以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る二重容器100を構成するレフィル容器20、及び蓋体30の正面断面図である。なお、本実施形態に係る二重容器100は、レフィル容器20及び蓋体30の他に、本体容器10を有しているが、これについては図2等を用いて後ほど詳述する。また、図1は、レフィル容器20の上部開口21aに、二重容器100に必須の構成ではないポンプ40が取り付けられる例を示している。なお、本明細書、特許請求の範囲、要約書および図面では、蓋体30が位置する側を上方(図1における上側)とし、レフィル容器20の底壁22が位置する側を下方(図1における下側)とする。また、径方向外側とは、図1におけるレフィル容器20の中心軸線O1を通り中心軸線O1に垂直な直線に沿って外側に向かう方向であり、径方向内側とは、当該直線に沿って中心軸線O1に向かう方向を指すものとする。
レフィル容器20は、筒状の周壁21と、周壁21の下端を閉塞する底壁22を有し、収容空間S1内に内容物を収容する。周壁21の外周面上部には、雄ねじ部27が設けられている。周壁21の上端は、上部開口21aを構成し、上方から蓋体30で覆われることにより閉塞される。なお、本実施形態では、レフィル容器20の上部開口21aには、二重容器100に必須の構成ではないポンプ40が取り付けられ、上部開口21aは、ポンプ40を介して蓋体30により覆われている。より詳細には、レフィル容器20の外周面上部に設けられた雄ねじ部27に、ポンプ40のベースキャップ42の内周面に設けられた雌ねじ部42aがねじ係合することにより、ポンプ40がレフィル容器20に固定され、上部開口21aを覆っている。また、ベースキャップ42の外周面に設けられた嵌合部42bに蓋体30の下端部が嵌合することにより、蓋体30がポンプ40に装着され、ノズルヘッド44を覆っている。
底壁22から下方に向かって係合壁23が垂下している。係合壁23の下端部における外周面には、係合突部23aが径方向外側に向けて突出している。また、係合壁23の下端部には、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面23bが設けられている。本実施形態において、係合壁23は、図2(b)に示すように、周方向4箇所に等間隔で間欠的に配設されている。従って、各係合壁23は径方向に独立に弾性変形可能である。
ポンプ40は、収容空間S1内の内容物をポンプ本体43に導くパイプ41と、パイプ41の上端に連なりパイプ41からの内容物をノズルヘッド44へと圧送するポンプ本体43と、ポンプ本体43から径方向外側に延びるフランジ43aを周壁21との間に挟持することでポンプ本体43をレフィル容器20に固定するベースキャップ42と、ポンプ本体43の上端を覆うと共に吐出孔44aを備え、下方に押下することでポンプ本体43を作動させて内容物を吐出孔44aから吐出させるノズルヘッド44と、を備える。
ベースキャップ42の外周面に設けられた嵌合部42bには、図1に示すように蓋体30の下端部が嵌合し固定されている。蓋体30は、天壁35と、天壁35の外周端から下方に垂下する側壁31とを備え、上部開口21a及びノズルヘッド44を上方から覆っている。
図2(a)は、図1のレフィル容器20を本体容器10に収容した状態を示す正面一部断面図である。本体容器10は、レフィル容器20の周壁21を径方向外側から覆う外周壁11と、外周壁11の下端に連なり径方向内側方向へ延びる底部12とを有している。底部12には、外周壁11から周方向内側に延びる環状部12aと、環状部12aの内周端から上方へと延びる底部筒壁12bと、底部筒壁12bの上端から更に径方向内側に延びる底部内壁12cが設けられている。そして、底部内壁12cには、レフィル容器20側の係合突部23aを係合させるための係合孔12dが配設されている。係合孔12dは、図2(b)に示すように、係合突部23aと同様に周方向4箇所に等間隔で間欠的に設けられている。そして、図1に示すレフィル容器20を上方から本体容器10内に挿入すると、レフィル容器20の外周面に設けられた突部26の下面が外周壁11の上端部11aに当接すると共に、係合突部23aが係合孔12dを通過してその外周端に係合する。より詳細には、係合突部23aが係合孔12dの外周端に当接することで係合壁23の下端が一旦径方向内側に弾性変形した後、係合突部23aが係合孔12dを通過すると、係合壁23が元の形状に復元しつつ係合突部23aが係合孔12dの外周端に係合する。これによって、レフィル容器20は本体容器10に対して上方に引き抜き不能な状態で固定される。
利用者は、図2(a)の状態から、蓋体30を上方に持ち上げてベースキャップ42の嵌合部42bから引き抜き、吐出孔44aを対象物に向けて方向付けした状態でノズルヘッド44を下方に押下する。これにより、ポンプ本体43が作動し、パイプ41経由で圧送された収容空間S1内の内容物が吐出孔44aから吐出される。利用者は、使用後に再び蓋体30をベースキャップ42に装着する。
図3は、本実施形態に係る二重容器100からレフィル容器20を取り外す工程を示す正面一部断面図である。利用者は、レフィル容器20の収容空間S1内の内容物を使い切ると、空になったレフィル容器20を本体容器10から取り外す必要がある。利用者は、図2の二重容器100においてベースキャップ42を周方向に回転させ、雄ねじ部27と雌ねじ部42aとのねじ係合を解除して、蓋体30付きのポンプ40を二重容器100から取り外す。次に利用者は、図3に示すように、本体容器10が装着された使用済みのレフィル容器20に対して、取り外した蓋体30の天壁35の上面を下方から押し付ける。図3に示すように、蓋体30の天壁35には、上方に向けて突出する押圧部37が設けられている。押圧部37は、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面37aと、上下方向に延びる支持部37bとが上端において連結された構成を有することによって半径方向の押圧力に対して弾性変形しづらく構成されている。そして、押圧部37の傾斜面37aにより本体容器10内に収容されたレフィル容器20の係合壁23を上方に向けて押圧することにより、係合壁23は、上方及び径方向内側への押圧力をうけて図3に示すように径方向内側へと弾性変形する。これによって、係合突部23aと係合孔12dとの係合が解除されるため、太線矢印で示すように、上方に向けてレフィル容器20を本体容器10から容易に取り出すことができる。
