JP2018165042A - 印刷装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】種々の幅のインクリボンに対して、より低コストに対応することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置1は、インクリボン9を加熱しインクを転写するサーマルヘッド3を揺動可能に支持するヘッド支持機構31と、サーマルヘッドを進退させるヘッド進退機構32と、サーマルヘッドの揺動角度を検出する揺動センサと、サーマルヘッドがインクリボン9に当接した引き出し量を検出する第1磁気センサ44及び速度センサ52Aと、揺動角度と引き出し量との少なくとも一方に応じインクリボンの幅方向寸法を決定するリボン幅決定部と、を有する。
【選択図】図1
【解決手段】印刷装置1は、インクリボン9を加熱しインクを転写するサーマルヘッド3を揺動可能に支持するヘッド支持機構31と、サーマルヘッドを進退させるヘッド進退機構32と、サーマルヘッドの揺動角度を検出する揺動センサと、サーマルヘッドがインクリボン9に当接した引き出し量を検出する第1磁気センサ44及び速度センサ52Aと、揺動角度と引き出し量との少なくとも一方に応じインクリボンの幅方向寸法を決定するリボン幅決定部と、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、印刷装置に関する。
例えば、特許文献1には、インクリボン(インクシートともいう。)を加熱して印刷を行う熱転写型の印刷装置が開示されている。印刷装置では、サーマルプリンタに用いられる感熱性のインクリボンが供給ロールに巻回されており、そのインクリボンが巻取ロールで巻き取られることによって、インクリボンが搬送される。巻取ロールはモータによって駆動される。このような印刷装置では、巻取ロールを駆動するモータが、インクリボンに適正な張力を作用させることが望まれる。
印刷装置においては、受像体の種類に応じて、種々の幅のインクリボンが使い分けられる。その際、インクリボンの幅方向寸法の大小によって、搬送負荷に基づく搬送制御(例えばトルク制御)の態様が異なることがあり、またサーマルヘッドによる印字制御(例えば印字幅制御)の態様が異なることがある。したがって、適切な搬送制御・印字制御を行うためには、インクリボンの幅方向寸法を正しく検出することが望ましい。しかしながら、上記インクリボンの幅方向寸法を検出するための幅検出センサを別途設けると、製造時のコストアップの要因となる。
本発明の目的は、種々の幅のインクリボンに対して、より低コストに対応可能な印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明は、インクリボンを供給するリボン供給ロールと、上記リボン供給ロールから繰り出されて搬送される上記インクリボンを加熱して、受像体にインクを転写するサーマルヘッドと、上記インクの転写後の上記インクリボンを巻き取るリボン巻取ロールと、を有する印刷装置であって、上記サーマルヘッドを、上記搬送されるインクリボンの幅方向中心線に沿う基準軸まわりに揺動可能に支持するヘッド支持手段と、上記サーマルヘッドを、上記搬送されるインクリボンに対して進退させるヘッド進退手段と、上記ヘッド支持手段により支持される上記サーマルヘッドの揺動角度を検出する角度検出手段と、上記ヘッド進退手段により上記サーマルヘッドがインクリボン側へ前進し上記インクリボンに当接したときの、上記リボン供給ロール及び上記リボン巻取ロールからの上記インクリボンの引き出し量を検出する引き出し量検出手段と、上記角度検出手段により検出された上記揺動角度と上記引き出し量検出手段により検出された上記引き出し量とのうち、少なくとも一方に応じて、上記インクリボンの上記幅方向の寸法を決定するリボン幅決定手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、種々の幅のインクリボンに対して、より低コストに対応することができる。
<関連技術の説明>
本発明の実施の形態(以下「本実施形態」という。)に係る印刷装置について詳細に説明する前に、印刷装置におけるインクリボンの幅について簡単に説明する。
本発明の実施の形態(以下「本実施形態」という。)に係る印刷装置について詳細に説明する前に、印刷装置におけるインクリボンの幅について簡単に説明する。
印刷装置は、インクリボンに適正な張力を発生させながらインクリボンを搬送するために、適正なトルクでモータを駆動させる。また、印刷装置において、インクリボンが所定速度で搬送される状態(「搬送状態」という。)と搬送が停止された状態(「停止状態」という。)とを、交互に切り換えながら印刷が行われる場合がある。
具体例として、(1)サーマルヘッドによるインクリボンの加熱が、インクリボンが搬送状態の時に実行される場合(所謂、連続印字)、及び、(2)インクリボンが停止状態において、サーマルヘッドをインクリボンの長手方向に沿って移動しながらサーマルヘッドによるインクリボンの加熱が実行される場合(所謂、間欠印字)がある。
(1)の連続印字の場合、インクリボンが加熱されない間は印字が行われない。このため、インクリボンの消費量を削減するために、インクリボンが加熱されない間、インクリボンは停止状態とされるのが望ましい。また、(2)の間欠印字の場合、通常、サーマルヘッドが移動する間インクリボンは停止状態とされる。何れの場合も、1の印刷が完了してから次の印刷を開始するまでの時間(「サイクル時間」という。)を短縮するために、停止状態と搬送状態との間の遷移に要する時間(「遷移時間」という)は短い方が好ましい。
また、モータが発生すべき適正なトルクは、巻回されたインクリボン(以下、「リボンロール」という。)の質量によって異なるが、印刷装置においては、幅の異なる複数のインクリボンが使用される場合がある。
リボンロールの径を共通とした場合でも、それぞれのインクリボンの幅に応じてリボンロールの質量は変化する。更に、モータが脱調せずにインクリボンを駆動可能なトルク(「適正トルク」という。)で駆動される場合に許容される加速度の上限は、リボンロールの質量が大きい程小さくなる。つまり、適正トルクでモータが駆動される場合、インクリボンの幅が小さくなる程モータの加速度を大きくできる。なお、モータの加速度が大きい程、遷移時間を短縮できる。
しかし、使用されるインクリボンの幅が未定の場合、幅に関わらずモータが脱調せずにインクリボンを駆動可能なように、モータの加速度は常に幅の最も大きいインクリボンを想定して設定される必要がある。この場合、実際にはモータの加速度を大きくして遷移時間を短縮できるにも関わらず、小さい加速度でモータが駆動され、サイクル時間を短縮することが難しい場合がある。
なお、インクリボンの幅を検出可能な場合、検出された幅に応じた適切な加速度でモータを駆動することも考えられる。しかし、インクリボンの幅を検出するための幅検出センサを別途設けると、製造時のコストアップの要因となる。
これに対して、本実施形態に係る印刷装置は、サーマルヘッドがインクリボンを押圧するときの挙動に応じて、インクリボンの幅方向寸法を決定(推定)することができる。したがって、種々の幅のインクリボンに対して、より低コストに対応することができる。
以下に添付図面を参照して、本実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面では、実質的に同一の機能を有する構成要素は、原則として同一の符号で表す。そして、これらの構成要素についての重複説明は、適宜省略する。
<印刷装置の全体構成>
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る印刷装置1(以下単に「印刷装置1」)の主な構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態による印刷装置及びリボンアッセンブリの概要を示す図である。図2は、印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る印刷装置1(以下単に「印刷装置1」)の主な構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態による印刷装置及びリボンアッセンブリの概要を示す図である。図2は、印刷装置の電気的構成を示すブロック図である。
ここで、図の説明の理解を助けるため、印刷装置1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側を定義する。印刷装置1の上側、下側、左側、右側、前側、及び、後側は、図1の上側、下側、左側、右側、手前側、及び、奥側にそれぞれ対応する。基板10Aの表面は前側を向き、基板10Aの裏面は後側を向く。ただし、この定義は、説明の理解のためのものであり、印刷装置1の配置や向き等を物理的に限定するものではない。
図1に示すように、印刷装置1は、筐体10と、基板10Aと、リボン装着部2と、サーマルヘッド3と、第1センサアッセンブリ4と、第2センサアッセンブリ5と、ガイド軸61〜63と、位置決め部POと、を有する。更に、図2に示すように、印刷装置1は、制御部7と、揺動センサ70と、記憶部71と、通信インターフェース(通信I/F)72と、第1モータ81と、第2モータ82と、第3モータ83と、を有する。ガイド軸61〜63を総称して「ガイド軸60」ともいう。また、第1モータ81〜第3モータ83を総称して「モータ80」ともいう。
筐体10は、箱状に形成され、他の構成を内部に収容する。また、筐体10の内部に収容された他の構成であるリボン装着部2と、サーマルヘッド3と、第1センサアッセンブリ4と、第2センサアッセンブリ5と、ガイド軸60と、位置決め部POと、制御部7と、揺動センサ70と、記憶部71と、通信I/F72と、モータ80とは、基板10Aに設けられてもよい。
印刷装置1は、熱転写型の印刷装置である。つまり、印刷装置1は、箱状の筐体10を有し、筐体10の内部に収容されるリボンアッセンブリ90のインクリボン9をサーマルヘッド3で加熱することによって、印刷媒体Pに印刷を行う。
<リボンアッセンブリ>
リボンアッセンブリ90は、図1に示すように、芯軸90A、90B、及び、インクリボン9を有する。芯軸90A、90Bは、それぞれ円筒状である。
リボンアッセンブリ90は、図1に示すように、芯軸90A、90B、及び、インクリボン9を有する。芯軸90A、90Bは、それぞれ円筒状である。
インクリボン9は帯状のフィルムであり、例えばポリエチレンテレフタラート(PET)などの基材の表面にインク層が塗布されている。インク層は、例えば、カーボンなどの色素成分と、ワックス及び/又はレジンなどのバインダー成分とを含む。インクは加熱により溶融し、印刷媒体Pに転写される。インクリボン9は、必要に応じて、バックコート層、剥離層、接着層などの機能層を有してもよい。インクリボン9は、一端部が芯軸90Aの側面に接続され、他端部が芯軸90Bの側面に接続される。
