JP2018171721A - 印刷装置 - Google Patents
印刷装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018171721A JP2018171721A JP2017069938A JP2017069938A JP2018171721A JP 2018171721 A JP2018171721 A JP 2018171721A JP 2017069938 A JP2017069938 A JP 2017069938A JP 2017069938 A JP2017069938 A JP 2017069938A JP 2018171721 A JP2018171721 A JP 2018171721A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ribbon
- ink ribbon
- load
- ink
- printing apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Electronic Switches (AREA)
- Impression-Transfer Materials And Handling Thereof (AREA)
- Controlling Sheets Or Webs (AREA)
Abstract
【課題】種々のインクリボンに対して、より低コストに対応することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】インクリボン9を、供給する供給ロール9Aと、加熱し受像体Pにインクを転写するサーマルヘッド3と、巻き取る巻取ロール9Bと、を有する印刷装置1であって、リボン搬送経路のインクリボンに所望の負荷を与え、延びを発生させる負荷付与手段76と、特定のリボン延び挙動を実現したときの荷重を検出する荷重検出手段44と、検出結果に応じ、インクリボンの幅方向寸法又は種類を特定するリボン特定手段78と、を有する。
【選択図】図2
【解決手段】インクリボン9を、供給する供給ロール9Aと、加熱し受像体Pにインクを転写するサーマルヘッド3と、巻き取る巻取ロール9Bと、を有する印刷装置1であって、リボン搬送経路のインクリボンに所望の負荷を与え、延びを発生させる負荷付与手段76と、特定のリボン延び挙動を実現したときの荷重を検出する荷重検出手段44と、検出結果に応じ、インクリボンの幅方向寸法又は種類を特定するリボン特定手段78と、を有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、印刷装置に関する。
例えば、特許文献1には、インクリボン(インクシートともいう。)を加熱して印刷を行う熱転写型の印刷装置が開示されている。印刷装置では、サーマルプリンタに用いられる感熱性のインクリボンが供給ロールに巻回されており、そのインクリボンが巻取ロールで巻き取られることによって、インクリボンが搬送される。巻取ロールはモータによって駆動される。このような印刷装置では、巻取ロールを駆動するモータが、インクリボンに適正な張力を作用させることが望まれる。
印刷装置においては、受像体の種類に応じて、種々の幅のインクリボンが使い分けられる。その際、インクリボンの幅方向寸法の大小やインクリボンの種類によって、搬送負荷に基づく搬送制御(例えばトルク制御)の態様が異なることがあり、またサーマルヘッドによる印字制御(例えば印字幅制御)の態様が異なることがある。したがって、適切な搬送制御・印字制御を行うためには、インクリボンの幅方向寸法や種類を正しく検出することが望ましい。しかしながら、上記インクリボンの幅方向寸法や種類を検出するためのセンサを別途設けると、製造時のコストアップの要因となる。
本発明の目的は、種々のインクリボンに対して、より低コストに対応可能な印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、インクリボンを供給するリボン供給ロールと、上記リボン供給ロールから繰り出されて搬送される上記インクリボンを加熱して、受像体にインクを転写するサーマルヘッドと、上記インクの転写後の上記インクリボンを巻き取るリボン巻取ロールと、を有する印刷装置であって、上記リボン供給ロールから繰り出され上記リボン巻取ロールに至るリボン搬送経路の上記インクリボンに所望の負荷を与え、上記インクリボンの延びを発生させる負荷付与手段と、上記負荷付与手段により特定のリボン延び挙動を実現したときにおける、上記インクリボンへの荷重を検出する荷重検出手段と、上記荷重検出手段の検出結果に応じ、上記インクリボンの幅方向寸法又は種類を特定するリボン特定手段と、を有することを特徴とする。
本願発明の印刷装置においては、受像体の種類に応じて、種々のインクリボンが使い分けられる。その際、インクリボンの種類や幅方向寸法の大小によって、搬送負荷に基づく張力制御(例えばトルク制御)の態様が異なったり、またサーマルヘッドによる印刷制御(例えば印字幅制御)の態様が異なる。したがって、適切な張力制御・印刷制御を行うためには、インクリボンの幅方向寸法や種類を正しく検出することが望ましい。しかしながら、上記インクリボンの幅方向寸法や種類を検出するためのセンサを別途追加すると、製造時のコストアップの要因となる。
そこで、本願発明においては、負荷をかけてインクリボンが延び切断されるときの特性がインクリボンの種類や幅方向寸法に応じて異なることに着目し、特定のリボン延び挙動を生じさせてインクリボンを特定する。すなわち、負荷付与手段が、リボン搬送経路のインクリボンに所望の負荷を与えることで、インクリボンに延びを発生させる。そしてインクリボンにおいて予め定めた特定のリボン延び挙動(例えばリボン切れ)が実現したときに、荷重検出手段が、そのときのインクリボンに加わっている荷重(又はその荷重に対応する状態量でもよい)を検出する。そしてその検出結果に応じて、リボン特定手段によって当該インクリボンの幅方向寸法又は種類が特定される。これにより、上記センサ新設によるコストアップを招くことなく、インクリボンの幅方向寸法や種類を正しく検出することができる。この結果、当該幅方向寸法や種類に適合した適切な張力制御や印刷制御を確実に行うことができる。
本発明によれば、種々のインクリボンに対して、より低コストに対応することができる。
<関連技術の説明>
本発明の実施の形態(以下「本実施形態」という。)に係る印刷装置について詳細に説明する前に、印刷装置におけるインクリボンの幅や種類について簡単に説明する。
本発明の実施の形態(以下「本実施形態」という。)に係る印刷装置について詳細に説明する前に、印刷装置におけるインクリボンの幅や種類について簡単に説明する。
印刷装置は、インクリボンに適正な張力(「テンション」ともいう。)を発生させながらインクリボンを搬送するために、適正なトルクでモータを駆動させる。また、印刷装置において、インクリボンが所定速度で搬送される状態(「搬送状態」という。)と搬送が停止された状態(「停止状態」という。)とを、交互に切り換えながら印刷が行われる場合がある。
具体例として、(1)サーマルヘッドによるインクリボンの加熱が、インクリボンが搬送状態の時に実行される場合(所謂、連続印字)、及び、(2)インクリボンが停止状態において、サーマルヘッドをインクリボンの長手方向に沿って移動しながらサーマルヘッドによるインクリボンの加熱が実行される場合(所謂、間欠印字)がある。
(1)の連続印字の場合、インクリボンが加熱されない間は印字が行われない。このため、インクリボンの消費量を削減するために、インクリボンが加熱されない間、インクリボンは停止状態とされるのが望ましい。また、(2)の間欠印字の場合、通常、サーマルヘッドが移動する間インクリボンは停止状態とされる。何れの場合も、1の印刷が完了してから次の印刷を開始するまでの時間(「サイクル時間」という。)を短縮するために、停止状態と搬送状態との間の遷移に要する時間(「遷移時間」という)は短い方が好ましい。
また、モータが発生すべき適正なトルクは、巻回されたインクリボン(以下、「リボンロール」という。)の質量と容量によって異なるが、印刷装置においては、厚み、材質等の種類の異なる複数のインクリボンが使用される場合がある。
リボンロールの径、厚み、材質等の種類を共通とした場合でも、それぞれのインクリボンの幅に応じてリボンロールの質量は変化する。更に、モータが脱調せずにインクリボンを駆動可能なトルク(「適正トルク」という。)で駆動される場合に許容される加速度の上限は、リボンロールの質量が大きい程小さくなる。つまり、適正トルクでモータが駆動される場合、インクリボンの幅が小さくなる程モータの加速度を大きくできる。なお、モータの加速度が大きい程、遷移時間を短縮できる。
しかし、使用されるインクリボンの幅が未定の場合、幅に関わらずモータが脱調せずにインクリボンを駆動可能なように、モータの加速度は常に幅の最も大きいインクリボンを想定して設定される必要がある。この場合、実際にはモータの加速度を大きくして遷移時間を短縮できるにも関わらず、小さい加速度でモータが駆動され、サイクル時間を短縮することが難しい場合がある。
なお、インクリボンの幅を検出可能な場合、検出された幅に応じた適切な加速度でモータを駆動することも考えられる。しかし、インクリボンの幅を検出するための幅検出センサを別途設けると、製造時のコストアップの要因となる。
また、リボンテンションの調整方法は、例えば、一般的には以下の方法で実施されている。
(1)リボン径と速度に応じた張力を付与するようにモータを制御する調整
(2)トルクリミッターなどによるテンション調整