利用者は、内容物を使い切ったレフィル容器20を本体容器10から取り外した後、図2に示すように、これまで使用してきた本体容器10内に内容物が充填された新たなレフィル容器20を収容する。これによって、同一の本体容器10を繰り返し使用しつつ、内容物を補充することができる。
なお、本実施形態では、図3に示すように、押圧部37に傾斜面37aが設けられている他、係合壁23についても下端部に係合突部23aが設けられることにより傾斜面23bが形成されている。そして径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面37a,23b同士が当接することにより、係合壁23は上方及び径方向内側への押圧力をうけて径方向内側へと弾性変形する。しかし、この態様には限定されず、例えば、傾斜面を有しない押圧部37が係合壁23の傾斜面23bに当接することによって係合壁23を径方向内側へと弾性変形させて係合突部23aと係合孔12dとの係合を解除させるように構成してもよい。また、傾斜面37aが、傾斜面を有しない係合壁23を上方及び径方向内側へと押圧して径方向内側に弾性変形させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、ポンプ40がねじ係合によりレフィル容器20に固定されるように構成したが、この態様には限定されず、打栓係合等の他の方法によって固定されてもよい。
また、本実施形態では、蓋体30がポンプ40のベースキャップ42に対して嵌合により固定されるように構成したが、この態様には限定されない。蓋体30は、アンダーカット係合やねじ係合等によってポンプ40に固定されるように構成してもよい。また、二重容器100がポンプ40を有していない場合等には、蓋体30は、レフィル容器20に直接固定されてもよい。
また、本実施形態では、係合壁23及び係合孔12dが、図2(b)に示すように周方向に等間隔で4箇所に間欠的に設けられるように構成したが、この態様には限定されない。例えば、本体容器10の所定の向きにレフィル容器20が取り付けられるように、係合壁23及び係合孔12dを異なる間隔で設けてもよい。また、係合壁23及び係合孔12dは、それぞれ4箇所ずつ設ける必要はなく、任意の数だけ設けることができる。但し、係合壁23については、径方向に弾性変形し易いように間欠的に複数箇所に設けることが望ましい。
また、本実施形態では、係合突部23aが係合する係合部の構成として係合孔12dを採用したが、この態様には限定されない。係合突部23aが本実施形態のように径方向外側に突出する構成の場合、係合部は例えば径方向内側に突出する突起等であってもよい。
また、本実施形態では、係合突部23aが径方向外側に突出するように設けると共に、傾斜面37a、23bが径方向外側に向かって上方に傾斜するように構成したが、この態様には限定されない。係合突部23aが径方向内側に突出するように設けると共に、傾斜面37a、23bが径方向内側に向かって上方に傾斜するように構成してもよい。また、係合突部23aは中心軸線O1に直交する任意の方向に突出させることが可能であり、傾斜面37a、23bは、当該突出方向に向けて上方に傾斜するように構成されることが好ましい。
また、本実施形態では、係合壁23及び係合孔12dが、図2(b)に示すように平面視で円弧形状を有するように構成したが、この態様には、限定されない。係合壁23及び係合孔12dは、例えば全体として矩形形状をなすように、個々の係合壁23及び係合孔12dが直線的に構成されていてもよい。
以上述べたように、本実施形態においては、レフィル容器20の底壁22に設けられた係合突部23aが本体容器10の底部12に配設した係合部(係合孔12d)に係合することにより、使用時にレフィル容器20が本体容器10から容易に外れないようにした。また、レフィル容器20内の内容物を使い切った後は、図3に示すように、使用済みのレフィル容器20を、係合突部23aの突出方向に向けて上方に傾斜する傾斜面37a,23bを介して上方に押圧することにより、当該突出方向とは反対方向の力を作用させて係合突部23aを変位させるようにした。これによって、係合突部23aと係合部との係合が容易に外れるため、新たな冶具等を用いることなく使用済みのレフィル容器20を本体容器10から容易に取り外すことができる。
また、本実施形態では、係合突部23aをレフィル容器20の底壁22から垂下する係合壁23の下端に設けると共に、係合部として本体容器10の底部12に係合孔12dを設けるようにした。これによって、傾斜面37a,23bにより押圧された係合壁23が係合突部23aの突出方向とは反対方向に容易に弾性変形し、係合突部23aが変位して両者の係合を解除することができる。
また、本実施形態では、係合突部23aを径方向外側に向けて突出させ、蓋体30の上面に設けた押圧部37が径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面37aを有するように構成した。これによって、新たな冶具等を導入することなく、蓋体30の押圧部37を用いて容易にレフィル容器20と本体容器10との係合を解除することができる。
また、本実施形態では、係合突部23aは、周方向の複数箇所(4箇所)に間欠的に設けられるように構成した。これによって、複数の係合突部23aがそれぞれ容易に径方向に変位して係合部との係合を解除することができる。
図4及び図5は、二重容器100がポンプ40を有していない、本実施形態の変形例を示している。図1と対比すると、図4のレフィル容器20は、上部開口21aにポンプ40が取り付けられておらず、代わりに蓋体50の雌ねじ部51aがレフィル容器20の雄ねじ部27にねじ係合されることにより、蓋体50がレフィル容器20の上部開口21aを直接覆っている。なお、この変形例においても、蓋体50の天壁55上には、傾斜面57aを有する押圧部57が配置されている。
