響を第1および第2の磁性体により抑制することができる。
本発明において、前記第1および第2のコイルユニットの各々の前記第1および第2のコイルよりも径方向の内側に配置される内側磁性体と、前記第1および第2のコイルユニットの各々の前記第1および第2のコイルよりも径方向の外側に配置される外側磁性体とをさらに備え、前記内側磁性体は前記第2の磁性体を構成しており、前記外側磁性体は前記第1の磁性体を構成していることが好ましい。この構成によれば、第1のコイルと鎖交する磁束の磁路と第2のコイルと鎖交する磁束の磁路の両方を適切な位置に確保して互いの影響を一層抑制することができる。
本発明において、前記第1および第2のコイルユニットの各々の前記第1および第2のコイルの前記回転軸方向の両側を覆う円形磁性体をさらに備え、前記円形磁性体は前記第1の磁性体を構成していることが好ましい。これによれば、第1のコイルと鎖交する磁束の磁路を適切な位置に確保して当該磁束が第2のコイルに及ぼす影響を一層抑制することができる。
本発明において、前記第1および第2のコイルユニットの各々の前記第1および第2のコイルの前記回転軸方向の両側を覆う円形磁性体をさらに備え、前記円形磁性体は、内側リング領域と、前記内側リング磁性体よりも径方向の外側に位置する外側リング領域とを有し、前記円形磁性体の外側リング領域は前記第1の磁性体を構成しており、前記円形磁性体の内側リング領域は前記第2の磁性体を構成していることが好ましい。これによれば、第1のコイルと鎖交する磁束の磁路と第2のコイルと鎖交する磁束の磁路の両方を適切な位置に確保して互いの影響を一層抑制することができる。
本発明において、前記第1および第2のコイルユニットの前記第1のコイル同士は磁気結合しており、前記第1および第2のコイルユニットの前記第2のコイル同士は磁気結合しており、前記第1および第2のコイルユニットの少なくとも一方は、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気結合を阻止する位置に配置された電磁気遮蔽部材を有することが好ましい。これにより、第1および第2のコイルユニットの第1および第2のコイルの一方から発生する磁束が他方のコイルに及ぼす影響を電磁気遮蔽部材により抑制することができる。電磁気遮蔽部材によって第1および第2のコイル間の磁気結合を完全に阻止することは難しいが、電磁気遮蔽部材が第1および第2のコイル間の磁気結合を阻止する位置、すなわち、磁気結合に寄与する磁束の少なくとも一部を阻止する位置に配置されることにより、第1および第2のコイル間の磁気結合度を低減させる効果が期待できる。したがって、例えば、第1および第2のコイルユニットの第1のコイル間で電力伝送し、第2のコイル間で信号伝送する場合に、電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができる。
本発明において、前記第1および第2のコイルユニットの前記第1のコイルは電力伝送を行うコイルであり、前記第1および第2のコイルユニットの前記第2のコイルは信号伝送を行うコイルであることが好ましい。これにより、電力伝送の磁束が信号伝送コイルに及ぼす影響を一層抑制することができる。
本発明において、前記第1コイルユニットの前記第1のコイルは、電力伝送を行う送電コイルであり、前記第2コイルユニットの前記第1のコイルは、電力伝送を行う受電コイルであり、前記第1コイルユニットの前記第2のコイルは、信号伝送を行う受信コイルであり、前記第2コイルユニットの前記第2のコイルは、信号伝送を行う送信コイルであることが好ましい。これにより、電力伝送の磁束が信号伝送に及ぼす影響を一層抑制することができる。
本発明において、前記信号伝送の周波数は、前記電力伝送の周波数よりも10倍以上高いことが好ましい。信号伝送周波数が電力伝送周波数の10倍以上であれば、電力伝送用の交流電圧の高調波ノイズが交流信号に及ぼす影響を抑制して電力伝送側との混信を避けることができ、交流信号の伝送品質を確保することができる。
本発明において、前記信号伝送は、前記電力伝送中に行われることが好ましい。電力伝送中に信号伝送を行う場合には電力伝送用の交流電圧の高調波ノイズが交流信号に影響を及ぼすが、第1および第2の磁性体を設けることによりその影響を抑制することができる。
また、本発明によるワイヤレス電力伝送システムは、上述した本発明による磁気結合装置と、入力直流電圧を交流電圧に変換して前記送電コイルに供給する送電回路と、前記受信コイルが受信した交流信号に基づき、前記送電回路から出力される交流電圧を制御する制御回路と、前記受電コイルに発生した交流電圧を直流電圧に変換する受電回路と、前記受電回路の出力電圧または出力電流の大きさを示す交流信号を生成する信号生成回路と、を備えることを特徴とする。本発明によれば、送電コイルと受電コイルとの間で電力伝送し、送信コイルと受信コイルとの間で信号伝送する場合に、電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができる。
本発明によれば、電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することが可能な磁気結合装置およびこれを用いたワイヤレス電力伝送システムを提供することができる。
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるワイヤレス電力伝送システムの構成を示す回路図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略側面断面図、(b)は送電側コイルユニット10(および受電側コイルユニット20)の斜視図である。 図3は、磁性コアの透磁率の周波数特性を示すグラフである。 図4は、磁性コア15,25に用いられる信号伝送用磁性体の変形例を示す略断面図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略側面断面図、(b)は送電側コイルユニット10(および受電側コイルユニット20)の斜視図である。 図6は、本発明の第3の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略側面断面図、(b)は送電側コイルユニット10(および受電側コイルユニット20)の斜視図である。 図7は、本発明の第4の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略側面断面図、(b)は送電側コイルユニット10(および受電側コイルユニット20)の斜視図である。 図8は、本発明の第5の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。 図9は、本発明の第6の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。 図10は、本発明の第7の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。 図11は、本発明の第8の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略斜視図、(b)は略側面断面図である。 図12は、本発明の第9の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略斜視図、(b)は略側面断面図である。 図13は、本発明の第10の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。 図14は、図13に示す磁気結合装置の分解図である。 図15は、送信コイル22および受信コイル12の構成を示す図であって、(a)は展開平面図、(b)は斜視図である。 図16は、本発明の第11の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。 図17(a)および(b)は、磁性コアの変形例を示す略斜視図である。 図18(a)〜(c)は、コイルの変形例を示す略斜視図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施の形態によるワイヤレス電力伝送システムの構成を示す回路図である。