(3)ダンサーアームによるテンション調整
(1)リボン径と速度に応じた張力を付与するようにモータを制御する調整
(2)トルクリミッターなどによるテンション調整
(3)ダンサーアームによるテンション調整
これらの方法も、インクリボンの幅や種類によって、最適な張力が変化する。例えば、一般的には幅が広く、薄いインクリボンの方が、外力による影響を受けやすく、斜行や蛇行を起こしやすいため、大きなバックテンションを付与されることが望まれる。しかしながら、このようなインクリボンの幅や種類等を加味した制御はされていない。
これに対して、本実施形態に係る印刷装置は、インクリボンの幅や種類を特定することができる。したがって、種々のインクリボンに対して、より低コストに対応することができる。
以下に添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面では、実質的に同一の機能を有する構成要素は、原則として同一の符号で表す。そして、これらの構成要素についての重複説明は、適宜省略する。
<印刷装置の全体構成>
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る印刷装置1(以下単に「印刷装置1」)の主な構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態による印刷装置及びリボンアッセンブリの概要を示す図である。図2は、印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る印刷装置1(以下単に「印刷装置1」)の主な構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態による印刷装置及びリボンアッセンブリの概要を示す図である。図2は、印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。
ここで、図の説明の理解を助けるため、印刷装置1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側を定義する。印刷装置1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側は、図1の上側、下側、左側、右側、手前側、及び、奥側にそれぞれ対応する。基板10Aの表面は前側を向き、基板10Aの裏面は後側を向く。ただし、この定義は、説明の理解のためのものであり、印刷装置1の配置や向き等を物理的に限定するものではない。
図1に示すように、印刷装置1は、筐体10と、基板10Aと、リボン装着部2と、サーマルヘッド3と、第1センサアッセンブリ4と、第2センサアッセンブリ5と、ガイド軸61〜63と、を有する。更に、図2に示すように、印刷装置1は、制御部7と、揺動センサ70と、記憶部71と、通信インターフェース(通信I/F)72と、第1モータ81と、第2モータ82と、第3モータ83と、を有する。ガイド軸61〜63を総称して「ガイド軸60」ともいう。また、第1モータ81〜第3モータ83を総称して「モータ80」ともいう。
筐体10は、箱状に形成され、他の構成を内部に収容する。また、筐体10の内部に収容された他の構成であるリボン装着部2と、サーマルヘッド3と、第1センサアッセンブリ4と、第2センサアッセンブリ5と、ガイド軸60と、制御部7と、記憶部71と、通信I/F72と、モータ80とは、基板10Aに設けられてもよい。
印刷装置1は、熱転写型の印刷装置である。つまり、印刷装置1は、箱状の筐体10を有し、筐体10の内部に収容されるリボンアッセンブリ90のインクリボン9をサーマルヘッド3で加熱することによって、印刷媒体P(受像体に相当)に印刷を行う。
<リボンアッセンブリ>
リボンアッセンブリ90は、図1に示すように、芯軸90A、90B、及び、インクリボン9を有する。芯軸90A、90Bは、それぞれ円筒状である。
リボンアッセンブリ90は、図1に示すように、芯軸90A、90B、及び、インクリボン9を有する。芯軸90A、90Bは、それぞれ円筒状である。
インクリボン9は帯状のフィルムであり、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)などの基材の表面にインク層が塗布されている。インク層は、例えば、カーボンなどの色素成分と、ワックス及び/又はレジンなどのバインダー成分とを含む。インクは加熱により溶融し、印刷媒体Pに転写される。インクリボン9は、必要に応じて、バックコート層、剥離層、接着層などの機能層を有してもよい。インクリボン9は、一端部が芯軸90Aの側面に接続され、他端部が芯軸90Bの側面に接続される。
リボンアッセンブリ90は、芯軸90Aにインクリボン9が巻回された状態で、印刷装置1のリボン装着部2(後述)に装着される。芯軸90Aに巻回されたインクリボン9を、「供給ロール9A」(リボン供給ロールに相当)という。インクリボン9は、サーマルヘッド3による印刷の過程で、芯軸90Aの供給ロール9Aから繰り出され、後述する第1センサアッセンブリ4、サーマルヘッド3、及び、ガイド軸60によって案内され、芯軸90Bに巻き取られる。芯軸90Bに巻回されたインクリボン9を、「巻取ロール9B」(リボン巻取ロールに相当)という。インクリボン9が供給ロール9Aから繰り出されて巻取ロール9Bに巻き取られる場合の、芯軸90A及び芯軸90Bのそれぞれの回転方向を、「正転方向」という。なお、インクリボン9は、芯軸90A及び芯軸90Bがそれぞれ正転方向と反対方向(以下、「反転方向」という。)に回転することによって、巻取ロール9Bから繰り出されて供給ロール9Aに巻き取られる場合もある。
<リボン装着部>
リボン装着部2は、図1に示すように、第1スプール21及び第2スプール22を有する。第1スプール21及び第2スプール22は、それぞれ、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。
リボン装着部2は、図1に示すように、第1スプール21及び第2スプール22を有する。第1スプール21及び第2スプール22は、それぞれ、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。
第1スプール21は、基板10Aの上下方向略中央、且つ、左右方向中央よりも右側に設けられる。第2スプール22は、基板10Aの上下方向略中央、且つ、左右方向中央よりも左側に設けられる。第1スプール21には、リボンアッセンブリ90の芯軸90Aに巻回された供給ロール9Aが装着される。第2スプール22には、リボンアッセンブリ90の芯軸90Bに巻回された巻取ロール9Bが装着される。
第1スプール21は、第1モータ81(図2参照、後述)に直結し、第1モータ81によって回転する。第1スプール21の回転軸と第1モータ81とが一致するので、第1モータ81の回転量は、第1スプール21の回転量に等しい。第2スプール22は、第2モータ82(図2参照、後述)に直結し、第2モータ82によって回転する。第2スプール22の回転軸と第2モータ82とが一致するので、第2モータ82の回転量は、第2スプール22の回転量に等しい。
第1スプール21及び第2スプール22は、それぞれ異なるモータ80によって回転するので、それぞれ異なる回転速度で回転可能である。
図1に示すように、第1スプール21及び第2スプール22が、印刷装置1を前側から見た状態で反時計回りに回転するとき、芯軸90A、90Bは正転方向に回転する。このとき、インクリボン9は、供給ロール9Aから繰り出され、巻取ロール9Bに巻き取られる。第1スプール21及び第2スプール22が、印刷装置1を前側から見た状態で時計回りに回転するとき、芯軸90A、90Bは反転方向に回転する。インクリボン9は、巻取ロール9Bから繰り出され、供給ロール9Aに巻き取られる。なお、芯軸90A、90Bの正転方向は、時計回り方向に限定されない。例えば、インクリボン9の巻回状態に応じて、供給ロール9A及び巻取ロール9Bの正転方向は、少なくとも一方が時計回り方向であってもよい。
第1スプール21と第2スプール22の回転に応じ、供給ロール9Aと巻取ロール9Bとの間に張り渡されるインクリボン9は、筐体10内で搬送される。インクリボン9は、後述する第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、ガイド軸60と接触することによって案内される。
後述するサーマルヘッド3は、供給ロール9Aと巻取ロール9Bとの間に張り渡されるインクリボン9に隣接して配置される。サーマルヘッド3、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、ガイド軸60に沿ってインクリボン9が搬送されるときに通過する経路を、「搬送経路R」という。つまり、後述するサーマルヘッド3は、供給ロール9Aと巻取ロール9Bとが、第1スプール21及び第2スプール22に装着されているか否かに関わらず、常に搬送経路Rに隣接しているといえる。
<第1センサアッセンブリ>
第1センサアッセンブリ4は、基板10Aの右上の隅近傍に設けられる。第1センサアッセンブリ4は、インクリボン9の搬送経路Rの長さを変えることでインクリボン9の張力を維持するテンションアームとしての機能と、テンションアームの位置を検知する位置センサとしての機能とを有する。なお、テンションアームとは、所定の支点を中心に回動する構成だけで無く、図1に示すように、直線的に動く構成も含むものとする。