利用者は、図4のレフィル容器20を、図5に示すように本体容器10内に装着する。レフィル容器20の本体容器10への装着は、第1実施形態と同様に行うことができる。すなわち、図4に示すレフィル容器20を上方から本体容器10内に挿入すると、レフィル容器20の外周面に設けられた突部26の下面が外周壁11の上端部11aに当接すると共に、係合突部23aが係合孔12dを通過してその外周端に係合する。より詳細には、係合突部23aが係合孔12dの外周端に当接することで係合壁23が一旦内周側に弾性変形した後、係合突部23aが係合孔12dを通過すると、係合壁23が元の形状に復元しつつ係合突部23aが係合孔12dの外周端に係合する。これによって、図5に示すように、レフィル容器20は本体容器10に対して上方に引き抜き不能な状態で固定される。
利用者は、図5の状態から蓋体50を周方向に回転させて取り外し、レフィル容器20及び本体容器10を傾動させることにより、収容空間S1内の内容物を注いで使用することができる。使用後は、蓋体50を再びレフィル容器20に装着する。また、利用者は、蓋体50を取り外した後、図1及び図2に示すポンプ40及び蓋体30を取り付け、ポンプ本体43を作動させることにより内容物を吐出孔44aから吐出させて使用してもよい。
利用者は、レフィル容器20の収容空間S1内の内容物を使い切ると、空になったレフィル容器20を本体容器10から取り外す必要がある。ポンプ40を使用していない場合、利用者は、蓋体50を周方向に回転させ、雄ねじ部27と雌ねじ部51aとのねじ係合を解除して蓋体50を二重容器100から取り外す。次に利用者は、本体容器10が装着された使用済みのレフィル容器20に対して、取り外した蓋体50の上面を下方から押し付ける。蓋体50の天壁55には、上方に向けて突出する押圧部57が設けられている。押圧部57は、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面57aを有している。そして、押圧部57の傾斜面57aによりレフィル容器20の係合壁23を上方に向けて押圧することにより、係合壁23は、上方及び径方向内側への押圧力をうけて径方向内側へと弾性変形する。これによって、係合突部23aと係合孔12dとの係合が解除されるため、利用者は、上方に向けてレフィル容器20を本体容器10から容易に取り出すことができる。
なお、蓋体50の代わりにポンプ40及び蓋体30を使用する場合には、蓋体30側の押圧部37を使用して、レフィル容器20を本体容器10から容易に取り出すことができる。
図6は、本発明の第2実施形態に係る二重容器200を構成するレフィル容器120、及び蓋体130の正面断面図である。なお、本実施形態に係る二重容器200は、レフィル容器120及び蓋体130の他に、本体容器110を有するが、これについては図7等を用いて後ほど詳述する。また、図6は、レフィル容器120の上部開口121aに、二重容器200に必須の構成ではないポンプ140が取り付けられる例を示している。
本実施形態は、第1実施形態と比較して、蓋体130の形状、及び本体容器110の底部112の構成が異なる他は、第1実施形態と大きく異なるところが無い。従って、ここでは第1実施形態との差異点を中心に説明する。
レフィル容器120は、筒状の周壁121と、周壁121の下端を閉塞する底壁122を有し、収容空間S2内に内容物を収容する。周壁121の外周面上部には、雄ねじ部127が設けられている。周壁121の上端は、上部開口121aを構成し、上方から蓋体130で覆われることにより閉塞される。なお、本実施形態では、レフィル容器120の上部開口121aには、二重容器200に必須の構成ではないポンプ140が取り付けられ、上部開口121aは、ポンプ140を介して蓋体130により覆われている。より詳細には、レフィル容器120の外周面上部に設けられた雄ねじ部127に、ポンプ140のベースキャップ142の内周面に設けられた雌ねじ部142aがねじ係合することにより、ポンプ140がレフィル容器120に固定され、上部開口121aを覆っている。また、ベースキャップ142の嵌合部142bに蓋体130の下端部が嵌合することにより、蓋体130がポンプ140のノズルヘッド144を覆っている。
底壁122から下方に向かって係合壁123が垂下している。そして、係合壁123の下端部における外周面には、係合突部123aが径方向外側に向けて突出している。また、係合壁123の下端部には、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面123bが設けられている。本実施形態において、係合壁123は、図7(b)に示すように、周方向4箇所に等間隔で間欠的に配設されている。従って、各係合壁123は径方向に独立に弾性変形可能である。
ベースキャップ142の外周面に設けられた嵌合部142bには、図6に示すように蓋体130の下端部が嵌合し固定されている。蓋体130は、天壁135と、天壁135の外周端から下方に垂下する側壁131とを備え、上部開口121a及びノズルヘッド144を上方から覆っている。
図7(a)は、図6のレフィル容器120を本体容器110に収容した状態を示す正面一部断面図である。本体容器110は、レフィル容器120の周壁121を径方向外側から覆う外周壁111と、外周壁111の下端を閉塞する底部112とを有している。底部112には、外周壁111の下端から周方向内側に延びる底壁112cが設けられている。そして、底壁112cには、レフィル容器120側の係合突部123aを係合させるための係合孔112dと、後述する押圧部材150を嵌合固定するための嵌合孔112aとが配設されている。係合孔112dは、図7(b)に示すように、係合突部123aと同様に周方向4箇所に間欠的に等間隔で設けられている。また、本実施形態では嵌合孔112aについても周方向4箇所に設けられ、押圧部材150の嵌合壁159の上端部に設けられた嵌合突部159aが嵌合孔112aの内周端に係合することで押圧部材150は本体容器110に固定されている。そして、図6に示すレフィル容器120を上方から本体容器110内に挿入すると、レフィル容器120の外周面に設けられた突部126の下面が外周壁111の上端部111aに当接すると共に、係合突部123aが係合孔112dを通過してその外周端に係合する。より詳細には、係合突部123aが係合孔112dの外周端に当接することで係合壁123が一旦径方向内側に弾性変形した後、係合突部123aが係合孔112dを通過すると、係合壁123が元の形状に復元しつつ係合突部123aが係合孔112dの外周端に係合する。これによって、レフィル容器120は本体容器110に対して上方に引き抜き不能な状態で固定される。
