JP2012076308A - サーマルプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】リボン径の変化による回転角度検出部の分解能低下に起因して頭出し動作の位置決め精度が低下することを回避して、頭出し動作の位置決め精度を向上させたサーマルプリンタを提供する。
【解決手段】サーマルプリンタは、リボンRbを用紙Paと共に搬送しつつサーマルヘッド1に通電してリボンRbの転写物を用紙に熱転写する印刷搬送動作を行う装置であり、所定の判定タイミングで印刷搬送動作を通じてリボンRb及び用紙Paが所定距離搬送される間に各々の回転角度検出部6a・6bから出力される検知信号Psを計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部6a・6bのうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する分解能判定部73を設け、この分解能判定部73によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部6a(6b)を用いて以降の頭出し動作を行うように構成した。
【選択図】図1
【解決手段】サーマルプリンタは、リボンRbを用紙Paと共に搬送しつつサーマルヘッド1に通電してリボンRbの転写物を用紙に熱転写する印刷搬送動作を行う装置であり、所定の判定タイミングで印刷搬送動作を通じてリボンRb及び用紙Paが所定距離搬送される間に各々の回転角度検出部6a・6bから出力される検知信号Psを計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部6a・6bのうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する分解能判定部73を設け、この分解能判定部73によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部6a(6b)を用いて以降の頭出し動作を行うように構成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、サーマルヘッドの加熱によりリボンに塗布されたインク等の転写物を用紙に熱転写して印刷を行うサーマルプリンタに関するものである。
サーマルプリンタは、例えばイエロー、マゼンタ、シアン等の複数色のインクやオーバーコート層等の転写物が所定の繰り出し方向に沿って順次配列されたリボンを用いて印刷する装置であり、具体的には、リボンをサーマルヘッドにより用紙に押し当てたヘッドダウン状態でリボンを用紙と共に搬送しつつサーマルヘッドに通電することで転写物を用紙に熱転写させる印刷搬送動作と、サーマルヘッドに対するリボンの相対位置が所定の頭出し位置になるようにリボンを繰り出す頭出し動作とを実行可能に構成されており、例えばイエローの印刷搬送動作、マゼンタの頭出し動作、マゼンタの印刷搬送動作…というように印刷搬送動作と頭出し動作とを順に実行することにより複数種の転写物を用紙に順次転写して印刷する装置である。
この種のサーマルプリンタとして例えば特許文献1には、供給側リボンローラと巻取側リボンローラとの間でリボンを繰り出し又は巻き戻すリボン搬送手段と、対をなすローラで用紙を挟持しつつローラの回転により用紙を搬送する用紙搬送機構とを備え、リボン及び用紙を圧接したヘッドダウン状態で用紙搬送機構を通じて用紙を搬送することによりリボン及び用紙を共に搬送し、サーマルヘッドへの通電によりリボンの転写物を熱転写する印刷搬送動作を行うサーマルプリンタが開示されている。
また、頭出し動作の一種として特許文献1には、次のインク(転写物)の塗布領域先端(エッジ)を検出するエッジセンサと、リボンローラが所定の単位回転角度回転する毎に検知信号を出力するロータリーエンコーダ等を用いた回転角度検出部とを有し、エッジセンサでの検出時から回転角度検出部により出力される検知信号の計測数に基づきリボン搬送手段を通じてリボンの搬送を制御することで頭出し動作を行うサーマルプリンタが開示されている。
