JP2002364735A - 変速機の軸受構造 - Google Patents

変速機の軸受構造

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JP2002364735A JP2001259705A JP2001259705A JP2002364735A JP 2002364735 A JP2002364735 A JP 2002364735A JP 2001259705 A JP2001259705 A JP 2001259705A JP 2001259705 A JP2001259705 A JP 2001259705A JP 2002364735 A JP2002364735 A JP 2002364735A
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浩 小川
Terushige Sato
輝重 佐藤
Masashi Furumoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的長い回転軸において曲げ振動が生じた場
合でも、ギヤ側への振動伝達を低減し、ギヤノイズを効
果的に低減する。 【解決手段】動力が伝達されるギヤ列の一方を構成する
とともに、内スプラインが形成されたリダクションドリ
ブンギヤ2と、リダクションドリブンギヤ2を両持ちで
支持するとともに、スラスト荷重を負荷可能な一対のボ
ール軸受5と、端部に外スプラインが形成されていると
ともに、この外スプラインがバックラッシを有するルー
ズスプラインによって、リダクションドリブンギヤ2側
の内スプラインと結合したドライブピニオン軸1とを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の変速機
の軸受構造に係り、特に、比較的長い回転軸の支持に適
した軸受構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、変速機では、動力の入力部と出
力部とが離れた位置にあるギヤトレンが採用されている
ため、ドライブピニオン軸等が長軸化する傾向がある。
例えば、縦置型変速機の場合、フロントデファレンシャ
ル装置の最適な配置位置は車輪と同軸上の車両中心とな
る。したがって、最適位置に配置されたデファレンシャ
ル装置を駆動するドライブピニオン軸が必然的に長くな
る傾向がある。また、横置型変速機についても同様であ
り、主変速部の全長にほぼ相当するドライブピニオン軸
が用いられることが多い。
【0003】このように、比較的長軸なドライブピニオ
ン軸を用いた構造では、軸の曲げ振動(すなわち、ラジ
アル方向の周期的な軸変位)を起こすことがある。軸の
曲げ振動によるラジアル方向の軸変位は、軸の端部に取
付けられたギヤに伝達される。その結果、このギヤを含
むギヤ列において、歯当り変化を引き起こす。ここで、
「歯当り変化」とは、軸が傾くことで歯の当りが理想的
な位置からずれて、局所的かつ偏在的に当たる現象をい
う。この歯当り変化が生じると、伝達効率の低下やギヤ
の摩耗を招くばかりでなく、曲げ振動に同期したギヤノ
イズが発生し、運転者に違和感を与えるという不都合が
生じる。
【0004】このような不都合を解消する一手法とし
て、長軸の中間に軸受を追加することで、軸の曲げ振動
自体を規制することが考えられる。また、特開平6−2
41288号公報には、第1の軸受開口および第2の軸
受開口を有する支持体を用い、変速機の主軸および副軸
が各軸受開口を通じて延在する軸受構造が開示されてい
る。主軸および副軸は、支持体によって両端の中間で軸
支されるため、ギヤの歯の分離力が軸に関して横方向に
作用するにも拘わらず、主軸と副軸との間の中心距離
は、噛み合いギヤ列の中心距離と同じに保持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術は、ギヤの噛合反力が作用/反作用の関係で
発生することを利用して、軸の変位自体を規制するもの
であり、軸の曲げ振動によるギヤノイズに対しては十分