利用者は、図7(a)の状態から、蓋体130を上方に持ち上げてベースキャップ142の嵌合部142bから引き抜き、吐出孔144aを対象物に向けて方向付けした状態でノズルヘッド144を下方に押下する。これにより、ポンプ本体143が作動し、パイプ141経由で圧送された収容空間S2内の内容物が吐出孔144aから吐出される。
図8は、本実施形態に係る二重容器200からレフィル容器120を取り外す工程を示す正面一部断面図である。利用者は、レフィル容器120の収容空間S2内の内容物を使い切ると、空になったレフィル容器120を本体容器110から取り外す必要がある。利用者は、図7の二重容器200においてベースキャップ142を周方向に回転させ、雄ねじ部127と雌ねじ部142aとのねじ係合を解除して、蓋体130付きのポンプ140を二重容器200から取り外す。次に利用者は、図8に黒塗り矢印で示すように、本体容器110が装着された使用済みのレフィル容器120に対して、本体容器110の底部112の下方に設けられた押圧部材150を下方から押し付ける。図8に示すように、押圧部材150には、上方に向けて突出する押圧部157が設けられている。押圧部157は、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面157aと、上下方向に延びる支持部157bとが上端において連結された構成を有している。そして、利用者が押圧部材150を上方に向けて押圧すると、押圧部157の傾斜面157aが本体容器110内に収容されたレフィル容器120の係合壁123を上方に向けて押圧するため、係合壁123は、上方及び径方向内側への押圧力をうけて径方向内側へと弾性変形する。これによって、係合突部123aと係合孔112dとの係合が解除されるため、白抜き矢印で示すように、上方に向けてレフィル容器120を本体容器110から容易に取り出すことができる。
利用者は、内容物を使い切ったレフィル容器120を本体容器110から取り外した後、図7に示すように、これまで使用してきた本体容器110内に内容物が充填された新たなレフィル容器120を収容する。これによって、同一の本体容器110を繰り返し使用しつつ、内容物を補充することができる。
なお、本実施形態では、図8に示すように、押圧部157に傾斜面157aが設けられている他、係合壁123についても下端部に係合突部123aが設けられることにより傾斜面123bが形成されている。そして径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面157a,123b同士が当接することにより、係合壁123は上方及び径方向内側への押圧力をうけて径方向内側へと弾性変形する。しかし、この態様には限定されず、例えば、傾斜面を有しない押圧部157が係合壁123の傾斜面123bに当接することによって係合壁123を径方向内側へと弾性変形させて係合突部123aと係合孔112dとの係合を解除させるように構成してもよい。また、傾斜面157aが、傾斜面を有しない係合壁123を上方及び径方向内側へと押圧して径方向内側に弾性変形させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、本体容器110の底部112に押圧部157を設けるように構成したが、底部112に加えて蓋体130側にも押圧部を設けてもよい。
また、本実施形態では、ポンプ140を作動させて内容物を吐出させるように構成したが、この態様には限定されない。第1実施形態の変形例(図4及び図5)と同様に、ポンプ140を用いることなく、蓋体を取り外してレフィル容器120及び本体容器110を傾動させることにより、収容空間S2内の内容物を注いで使用してもよい。
以上述べたように、本実施形態においては、本体容器110の底部112に押圧部材150を嵌合固定し、押圧部材150には上方に突出する押圧部157を設け、該押圧部157は径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面157aを有するように構成した。これによって、新たな冶具等を導入することなく、押圧部157による係合壁123の押圧により容易にレフィル容器120と本体容器110との係合を解除することができる。
図9は、本発明の第3実施形態に係る二重容器300を構成するレフィル容器220、及び蓋体230の正面断面図である。なお、本実施形態に係る二重容器300は、レフィル容器220及び蓋体230の他に、本体容器210及び本体蓋240を有するが、これらについては図11等を用いて後ほど詳述する。
レフィル容器220は、筒状の周壁221と、周壁221の下端を閉塞する底壁222を有し、収容空間S3内に内容物を収容する。周壁221の外周面上部における雄ねじ部227の直下には、蓋体230をアンダーカット係合によりレフィル容器220に固定するための係合突起226が径方向外側に向けて突出して設けられている。周壁221の上端は、上部開口221aを構成し、上方から蓋体230で覆われることにより閉塞される。周壁221の下端には、底壁222を越えて更に下方へと延びる底部周壁224が配設されており、底部周壁224の内周面には、周方向に一定間隔でリブ224aが設けられている。また、底部周壁224の径方向内側において底壁222から下方に向かって係合壁223が垂下している。そして、係合壁223の下端部における外周面には、嵌合爪223aが径方向外側に向けて突出している。本実施形態において、係合壁223は、周方向4箇所に等間隔で間欠的に配設されている。従って、各係合壁223は径方向に独立に弾性変形可能である。
