JP6968391B1 - 非接触給電用コイルユニットおよび非接触給電システム - Google Patents

非接触給電用コイルユニットおよび非接触給電システム Download PDF

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Abstract

【課題】移動体に対する非接触給電で、電磁ノイズの発生を低減させる非接触給電用コイルユニットおよび前記非接触給電用コイルユニットを有する非接触給電システムを提供する。【解決手段】移動体の移動経路に配設され、高周波電源から供給される交流電流に対応して磁界を発生させる送電側コイルと、前記送電側コイルに対向する位置で、前記送電側コイルを介して、非接触で給電された電力を受電する前記移動体に設置された受電側コイルと、を有し、前記送電側コイルは、導線を8の字状に差動接続して巻回されたコイルである非接触給電用コイルユニットおよび非接触給電システムを提供する。【選択図】図1

Description

本明細書における開示は、移動体の非接触給電用コイルユニット、非接触給電用コイルユニットを有する非接触給電システムに関するものである。
近年、無人搬送車(AGV:Aotomatic
Guided Vehicle)等の移動体の充電設備として、非接触給電用コイルユニットを備えた非接触給電システムが多用されている。非接触給電用コイルユニットは、給電元となる電源に接続された送電側コイルと、前記移動体に取り付けられ、前記移動体の駆動源に電力を充電するために、前記送電側コイルから供給された電力を受電する受電側コイルを有する。
非接触給電用コイルユニットは、前記送電側コイルと前記受電側コイルとの間の所定の伝送ギャップを介して、電磁波により電力を伝送する。前記送電側コイルから、前記受電側コイルに電力を伝送する際に、前記電磁波の一部が漏洩し、電磁ノイズとして周囲に様々な悪影響を及ぼす。したがって、前記電磁ノイズの低減が課題になっていた。
従来、たとえば、フェライトなど、高透磁率の強磁性体を含む磁界シールドを使用して、前記電磁ノイズの低減をはかっていた(例えば、特許文献1参照。)また、たとえば、ノイズフィルタ回路を介在させ、高周波ノイズ成分を減衰させ、前記電磁ノイズを抑制させるもの(例えば、特許文献2参照。)、インバータの駆動周波数を離散的または連続的に変化させ、電磁ノイズの周波数を分散させるもの(例えば、特許文献3参照。)などが、提案されていた。
特開2014−75975号公報 WO2017/183393 特開2006−278062
前記先行技術による電磁シールドは、前記送電側コイルと前記受電側コイルとが、前記伝送ギャップを介して過不足なく重畳状態で対向することで、電磁ノイズの低減効果を奏するが、前記送電側コイルと前記受電側コイルとが、部分的な重畳状態、すなわち、ずれた状態で非接触給電を行うと、ずれた部分から前記電磁ノイズが漏洩するという不都合が生じていた。
特に、前記移動体が、走行しながら、前記電力を受電する場合、受電側コイルが送電側コイルを通過し始めてから通過し終わるまで、動的に前記ずれた状態が生じる。
また、通常、移動体の移動経路に沿って、連続的に離間して送電側コイルが複数配設されるため、前記移動体の走行に伴って順次、前記ずれた状態が生じ、その都度、前記電磁ノイズが発生するおそれがあった。
さらに、前記先行技術による電磁ノイズの低減対策は、構造、各種設定が複雑であり、製造コストが高くなるという問題があった。
本明細書における開示は、上記課題を解消させるためのものであり、移動体に対する非接触給電で、電磁ノイズの発生を低減させる非接触給電用コイルユニットおよび前記非接触給電用コイルユニットを有する非接触給電システムを提供することを目的とする。
上記課題を解消させるために、本明細書において開示する非接触給電用コイルユニットは、
移動体の移動経路に配設され、
高周波電源から供給される交流電流に対応して磁界を発生させる送電側コイルと、
前記送電側コイルに対向する位置で、
前記送電側コイルを介して、非接触で給電された電力を受電する前記移動体に設置された受電側コイルと、
を有し、