図1に示すように、ワイヤレス電力伝送システム100は、ワイヤレス送電装置110とワイヤレス受電装置120とを組み合わせてなり、ワイヤレス送電装置110からワイヤレス受電装置120に電力をワイヤレスで伝送するものである。
ワイヤレス送電装置110は、入力直流電圧を例えば100kHzの交流電圧に変換して出力する送電回路111と、交流電圧が印加されることにより交流磁束を発生させる送電コイル11と、ワイヤレス受電装置120側から送信される交流信号を受信する受信コイル12と、受信コイル12が受信した交流信号に基づき、送電回路111から出力される交流電圧を制御する制御回路114とを備えている。
送電回路111は、入力直流電圧を所定の直流電圧に変換する電源回路112と、電源回路112が出力する所定の直流電圧を例えば100kHzの交流電圧に変換する電圧変換回路113と有している。制御回路114は、受信コイル12が受信した交流信号に基づき、電源回路112から出力される所定の直流電圧の大きさを制御し、これにより送電回路111から出力される交流電圧を制御する。
ワイヤレス受電装置120は、送電コイル11が発生させる交流磁束の少なくとも一部を受けて交流電圧を発生させる受電コイル21と、受電コイル21に発生した交流電圧を直流電圧に変換する受電回路121と、受電回路121の出力電圧または出力電流の大きさを示す交流信号を生成する信号生成回路122と、受信コイル12に交流信号を送信する送信コイル22とを備えている。受電回路121の出力電圧は例えば負荷130に供給される。
信号生成回路122は、例えば10MHzの交流信号を出力する発振回路123と、受電回路121の出力電圧または出力電流の大きさに応じて発振回路123の電源電圧を生成する電源電圧生成回路124とを有しており、電源電圧生成回路124は、受電回路121の出力電圧または出力電流と目標値との差に基づき、発振回路123の電源電圧を制御する。
このように、電力伝送中に信号伝送を行い、ワイヤレス受電装置120の出力をワイヤレス送電装置110にフィードバックすることにより、ワイヤレス受電装置120の出力を一定に制御することができる。
本実施形態において電力伝送用の交流電圧の周波数が100kHzであるのに対し、信号伝送用の交流信号の周波数は10MHzであり、電力伝送用の交流電圧の周波数の100倍である。このように信号伝送用の交流信号の周波数は、電力伝送用の交流電圧の周波数の10倍以上であることが好ましい。信号伝送用の交流信号の周波数が電力伝送用の交流電圧の周波数の10倍以上であれば、電力伝送用の交流電圧の高調波が交流信号に対するノイズとなって出力信号波形が大きく歪むことがないので、電力伝送側との混信を避けることができ、交流信号の伝送品質を確保ことができる。
本実施形態において、送電コイル11、受信コイル12、受電コイル21、送信コイル22は、電力および信号をワイヤレス伝送するための磁気結合装置1Aを構成している。特に、送電コイル11および受信コイル12の組み合わせは送電側コイルユニット10(第1のコイルユニット)を構成しており、受電コイル21および送信コイル22の組み合わせは受電側コイルユニット20(第2のコイルユニット)を構成している。また、送電コイル11と受電コイル21は互いに磁気結合して電力伝送を行う一対のコイル(第1のコイル)を構成しており、送信コイル22と受信コイル12は互いに磁気結合して信号伝送を行う一対のコイル(第2のコイル)を構成している。
図2は、本発明の第1の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略側面断面図、(b)は送電側コイルユニット10(および受電側コイルユニット20)の斜視図である。
図2(a)および(b)に示すように、磁気結合装置1Aは、電力伝送を行う送電コイル11と信号伝送を行う受信コイル12とを組み合わせてなる送電側コイルユニット10と、電力伝送を行う受電コイル21と信号伝送を行う送信コイル22とを組み合わせてなる受電側コイルユニット20とを備えており、送電側コイルユニット10から受電側コイルユニット20に電力をワイヤレスで伝送するものである。送電側コイルユニット10および受電側コイルユニット20は実質同一の構成を有し、図中のZ軸方向(第1の方向)に対向配置されている。
送電コイル11は、平板状の磁性コア13(第1の磁性体)上に導線14を渦巻状に巻回したスパイラルコイルであり、受信コイル12は、磁性コア15(第2の磁性体)の外周面に導線16を螺旋状に巻回したソレノイドコイル(ヘリカルコイル)である。本実施形態において、送電コイル11はそのコイル軸がZ軸方向を向くように配置されているのに対し、受信コイル12はそのコイル軸がX軸方向(第2の方向)を向くように配置されている。すなわち、送電コイル11および受信コイル12は、互いのコイル軸が略直交するように配置されており、これにより送電コイル11と鎖交する磁束φの向きと受信コイル12と鎖交する磁束φの向きは略直交している。
受電コイル21も送電コイル11と同様に、平板状の磁性コア23(第1の磁性体)の主面に導線24を渦巻状に巻回したスパイラルコイルであり、送信コイル22も受電コイル21と同様に、磁性コア25(第2の磁性体)の外周面に導線26を螺旋状に巻回したソレノイドコイル(ヘリカルコイル)である。本実施形態において、受電コイル21はそのコイル軸がZ軸方向を向くように配置されているのに対し、送信コイル22はそのコイル軸がX軸方向を向くように配置されている。すなわち、受電コイル21および送信コイル22は、互いのコイル軸が略直交するように配置されており、これにより受電コイル21と鎖交する磁束φの向きと送信コイル22と鎖交する磁束φの向きは略直交している。
本実施形態において、磁性コア15,25の平面サイズは、送電コイル11および受電コイル21のループの内側の開口部の平面サイズよりも小さいことが好ましい。これにより、送信コイル22および受信コイル12は、送電コイル11および受電コイル21のループの内側に収まっている。また、信号伝送を行う送信コイル22および受信コイル12は、電力伝送を行う送電コイル11と受電コイル21に挟まれた空間内に配置されている。
送電コイル11から発生する磁束φは、破線の矢印で示すように、送電コイル11のループ内からZ軸方向の上方に進行して受電コイル21のループ内を通過することにより受電コイル21と鎖交する。その後、磁性コア23内を通って受電コイル21のループの外側に向かい、Z軸方向の下方に進行し、磁性コア13内を通って送電コイル11のループ内に戻る。こうして送電コイル11が受電コイル21と磁気結合することにより、ワイヤレス送電装置110からワイヤレス受電装置120に電力をワイヤレス伝送することができる。
また送信コイル22から発生する磁束φは、実線の矢印で示すように、送信コイル22のループ内を貫通する磁性コア25内を通過し、Z軸方向の下方に進行した後、受信コイル12のループ内を貫通する磁性コア15内を通過することにより受信コイル12と鎖交する。その後、Z軸方向の上方に進行し、送信コイル22のループ内に戻る。こうして送信コイル22が受信コイル12と磁気結合することにより、ワイヤレス受電装置120からワイヤレス送電装置110に信号をワイヤレス伝送することができる。
本実施形態において、電力伝送用磁性体である磁性コア13,23は、信号伝送用磁性体である磁性コア15,25と異なる透磁率の周波数特性を有している。
図3は、磁性コアの透磁率の周波数特性を示すグラフである。
図3に示すように、磁性コア13,23および磁性コア15,25は共に、低周波からあるカットオフ周波数まで比較的高い透磁率を維持するが、カットオフ周波数を過ぎると透磁率が大きく低下する周波数特性を有する。また低周波において磁性コア13,23の透磁率μは磁性コア15,25の透磁率μよりも大きく、磁性コア13,23のカットオフ周波数fc1は磁性コア15,25のカットオフ周波数fc2よりも低い。さらに、磁性コア13,23のカットオフ周波数fc1は、電力伝送周波数fよりも大きく且つ信号伝送周波数fよりも低い(f<fc1<f)。また、磁性コア15,25のカットオフ周波数fc2は、信号伝送周波数f2よりも大きい(f>fc2)。
