JP4220152B2 - 変速機の軸受構造 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の変速機の軸受構造に係り、特に、比較的長い回転軸の支持に適した軸受構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、変速機では、動力の入力部と出力部とが離れた位置にあるギヤトレインが採用されているため、ドライブピニオン軸等が長軸化する傾向がある。例えば、縦置型変速機の場合、フロントデファレンシャル装置の最適な配置位置は車輪と同軸上の車両中心となる。したがって、最適位置に配置されたデファレンシャル装置を駆動するドライブピニオン軸が必然的に長くなる傾向がある。また、横置型変速機についても同様であり、主変速部の全長にほぼ相当するドライブピニオン軸が用いられることが多い。
【0003】
このように、比較的長軸なドライブピニオン軸を用いた構造では、このドライブピニオン軸が曲げ振動(すなわち、ラジアル方向の周期的な軸変位)を起こすことがある。軸の曲げ振動によるラジアル方向の軸変位は、軸の端部に取付けられたギヤに伝達される。その結果、このギヤを含むギヤ列において、歯当り変化を引き起こす。ここで、「歯当り変化」とは、軸が傾くことで歯の当りが理想的な位置からずれて、局所的かつ偏在的に当たる現象をいう。この歯当り変化が生じると、動力伝達効率の低下を招いたりギヤの摩耗を早めるばかりでなく、曲げ振動に同期したギヤノイズが発生し、運転者に違和感を与えるという不都合が生じる。
【0004】
このような不都合を解消する一手法として、長軸の中間に軸受を追加することで、軸の曲げ振動自体を規制することが考えられる。また、特開平6−241288号公報には、第1の軸受開口および第2の軸受開口を有する支持体を用い、変速機の主軸および副軸が各軸受開口を通じて延在する軸受構造が開示されている。主軸および副軸は、支持体によって両端の中間で軸支されるため、ギヤの歯の分離力が軸に関して横方向に作用するにも拘わらず、主軸と副軸との間の中心距離は、噛み合いギヤ列の中心距離と同じに保持される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術は、ギヤの噛合反力が作用/反作用の関係で発生することを利用して、軸の変位自体を規制するものであり、軸の曲げ振動によるギヤノイズに対しては十分な効果を期待できない。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、比較的長い回転軸において曲げ振動が生じた場合でも、ギヤ側への振動伝達を低減し、ギヤノイズを効果的に低減することである。
【0007】
また、本発明の別の目的は、軸受の配置スペースの拡大を抑えながら、加工性の向上と組立性の向上とを図ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、本発明は、回転軸と、回転軸の一端に設けられ、回転軸に動力を伝達するギヤ列の一方を構成するギヤと、ギヤの回転軸方向一側において、ギヤの荷重を負荷するとともに、回転軸の曲げ変位に起因したギヤの変位を規制する玉軸受と、ギヤに対して玉軸受の反対側において、ギヤの荷重を負荷するスラスト軸受と、回転軸とギヤとを回転結合するとともに、回転軸の曲げ変位を許容する連接手段とを有する変速機の軸受構造を提供する。
【0009】
ここで、上記構成において、連接手段は、ギヤに形成された内スプラインと、回転軸の端部に形成された外スプラインとで構成されており、外スプラインがバックラッシを有するルーズスプラインによって、内スプラインと結合していることが好ましい。この場合、外スプラインは、スプライン外径が外側に向けて弓状に湾曲しており、かつ、歯筋にクラウニングが設けられていることが望ましい。
【0010】
また、上記玉軸受は、深溝玉軸受、四点接触玉軸受または複列アンギュラ玉軸受のいずれかであってもよい。さらに、回転軸の略中間位置に設けれらており、回転軸を軸支する中間軸受を追加してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、縦置型変速機の要部構成図である。ドライブピニオン軸1は、自動変速機の出力側に設けられている。このドライブピニオン軸1の一端には、ヘリカルギヤであるリダクションドリブンギヤ2が一体的に取付けられており、その他端には、ハイポイドリングギヤと噛合したハイポイドピニオンギヤ3が取付けられている。この変速機の変速機構で変速された比較的大きな駆動力は、図示しないリダクションドライブギヤとリダクションドリブンギヤ2とで構成されるギヤ列を介して、ドライブピニオン軸1に伝達される。そして、このドライブピニオン軸1の駆動力は、ハイポイドピニオンギヤ3と噛合したハイポイドリングギヤを介して車輪に伝達される。