しかしながら、リボンローラに巻回されるリボン径が太くなるほど、単位回転角度あたりのリボンの長さすなわち一つの検知信号の示すリボン搬送距離が長くなり、回転角度検出部の分解能が低下する一方で、リボン径が細くなるほど、単位回転角度あたりのリボンの長さすなわち一つの検知信号の示すリボン搬送距離が短くなり、回転角度検出部の分解能が高くなるので、リボン径の変化により分解能が低下した状態では、頭出し動作の位置決め精度が低下してしまう。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、その目的は、リボン径の変化による回転角度検出部の分解能低下に起因して頭出し動作の位置決め精度が低下することを回避して、頭出し動作の位置決め精度を向上させたサーマルプリンタを提供することである。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明のサーマルプリンタは、リボンをサーマルヘッドにより用紙に押し当てたヘッドダウン状態で当該リボンを用紙と共に搬送しつつサーマルヘッドに通電してリボンの転写物を用紙に熱転写する印刷搬送動作を行うサーマルプリンタであって、巻回状態で保持するリボンをサーマルヘッドに対して繰り出す供給側リボンローラと、供給側リボンローラからサーマルヘッドに至ったリボンを巻き取る巻取側リボンローラと、各々のリボンローラに設けられリボンローラが所定の単位回転角度回転する毎に検知信号を出力する回転角度検出部と、前記回転角度検出部から出力される検知信号の計測数に基づきリボンローラの回転を制御することによりサーマルヘッドに対するリボンの相対位置が所定の頭出し位置となるようにリボンを繰り出す頭出し動作を行う制御部とを具備し、所定の判定タイミングで印刷搬送動作を通じてリボン及び用紙が所定距離搬送される間に各々の回転角度検出部から出力される検知信号を計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部のうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する分解能判定部を設け、この分解能判定部によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部を用いて以降の頭出し動作を行うように構成していることを特徴とする。
分解能は、一つの検出信号が示すリボン搬送距離を意味する。或る回転角度検出部が他の回転角度検出部よりも分解能が高いとは、或る回転角度検出部の検知信号が示すリボン搬送距離が他の回転角度検出部の検出信号が示すリボン搬送距離よりも短いことを意味する。言い換えると、所定距離リボン及び用紙を搬送する間に計測される或る回転角度検出部の検知信号の計測数が他の回転角度検出部の検知信号の計測数よりも多いことを意味する。
このように、所定の判定タイミングで印刷搬送動作を通じてリボン及び用紙が所定距離搬送される間に各々の回転角度検出部から出力される検知信号を計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部のうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する分解能判定部を設け、この分解能判定部によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部を用いて以降の頭出し動作を行うので、リボンローラに巻回されるリボン径の変化に伴う回転角度検出部の分解能低下に起因して頭出し動作の位置決め精度が低下することを抑制又は回避でき、単一の回転角度検出部を用いて頭出し動作を行う場合に比べて頭出し動作の位置決め精度を向上させることが可能となる。
検知信号の適切な計測を可能として的確な分解能判定を実現するためには、インク及びオーバーコート層を含む複数種類の転写物が所定の繰り出し方向に沿って順次配列されたリボンを用いて印刷するサーマルプリンタであって、所定の判定タイミングは、検知信号を計測する際のサーマルヘッドへの通電がほぼ一定となるオーバーコート層を熱転写する印刷搬送動作時に設定されていることが望ましい。
本発明は、以上説明したように、所定の判定タイミングで印刷搬送動作を通じてリボン及び用紙が所定距離搬送される間に各々の回転角度検出部から出力される検知信号を計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部のうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する分解能判定部を設け、この分解能判定部によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部を用いて以降の頭出し動作を行うので、リボンローラに巻回されるリボン径の変化に伴う回転角度検出部の分解能低下に起因して頭出し動作の位置決め精度が低下することを抑制又は回避でき、単一の回転角度検出部を用いて頭出し動作を行う場合に比べて頭出し動作の位置決め精度を向上させることが可能となる。したがって、製品品質を向上させたサーマルプリンタを提供することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態のサーマルプリンタは、図5に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン等の複数種のインク及びオーバーコート層等の複数種の転写物が塗布されたリボンRbを用い、複数種類の転写物を記録媒体たる用紙に順次印刷してカラー印刷を行うプリンタである。本実施形態では、互いに異なる色のインク(イエローY,マゼンタM,シアンC)及びオーバーコート層OPを含む転写物を一つのセットsetとして、単一のリボンRbが複数セットsetを有するように構成し、各々のセットsetを構成する転写物の塗布領域Y,M,C,OPがリボンRbの繰り出し方向に沿って順次配列されている。