そのため、磁性コア13,23の透磁率μは、電力伝送周波数fにおいて磁性コア15,25の透磁率μよりも大きいが(μ>μ)、信号伝送周波数fにおいて磁性コア15,25の透磁率μよりも小さい(μ<μ)。換言すると、磁性コア15,25の透磁率μは、電力伝送周波数fにおいて磁性コア13,23の透磁率μよりも小さいが、信号伝送周波数fにおいて磁性コア13,23の透磁率μよりも大きい。磁性コア13,23および磁性コア15,25の透磁率の周波数特性が上記のような関係を有する場合には、磁性コア13,23および磁性コア15,25を用いて電力伝送効率および信号伝送効率をそれぞれ高めることができると共に、電力伝送の磁束が信号伝送に及ぼす影響を小さくすることができる。
以上説明したように、本実施形態によるワイヤレス電力伝送システム100は、電力および信号をワイヤレス伝送するための磁気結合装置1Aを有し、磁気結合装置1Aは、送電コイル11と受信コイル12とを組み合わせてなる送電側コイルユニット10と、受電コイル21と送信コイル22とを組み合わせてなる受電側コイルユニット20とを備え、送電コイル11および受電コイル21は磁性コア13,23(第1の磁性体)を有し、送信コイル22および受信コイル12は磁性コア15,25(第2の磁性体)を有し、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低いので、電力伝送および信号伝送の一方が他方に及ぼす影響を抑えることができ、特に電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができ、ワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
図4は、磁性コア15,25に用いられる信号伝送用磁性体の変形例を示す略断面図である。
図4に示すように、本実施形態による磁性体28は、磁性層28aと非磁性層28bとを交互に積層してなる多層構造体であり、透磁率に異方性を有しており、積層面に平行な方向の透磁率μは、積層面に垂直な方向の透磁率μよりも低い。このような特徴を有する磁性体28を送信コイル22および受信コイル12(信号伝送コイル)の磁性コア25,15(第2の磁性体)として用い、積層面がZ方向、つまり送信コイル22および受信コイル12のコイル軸と直交し且つ送電側コイルユニット10と受電側コイルユニット20が対向する方向を向くように配置する。したがって、磁性体28は、電力伝送を行うコイルと鎖交する磁束φが磁性体28を通過する方向に向かって、磁性層28aと非磁性層28bが交互に積層された多層構造を有する。こうして磁性層28aの延在方向を信号伝送コイルと鎖交する磁束φの進行方向(コイル軸方向)と一致させた場合には、磁束φが通過するX軸方向における磁性コア25,15の透磁率が、磁束φが通過するZ軸方向における磁性コア25,15の透磁率よりも高くなるので、信号伝送コイルと鎖交する磁束φに対する透磁率を確保しつつ、電力伝送を行うコイルと鎖交する磁束φの影響をさらに小さくすることができる。
図5は、本発明の第2の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略側面断面図、(b)は送電側コイルユニット10(および受電側コイルユニット20)の斜視図である。
図5(a)および(b)に示すように、この磁気結合装置1Bの特徴は、送電コイル11と受信コイル12との間には第1の電磁気遮蔽部材17が配置されており、受電コイル21と送信コイル22との間には第2の電磁気遮蔽部材27が配置されている点にある。その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低い。
第1の電磁気遮蔽部材17は、送電コイル11および受電コイル21のコイル軸方向であるZ軸方向から見て、少なくとも受信コイル12の導線16の形成領域を覆うように構成されていることが好ましく、受信コイル12が巻回された磁性コア15を全面的に覆うように構成されていることがより好ましい。このように第1の電磁気遮蔽部材17は送電コイル11と受信コイル12との磁気結合を阻止する位置に設けられているので、電力伝送の磁束が信号伝送の磁束に及ぼす影響をより一層抑制することができる。
第2の電磁気遮蔽部材27は、Z軸方向から見て、少なくとも送信コイル22の導線26の形成領域を覆うように構成されていることが好ましく、送信コイル22が巻回された磁性コア25を全面的に覆うように構成されていることがより好ましい。このように第2の電磁気遮蔽部材27も受電コイル21と送信コイル22との磁気結合を阻止する位置に設けられているので、電力伝送の磁束が信号伝送の磁束に及ぼす影響をより一層抑制することができる。
第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27の平面サイズは、送電コイル11および受電コイル21のループの内側の開口部の平面サイズよりも小さいことが好ましい。これにより、第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27は、送電コイル11および受電コイル21のループの内側に収まっている。
第1の電磁気遮蔽部材17は送電コイル11よりも受信コイル12に近接して配置されていることが好ましく、第2の電磁気遮蔽部材27は受電コイル21よりも送信コイル22に近接して配置されていることが好ましい。電磁気遮蔽部材27が信号伝送を行うコイル側にできるだけ近づくことにより、電力伝送効率の低下を抑制しつつ、電力伝送の磁束が信号伝送に及ぼす影響を抑制する効果を高めることができる。
送電コイル11から発生する磁束φは、破線の矢印で示すように、送電コイル11のループ内からZ軸方向の上方に進行して受電コイル21のループ内を通過することにより受電コイル21と鎖交する。その後、磁性コア23内を通って受電コイル21のループの外側に向かい、Z軸方向の下方に進行し、磁性コア13内を通って送電コイル11のループ内に戻る。こうして送電コイル11が受電コイル21と磁気結合することにより、ワイヤレス送電装置110からワイヤレス受電装置120に電力をワイヤレス伝送することができる。
また送信コイル22から発生する磁束φは、実線の矢印で示すように、送信コイル22のループ内を貫通する磁性コア25内を通過し、Z軸方向の下方に進行した後、受信コイル12のループ内を貫通する磁性コア15内を通過することにより受信コイル12と鎖交する。その後、Z軸方向の上方に進行し、送信コイル22のループ内に戻る。こうして送信コイル22が受信コイル12と磁気結合することにより、ワイヤレス受電装置120からワイヤレス送電装置110に信号をワイヤレス伝送することができる。
送電コイル11および受電コイル21と鎖交する磁束φは、大きなループを構成しているが、その一部は第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27によって遮られ、第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27に挟まれた空間内に侵入することはできない。すなわち、送電コイル11から発生して受電側コイルユニット20に向かおうとする磁束φの一部は、第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27によって阻止される。具体的には、磁束φの一部が第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27に鎖交すると渦電流が発生し、この渦電流により生じる磁束により磁束φの一部は相殺されることとなる。