レフィル容器220の上部開口221aには、図9に示すように、蓋体230がアンダーカット係合により取り付けられている。蓋体230は、上部開口221aを覆う天壁235と天壁235の外周端から下方に垂下する側壁231とを有する。天壁235の下面からはシール壁236が垂下し、レフィル容器220の周壁221の内周面に嵌合している。側壁231の下端部232には、径方向外側且つ下方に向かって延びるフランジ部233が設けられている。フランジ部233は、その大部分が側壁231から径方向外側方向に延びる外フランジ部233aとして構成されるが、一部は側壁231から径方向内側方向に延びる内フランジ部233bを構成している。本実施形態では、図9に示すように、内フランジ部233bが前述の係合突起226にアンダーカット係合することにより蓋体230をレフィル容器220に係合固定することができる。
レフィル容器220は、図9に示すように、収容空間S3内に内容物を収容した状態で上部開口221aを蓋体230で閉塞され、出荷及び販売される。そして、蓋体230は、レフィル容器220の上部開口221aを覆った状態でアンダーカット係合により固定されている。従って、図9のレフィル容器220に対して何ら包装を施すことなく流通過程に置いても、アンダーカット係合を容易に解除することはできないため、意図的に又は偶発的に蓋体230が開けられてしまう可能性を低減することができる。
図10は、図9のレフィル容器220を本体容器210に収容した状態を示す正面断面図である。本体容器210は、レフィル容器220の周壁221を径方向外側から覆う外周壁211と、外周壁211の下端に連なり径方向内側方向へ延びる本体底壁214と、本体底壁214の内周端から上方へと延びる底部筒壁213とを有する。そして、底部筒壁213の内周面から径方向内側に向けて突出リング213aが設けられている。一方、外周壁211の上端部における外周寄りには、図10の状態で蓋体230のフランジ部233を上方へ押圧可能な蓋体押圧部212が設けられている。蓋体押圧部212は、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面212aを有している。
本実施形態において、蓋体230の側壁231の下端部232は、フランジ部233と比較して薄肉に形成されている。これによって、フランジ部233は、外力が加わると下端部232が弾性変形することによって傾動するように構成されている。従って、係合突起226の下面が外周壁211の上端部に当接するまで図10の白抜き矢印に沿ってレフィル容器220を本体容器210内に収容した状態において、フランジ部233は、蓋体押圧部212によって上方に押圧され、傾斜面212aに倣って径方向外側に向かって上方に傾斜するように方向付けされる。このようなフランジ部233の傾動により、内フランジ部233bは下端部232周りに回動して径方向外側へと移動する。これによって、内フランジ部233bと係合突起226との係合が解除されるため、利用者は、蓋体230を容易に図10の上方へと持ち上げて取り外すことができる。
レフィル容器220を本体容器210に収容した図10の状態において、底部周壁224の下端部が外周壁211と底部筒壁213との間の空間に挿入される。そして、底部周壁224に設けられたリブ224aが底部筒壁213の回り止めリブ213bの間に入り込むことにより、レフィル容器220は本体容器210に対して周方向に回転不能状態で固定される。また、レフィル容器220の底壁222から垂下する係合壁223の嵌合爪223aが突出リング213aに対してアンダーカット係合することでレフィル容器220は上方に引き抜き不能となる。
図11は、本実施形態に係る二重容器300の使用時の状態を示す正面半断面図である。利用者は、図10においてレフィル容器220との係合が外れた蓋体230を取り除いた後、図11に示す本体蓋240を使用する。本体蓋240は、天壁243と、天壁243の外周端から垂下する側壁241とを有する。本体蓋240の取り付けは、側壁241の内周面に設けられている雌ねじ部241aをレフィル容器220の周壁221上部の外周面に配設されている雄ねじ部227にねじ係合させることにより行う。なお、本実施形態では、雄ねじ部227の外径が係合突起226の外径より小さくなるようにして、蓋体230の取り外し時に内フランジ部233bが雄ねじ部227に強く当たらないように構成している。
図12は、本実施形態に係る二重容器300からレフィル容器220を取り外す工程を示す正面断面図である。利用者は、レフィル容器220の収容空間S3内の内容物を使い切ると、空になったレフィル容器220を本体容器210から取り外す必要がある。利用者は、図12に白抜き矢印で示すように、蓋体230付きの未使用のレフィル容器220に対して、上方から使用済みのレフィル容器220を収容した本体容器210を押し付ける。図12に示すように、蓋体230の天壁235には、上方に向けて突出する押圧部237が設けられている。押圧部237は、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面237aと、上下方向に延びる支持部237bとが上端において連結された構成を有することによって半径方向の押圧力に対して弾性変形しづらく構成されている。そして、押圧部237の傾斜面237aにより本体容器210内に収容されたレフィル容器220の係合壁223を下方から押圧することにより、係合壁223は、上方及び径方向内側への押圧力をうけて図12に示すように径方向内側へと弾性変形する。これによって、嵌合爪223aと突出リング213aとの係合が解除されるため、太線矢印で示すように、上方に向けてレフィル容器220を本体容器210から容易に取り出すことができる。
利用者は、内容物を使用済みのレフィル容器220を本体容器210から取り出した後、図10に示すように、これまで使用してきた本体容器210内に内容物が充填された新たなレフィル容器220を収容する。これによって、同一の本体容器210及び本体蓋240を繰り返し使用しつつ、内容物を補充することができる。