リボンアッセンブリ90は、芯軸90Aにインクリボン9が巻回された状態で、印刷装置1のリボン装着部2(後述)に装着される。芯軸90Aに巻回されたインクリボン9を、「供給ロール9A」(リボン供給ロールに相当)という。インクリボン9は、サーマルヘッド3による印刷の過程で、芯軸90Aの供給ロール9Aから繰り出され、後述する第1センサアッセンブリ4、サーマルヘッド3、及び、ガイド軸60によって案内され、芯軸90Bに巻き取られる。芯軸90Bに巻回されたインクリボン9を、「巻取ロール9B」(リボン巻取ロールに相当)という。インクリボン9が供給ロール9Aから繰り出されて巻取ロール9Bに巻き取られる場合の、芯軸90A及び芯軸90Bのそれぞれの回転方向を、「正転方向」という。なお、インクリボン9は、芯軸90A及び芯軸90Bがそれぞれ正転方向と反対方向(以下、「反転方向」という。)に回転することによって、巻取ロール9Bから繰り出されて供給ロール9Aに巻き取られる場合もある。
<リボン装着部>
リボン装着部2は、図1に示すように、第1スプール21及び第2スプール22を有する。第1スプール21及び第2スプール22は、それぞれ、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。
リボン装着部2は、図1に示すように、第1スプール21及び第2スプール22を有する。第1スプール21及び第2スプール22は、それぞれ、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。
第1スプール21は、基板10Aの上下方向略中央、且つ、左右方向中央よりも右側に設けられる。第2スプール22は、基板10Aの上下方向略中央、且つ、左右方向中央よりも左側に設けられる。第1スプール21には、リボンアッセンブリ90の芯軸90Aに巻回された供給ロール9Aが装着される。第2スプール22には、リボンアッセンブリ90の芯軸90Bに巻回された巻取ロール9Bが装着される。
第1スプール21は、第1モータ81(図2参照、後述)に直結し、第1モータ81によって回転する。第1スプール21の回転軸と第1モータ81とが一致するので、第1モータ81の回転量は、第1スプール21の回転量に等しい。第2スプール22は、第2モータ82(図2参照、後述)に直結し、第2モータ82によって回転する。第2スプール22の回転軸と第2モータ82とが一致するので、第2モータ82の回転量は、第2スプール22の回転量に等しい。第1スプール21及び第2スプール22は、それぞれ異なるモータ80によって回転するので、それぞれ異なる回転速度で回転可能である。
図1に示すように、第1スプール21及び第2スプール22が、印刷装置1を前側から見た状態で反時計回りに回転するとき、芯軸90A、90Bは正転方向に回転する。このとき、インクリボン9は、供給ロール9Aから繰り出され、巻取ロール9Bに巻き取られる。第1スプール21及び第2スプール22が、印刷装置1を前側から見た状態で時計回りに回転するとき、芯軸90A、90Bは反転方向に回転する。インクリボン9は、巻取ロール9Bから繰り出され、供給ロール9Aに巻き取られる。なお、芯軸90A、90Bの正転方向は、時計回り方向に限定されない。例えば、インクリボン9の巻回状態に応じて、供給ロール9A及び巻取ロール9Bの正転方向は、少なくとも一方が時計回り方向であってもよい。
第1スプール21と第2スプール22の回転に応じ、供給ロール9Aと巻取ロール9Bとの間に張り渡されるインクリボン9は、筐体10内で搬送される。インクリボン9は、後述する第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、ガイド軸60と接触することによって案内される。
後述するサーマルヘッド3は、供給ロール9Aと巻取ロール9Bとの間に張り渡されるインクリボン9に隣接して配置される。サーマルヘッド3、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、ガイド軸60に沿ってインクリボン9が搬送されるときに通過する経路を、「搬送経路R」という。つまり、後述するサーマルヘッド3は、供給ロール9Aと巻取ロール9Bとが、第1スプール21及び第2スプール22に装着されているか否かに関わらず、常に搬送経路Rに隣接しているといえる。
また、搬送経路Rに隣接してか、又は、搬送経路Rを通過するインクリボン9に当接して、位置決め部PO(位置決め手段に相当)が配置される。位置決め部POは、ロール位置決めガイドとも呼ばれ、サーマルヘッド3近傍を通過するインクリボン9を、幅方向一方側に寄せて位置決めする。つまり、位置決め部POは、例えば、インクリボン9を前側及び後側のどちらか一方に付勢することで、インクリボン9の幅方向の一方側の端部が前側及び後側のどちらか一方を通るようにガイドする。
なお、位置決め部POとしては、例えばインクリボン9の幅方向他方側の端部から、一方側に物理的又は電気的、磁気的な力により付勢する機構と、付勢されたインクリボン9の一方側端部を一定位置で受け止める機構となどで構成可能である。ただし、この位置決め部POの構成方法は、この例に限定されるものではない。また、本実施形態では図1に示すように、位置決め部POが第1スプール21及び第2スプール22に配置されて供給ロール9A及び巻取ロール9Bを前側又は後側に付勢する例を示しているが、位置決め部POの配置位置は、搬送経路Rを搬送されるインクリボン9を、サーマルヘッド3近傍を通過する位置において、上記の位置決めが可能な位置であればどこに配置されてもよい。また、例えば、ガイド軸60に別途の機構が備えられるなどにより、インクリボン9の位置が、幅方向一方側によっている状態でインクリボン9が搬送される場合には、この位置決め部POは省略されてもよい。ただし、位置決め部POがあることに、インクリボン9を確実に一方側に寄せて揃えられた位置決めが可能である。
<第1センサアッセンブリ>
第1センサアッセンブリ4は、基板10Aの右上の隅近傍に設けられる。第1センサアッセンブリ4は、インクリボン9の搬送経路Rの長さを変えることでインクリボン9の張力を維持するテンションアームとしての機能と、テンションアームの位置を検知する位置センサとしての機能とを有する。なお、テンションアームとは、所定の支点を中心に回動する構成だけで無く、図1に示すように、直線的に動く構成も含むものとする。
第1センサアッセンブリ4は、基板10Aの右上の隅近傍に設けられる。第1センサアッセンブリ4は、インクリボン9の搬送経路Rの長さを変えることでインクリボン9の張力を維持するテンションアームとしての機能と、テンションアームの位置を検知する位置センサとしての機能とを有する。なお、テンションアームとは、所定の支点を中心に回動する構成だけで無く、図1に示すように、直線的に動く構成も含むものとする。
図3は、印刷装置の第1センサアッセンブリの動作を示す図である。ここで、図1及び図3を参照して、第1センサアッセンブリ4が有するテンションアームの構成の例と、位置センサの構成の例と説明する。ただし、テンションアーム及び位置センサの各機能を実現する構成は、この例に限定されるものではない。
図3に示すように、第1センサアッセンブリ4は、第1規制部40(図1参照)、第1支持部41、第1ガイド軸42、第1磁石43、第1磁気センサ44、及び、第1ばね45を備える。
第1規制部40、第1支持部41、第1ガイド軸42、第1ばね45によってテンションアーム4Aが構成され、第1磁石43及び第1磁気センサ44によって位置センサ4Bが構成される。
第1支持部41は、基板10Aの後側に、上下方向に移動可能に支持される。第1ガイド軸42は円柱状であり、後述する第1規制部40を通過して第1支持部41の前面から前側に向けて延びる。第1ガイド軸42は、基板10Aの前面よりも前側に突出する。第1ガイド軸42は、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。図1に示すように、第1規制部40は、第1ガイド軸42の左右方向の移動を禁止し、第1ガイド軸42の上下方向の移動を所定範囲内に規制する。第1規制部40は、例えば、基板10Aに設けられた上下方向に延びる長孔である。図3に示すように、第1ガイド軸42は、第1支持部41が上下方向に移動することに応じ、上端の基準位置O(1)から、下端の最大位置Lm(1)までの間を上下方向に移動可能である。基準位置O(1)から下側にLs(1)離隔した位置を、参照位置Ls(1)と定義する。
第1磁石43は、第1支持部41の後面から後側に向けて延びる。第1磁石43は永久磁石である。第1ガイド軸42及び第1磁石43は、第1支持部41の移動に応じて上下方向に移動可能である。
第1磁気センサ44は、基板10Aの後面から後側に延びる基板10Bに設けられる。第1磁気センサ44は、第1磁石43の下側に対向する。第1磁気センサ44は、第1磁石43の磁力を検出するためのもので、例えばホール素子によって構成される。第1磁気センサ44によって検出される磁力の大きさは、第1磁石43が上下方向に移動することに応じて変化する。第1ばね45はコイルばねである。第1ばね45の一端部は、第1支持部41の上面に接続される。第1ばね45の他端部は、基板10Aの後面から後側に延びる基板10Cに接続される。第1ばね45は、第1支持部41、第1ガイド軸42、及び、第1磁石43を上側に付勢する引張ばねである。第1ばね45のばね定数を、「k」と表記する。
図1に示すように、第1ガイド軸42の周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、第1スプール21に装着された供給ロール9Aから右斜め上側に向けて延び、第1ガイド軸42に接触して方向を変え、後述するガイド軸61まで下側に延びる。
第1ガイド軸42には、インクリボン9の張力に応じた下向きの力が作用する。より詳細には、第1ガイド軸42には、第1ガイド軸42から供給ロール9Aに向けて延びるインクリボン9の張力の下方向の成分と、第1ガイド軸42からガイド軸61に向けて延びるインクリボン9の張力との合力が、下方向に作用する。第1ガイド軸42は、張力と第1ばね45の付勢力とが釣り合う状態で停止する。図3に示すように、インクリボン9の張力に応じて第1ガイド軸42に作用する下向きの力Fが小さい程、第1ガイド軸42は第1ばね45の付勢力によって上側に移動する。インクリボン9の張力に応じて第1ガイド軸42に作用する下向きの力Fが大きい程、第1ガイド軸42及び第1磁石43は第1ばね45の付勢力に逆らって下側に移動する。
つまり、インクリボン9の搬送経路Rの長さは、インクリボン9に作用する張力の大きさに応じて変化する。第1磁気センサ44は、第1磁石43の上下方向の位置に応じて変化する磁力を検出する。つまり、第1磁気センサ44によって検出される磁力は、搬送経路Rの長さに応じて変化する。したがって、第1磁気センサ44は、搬送経路Rに設けられ、搬送されるインクリボン9の張力を検出する張力センサとして機能する。第1センサアッセンブリ4は、第1磁気センサ44によって検出される磁力に応じた値を示す信号を、制御部7(図2参照)に出力する。制御部7は、出力された信号に基づき、第1ガイド軸42の基準位置O(1)を基準とした場合の上下方向の位置を特定できる。