また送信コイル22および受信コイル12と鎖交する磁束φは、第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27に挟まれた空間内で小さなループを構成しているため、磁束φの影響を受けにくい。したがって、電力伝送の磁束φが信号伝送の磁束φに及ぼす影響を抑えて信号品質を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態による磁気結合装置1Bは、送電側コイルユニット10側の送電コイル11と受信コイル12との磁気結合を阻止する位置に配置された第1の電磁気遮蔽部材17と、受電側コイルユニット20側の受電コイル21と送信コイル22との磁気結合を阻止する位置に配置された第2の電磁気遮蔽部材27とを有するので、電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができ、ワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
図6は、本発明の第3の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略側面断面図、(b)は送電側コイルユニット10(および受電側コイルユニット20)の斜視図である。
図6(a)および(b)に示すように、この磁気結合装置1Cの特徴は、送電コイル11の導線14のループに取り囲まれた磁性コア13の中央部に貫通孔13aが形成されており、受電コイル21の導線24のループに取り囲まれた磁性コア23の中央部にも貫通孔23aが形成されている点にある。その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低い。
磁性コア13の貫通孔13aの平面サイズは、受信コイル12の磁性コア15よりも大きいことが好ましく、磁性コア23の貫通孔23aの平面サイズは、送信コイル22の磁性コア25よりも大きいことが好ましい。
以上のように、本実施形態による磁気結合装置1Cを有するワイヤレス電力伝送システム100は、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また、磁性コア13,23の低コスト化が図れるだけでなく、貫通孔13a,23aに受信コイル12、送信コイル22をそれぞれ挿入することによるコイルユニットの薄型化を図ることができる。
図7は、本発明の第4の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略側面断面図、(b)は送電側コイルユニット10(および受電側コイルユニット20)の斜視図である。
図7(a)および(b)に示すように、この磁気結合装置1Dの特徴は、受信コイル12のX軸方向のサイズが送電コイル11の開口部のX軸方向のサイズよりも大きく、送信コイル22のX軸方向のサイズが受電コイル21の開口部のX軸方向のサイズよりも大きい点にある。その他の構成は第1の実施の形態と同様であり、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低い。
受信コイル12のY軸方向のサイズは送電コイル11の開口部のY軸方向のサイズよりも小さく、送信コイル22のY軸方向のサイズは受電コイル21の開口部のY軸方向のサイズよりも小さい。さらに、磁性コア15,25のX軸方向のサイズは、磁性コア13,23のX軸方向のサイズよりも大きく、磁性コア15,25のY軸方向のサイズは、送電コイル11および受電コイル21の開口部のY軸方向のサイズよりも小さいことが好ましい。
送電コイル11から発生する磁束φは、第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27と平面視で重ならない領域を通って受電コイル21のループ内を通過することにより受電コイル21と鎖交する。しかし、磁束φの一部は第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27によって遮られるので、第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27に挟まれた空間内に侵入することはできない。すなわち、送電コイル11から発生して受信コイル12や送信コイル22に向かおうとする磁束φの一部は、第1および第2の電磁気遮蔽部材17,27によって阻止される。したがって、電力伝送の磁束φが信号伝送の磁束φに及ぼす影響を抑えて信号品質を向上させることができる。
以上のように、本実施形態による磁気結合装置1Dを有するワイヤレス電力伝送システム100は、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。また送信コイル22および受信コイル12の巻き数を増やして両者の磁気結合を強めることができ、信号伝送効率を高めることができる。
図8は、本発明の第5の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。
図8に示すように、この磁気結合装置1Eの特徴は、送電コイル11および受電コイル21が螺旋状のソレノイドコイルからなり、受信コイル12および送信コイル22が渦巻状のスパイラルコイルからなる点にある。すなわち、電力伝送を行うコイルおよび信号伝送を行うコイルの種類が第1の実施の形態とは逆になっている。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
送信コイル22および受信コイル12の平面サイズは、送電コイル11および受電コイル21の平面サイズよりも小さい。そのため、送信コイル22および受信コイル12と鎖交する磁束φのループは、送電コイル11と受電コイル21に挟まれた空間内で周回する小さなループを形成している。これに対して、送電コイル11および受電コイル21を鎖交する磁束φのループは、送信コイル22および受信コイル12の外側を周回する大きなループを形成している。
本実施形態においても、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低いので、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、電力伝送の磁束φが信号伝送の磁束φに及ぼす影響を抑えて信号品質を向上させることができ、これによりワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
図9は、本発明の第6の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。
図9に示すように、この磁気結合装置1Fの特徴は、電力伝送用トランスを構成する送電コイル11と受電コイル21に挟まれた空間の外側に信号伝送用トランスを構成する送信コイル22と受信コイル12が設けられており、送電コイル11と受電コイル21が送信コイル22と受信コイル12に挟まれている点にある。そのため、送信コイル22から発生する磁束φは、受電コイル21および送電コイル11のループ内を通過すると共に、磁性コア13,23を貫通して受信コイル12と鎖交し、これにより送信コイル22と受信コイル12が磁気結合している。
本実施形態においても、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低いので、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、電力伝送の磁束φが信号伝送の磁束φに及ぼす影響を抑えて信号品質を向上させることができ、これによりワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
図10は、本発明の第7の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。
図10に示すように、この磁気結合装置1Gは、図6に示した第3の実施の形態による磁気結合装置1Cの変形例であって、送電側コイルユニット10内の受信コイル12の一部が磁性コア13の貫通孔13a内に収まっており、また受電側コイルユニット20内の送信コイル22の一部が磁性コア23の貫通孔23a内に収まっている点にある。