サーマルプリンタの具体的な構成は、図1に示すように、サーマルヘッド1及びサーマルヘッド1に対向するプラテンローラ2と、用紙Paを搬送する用紙搬送機構3と、供給側リボンローラ41と巻取側リボンローラ42との間でリボンRbを繰り出し又は巻き戻すリボン搬送手段4と、インク等の転写物の塗布領域先端eg(エッジとも呼ばれる)を検出するエッジセンサ5と、両リボンローラ41・42に設けられる二つの回転角度検出部6a・6bと、信号線S1〜S5を介して各部1〜5,6a,6bと電気的に接続され各部1〜5,6a、6bの制御を行う制御部7とを有している。
サーマルヘッド1及びプラテンローラ2は、相対接離自在に構成されて、ヘッドダウン状態とヘッドアップ状態とを切り替え可能にしている。ヘッドダウン状態は、図2(a)に示すように、サーマルヘッド1及びプラテンローラ2でリボンRb及び用紙Paを圧接した状態であり、ヘッドアップ状態は、図2(d)に示すように、サーマルヘッド1及びプラテンローラ2を離間させてリボンRb及び用紙Paの圧接状態を開放した状態である。
用紙搬送機構3は、図1及び図2に示すように、マイクログリップローラ31及びピンチローラ32を有し、両ローラ31・32で用紙Paを挟持しつつマイクログリップローラ31をモータ等の用紙駆動部33で回転駆動することで用紙Paを搬送する。なお、用紙Paは、ロール状に巻回された状態で給紙部pfに保持されて、サーマルヘッド1に対し繰り出し又は巻き戻し可能にされている。
リボン搬送手段4は、図1に示すように、巻回状態で保持するリボンRbをサーマルヘッド1に対して繰り出す供給側リボンローラ41と、供給側リボンローラ41からサーマルヘッド1に至ったリボンRbを巻き取る巻取側リボンローラ42と、両リボンローラ41・42を回転駆動させるDCモータ等のリボン駆動部43・43とを有し、図3(b)に示すように、巻取側リボンローラ42を回転駆動することで供給側リボンローラ41からサーマルヘッド1に対しリボンRbが繰り出され、供給側リボンローラ41を回転駆動することで繰り出されたリボンRbが巻き戻される。
エッジセンサ5は、図1に示すように、供給側リボンローラ41からサーマルヘッド1に至るリボンRbを挟み込む位置に配置される発光部51及び受光部52で構成され、発光部51で発光された光が受光部52で受光されるか否かでエッジとも呼ばれる転写物の塗布領域先端egを検出する。
回転角度検出部6a・6bは、図1に示すように、ロータリーエンコーダを供給側リボンローラ41、巻取側リボンローラ42に直接又は減速ギアを介してそれぞれ設けたもので、径方向に複数のスリットslが形成されリボンローラ41(42)と共に回転する回転板61と、この回転板61を挟む位置に配置される発光素子62及び受光素子63とで構成され、リボンローラ41(42)の回転に伴って回転板61が回転することで、発光素子62で発光された光がスリットslを通って受光素子63で受光される受光状態と、回転板61のうちスリットslが形成されていない部位で光が遮断されて受光素子63で受光されない遮蔽状態とが切り替わり、受光状態及び遮蔽状態が切り替わる毎に検知信号Psを出力し、出力される検知信号Psでパルス信号が構成される。回転板61にはスリットslが等間隔に周縁部全体に亘り形成されており、リボンローラ41(42)が一回転する間に出力される検知信号Psの出力数Nが予め設定されている。すなわち、リボンローラ41(42)が所定の単位回転角度回転する毎に検知信号Psを出力する。インクリボンRbの直径をDとすると、単一の検知信号PsあたりのインクリボンRbの移動量が(Dπ/N)であるので、インクリボンRbが単位量(Dπ/N)移動する毎に検知信号Psが出力される。図4において二点鎖線で誇張して示すように、リボンローラ41(42)に巻回されるリボン量が増えてリボン径が太くなるほど、単位回転角度あたりのリボンの長さすなわち一つの検知信号Psの示すリボン搬送距離(Dπ/N)が長くなり、回転角度検出部6a(6b)の分解能が低下する。一方、図4において実線で誇張して示すように、リボンローラ41(42)に巻回されるリボン量が減ってリボン径が細くなるほど、単位回転角度あたりのリボンの長さすなわち一つの検知信号Psの示すリボン搬送距離(Dπ/N)が短くなり、回転角度検出部6a(6b)の分解能が高くなる。
