JP2018170230A - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン伝導性をより向上した溶媒和イオン液体を利用した新規なリチウム二次電池を提供する。【解決手段】リチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質を含む正極22と、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を負極活物質として含む負極23と、正極22と負極23との間に介在しリチウムイオンを伝導しグライムとイミド構造を含むアニオン及びアルカリ金属のカチオンとフッ素を含まず炭素数6以下のアルコキシ基を有するホスホン酸系エステル及びリン酸系エステルのうち1以上を含むリン化合物とを含む電解液27とを備えたリチウム二次電池20。【選択図】図1

Description

本明細書で開示する発明である本開示は、リチウム二次電池に関する。
従来、リチウム二次電池としては、トリグライムにリチウムのイミド塩(LiFSI)を加えた溶媒和イオン液体を電解液に用いたものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。また、リチウム二次電池としては、溶媒和イオン液体にハイドロフルオロエーテルの第2成分の溶媒を添加した電解液を用いたものが提案されている(特許文献1参照)。この二次電池では、溶媒和イオン液体をアルカリ金属−硫黄二次電池の電解質として用いている。
特開2014−112526号公報
J.Electrochem.Soc.,158(6)A769−A774(2011)
上述した非特許文献1のように、グライムに等モルのリチウム塩を溶解させることで、溶媒和イオン液体という電解液を調製することができることが知られている。溶媒和イオン液体は、蒸気圧が低いなど、安定的な電解液になると期待されているが、特に−20℃以下の低温など、リチウムイオン伝導率は既存の有機溶媒系電解液と比較して低かった。このような、溶媒和イオン液体を電解液において、イオン伝導性をより向上することが求められていた。また、このような電解液をリチウム二次電池に用いた際に、添加成分によっては電極上で副反応などが起きる可能性があり、どのような電解液がリチウム二次電池に適用可能であるかについては、知見の蓄積が十分ではなかった。
本開示は、このような課題を解決するためになされたものであり、イオン伝導性をより向上した溶媒和イオン液体を利用した新規なリチウム二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明者らは、グライムとリチウムのイミド塩を加えた溶媒和イオン液体にリン系の化合物を添加したところ、イオン伝導性をより向上することができることを見いだし、更にそのようなもののうち、リチウム二次電池により適した電解液を見いだし、本開示の発明を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示するリチウム二次電池は、
リチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質を含む正極と、
リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を負極活物質として含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導し、グライムと、イミド構造を含むアニオン及びアルカリ金属のカチオンと、フッ素を含まず炭素数6以下のアルコキシ基を有するホスホン酸系エステル及びリン酸系エステルのうち1以上を含むリン化合物とを含む電解液と、
を備えたものである。
本開示では、イオン伝導性をより向上した溶媒和イオン液体を利用した新規なリチウム二次電池を提供することができる。このような効果が得られる理由は、例えば、以下のように推察される。例えば、リチウム塩と鎖状エーテルをモル比で1:1として混合して得られる溶媒和イオン液体は、リチウムイオン伝導性を示すが、その伝導度は既存の有機電解液に比して約1桁低い。この要因は、溶媒和イオン液体の高い粘度によるものと推察される。本開示の溶媒和イオン液体では、特定のリン化合物を混合することによって粘度が低下し、イオン伝導度が向上するものと考えられる。また、電解液の組成は、例えば、充放電時の電極反応時に副反応が起きるなど、電池の充放電特性に大きく影響する。このリチウム二次電池では、上述したイオン伝導度を向上したもののうち、溶媒和イオン液体の副反応などがより抑制されるため、リチウム二次電池の充放電容量をより向上することができるものと推察される。
リチウム二次電池20の構成の一例を示す模式図。
本明細書で開示するリチウム二次電池は、正極と、負極と、電解液とを備える。正極は、リチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質を含む。負極は、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を負極活物質として含む。電解液は、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するものである。この電解液は、グライムと、イミド構造を含むアニオン及びアルカリ金属のカチオンと、リン化合物とを含む。このリン化合物は、フッ素を含まず炭素数6以下のアルコキシ基を有するホスホン酸系エステル及びリン酸系エステルのうち1以上を含む。