受信コイル12は平面視で磁性コア13の貫通孔13a内に配置されているが、磁性コア13と磁性コア15は同一平面上に配置されず、磁性コア15のほうが磁性コア13よりも少し内側に配置されている。同様に、送信コイル22は平面視で磁性コア23の貫通孔23a内に配置されているが、磁性コア23と磁性コア25は同一平面上に配置されるのではなく、磁性コア25のほうが磁性コア23よりも少し内側に配置されている。このような構成により、電力伝送の磁束φが信号伝送の磁束φに及ぼす影響を抑えて信号品質を向上させることができる。
本実施形態においても、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低いので、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、電力伝送の磁束φが信号伝送の磁束φに及ぼす影響を抑えて信号品質を向上させることができ、これによりワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
図11は、本発明の第8の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略斜視図、(b)は略側面断面図である。
図11(a)および(b)に示すように、この磁気結合装置1Hの特徴は、信号伝送コイルである送信コイル22および受信コイル12のみならず、電力伝送を行うコイルである送電コイル11および受電コイル21も螺旋状のソレノイドコイルで構成されている点にある。ただし、送電コイル11および受電コイル21(第1のソレノイドコイル)のコイル軸がX軸方向(第1の方向)を向いているのに対し、送信コイル22および受信コイル12(第2のソレノイドコイル)のコイル軸はY軸方向(第2の方向)を向いており、信号伝送を行うコイルのコイル軸と電力伝送を行うコイルのコイル軸は略直交している。
図示のように、送電側コイルユニット10において、送電コイル11が巻回された磁性コア13のX軸方向のサイズは、受信コイル12が巻回された磁性コア15のX軸方向のサイズよりも大きい。逆に、磁性コア13のY軸方向のサイズは、磁性コア15のY軸方向のサイズよりも小さい。そのため、磁性コア13と磁性コア15の組み合わせは平面視で十字状になっている。受電側コイルユニット20の磁性コア23と磁性コア25の組み合わせもこれと同様である。そのため、磁束φのループと磁束φのループとを互いに直交させることができる。
このように、本実施形態による磁気結合装置1Hは、送電コイル11と受信コイル12とを組み合わせてなる送電側コイルユニット10と、受電コイル21と送信コイル22とを組み合わせてなる受電側コイルユニット20とを備え、送電コイル11および受電コイル21は磁性コア13,23(第1の磁性体)を有し、送信コイル22および受信コイル12は磁性コア15,25(第2の磁性体)を有し、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低いので、電力伝送および信号伝送の一方が他方に及ぼす影響を抑えることができ、特に電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができ、ワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
図12は、本発明の第9の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す図であって、(a)は略斜視図、(b)は略側面断面図である。
図12(a)および(b)に示すように、この磁気結合装置1Iの特徴は、図11に示した第8の実施の形態による磁気結合装置1Hの変形例であって、受信コイル12および送信コイル22の平面サイズを小さくした点にある。またこれに合わせて、磁性コア15,25の平面サイズも小さくなっている。
送電コイル11および受電コイル21と鎖交する磁束φは大きなループを構成しているが、送信コイル22および受信コイル12と鎖交する磁束φは送電コイル11および受電コイル21に挟まれた空間内で小さなループを構成しており、しかも磁束φと直交関係にあるため、磁束φの影響を受けにくい。したがって、電力伝送の磁束φが信号伝送の磁束φに及ぼす影響を抑えて信号品質を向上させることができる。
本実施形態による磁気結合装置1Iも、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、磁性コア15,25の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における磁性コア13,23の透磁率は、逆に磁性コア15,25の透磁率よりも低いので、第8の実施の形態と同様に電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができ、ワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
図13は、本発明の第10の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。また、図14は、図13に示す磁気結合装置の分解図である。
図13および図14示すように、この磁気結合装置1Jの特徴は、送電コイル11と受電コイル21との組み合わせが回転体に組み込まれた電力伝送系の回転トランスを構成しており、送信コイル22と受信コイル12との組み合わせが回転トランスと同じ回転体に組み込まれた信号伝送系の回転トランスを構成しており、これら2つの回転トランスの組み合わせによって回転型磁気結合装置が構成されている点にある。
磁気結合装置1Jは、回転体である回転シャフト30のフランジ部30aに取り付けられて回転シャフト30と一緒に回転する回転ボビン31(第1の支持体)と、非回転体40に取り付けられた固定ボビン32(第2の支持体)と、固定ボビン32に設けられた送電コイル11および受信コイル12と、回転ボビン31に設けられた受電コイル21および送信コイル22とを備えている。本実施形態において回転シャフト30は金属製であり、回転ボビン31および固定ボビン32の中心部を貫通している。なお、送電コイル11および受信コイル12を回転体と一緒に回転させ、受電コイル21および送信コイル22を固定してもよい。
回転ボビン31および固定ボビン32は樹脂製であって、各々は互いに嵌合可能なカップ形状を有している。詳細には、回転ボビン31は開口部が下向きのカップ形状であり、固定ボビン32は開口部が上向きのカップ形状であり、回転ボビン31は固定ボビン32に回転自在に嵌合されて外観上は固定ボビン32と一体化される。固定ボビン32は固定されているので回転ボビン31および回転シャフト30と一緒に回転しない。なお、固定ボビン32および回転ボビン31の上下方向は便宜的なものであって、固定ボビン32を上側、回転ボビン31を下側に配置することも可能であることは言うまでもない。
回転ボビン31および固定ボビン32は共に二重の円筒状の側壁構造を有している。詳細には、回転ボビン31は、円形の上面部31a(主面部)と、上面部31aの最外周よりも径方向の内側に設けられた円筒状の外側側面部31bと、外側側面部31bよりも径方向の内側に設けられた内側側面部31cとを備えている。また固定ボビン32は、円形の底面部32a(主面部)と、底面部32aの最外周よりも径方向の少し内側に設けられた外側側面部32bと、外側側面部32bよりも径方向の内側に設けられた内側側面部32cとを備えている。図13に示すように、回転ボビン31を固定ボビン32に嵌め合わせたとき、固定ボビン32の外側側面部32bと内側側面部32cは、回転ボビン31の外側側面部31bと内側側面部31cとの間のスペース内に配置される。