図1に示す制御部7は、外部から受け付けた印刷指令に基づいて上記各部1〜5,6a、6bの駆動を制御するもので、図1に示すように、リボンRbをサーマルヘッド1により用紙Paに押し当てたヘッドダウン状態でリボンRbを用紙Paと共に搬送しつつサーマルヘッド1に通電することでリボンRbの転写物を用紙Paに熱転写する印刷搬送動作(図2参照)を行う印刷制御部71と、サーマルヘッド1に対するリボンRbの相対位置が所定の頭出し位置po2となるようにリボンRbを繰り出す頭出し動作(図3参照)を行う頭出し制御部72とを有しており、例えばイエローの印刷搬送動作、マゼンタの頭出し動作、マゼンタの印刷搬送動作…というように印刷搬送動作と頭出し動作とを交互に実行することにより複数種の転写物を用紙に順次熱転写して印刷する。図1に示す制御部7は、周知のサーマルプリンタと同様にCPU、メモリ及びインターフェイスを具備する通常のマイクロコンピュータユニットにより構成されて、メモリ内に図示しない印刷制御処理ルーチンや頭出し制御処理ルーチン、図7に示す分解能判定処理ルーチン等の所要のプログラムが書き込まれており、CPUは適宜必要なプログラムを呼び出して実行することにより、周辺ハードリソースと協働して、上記の印刷制御部71と、頭出し制御部72と、分解能判定部73とを実現する。
図1に示す印刷制御部71は、図2(a)に示すように、サーマルヘッド1及びプラテンローラ2でリボンRb及び用紙Paを圧接するヘッドダウン状態にし、図2(b)に示すように、リボン搬送手段4及び用紙搬送機構3でリボンRbと共に用紙Paを移動させつつサーマルヘッド1に通電することでインクを用紙Paに熱転写する印刷搬送動作を行い、図2(c)に示すように、サーマルヘッド1への通電及び用紙搬送を停止し、図2(d)に示すように、サーマルヘッド1及びプラテンローラ2を離間させてリボンRb及び用紙Paの圧接状態を開放するヘッドアップ状態にする。なお、インク(イエローY,マゼンタM,シアンC)の印刷搬送動作時は、印刷内容に応じた印刷階調で印刷するためサーマルヘッド1への通電を変化させるが、オーバーコート層OPの印刷搬送動作時は、印刷階調が一定であるためサーマルヘッド1への通電をほぼ一定に維持して印刷を行う。
図1に示す頭出し制御部72は、図1及び図3(a)に示すように、二つの回転角度検出部6a・6bのうち下記の分解能判定部73によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部6a(6b)から出力される検知信号Psの計測数に基づきリボンローラ41・42の回転を制御することでサーマルヘッド1に対するリボンRbの相対位置が次の印刷で用いる所定の頭出し位置po2になるようにリボンRbを繰り出す頭出し動作を実行する。エッジセンサ5でエッジegが検出される時点の相対位置po1から所定の頭出し位置po2までの繰り出し距離は既知であるので、この距離を上記一つの検知信号Psが示すリボン搬送距離(Dπ/N)で除算して余りを切り上げて検知信号Psの計測数に変換し、インク等の転写物のエッジegが検出される時点を起点として上記頭出し位置po2へリボンRbを繰り出すために必要な目標計測数Xとして予め設定している。そして、図3(b)に示すように、エッジセンサ5により次の印刷搬送動作で用いるインク(マゼンタM)のエッジegが検出される時点で、下記分解能判定部73によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部6a(6b)から出力される検知信号Psの計測(カウント)を開始するとともに、図3(c)に示すように、検知信号Psの計測数(カウント数)が上記目標計測数X(目標カウント数)になるようにリボン搬送手段4を通じてリボンRbを繰り出す。目標計測数Xは、繰り出すべき距離を一つの検知信号Psあたりのリボン搬送距離(Dπ/N)で除算して余りを繰り上げて設定されるので、リボン径が太くなるほど繰り上がる余りが多大となり、頭出し動作の位置決め精度が低下する原因となる。
図1に示す分解能判定部73は、所定の判定タイミングで印刷搬送動作によってリボン及び用紙が所定距離L搬送される間に各々の回転角度検出部6a・6bから出力される検知信号Psを計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部6a・6bのうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する。所定の判定タイミングは、回転角度検出部6a・6bからの検知信号Psを計測する際のサーマルヘッド1への通電がほぼ一定(印刷階調一定)となるオーバーコート層OPを熱転写する印刷動作時に設定されている。