前記送電側コイルは、導線を8の字状に差動接続して巻回されたコイルである。
また、前記受電側コイルも、導線を8の字状に差動接続して巻回されたコイルとする。
さらに、前記送電側コイルおよび前記受電側コイルは、いずれも、前記導線を長円状に平面巻回して、前記8の字状に差動接続した平面スパイラルコイルとする。
さらに、前記平面スパイラルコイルの長軸方向の長さよりも短尺に形成され、前記平面スパイラルコイルの長軸方向両端部で非積層に形成された電磁シールド材を積層固定する。
なお、前記受電側コイルは、受電コイルとブースターコイルとから構成され、いずれも、前記8の字状に巻回されたコイルとする。
以上の構成によれば、送電側コイルおよび受電側コイルの導線を長円状に平面巻回し、8の字状に差動接続した平面スパイラルコイルとし、電磁シールド材を積層固定することにより、磁束が放射的に飛ばないように送受電することができる。
前記送電側コイルは、前記移動経路に沿って、連続的に離間して複数配設され、前記受電側コイルは、前記移動体が、前記移動経路を移動して前記配設された複数の送電側コイルを順次通過するときに、前記非接触で給電されるように構成してもよい。
また、前記平面スパイラルコイルは、8の字状の外形を有するプレート状ボビンの上面の周縁部に沿って前記8の字状に差動接続されるようにしてもよい。
前記プレート状ボビンは、前記周縁部に沿って周回溝が渦巻き状形成され、前記プレートの各周回溝は、前記プレートの長軸方向端部側に形成された連通路によってつながり、前記周回溝の全周で8の字状のガイドレールを形成し、前記並列接合された部分には、前記2つの長円状のプレートの隣接する最外周の各周回溝を区画する分離壁が立設するように構成してもよい。
さらに、前記電磁シールド材は、前記平面スパイラルコイルの短軸方向の幅よりも幅広に形成したものであってもよい。
上記課題を解消させるために、本明細書において開示する非接触給電システムは、駆動源を充電する充電ユニットと、前記いずれかの受電側コイルと、前記いずれかの送電側コイルから供給された電力を前記充電ユニットに給電する給電回路と、走行位置を特定する座標データを送信する送信部とをそなえる移動体と、
電源ユニットと、前記送電側コイルを複数配設した移動経路と、前記送信部から受信した前記座標データに基づき、給電許可信号を発信する給電管理部と、前記給電許可信号から、前記移動体の受電側コイルが対向する位置の送電側コイルに、前記移動体に対して送電するように前記電源ユニットを制御する電源制御部とをそなえる送電装置と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、受電側コイルが送電側コイルに過不足なく重畳していない場合でも、送電側コイルから電磁ノイズの発生を低減させることができる。
本発明によれば、移動体に対する非接触給電で、電磁ノイズの発生を低減させることができる非接触給電用コイルユニットおよび前記非接触給電用コイルユニットを有する非接触給電システムを提供するという効果を奏する。
図1は、本明細書で開示するコイルの上面図であり、(A)は、送電側コイルの上面図、(B)は、受電側コイルの上面図である。 図2は、送電側コイルの側断面図である。 図3は、本明細書で開示する非接触給電用コイルユニットを含む非接触給電装置の模式的構成図である。 図4は、送電側コイルで発生する磁束の流れを模式的に示した図であり、(A)は、従来の平面スパイラルコイルの磁束の流れを示す模式図、(B)は、送電側コイルを例とした8の字状コイルの磁束の流れを示す模式図である。 図5は、磁界強度、磁束密度を解析した非接触給電用コイルユニットのシミュレーションモデルの構成図であり、(A)は、従来の平面スパイラルコイルで構成される非接触給電用コイルユニットを示した図、(B)は、本明細書で開示する8の字状コイルで構成される非接触給電用コイルユニットを示した図である。 図6は、磁界強度を示した図であり、(A)は、従来の平面スパイラルコイルの磁界強度を示した図、(B)は、8の字状コイルの磁束密度を示した図である。 図7は、磁束密度を示した図であり、(A)は、従来の平面スパイラルコイルの磁束密度を示した図、(B)は、8の字状コイルの磁束密度を示した図である。 