第1センサアッセンブリ4は、基板10Aの右上の隅近傍に設けられる。第1センサアッセンブリ4は、インクリボン9の搬送経路Rの長さを変えることでインクリボン9の張力を維持するテンションアームとしての機能と、テンションアームの位置を検知する位置センサとしての機能とを有する。なお、テンションアームとは、所定の支点を中心に回動する構成だけで無く、図1に示すように、直線的に動く構成も含むものとする。
図3は、印刷装置の第1センサアッセンブリの動作を示す図である。ここで、図1及び図3を参照して、第1センサアッセンブリ4が有するテンションアームの構成の例と、位置センサの構成の例と説明する。ただし、テンションアーム及び位置センサの各機能を実現する構成は、この例に限定されるものではない。
図3に示すように、第1センサアッセンブリ4は、第1規制部40(図1参照)、第1支持部41、第1ガイド軸42、第1磁石43、第1磁気センサ44、及び、第1ばね45を備える。
第1規制部40、第1支持部41、第1ガイド軸42、第1ばね45によってテンションアーム4Aが構成され、第1磁石43及び第1磁気センサ44によって位置センサ4Bが構成される。
第1支持部41は、基板10Aの後側に、上下方向に移動可能に支持される。第1ガイド軸42は円柱状であり、後述する第1規制部40を通過して第1支持部41の前面から前側に向けて延びる。第1ガイド軸42は、基板10Aの前面よりも前側に突出する。第1ガイド軸42は、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。図1に示すように、第1規制部40は、第1ガイド軸42の左右方向の移動を禁止し、第1ガイド軸42の上下方向の移動を所定範囲内に規制する。第1規制部40は、例えば、基板10Aに設けられた上下方向に延びる長孔である。図3に示すように、第1ガイド軸42は、第1支持部41が上下方向に移動することに応じ、上端の基準位置O(1)から、下端の最大位置Lm(1)までの間を上下方向に移動可能である。基準位置O(1)から下側にLs(1)離隔した位置を、参照位置Ls(1)と定義する。
第1磁石43は、第1支持部41の後面から後側に向けて延びる。第1磁石43は永久磁石である。第1ガイド軸42及び第1磁石43は、第1支持部41の移動に応じて上下方向に移動可能である。
第1磁気センサ44は、基板10Aの後面から後側に延びる基板10Bに設けられる。第1磁気センサ44は、第1磁石43の下側に対向する。第1磁気センサ44は、第1磁石43の磁力を検出するためのもので、例えばホール素子によって構成される。第1磁気センサ44によって検出される磁力の大きさは、第1磁石43が上下方向に移動することに応じて変化する。第1ばね45はコイルばねである。第1ばね45の一端部は、第1支持部41の上面に接続される。第1ばね45の他端部は、基板10Aの後面から後側に延びる基板10Cに接続される。第1ばね45は、第1支持部41、第1ガイド軸42、及び、第1磁石43を上側に付勢する引張ばねである。第1ばね45のばね定数を、「k」と表記する。
図1に示すように、第1ガイド軸42の周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、第1スプール21に装着された供給ロール9Aから右斜め上側に向けて延び、第1ガイド軸42に接触して方向を変え、後述するガイド軸61まで下側に延びる。
第1ガイド軸42には、インクリボン9の張力に応じた下向きの力が作用する。より詳細には、第1ガイド軸42には、第1ガイド軸42から供給ロール9Aに向けて延びるインクリボン9の張力の下方向の成分と、第1ガイド軸42からガイド軸61に向けて延びるインクリボン9の張力との合力が、下方向に作用する。第1ガイド軸42は、張力と第1ばね45の付勢力とが釣り合う状態で停止する。図3に示すように、インクリボン9の張力に応じて第1ガイド軸42に作用する下向きの力Fが小さい程、第1ガイド軸42は第1ばね45の付勢力によって上側に移動する。インクリボン9の張力に応じて第1ガイド軸42に作用する下向きの力Fが大きい程、第1ガイド軸42及び第1磁石43は第1ばね45の付勢力に逆らって下側に移動する。
つまり、インクリボン9の搬送経路Rの長さは、インクリボン9に作用する張力の大きさに応じて変化する。第1磁気センサ44は、第1磁石43の上下方向の位置に応じて変化する磁力を検出する。つまり、第1磁気センサ44によって検出される磁力は、搬送経路Rの長さに応じて変化する。したがって、第1磁気センサ44は、搬送経路Rに設けられ、搬送されるインクリボン9の張力(リボンテンション)を検出する張力センサとして機能する(荷重検出手段に相当)。第1センサアッセンブリ4は、第1磁気センサ44によって検出される磁力に応じた値を示す信号を、制御部7(図2参照)に出力する。制御部7は、出力された信号に基づき、第1ガイド軸42の基準位置O(1)を基準とした場合の上下方向の位置を特定できる。
<ガイド軸>
図1に示すように、ガイド軸61は、基板10Aの右下の隅近傍に設けられる。ガイド軸61は円柱状であり、基板10Aの前面から前側に向けて延びる。ガイド軸61は、例えば、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。ガイド軸61の周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、第1センサアッセンブリ4の第1ガイド軸42から下側に向けて延び、ガイド軸61に接触して方向を変え、後述するサーマルヘッド3まで左側に向けて延びる。
図1に示すように、ガイド軸61は、基板10Aの右下の隅近傍に設けられる。ガイド軸61は円柱状であり、基板10Aの前面から前側に向けて延びる。ガイド軸61は、例えば、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。ガイド軸61の周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、第1センサアッセンブリ4の第1ガイド軸42から下側に向けて延び、ガイド軸61に接触して方向を変え、後述するサーマルヘッド3まで左側に向けて延びる。
<サーマルヘッド>
サーマルヘッド3は、前後方向において基板10Aの前面よりも前側に設けられる。又、サーマルヘッド3は、基板10Aの左右方向略中央、且つ、第1スプール21及び第2スプール22よりも下側に設けられる。
サーマルヘッド3は、前後方向において基板10Aの前面よりも前側に設けられる。又、サーマルヘッド3は、基板10Aの左右方向略中央、且つ、第1スプール21及び第2スプール22よりも下側に設けられる。
サーマルヘッド3は、前後方向に直線状に並んだ複数の発熱素子を有し、当該発熱素子は、インクリボン9を加熱する。サーマルヘッド3は、搬送経路Rに隣接する。そのため、サーマルヘッド3、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、ガイド軸60に沿ってインクリボン9が搬送される場合、サーマルヘッド3は、インクリボン9に隣接する。
印刷装置1を用いて印刷を行う場合、サーマルヘッド3は、印刷位置3Aと印刷待機位置3Bとの間を上下方向に移動可能である。印刷位置3Aは、サーマルヘッド3の下端部がプラテンローラQ(後述)に接する位置である。印刷待機位置3Bは、サーマルヘッド3の下端部がプラテンローラQから離隔し、左右方向に延びるインクリボン9に接触又は近接する位置である。印刷位置3Aと印刷待機位置3Bとの間を移動するサーマルヘッド3は、サーマルヘッド3が印刷待機位置3Bに配置された時のインクリボン9の搬送経路Rと交差する。即ち、サーマルヘッド3が搬送経路Rに隣接するとは、印刷位置3Aと印刷待機位置3Bとの間を移動するサーマルヘッド3の移動経路と、搬送経路Rとが交わることを意味する。
また、サーマルヘッド3は、ヘッド支持機構31(ヘッド支持手段に相当)により、インクリボン9の幅方向中心線(図示省略)に沿う基準軸kまわりに揺動可能に支持されている。ヘッド支持機構31は、第3モータ83(図2参照)によって駆動されるヘッド進退機構32(ヘッド進退手段に相当)により、インクリボン9の上記搬送経路Rに対して進退する。結果として、第3モータ83は、上記ヘッド進退機構32を介しサーマルヘッド3を上下方向に移動させることになる。なお、供給ロール9A及び巻取ロール9Bを印刷装置1に着脱する場合、サーマルヘッド3は、印刷待機位置3Bよりも上側の非図示の退避位置に移動される。
サーマルヘッド3が印刷位置3Aに配置された場合、インクリボン9の搬送経路Rは、ガイド軸61から左側に向けて延び、サーマルヘッド3の下端部に接触して方向を変え、後述するガイド軸62に向けて左斜め上側に延びる。第1スプール21及び第2スプール22が回転することに応じ、インクリボン9は、ガイド軸61とサーマルヘッド3との間を左右方向に移動する。
<ガイド軸>
ガイド軸62、63は、それぞれ円柱状であり、基板10Aの前面から前側に向けて延びる。ガイド軸62、63は、それぞれ、例えば、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。ガイド軸62は、基板10Aのうち、印刷待機位置3Bに配置されたサーマルヘッド3の下端部に対して左斜め上側、言い換えれば、退避位置に配置されたサーマルヘッド3の下端部に対して左斜め下側の位置に設けられる。ガイド軸63は、基板10Aの左下の隅近傍に設けられる。ガイド軸62、63のそれぞれの周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、印刷位置3Aに配置されたサーマルヘッド3の下端部から左斜め上側に向けて延び、ガイド軸62に接触して方向を変え、ガイド軸63に向けて左斜め上側に延びる。インクリボン9の搬送経路Rは更に、ガイド軸63に接触して方向を変え、後述する第2センサアッセンブリ5の第2ガイド軸52に向けて上側に延びる。