具体的には、図7に示すように、分解能判定部73は、印刷制御部71によりオーバーコート層OPを熱転写する印刷搬送動作が開始されたか否かを判定し(処理ST1)、オーバーコート層OPを熱転写する印刷搬送動作が開始されたと判定されるまで待機する(処理ST1:NO)。処理ST1において、オーバーコート層OPを熱転写する印刷搬送動作が開始されたと判定した場合には(処理ST1:YES)、各々の回転角度検出部6a・6bから出力される検知信号Psの計測を開始し(処理ST2)、所定距離L搬送されるまで計測を継続する(処理ST3:NO)。所定距離Lは予め定めた値でもよいし、印刷指令に応じた通電距離でもよい。所定距離L搬送された場合には(処理ST3:YES)、各々の計測数に基づき供給側リボンローラ41のリボン径D1及び巻取側リボンローラ42のリボン径D2を算出する(処理ST4)。具体的には、リボン直径D=(所定距離L×N)/(計測数×π)の演算により算出される。
次に、算出した各々のリボン径D1・D2を比較し(処理ST5)、比較の結果、図6及び図7に示すように、巻取側リボン径D2が供給側リボン径D1よりも小さい場合には(処理ST5:YES)、巻取側の回転角度検出部6bの方が供給側の回転角度検出部6aよりも分解能が高いと判定し(処理ST6)、巻取側の回転角度検出部6bが出力する検知信号Psの計測数を用いて以降の頭出し動作が行われる。
一方、処理ST5の比較の結果、供給側リボン径D1が巻取側リボン径D2よりも小さい場合には(処理ST5:NO)、供給側の回転角度検出部6aの方が巻取側の回転角度検出部6bよりも分解能が高いと判定し(処理ST7)、供給側の回転角度検出部6aが出力する検知信号Psの計測数を用いて以降の頭出し動作が行われる。
勿論、本実施形態では、分解能の比較を各々のリボン径D1・D2を算出しているが、演算を省略するために検知信号Psの計測数の比較を行い、検知信号Psの計測数の多い方を分解能が高いと判定するように構成してもよい。その他には、一検知信号Psあたりのリボン搬送距離を算出して、これらリボン搬送距離同士を比較して短い方を分解能が高いと判定するように構成してもよい。
以上のように本実施形態に係るサーマルプリンタは、リボンRbをサーマルヘッド1により用紙Paに押し当てたヘッドダウン状態でリボンRbを用紙Paと共に搬送しつつサーマルヘッド1に通電してリボンRbの転写物を用紙Paに熱転写する印刷搬送動作を行うサーマルプリンタであって、巻回状態で保持するリボンRbをサーマルヘッド1に対して繰り出す供給側リボンローラ41と、供給側リボンローラ41からサーマルヘッド1に至ったリボンRbを巻き取る巻取側リボンローラ42と、各々のリボンローラ41・42に設けられリボンローラ41・42が所定の単位回転角度回転する毎に検知信号Psを出力する回転角度検出部6a・6bと、回転角度検出部6a・6bから出力される検知信号Psの計測数に基づきリボンローラ41・42の回転を制御することによりサーマルヘッド1に対するリボンRbの相対位置が所定の頭出し位置po2となるようにリボンRbを繰り出す頭出し動作を行う制御部とを具備し、所定の判定タイミングで印刷搬送動作によりリボンRb及び用紙Paが所定距離L搬送される間に各々の回転角度検出部6a・6bから出力される検知信号Psを計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部6a・6bのうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する分解能判定部73を設け、この分解能判定部73によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部6a(6b)を用いて以降の頭出し動作を行うように構成している。
分解能は、一つの検出信号が示すリボン搬送距離を意味する。或る回転角度検出部が他の回転角度検出部よりも分解能が高いとは、或る回転角度検出部の検知信号が示すリボン搬送距離が他の回転角度検出部の検出信号が示すリボン搬送距離よりも短いことを意味する。或いは、所定距離リボン及び用紙を搬送する間に計測される或る回転角度検出部の検知信号の計測数が他の回転角度検出部の検知信号の計測数よりも多いことを意味する。