<ガイド軸>
図1に示すように、ガイド軸61は、基板10Aの右下の隅近傍に設けられる。ガイド軸61は円柱状であり、基板10Aの前面から前側に向けて延びる。ガイド軸61は、例えば、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。ガイド軸61の周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、第1センサアッセンブリ4の第1ガイド軸42から下側に向けて延び、ガイド軸61に接触して方向を変え、後述するサーマルヘッド3まで左側に向けて延びる。
図1に示すように、ガイド軸61は、基板10Aの右下の隅近傍に設けられる。ガイド軸61は円柱状であり、基板10Aの前面から前側に向けて延びる。ガイド軸61は、例えば、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。ガイド軸61の周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、第1センサアッセンブリ4の第1ガイド軸42から下側に向けて延び、ガイド軸61に接触して方向を変え、後述するサーマルヘッド3まで左側に向けて延びる。
<サーマルヘッド>
サーマルヘッド3は、前後方向において基板10Aの前面よりも前側に設けられる。又、サーマルヘッド3は、基板10Aの左右方向略中央、且つ、第1スプール21及び第2スプール22よりも下側に設けられる。
サーマルヘッド3は、前後方向において基板10Aの前面よりも前側に設けられる。又、サーマルヘッド3は、基板10Aの左右方向略中央、且つ、第1スプール21及び第2スプール22よりも下側に設けられる。
サーマルヘッド3は、前後方向に直線状に並んだ複数の発熱素子を有し、当該発熱素子は、インクリボン9を加熱する。サーマルヘッド3は、搬送経路Rに隣接する。そのため、サーマルヘッド3、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、ガイド軸60に沿ってインクリボン9が搬送される場合、サーマルヘッド3は、インクリボン9に隣接する。
印刷装置1を用いて印刷を行う場合、サーマルヘッド3は、印刷位置3Aと印刷待機位置3Bとの間を上下方向に移動可能である。印刷位置3Aは、サーマルヘッド3の下端部がプラテンローラQ(後述)に接する位置である。印刷待機位置3Bは、サーマルヘッド3の下端部がプラテンローラQから離隔し、左右方向に延びるインクリボン9に接触又は近接する位置である。印刷位置3Aと印刷待機位置3Bとの間を移動するサーマルヘッド3は、サーマルヘッド3が印刷待機位置3Bに配置された時のインクリボン9の搬送経路Rと交差する。即ち、サーマルヘッド3が搬送経路Rに隣接するとは、印刷位置3Aと印刷待機位置3Bとの間を移動するサーマルヘッド3の移動経路と、搬送経路Rとが交わることを意味する。
また、サーマルヘッド3は、ヘッド支持機構31(ヘッド支持手段に相当)により、インクリボン9の幅方向中心線(図示省略)に沿う基準軸kまわりに揺動可能に支持されている。このときのサーマルヘッド3の揺動角度は、ヘッド支持機構31に設けた公知の手法の揺動センサ70(角度検出手段に相当。図2参照)によって検出される。ただし、サーマルヘッド3は、ストッパE(図6参照)により最大の揺動角度が所定の許容値以下に制限される。上記ヘッド支持機構31は、第3モータ83(図2参照)によって駆動されるヘッド進退機構32(ヘッド進退手段に相当)により、インクリボン9の上記搬送経路Rに対して進退する。結果として、第3モータ83は、上記ヘッド進退機構32を介しサーマルヘッド3を上下方向に移動させることになる。なお、供給ロール9A及び巻取ロール9Bを印刷装置1に着脱する場合、サーマルヘッド3は、印刷待機位置3Bよりも上側の非図示の退避位置に移動される。サーマルヘッド3の進退に伴うヘッド支持機構31によるサーマルヘッド3の揺動と、揺動センサ70が検出する揺動角度については、図6(a)〜(d)を参照して詳しく後述する。
サーマルヘッド3が印刷位置3Aに配置された場合、インクリボン9の搬送経路Rは、ガイド軸61から左側に向けて延び、サーマルヘッド3の下端部に接触して方向を変え、後述するガイド軸62に向けて左斜め上側に延びる。第1スプール21及び第2スプール22が回転することに応じ、インクリボン9は、ガイド軸61とサーマルヘッド3との間を左右方向に移動する。
<ガイド軸>
ガイド軸62、63は、それぞれ円柱状であり、基板10Aの前面から前側に向けて延びる。ガイド軸62、63は、それぞれ、例えば、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。ガイド軸62は、基板10Aのうち、印刷待機位置3Bに配置されたサーマルヘッド3の下端部に対して左斜め上側、言い換えれば、退避位置に配置されたサーマルヘッド3の下端部に対して左斜め下側の位置に設けられる。ガイド軸63は、基板10Aの左下の隅近傍に設けられる。ガイド軸62、63のそれぞれの周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、印刷位置3Aに配置されたサーマルヘッド3の下端部から左斜め上側に向けて延び、ガイド軸62に接触して方向を変え、ガイド軸63に向けて左斜め上側に延びる。インクリボン9の搬送経路Rは更に、ガイド軸63に接触して方向を変え、後述する第2センサアッセンブリ5の第2ガイド軸52に向けて上側に延びる。
ガイド軸62、63は、それぞれ円柱状であり、基板10Aの前面から前側に向けて延びる。ガイド軸62、63は、それぞれ、例えば、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なローラである。ガイド軸62は、基板10Aのうち、印刷待機位置3Bに配置されたサーマルヘッド3の下端部に対して左斜め上側、言い換えれば、退避位置に配置されたサーマルヘッド3の下端部に対して左斜め下側の位置に設けられる。ガイド軸63は、基板10Aの左下の隅近傍に設けられる。ガイド軸62、63のそれぞれの周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、印刷位置3Aに配置されたサーマルヘッド3の下端部から左斜め上側に向けて延び、ガイド軸62に接触して方向を変え、ガイド軸63に向けて左斜め上側に延びる。インクリボン9の搬送経路Rは更に、ガイド軸63に接触して方向を変え、後述する第2センサアッセンブリ5の第2ガイド軸52に向けて上側に延びる。
<第2センサアッセンブリ>
第2センサアッセンブリ5は、基板10Aの左上の隅近傍に設けられる。第2アッセンブリ5は、第2ガイド軸52とその回転を検出する速度センサ52Aを有する。ここで説明する構成は一例であり、限定されるものではない。
第2センサアッセンブリ5は、基板10Aの左上の隅近傍に設けられる。第2アッセンブリ5は、第2ガイド軸52とその回転を検出する速度センサ52Aを有する。ここで説明する構成は一例であり、限定されるものではない。
図1に示すように、第2ガイド軸52の周面の一部にインクリボン9が接触する。インクリボン9の搬送経路Rは、ガイド軸63から上側に向けて延び、第2ガイド軸52に接触して方向を変え、巻取ロール9Bまで右斜め下側に延びる。
第2ガイド軸52には、第2ガイド軸52の回転速度を検出可能な速度センサ52A(回転センサに相当。図2参照)が設けられる。
<印刷装置の電気的構成>
次に、図2を参照して、印刷装置1の電気的構成について説明する。図2は、印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
次に、図2を参照して、印刷装置1の電気的構成について説明する。図2は、印刷装置1の電気的構成を示すブロック図である。
印刷装置1は、電気的構成として、既に説明した第1センサアッセンブリ4及び第2センサアッセンブリ5に加えて、制御部7と、揺動センサ70と、記憶部71と、通信I/F72と、第1モータ81と、第2モータ82と、第3モータ83と、を備える。
<制御部及び記憶部>
制御部7は、印刷装置1を制御するCPUと、CPUの指示に応じて動作する各種の駆動回路とを含む。各種の駆動回路は、例えば、モータ80(第1モータ81、第2モータ82、第3モータ83)に信号(例えば、駆動電流)を供給するための回路、サーマルヘッド3に信号(例えば、駆動電流)を供給するための回路、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、速度センサ52Aを駆動すると共に受信した出力信号のA/D変換を行うための回路などを含む。制御部7は、記憶部71、サーマルヘッド3、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、モータ80(第1モータ81、第2モータ82、第3モータ83)、速度センサ52A、及び、通信I/F72と、非図示のインターフェース回路を介して電気的に接続する。
制御部7は、印刷装置1を制御するCPUと、CPUの指示に応じて動作する各種の駆動回路とを含む。各種の駆動回路は、例えば、モータ80(第1モータ81、第2モータ82、第3モータ83)に信号(例えば、駆動電流)を供給するための回路、サーマルヘッド3に信号(例えば、駆動電流)を供給するための回路、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、及び、速度センサ52Aを駆動すると共に受信した出力信号のA/D変換を行うための回路などを含む。制御部7は、記憶部71、サーマルヘッド3、第1センサアッセンブリ4、第2センサアッセンブリ5、モータ80(第1モータ81、第2モータ82、第3モータ83)、速度センサ52A、及び、通信I/F72と、非図示のインターフェース回路を介して電気的に接続する。
また、制御部7は、インクリボン9の幅を決定する構成として、図2に示すように、最大値決定部76と、引き出し開始決定部77と、移動量検出部78と、リボン幅決定部79とを有する。これらの構成については詳しく後述する。