図8は、磁界強度を示したグラフであり、(A)は、従来の平面スパイラルコイルの磁界強度の変化を示すグラフ、(B)は、8の字状コイルの磁界強度の変化を示すグラフである。 図9は、電磁ノイズの計測結果を示すグラフであり、(A)は、従来の平面スパイラルコイルの電磁ノイズの計測結果を示すグラフ、(B)は、8の字状コイルの電磁ノイズの計測結果を示すグラフである。 図10は、送電側コイルに電磁シールド材を積層固定させた構成図であり、(A)は、上面図、(B)は、側面図である。 図11は、本明細書で開示する非接触給電システムの構成例を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら本明細書による開示を実施するための形態を説明する。先に説明した実施形態に対応する構成要素を後続の実施形態が有する場合には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、各実施形態において構成の一部のみを説明している場合、当該構成の他の部分については先行して説明した実施形態の参照符号を使用する場合がある。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示していない場合でも、特に当該組み合わせに支障が生じなければ、実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。また、図中の各部材、構成品の大きさは、説明を容易とするため適宜強調されており、実際の寸法、部材間および構成品間の比率を示すものではない。
<非接触給電用コイルユニットの構成>
以下、図1から図3を使って、本明細書で開示する非接触給電用コイルユニットの構成を説明する。非接触給電用コイルユニットは、送電側コイルおよび受電側コイルから構成されている。図1は、送電側コイルおよび受電側コイルの上面図であり、図2は、送電側コイルの側面図、図3は、非接触給電用コイルユニットを含む非接触給電装置の模式的構成図である。
図1(A)、図2を参照して、1は、送電側コイルである。送電側コイル1は、導線11と、導線11を8の字状に巻回可能なプレート状ボビン12とから構成されている。
プレート状ボビン12は、長円状の2つのプレートを短軸方向に並列接合し、前記2つのプレート一体で8の字の外形を成すように形成されている。プレート状ボビン12を構成する前記2つの長円状のプレートは、各々の周縁部に沿って、周回溝12aが、渦巻き状に形成されている。前記2つの長円状のプレートの各周回溝12aは、長円状のプレートの長軸方向端部側に形成された連通路(図示せず)によってつながっており、全周で8の字状のガイドルートが形成されている。前記並列接合された部分には、前記2つの長円状のプレートの隣接する最外周の各周回溝12aを区画する分離壁12bが立設されている。
なお、プレート状ボビン12は、絶縁性を有する樹脂、たとえば、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)などから形成されたものであればよい。
前記2つの長円状のプレートの周回溝12aには、導線11が、前記連通路を介して全周に亘り嵌入され、8の字状に平面巻回されている。ここで、前記連通路は、前記2つの長円状のプレートの一方の平面巻回方向と、他方の平面巻回方向とが逆になるように形成されているため、周回溝12aによって形成された前記ガイドルートに沿って導線11を嵌入すると、前記巻回された導線11は、全体で差動接続された8の字状の平面スパイラルコイルを形成する。
本実施の形態にかかるプレート状ボビン12では、分離壁12bによって、前記並列接合された部分の隣接する周回溝12aに嵌入された導線は、重なることなく巻回されるが、前記隣接する導線が、重なるように巻回する形態でもよい(図示せず)。さらに、導線は、プリント基板、フレキシブル基板上で巻回して形成するものであってもよい(図示せず)。
導線11は、銅、アルミニウム等からなる金属ワイヤである。なお、軽量性、電気伝導率等の観点から、銅クラッドアルミ線が好適であり、さらに、好ましくはリッツ線とするのが良い。