な効果を期待できない。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、比較的長い回転軸において曲げ
振動が生じた場合でも、ギヤ側への振動伝達を低減し、
ギヤノイズを効果的に低減することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに、第1の発明は、変速機の軸受構造において、動力
が伝達されるギヤ列の一方を構成するとともに、内スプ
ラインが形成されたギヤと、ギヤを両持ちで支持すると
ともに、スラスト荷重を負荷可能な軸受と、端部に外ス
プラインが形成されているとともに、この外スプライン
がバックラッシを有するルーズスプラインによって、ギ
ヤ側の内スプラインと結合した回転軸とを有する変速機
の軸受構造を提供する。この第1の発明は、軸振動が生
じ易い長軸の回転軸を支持するのに適しており、特に、
変速機における主変速部の全長よりも長い軸長を有する
回転軸を支持するのに用いることが好ましい。
【0008】第1の発明において、上記バックラッシ
は、0.03mm以上で0.15mm以下であることが好ましく、よ
り好ましくは、0.05mm以上で0.08mm以下の範囲である。
また、外スプラインは、スプライン外径が外側に向けて
弓状に湾曲しており、かつ、歯筋にクラウニングが設け
られていることが望ましい。
【0009】第2の発明は、変速機の軸受構造におい
て、回転軸と、回転軸の端部に設けられているととも
に、ギヤ列の一方を構成するギヤと、ギヤを両持ちで支
持するとともに、スラスト荷重を負荷可能な軸受と、ギ
ヤと回転軸との間に介装された等速継ぎ手とを有する変
速機の軸受構造を提供する。
【0010】ここで、第1または第2の発明において、
上記スラスト軸受は、ボール軸受またはテーパーローラ
軸受のいずれかであることが好ましい。
【0011】また、第1または第2の発明において、上
記回転軸は、ドライブピニオン軸であり、上記ギヤは、
ドライブピニオン軸の端部に設けられたドリブンギヤで
あってもよい。
【0012】さらに、上述した第1または第2の発明に
おいて、上記回転軸の略中間位置に設けれらており、回
転軸を軸支する中間軸受を設けてもよい。
【0013】第3の発明は、変速機の軸受構造におい
て、回転軸と、この回転軸に動力を伝達するギヤ列の一
方を構成するギヤと、回転軸とギヤとを回転結合すると
ともに、ギヤの変位を規制しながら、回転軸の曲げ変位
を許容する連接手段とを有する変速機の軸受構造を提供
する。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、縦置
型変速機の要部構成図である。自動変速機の出力側に設
けられたドライブピニオン軸1の一端には、ヘリカルギ
ヤであるリダクションドリブンギヤ2が一体的に取付け
られており、その他端には、ハイポイドドライブギヤと
噛合したハイポイドピニオンギヤ3が取付けられてい
る。変速機中の変速機構において変速された大きな駆動
力は、図示しないリダクションドライブギヤとリダクシ
ョンドリブンギヤ2とで構成されるギヤ列を介して、ド
ライブピニオン軸1に伝達される。そして、このドライ
ブピニオン軸1の駆動力は、ハイポイドピニオンギヤ3
と噛合したハイポイドドライブギヤを介して車輪に伝達
される。
【0015】上述したように、フロントデファレンシャ
ル装置7の最適な配置位置との関係上、最適位置に配置
されたデファレンシャル装置7を駆動するドライブピニ
オン軸1が長軸化する傾向がある。この変速機では、ド
ライブピニオン軸1の軸長は、この軸1の上部に位置す
る図示しない主変速部(すなわち、多板クラッチ,多板
ブレーキおよびプラネタリ等を主体に構成された変速機
構が存在する部分)の全長よりも長い。
【0016】ドライブピニオン軸1は、ハイポイドピニ
オンギヤ3の近傍に配設された複列テーバローラ軸受4
と、リダクションドリブンギヤ2の近傍に配設された一
対のボール軸受5とによって軸支されている。これらの
軸受4,5は、ドライブピニオン軸1の両端に配設され
ており、同軸上に位置する。ハイポイドピニオンギヤ3