記憶部71は、ROM、RAM、フラッシュメモリ等の各種記憶媒体を含む。記憶部71には、制御部7が実行する処理のプログラムが記憶される。記憶部71には、印刷データ、幅情報、印刷設定情報、規定回数、リボンアッセンブリ90のインクリボン9の全長、供給初期直径、巻取初期直径、及び、媒体速度Vが記憶される。更に、記憶部71には、後述する第1相関関係及び第2相関関係が記憶され、その他、制御部7が各処理を行う際のデータ等も記憶される。未使用状態のリボンアッセンブリ90が使用される場合、供給初期直径として、未使用状態における供給ロール9Aの直径が設定され、巻取初期直径として、芯軸90Bの直径が設定される。未使用状態における供給ロール9Aの直径、及び、芯軸90Bの直径は、印刷装置1の操作部(非図示)を介して受け付けたユーザ入力によって設定されてもよい。あるいは、速度センサ52Aによって検出された回転速度と、第1モータ81及び第2モータ82の回転速度との比較から、未使用状態における供給ロール9Aの直径、及び、芯軸90Bの直径が計算されてもよい。供給ロール9A及び巻取ロール9Bのそれぞれの直径が算出された場合、算出された直径によって、供給初期直径及び巻取初期直径が更新される。
媒体速度Vは、例えば、通信I/F72を介して、外部機器100から一定間隔で受信される。制御部7は、受信した媒体速度Vを、記憶部71に記憶する。或いは、印刷装置1が印刷媒体Pの速度を計測する速度センサ(非図示)を備え、その速度センサからの出力に基づいて媒体速度Vが決定され、記憶部71に記憶されてもよい。記憶部71に記憶される印刷データは、外部機器100から通信I/F72を介して受信されてもよい。制御部7は、受信された印刷データを記憶部71に記憶してもよい。
<その他の電気的構成>
サーマルヘッド3は、例えば、一列に整列した複数の発熱素子を有するラインサーマルヘッドである。複数の発熱素子のそれぞれは、制御部7から出力される信号に応じて選択的に発熱する。
サーマルヘッド3は、例えば、一列に整列した複数の発熱素子を有するラインサーマルヘッドである。複数の発熱素子のそれぞれは、制御部7から出力される信号に応じて選択的に発熱する。
モータ80は、パルス信号に同期して回転するステッピングモータである。第1モータ81及び第2モータ82として、共通する仕様のモータが使用される。第1モータ81は、制御部7から出力されるパルス信号に応じて、第1スプール21を回転させる。第2モータ82は、制御部7から出力されるパルス信号に応じて、第2スプール22を回転させる。第3モータ83は、制御部7から出力されるパルス信号に応じて回転して、ヘッド進退機構32を進退させることで、サーマルヘッド3を、印刷位置3A(図1参照)、印刷待機位置3B(図1参照)、及び、非図示の退避位置の間で移動させる。
第1センサアッセンブリ4は、第1ガイド軸42(図1参照)の位置に応じた値を示す信号を制御部7に出力する。第2センサアッセンブリ5は、第2ガイド軸52(図1参照)の位置に応じた信号を制御部7に出力する。
速度センサ52Aは、例えば、第2ガイド軸52の回転量を示す信号を制御部7に出力する回転センサである。具体的に、第2ガイド軸52は、第2ガイド軸52とインクリボン9との間に働く摩擦力によって、インクリボン9の搬送に追随して回転可能に構成される。速度センサ52Aは、例えば、第2ガイド軸52と一体に回転する永久磁石と、基板10Aに設けられたホール素子などの磁気センサとで構成される。磁気センサが検出する永久磁石からの磁力に基づいて、第2ガイド軸52の回転量が検知される。回転量を時間で割ることで、回転速度が特定される。第2ガイド軸52の径は既知のため、第2ガイド軸52の回転量又は回転速度から、インクリボン9の回転量又は回転速度が特定される。
揺動センサ70は、基準軸k周りのサーマルヘッド3の揺動角度を検出し、その検出角度に応じた信号を制御部7に出力する。揺動センサ7は、例えば、速度センサ52Aと同様な構成により、サーマルヘッド3の回転量(回転角度)を検出することで、揺動角度を検出してもよい。
通信I/F72は、印刷装置1に接続される外部機器100との間で通信を行なうためのインターフェース素子である。外部機器100は、ユーザが印刷装置1に対して様々な指示を行うために使用される端末機器である。
制御部7によって実行されるプログラムは、例えば、外部機器100から通信I/F72を介してダウンロードされてもよい。制御部7は、通信I/F72を介して外部機器100から取得したプログラムを、記憶部71に記憶してもよい。記憶部71に記憶される各種情報は、外部機器100を介して変更可能としてもよい。
<印刷装置による印刷動作>
図1に示すように、印刷媒体Pは、所定の搬送速度(以下、「媒体速度V」という。)で所定の方向Dに搬送される。印刷装置1は、印刷媒体Pの印刷面(図1における上側の面)に印刷装置1の下端が対向する位置、且つ、印刷装置1の右側から左側に向かう方向が方向Dと一致する向きで、印刷媒体Pに近接して配置される。印刷媒体Pに対して印刷装置1と反対側に、プラテンローラQが配置される。
図1に示すように、印刷媒体Pは、所定の搬送速度(以下、「媒体速度V」という。)で所定の方向Dに搬送される。印刷装置1は、印刷媒体Pの印刷面(図1における上側の面)に印刷装置1の下端が対向する位置、且つ、印刷装置1の右側から左側に向かう方向が方向Dと一致する向きで、印刷媒体Pに近接して配置される。印刷媒体Pに対して印刷装置1と反対側に、プラテンローラQが配置される。
印刷装置1による印刷動作が開始される。第1モータ81及び第2モータ82が駆動し、第1スプール21及び第2スプール22が回転する。リボンアッセンブリ90の芯軸90A、芯軸90Bは、それぞれ正転方向に回転する。インクリボン9は、第1スプール21の供給ロール9Aから繰り出され、第2スプール22の巻取ロール9Bに巻き取られる。インクリボン9のうち印刷媒体Pと接触する部分は、左側に搬送される。
インクリボン9の搬送速度(以下、「リボン速度v」という。)が所定速度まで上昇した場合、サーマルヘッド3は、印刷待機位置3Bから印刷位置3Aに移動する。サーマルヘッド3は、インクリボン9及び印刷媒体Pを介してプラテンローラQに上側から接する。インクリボン9は、サーマルヘッド3の移動に応じて印刷媒体Pの印刷面に押しつけられる。プラテンローラQは、印刷媒体Pのうち印刷面と反対側の面に接触し、インクリボン9及び印刷媒体Pをサーマルヘッド3に押しつける。なお、上記の所定速度として、印刷媒体Pの媒体速度Vと同一速度、又は、媒体速度Vよりも僅かに小さい速度が設定される。
記憶部71に記憶された印刷データに基づいて、サーマルヘッド3が加熱される。図4は、印刷装置による印刷動作の概要を示す図である。図4(a)に示すように、インクリボン9の所定領域91のインクは、印刷データに応じて印刷媒体Pの印刷面に転写される。以上によって、1ブロック分の印刷イメージG1が印刷媒体Pに形成される。なお、印刷イメージGの印刷中において、印刷媒体P及びインクリボン9は継続して搬送される。なお、理解を容易とするため、図4では、インクリボン9及び印刷媒体Pが直線状に示され、且つ、それぞれが互いに離隔する。しかし実際には、インクリボン9及び印刷媒体Pは曲折する場合がある。又、インクリボン9及び印刷媒体Pは、少なくともサーマルヘッド3がインクリボン9に接触する位置で、互いに接触する。
印刷イメージG1が形成された後、サーマルヘッド3の加熱は停止される。図4(b)に示すように、サーマルヘッド3は、印刷位置3Aから印刷待機位置3B(図1参照)に移動する。第1モータ81及び第2モータ82の駆動は停止し、インクリボン9の搬送は停止される。以上によって、印刷イメージG1の印刷動作が完了する。なお、印刷媒体Pは、媒体速度Vで継続して搬送される。
印刷媒体Pが所定距離L搬送された後、次の1ブロック分の印刷動作が開始される。図4(c)に示すように、第1スプール21及び第2スプール22が駆動し、インクリボン9は搬送される。サーマルヘッド3は、印刷待機位置3Bから印刷位置3Aに移動する。サーマルヘッド3は、印刷位置3Aに移動した後加熱され、インクリボン9の所定領域92のインクが印刷媒体Pの印刷面に転写される。以上によって、印刷イメージG2が印刷媒体Pに形成される。印刷イメージG2が形成された後、サーマルヘッド3の加熱は停止される。図4(d)に示すように、サーマルヘッド3は、印刷位置3Aから印刷待機位置3B(図1参照)に移動する。インクリボン9の搬送は停止される。以上によって、印刷イメージG2の印刷動作が完了する。次の1ブロック分(印刷イメージG3)の印刷(図4(e)参照)の説明は省略する。
印刷装置1は、上記の1ブロック分ずつの印刷動作を、記憶部71に記憶された規定回数繰り返す。これによって、印刷イメージG1、G2、G3・・・が印刷媒体Pに形成される。
<印刷装置による印刷態様>
図5を参照し、印刷装置1の印刷態様の具体例について説明する。図5は、印刷装置による印刷態様の概要を示す図である。
図5を参照し、印刷装置1の印刷態様の具体例について説明する。図5は、印刷装置による印刷態様の概要を示す図である。
図5において、インクリボン9が搬送される方向を「搬送方向」といい、搬送方向と直交する方向を「幅方向」という。搬送方向は、インクリボン9の延びる方向と一致し、副走査方向に対応する。幅方向は、インクリボン9の幅に沿った方向と一致し、主走査方向に対応する。なお、サーマルヘッド3の複数の発熱素子の整列方向は、主走査方向と一致する。
図5は、1ブロック分の印刷イメージとして文字列「賞味期限:2016.09.15」を印刷する場合を例示する。インクリボン9の複数の所定領域96は、文字列を印刷するために1つずつサーマルヘッド3によって順番に加熱される。サーマルヘッド3による加熱後、印刷媒体Pは搬送方向の一方側に所定距離L搬送される。これらの処理が繰り返されることによって、印刷媒体Pには、印刷イメージG1、G2、G3が搬送方向に所定距離Lを空けてそれぞれ印刷される。印刷イメージG1、G2、G3のそれぞれの搬送方向の位置は相違する。
インクリボン9の複数の所定領域96は、インクリボン9の搬送方向に沿って1列に配列される。つまり、複数の所定領域96は、それぞれ、インクリボン9に対して幅方向に1つのみ配置し、幅方向に複数並列して配置しない。所定領域96の幅方向の長さを、「印刷幅」といい、「wa」(mm)と表記する。サーマルヘッド3の幅方向の長さを、「ヘッド幅」といい、「wb」(mm)と表記する。使用されるリボンアッセンブリ90のインクリボン9のリボンアッセンブリ90のインクリボン9の幅方向の長さを、「リボン幅」といい、「w」(mm)と表記する。
<印刷装置による第1モータと第2モータの駆動>
制御部7は、インクリボン9に適正な張力を発生させながらインクリボン9を搬送するために、適正なトルクで第1モータ81と第2モータ82とを駆動させる。第1モータ81及び第2モータ82が発生すべき適正なトルクは、インクリボン9の質量によって異なる。そこで、制御部7は、リボン幅wに応じて適正トルクを算出して、第1モータ81と第2モータ82とを駆動させる。
制御部7は、インクリボン9に適正な張力を発生させながらインクリボン9を搬送するために、適正なトルクで第1モータ81と第2モータ82とを駆動させる。第1モータ81及び第2モータ82が発生すべき適正なトルクは、インクリボン9の質量によって異なる。そこで、制御部7は、リボン幅wに応じて適正トルクを算出して、第1モータ81と第2モータ82とを駆動させる。