図1(B)は、受電側コイル2であるが、構成は送電側コイル1と同じであり、周回溝22a、分離壁22bを備えたプレート状ボビン22と導線21とから構成されており、導線21は、8の字状に差動接続された平面スパイラルコイルを形成する。ただし、受電側コイル2は、送電側コイル1よりも、長軸方向の長さが短く形成されている。受電側コイル2は、AGV等、移動体にコンパクトに搭載するため、比較的長軸方向側の長さを短く形成している。一方、送電側コイル1は、前記移動体の移動経路に連続的に敷設、埋設等し、移動する前記移動体に、効率よく充電するために、比較的長軸方向側の長さを長く形成している。
図2では、プレート状ボビン12の周回溝12aが形成された面と反対側の面(後述するとおり、受電側コイル2と相互に対向する面と反対側の面)に、電磁シールド材12cを積層固定している。本実施の形態では、電磁シールド材12cが前記積層固定されたプレート状ボビン12の側面および底面が、断面コの字状に形成された常磁性の金属板12dによって包囲されている。さらに、常磁性の金属板12dの開口上面は、常磁性の金属板12dに対して、断面逆コの字状の絶縁カバー12eが嵌装されている。したがって、常磁性の金属板12dと絶縁カバー12eとによって、電磁シールド材12cが前記積層固定されたプレート状ボビン12を収納する筐体が形成される。
電磁シールド材12cは、高透磁率の強磁性体であればよいが、具体的には、たとえば、フェライトで形成されたものが好適である。
なお、常磁性の金属板12dも、電磁シールド材12c同様、漏洩磁界を抑制する機能を有するもの、たとえばアルミニウムなどがよい。ただし、後述するように、8の字状のコイルおよび電磁シールド材12cによって、漏洩磁界を効果的に抑制することができるため、常磁性の金属板12dは、必須の構成要素ではない。
次に、本明細書で開示する非接触給電用コイルユニットの構成について説明する。非接触給電用コイルユニットは、送電側コイル1と受電側コイル2とから構成される。図3は、説明の便宜上、プレート状ボビン12、22の導線11、21を巻回させた面(上面)を同一方向に向けて並列させているが、非接触給電は、送電側コイル1と受電側コイル2の前記上面が、伝送ギャップ3を介して、相互に対向配置されて行われる。
送電側コイル1は、AC電源15から電源ユニット14を介して電力が供給される。送電側コイル1は、送電側共振コンデンサ13に接続され、送電側共振回路が形成される。
本実施の形態では、受電側コイル2は、ブースターコイル2aと受電コイル2bとで構成されている。ブースターコイル2a、受電コイル2bともに、図1(B)の8の字状に差動接続された平面スパイラルコイルで構成されている。ブースターコイル2aは、受電側共振コンデンサ23に接続され、受電側共振回路が形成される。前記受電側共振回路は、前記送電側共振回路と共振することにより、負荷整合をとることができる。受電コイル2bは、交流電流を整流し、直流電力に変換する整流器24に接続されている。整流器24で変換された直流電力は、負荷25に出力される。
図3では、送電側コイル1は、一つであるが、移動体の移動経路に沿って、連続的に離間して複数配設し、電源ユニット14から供給される交流電流に対応して磁界を発生させるようにしてもよい。この場合、受電側コイル2は、前記移動体が前記移動経路を移動して前記配設された複数の送電側コイル1を順次通過するときに、各送電側コイル1に対向する位置で、送電側コイル1を介して、非接触で給電された電力を受電する。
<非接触給電用コイルユニットの作用>
図4から図9を使って、非接触給電用コイルユニットの作用について説明する。非接触給電用コイルユニットは、前記説明のとおり、送電側コイル1と受電側コイル2とから構成され、少なくとも、いずれか一方が前記8の字状コイルになっている。以下、非接触給電用コイルユニットの作用について、従来の平面スパイラルコイルから構成される非接触給電用コイルユニットの作用と比較して説明する。
図4は、送電側コイル1で発生する磁束の流れを模式的に示した図である。図4(A)は、従来の平面スパイラルコイルの送電側コイル100の磁束の流れを示す模式図であり、図4(B)は、送電側コイル1の磁束の流れを示す模式図である。