正極は、例えば、正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn24などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiaCobMnc2(a+b+c=1)などとするリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物、基本組成式をLiV23などとするリチウムバナジウム複合酸化物、基本組成式をV25などとする遷移金属酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiV23などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素を含んでもよい趣旨である。導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
負極は、負極活物質と集電体とを密着させて形成したものとしてもよいし、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素質材料が挙げられる。炭素質材料は、例えば、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、人造黒鉛、天然黒鉛などのグラファイト類が好ましい。また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
電解液は、グライムと、イミド構造を含むアニオン及びアルカリ金属のカチオンと、リン化合物とを含む。グライムは、直鎖状の対称グリコールジエーテルの総称であり、例えば、R−O(CH2CH2O)n−Rで表されるものとしてもよい。式中、Rは、アルキル基又はアリール基であり、nは1以上の整数である。アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどが挙げられる。アリール基としては、フェニル、ナフチル、アントリルなどが挙げられる。nは、1以上の整数であればよいが、3又は4であることが好ましい。グライムは、トリグライムジメチルエーテル(G3)及びテトラグライムジメチルエーテル(G4)のうち1以上であるものとしてもよい。グライムは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
イミド構造を含むアニオンとしては、例えば、窒素にカルボニル基が2つ結合したイミドアニオンのほか、窒素に2つのスルホニル基が結合したスルホニルイミドアニオンや、窒素に1つのスルホニル基と1つのカルボニル基が結合したスルホニルカルボニルイミドアニオンなどを含むものとしてもよい。イミド構造を含むアニオンとしては、スルホニルイミドアニオンやスルホニルカルボニルイミドアニオンが好ましく、スルホニルイミドアニオンがより好ましい。スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(TFSI) やビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドアニオン(BETI)、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン(FSI)、フルオロスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミドアニオン(FTA)、4,4,5,5,−テトラフルオロ−1,3,2−ジチアゾリン−1,1,3,3−テトラオキシドアニオン(CTFSI)等が挙げられる。スルホニルカルボニルイミドアニオンとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロ−N−(トリフルオロメチルスルホニル)アセトアミドアニオン(TSAC)等が挙げられる。このうち、グライムに対する溶解性や、錯体形成しやすさなどの観点からは、TFSIやFSIが好ましい。イミド構造を含むアニオンは、有機アニオンであることが好ましい。このイミド構造を含むアニオンは、アルカリ金属イオンを対カチオンとしてもよい。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが好ましく、リチウムがより好ましい。イミド構造を含むアニオンとカチオンとを含むイミド塩としては、例えば、LiFSIやLiTFSIなどが好ましい。
このリン化合物は、フッ素を含まず炭素数6以下のアルコキシ基を有するホスホン酸系エステル及びリン酸系エステルのうち1以上を含む。このリン化合物がフッ素を含むと、耐熱性は向上するが、酸化還元耐性は低下することがあり、リチウム二次電池の充放電を阻害することがある。特に負極活物質の電位(リチウム金属基準)が低いほどフッ素を含まないことが好ましい。また、正極活物質の電位(リチウム金属基準)が高いほどフッ素を含むことが好ましい。このリン化合物が有するアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、このうち、メトキシ基やエトキシ基が好ましい。このリン化合物としては、式(1)、(2)に示す1以上の化合物が挙げられる。具体的には、エチルホスホン酸ジエチル(EPOE)、リン酸トリエチル(TEP)などが、イオン伝導度を向上することができ、好ましい。また、リン化合物は、ホスホン酸系エステル化合物であることがより好ましい。ホスホン酸系エステルでは、充放電の安定性をより向上することができ好ましい。なお、フッ素を含むリン系エステル化合物としては、例えば、リン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)(TFEP,式(3))などが挙げられる。
Figure 2018170230
Figure 2018170230
この電解液において、グライムは、トリグライム、テトラグライムのうち1以上であり、イミド塩に対してモル比で0.8以上1.2以下の範囲で含まれていることが好ましい。このグライムとイミド塩とがモル比で1:1近傍で含まれると、溶媒和イオン液体となりやすい。また、リン系化合物は、グライムとイミド塩との全体に対して1質量%以上300質量%以下の範囲で含まれていることが好ましい。この範囲では、−10℃以下など低温領域でのイオン伝導性をより向上でき好ましい。このリン系化合物の含有量は、250質量%以下であることがより好ましく、200質量%以下であることが更に好ましい。また、この含有量は、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。