の内側に配設された複列テーパローラ軸受4は、内輪が
ドライブピニオン軸1に固定されているとともに、外輪
がボルトによってトランスミッションケースに固定され
ている。そして、これらの内外輪間のスペースには、複
数の円錐ころが介装されている。
【0017】ドライブピニオン軸1とリダクションドリ
ブンギヤ2とは、スプライン部6によって連接してい
る。具体的には、このスプライン部6と位置的に対応す
るリダクションドリブンギヤ2の中空穴には、内スプラ
インが形成されている。この内スプラインはドライブピ
ニオン軸1側に形成された外スプラインとスプライン嵌
合している。ただし、ドライブピニオン軸1の端部は、
リダクションドリブンギヤ2の中間位置で留まってお
り、リダクションドリブンギヤ2を完全には貫通してい
ない。このような非貫通な状態で回転結合する理由は、
貫通させた場合と比較して、スプラインの歯筋精度との
関係より後述するバックラッシの管理が容易になるから
であり、また、短軸化した分だけ軸重の軽減を図ること
ができるからである。ただし、これらの点を考慮する必
要がないのであれば、リダクションドリブンギヤ2にド
ライブピニオン軸1を貫通させても構わない。
【0018】また、リダクションドリブンギヤ2は、一
対のボール軸受5a,5bによって両持ちで支持されて
いる。すなわち、リダクションドリブンギヤ2の外周に
は、ギヤ部2aを中心として軸方向内側に延在する固定
部2bと、軸方向外側に延在する固定部2cとが設けら
れている。軸方向内側の固定部2bには、外輪がトラン
スミッションケースに固定されたボール軸受5aの内輪
が固定されている。また、軸方向外側の固定部2cに
は、外輪がトランスミッションケースに固定されたボー
ル軸受5bの内輪が固定されている。これらのボール軸
受5a,5bは、通常の深溝玉軸受であり、ドライブピ
ニオン軸1の軸心に平行なスラスト荷重を負荷するスラ
スト軸受として機能する。
【0019】ドライブピニオン軸1側に設けられた外ス
プラインは、ドライブピニオン軸1で生じた軸振動がリ
ダクションドリブンギヤ2側に伝達されないようにする
ために、バックラッシを有する。一般に、「バックラッ
シ(backlash)」とは、図2に示すように、互いに噛み合
う一対の歯車において、荷重がかかる歯面とは反対側の
歯面と、それと対向する相手歯車の歯面との間にできる
隙間をいう。スプライン嵌合についても同様にバックラ
ッシを定義できる。このようなバックラッシを有するス
プライン嵌合により、リダクションドリブンギヤ2とド
ライブピニオン軸1とがバックラッシ付でスプライン嵌
合しているため、互いに結合している両者は回転的に一
体するが、スラスト方向および軸の曲げは、ある程度許
容される。
【0020】なお、一対のボール軸受5a,5bの代わ
りに、上述したスラスト荷重を負荷可能な他の軸受を用
いてもよい。これは、ドライブピニオン軸1とリダクシ
ョンドリブンギヤ2との結合が、軸方向に自由になった
ことで、リダクションドリブンギヤ2に発生するギヤス
ラストを複列テーパローラ軸受4が支持しなくなるため
である。このようなスラスト軸受としては、テーパーロ
ーラ軸受等が挙げられるが、ニードル軸受とスラスト軸
受の組み合わせた軸受構造を用いてもよい。
【0021】スプライン部6におけるバックラッシは、
軸振動の伝達規制およびトルク変動によるガタ打音の防
止の双方を考慮した上で、適切な値に設定する必要があ
る。バックラッシを過大にすると(例えば、0.2mm以
上)、トルク変動によるガタ打音やフレッティング摩耗
が生じる可能性がある。逆に、このバックラッシが過小
だと(例えば、0.02mm以下)、ガタ打音等は防止できる
反面、軸振動がギヤに伝達される可能性がある。このよ
うな観点から、スプラインのバックラッシ値の設定は重
要であり、諸元設定時や組立時に注意を要する。発明者
が実験やシミュレーション等を通じて検討を行った結
果、バックラッシの具体的な設定値としては、0.03mm以
上で0.15mm以下の範囲が好ましく、特に、0.05mm以上で
0.08mm以下の範囲に設定することが好ましいことが判明
した。