ガイド軸62、63は、それぞれ円柱状であり、基板10Aの前面から前側に向けて延びる。ガイド軸62、63は、それぞれ、例えば、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。ガイド軸62は、基板10Aのうち、印刷待機位置3Bに配置されたサーマルヘッド3の下端部に対して左斜め上側、言い換えれば、退避位置に配置されたサーマルヘッド3の下端部に対して左斜め下側の位置に設けられる。ガイド軸63は、基板10Aの左下の隅近傍に設けられる。ガイド軸62、63のそれぞれの周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、印刷位置3Aに配置されたサーマルヘッド3の下端部から左斜め上側に向けて延び、ガイド軸62に接触して方向を変え、ガイド軸63に向けて左斜め上側に延びる。インクリボン9の搬送経路Rは更に、ガイド軸63に接触して方向を変え、後述する第2センサアッセンブリ5の第2ガイド軸52に向けて上側に延びる。
<第2センサアッセンブリ>
第2センサアッセンブリ5は、基板10Aの左上の隅近傍に設けられる。第2アッセンブリ5は、第2ガイド軸52とその回転を検出する速度センサ52Aを有する。ここで説明する構成は一例であり、限定されるものではない。
第2センサアッセンブリ5は、基板10Aの左上の隅近傍に設けられる。第2アッセンブリ5は、第2ガイド軸52とその回転を検出する速度センサ52Aを有する。ここで説明する構成は一例であり、限定されるものではない。
図1に示すように、第2ガイド軸52の周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、ガイド軸63から上側に向けて延び、第2ガイド軸52に接触して方向を変え、巻取ロール9Bまで右斜め下側に延びる。
第2ガイド軸52には、第2ガイド軸52の回転速度を検出可能な速度センサ52A(図2参照)が設けられる。なお、第2センサアッセンブリ5の第1ガイド軸42にも、同様の速度センサが配置されてもよい。
<印刷装置の電気的構成>
次に、図2を参照して、印刷装置の電気的構成について説明する。図2は、印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
次に、図2を参照して、印刷装置の電気的構成について説明する。図2は、印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
印刷装置1は、電気的構成として、既に説明した第1センサアッセンブリ4及び第2センサアッセンブリ5に加えて、制御部7と、記憶部71と、通信I/F72と、第1モータ81と、第2モータ82と、第3モータ83と、を備える。
<制御部及び記憶部>
制御部7は、印刷装置1を制御するCPUと、CPUの指示に応じて動作する各種の駆動回路とを含む。各種の駆動回路は、例えば、モータ80(第1モータ81、第2モータ82、第3モータ83)に信号(例えば、駆動電流)を供給するための回路、サーマルヘッド3に信号(例えば、駆動電流)を供給するための回路、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、速度センサ52Aを駆動すると共に受信した出力信号のA/D変換を行うための回路などを含む。制御部7は、記憶部71、サーマルヘッド3、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、モータ80(第1モータ81、第2モータ82、第3モータ83)、速度センサ52A、及び、通信I/F72と、非図示のインターフェース回路を介して電気的に接続する。
制御部7は、印刷装置1を制御するCPUと、CPUの指示に応じて動作する各種の駆動回路とを含む。各種の駆動回路は、例えば、モータ80(第1モータ81、第2モータ82、第3モータ83)に信号(例えば、駆動電流)を供給するための回路、サーマルヘッド3に信号(例えば、駆動電流)を供給するための回路、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、速度センサ52Aを駆動すると共に受信した出力信号のA/D変換を行うための回路などを含む。制御部7は、記憶部71、サーマルヘッド3、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、モータ80(第1モータ81、第2モータ82、第3モータ83)、速度センサ52A、及び、通信I/F72と、非図示のインターフェース回路を介して電気的に接続する。
また、制御部7は、インクリボン9を特定する構成として、図2に示すように、リボン直径測定部75と、負荷付与部76と、切断検出部77と、リボン特定部78と、制御テンション決定部79とを有する。これらの構成については詳しく後述する。
記憶部71は、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の各種記憶媒体を含む。記憶部71には、制御部7が実行する処理のプログラムが記憶される。記憶部71には、印刷データ、幅情報、印刷設定情報、規定回数、リボンアッセンブリ90のインクリボン9の全長、供給初期直径、巻取初期直径、及び、媒体速度Vが記憶される。更に、記憶部71には、後述するインクリボン特定相関及び制御テンション決定相関が記憶され、その他、制御部7が各処理を行う際のデータ等も記憶される。未使用状態のリボンアッセンブリ90が使用される場合、供給初期直径として、未使用状態における供給ロール9Aの直径が設定され、巻取初期直径として、芯軸90Bの直径が設定される。未使用状態における供給ロール9Aの直径、及び、芯軸90Bの直径は、印刷装置1の操作部(非図示)を介して受け付けたユーザ入力によって設定されてもよい。あるいは、速度センサ52Aによって検出された回転速度と、第1モータ81及び第2モータ82の回転速度との比較から、後述するリボン直径測定部75によって、未使用状態における供給ロール9Aの直径、及び、芯軸90Bの直径が計算されてもよい。供給ロール9A及び巻取ロール9Bのそれぞれの直径が算出された場合、算出された直径によって、供給初期直径及び巻取初期直径が更新される。
媒体速度Vは、例えば、通信I/F72を介して、外部機器100から一定間隔で受信される。制御部7は、受信した媒体速度Vを、記憶部71に記憶する。或いは、印刷装置1が印刷媒体Pの速度を計測する速度センサ(非図示)を備え、その速度センサからの出力に基づいて媒体速度Vが決定され、記憶部71に記憶されてもよい。記憶部71に記憶される印刷データは、外部機器100から通信I/F72を介して受信されてもよい。制御部7は、受信された印刷データを記憶部71に記憶してもよい。
<その他の電気的構成>
サーマルヘッド3は、例えば、一列に整列した複数の発熱素子を有するラインサーマルヘッドである。複数の発熱素子のそれぞれは、制御部7から出力される信号に応じて選択的に発熱する。
サーマルヘッド3は、例えば、一列に整列した複数の発熱素子を有するラインサーマルヘッドである。複数の発熱素子のそれぞれは、制御部7から出力される信号に応じて選択的に発熱する。
モータ80としては、例えば、ステップモータ(ステッピングモータともいう)、DC(直流)モータ、AC(交流)モータなど、様々なモータが使用可能である。本実施形態では一例として、モータ80が、パルス信号に同期して回転するステップモータである場合について説明する。第1モータ81及び第2モータ82として、共通する仕様のモータが使用される。第1モータ81は、制御部7から出力されるパルス信号に応じて、第1スプール21を回転させる。第2モータ82は、制御部7から出力されるパルス信号に応じて、第2スプール22を回転させる。第3モータ83は、制御部7から出力されるパルス信号に応じて回転して、ヘッド進退機構32を進退させることで、サーマルヘッド3を、印刷位置3A(図1参照)、印刷待機位置3B(図1参照)、及び、非図示の退避位置の間で移動させる。
第1センサアッセンブリ4は、第1ガイド軸42(図1参照)の位置に応じた値を示す信号を制御部7に出力する。第2センサアッセンブリ5は、第2ガイド軸52(図1参照)の位置に応じた信号を制御部7に出力する。
速度センサ52Aは、例えば、第2ガイド軸52の回転量を示す信号を制御部7に出力する回転センサである。具体的に、第2ガイド軸52は、第2ガイド軸52とインクリボン9との間に働く摩擦力によって、インクリボン9の搬送に追随して回転可能に構成される。一方、速度センサ52Aとして、例えばエンコーダが使用可能である。より具体的には、速度センサ52Aは、例えば、第2ガイド軸52と一体に回転する永久磁石と、基板10Aに設けられたホール素子などの磁気センサとで構成される。磁気センサが検出する永久磁石からの磁力に基づいて、第2ガイド軸52の回転量が検知される。回転量を時間で割ることで、回転速度が特定される。第2ガイド軸52の径は既知のため、第2ガイド軸52の回転量又は回転速度から、インクリボン9の回転量又は回転速度が特定される。
通信I/F72は、印刷装置1に接続される外部機器100との間で通信を行なうためのインターフェース素子である。外部機器100は、ユーザが印刷装置1に対して様々な指示を行うために使用される端末機器である。