従来の送電側コイル100は、0字状に巻回された平面スパイラルコイルである。図4(A)の送電側コイル100に、黒塗り矢印方向に電流Iが流れると、白抜き矢印方向に、磁束Mが放射状に磁場が分布する。特に、非接触給電の際に、送電側コイル100に対して、受電側コイルが正対していない部分は、磁場が、周囲に拡散し、周囲の金属の影響を受ける。
一方、図4(B)の送電側コイル1は、プレート状ボビン12を構成する前記2つの長円状のプレートの上面で8の字状に差動接続されているため、各々のプレートの上面で巻回されたコイルには、黒塗り矢印が示すとおり、逆方向に電流Iが流れる。したがって、磁束Mの向きは、前記2つの長円状のプレートに上面で巻回された各々のコイル間を回るため、磁場は、周囲に分布せず、非接触給電の際には、送電側コイル1と受電側コイル2との間に磁界分布を集中させることができる。
以下、実際に、従来の送電側コイル100と受電側コイル200と対向配置させて非接触給電した場合、送電側コイル1と受電側コイル2とを対向配置させて非接触給電した場合、各々について、磁界強度、磁束密度を解析した結果について説明する。図5は、前記解析のシミュレーションモデルであり、図5(A)は、従来の平面スパイラルコイルにおける送電側コイル100に対して、受電側コイル200を正対させた状態であり、図5(B)は、本明細書で開示する8の字状コイルにおける送電側コイル1に対して、受電側コイル2を正対させた状態である。図5(A)、(B)ともに、伝送ギャップを20mm、受電電力を300Wとする。また、送電側コイル100が、受電側コイル200に正対している領域の略中心から、送電側コイル100の平面スパイラルコイルを巻回している面に対して鉛直方向をZ方向、送電側コイル100の長軸方向をX方向、短軸方向をY方向とする。同様に、送電側コイル1が、受電側コイル2に正対している領域の略中心から、送電側コイル1の8の字状コイルを巻回している面に対して鉛直方向をZ方向、送電側コイル1の長軸方向をX方向、短軸方向をY方向とする。
図6は、前記シミュレーションモデルにおける送電側コイル100の非接触給電時の磁界強度(図6(A))および送電側コイル1の非接触給電時の磁界強度(図6(B))を示す図である(磁界強度は、図5のシミュレーションモデルにおけるX、Y、Zの磁界強度の絶対値の総和である)。また、図7は、前記シミュレーションモデルにおける送電側コイル100の非接触給電時の磁束密度(図7(A))および送電側コイル1の非接触給電時の磁束密度(図7(B))を示す図である。図6で、送電側コイル100の磁界強度100mA/m以上の領域H1と、送電側コイル1の磁界強度100mA/m以上の領域H2とを比較すると、明らかに、領域H1の方が大きく、図7で、送電側コイル100の磁束密度25μT(又は0.2A/m)以上の領域T1と、送電側コイル1の磁束密度25μT(又は0.2A/m)以上の領域T2とを比較すると、明らかに、領域T1の方が大きい。以上のとおり、送電側コイル1は、非接触給電時に、従来の送電側コイル100に比べて漏洩磁界を小さく抑えることができる。
図8は、受電側コイルからの距離による磁束密度の変化を示したグラフであり、(A)は、送電側コイル100の磁界強度の変化を示すグラフ、(B)は、送電側コイル1の磁界強度の変化を示すグラフである。いずれも、縦軸は、図5のシミュレーションモデルにおけるY方向の磁界強度であり、横軸は、前記シミュレーションモデルのY方向の距離である。
送電側コイル100が、受電側コイル200に正対している領域の略中心位置、すなわち、前記Y方向0mにおける磁界強度は、1.9mA/mであり、前記中心位置から、前記Y方向に3m離れた位置における磁界強度は、8mA/mであった。一方、送電側コイル1が、受電側コイル2に正対している領域の略中心位置、すなわち、前記Y方向0mにおける磁界強度は、0.16mA/mであり、前記中心位置から、前記Y方向に3m離れた位置における磁界強度は、0.8mA/mであった。したがって、前記シミュレーションモデルにおいて、送電側コイル1は、送電側コイル100と比較して、漏洩磁界の磁界強度を90%以上低減していることがわかる。