【0022】本実施形態では、ドライブピニオン軸1と
リダクションドリブンギヤ2とを回転結合する連接機構
として、適切なバックラッシを有するルーズスプライン
を用いている。ドライブピニオン軸1の軸長は比較的長
いため、回転時に、ピニオン軸1が曲げ振動を起こすこ
とがある。スプライン部6はルーズスプラインとなって
いるため、リダクションドリブンギヤ2の変位を規制し
ながら、ドライブピニオン軸1の曲げ変位のみを許容す
る。したがって、ドライブピニオン軸1側からリダクシ
ョンドリブンギヤ2側への振動伝達は、スプライン部6
によって低減される。その結果、ドライブピニオン軸1
が曲げ振動を起こす振動モードにおいても、リダクショ
ンドリブンギヤ2の歯面振動を低下でき、歯当たり変化
を防止できるため、軸振動に起因したギヤノイズの発生
を有効に抑制することが可能となる。
【0023】また、ドライブピニオン軸1の軸径を太く
することなくギヤノイズ対策を行えるため、変速機の重
量増加を抑制することが可能となる。さらに、ドライブ
ピニオン軸1がリダクションドリブンギヤ2を貫通しな
い分だけドライブピニオン軸1の軸長を短縮できる。こ
のことは、重量面および生産性上有利になる。
【0024】なお、本実施形態において、ドライブピニ
オン軸1の略中間位置に中間軸受を設け、両端および中
間位置でドライブピニオン軸1を軸支する構造にしても
よい。この中間軸受を設けることで、ドライブピニオン
軸1の曲げ振動自体を抑制できるため、ギヤノイズの発
生を一層効果的に低減することができる。なお、このよ
うな曲げ振動自体を抑制するという観点でいえば、以下
に述べる各実施形態において同様の中間軸受を設けても
よい。
【0025】(第2の実施形態)本実施形態は、連接機
構としてスプライン部6を歯車継ぎ手として用い、ドラ
イブピニオン軸1の曲げ変位を許容するものである。図
3は、本実施形態に係るドライブピニオン軸1の要部拡
大図である。同図(a)に示すように、ドライブピニオ
ン軸1の端部に設けられた外スプライン1aは、スプラ
イン外径が外側に向けて弓状に湾曲しており、凸状の樽
型に仕上げてある。同図(b)は、外スプライン1aの
歯筋形状を示している。通常のスプラインは、二点鎖線
Aで示すように歯筋が真直(true)になるように製作する
が、本実施形態では歯筋にクラウニングが設けられてい
る。このような形状の外スプライン1aを製造する場
合、まず、外径の円弧形状は歯切り前のブランク形状
で、または熱処理後に研削加工で与える。歯筋のクラウ
ニングは、真直歯面を形成した後に、シェービング加工
で与えることができる。スプライン部6を上記形状を有
する歯車継ぎ手とすることで、スプライン歯面は線当り
となり、スプライン部6の相対運動を容易に行うことが
できる。
【0026】本実施形態は、連接機構の一形態であるク
ラウニングを有する歯車継ぎ手によって、ドライブピニ
オン軸1とリダクションドリブンギヤ2とを回転結合し
ている。これにより、リダクションドリブンギヤ2の変
位を規制しながら、ドライブピニオン軸1の曲げ変位の
みが許容される。したがって、ドライブピニオン軸1の
曲げ振動に起因した歯当たり変化を防止できるため、ギ
ヤノイズの発生を有効に抑制することが可能となる。ま
た、スプライン部6の形状を上述したような修正にする
ことで、スプライン歯面やスプライン内外径の当り位置
が限定されるため、スプライン部6におけるバックラッ
シ管理が容易になる。さらに、スプライン歯面が線当り
に近くなるため、バックラッシをより減少させても、ド
ライブピニオン軸1の曲げ変形に対する許容度を損なう
ことがなく、ガタ打音に対して有利になる。
【0027】(第3の実施形態)本実施形態では、ドラ
イブピニオン軸1とリダクションドリブンギヤ2とを回
転結合する連接機構として、上述したスプライン部6に
代えて、ダブルオフセット式等速継ぎ手10を用い、ド
ライブピニオン軸1の曲げ変位を許容する。図4に示す
ように、この等速継ぎ手10自体は既知の構造である。
等速継ぎ手10の内輪11は、ドライブピニオン軸1と
スプライン嵌合しており、その外壁面にはボール12を
収納可能な複数のボール溝11aが形成されている。一
