JP2018168874A - トルクリミッタ - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、本発明の一実施形態に係るトルクリミッタが組み込まれるパワートレインの基本的な構成を示すブロック図である。
図2は、図1に示したモータユニット8(一実施形態に係るトルクリミッタを搭載したモータユニット8)の構成を示す模式図である。
なお、主に、ステータ14、ロータ16及びモータ駆動軸10等が、モータを構成すると考えることも可能である。
なお、主に、カウンタドリブンギヤ50、カウンタ軸20、ファイナルドライブギヤ60及びファイナルドリブンギヤ70等が、減速機を構成すると考えることもできる。
車両1が四輪駆動方式で作動する局面において、モータ(モータ駆動軸10)の駆動力は、カウンタドライブギヤ40及びカウンタドリブンギヤ50を介してカウンタ軸20に伝達される。さらに、カウンタ軸20に伝えられた駆動力は、ファイナルドライブギヤ60を介してファイナルドリブンギヤ70に伝えられる。ファイナルドリブンギヤ70に伝えられた駆動力は、後輪用ディファレンシャルギヤ80を介して左後輪駆動軸30a及び右後輪駆動軸30bに伝えられる。後輪用ディファレンシャルギヤ80は、直進時には左後輪駆動軸30a及び右後輪駆動軸30bが同一の回転数で回転するように左後輪駆動軸30a及び右後輪駆動軸30bに駆動力を伝達し、右旋回時又は左旋回時には、左後輪駆動軸30a及び右後輪駆動軸30bがそれぞれ適切な回転数で回転するように左後輪駆動軸30a及び右後輪駆動軸30bに駆動力を伝達する。
なお、別の実施形態では、車両1が前輪駆動方式で作動する局面においても、必要に応じて、トルクリミッタ90は、カウンタドリブンギヤ50とカウンタ軸20との間における駆動力の伝達を許容するように作動してもよい。この場合には、ソレノイド400の制御を受けたスリーブ300が、皿ばねユニット100とスプライン結合する第1位置P1に向かってハブ200に係合して摺動することによって、皿ばねユニット100とカウンタ軸20とが係合する。これにより、トルクリミッタ90は、カウンタドリブンギヤ50とカウンタ軸20との間における駆動力の伝達を許容することができる。
次に、上述したトルクリミッタ90及びこれに関連する構成要素の具体的な構成例について図3及び図4を参照して説明する。図3は、図2に示したトルクリミッタ(トルク伝達を許容している状態)及びこれに関連する構成要素の構成を部分的に拡大して模式的に示す断面図である。図4は、図2に示したトルクリミッタ(トルク伝達を遮断している状態)及びこれに関連する構成要素の構成を部分的に拡大して模式的に示す断面図である。
カウンタドリブンギヤ50の具体的な構成例について、図3及び図4に加えて図5を参照して説明する。図5は、図3及び図4に示したカウンタドリブンギヤ50とこれに固定される皿ばねユニット100の構成を模式的に示す断面図である。
次に、皿ばねユニット100の具体的な構成例について、図3〜図5に加えて図6を参照して説明する。図6は、図3〜図5に示した皿ばねユニット100の構成を模式的に示す斜視図である。図5及び図6には、外力が加えられていない状態における皿ばねユニット100が示されている。
図6を参照すると、第2フェイスカム110を構成する複数の歯(第2凸部)128の各々は、皿ばね部100の環状を呈する面(基準面)126に設けられている。各歯128は、面126の外周縁に向かって一端602から他端604まで面126に対して略平行に径方向に延びる主面606と、主面606と面126とを繋いで径方向に延びる第1傾斜面608と、第1傾斜面608との間に主面606を挟み主面606と面126とを繋いで径方向に延びる第2傾斜面610と、主面606の一端602から皿ばね部120の中心軸に向かって径方向に延び面126に近づく方向に傾斜する第3傾斜面612と、主面606の他端604から皿ばね部120の外周縁に向かって径方向に延び面126に近づく方向に傾斜する第4傾斜面614と、を含む。なお、本実施形態では、主面606が一端602から他端604に進むにつれて増加する幅を有するが、別の実施形態では、主面606は、一端602から他端604に進むにつれて減少する幅、又は、一端602から他端604まで略同一の幅を有するものであってもよい。