この際、幅の異なる複数種類のインクリボン9が印刷装置1には使用され得るが、本実施形態に係る印刷装置1は、制御部7及び関連の構成において、サーマルヘッド3の揺動により、低コストかつ簡便な構成で、リボン幅wを検出することができる。
以上の基本構成において、本実施形態の要部は、このリボン幅wを検出する構成にある。以下、その詳細について順を追って説明する。
<インクリボン幅検出の概要>
図6〜図9を参照して、印刷装置1によるインクリボン9のリボン幅w検出の概要として、ヘッド支持機構31の動作原理と、リボン幅wによりヘッド支持機構31によるサーマルヘッド3の揺動角度の変化(首振り態様)との一例について説明する。図6及び図7は、印刷装置によるインクリボン幅検出の概要を示す図である。図8は、印刷装置によるヘッド揺動角最大値に応じたインクリボン幅決定の概要を示す図である。図9は、印刷装置によるヘッド移動量に応じたインクリボン幅決定の概要を示す図である。
図6〜図9を参照して、印刷装置1によるインクリボン9のリボン幅w検出の概要として、ヘッド支持機構31の動作原理と、リボン幅wによりヘッド支持機構31によるサーマルヘッド3の揺動角度の変化(首振り態様)との一例について説明する。図6及び図7は、印刷装置によるインクリボン幅検出の概要を示す図である。図8は、印刷装置によるヘッド揺動角最大値に応じたインクリボン幅決定の概要を示す図である。図9は、印刷装置によるヘッド移動量に応じたインクリボン幅決定の概要を示す図である。
なお、図6は、サーマルヘッド3及びインクリボン9等を、図1の矢印a方向から見た場合を示す(ただし、印刷媒体Pは省略している)。図6(a)〜(d)のそれぞれは、リボン幅wが、サーマルヘッド3のヘッド幅wbの半分であるAよりも大きいw1の場合、w1よりも小さくAよりも大きいw2の場合、Aよりも小さいw3の場合、w3よりも更に小さいw4の場合を示す。つまり、A=wb/2であり、w1>w2>A>w3>w4となる。また、図6(a)〜(d)のそれぞれにおける状態I〜Xは、サーマルヘッド3がインクリボン9に当接した状態Iから、更に前進しプラテンローラQに対してインクリボン9を押圧した状態Xを段階的に示している。したがって、図6(a)〜(d)を跨いだ同一の状態(例えば状態IIIなど)では、ヘッド進退機構32によるサーマルヘッド3のヘッドの移動量は同じ量となっている。なお、本図6において、説明の便宜上、基準軸kを中心として、紙面左側を左といい、紙面右側を右ということにする。
図6(a)〜(d)に示すとおり、インクリボン9は、位置決め部POの作用により、サーマルヘッド3の中心より右方側に寄せられている。また、インクリボン9は、適切な第1モータ81及び第2モータ82及びテンションアーム等により適度な張力が維持されている。その結果、サーマルヘッド3が前進するに従って、サーマルヘッド3の右方にインクリボン9の張力を受け、サーマルヘッド3は、基準軸kを中心に紙面上反時計回りに回転して、揺動角度を増加させる(状態I→状態VIII)。
一方、サーマルヘッド3が状態VIIIまで前進すると、サーマルヘッド3の左端部がプラテンローラQに接触する。その結果、更にサーマルヘッド3が前進すると、サーマルヘッド3は、その左端部の移動が規制されるので、逆回転を行い、揺動角度を減少させる。状態Xでサーマルヘッド3に押圧されたインクリボン9がプラテンローラQに対して面で接触する。
ここで、図6(a)、(b)において、例えば、状態IIIや状態∨に示すように、インクリボン9のリボン幅wがサーマルヘッド3のヘッド幅wbの半分A大きい場合、リボン幅が大きいほど同一状態におけるサーマルヘッド3の揺動角度は小さくなる。一方で、リボン幅wがAよりも小さい場合、図6(c)、(d)において、例えば、状態IIIや状態∨に示すように、リボン幅が大きいほど同一状態におけるサーマルヘッド3の揺動角度は大きくなる。
したがって、図6(a)〜(d)において、リボン幅wがw1、w2の場合は、揺動角度は、サーマルヘッド3がストッパEに当接するまで増えることなく減少に転じ、それぞれ状態VIII、状態VIIにおいて、サーマルヘッド3の左端部がプラテンロールQに当接する。一方で、リボン幅wがw3,w4の場合は、それぞれ状態III、状態∨において、サーマルヘッド3がストッパEに当接して、揺動角度は増加が規制された後減少に転じ、かつ、それぞれ状態VI、状態∨において、サーマルヘッド3の左端部がプラテンロールQに当接する。図7(a)〜(d)に、図6(a)〜(d)の各リボン幅w(w1〜w4)に対応する状態I〜X(ヘッド移動量に相当)と、ヘッド揺動角度との関係を示す。
また、図6(a)、(b)及び図7(a)、(b)に示すように、リボン幅wがAよりも大きい場合、リボン幅wの大きさにより揺動角度は異なるものの、リボン幅wとは関係なく、供給ロール9A及び巻取ロール9Bからのインクリボン9の引出量(「リボン引出量」ともいう。)は、サーマルヘッド3のプラテンロールQ側への移動量(「ヘッド移動量」ともいう。)によって決まる。これは、リボン幅wが、サーマルヘッド3の回転軸である基準軸kを左右に跨ぐためである。一方で、図6(c)、(d)及び図7(c)、(d)に示すように、リボン幅wがAよりも小さい場合、サーマルヘッド3の揺動の影響が大きくなる。その結果、リボン幅wが小さいほど、インクリボン9が引き出し開始される際(「引き出し開始タイミング」ともいう。)のヘッド移動量が多くなる。
図8には、インクリボン9のリボン幅wとヘッドの揺動角度の最大値との関係を示している。上述の通り、リボン幅wがAよりも小さい場合、サーマルヘッド3がストッパEと当接する結果、揺動角度の最大値は、リボン幅wによらずストッパEに当接する角度で一定である。しかし、リボン幅wがAよりも大きい場合、リボン幅wが大きければ大きいほど、揺動角度の最大値は小さくなる。図8に示すリボン幅wと揺動角度の最大値との相関を、ここでは第1相関関係という。
図9には、インクリボン9のリボン幅wと、サーマルヘッド3の前進に伴ってインクリボン9が引き出し開始される際のヘッド移動量との関係を示している。上述の通り、リボン幅wがAよりも大きい場合、リボン幅wによらず、インクリボン9が引き出し開始される際のヘッド移動量は一定である。しかし、リボン幅wがAよりも小さい場合、リボン幅wが小さければ小さいほど、インクリボン9が引き出し開始される際のヘッド移動量は大きくなる。図9に示すリボン幅wとインクリボン9が引き出し開始される際のヘッド移動量との相関を、ここでは第2相関関係という。
これらの第1相関関係及び第2相関関係を表すデータは、予め測定され記憶部71に記録される。そして、印刷装置1は、これらの相関関係と、インクリボン9が引き出し開始される際のヘッド移動量及び揺動角度の最大値に基づいて、リボン幅wを決定することができる。以下、このリボン幅wの決定を行う具体的な構成について説明する。
<インクリボン幅決定に係る構成>
印刷装置1が有する制御部7は、インクリボン9のリボン幅wを決定する構成として、図2に示すように、最大値決定部76と、引き出し開始決定部77と、移動量検出部78と、リボン幅決定部79とを有する。これらの各構成について説明する。
印刷装置1が有する制御部7は、インクリボン9のリボン幅wを決定する構成として、図2に示すように、最大値決定部76と、引き出し開始決定部77と、移動量検出部78と、リボン幅決定部79とを有する。これらの各構成について説明する。
<引き出し量検出手段の一例>
印刷装置1は、インクリボン9が引き出し開始される際のヘッド移動量を利用してインク幅wを決定する。そこで、印刷装置1は、インクリボン9が引き出し開始されるタイミングを把握するために、引き出し量検出手段を有する。引き出し量検出手段は、ヘッド進退機構32によりサーマルヘッド3がインクリボン9側へ前進しインクリボン9に当接したときの、供給ロール9A及び巻取ロール9Bからのインクリボン9の引き出し量を検出する。
印刷装置1は、インクリボン9が引き出し開始される際のヘッド移動量を利用してインク幅wを決定する。そこで、印刷装置1は、インクリボン9が引き出し開始されるタイミングを把握するために、引き出し量検出手段を有する。引き出し量検出手段は、ヘッド進退機構32によりサーマルヘッド3がインクリボン9側へ前進しインクリボン9に当接したときの、供給ロール9A及び巻取ロール9Bからのインクリボン9の引き出し量を検出する。
図10を参照して、引き出し量検出手段の本実施形態における具体例を説明する。図10は、印刷装置によるインクリボンの引き出し量検出の概要を示す図である。
本実施形態において、図10に示すように、引き出し量検出手段は、張力センサ及び回転センサの少なくとも一方として構成されてもよい。
本実施形態に係る印刷装置1は、張力センサの例として、第1磁気センサ44を有する。また、本実施形態に係る印刷装置1は、図3で説明したとおり、回転センサの例として、速度センサ52Aを有する。なお、ここでは説明の便宜上、張力センサとして、第1磁気センサ44が使用される場合を説明する。引き出し量検出手段は、張力センサ及び回転センサのこれらの例に限定されるものではない。
張力センサとしての第1磁気センサ44は、インクリボン9の搬送経路Rに設けられた、搬送されるインクリボン9の張力を検出する。つまり、図10(a)に示す状態から、図10(b)に示すように、ヘッド進退機構32によりサーマルヘッド3が前進して、インクリボン9をプラテンロールQに向けて押圧されると、インクリボン9がプラテンロールQ方向に引っ張られる。その結果、第1磁気センサ44は、インクリボン9の引き出し量の増加を、張力の増加として検出する。
一方、回転センサとしての速度センサ52Aは、インクリボン9の搬送経路Rに設けられた、搬送方向に沿ったインクリボン9の移動とともに回転する回転子(例えば、回転ローラ)を有し、当該回転子の回転を検出する。つまり、図10(a)に示す状態から、図10(c)に示すように、ヘッド進退機構32によりサーマルヘッド3が前進して、インクリボン9をプラテンロールQに向けて押圧されると、インクリボン9がプラテンロールQ方向に引っ張られ、巻取ローラ9Bに巻き取られたインクリボン9が繰り出される。その結果、速度センサ52Aは、インクリボン9の引き出し量の増加を、インクリボン9の巻取ローラ9B等からの繰り出し(移動)として検出する。なお、ここでは、引き出し量の増加に伴うインクリボン9の繰り出しが、巻取ローラ9Bから行われる場合を示しているが、供給ローラ9Aから行われてもよいことは言うまでもない。供給ローラ9Aからインクリボン9の繰り出しが行われる場合、インクリボン9の移動を第2センサアッセンブリ5の速度センサ52Aで検出することも可能であるが、第1センサアッセンブリ4に速度センサ52Aと同様の速度センサを取り付けることも可能である。