方、リダクションドリブンギヤ2は、等速継ぎ手の外輪
として機能し、その内壁面にはボール12を収納可能な
複数のボール溝12aが形成されている。ボール12
は、内輪11側のボール溝11aと外輪であるリダクシ
ョンドリブンギヤ2側のボール溝12aとによって把持
されており、サークリップ13によって脱落することな
く転動する。等速継ぎ手10におけるボール12の直径
は、ねじり方向に対してガタが生じることなく、かつ、
ドライブピニオン軸1の曲げ振動を有効に許容できるよ
うな適切な値に設定されている。
【0028】、本実施形態によれば、連接機構としてダ
ブルオフセット式等速継ぎ手10を用いることにより、
リダクションドリブンギヤ2の変位を規制しながら、ド
ライブピニオン軸1の曲げ変位のみを許容する。したが
って、ドライブピニオン軸1の曲げ振動に起因したギヤ
ノイズの発生を有効に抑制することができる。特に、等
速継ぎ手10はガタがないので、トルク変動によるガタ
打音の発生がなく、フレッティング摩耗も発生しない。
また、ボール12の効果によりフリクションが少ないの
で、トルク伝達中も効果的に振動を遮断することができ
る。
【0029】なお、ドライブピニオン軸1の曲げ振動に
よる軸変位は極めて少ないので、連接機構として市販の
可撓体による等速継ぎ手を用いても同様の効果を得るこ
とができる。
【0030】(第4の実施形態)上述した各実施形態で
は、ドライブピニオン軸側に設けられたドリブンギヤへ
の適用例について説明した。しかしながら、本発明は、
ドライブピニオン軸以外の回転軸(特に軸長の長い回転
軸)に対して広く適用することができる。また、以下の
第4の実施形態で述べるように、ドライブギヤ側に対し
ても適用可能である。
【0031】図5は、ドライブギヤ側に本発明を適用し
た変速機のスケルトン図である。この変速機の入力軸2
0に入力された動力は、シンクロ機構および変速ギヤ列
を主体に構成された変速機構21によって適切に変速さ
れた後、フロントドライブ軸22に伝達される。フロン
トドライブ軸22に伝達された動力は、前輪を駆動する
デファレンシャル装置23に伝達されるとともに、ギヤ
列24a,24bを介してリヤドライブ軸25に伝達さ
れる。このような構成では、ドライブギヤ24aと回転
結合するフロントドライブ軸22は長軸化する傾向があ
り、曲げ振動が生じ得る。そのため、ドライブギヤ24
a側でのギヤノイズ対策が必要となる。
【0032】そこで、第1の実施形態で述べたルーズス
プラインを、フロントドライブ軸22とドライブギヤ2
4aとの結合部位であるスプライン部26に適用する。
これにより、フロントドライブ軸22側からドライブギ
ヤ24a側への曲げ振動の伝達が低減されるために、ギ
ヤノイズの発生を有効に抑制することができる。また、
第2の実施形態で述べたように、スプライン部26を歯
車継ぎ手としてもよい。さらに、第3の実施形態で述べ
たように、スプライン部26に代えて、等速継ぎ手を用
いてもよい。
【0033】
【発明の効果】このように、本発明では、回転軸とギヤ
との回転結合に、ギヤの変位を規制しながら回転軸の曲
げ変位のみを許容する連接機構を用いる。これにより、
回転軸が曲げ振動を起こす振動モードにおいても、回転
軸に取付けられたギヤの歯面振動を低下できる。その結
果、軸振動に起因したギヤノイズの発生を有効に抑制す
ることができ、静粛性の向上を図ることが可能となる。
特に、軸長が長い回転軸、すなわち、変速機中の主変速
部の全長よりも長い回転軸に適用した場合に、静粛性に
関して顕著な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦置型変速機の要部構成図
【図2】バックラッシの説明図
【図3】第2の実施形態に係るドライブピニオン軸の要
部拡大図
【図4】第3の実施形態に係る等速継ぎ手の断面図
【図5】第4の実施形態に係る変速機のスケルトン図
【符号の説明】