送電コイル11は固定ボビン32の外側側面部32bの外周面に多重に巻回された導線からなるソレノイドコイルであり、受電コイル21は回転ボビン31の外側側面部31bに多重に巻回された導線からなるソレノイドコイルである。送電コイル11および受電コイル21にある程度の太さの導線を用いることにより、大きな電流を流すことができ、大きな電力のワイヤレス伝送が可能となる。
送電コイル11および受電コイル21は回転シャフト30の周囲を囲むように回転シャフト30と同軸配置されている。本実施形態において、受電コイル21は送電コイル11よりも径方向の外側に同心円状に配置されているが、受電コイル21が送電コイル11よりも径方向の内側に同心円状に配置されるように構成してもよい。送電コイル11の開口部は回転シャフト30の延在方向(回転軸Z方向)を向いており、受電コイル21の開口部も回転シャフト30の延在方向(回転軸Z方向)を向いているので、受電コイル21のコイル軸の向きは送電コイル11のコイル軸の向きと同じである。したがって、受電コイル21の開口部は送電コイル11の開口部と重なっており、受電コイル21と送電コイル11との間には強い磁気結合が生じている。
送信コイル22は、回転ボビン31の内側側面部31cの外周面に設けられている。また、受信コイル12は、固定ボビン32の内側側面部32cの外周面に設けられている。送信コイル22および受信コイル12は、各々の開口部が回転シャフト30の周囲を囲むように回転シャフト30と同軸配置されている。本実施形態において、受信コイル12は送信コイル22よりも径方向の外側に同心円状に配置されているが、受信コイル12が送信コイル22よりも径方向の内側に同心円状に配置されるように構成してもよい。以上の構成により、送信コイル22および受信コイル12のコイル軸は、回転体の径方向に放射状に延在しており、受信コイル12の開口部は送信コイル22の開口部と径方向に重なり合っている。
図15は、送信コイル22および受信コイル12の構成を示す図であって、(a)は展開平面図、(b)は斜視図である。
図15(a)に示すように、送信コイル22および受信コイル12は、細長い略矩形のフレキシブル基板61(絶縁フィルム)の表層または内層に導体パターン62を印刷したものである。送信コイル22および受信コイル12は約1ターンのループコイルであり、フレキシブル基板61の外周に沿ってできるだけ大きなループを描くように形成されている。送信コイル22および受信コイル12は、フレキシブル基板61の長手方向の一端側から回転軸Zの周りを時計回りで周回した後、フレキシブル基板61の長手方向の他端側で折り返し、回転軸Zの周りを反時計回りで周回して、フレキシブル基板61の長手方向の一端側に戻る。なおループコイルのターン数は特に限定されず、1ターンよりも大きくてもよい。
図15(b)に示すように、フレキシブル基板61は回転軸Zの周囲を囲むように丸められて円筒体を形成しており、フレキシブル基板61の長手方向の一端が他端に連結されることにより、フレキシブル基板61の長手方向に位置するループコイルの端部同士が近接配置されている。送信コイル22および受信コイル12は円筒面に形成されているので、フレキシブル基板61の長手方向と平行な導線部分は円周方向に延在しており、またフレキシブル基板61の短手方向と平行な導線部分は回転軸Zと平行に延在している。さらに、ループコイルのコイル軸は、回転軸Zと直交する径方向に放射状に延在している。
回転ボビン31および固定ボビン32の内側および外側には磁性体(フェライトコア)が設けられている。詳細には、固定ボビン32の内側側面部32c上の受信コイル12に重ねて設けられた2層構造の中間磁性体33aと、送信コイル22および受信コイル12よりも径方向の内側(回転ボビン31の内側側面部31cの内側)であって送信コイル22および受信コイル12と回転シャフト30との間に配置された内側磁性体33bと、回転ボビン31の外側側面部31b上の受電コイル21に重ねて設けられた外側磁性体33cと、回転ボビン31の上面部31aを覆う上面磁性体33dと、固定ボビン32の底面部32aを覆う底面磁性体33eとを備えている。
中間磁性体33aは2層構造であって、第1の円筒磁性層33aと、その内側に設けられた第2の円筒磁性層33aからなる。第1の円筒磁性層33aは、送電コイル11および受電コイル21の組み合わせからなる電力伝送系の回転トランスと鎖交する磁束φの磁路を構成しており、第2の円筒磁性層33aは、送信コイル22および受信コイル12の組み合わせからなる信号伝送系の回転トランスと鎖交する磁束φの磁路を構成している。
内側磁性体33bは、最内周に配置された送信コイル22よりも径方向の内側に配置されており、特に、回転シャフト30の周囲を囲むように回転シャフト30と送信コイル22との間に配置されている。この構成によれば、送信コイル22および受信コイル12の組み合わせからなる信号系の回転トランスの近傍に金属製の回転シャフト30が配置されたとしても、送信コイル22および受信コイル12が発生する磁束が回転シャフト30と鎖交することによる渦電流損失を低減することができる。
外側磁性体33cは、最外周に配置された受電コイル21よりも径方向の外側に配置されている。この構成によれば、送電コイル11および受電コイル21の組み合わせからなる電力伝送系の回転トランスの近傍に金属部材が配置されたとしても、送電コイル11および受電コイル21が発生する磁束が金属部材と鎖交することによる渦電流損失を低減することができる。
上面磁性体33dおよび底面磁性体33eは、外側磁性体33cと共に回転ボビン31および固定ボビン32からなる円筒状のケース全体を覆う磁性カバーを構成している。この構成によれば、4つのコイルの回転軸方向の両側に磁路を形成することができ、送電コイル11および受電コイル21が発生する磁束の閉磁路と送信コイル22および受信コイル12が発生する磁束の閉磁路の両方を確保することができる。したがって、電力損失および信号損失をさらに低減することができる。
本実施形態において、中間磁性体33aの第1の円筒磁性層33a、外側磁性体33c、上面磁性体33dおよび底面磁性体33eは、電力伝送用磁性体を構成しており、中間磁性体33aの第2の円筒磁性層33aおよび内側磁性体33bは、信号伝送用磁性体を構成しており、電力伝送用磁性体は信号伝送用磁性体と異なる透磁率の周波数特性を有している。電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における電力伝送用磁性体の透磁率は、信号伝送用磁性体の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における電力伝送用磁性体の透磁率は、信号伝送用磁性体の透磁率よりも低いので、電力伝送および信号伝送の一方が他方に及ぼす影響を抑えることができ、特に電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができ、ワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
本実施形態による磁気結合装置1Jは、回転型磁気結合装置であるが、第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、磁気結合装置1Jは、送電コイル11と受信コイル12とを組み合わせてなる送電側コイルユニット10と、受電コイル21と送信コイル22とを組み合わせてなる受電側コイルユニット20とを備え、送電コイル11および受電コイル21は電力伝送用磁性体(第1の磁性体)を有し、送信コイル22および受信コイル12は信号伝送用磁性体(第2の磁性体)を有し、電力伝送周波数(第1の駆動周波数)における電力伝送用磁性体の透磁率は、信号伝送用磁性体の透磁率よりも高く、信号伝送周波数(第2の駆動周波数)における電力伝送用磁性体の透磁率は、信号伝送用磁性体の透磁率よりも低いので、電力伝送および信号伝送の一方が他方に及ぼす影響を抑えることができ、特に電力伝送の磁束の影響を極めて小さくした信号伝送を確立することができ、ワイヤレス電力伝送システム100の高性能化を図ることができる。
図16は、本発明の第11の実施の形態による磁気結合装置の構造を示す略断面図である。