このように、所定の判定タイミングで印刷搬送動作を通じてリボンRb及び用紙Paが所定距離L搬送される間に各々の回転角度検出部6a・6bから出力される検知信号Psを計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部6a・6bのうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する分解能判定部73を設け、この分解能判定部73によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部6a(6b)を用いて以降の頭出し動作を行うので、リボンローラ41・42に巻回されるリボン径Dの変化に伴う回転角度検出部6a・6bの分解能低下に起因して頭出し動作の位置決め精度が低下することを抑制又は回避でき、単一の回転角度検出部を用いて頭出し動作を行う場合に比べて頭出し動作の位置決め精度を向上させることが可能となる。しかも、頭出し動作の位置決め精度が向上することで、インクY,M,Cやオーバーコート層OP等の転写物の塗布領域を実際の印刷で用いる使用領域よりも広く設定する必要がなくなり、塗布領域のうち印刷に使用されない余白部位を低減又は無くしたリボン設計を可能として、リボンコストを低減させることも可能となる。
上記のようにサーマルプリンタでは、印刷内容に応じた印刷階調で印刷するためサーマルヘッド1への通電を変化させるが、サーマルヘッド1への通電が変動することでリボンRbを巻き取るために必要な張力が変化するもので、サーマルヘッド1への通電が変動するときに検知信号Psを計測すると計測結果に影響を与える可能性が考えられるものの、本実施形態では、インクY,M,C及びオーバーコート層OPを含む複数種類の転写物が所定の繰り出し方向に沿って順次配列されたリボンRbを用いて印刷するサーマルプリンタであって、所定の判定タイミングは、検知信号Psを計測する際のサーマルヘッド1への通電がほぼ一定となるオーバーコート層OPを熱転写する印刷搬送動作時に設定されているので、サーマルヘッド1への通電を一定にしてリボンRbを巻き取るために必要な張力が安定した状態で計測するため、検知信号Psの適切な計測を可能として的確な分解能判定を実現することが可能となる。
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
その他、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1…サーマルヘッド
41…供給側リボンローラ
42…巻取側リボンローラ
6a…供給側の回転角度検出部
6b…巻取側の回転角度検出部
7…制御部
73…分解能判定部
Pa…用紙
Rb…リボン
Ps…検知信号
Y,M,C…インク(転写物)
OP…オーバーコート層(転写物)
41…供給側リボンローラ
42…巻取側リボンローラ
6a…供給側の回転角度検出部
6b…巻取側の回転角度検出部
7…制御部
73…分解能判定部
Pa…用紙
Rb…リボン
Ps…検知信号
Y,M,C…インク(転写物)
OP…オーバーコート層(転写物)
Claims (2)
- リボンをサーマルヘッドにより用紙に押し当てたヘッドダウン状態で当該リボンを用紙と共に搬送しつつサーマルヘッドに通電してリボンの転写物を用紙に熱転写する印刷搬送動作を行うサーマルプリンタであって、
巻回状態で保持するリボンをサーマルヘッドに対して繰り出す供給側リボンローラと、供給側リボンローラからサーマルヘッドに至ったリボンを巻き取る巻取側リボンローラと、各々のリボンローラに設けられリボンローラが所定の単位回転角度回転する毎に検知信号を出力する回転角度検出部と、前記回転角度検出部から出力される検知信号の計測数に基づきリボンローラの回転を制御することによりサーマルヘッドに対するリボンの相対位置が所定の頭出し位置となるようにリボンを繰り出す頭出し動作を行う制御部とを具備し、
所定の判定タイミングで印刷搬送動作を通じてリボン及び用紙が所定距離搬送される間に各々の回転角度検出部から出力される検知信号を計測し、各々の計測結果を比較して二つの回転角度検出部のうちどちらが他方よりも分解能が高いかを判定する分解能判定部を設け、この分解能判定部によって分解能が高いと判定された方の回転角度検出部を用いて以降の頭出し動作を行うように構成していることを特徴とするサーマルプリンタ。 - インク及びオーバーコート層を含む複数種類の転写物が所定の繰り出し方向に沿って順次配列されたリボンを用いて印刷するサーマルプリンタであって、
所定の判定タイミングは、検知信号を計測する際のサーマルヘッドへの通電がほぼ一定となるオーバーコート層を熱転写する印刷搬送動作時に設定されている請求項1に記載のサーマルプリンタ。
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JP2010222092A JP2012076308A (ja) | 2010-09-30 | 2010-09-30 | サーマルプリンタ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010222092A JP2012076308A (ja) | 2010-09-30 | 2010-09-30 | サーマルプリンタ |
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