制御部7によって実行されるプログラムは、例えば、外部機器100から通信I/F72を介してダウンロードされてもよい。制御部7は、通信I/F72を介して外部機器100から取得したプログラムを、記憶部71に記憶してもよい。記憶部71に記憶される各種情報は、外部機器100を介して変更可能としてもよい。
<印刷装置による印刷動作>
図1に示すように、印刷媒体Pは、所定の搬送速度(以下、「媒体速度V」という。)で所定の方向Dに搬送される。印刷装置1は、印刷媒体Pの印刷面(図1における上側の面)に印刷装置1の下端が対向する位置、且つ、印刷装置1の右側から左側に向かう方向が方向Dと一致する向きで、印刷媒体Pに近接して配置される。印刷媒体Pに対して印刷装置1と反対側に、プラテンローラQが配置される。
図1に示すように、印刷媒体Pは、所定の搬送速度(以下、「媒体速度V」という。)で所定の方向Dに搬送される。印刷装置1は、印刷媒体Pの印刷面(図1における上側の面)に印刷装置1の下端が対向する位置、且つ、印刷装置1の右側から左側に向かう方向が方向Dと一致する向きで、印刷媒体Pに近接して配置される。印刷媒体Pに対して印刷装置1と反対側に、プラテンローラQが配置される。
印刷装置1による印刷動作が開始される。第1モータ81及び第2モータ82が駆動し、第1スプール21及び第2スプール22が回転する。リボンアッセンブリ90の芯軸90A、芯軸90Bは、それぞれ正転方向に回転する。インクリボン9は、第1スプール21の供給ロール9Aから繰り出され、第2スプール22の巻取ロール9Bに巻き取られる。インクリボン9のうち印刷媒体Pと接触する部分は、左側に搬送される。
インクリボン9の搬送速度(以下、「リボン速度v」という。)が所定速度まで上昇した場合、サーマルヘッド3は、印刷待機位置3Bから印刷位置3Aに移動する。サーマルヘッド3は、インクリボン9及び印刷媒体Pを介してプラテンローラQに上側から接する。インクリボン9は、サーマルヘッド3の移動に応じて印刷媒体Pの印刷面に押しつけられる。プラテンローラQは、印刷媒体Pのうち印刷面と反対側の面に接触し、インクリボン9及び印刷媒体Pをサーマルヘッド3に押しつける。なお、上記の所定速度として、印刷媒体Pの媒体速度Vと同一速度、又は、媒体速度Vよりも僅かに小さい速度が設定される。
記憶部71に記憶された印刷データに基づいて、サーマルヘッド3が加熱される。図4は、印刷装置による印刷動作の概要を示す図である。図4(a)に示すように、インクリボン9の所定領域91のインクは、印刷データに応じて印刷媒体Pの印刷面に転写される。以上によって、1ブロック分の印刷イメージG1が印刷媒体Pに形成される。なお、印刷イメージGの印刷中において、印刷媒体P及びインクリボン9は継続して搬送される。なお、理解を容易とするため、図4では、インクリボン9及び印刷媒体Pが直線状に示され、且つ、それぞれが互いに離隔する。しかし実際には、インクリボン9及び印刷媒体Pは曲折する場合がある。又、インクリボン9及び印刷媒体Pは、少なくともサーマルヘッド3がインクリボン9に接触する位置で、互いに接触する。
印刷イメージG1が形成された後、サーマルヘッド3の加熱は停止される。図4(b)に示すように、サーマルヘッド3は、印刷位置3Aから印刷待機位置3B(図1参照)に移動する。第1モータ81及び第2モータ82の駆動は停止し、インクリボン9の搬送は停止される。以上によって、印刷イメージG1の印刷動作が完了する。なお、印刷媒体Pは、媒体速度Vで継続して搬送される。
印刷媒体Pが所定距離L搬送された後、次の1ブロック分の印刷動作が開始される。図4(c)に示すように、第1スプール21及び第2スプール22が駆動し、インクリボン9は搬送される。サーマルヘッド3は、印刷待機位置3Bから印刷位置3Aに移動する。サーマルヘッド3は、印刷位置3Aに移動した後加熱され、インクリボン9の所定領域92のインクが印刷媒体Pの印刷面に転写される。以上によって、印刷イメージG2が印刷媒体Pに形成される。印刷イメージG2が形成された後、サーマルヘッド3の加熱は停止される。図4(d)に示すように、サーマルヘッド3は、印刷位置3Aから印刷待機位置3B(図1参照)に移動する。インクリボン9の搬送は停止される。以上によって、印刷イメージG2の印刷動作が完了する。次の1ブロック分(印刷イメージG3)の印刷(図4(e)参照)の説明は省略する。
印刷装置1は、印刷動作中にインクリボン9が搬送される状態(図4(a)(c)(e)、「搬送状態」という。)と、連続する2つの印刷動作の間でインクリボン9の搬送が停止される状態(図4(b)(d)、「停止状態」という。)とを交互に切り替えながら印刷を行う。ここで、第1モータ81及び第2モータ82は加減速に時間を要する。従って、図4(f)に示すように、1ブロック分の印刷動作が完了してから、次の1ブロック分の印刷動作が開始されるまでの時間(「サイクル時間Ts」という。)には、停止状態における時間に加えて、搬送状態と停止状態との間の遷移に要する時間(「遷移時間Tt」という。)が含まれる。
印刷装置1は、上記の1ブロック分ずつの印刷動作を、記憶部71に記憶された規定回数繰り返す。これによって、印刷イメージG1、G2、G3・・・が印刷媒体Pに形成される。
<印刷装置による印刷態様>
図5を参照し、印刷装置1の印刷態様の具体例について説明する。図5は、印刷装置による印刷態様の概要を示す図である。
図5を参照し、印刷装置1の印刷態様の具体例について説明する。図5は、印刷装置による印刷態様の概要を示す図である。
図5において、インクリボン9が搬送される方向を「搬送方向」といい、搬送方向と直交する方向を「幅方向」という。搬送方向は、インクリボン9の延びる方向と一致し、副走査方向に対応する。幅方向は、インクリボン9の幅に沿った方向と一致し、主走査方向に対応する。なお、サーマルヘッド3の複数の発熱素子の整列方向は、主走査方向と一致する。
図5は、1ブロック分の印刷イメージとして文字列「賞味期限:2016.09.15」を印刷する場合を例示する。インクリボン9の複数の所定領域96は、文字列を印刷するために1つずつサーマルヘッド3によって順番に加熱される。サーマルヘッド3による加熱後、印刷媒体Pは搬送方向の一方側に所定距離L搬送される。これらの処理が繰り返されることによって、印刷媒体Pには、印刷イメージG1、G2、G3が搬送方向に所定距離Lを空けてそれぞれ印刷される。印刷イメージG1、G2、G3のそれぞれの搬送方向の位置は相違する。
インクリボン9の複数の所定領域96は、インクリボン9の搬送方向に沿って1列に配列される。つまり、複数の所定領域96は、それぞれ、インクリボン9に対して幅方向に1つのみ配置し、幅方向に複数並列して配置しない。所定領域96の幅方向の長さを、「印刷幅」といい、「wa」(mm)と表記する。サーマルヘッド3の幅方向の長さを、「ヘッド幅」といい、「wb」(mm)と表記する。使用されるリボンアッセンブリ90のインクリボン9のリボンアッセンブリ90のインクリボン9の幅方向の寸法(長さ)を、「リボン幅」といい、「w」(mm)と表記する。
<印刷装置による第1モータと第2モータの駆動>
例えば第1モータ81と第2モータ82を速度制御する場合、制御部7は、インクリボン9に適正な張力(リボンテンション)を発生させながらインクリボン9を搬送するために、適正な速度で第1モータ81と第2モータ82とを駆動させる。インクリボン9に発生させる適正な張力は、インクリボン9の質量によって異なる。そこで、制御部7は、リボンの幅方向の寸法又は種類(例えば、厚みや材質が異なる種類)に応じて適正な張力を算出して、第1モータ81と第2モータ82とを駆動させる。
例えば第1モータ81と第2モータ82を速度制御する場合、制御部7は、インクリボン9に適正な張力(リボンテンション)を発生させながらインクリボン9を搬送するために、適正な速度で第1モータ81と第2モータ82とを駆動させる。インクリボン9に発生させる適正な張力は、インクリボン9の質量によって異なる。そこで、制御部7は、リボンの幅方向の寸法又は種類(例えば、厚みや材質が異なる種類)に応じて適正な張力を算出して、第1モータ81と第2モータ82とを駆動させる。
この際、異なる複数種類のインクリボン9が印刷装置1には使用され得るが、本実施形態に係る印刷装置1は、制御部7及び関連の構成において、低コストかつ簡便な構成で、インクリボン9を特定することができる。
以上の基本構成において、本実施形態の要部は、インクリボンを特定する構成にある。以下、その詳細について順を追って説明する。
<インクリボン特定に係る構成>
本実施形態に係る印刷装置1は、インクリボン9に荷重(テンション)がかけられた際の延び挙動が、インクリボン9の幅方向の寸法又はインクリボン9の厚みや材質などの種類によって異なることを利用して、インクリボン9を特定し、インクリボン9に適したテンション(「制御テンションfd」という。)を決定して、その制御テンションfdがインクリボン9にかかるようにモータ80を駆動させることができる。
本実施形態に係る印刷装置1は、インクリボン9に荷重(テンション)がかけられた際の延び挙動が、インクリボン9の幅方向の寸法又はインクリボン9の厚みや材質などの種類によって異なることを利用して、インクリボン9を特定し、インクリボン9に適したテンション(「制御テンションfd」という。)を決定して、その制御テンションfdがインクリボン9にかかるようにモータ80を駆動させることができる。
以下、図6〜図8を参照して、印刷装置1によるインクリボン9の特定に係る構成について説明する。図6は、印刷装置によるインクリボン特定の概要を示す図である。図7は、印刷装置におけるインクリボン特定相関(第1相関の一例)を示す図である。図8は、印刷装置における制御テンション決定相関を示す図である。