図16に示すように、磁気結合装置1Kの特徴は、上面磁性体33dおよび底面磁性体33eが2種類の磁性体で構成されている点にある。すなわち、回転軸Z方向から見て、電力伝送を行うコイル(送電コイル11および受電コイル21)と重なる径方向の外側リング領域33d,33eには電力伝送用磁性体(第1の磁性体)が用いられ、信号伝送コイル(送信コイル22および受信コイル12)と重なる径方向の内側リング領域33d,33eには信号伝送用磁性体(第2の磁性体)が用いられている。電力伝送用磁性体および信号伝送用磁性体は同心円状に配置されている。
この構成によれば、送電コイル11および受電コイル21の周囲が電力伝送用磁性体に囲まれるだけでなく、送信コイル22および受信コイル12の周囲も信号伝送用磁性体に囲まれることになるので、図13〜図15に示した第10の実施の形態による磁気結合装置1Jよりもワイヤレス電力伝送システム100のさらなる高性能化を図ることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、スパイラルコイルを形成するための磁性コア13,23は完全に平坦な基板形状でなくてもよく、例えば図17(a)に示すように、スパイラルパターンの内側の中央部が隆起した形状であってもよい。また、図17(b)に示すように、ソレノイドコイルを形成するための磁性コアは完全に平坦な基板形状でなくてもよく、例えばコイル軸方向の両端に鍔部が設けられた形状であってもよい。
また、上記実施形態においては、単純なソレノイドコイルと単純なスパイラルコイルとを組み合わせて構成しているが、例えばソレノイドコイルは図18(a)に示すように、同一磁性体上に2つのスパイラルコイルの直列接続回路を形成したものであってもよく、また図18(b)に示すように、2つのスパイラルコイルの内側に磁性コアの隆起部を設けたものであってもよい。さらにまた、図18(c)に示すように、2つのスパイラルコイル間にソレノイドコイルを設けたものであってもよい。
また、上記実施形態においては、送電側コイルユニット10と受電側コイルユニット20の両方に電力伝送用磁性体と信号伝送用磁性体を設けているが、送電側コイルユニット10および受電側コイルユニット20どちらか一方だけに電力伝送用磁性体と信号伝送用磁性体を設けた構成であってもよい。
また上記実施形態においてコイルユニットは電力伝送を行うコイルと信号伝送を行うコイルを組み合わせてなるが、2つのコイルの両方が電力伝送を行うコイルであってもよく、あるいは2つのコイルの両方が信号伝送を行うコイルであってもよい。
1A〜1K 磁気結合装置
10 送電側コイルユニット
11 送電コイル
12 受信コイル
13 磁性コア(第1の磁性体)
13a 磁性コアの貫通孔
14 導線
15 磁性コア(第2の磁性体)
16 導線
17 電磁気遮蔽部材
20 受電側コイルユニット
21 受電コイル
22 送信コイル
23 磁性コア(第1の磁性体)
23a 磁性コアの貫通孔
24 導線
25 磁性コア(第2の磁性体)
26 導線
27 電磁気遮蔽部材
28 磁性体
28a 磁性層
28b 非磁性層
30 回転シャフト
30a フランジ部
31 回転ボビン
31a 回転ボビンの上面部
31b 回転ボビンの外側側面部
31c 回転ボビンの内側側面部
32 固定ボビン
32a 固定ボビンの底面部
32b 固定ボビンの外側側面部
32c 固定ボビンの内側側面部
33a 中間磁性体
33a 第1の円筒磁性層
33a 第2の円筒磁性層
33b 内側磁性体
33c 外側磁性体
33d 上面磁性体
33d 上面磁性体の外側リング領域
33d 上面磁性体の内側リング領域
33e 底面磁性体
33e 底面磁性体の外側リング領域
33e 底面磁性体の内側リング領域
40 非回転体
61 フレキシブル基板
62 導体パターン
100 ワイヤレス電力伝送システム
110 ワイヤレス送電装置
111 送電回路
112 電源回路
113 電圧変換回路
114 制御回路
120 ワイヤレス受電装置
121 受電回路
122 信号生成回路
123 発振回路
124 電源電圧生成回路
130 負荷

Claims (32)

  1. 第1のコイルユニットと、
    前記第1のコイルユニットとの間で電力または信号をワイヤレス伝送する第2のコイルユニットとを備え、
    前記第1および第2のコイルユニットの各々は、第1および第2のコイルを有し、
    前記第1および第2のコイルユニットの少なくとも一方は、前記第1のコイルと鎖交する第1の磁束の磁路を構成する第1の磁性体と、前記第2のコイルと鎖交する第2の磁束の磁路を構成する第2の磁性体とを有し、
    前記第1の磁性体の透磁率は、前記第1のコイルの駆動周波数において前記第2の磁性体の透磁率よりも高く、且つ、前記第1のコイルの駆動周波数よりも高い第2のコイルの駆動周波数において前記第2の磁性体の透磁率よりも低いことを特徴とする磁気結合装置。
  2. 前記第1のコイルのコイル軸は、前記第2のコイルのコイル軸と直交している、請求項1に記載の磁気結合装置。
  3. 前記第2の磁性体の透磁率は異方性を有し、前記第2のコイルと鎖交する磁束が前記第2の磁性体を通過する方向における前記第2の磁性体の透磁率は、前記第1のコイルと鎖交する磁束が前記第2の磁性体を通過する方向における前記第2の磁性体の透磁率よりも高い、請求項2に記載の磁気結合装置。
  4. 前記第2の磁性体は、前記第1のコイルと鎖交する磁束が前記第2の磁性体を通過する方向に向かって、磁性層と非磁性層が交互に積層された多層構造を有する、請求項3に記載の磁気結合装置。
  5. 前記第1のコイルは、第1の方向にコイル軸を有するスパイラルコイルであり、
    前記第2のコイルは、前記第1の方向と直交する第2の方向にコイル軸を有するソレノイドコイルである、請求項2ないし4のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  6. 前記第1の方向から見て、前記ソレノイドコイルの平面サイズは、前記スパイラルコイルの開口部の平面サイズよりも小さい、請求項5に記載の磁気結合装置。
  7. 前記スパイラルコイルは前記第1の磁性体の主面に形成されており、
    前記ソレノイドコイルは前記第2の磁性体に巻回されており、
    前記第1の方向から見て、前記第2の磁性体の平面サイズは、前記スパイラルコイルの開口部の平面サイズよりも小さい、請求項5または6に記載の磁気結合装置。
  8. 前記第1の磁性体は、前記スパイラルコイルの開口部と平面視で重なる貫通孔を有する、請求項5ないし7のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  9. 前記第1の磁性体と前記第2の磁性体は同一平面上に配置されない、請求項8に記載の磁気結合装置。
  10. 前記第1の方向から見て、前記ソレノイドコイルの前記第2の方向のサイズは、前記スパイラルコイルの開口部の前記第2の方向のサイズよりも大きく、
    前記第1の方向から見て、前記ソレノイドコイルの前記第1の方向および前記第2の方向と直交する第3の方向のサイズは、前記スパイラルコイルの開口部の前記第3の方向のサイズよりも小さい、請求項5に記載の磁気結合装置。
  11. 前記スパイラルコイルは前記第1の磁性体の主面に形成されており、
    前記ソレノイドコイルは前記第2の磁性体に巻回されており、
    前記第1の方向から見て、前記第2の磁性体の前記第2の方向のサイズは、前記第1の磁性体の前記第2の方向のサイズよりも大きく、
    前記第1の方向から見て、前記第2の磁性体の前記第3の方向のサイズは、前記スパイラルコイルの開口部の前記第3の方向のサイズよりも小さい、請求項10に記載の磁気結合装置。
  12. 前記第2のコイルは、第1の方向にコイル軸を有するスパイラルコイルであり、
    前記第1のコイルは、前記第1の方向と直交する第2の方向にコイル軸を有するソレノイドコイルであり、