次に、トルクリミッタ90が駆動力断接機能を果たすために備える構成の具体例について説明する。
図3及び図4を参照すると、カウンタ軸20の外周面には、ハブ200が設けられている。ハブ200は、カウンタ軸20の外周面に沿って相互に間隔をおいて周方向に設けられた複数の(ドグクラッチとしての)スプラインを含む。図3及び図4には、ハブ200におけるこれら複数のスプラインのうちの1つのスプラインのみが示されている。なお、ハブ200は、鉄、鉄鋼、アルミニウム合金、チタン合金等の金属により形成されるものとすることができる。
次に、上記構成を有するトルクリミッタ90がトルク断接機能を果たす際における動作について、さらに図8を参照して説明する。図8は、図3に示したトルクリミッタの動作を説明するための模式図である。
5−1.第2フェイスカムの変形例
上述したように、トルクが入力された皿ばね部120が、その第2フェイスカム110を第1フェイスカム52とは反対の方向に変位させるように撓み続ける過程においては、第2フェイスカム110外径側の領域から内径側の領域の順に、第1フェイスカム52との係合を解除していく。よって、第2フェイスカム110が第1フェイスカム52との係合を完全に解除する直前の或る時点においては、第2フェイスカム110の内径側の領域のみが第1フェイスカム52と係合する。この場合、第2フェイスカム110の内径側の領域には、大きなトルクが局所的に作用する可能性が考えられる。
上述した様々な実施形態の形態では、トルクリミッタがトルク断接機能及び駆動力断接機能の両方を備える場合について説明した。しかし、トルクリミッタは、駆動力断接機能を備えることは必須ではないため、駆動力断接機能を省く構成を採用することも可能である。
上述した様々な実施形態では、入力軸と出力軸との間におけるトルク断接機能(及び駆動力断接機能)を実行するトルクリミッタが、入力軸としてカウンタドリブンギヤ50を用い、出力軸としてカウンタ軸20を用いる場合について説明した。しかし、本件出願において開示した技術的思想は、原動機(エンジン及びモータを含む)の駆動力を伝達する任意の入力軸と任意の出力軸との間においてトルク断接機能(及び駆動力断接機能)を実現する場合にも適用可能なものである。
本発明の第1の態様に係るトルクリミッタは、原動機の駆動力を伝達する入力軸において軸方向に交差する面に設けられた第1噛合部と、該第1噛合部に軸方向に対向して噛合可能な第2噛合部を有し、前記入力軸と同軸で相対的に回転可能に設けられた出力軸と一体的に回転可能であって、前記第2噛合部を前記第1噛合部に向かって付勢し、設定値以上の負荷が作用したときに前記第2噛合部を前記第1噛合部とは反対の方向に変位させるように撓む、皿ばね部と、を具備するものである。
この態様によれば、皿ばね部は、所定のトルクが入力された場合に、この皿ばね部に形成された第2噛合部(第2フェイスカム)を、入力軸(例えばカウンタドリブンギヤ)に形成された第1噛合部(第1フェイスカム)とは反対の方向に変位するように撓むことにより、第1噛合部と第2噛合部との噛合を解消させ、入力軸と出力軸(例えばカウンタ軸)との間におけるトルクの伝達を遮断することができる。これにより、トルク断接機能を実現可能なトルクリミッタを提供することができる。
この態様によれば、皿ばね部と一体的に形成された支持部は、出力軸に形成され軸方向に摺動可能に設けられた摺動部材と係合することにより、入力軸と出力軸との間における駆動力の伝達を許容する一方、摺動部材との係合を解消することにより入力軸と出力軸との間における駆動力の伝達を遮断することができる。これにより、駆動力断接機能を実現可能なトルクリミッタを提供することができる。
この態様によれば、皿ばね部と支持部とが一体成形され、支持部が軸方向に沿った移動を規制された状態で入力軸に固定されることにより、トルク断接機能の実行に際して、皿ばね部乃至支持部が他の部材(例えば入力軸)との間において摺動に起因する摩擦力を発生させることが実質的にない。これにより、解放トルクの変動を抑えたトルクリミッタを提供することができる。