図9は、EMI(電磁ノイズ:Electro−Magnetic−Interference)の計測結果を示すグラフであり、(A)は、従来の平面スパイラルコイルの電磁ノイズの計測結果を示すグラフ、(B)は、本明細書で開示する8の字状コイルの電磁ノイズの計測結果を示すグラフである。
非接触給電装置のコイルに高周波電源を接続すると、コイルがアンテナのように作用するため、電磁ノイズが発生する。非接触給電装置は、各国の電磁ノイズ(EMI)に対する規制値を満足する必要がある。無線設備規制第65条第3号に準じて、電波暗室で非接触給電装置から10m離れた地点にアンテナを設置して電磁ノイズを計測したところ、従来の平面スパイラルコイル(前記0字状に巻回された平面スパイラルコイル)の場合、伝送周波数0.085MHzにおいてピーク値60dB(μA/m)であったが、8の字状コイル(本明細書で開示する8の字状の平面スパイラルコイル)の場合、伝送周波数0.085MHzにおいてピーク値40dB(μA/m)であった。なお、我が国で定める限度値(QP値)は、50dB(μA/m)である。したがって、前記8の字状コイルを使用することによりQP値をクリアすることができ、さらに、従来の平面スパイラルコイルに比べて、20dB程度、電磁ノイズを低減することができる。
<電磁シールド材>
図10は、電磁シールド材12cの変形例を示した図であり、図10(A)は、上面図、図10(B)は、側面図である。
フェライト等の電磁シールド材12cは、図2では、送電側コイル1とほぼ同長、同幅で積層固定しているが、図10では、電磁シールド材12cの長手方向は、送電側コイル1の長軸方向の長さよりも短尺に形成され、前記平面スパイラルコイルの長軸方向両端部で非積層領域Cが形成されている。一方、電磁シールド材12cの短手方向は、送電側コイル1の短軸方向の幅よりも幅広に形成されている。電磁シールド材12cを前記のように形成することにより、アジマスパターンを均一化することができる。
たとえば、電磁シールド材12cを送電側コイル1の長軸方向両端部で全長の5%程度(合計で10%程度)切り取るとともに、送電側コイル1の短軸方向両端で30%程度ずつ幅広に形成した場合、300Wの非接触給電において、3dB程度の低減効果が確認できている。(なお、図10のような電磁シールド材12cの形態は、前記8の字状コイルはもとより、従来の平面スパイラルコイル(前記0字状コイル)においても、前記低減効果を得ることができる。)
<非接触給電システム>
図11は、本明細書で開示する非接触給電システムの構成例を示す模式図である。本実施形態の非接触給電システムは、移動体と送電装置とから構成される。
移動体Vは、送電側コイル1から、電力の給電を受けるブースターコイル2aと、ブースターコイル2aから受電して、整流器24に接続されている受電コイル2bと、給電回路を構成する整流器24に接続されている負荷25(駆動源を充電する充電ユニット)と、移動体Vの走行位置を特定する座標データを送信する送信部26とを備える。なお、負荷25は、本実施の形態のように、充電ユニットを備えるもののほか、バッテリーレスの駆動源であってもよい。
送電装置は、移動体Vの送信部26から、たとえば、構内Wi−Fi等の無線通信を介して、前記座標データを受信し、給電許可信号を発信する給電管理部16と、前記給電許可信号から、移動体Vの受電側コイル2が対向する位置の送電側コイル1に対して送電するように、電源15に接続された電源ユニット14を制御する電源制御部17とを備える。
送電側コイル1は、移動体Vの移動経路に複数配設されている。前記座標データから、移動中の移動体Vの位置が特定されると、電源制御部17は、移動体Vのブースターコイル2aに対向する送電側コイル1のスイッチ19を接続し、電源ユニット14から、ハーネス18を介して、前記スイッチ19が接続された送電側コイル1に電力を供給し、伝送ギャップ3を介してブースターコイル2aから移動体Vの負荷25に対して非接触給電が行われる。