これらの引き出し量検出手段は、上述の通り、インクリボン9が引き出し開始されるタイミングを把握するために使用される。したがって、ここで言う「供給ロール9A及び巻取ロール9Bからのインクリボン9の引き出し量」は、必ずしも、実際に供給ロール9A及び巻取ロール9Bから引き出される必要はなく、テンションアームにおける第1ガイド軸42の降下量(移動量)を引き出し量として第1磁気センサ44等で検出することも可能である。つまり、引き出し量は、サーマルヘッド3が印刷待機位置3Bにある状態においけるインクリボン9の搬送経路から、サーマルヘッド3がプラテンローラQ方向に降下してインクリボン9が押圧された際に、インクリボン9がプラテンローラQ方向に突出する突出量に対応した量であるといってもよい。
また、インクリボン9が引き出し開始されるタイミングを検出する上で、第1磁気センサ44及び速度センサ52Aの少なくとも一方を使用する事が可能であるが、両方を使用することで、より検出精度を向上させることもできる。
<最大値決定部>
最大値決定部76は、最大値決定手段の一例であって、揺動センサ70の検出結果における、ヘッド進退機構32によりサーマルヘッド3がインクリボン9側へ順次前進し、インクリボン9を挟んでサーマルヘッド3と反対側に対向して設けられたプラテンローラQに対しインクリボン9が当接するまでの、揺動角度の最大値を決定する。より具体的には、最大値決定部76は、ヘッド進退機構32がサーマルヘッド3を前進させて、プラテンローラQにサーマルヘッド3が当接して停止するまでの間、揺動センサ70から揺動角度を順次取得する。そして、最大値決定部76は、取得した揺動角度のうち、最も大きかった値を、揺動角度の最大値として決定する。なお、この際、最大値決定部76は、取得した揺動角度の値を保存しておき、その中から最大値を決定してもよく、単に保存した揺動角度と新たに取得した揺動角度を比較して大きい方を保持することで最大値を決定してもよい。
最大値決定部76は、最大値決定手段の一例であって、揺動センサ70の検出結果における、ヘッド進退機構32によりサーマルヘッド3がインクリボン9側へ順次前進し、インクリボン9を挟んでサーマルヘッド3と反対側に対向して設けられたプラテンローラQに対しインクリボン9が当接するまでの、揺動角度の最大値を決定する。より具体的には、最大値決定部76は、ヘッド進退機構32がサーマルヘッド3を前進させて、プラテンローラQにサーマルヘッド3が当接して停止するまでの間、揺動センサ70から揺動角度を順次取得する。そして、最大値決定部76は、取得した揺動角度のうち、最も大きかった値を、揺動角度の最大値として決定する。なお、この際、最大値決定部76は、取得した揺動角度の値を保存しておき、その中から最大値を決定してもよく、単に保存した揺動角度と新たに取得した揺動角度を比較して大きい方を保持することで最大値を決定してもよい。
<引き出し開始決定部>
引き出し開始決定部77は、引き出し開始決定手段の一例であって、引き出し量検出手段としての第1磁気センサ44又は速度センサ52Aにより検出される引き出し量に基づき、ヘッド進退機構32により順次前進するサーマルヘッド3の当接によりインクリボン9が引き出し開始される引き出し開始タイミングを決定する。この際、引き出し開始決定部77は、例えば、第1磁気センサ44又は速度センサ52Aにより検出される引き出し量が0の状態から所定のしきい値以上となったときのタイミングを、引き出し開始タイミングと決定してもよい。また、引き出し量に対してしきい値を設定する場合に限らず、引き出し開始決定部77は、例えば、引き出し量の変化量や変化速度が、所定のしきい値以上となったタイミングを、引き出し開始タイミングと決定してもよい。なお、しきい値は、第1磁気センサ44又は速度センサ52Aによる検出精度と引き出し量との関係などから適切な値に設定されてもよい。また、この引き出し開始決定部77は、例えば、第1モータ81及び/又は第2モータ82の駆動量や制御信号を取得して、インクリボン9の供給及び/又は巻取の速度と、速度センサ52Aが検出する速度との偏差を引き出し量として使用することも可能である。
引き出し開始決定部77は、引き出し開始決定手段の一例であって、引き出し量検出手段としての第1磁気センサ44又は速度センサ52Aにより検出される引き出し量に基づき、ヘッド進退機構32により順次前進するサーマルヘッド3の当接によりインクリボン9が引き出し開始される引き出し開始タイミングを決定する。この際、引き出し開始決定部77は、例えば、第1磁気センサ44又は速度センサ52Aにより検出される引き出し量が0の状態から所定のしきい値以上となったときのタイミングを、引き出し開始タイミングと決定してもよい。また、引き出し量に対してしきい値を設定する場合に限らず、引き出し開始決定部77は、例えば、引き出し量の変化量や変化速度が、所定のしきい値以上となったタイミングを、引き出し開始タイミングと決定してもよい。なお、しきい値は、第1磁気センサ44又は速度センサ52Aによる検出精度と引き出し量との関係などから適切な値に設定されてもよい。また、この引き出し開始決定部77は、例えば、第1モータ81及び/又は第2モータ82の駆動量や制御信号を取得して、インクリボン9の供給及び/又は巻取の速度と、速度センサ52Aが検出する速度との偏差を引き出し量として使用することも可能である。
<移動量検出部>
移動量検出部78は、移動量検出手段の一例であって、ヘッド進退機構32により進退するサーマルヘッド3の進退方向におけるヘッド移動量(「ヘッド作動量」ともいう。)を検出する。この際、移動量検出部78は、例えば、ヘッド進退機構32又は第3モータ83に備えられた回転量検出手段からの信号に基づいて、移動量を検出する。また、移動量検出部78は、引き出し開始決定部77から引き出し開始タイミングを取得した場合、そのタイミングにおけるヘッド移動量を、引き出し開始タイミングにおけるヘッド移動量として記憶する。
移動量検出部78は、移動量検出手段の一例であって、ヘッド進退機構32により進退するサーマルヘッド3の進退方向におけるヘッド移動量(「ヘッド作動量」ともいう。)を検出する。この際、移動量検出部78は、例えば、ヘッド進退機構32又は第3モータ83に備えられた回転量検出手段からの信号に基づいて、移動量を検出する。また、移動量検出部78は、引き出し開始決定部77から引き出し開始タイミングを取得した場合、そのタイミングにおけるヘッド移動量を、引き出し開始タイミングにおけるヘッド移動量として記憶する。
<リボン幅決定部>
リボン幅決定部79は、リボン幅決定手段の一例であって、揺動センサ70により検出された揺動角度と、引き出し量検出手段としての第1磁気センサ44及び/又は速度センサ52Aにより検出された引き出し量とのうち、少なくとも一方に応じて、インクリボンの幅方向の寸法であるリボン幅wを決定する。
リボン幅決定部79は、リボン幅決定手段の一例であって、揺動センサ70により検出された揺動角度と、引き出し量検出手段としての第1磁気センサ44及び/又は速度センサ52Aにより検出された引き出し量とのうち、少なくとも一方に応じて、インクリボンの幅方向の寸法であるリボン幅wを決定する。
揺動角度を使用するか、引き出し量を使用するかの選択は、揺動角度の最大値がストッパEにより制限される許容値に達したか否かにより行われる。つまり、リボン幅決定手段79は、揺動センサ70により検出される揺動角度がストッパEにより制限される許容値未満である場合に、揺動角度に基づき、リボン幅wを決定し、揺動センサ70により検出される揺動角度がストッパEにより制限される許容値に達していた場合に、引き出し量に基づき、リボン幅wを決定する。
揺動角度からリボン幅w決定する場合、リボン幅決定部79は、より具体的には、最大値決定部76により決定された揺動角度の最大値に基づき、リボン幅wを決定する。この際、リボン幅決定部79は、揺動角度の最大値とリボン幅wとの関係を表しす第1相関関係(図8参照)を、予め記録している記憶部71から取得し、揺動角度の最大値と当該第1相関関係とに基づいて、リボン幅wを決定する。
一方、引き出し量からリボン幅wを決定する場合、リボン幅決定部79は、より具体的には、引き出し開始決定部77により引き出し量から決定された引き出し開始タイミングにおける、移動量検出部78により検出されたヘッド移動量に基づき、リボン幅wを決定する。この際、リボン幅決定部79は、引き出し開始タイミングにおけるヘッド移動量とリボン幅wとの関係を表しす第2相関関係(図9参照)を、予め記録している記憶部71から取得し、ヘッド移動量と当該第2相関関係とに基づいて、リボン幅wを決定する。
<インクリボン幅決定に係る動作>
以上、インクリボン幅決定に係る構成について説明した。次に、インクリボン幅決定に係る動作として、上記の手法を実現するために制御部7により実行される制御手順の例を、図11のフローにより説明する。図11は、制御部により実行される制御手順を表すフローチャートである。
以上、インクリボン幅決定に係る構成について説明した。次に、インクリボン幅決定に係る動作として、上記の手法を実現するために制御部7により実行される制御手順の例を、図11のフローにより説明する。図11は、制御部により実行される制御手順を表すフローチャートである。
図11に示すように、動作を開始すると、ステップS110が処理され、ステップS110では、制御部7が、後続の制御コントロールのためのフラグFを初期化するために、0が代入される。なお、このフラグFは説明の便宜上設定しているが、必ずしも必要ではなく、後続の処理が同様に制御される様々な方法が採用されてもよい。
次に、ステップS210が処理される。ステップS210では、制御部7は、ヘッド進退機構32を駆動し、サーマルヘッド3を、図1に示す印刷待機位置3Bから、印刷位置3Aに向けて前進を開始させる。
次に、ステップS220が処理される。ステップS220では、最大値決定部76は、揺動センサ70が検出した揺動角度を取得する。
次に、ステップS230が処理される。ステップS230(移動量検出手段の処理に相当)では、移動量検出部78が、ヘッド進退機構32によるサーマルヘッド3の移動量を検出する。
次に、ステップS240が処理される。ステップS240では、引き出し量検出手段としての第1磁気センサ44及び/又は速度センサ52Aが、引き出し量を検出し、引き出し開始決定部77は、この検出された引き出し量を取得する。
次に、ステップS250が処理される。ステップS250では、制御部7は、フラグFが1に変更されているか否かを確認し、フラグFが1に変更されている場合、後続のステップS260〜S280を省略し、ステップS290を処理するが、フラグFが1に変更されていない場合、ステップS260に進む。
ステップS260(引き出し開始決定手段の処理に相当)に進んだ場合、引き出し開始決定部77は、引き出し量に基づいて、サーマルヘッド3の進行によりインクリボン9が引き出されたか否かを判定する。インクリボン9が引き出されたと判定された場合、引き出し開始決定部77は、当該タイミングを引き出し開始タイミングに設定し、当該引き出し開始タイミングを、移動量検出部78に出力する。
引き出し開始タイミングを受け取った移動量検出部78は、ステップS270を処理し、その際に取得しているヘッド移動量を、引き出し開始タイミングにおけるヘッド移動量として記録する。そして、ステップS280が処理され、制御部7は、フラグFを1に変更する。