【0012】
上述したように、フロントデファレンシャル装置7の最適な配置位置との関係上、このデファレンシャル装置7を駆動するドライブピニオン軸1は長軸化する傾向がある。この変速機において、ドライブピニオン軸1の軸長は、ドライブピニオン軸1の上部に位置する図示しない主変速部(すなわち、多板クラッチ,多板ブレーキおよびプラネタリ等を主体に構成された変速機構が存在する部分)の全長よりも長くなっている。
【0013】
ドライブピニオン軸1の一端は、複列テーパローラ軸受4によって軸支されている。この複列テーパローラ軸受4は、ハイポイドピニオンギヤ3の内側に配設されている。この軸受4の内輪はドライブピニオン軸1に固定されているとともに、その外輪はボルトによってトランスミッションケースに固定されている。そして、これらの内外輪間のスペースに複数の円錐ころ(テーパローラ)が介装されている。一方、ドライブピニオン軸1の他端は、回転自在に支持されたリダクションドリブンギヤ2とスプライン嵌合しており、このピニオン軸1はギヤ2を介して回転自在に支持されている。
【0014】
すなわち、ドライブピニオン軸1とリダクションドリブンギヤ2とは、連接機構の一形態であるスプライン部6によって連接している。このリダクションドリブンギヤ2は、ギヤ部2aと、このギヤ部2aよりドライブピニオン軸1の軸方向内側に向かって突出した筒状部2bを有し、筒状部2bの内周面には、内スプラインが形成されている。そして、この内スプラインがドライブピニオン軸1の端部に形成された外スプラインとスプライン嵌合している。ここで、ドライブピニオン軸1の端部は、リダクションドリブンギヤ2の中間位置で留まっており、リダクションドリブンギヤ2を完全には貫通していない。このような非貫通な状態で結合する理由は、貫通させた場合と比較して、スプラインの歯筋精度との関係より後述するバックラッシの管理が容易になるからである。また、別の理由として、非貫通にすることでドライブピニオン軸1を短軸化でき、その分だけ軸1を軽量化を図ることができるからである。ただし、これらの点を考慮する必要がないのであれば、リダクションドリブンギヤ2にドライブピニオン軸1を貫通させても構わない。
【0015】
また、ドライブピニオン軸1の端部に設けられた外スプラインは、バックラッシを有する。このバックラッシは、ドライブピニオン軸1の軸振動がリダクションドリブンギヤ2に伝達されるのを規制するために設けられている。一般に、「バックラッシ(backlash)」とは、図2に示すように、互いに噛み合う一対の歯車において、荷重がかかる歯面とは反対側の歯面と、それと対向する相手歯車の歯面との間にできる隙間をいう。このような隙間は、スプライン嵌合についても同様にバックラッシとして定義できる。リダクションドリブンギヤ2とドライブピニオン軸1とがバックラッシによってルーズに連接しているため、ドライブピニオン軸1の曲げ変位は許容されるが、それに起因したリダクションドリブンギヤ2の変位は規制される。
【0016】
リダクションドリブンギヤ2は、玉軸受5と、その外側に介装されたスラストニードル軸受8とによって回転自在に固定されている。玉軸受5は、ギヤ2の筒状部2b外周に形成された段差状の固定部2cに内輪が固定され、トランスミッションケースに外輪が固定されており、ギヤ2の荷重を内側(ドライブピニオン軸1の延在方向)より負荷する。なお、この玉軸受5は、リダクションドリブンギヤ2に作用するスラスト荷重およびラジアル荷重の双方を負荷可能なもの、例えば、深溝玉軸受、三点接触玉軸受、四点接触玉軸受、複列アンギュラ玉軸受等を用いることが好ましい。
【0017】
一方、スラストニードル軸受8は、ギヤ2の端面とトランスミッションケースの側部に取付けられるトランスミッションカバー9との間に介装されている。図3は、スラストニードル軸受8の取付構造を示す図である。リダクションドリブンギヤ2の端面に段差を設けることにより、リング状の固定部2dが形成されている。この固定部2dにはワッシャ8aが介装されており、このワッシャ8aとトランスミッションカバー9側の段差部9aとでスラストニードル軸受8を挟持する。スラストニードル軸受8は、リダクションドリブンギヤ2に作用するスラスト荷重を、ギヤ2の外側より負荷する。なお、ワッシャ8aを省略し、リダクションドリブンギヤ2の固定部2dに直接スラストニードル軸受8を設けてもよい。