非接触給電システムは、送電側コイル1および受電側コイル2によって、電磁ノイズを抑えることができるため、周辺機器等に悪影響を及ぼす電磁ノイズの発生を低減し、効率的な非接触給電を行うことができる。
この明細書で開示された技術は、前記実施形態に制限されない。すなわち、例示的に示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。また、一つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。さらに、開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものである。
1 送電側コイル
2 受電側コイル
2a ブースターコイル
2b 受電コイル
3 伝送ギャップ
11、21 導線
12、22 プレート状ボビン
12a、22a 周回溝
12b、22b 分離壁
12c 電磁シールド材
12d 常磁性の金属板
12e 絶縁カバー
13、23 共振コンデンサ
14 電源ユニット
15 電源
16 給電管理部
17 電源制御部
18 ハーネス
19 スイッチ
24 整流器
25 負荷
26 送信部
C 非積層領域

Claims (6)

  1. 移動体の移動経路に配設され、高周波電源から供給される交流電流に対応して磁界を発生させる送電側コイルと、
    前記送電側コイルに対向する位置で、前記移動体に設置され、前記送電側コイルを介して、非接触で給電された電力を受電するブースターコイルと受電コイルとから構成された受電側コイルと、を有し、
    前記送電側コイル及び前記受電側コイルは、いずれも、導線を長円状に平面巻回して、8の字状に差動接続した平面スパイラルコイルを形成し、前記送電側コイル及び前記受電コイルは、相互に前記対向する面と反対面に、前記平面スパイラルコイルの長軸方向の長さよりも短尺とし、前記平面スパイラルコイルの長軸方向両端部で非積層に形成された電磁シールド材を積層固定する非接触給電用コイルユニット。
  2. 前記送電側コイルは、前記移動経路に沿って、連続的に離間して複数配設され、前記受電側コイルは、前記移動体が、前記移動経路を移動して前記配設された複数の送電側コイルを順次通過するときに、前記非接触で給電される請求項1記載の非接触給電用コイルユニット。
  3. 前記平面スパイラルコイルは、長円状の2つのプレートを短軸方向に並列接合した8の字状の外形を有するプレート状ボビンの上面の周縁部に沿って前記8の字状に差動接続される請求項1又は請求項2記載の非接触給電用コイルユニット。
  4. 前記プレート状ボビンは、前記周縁部に沿って周回溝が渦巻き状形成され、前記プレートの各周回溝は、前記プレートの長軸方向端部側に形成された連通路によってつながり、前記周回溝の全周で8の字状のガイドレールを形成し、前記並列接合された部分には、前記2つの長円状のプレートの隣接する最外周の各周回溝を区画する分離壁が立設されている請求項3記載の非接触給電用コイルユニット。
  5. 前記電磁シールド材は、前記平面スパイラルコイルの短軸方向の幅よりも幅広である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の非接触給電用コイルユニット。
  6. 駆動源と、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の受電側コイルと、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の送電側コイルから供給された電力を前記駆動源に給電する給電回路と、走行位置を特定する座標データを送信する送信部とをそなえる移動体と、
    電源ユニットと、前記送電側コイルを配設した移動経路と、前記送信部から受信した前記座標データに基づき、給電許可信号を発信する給電管理部と、前記給電許可信号から、前記移動体の受電側コイルが対向する位置の送電側コイルに、前記移動体に対して送電するように前記電源ユニットを制御する電源制御部とをそなえる送電装置と、を有する非接触給電システム。
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