一方、ステップS260において、未だインクリボン9が引き出されていないと判定された場合、後続のステップS270、S280を省略し、ステップS290が処理される。
ステップS290では、制御部7が、ヘッド進退機構32の信号等により、サーマルヘッド3がプラテンローラQに対してインクリボン9を押し当てた位置まで到達したか否かが判定される。プラテンローラQに到達した場合、ステップS310に進むが、到達していない場合、ステップS210以降の処理が繰り返される。
ステップS310に進んだ場合、このステップS310では、制御部7により、ヘッド進退機構32によるサーマルヘッド3の前進が停止される。
次に、ステップS320(最大値決定手段の処理に相当)が処理される。ステップS320では、最大値決定部76が、ステップS110〜ステップS310に至るまでの間で、取得した揺動角度から最大値を、揺動角度の最大値として決定する。
次に、ステップS330が処理される。ステップS330では、リボン幅決定部79が、揺動角度の最大値を取得し、当該最大値からサーマルヘッド3の揺動がストッパEにより制限をうける許容値に達したか否かを判定する。この際リボン幅決定部330は、予め記憶された許容値と最大値とを比較することにより、この判定を行ってもよい。リボン幅決定部79は、最大値が許容値に達していない場合、ステップS340に進み、最大値が許容値に達している場合、ステップS350に進む。
ステップS340(リボン幅決定手段の処理に相当)に進んだ場合、リボン幅決定部79は、サーマルヘッド3の揺動角度の最大値と第1相関関係とに基づいて、リボン幅wを決定する。一方、ステップS350(リボン幅決定手段の処理に相当)に進んだ場合、リボン幅決定部79は、引き出し量に基づいて記憶した、引き出し開始タイミングにおけるヘッド移動量と第2相関関係とに基づいて、リボン幅wを決定する。そして、リボン幅wの決定動作を終了する。
リボン幅の決定動作の終了後、制御部7は、決定されたリボン幅wに基づいて、第1モータ81、第2モータ82等が適切なトルクを発生させるように駆動するなど、リボン幅wに応じて適切な制御を行う。
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態に係る印刷装置1はでは、サーマルヘッド3がインクリボン9を押圧するときの挙動に応じて、インクリボン9の幅方向寸法であるリボン幅wを決定(推定)する。つまり、サーマルヘッド3は、ヘッド支持機構31によって基準軸k(幅方向中心線に沿う)まわりに揺動可能に支持されつつ、ヘッド進退機構32によってインクリボン9側へと前進可能でかつその逆向きに後退可能に構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係る印刷装置1はでは、サーマルヘッド3がインクリボン9を押圧するときの挙動に応じて、インクリボン9の幅方向寸法であるリボン幅wを決定(推定)する。つまり、サーマルヘッド3は、ヘッド支持機構31によって基準軸k(幅方向中心線に沿う)まわりに揺動可能に支持されつつ、ヘッド進退機構32によってインクリボン9側へと前進可能でかつその逆向きに後退可能に構成されている。
そして、前進したサーマルヘッド3が供給ロール9Aから繰り出されたインクリボン9に対し当接すると、(前述のようにサーマルヘッド3は揺動可能に支持されていることから)サーマルヘッド3の幅方向全領域のうちそのインクリボンに当接された側(例えば幅方向一方側)はインクリボン9の張力によって反力を受ける。この結果、サーマルヘッド3は、幅方向一方側が上記反力の作用方向に移動しつつ幅方向他方側が上記反力作用方向とは反対側に移動するように、揺動する。種々のリボン幅wを備えたインクリボン9が用いられるとき、上記揺動時の揺動角度の最大値は、インクリボン9のリボン幅wが小さいほど、大きくなる。したがって、このような関係(第1相関関係)を利用することで、上記揺動角度の推移に基づき、インクリボン9のリボン幅wを推定することが可能である。
一方、供給ロール9Aから繰り出された後、所定の搬送経路Rを通って巻取ロール9Bまで掛け渡されたインクリボン9に対し、上述のようにサーマルヘッド3が当接すると、(上記揺動が生じつつも)サーマルヘッド3からインクリボン9への押圧力が作用することで、上記供給ロール9Aや上記巻取ロール9Bから、インクリボン9が引き出される。このときの引き出しが開始されるタイミングは、インクリボン9のリボン幅wが大きいほど、早くなる。したがって、このような関係(第2相関関係)を利用することで、上記引き出し量の推移に基づき、インクリボンのリボン幅wを推定することが可能である。
以上に対応して、本実施形態に係る印刷装置1においては、リボン幅決定部79が、上記揺動センサ70により検出された揺動角度、若しくは、上記引き出し量検出手段の例である第1磁気センサ44及び/又は速度センサ52Aにより検出された引き出し量、若しくは、それら検出された揺動角度及び引き出し量の両方、に応じて、インクリボン9のリボン幅wを決定(推定)する。これにより、上記幅検出センサ新設によるコストアップを招くことなく、インクリボン9のリボン幅wを正しく検出することができる。
なお、本実施形態に係る印刷装置1によれば、図6(c)(d)のようにリボン幅wがw3,w4である場合、つまり、サーマルヘッド3の全幅の1/2の寸法A(図6(a)参照)以下の場合は、特に上述のサーマルヘッド3の引き出し量と揺動角度との第2相関関係で表される挙動がより明確に出ることから、特に高い精度でリボン幅wを特定可能である。また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、図6(a)(b)のようにリボン幅wがw1,w2である場合においても、幅をより大きなサーマルヘッド3を使用することで、サーマルヘッド3の全幅の1/2の寸法A(図6(a)参照)以下とするとこで、第2相関関係を使用して、より高い精度でリボン幅wを特定してもよい。
このように、本実施形態に係る印刷装置1によれば、例えば、純正品でない第三者製造のインクリボンが装着された場合であったとしても、リボン幅wを正しく検出して、適性に動作できる。更に、印刷装置1は、ヘッド進退機構32によるサーマルヘッド3の前進時に、インクリボン9への当接直前に移動速度を低下させてゆっくり近づけて当接させることで、リボン幅wの検出をより安定的に行ってもよく、この場合、リボン幅wの検出精度をさらに向上できる。
また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、インクリボン9のリボン幅wが小さいほどサーマルヘッド3の揺動角度の最大値が大きくなることに対応し、リボン幅決定部79が、最大値決定部76により決定された揺動角度の最大値に基づき、インクリボン9のリボン幅wであるリボン幅wを決定する。これにより、上記幅検出センサを設けることなく、インクリボン9のリボン幅wを確実に検出することができる。
また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、リボン幅wが大きいほどインクリボンの引き出しが開始されるタイミング(引き出し開始タイミング)が早くなることに対応し、リボン幅決定部79が、引き出し開始決定部77により決定された引き出し開始タイミングにおける、移動量検出手段により検出された移動量に基づき、インクリボンのリボン幅wを決定する。これにより、上記幅検出センサを設けることなく、インクリボン9のリボン幅wを確実に検出することができる。
また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、インクリボン9のリボン幅wが小さいほどサーマルヘッド3の揺動角度の最大値が大きくなるとともに、インクリボン9のリボン幅wが大きいほどインクリボン9の引き出しが開始されるタイミング(引き出し開始タイミング)が早くなることに対応し、リボン幅決定部79は、最大値決定部76により決定された揺動角度の最大値に基づき、インクリボン9のリボン幅wを決定するか、若しくは、引き出し開始決定手段により決定された引き出し開始タイミングにおける、移動量検出部78により検出された移動量に基づき、インクリボン9のリボン幅wを決定する。これにより、上記幅検出センサを設けることなく、インクリボン9のリボン幅wを確実に高精度に検出することができる。
また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、上記のようなサーマルヘッド3の揺動において、過度な揺動による周囲構造への干渉・破損等を防止するためにストッパEが設けられ、揺動角度の最大値が所定の許容値以下に制限される。このようなストッパEが設けられる場合は、上記第1相関関係、つまり「インクリボン9のリボン幅wが小さいほどサーマルヘッド3の揺動角度の最大値が大きくなる」相関関係は、サーマルヘッド3の実際の揺動角度が上記許容値未満である場合(ストッパEの制限機能が働いていない場合)にのみ成り立ち、サーマルヘッド3の実際の揺動角度が上記許容値に達した場合(ストッパEの制限機能が働いている場合)には成り立たない。
そこで、印刷装置1によれば、上記に対応し、リボン幅決定部79は、上記揺動角度が上記許容値未満である場合にのみ、上記揺動角度の最大値に基づき、インクリボンのリボン幅wを決定する。これにより、上記周囲構造への干渉・破損等の防止を図りつつ、インクリボンのリボン幅wを確実に検出することができる。)
更に、印刷装置1によれば、上記に対応し、リボン幅決定部79は、上記揺動角度が上記許容値に達していた場合には、上記引き出し開始タイミングにおける上記サーマルヘッド3の移動量に基づき、インクリボン9のリボン幅wを決定する。これにより、上記周囲構造への干渉・破損等の防止を図りつつ、インクリボンのリボン幅wを確実に検出することができる。
また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、位置決め部POにより、インクロビン9を幅方向一方側に寄せて位置決めする。これにより、第1相関関係や、上記第2相関関係、つまり「インクリボンのリボン幅wが大きいほどインクリボン9の引き出しタイミングが早くなる」相関関係を確実に成り立たせ、これらを利用してインクリボン9のリボン幅wを確実に検出することができる。
また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、引き出し量検出手段の一例として、搬送されるインクリボン9の張力を検出する第1磁気センサ44が用いられる。これにより、インクリボン9の張力が増大するのに従って、対応するリボン引き出し量の増加を確実に検出することができる。