この態様によれば、放射状に延びる複数の第1凸部を含む第1噛合部は、同様に放射状に延びる複数の第2凸部を含む第2噛合部と、確実に噛合することができる。これにより、トルク断接機能を実現するトルクリミッタを提供することができる。
この態様によれば、第2噛合部を構成する第2凸部は、第1噛合部を構成する第1凸部と、第1傾斜面及び第2傾斜面を介して噛合することにより、所定のトルクが入力された場合に、第2噛合部(第1噛合部)は、第1噛合部(第2噛合部)とは反対の方向に押圧される。これにより、トルク断接機能を実現するトルクリミッタを提供することができる。
この態様によれば、第2噛合部を構成する各第2凸部は、皿ばね部の中心軸に向かって径方向に延びる第3傾斜面を有することにより、第2噛合部の各第2凸部の内径側の領域に対して局所的なトルクが作用するという事態の発生を抑えることができる。
28 突起部
50 カウンタドリブンギヤ(入力軸)
52 第1フェイスカム(第1噛合部)
90、800 トルクリミッタ
100、700 皿ばねユニット
110、900 第2フェイスカム(第2噛合部)
120 皿ばね部
126 面(第1基準面)
128、910 歯(第2凸部)
140、710 支持部
148 隆起部
200 ハブ
300 スリーブ
P1 第1位置
P2 第2位置
400 ソレノイド
510 面(第2基準面)
520 歯(第1凸部)
602 歯の一端
604 歯の他端
606 主面
608 第1傾斜面
610 第2傾斜面
612、912 第3傾斜面
614 第4傾斜面
S スナップリング
714 凹部
Claims (6)
- 原動機の駆動力を伝達する入力軸において軸方向に交差する面に設けられた第1噛合部と、
該第1噛合部に軸方向に対向して噛合可能な第2噛合部を有し、前記入力軸と同軸で相対的に回転可能に設けられた出力軸と一体的に回転可能であって、前記第2噛合部を前記第1噛合部に向かって付勢し、設定値以上の負荷が作用したときに前記第2噛合部を前記第1噛合部とは反対の方向に変位させるように撓む、皿ばね部と、
を具備するトルクリミッタ。 - 前記皿ばね部と一体的に形成され、外周面において軸方向に沿って延びる複数の隆起部が相互に周方向に間隔をおいて形成された筒状の支持部をさらに具備し、
前記出力軸は、前記複数の隆起部の間に位置して前記皿ばね部を該出力軸と一体的に回転可能にする第1位置と、前記複数の隆起部から離れて前記皿ばね部を前記出力軸と相対的に回転可能にする第2位置と、の間において軸方向に摺動する摺動部材を含む、請求項1に記載のトルクリミッタ。 - 前記支持部は、前記入力軸に固定されることによって、軸方向に沿った移動を規制される、請求項2に記載のトルクリミッタ。
- 前記第1噛合部は、相互に間隔をおいて設けられた放射状に延びる複数の第1凸部を含み、
前記第2噛合部は、相互に間隔をおいて設けられた放射状に延びる複数の第2凸部を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のトルクリミッタ。 - 前記複数の第2凸部の各々は、前記皿ばね部の環状の領域における基準面に設けられており、
前記環状の領域の外周縁に向かって一端から他端まで前記基準面に対して略平行に径方向に延びる主面と、該主面と前記基準面とを繋いで径方向に延びる第1傾斜面と、該第1傾斜面との間に前記主面を挟み該主面と前記基準面とを繋いで径方向に延びる第2傾斜面と、を含む、請求項4に記載のトルクリミッタ。 - 前記複数の第2凸部の各々は、前記主面の前記一端から前記皿ばね部の中心軸に向かって径方向に延び前記基準面に近づく方向に傾斜する第3傾斜面をさらに含み、
該第3傾斜面が前記基準面に対してなす角度は、前記第1傾斜面及び前記第2傾斜面が前記基準面に対してなす角度よりも小さい、請求項5に記載のトルクリミッタ。
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