なお、以下では、説明の便宜上、インクリボン9の厚みや材質などの種類は固定されており、リボン幅wが特定される場合について説明する。また、荷重がかけられた際のインクリボン9の延び挙動として、インクリボン9が「切断」されることを例に上げて説明する。
印刷装置1が有する制御部7は、インクリボン9を特定する構成として、図2に示すように、リボン直径測定部75と、負荷付与部76と、切断検出部77と、リボン特定部78と、制御テンション決定部79とを有する。これらの各構成について説明する。
<リボン直径測定部>
リボン直径測定部75は、供給ロール9Aの直径及び巻取ロール9Bの直径を測定する。ここでリボン直径測定部75として、公知の適宜の手法で直径を測定(算出)することが可能であるため、リボン直径測定部75の詳しい説明は省略する。
リボン直径測定部75は、供給ロール9Aの直径及び巻取ロール9Bの直径を測定する。ここでリボン直径測定部75として、公知の適宜の手法で直径を測定(算出)することが可能であるため、リボン直径測定部75の詳しい説明は省略する。
一方、本実施形態に係る印刷装置1は、インクリボン9のリボン幅wを決定し、当該リボン幅wに応じた最適な張力である制御テンションfdがインクリボン9にかかるように、第1モータ81及び第2モータ82等を制御する。制御部7は、制御テンションfdがインクリボン9に与えられるように、供給ロール9A及び巻取ロール9Bのそれぞれの直径に応じて、第1モータ81及び第2モータ82の最適な速度を決定して、第1モータ81及び第2モータ82を駆動する。なお、第1モータ81及び第2モータ82がトルク制御される場合、制御部7は、それぞれの直径に応じて、第1モータ81及び第2モータ82の適正なトルクを決定して、第1モータ81及び第2モータ82を駆動してもよい。
なお、未使用状態のリボンアッセンブリ90が使用される場合、リボン直径測定部75は、記憶部71に記憶された供給初期直径及び巻取初期直径を、供給ロール9A及び巻取ロール9Bのそれぞれの直径として、取得してもよい。また、このリボン直径測定部75は、必ずしも備えられなくてもよく、例えば、張力センサとしての第1磁気センサ44等が検出した張力に応じて、第1モータ81及び第2モータ82等を制御することで、制御テンションfdをインクリボン9にかけることも可能である。
<負荷付与部>
負荷付与部76は、供給ロール9Aから繰り出され巻取ロール9Bに至るリボン搬送経路のインクリボン9に所望の負荷を与え、インクリボン9の延びを発生させる。負荷としては、例えば、制御テンションfdよりも高いテンション(荷重)及び熱の少なくともいずれか一方がインクリボン9に与えられる。以下では説明の便宜上、負荷としてテンションがインクリボン9に与えられる場合について説明する。
負荷付与部76は、供給ロール9Aから繰り出され巻取ロール9Bに至るリボン搬送経路のインクリボン9に所望の負荷を与え、インクリボン9の延びを発生させる。負荷としては、例えば、制御テンションfdよりも高いテンション(荷重)及び熱の少なくともいずれか一方がインクリボン9に与えられる。以下では説明の便宜上、負荷としてテンションがインクリボン9に与えられる場合について説明する。
負荷としてテンションが与えられる場合、負荷付与部76は、インクリボン9にかかるテンションが徐々に増加するように、第1モータ81及び第2モータ82の速度を決定し、当該速度で第1モータ81及び第2モータ82を駆動させる。本実施形態では、第1モータ81及び第2モータ82の駆動として、負荷付与部76は、例えば、第1モータ81を励磁又はブレーキによりロックすることで、供給ロール9Aの回転を停止させた状態で、第2モータ82を回転させて、巻取ローラ9Bの回転力を増加させることで、インクリボン9のテンションを増加させる。ただし、第1モータ81及び第2モータ82の駆動方法はこの例に限定されるものではない。
インクリボン9に与えられたテンションは、第1磁気センサ44により検出される。従って、制御部7は、第1磁気センサ44の検出したテンションに応じて、当該テンションが徐々に増加するように、第1モータ81及び第2モータ82を駆動してもよい。また、負荷付与部76は、図6(a)〜図6(c)に示すように、第1モータ81及び第2モータ82の駆動に加えて、第3モータ832を駆動してサーマルヘッド3をインクリボン9に下側に押し付けることで、インクリボン9にテンションを与えてもよい。
<切断検出部>
切断検出部77は、切断検出手段の一例であって、本実施形態では、延び挙動として、インクリボン9の切断を検出する。図6(a)〜図6(c)に示すように、インクリボン9に与えられるテンションが負荷付与部76によって徐々に増加されると、インクリボン9は、荷重に耐えられなくなり切断される(図6(c)参照)。当該インクリボン9の切断を、切断検出部77は検出する。切断検出部77は、インクリボン9の切断を、例えば、速度センサ52Aの回転速度の急激な増加又は減少、第1磁気センサ44によるテンションの急激な減少、第1モータ81及び第2モータ82の電流値の変化などから、検出することが可能である。一方、切断検出部77がインクリボン9の切断を検出すると、制御部7は、当該切断したときにおいて、第1磁気センサ44が検出していた張力、つまりインクリボン9に与えられていたテンション(荷重)を取得する。
切断検出部77は、切断検出手段の一例であって、本実施形態では、延び挙動として、インクリボン9の切断を検出する。図6(a)〜図6(c)に示すように、インクリボン9に与えられるテンションが負荷付与部76によって徐々に増加されると、インクリボン9は、荷重に耐えられなくなり切断される(図6(c)参照)。当該インクリボン9の切断を、切断検出部77は検出する。切断検出部77は、インクリボン9の切断を、例えば、速度センサ52Aの回転速度の急激な増加又は減少、第1磁気センサ44によるテンションの急激な減少、第1モータ81及び第2モータ82の電流値の変化などから、検出することが可能である。一方、切断検出部77がインクリボン9の切断を検出すると、制御部7は、当該切断したときにおいて、第1磁気センサ44が検出していた張力、つまりインクリボン9に与えられていたテンション(荷重)を取得する。
<リボン特定部>
リボン特定部78は、リボン特定手段の一例であって、本実施形態では、制御部7が取得したインクリボン9が切断された際に第1磁気センサ44で検出されたテンションに応じ、インクリボン9の幅方向寸法であるリボン幅wを特定する。この際、リボン特定部78は、記憶部71に予め記憶されたインクリボン特定相関(第1相関の一例)と、切断時のテンションとに基づいて、リボン幅wを特定する。
リボン特定部78は、リボン特定手段の一例であって、本実施形態では、制御部7が取得したインクリボン9が切断された際に第1磁気センサ44で検出されたテンションに応じ、インクリボン9の幅方向寸法であるリボン幅wを特定する。この際、リボン特定部78は、記憶部71に予め記憶されたインクリボン特定相関(第1相関の一例)と、切断時のテンションとに基づいて、リボン幅wを特定する。
図7に、インクリボン特定相関の一例を示す。本実施形態のようにインクリボン9の厚みや材質などの種類が固定されている場合、インクリボン9は、リボン幅wが大きいほど、より大きなテンションに耐えることができる。図7に示すインクリボン特定相関は、例示として、PETフィルムで形成されたあるインクリボン9の引張強度をリボン幅w毎に表している。より具体的には、行方向(縦)には、インクリボン9に印加される引張荷重(テンション)(N)が表され、列方向(横)には、リボン幅w(mm)が表される。そして、行列の各セルには、対応する引張荷重が対応するリボン幅wのインクリボン9に与えられた際の単位面積当たりの荷重、つまり応力(MPa)が表される。更に、各列のリボン幅wにおいて切断が生じる応力の大きさの境目が太線で表される。つまり、図7に示すインクリボン特定相関には、リボン幅wが10mmのインクリボン9は、444MPa以上の応力(20N以上のテンション)が与えられると切断され、リボン幅wが20mmのインクリボン9は、333MPa以上の応力(30N以上のテンション)が与えられると切断されることが表されている。
そこで、記憶部71には、この切断時の応力に対応するテンション(引張荷重)と、リボン幅wとの関係が、インクリボン特定相関として記憶され、リボン特定部78は、このインクリボン特定相関と、切断された際のテンションとに基づいて、リボン幅wを特定する。より具体的には、本実施形態の例の場合、リボン特定部78は、例えば、切断時のテンションが20以上30未満であれば、リボン幅wを10mmと特定し、切断時のテンションが30以上40未満であれば、リボン幅wを20mmと特定し、切断時のテンションが40以上50未満であれば、リボン幅wを30mmと特定し、切断時のテンションが50以上60未満であれば、リボン幅wを40mmと特定し、切断時のテンションが60以上90未満であれば、リボン幅wを50mmと特定し、切断時のテンションが90以上150未満であれば、リボン幅wを80mmと特定し、切断時のテンションが150以上であれば、リボン幅wを150mmと特定する。なお、ここで例示した図7に示すインクリボン特定相関は、あくまで第1相関の一例であり、インクリボン9の厚みや材質などの種類毎に予め設定され記憶部71に記憶されてもよい。
<制御テンション決定部>