    前記第1の方向から見て、前記スパイラルコイルの平面サイズは、前記ソレノイドコイルの平面サイズよりも小さい、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  13. 前記第1のコイルユニットの前記ソレノイドコイルおよび前記第2のコイルユニットの前記ソレノイドコイルは、前記第1のコイルユニットの前記スパイラルコイルと前記第2のコイルユニットの前記スパイラルコイルに挟まれた空間内に設けられている、請求項5ないし11のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  14. 前記第1のコイルユニットの前記ソレノイドコイルおよび前記第2のコイルユニットの前記ソレノイドコイルは、前記第1のコイルユニットの前記スパイラルコイルと前記第2のコイルユニットの前記スパイラルコイルに挟まれた空間の外側に設けられている、請求項5ないし12のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  15. 前記第1のコイルは、第1の方向にコイル軸を有する第1のソレノイドコイルであり、
    前記第2のコイルは、前記第1の方向と直交する第2の方向にコイル軸を有する第2のソレノイドコイルである、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  16. 前記第1の方向および前記第2の方向と直交する第3の方向から見て、前記第1のソレノイドコイルの前記第1の方向のサイズは、前記第2のソレノイドコイルの前記第1の方向のサイズよりも大きく、
    前記第3の方向から見て、前記第1のソレノイドコイルの前記第2の方向のサイズは、前記第2のソレノイドコイルの前記第2の方向のサイズよりも小さい、請求項15に記載の磁気結合装置。
  17. 前記第1のソレノイドコイルは前記第1の磁性体に巻回されており、
    前記第2のソレノイドコイルは前記第2の磁性体に巻回されており、
    前記第3の方向から見て、前記第1の磁性体の前記第1の方向のサイズは、前記第2の磁性体の前記第1の方向のサイズよりも大きく、
    前記第3の方向から見て、前記第1の磁性体の前記第2の方向のサイズは、前記第2の磁性体の前記第2の方向のサイズよりも小さい、請求項16に記載の磁気結合装置。
  18. 前記第1の方向および前記第2の方向と直交する第3の方向から見て、前記第2のソレノイドコイルの平面サイズは、前記第1のソレノイドコイルの平面サイズよりも小さい、請求項15に記載の磁気結合装置。
  19. 前記第1のソレノイドコイルは前記第1の磁性体に巻回されており、
    前記第2のソレノイドコイルは前記第2の磁性体に巻回されており、
    前記第3の方向から見て、前記第2の磁性体の平面サイズは、前記第1の磁性体の平面サイズよりも小さい、請求項18に記載の磁気結合装置。
  20. 前記第1のコイルユニットの前記第2のソレノイドコイルおよび前記第2のコイルユニットの前記第2のソレノイドコイルは、前記第1のコイルユニットの前記第1のソレノイドコイルと前記第2のコイルユニットの前記第1のソレノイドコイルに挟まれた空間内に設けられている、請求項15ないし19のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  21. 回転軸を中心に回転する第1の支持体と、
    前記第1の支持体と一緒に回転しない第2の支持体を備え、
    前記第1および第2のコイルユニットの一方は前記第1の支持体に設けられており、
    前記第1および第2のコイルユニットの他方は前記第2の支持体に設けられている、請求項1に記載の磁気結合装置。
  22. 前記第1のコイルは、ソレノイドコイルであり、
    前記第2のコイルは、円筒面に形成されたループコイルであり、
    前記ソレノイドコイルのコイル軸は、前記回転軸方向に延在しており、
    前記ループコイルのコイル軸は、前記回転軸と直交する径方向に放射状に延在している、請求項21に記載の磁気結合装置。
  23. 前記第1および第2のコイルユニットの前記第1のコイルと前記第1および第2のコイルユニットの前記第2のコイルとの間に配置される中間磁性体をさらに備え、
    前記中間磁性体は、第1の円筒磁性層と、前記第1の円筒磁性層よりも前記径方向の内側に配置された第2の円筒磁性層とを有し、
    前記第1の円筒磁性層は前記第1の磁性体を構成しており、
    前記第2の円筒磁性層は前記第2の磁性体を構成している、請求項22に記載の磁気結合装置。
  24. 前記第1および第2のコイルユニットの各々の前記第1および第2のコイルよりも径方向の内側に配置される内側磁性体と、
    前記第1および第2のコイルユニットの各々の前記第1および第2のコイルよりも径方向の外側に配置される外側磁性体とをさらに備え、
    前記内側磁性体は前記第2の磁性体を構成しており、
    前記外側磁性体は前記第1の磁性体を構成している、請求項22または23に記載の磁気結合装置。
  25. 前記第1および第2のコイルユニットの各々の前記第1および第2のコイルの前記回転軸方向の両側を覆う円形磁性体をさらに備え、
    前記円形磁性体は前記第1の磁性体を構成している、請求項24に記載の磁気結合装置。
  26. 前記第1および第2のコイルユニットの各々の前記第1および第2のコイルの前記回転軸方向の両側を覆う円形磁性体をさらに備え、
    前記円形磁性体は、内側リング領域と、前記内側リング磁性体よりも径方向の外側に位置する外側リング領域とを有し、
    前記円形磁性体の外側リング領域は前記第1の磁性体を構成しており、
    前記円形磁性体の内側リング領域は前記第2の磁性体を構成している、請求項24に記載の磁気結合装置。
  27. 前記第1および第2のコイルユニットの前記第1のコイル同士は磁気結合しており、
    前記第1および第2のコイルユニットの前記第2のコイル同士は磁気結合しており、
    前記第1および第2のコイルユニットの少なくとも一方は、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの間の磁気結合を阻止する位置に配置された電磁気遮蔽部材を有する、請求項1ないし26のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  28. 前記第1および第2のコイルユニットの前記第1のコイルは電力伝送を行うコイルであり、
    前記第1および第2のコイルユニットの前記第2のコイルは信号伝送を行うコイルである、請求項1ないし27のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  29. 前記第1コイルユニットの前記第1のコイルは、電力伝送を行う送電コイルであり、
    前記第2コイルユニットの前記第1のコイルは、電力伝送を行う受電コイルであり、
    前記第1コイルユニットの前記第2のコイルは、信号伝送を行う受信コイルであり、
    前記第2コイルユニットの前記第2のコイルは、信号伝送を行う送信コイルである、請求項28に記載の磁気結合装置。
  30. 前記信号伝送の周波数は、前記電力伝送の周波数よりも10倍以上高い、請求項28または29に記載の磁気結合装置。
  31. 前記信号伝送は、前記電力伝送中に行われる、請求項28ないし30のいずれか一項に記載の磁気結合装置。
  32. 請求項29に記載の磁気結合装置と、
    入力直流電圧を交流電圧に変換して前記送電コイルに供給する送電回路と、
    前記受信コイルが受信した交流信号に基づき、前記送電回路から出力される交流電圧を制御する制御回路と、
    前記受電コイルに発生した交流電圧を直流電圧に変換する受電回路と、
    前記受電回路の出力電圧または出力電流の大きさを示す交流信号を生成する信号生成回路と、を備えるワイヤレス電力伝送システム。
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