この電解液には、支持塩が含まれているものとしてもよい。支持塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。この支持塩は、電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。
このリチウム二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、リチウム二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
このリチウム二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、コイン型のリチウム二次電池20の構成の概略を表す断面図である。このリチウム二次電池20は、カップ形状のケース21と、正極活物質を有しこのケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、ケース21の開口部に配設されガスケット25を介してケース21を密封する封口板26と、を備えている。このリチウム二次電池20は、正極22と負極23との間の空間に電解液27を備えている。このリチウム二次電池20において、負極23は、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料(例えば黒鉛)の負極活物質を含んでいる。また、電解液27には、グライムとイミド構造を含むアニオン及びアルカリ金属のカチオンとの溶媒和イオン液体に、フッ素を含まず炭素数6以下のアルコキシ基を有するホスホン酸系エステル及びリン酸系エステルのうち1以上を含むリン化合物を含む。
以上説明したリチウム二次電池では、イオン伝導性をより向上した溶媒和イオン液体を利用した新規なものを提供することができる。このような効果が得られる理由は、例えば、以下のように推察される。例えば、リチウム塩と鎖状エーテルをモル比で1:1として混合して得られる溶媒和イオン液体は、リチウムイオン伝導性を示すが、その伝導度は既存の有機電解液に比して約1桁低い。この要因は、溶媒和イオン液体の高い粘度によるものと推察される。本開示の溶媒和イオン液体では、特定のリン化合物を混合することによって粘度が低下し、イオン伝導性をより向上するものと考えられる。また、電解液の組成は、例えば、充放電時の電極反応時に副反応が起きるなど、電池の充放電特性に大きく影響する。このリチウム二次電池では、上述したイオン伝導度を向上したもののうち、溶媒和イオン液体の副反応などがより抑制されるため、リチウム二次電池の充放電容量をより向上することができるものと推察される。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下では上述した電解液及びリチウム二次電池を具体的に作製した例について説明する。なお、実験例1,2が比較例に相当し、実験例3〜6が実施例に相当する。
[原料の略称等]
G4 Tetraethylene glycol dimethyl ether:東京化成製
G3 Triethylene glycol dimethyl ether:東京化成製
LiTFSI Lithium Bis(trifluorometanesulfonyl)imide:キシダ化学製
LiFSI Lithium Bis(fluorosulfonyl)imide:キシダ化学製
EPOE Diethyl ethylphosphonate:Aldrich製
TEP Triethyl phosphate:東京化成製
TFEP Tris(2,2,2-trifluoroethyl)phosphate:東京化成製
(溶媒和イオン液体の作製)
[実験例1]
Arガスを充填したグローブボックス内で、等モル量のG4とLiTFSIを混合し、得られた液体を実験例1の溶媒和イオン液体とした。
(各種リン系化合物を添加した溶媒和イオン液体の作製)
[実験例2〜6]
Arガスを充填したグローブボックス内で、溶媒和イオン液体(G4+LiTFSI)に対して、20質量%の各種リン系化合物を加えて、撹拌により均一に混合して電解液を調製した。リン系化合物としてTFEP、TEP及びEPOEを加えたものを、それぞれ実験例2〜4とした。Arガスを充填したグローブボックス内で、等モル量のG4とLiFSIを混合し、20質量%のEPOEを加えたものを実験例5の溶媒和イオン液体とした。Arガスを充填したグローブボックス内で、等モル量のG3とLiFSIを混合し、20質量%のEPOEを加えたものを実験例6の溶媒和イオン液体とした。
(イオン伝導度の測定)
Arガスを充填したグローブボックス内で、測定セル(ポリマーセルと称する)の内部(直径10mm)に実験例1〜6の溶媒和イオン液体を入れてPt電極で挟み、気泡を抜き密封した。測定セルを恒温槽内に置き、25℃でインピーダンス測定した。その測定は、振幅電圧を10mVにして、1MHz−0.1Hzの間で0.5pts/secで行った。得られたCole−ColeプロットのZ’の実軸切片の値もしくはBode線図でθが最小になる|Z|を抵抗値(R)として求めた。この値(R)と膜厚t(cm)及び電極面積S(cm2)から次式に従いイオン伝導度σ(S/cm)を算出した。
イオン伝導度σ(S/cm)=1/R×t/S
(リチウム二次電池の作製)
[実験例1]