なお、本実施形態では、図12に示すように、押圧部237に傾斜面237aが設けられている他、係合壁223についても下端部に嵌合爪223aが設けられることにより傾斜面223bが形成されている。そして径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面237a,223b同士が当接することにより、係合壁223は上方及び径方向内側への押圧力をうけて径方向内側へと弾性変形する。しかし、この態様には限定されず、例えば、傾斜面を有さない押圧部237が係合壁223の傾斜面223bに当接することによって係合壁223を径方向内側へと弾性変形させて嵌合爪223aと突出リング213aとの係合を解除させるように構成してもよい。また、傾斜面237aが、傾斜面を有しない係合壁223を上方及び径方向内側へと押圧して径方向内側に弾性変形させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、本体蓋240とレフィル容器220とがねじ係合により固定されるように構成したが、この態様には限定されない。本体蓋240についても打栓力が小さいアンダーカット係合によって固定されるように構成してもよい。その場合、本体蓋240と係合する突起は、蓋体230固定用の係合突起226よりも突出量が小さくなるようにして蓋体230の取り外しの妨げにならないように構成することが好ましい。
また、本実施形態では、蓋体押圧部212が傾斜面212aを有するように構成したが、この態様には限定されない。蓋体押圧部212は、フランジ部233の径方向外側寄りの部分を上方に押圧できればよく、上方に突出する突起等であってもよい。
また、本実施形態では、図9等に示すように、フランジ部233は、径方向外側に向かって下方に傾斜するように構成したが、この態様には限定されない。フランジ部233は、例えば径方向外側に向かって水平に延びるように構成されていてもよい。フランジ部233が蓋体押圧部212から押圧されることにより、下端部232周りに一定の傾動角を確保でき、内フランジ部233bと係合突起226とを係合状態から非係合状態へと遷移させることができればよい。
以上述べたように、本実施形態においては、蓋体230をアンダーカット係合によりレフィル容器220に固定すると共に、蓋体230付きのレフィル容器220を本体容器210に収容すると、蓋体押圧部212が蓋体230のフランジ部233を傾動させることにより蓋体230とレフィル容器220との係合が容易に解除されるように構成した。これによって、レフィル容器220を包装することなく流通段階に置いても、意図的に又は偶発的に蓋体230が開けられてしまう可能性を低減させることができる。一方、レフィル容器220を本体容器210に収容するという使用段階における通常の作業により、蓋体230をレフィル容器220から容易に取り外すことができる。
また、本実施形態では、レフィル容器220の底壁222から垂下する係合壁223に設けられた嵌合爪223aが本体容器210の底部に配設した突出リング213aにアンダーカット係合することにより、使用時にレフィル容器220が本体容器210から容易に外れないようにした。その一方で、レフィル容器220内の内容物を使用した後は、図12に示すように、使用済みのレフィル容器220を収容した本体容器210を、内容物が充填された新たなレフィル容器220の蓋体230に対して上方から押し付けることにより、蓋体230の上面に設けた押圧部237が係合壁223を径方向内側に弾性変形させるようにした。これによって、嵌合爪223aと突出リング213aとの係合が容易に外れるため、新たな器具等を用いることなく使用済みのレフィル容器220を本体容器210から容易に取り外すことができる。
また、本実施形態では、係合突起226の上方に本体蓋240と係合可能な雄ねじ部227(係合部)を設け、雄ねじ部227の外径が係合突起226の外径よりも小さくなるように構成した。これによって、レフィル容器220に対して蓋体230に加えて本体蓋240を着脱可能にすると共に、蓋体230を取り外す際に雄ねじ部227が妨げになりにくくすることができる。
また、本実施形態では、蓋体230の上面に設けた押圧部237は径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面237aを有するように構成した。これによって、押圧部237からの押圧力により係合壁223を効率よく径方向内側へと変形させて嵌合爪223aと突出リング213aとの係合を解除することができる。
また、本実施形態では、蓋体押圧部212は、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面212aを有するように構成した。これによって、フランジ部233を傾斜面212aに倣うように傾動させることができるので、フランジ部233をより所望の角度で傾動させて、内フランジ部233bと係合突起226との係合を確実に解除することができる。
図13は、本発明の第4実施形態に係る二重容器400を構成するレフィル容器320、及び蓋体330の正面断面図である。なお、本実施形態に係る二重容器400は、レフィル容器320及び蓋体330の他に、本体容器310及び本体蓋340を有するが、これらについては図15等を用いて後ほど詳述する。
レフィル容器320は、筒状の周壁321と、周壁321の下端を閉塞する底壁322を有し、収容空間S4内に内容物を収容する。周壁321の外周面上部における雄ねじ部327の直下には、蓋体330をアンダーカット係合によりレフィル容器320に固定するための係合突起326が径方向外側に向けて突出して設けられている。周壁321の上端は、上部開口321aを構成し、上方から蓋体330で覆われることにより閉塞される。周壁321の下端には、底壁322を越えて更に下方へと延びる底部周壁324が配設されており、底部周壁324の内周面には、周方向に一定間隔でリブ324aが設けられている。また、底部周壁324の径方向内側において底壁322から下方に向かって係合壁323が垂下している。そして、係合壁323の下端部における外周面には、嵌合爪323aが径方向外側に向けて突出している。本実施形態において、係合壁323は、周方向4箇所に等間隔で間欠的に配設されている。従って、各係合壁323は径方向に独立に弾性変形可能である。