制御テンション決定部79は、予め記憶部71に記憶された制御テンション決定相関と、リボン特定部78が特定したリボン幅wとに基づいて、インクリボン9に最適なテンションである制御テンションfdを決定する。図8に、制御テンション決定相関の一例を示す。制御テンション決定相関は、リボン幅wと制御テンションfdとの対応関係を表す。従って、制御テンション決定部79は、例えば、リボン幅wが10mmの場合、制御テンションfdをf00(具体的な値は省略する)に決定する。
制御テンション決定部79は、予め記憶部71に記憶された制御テンション決定相関と、リボン特定部78が特定したリボン幅wとに基づいて、インクリボン9に最適なテンションである制御テンションfdを決定する。図8に、制御テンション決定相関の一例を示す。制御テンション決定相関は、リボン幅wと制御テンションfdとの対応関係を表す。従って、制御テンション決定部79は、例えば、リボン幅wが10mmの場合、制御テンションfdをf00(具体的な値は省略する)に決定する。
制御テンションfdが決定されると、制御部7は、通常駆動時に、当該制御テンションfdがインクリボン9に与えられるように、第1モータ81及び第2モータ82等を駆動する。なお、インクリボン9のリボン幅wを特定するにあたり、インクリボン9は切断されているため、リボン幅wが同一のインクリボン9が新たに装填された後、適切な制御テンションfdがインクリボン9に与えられることになる。この際、リボン直径測定部75により、再度供給ロール9A及び巻取ロール9Bのそれぞれの直径が測定され、当該直径と制御テンションfdとに基づいて第1モータ81及び第2モータ82の最適な速度が決定されてもよい。
<インクリボン特定に係る動作>
以上、インクリボン特定に係る構成について説明した。次に、インクリボン特定に係る動作として、上記の手法を実現するために制御部7により実行される制御手順の例を、図9のフローチャートにより説明する。図9は、制御部により実行される制御手順を表すフローチャートである。
以上、インクリボン特定に係る構成について説明した。次に、インクリボン特定に係る動作として、上記の手法を実現するために制御部7により実行される制御手順の例を、図9のフローチャートにより説明する。図9は、制御部により実行される制御手順を表すフローチャートである。
図9に示すように、動作を開始すると、ステップS10が処理され、ステップS10では、リボン直径測定部75が、供給ロール9A及び巻取ロール9Bのそれぞれの直径を測定する。測定した各直径は、第1モータ81及び第2モータ82等の制御に使用される。
ステップS10の処理後は、ステップS20が処理され、負荷付与部76により、第1モータ81がロックされたた状態で、第2モータ82(巻取ロール9B)が駆動される。この際、インクリボン9に与えられるテンションは、徐々に増加され、当該テンションは、第1磁気センサ44により検出される。ステップS20の処理中に、切断検出部77により、インクリボン9の切断が検出されると、ステップS30が処理され、ステップS30では、制御部7により、インクリボン9が切断される際に与えられていたテンションが、第1磁気センサ44から取得されて保持する。そして、ステップS40に進む。
ステップS40では、リボン特定部78により、インクリボン9のリボン幅wが、切断時のテンションとインクリボン特定相関とに基づいて、特定される。そして、ステップS50が処理され、制御テンション決定部79により、当該リボン幅wと制御テンション決定相関とに基づいて、インクリボン9に適した制御テンションfdが決定される。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る印刷装置1は、負荷をかけてインクリボン9が延び切断されるときの特性がインクリボン9の種類やリボン幅wに応じて異なることを利用し、特定のインクリボン9に延び挙動を生じさせてそのインクリボン9を特定する。すなわち、負荷付与部76が、搬送経路Rのインクリボン9に所望の負荷を与えることで、インクリボン9に延びを発生させる。そしてインクリボン9において予め定めた特定のインクリボン9の延び挙動(本実施形態では例えばインクリボン9の切断)が実現したときに、荷重検出手段の一例である第1磁気センサ44から、そのときのインクリボン9に加わっているテンション(荷重)を検出する。そして、その検出結果に応じて、リボン特定部78によって当該インクリボン8の幅方向寸法が特定される。これにより、リボン幅wを特定する専用のセンサを新設することによるコストアップを招くことなく、インクリボンのリボン幅wを正しく検出することができる。この結果、当該リボン幅wに適合した適切かつ精度の高い張力制御(テンションコントロール)や印刷制御を確実に行うことができる。したがって、本実施形態に係る印刷装置1は、種々のインクリボン9に対して、より低コストに対応することが可能である。
以上説明したように、本実施形態に係る印刷装置1は、負荷をかけてインクリボン9が延び切断されるときの特性がインクリボン9の種類やリボン幅wに応じて異なることを利用し、特定のインクリボン9に延び挙動を生じさせてそのインクリボン9を特定する。すなわち、負荷付与部76が、搬送経路Rのインクリボン9に所望の負荷を与えることで、インクリボン9に延びを発生させる。そしてインクリボン9において予め定めた特定のインクリボン9の延び挙動(本実施形態では例えばインクリボン9の切断)が実現したときに、荷重検出手段の一例である第1磁気センサ44から、そのときのインクリボン9に加わっているテンション(荷重)を検出する。そして、その検出結果に応じて、リボン特定部78によって当該インクリボン8の幅方向寸法が特定される。これにより、リボン幅wを特定する専用のセンサを新設することによるコストアップを招くことなく、インクリボンのリボン幅wを正しく検出することができる。この結果、当該リボン幅wに適合した適切かつ精度の高い張力制御(テンションコントロール)や印刷制御を確実に行うことができる。したがって、本実施形態に係る印刷装置1は、種々のインクリボン9に対して、より低コストに対応することが可能である。
また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、インクリボン9の延び特性がリボン幅wに応じて異なることに応じ、例えば予め実測しておく等により、リボンの幅wとインクリボン9への荷重との相関であるインクリボン特定相関を求め、その相関を記憶部71に記憶しておく。そして、リボン特定部78は、インクリボン特定相関を参照することで、第1磁気センサ44の検出結果に対応するインクリボン9のリボン幅wを特定する。これにより、上述の手法によるインクリボン9のリボン幅wの検出を精度良くかつ容易に行うことができる。
更に、本実施形態に係る印刷装置1によれば、延び特性としてインクリボン9が切れたときに当該インクリボン9に加わっているテンションが検出され、その検出結果に応じて、リボン特定部78によってインクリボン8のリボン幅wを確実に特定することができる。また、インクリボン9が切断されるときのテンションが判明することで、例えば印刷中において過剰なテンションが加わることによる印刷中のインクリボン9の切断を防止し、印刷媒体を搬送するラインのダウンタイムを削減することができる。
そして更に、本実施形態に係る印刷装置1によれば、ステップモータが供給ロール9A及び巻取ロール9Bを駆動してテンションを付与していったときのインクリボン9の切断が切断検出部77によって検出され、その際に第1磁気センサ44により検出されたテンションに応じて、リボン特定手段によって当該インクリボンのリボン幅wを確実に特定することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の技術的思想の範囲は、ここで説明した実施の形態に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせなどを行うことに想到できることは明らかである。従って、これらの変更や修正、組み合わせなどの後の技術も、当然に本発明の技術的思想の範囲に属するものである。
例えば、上記実施形態では、インクリボン9の厚みや材質などの種類は一種類に固定されており、リボン幅wが特定される場合について説明した。しかしながら、この例に限定されず、例えば、印刷装置1は、リボン幅wが一種類に固定されており、インクリボン9の種類を特定し、その種類に応じた制御テンションfdを決定し、その制御テンションfdがインクリボン9にかかるようにモータ80を駆動するように構成されてもよい。この場合、図7に示したリボン幅wと切断時のテンションとの相関の代わりに、インクリボン9の種類と切断時のテンションとの相関(第2相関の一例)が、インクリボン特定相関として、記憶部71に記憶されてもよい。そして、図8に示したリボン幅wと制御テンションfdとの相関の代わりに、インクリボン9の種類と制御テンションfdとの相関が、制御テンション決定相関として、記憶部71に記憶されてもよい。そうすれば、リボン特定部78及び制御テンション決定部79は、上記実施形態と同様に、各相関を利用して、それぞれインクリボン9の種類及び制御テンションfdを特定及び決定できることになる。
また、上記実施形態では、負荷としてテンションがインクリボン9に与えられる場合について説明したが、負荷としては、熱が与えられてもよい。インクリボン9の厚みや材質などの種類及びリボン幅wによって、インクリボン9の切断される際の熱量は異なる。従って、当該種類又はリボン幅wと切断時の熱量との相関を利用して、インクリボン9の種類又はリボン幅wを特定することも可能である。この場合、熱を与える手段としては、サーマルヘッド3が使用可能である。また、切断時の熱量としては、サーマルヘッド3の駆動電力を使用することも可能である。なお、熱を加えるとしても、インクリボン9の切断を、より低いテンションで生じさせるために、サーマルヘッド3によりダミー印刷を行わせ、インクリボン9に亀裂の起点を与えてもよい。