正極は、コバルトとマンガンをドープしたニッケル酸リチウム(LiNi1/3Co1/3Mn1/32;NCM)、カーボンブラック(CB)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)を質量の配合比で、92:5:3となるよう混合したものをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させ、得られたペーストを、アルミニウム箔に塗布したのち、乾燥させた。この乾燥体をプレスし、得られたものを正極とした。負極は、黒鉛、カルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)を質量の配合比で96:2:2となるよう混合したものを水中で分散させ、得られたペーストを、銅箔に塗布したのち、乾燥させた。この乾燥体をプレスし、得られたものを負極とした。アルゴン雰囲気中で、正極もしくは負極と、上記作製した実験例1の電解液を染み込ませたポリエチレン多孔体を介してリチウム金属箔とを対向させ、密閉することで、実験例1の電気化学セルとした。
[実験例2〜6]
電解液を上述の実験例2〜6とした以外は上記実験例1と同様に作製したものをそれぞれ実験例2〜6の電気化学セルとした。
(充放電試験)
上記作製した正極に対しては3.0V〜4.2Vの範囲とし、上記作製した負極に対しては0.05V〜1.5Vの範囲で、0.05Cレート、20℃の条件で充放電試験を行った。ただし、負極については、電極の電位低下の影響を考慮し、充電終止電圧である0.05Vに到達後、電流値が0.05Cレートの1/5以下になるまで電圧を0.05Vに保持した。
(結果と考察)
表1に実験例1〜6のリチウム二次電池の溶媒和イオン液体の組成、添加したリン化合物、イオン伝導度、正極容量及び負極容量をまとめた。なお、「−」は未測定を表す。表1に示すように、TFEPやTEP、EPOEを添加した実験例2〜6の電解液では、実験例1の電解液に比してイオン伝導度が向上した。しかしながら、リチウムイオン二次電池とすると、実験例2では正極においてもほとんど充放電しなかった。この原因は、不明ではあるが、おそらく高電位において何らかの副反応が生じたためではないかと推察された。一方、実験例3、4では、正極においても充放電ができることがわかった。正極の充放電において、実験例3では、放電直後に電位が落ち込むなど充放電曲線が安定的でない場合もあったが、実験例4では安定した充放電曲線が得られた。しかしながら、この実験例3、4においても負極では十分な容量は得られなかった。この理由は、おそらく負極で何らかの副反応が起きたためではないかと推察された。一方、リチウム塩をLiFSIとした実験例5、6では、グライム種にかかわらず十分大きな負極容量が得られた。この実験例5、6においても安定した充放電曲線が得られた。これらの結果より、溶媒和イオン液体に添加するリン化合物は、リン酸系エステル、ホスホン酸系エステルが好ましく、特にフッ素を含まないものが好ましいことがわかった。フッ素を含有すると温度耐久性は向上するが、例えば高電位での分解やLi金属電位での還元など、酸化還元耐性は低下するものと推察された。また、リン系化合物は、リン酸系エステルに比してホスホン酸系エステルの方が充放電の安定性に優れ、好ましいものと推察された。更に、溶媒和イオン液体は、LiFSIの方が負極容量が向上し、好ましいものと推察された。このように、溶媒和イオン液体を電解液とするものにおいて、特定の組み合わせにおいて特異的に充放電可能になり、容量が向上することがわかった。
Figure 2018170230
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本開示は、リチウムイオン二次電池の技術分野に利用可能である。
20 リチウム二次電池、21 ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、27 電解液。

Claims (6)

  1. リチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質を含む正極と、
    リチウムイオンを吸蔵放出する炭素材料を負極活物質として含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導し、グライムと、イミド構造を含むアニオン及びアルカリ金属のカチオンと、フッ素を含まず炭素数6以下のアルコキシ基を有するホスホン酸系エステル及びリン酸系エステルのうち1以上を含むリン化合物とを含む電解液と、
    を備えたリチウム二次電池。
  2. 前記電解液は、式(1)、(2)のうち1以上の前記リン化合物を含む、請求項1に記載のリチウム二次電池。
    Figure 2018170230
  3. 前記電解液は、ホスホン酸系エステルを前記リン化合物として含む、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記電解液は、トリグライムジメチルエーテル(G3)及びテトラグライムジメチルエーテル(G4)のうち1以上を前記グライムとして含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  5. 前記電解液は、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン(TFSI)及びビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン(FSI)のうち1以上を前記イミド構造を含むアニオンとして含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
  6. 前記負極は、黒鉛系の前記炭素材料を前記負極活物質として含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウム二次電池。
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