レフィル容器320の上部開口321aには、図13に示すように、蓋体330がアンダーカット係合により取り付けられている。蓋体330は、上部開口321aを覆う天壁335と天壁335の外周端から下方に垂下する側壁331とを有する。天壁335の下面からはシール壁336が垂下し、レフィル容器320の周壁321の内周面に嵌合している。側壁331の内周面には内側突部332が配設され、上述の係合突起326にアンダーカット係合することにより蓋体330をレフィル容器320に係合固定することができる。
側壁331の下端部333は、図13に示すように三角波状に形成されており、後述するように下端部333と本体容器310の蓋体押圧部312とは、上下方向の凹凸が周方向に同期して変化する相補的形状の関係にある。すなわち、下端部333が下に凸形状を有する周方向位置では蓋体押圧部312は下に凹形状を有し、下端部333が上に凹形状を有する周方向位置では蓋体押圧部312は上に凸形状を有している。
レフィル容器320は、図13に示すように、収容空間S4内に内容物を収容した状態で上部開口321aを蓋体330で閉塞され、出荷及び販売される。そして、蓋体330は、レフィル容器320の上部開口321aを覆った状態でアンダーカット係合により固定されている。従って、図13のレフィル容器320に対して何ら包装を施すことなく流通過程に置いても、アンダーカット係合を容易に解除することはできないため、意図的に又は偶発的に蓋体330が開けられてしまう可能性を低減することができる。
図14は、図13のレフィル容器320を本体容器310に収容した状態を示す正面断面図である。本体容器310は、レフィル容器320の周壁321を径方向外側から覆う外周壁311と、外周壁311の下端に連なり径方向内側方向へ延びる本体底壁314と、本体底壁314の内周端から上方へと延びる底部筒壁313とを有する。そして、底部筒壁313の内周面から径方向内側に向けて突出リング313aが設けられている。
レフィル容器320を本体容器310に収容した図14の状態において、底部周壁324の下端部が外周壁311と底部筒壁313との間の空間に挿入される。そして、底部周壁324に設けられたリブ324aが底部筒壁313の回り止めリブ313bの間に入り込むことにより、レフィル容器320は本体容器310に対して周方向に回転不能状態で固定される。また、レフィル容器320の底壁322から垂下する係合壁323の嵌合爪323aが突出リング313aに対してアンダーカット係合することでレフィル容器320は上方に引き抜き不能となる。
外周壁311の上端部には、蓋体330の側壁331の下端部333を上方へ押圧可能な蓋体押圧部312が設けられている。蓋体押圧部312は、三角波状に形成されており、先述のように、蓋体330の側壁331の下端部333とは、上下方向の凹凸が周方向に同期して変化する相補的形状の関係にある。そして、蓋体330が装着されたレフィル容器320を本体容器310に収容する際に、相補的形状の位相が合致するようにリブ324aと回り止めリブ313bを嵌合させることにより、側壁331の下端部333と蓋体押圧部312とは、三角波の上下方向の長さよりも短い距離で近接した状態となる。
利用者は、側壁331の下端部333と蓋体押圧部312の三角波同士が噛み合い、三角波の上下方向の長さよりも両者が近接した図14の状態において、蓋体330を例えば側壁331を把持しながら周方向に回転させる。このとき、レフィル容器320と本体容器310とは、リブ324aが回り止めリブ313bに噛み合うことにより相対回転しないため、蓋体330のみが本体容器310及びレフィル容器320に対して周方向に回転する。すると、蓋体押圧部312の三角波と側壁331の下端部333の三角波との周方向の位相がずれるため、下端部333側の三角波は、蓋体押圧部312側の三角波の斜辺に沿って上方に持ち上げられ、レフィル容器320と蓋体330の上下方向の距離が離間する。このとき、内側突部332が係合突起326を乗り越えて上方に移動するため、両者のアンダーカット係合が解除される。これにより、利用者は、蓋体330を容易に上方へと持ち上げて取り外すことができる。
なお、本実施形態では、側壁331の下端部333と蓋体押圧部312とが、三角波の上下方向の長さよりも短い距離で近接するように構成している。両者の距離が三角波の上下方向の長さよりも長い場合、蓋体330を周方向に回転させても、下端部333と蓋体押圧部312とが接触しないため、蓋体330を上方に押圧する力が作用しないからである。
図15は、本実施形態に係る二重容器400の使用時の状態を示す正面半断面図である。利用者は、図14においてレフィル容器320との係合が外れた蓋体330を取り除いた後、図15に示す本体蓋340を使用する。本体蓋340は、天壁343と、天壁343の外周端から垂下する側壁341とを有する。本体蓋340の取り付けは、側壁341の内周面に設けられている雌ねじ部341aをレフィル容器320の周壁321上部の外周面に配設されている雄ねじ部327にねじ係合させることにより行う。なお、本実施形態では、雄ねじ部327の外径が係合突起326の外径より小さくなるようにして、蓋体330の取り外し時に内側突部332が雄ねじ部327に強く当たらないように構成している。
図16は、本実施形態に係る二重容器400からレフィル容器320を取り外す工程を示す正面断面図である。利用者は、レフィル容器320の収容空間S4内の内容物を使い切ると、空になったレフィル容器320を本体容器310から取り外す必要がある。利用者は、図16に白抜き矢印で示すように、蓋体330付きの未使用のレフィル容器320に対して、上方から使用済みのレフィル容器320を収容した本体容器310を押し付ける。図16に示すように、蓋体330の天壁335には、上方に向けて突出する押圧部337が設けられている。押圧部337は、径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面337aと、上下方向に延びる支持部337bとが上端において連結された構成を有することによって半径方向の押圧力に対して弾性変形しづらく構成されている。そして、押圧部337の傾斜面337aにより本体容器310内に収容されたレフィル容器320の係合壁323を下方から押圧することにより、係合壁323は、上方及び径方向内側への押圧力をうけて図16に示すように径方向内側へと弾性変形する。これによって、嵌合爪323aと突出リング313aとの係合が解除されるため、太線矢印で示すように、上方に向けてレフィル容器320を本体容器310から容易に取り出すことができる。