また、本実施形態に係る印刷装置1によれば、引き出し量検出手段の一例として、インクリボン9の移動とともに回転子が回転する速度センサ52Aが用いられる。これにより、インクリボン9の移動とともに回転子が回転するのに従って、対応するリボン引き出し量の増加を確実に検出することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明した。しかしながら、本発明の技術的思想の範囲は、ここで説明した実施の形態に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変更や修正、組み合わせなどを行うことに想到できることは明らかである。従って、これらの変更や修正、組み合わせなどの後の技術も、当然に本発明の技術的思想の範囲に属するものである。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
但し、例えばしきい値や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
但し、例えばしきい値や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
なお、以上において、図2等の各図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図11等に示すフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
1 印刷装置
3 サーマルヘッド(サーマルヘッドの一例)
4 第1センサアッセンブリ
4A テンションアーム
5 第2センサアッセンブリ
5A テンションアーム
7 制御部
9 インクリボン
9A 供給ロール(リボン供給ロールの一例)
9B 巻取ロール(リボン巻取ロールの一例)
21 第1スプール
22 第2スプール
31 ヘッド支持機構(ヘッド支持手段の一例)
32 ヘッド進退機構(ヘッド進退手段の一例)
44 第1磁気センサ(引き出し量検出手段、回転センサの一例)
52A 速度センサ(引き出し量検出手段、回転センサの一例)
7 制御部
70 揺動センサ(角度検出手段の一例)
71 記憶部
76 最大値決定部(最大値決定手段の一例)
77 引き出し開始決定部(引き出し開始決定手段の一例)
78 移動量検出部(移動量検出手段の一例)
79 リボン幅決定部(リボン幅決定手段の一例)
81 第1モータ
82 第2モータ
90 リボンアッセンブリ
E ストッパ(ストッパ手段の一例)
K 揺動基準軸
P 印刷媒体(受像体の一例)
PO 位置決め部(位置決め手段の一例)
Q プラテンローラ
V 媒体速度
W リボン速度
3 サーマルヘッド(サーマルヘッドの一例)
4 第1センサアッセンブリ
4A テンションアーム
5 第2センサアッセンブリ
5A テンションアーム
7 制御部
9 インクリボン
9A 供給ロール(リボン供給ロールの一例)
9B 巻取ロール(リボン巻取ロールの一例)
21 第1スプール
22 第2スプール
31 ヘッド支持機構(ヘッド支持手段の一例)
32 ヘッド進退機構(ヘッド進退手段の一例)
44 第1磁気センサ(引き出し量検出手段、回転センサの一例)
52A 速度センサ(引き出し量検出手段、回転センサの一例)
7 制御部
70 揺動センサ(角度検出手段の一例)
71 記憶部
76 最大値決定部(最大値決定手段の一例)
77 引き出し開始決定部(引き出し開始決定手段の一例)
78 移動量検出部(移動量検出手段の一例)
79 リボン幅決定部(リボン幅決定手段の一例)
81 第1モータ
82 第2モータ
90 リボンアッセンブリ
E ストッパ(ストッパ手段の一例)
K 揺動基準軸
P 印刷媒体(受像体の一例)
PO 位置決め部(位置決め手段の一例)
Q プラテンローラ
V 媒体速度
W リボン速度
Claims (9)
- インクリボンを供給するリボン供給ロールと、
前記リボン供給ロールから繰り出されて搬送される前記インクリボンを加熱して、受像体にインクを転写するサーマルヘッドと、
前記インクの転写後の前記インクリボンを巻き取るリボン巻取ロールと、
を有する印刷装置であって、
前記サーマルヘッドを、前記搬送されるインクリボンの幅方向中心線に沿う基準軸まわりに揺動可能に支持するヘッド支持手段と、
前記サーマルヘッドを、前記搬送されるインクリボンに対して進退させるヘッド進退手段と、
前記ヘッド支持手段により支持される前記サーマルヘッドの揺動角度を検出する角度検出手段と、
前記ヘッド進退手段により前記サーマルヘッドがインクリボン側へ前進し前記インクリボンに当接したときの、前記リボン供給ロール及び前記リボン巻取ロールからの前記インクリボンの引き出し量を検出する引き出し量検出手段と、
前記角度検出手段により検出された前記揺動角度と前記引き出し量検出手段により検出された前記引き出し量とのうち、少なくとも一方に応じて、前記インクリボンの前記幅方向の寸法を決定するリボン幅決定手段と、
を有することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
前記角度検出手段の検出結果における、前記ヘッド進退手段により前記サーマルヘッドが前記インクリボン側へ順次前進し、前記インクリボンを挟んで前記サーマルヘッドと反対側に対向して設けられたプラテンに対し前記インクリボンが当接するまでの、前記揺動角度の最大値を決定する最大値決定手段をさらに有し、
前記リボン幅決定手段は、
前記最大値決定手段により決定された前記揺動角度の前記最大値に基づき、前記インクリボンの前記幅方向寸法を決定する
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
前記ヘッド進退手段により進退する前記サーマルヘッドの進退方向における移動量を検出する移動量検出手段と、
前記引き出し量検出手段により検出される前記引き出し量に基づき、前記ヘッド進退手段により順次前進する前記サーマルヘッドの当接により前記インクリボンが引き出し開始される引き出し開始タイミングを決定する引き出し開始決定手段と、
をさらに有し、
前記リボン幅決定手段は、
前記引き出し開始決定手段により決定された前記引き出し開始タイミングにおける、前記移動量検出手段により検出された前記移動量に基づき、前記インクリボンの前記幅方向寸法を決定する
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
前記角度検出手段の検出結果における、前記ヘッド進退手段により前記サーマルヘッドが前記インクリボン側へ順次前進し、前記インクリボンを挟んで前記サーマルヘッドと反対側に対向して設けられたプラテンに対し前記インクリボンが当接するまでの、前記揺動角度の最大値を決定する最大値決定手段と、
前記ヘッド進退手段により進退する前記サーマルヘッドの進退方向における移動量を検出する移動量検出手段と、
前記引き出し量検出手段により検出される前記引き出し量に基づき、前記ヘッド進退手段により順次前進する前記サーマルヘッドの当接により前記インクリボンが引き出し開始される引き出し開始タイミングを決定する引き出し開始決定手段と、
をさらに有し、
前記リボン幅決定手段は、
前記最大値決定手段により決定された前記揺動角度の前記最大値に基づき、前記インクリボンの前記幅方向寸法を決定するか、
若しくは、
前記引き出し開始決定手段により決定された前記引き出し開始タイミングにおける、前記移動量検出手段により検出された前記移動量に基づき、前記インクリボンの前記幅方向寸法を決定する
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項2又は請求項4記載の印刷装置において、
前記ヘッド進退手段により前記サーマルヘッドが前記インクリボン側へ順次前進するときの前記揺動角度の最大値を所定の許容値以下に制限するストッパ手段をさらに有し、
前記リボン幅決定手段は、
前記角度検出手段により検出される前記揺動角度が前記ストッパ手段により制限される前記許容値未満である場合に、前記最大値決定手段により決定された前記揺動角度の前記最大値に基づき、前記インクリボンの前記幅方向寸法を決定する
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項3又は請求項4記載の印刷装置において、
前記ヘッド進退手段により前記サーマルヘッドが前記インクリボン側へ順次前進するときの前記揺動角度の最大値を所定の許容値以下に制限するストッパ手段をさらに有し、
前記リボン幅決定手段は、
前記角度検出手段により検出される前記揺動角度が前記ストッパ手段により制限される前記許容値に達していた場合に、前記引き出し開始決定手段により決定された前記引き出し開始タイミングにおける、前記移動量検出手段により検出された前記移動量に基づき、前記インクリボンの前記幅方向寸法を決定する
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記リボン供給ロールから繰り出され前記サーマルヘッドを経て前記リボン巻取ロールに至るリボン搬送経路を搬送される前記インクリボンを、幅方向一方側に寄せて位置決めするための、位置決め手段をさらに有する
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記引き出し量検出手段は、
前記リボン搬送経路に設けられ、搬送される前記インクリボンの張力を検出する張力センサである
ことを特徴とする印刷装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の印刷装置において、
前記引き出し量検出手段は、
前記リボン搬送経路に設けられ、搬送方向に沿った前記インクリボンの移動とともに回転子が回転する回転センサである
ことを特徴とする印刷装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017063971A JP2018165042A (ja) | 2017-03-28 | 2017-03-28 | 印刷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017063971A JP2018165042A (ja) | 2017-03-28 | 2017-03-28 | 印刷装置 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2017063971A Pending JP2018165042A (ja) | 2017-03-28 | 2017-03-28 | 印刷装置 |
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JP (1) | JP2018165042A (ja) |
-
2017
- 2017-03-28 JP JP2017063971A patent/JP2018165042A/ja active Pending
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