また、上記実施形態では、荷重の検出として、第1磁気センサ44によりインクリボン9に与えられたテンションが直接検出される場合について説明したが、本発明はこの例に限定されるものではなく、間接的に荷重に対応した状態量が検出され、リボン特定部78がその状態量に応じてリボン幅wを特定してもよい。例えば、第2モータ82が定電流制御される場合、第2モータ82の回転速度は、第2モータ82の負荷、つまり主にインクリボン9のテンションによって変化する。従って、この回転速度を状態量として使用してもよい。また、例えば、第2モータ82が定回転数制御される場合、第2モータ82の消費電流も、第2モータ82の負荷、つまり主にインクリボン9のテンションによって変化する。従って、この電流値を状態量として使用してもよい。更に、これらの状態量からトルクが推定されてもよい。なお、このように状態量が使用される場合、状態量を検出する手段が、荷重検出手段の一例となる。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
但し、例えばしきい値や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
但し、例えばしきい値や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
なお、以上において、図2等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図9等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 印刷装置
3 サーマルヘッド(サーマルヘッドの一例)
4 第1センサアッセンブリ
4A テンションアーム
5 第2センサアッセンブリ
5A テンションアーム
7 制御部
9 インクリボン
9A 供給ロール(リボン供給ロールの一例)
9B 巻取ロール(リボン巻取ロールの一例)
21 第1スプール
22 第2スプール
31 ヘッド支持機構
32 ヘッド進退機構
44 第1磁気センサ(荷重検出手段の一例)
52A 速度センサ
7 制御部
71 記憶部(記憶手段の一例)
75 リボン直径測定部
76 負荷付与部(負荷付与手段の一例)
77 切断検出部(切断検出手段の一例)
78 リボン特定部(リボン特定手段の一例)
79 制御テンション決定部
81 第1モータ
82 第2モータ
90 リボンアッセンブリ
K 揺動基準軸
P 印刷媒体(受像体の一例)
Q プラテンローラ
V 媒体速度
W リボン速度
3 サーマルヘッド(サーマルヘッドの一例)
4 第1センサアッセンブリ
4A テンションアーム
5 第2センサアッセンブリ
5A テンションアーム
7 制御部
9 インクリボン
9A 供給ロール(リボン供給ロールの一例)
9B 巻取ロール(リボン巻取ロールの一例)
21 第1スプール
22 第2スプール
31 ヘッド支持機構
32 ヘッド進退機構
44 第1磁気センサ(荷重検出手段の一例)
52A 速度センサ
7 制御部
71 記憶部(記憶手段の一例)
75 リボン直径測定部
76 負荷付与部(負荷付与手段の一例)
77 切断検出部(切断検出手段の一例)
78 リボン特定部(リボン特定手段の一例)
79 制御テンション決定部
81 第1モータ
82 第2モータ
90 リボンアッセンブリ
K 揺動基準軸
P 印刷媒体(受像体の一例)
Q プラテンローラ
V 媒体速度
W リボン速度
Claims (4)
- インクリボンを供給するリボン供給ロールと、
前記リボン供給ロールから繰り出されて搬送される前記インクリボンを加熱して、受像体にインクを転写するサーマルヘッドと、
前記インクの転写後の前記インクリボンを巻き取るリボン巻取ロールと、
を有する印刷装置であって、
前記リボン供給ロールから繰り出され前記リボン巻取ロールに至るリボン搬送経路の前記インクリボンに所望の負荷を与え、前記インクリボンの延びを発生させる負荷付与手段と、
前記負荷付与手段により特定のリボン延び挙動を実現したときにおける、前記インクリボンへの荷重を検出する荷重検出手段と、
前記荷重検出手段の検出結果に応じ、前記インクリボンの幅方向寸法又は種類を特定するリボン特定手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
予め求められた、インクリボンの種々の幅方向寸法と前記荷重との第1相関、若しくは、インクリボンの種類と前記荷重との第2相関、を記憶する記憶手段を有し、
前記リボン特定手段は、
前記記憶手段に記憶された前記第1相関又は前記第2相関を参照し、前記荷重検出手段の検出結果に対応する前記インクリボンの幅方向寸法又は種類を特定する
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1又は請求項2記載の印刷装置において、
前記印刷装置は、
特定のリボン延び挙動としての前記インクリボンの切断を検出する切断検出手段をさらに有し、
前記荷重検出手段は、
前記切断検出手段により前記インクリボンの切断が検出されたときにおける、前記荷重を検出する
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項3記載の印刷装置において、
前記リボン供給ロール及び前記リボン巻取ロールを駆動する駆動力を与えるステップモータをさらに有し、
前記荷重検出手段は、
前記切断検出手段により、前記ステップモータの駆動力による前記インクリボンの切断が検出されたときにおける、前記荷重を検出する
ことを特徴とする印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017069938A JP2018171721A (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017069938A JP2018171721A (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 印刷装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018171721A true JP2018171721A (ja) | 2018-11-08 |
Family
ID=64108155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017069938A Pending JP2018171721A (ja) | 2017-03-31 | 2017-03-31 | 印刷装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018171721A (ja) |
-
2017
- 2017-03-31 JP JP2017069938A patent/JP2018171721A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8957930B2 (en) | Printing apparatus | |
JP5540653B2 (ja) | サーマルプリンターおよびその通電制御方法 | |
JP2018122504A (ja) | 印刷装置、印刷方法、及び印刷プログラム | |
US11052673B2 (en) | Printing system | |
JP2018171721A (ja) | 印刷装置 | |
JP2012076308A (ja) | サーマルプリンタ | |
JP2018165042A (ja) | 印刷装置 | |
JP2018158558A (ja) | 印刷装置 | |
JP5691347B2 (ja) | サーマルプリンタ | |
JP2022155801A (ja) | 印刷システム及び印刷方法 | |
US11440333B2 (en) | Printing system | |
JP2020128067A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2018171750A (ja) | 搬送装置、印刷装置、搬送方法、及び搬送プログラム | |
JP2018165187A (ja) | ロール状媒体搬送装置 | |
JP2022155805A (ja) | 印刷システム及び印刷方法 | |
JP2018167481A (ja) | 印刷装置、印刷プログラム、及び印刷方法 | |
JP2013028004A (ja) | 記録装置および記録媒体の搬送制御方法 | |
JP5850455B2 (ja) | 印刷装置 | |
JP2022087310A (ja) | 印刷システム | |
JP2001199091A (ja) | 熱転写プリンタ | |
JP2018140592A (ja) | 印刷装置 | |
JP2019055532A (ja) | 印刷装置、印刷プログラム、及び印刷方法 | |
JP2018167478A (ja) | 印刷装置、印刷プログラム、及び印刷方法 | |
JP2008183769A (ja) | プリンタ | |
JP2018090414A (ja) | 印刷装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20200219 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20200219 |