利用者は、内容物を使用済みのレフィル容器320を本体容器310から取り外した後、図14に示すように、これまで使用してきた本体容器310内に内容物が充填された新たなレフィル容器320を収容する。これによって、同一の本体容器310及び本体蓋340を繰り返し使用しつつ、内容物を補充することができる。
なお、本実施形態では、図16に示すように、押圧部337に傾斜面337aが設けられている他、係合壁323についても下端部に嵌合爪323aが設けられることにより傾斜面323bが形成されている。そして径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面337a,323b同士が当接することにより、係合壁323は上方及び径方向内側への押圧力をうけて径方向内側へと弾性変形する。しかし、この態様には限定されず、例えば、傾斜面を有さない押圧部337が係合壁323の傾斜面323bに当接することによって係合壁323を径方向内側へと弾性変形させて嵌合爪323aと突出リング313aとの係合を解除させるように構成してもよい。また、傾斜面337aが、傾斜面を有しない係合壁323を上方及び径方向内側へと押圧して径方向内側に弾性変形させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、本体蓋340とレフィル容器320とがねじ係合により固定されるように構成したが、この態様には限定されない。本体蓋340についても打栓力が小さいアンダーカット係合によって固定されるように構成してもよい。その場合、本体蓋340と係合する突起は、蓋体330固定用の係合突起326よりも突出量が小さくなるようにして蓋体330の取り外しの妨げにならないように構成することが好ましい。
また、本実施形態では、蓋体押圧部312、及び蓋体330の側壁331の下端部333が共に三角波形状を有するように構成したが、この態様には限定されない。例えば、両者が正弦波形状を有するように構成してもよい。また、蓋体押圧部312と側壁331の下端部333が厳密に相補的形状を有している必要はない。両者の形状が異なっていても、概ね同じ上下方向長さと位相を有していれば、蓋体330の回転操作によってアンダーケット係合を解除させることができる。従って、例えば三角波と正弦波の組み合わせ等であってもよい。
また、本実施形態では、蓋体330側と本体容器310側の三角波形状が全周に亘って設けられるように構成したが、この態様には限定されない。三角波形状が周方向の一部にのみ設けられるように構成してもよい。但し、この三角波形状により蓋体330をレフィル容器320に対して上方に持ち上げる力を生成しているため、三角波形状を周方向の一部に設ける場合は、バランスの観点から少なくとも対向する2か所に設けることが好ましい。これは、相補的形状が三角波以外の形状であっても同様である。
以上述べたように、本実施形態においては、蓋体330をアンダーカット係合によりレフィル容器320に固定すると共に、蓋体330付きのレフィル容器320を本体容器310に収容すると、蓋体330側と本体容器310側の相補的形状が近接して対向するように構成した。これによって、レフィル容器320を包装することなく流通段階に置いても、意図的に又は偶発的に蓋体330が開けられてしまう可能性を低減させることができる。一方、レフィル容器320を本体容器310に収容するという使用段階における通常の作業の際に、蓋体330を周方向に回転させる操作のみで蓋体330をレフィル容器320から容易に取り外すことができる。
また、本実施形態では、レフィル容器320の底壁322から垂下する係合壁323に設けられた嵌合爪323aが本体容器310の底部に配設した突出リング313aにアンダーカット係合することにより、使用時にレフィル容器320が本体容器310から容易に外れないようにした。その一方で、レフィル容器320内の内容物を使用した後は、図16に示すように、使用済みのレフィル容器320を収容した本体容器310を、内容物が充填された新たなレフィル容器320の蓋体330に対して上方から押し付けることにより、蓋体330の上面に設けた押圧部337が係合壁323を径方向内側に弾性変形させるようにした。これによって、嵌合爪323aと突出リング313aとの係合が容易に外れるため、新たな器具等を用いることなく使用済みのレフィル容器320を本体容器310から容易に取り外すことができる。
また、本実施形態では、係合突起326の上方に本体蓋340と係合可能な雄ねじ部327(係合部)を設け、雄ねじ部327の外径が係合突起326の外径よりも小さくなるように構成した。これによって、レフィル容器320に対して蓋体330に加えて本体蓋340を着脱可能にすると共に、蓋体330を取り外す際に雄ねじ部327が妨げになりにくくすることができる。
また、本実施形態では、蓋体330の上面に設けた押圧部337は径方向外側に向かって上方に傾斜する傾斜面337aを有するように構成した。これによって、押圧部337からの押圧力により係合壁323を効率よく径方向内側へと変形させて嵌合爪323aと突出リング313aとの係合を解除することができる。
また、本実施形態では、蓋体330の側壁331の下端部333、及び本体容器310の蓋体押圧部312が三角波又は正弦波形状を有するように構成した。これによって、図14の状態から蓋体330を周方向に回転させることによって、蓋体330とレフィル容器320とのアンダーカット係合を解除する力を効率よく発生させることができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。