1 ドライブピニオン軸 1a 外スプライン 2 リダクションドリブンギヤ 2a ボール溝 3 ハイポイドピニオンギヤ 4 複列テーパーローラ軸受 5 ボール軸受 6 スプライン部 7 デファレンシャル装置 10 等速継ぎ手 11 内輪 11a ボール溝 12 ボール 12a ボール溝 13 サークリップ 20 入力軸 21 変速機構 22 フロントドライブ軸 23 デファレンシャル装置 24a ドライブギヤ 24b ドリブンギヤ 25 リヤドライブ軸
フロントページの続き (72)発明者 古本 昌司 東京都新宿区西新宿一丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 Fターム(参考) 3J033 AA01 BA01 BA14 BC02 BC05 3J063 AA02 AB02 AC04 BA04 BA09 CD06 CD09 CD42

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】変速機の軸受構造において、 動力が伝達されるギヤ列の一方を構成するとともに、内
    スプラインが形成されたギヤと、 前記ギヤを両持ちで支持するとともに、スラスト荷重を
    負荷可能な軸受と、 端部に外スプラインが形成されているとともに、当該外
    スプラインがバックラッシを有するルーズスプラインに
    よって、前記ギヤ側の内スプラインと結合した回転軸と
    を有することを特徴とする変速機の軸受構造。
  2. 【請求項2】変速機の軸受構造において、 動力が伝達されるギヤ列の一方を構成するとともに、内
    スプラインが形成されたギヤと、 前記ギヤを両持ちで支持するとともに、スラスト荷重を
    負荷可能な軸受と、 端部に外スプラインが形成されているとともに、当該外
    スプラインがバックラッシを有するルーズスプラインに
    よって、前記ギヤ側の内スプラインと結合した回転軸と
    を有し、 前記回転軸の軸長は、変速機における主変速部の全長よ
    りも長いことを特徴とする変速機の軸受構造。
  3. 【請求項3】前記バックラッシは、0.03mm以上で0.15mm
    以下であることを特徴とする請求項1または2に記載さ
    れた変速機の軸受構造。
  4. 【請求項4】前記バックラッシは、0.05mm以上で0.08mm
    以下であることを特徴とする請求項3に記載された変速
    機の軸受構造。
  5. 【請求項5】前記外スプラインは、スプライン外径が外
    側に向けて弓状に湾曲しており、かつ、歯筋にクラウニ
    ングが設けられていることを特徴とする請求項1から4
    のいずれかに記載された変速機の軸受構造。
  6. 【請求項6】変速機の軸受構造において、 回転軸と、 前記回転軸の端部に設けられているとともに、ギヤ列の
    一方を構成するギヤと、 前記ギヤを両持ちで支持するとともに、スラスト荷重を
    負荷可能な軸受と、 前記ギヤと前記回転軸との間に介装された等速継ぎ手と
    を有することを特徴とする変速機の軸受構造。
  7. 【請求項7】前記軸受は、ボール軸受またはテーパーロ
    ーラ軸受のいずれかであることを特徴とする請求項1か
    ら6のいずれかに記載された変速機の軸受構造。
  8. 【請求項8】前記回転軸は、ドライブピニオン軸であ
    り、 前記ギヤは、前記ドライブピニオン軸の端部に設けられ
    たドリブンギヤであることを特徴とする請求項1から7
    のいずれかに記載された変速機の軸受構造。
  9. 【請求項9】前記回転軸の略中間位置に設けれらてお
    り、前記回転軸を軸支する中間軸受をさらに有すること
    を特徴とする請求項1から8のいずれかに記載された変
    速機の軸受構造。
  10. 【請求項10】変速機の軸受構造において、 回転軸と、 前記回転軸に動力を伝達するギヤ列の一方を構成するギ
    ヤと、 前記回転軸と前記ギヤとを回転結合するとともに、前記
    ギヤの変位を規制しながら、前記回転軸の曲げ変位を許
    容する連接手段とを有することを特徴とする変速機の軸
    受構造。
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