【0018】
スプライン部6におけるバックラッシは、軸振動の伝達規制およびトルク変動によるガタ打音の防止の双方を考慮した上で、適切な値に設定する必要がある。バックラッシを過大にすると(例えば、0.2mm以上)、トルク変動によるガタ打音やフレッティング摩耗が生じる可能性がある。逆に、このバックラッシが過小だと(例えば、0.02mm以下)、ガタ打音等は防止できる反面、軸振動がギヤに伝達される可能性がある。このような観点から、スプラインのバックラッシ値の設定は重要であり、諸元設定時や組立時に注意を要する。発明者が実験やシミュレーション等を通じて検討を行った結果、バックラッシの具体的な設定値としては、0.03mm以上で0.15mm以下の範囲が好ましく、特に、0.05mm以上で0.08mm以下の範囲に設定することが好ましいことが判明した。
【0019】
このように、本実施形態では、ドライブピニオン軸1とリダクションドリブンギヤ2とを回転結合する連接機構として、適切なバックラッシを有するルーズスプラインを用いている。ドライブピニオン軸1の軸長は比較的長いため、回転時に、ピニオン軸1が曲げ振動を起こすことがある。スプライン部6はルーズスプラインとなっているため、リダクションドリブンギヤ2の変位を規制しながら、ドライブピニオン軸1の曲げ変位のみを許容する。したがって、ドライブピニオン軸1側からリダクションドリブンギヤ2側への振動伝達は、スプライン部6によって規制される。その結果、ドライブピニオン軸1が曲げ振動を起こす振動モードにおいても、リダクションドリブンギヤ2の歯面振動を低下でき、歯当たり変化を防止できるため、軸振動に起因したギヤノイズの発生を有効に抑制することが可能となる。
【0020】
また、ドライブピニオン軸1の軸径を太くすることなくギヤノイズ対策を行えるため、変速機の重量増加を抑制することが可能となる。さらに、ドライブピニオン軸1がリダクションドリブンギヤ2を貫通しない分だけ、ドライブピニオン軸1の軸長を短縮できる。このことは、上述した軸重の軽減のみならず生産性においても有利になる。
【0021】
さらに、本出願人の先願である特願2001−259705号において開示した変速機の軸受構造と比較して、変速機の軸方向長を短縮化できる。この先願は、ドライブピニオン軸とリダクションドリブンギヤとをルーズスプラインによって連接し、リダクションドリブンギヤの内外を一対の玉軸受で両持ちで支持する点が記載されている。このような構成では、リダクションドリブンギヤの外側に介装した玉軸受の幅分の配置スペースが必要となり、変速機の軸方向長が増大する。これに対して、本実施形態では、外側の玉軸受に代えて、スラストニードル軸受8を用いているので、そのような軸方向長の増大を抑制できるという効果がある。
【0022】
また、上記先願と比較して、加工性や組立性の向上を図ることができるという効果もある。先願のように、リダクションドリブンギヤを玉軸受で両持ち支持する構造では、一対の玉軸受の軸心を一致させるために、軸受用ハウジング穴の加工に高い精度が要求される。そのため、ギヤや回転軸等を変速機内に組み付けるのに先立ち、トランスミッションケースとメインカバーとを結合し、この結合状態で、ハウジング穴を同時加工する等の法が採用されている。この場合、一結合したトランスミッションケース体とを再度分解し、内部部材の組み付けを行う必要がある。これに対して、本実施形態のようにスラストニードル軸受8を用いれば、このような同時加工が不要となる他、玉軸受で要求される程の加工精度を必要とせず、シム等によるすきま調整も可能となる。したがって、加工性と組立性とを著しく向上させることができる。
【0023】
なお、本実施形態において、ドライブピニオン軸1の略中間位置に中間軸受を設け、両端および中間位置でドライブピニオン軸1を軸支する構造にしてもよい。この中間軸受を設けることで、ドライブピニオン軸1の曲げ振動自体を抑制できるため、ギヤノイズの発生を一層効果的に低減することができる。なお、このような曲げ振動自体を抑制するという観点でいえば、以下に述べる各実施形態において同様の中間軸受を設けてもよい。
【0024】
(第2の実施形態)
本実施形態は、連接機構としてスプライン部6を歯車継ぎ手として用い、ドライブピニオン軸1の曲げ変位を許容するものである。図4は、本実施形態に係るドライブピニオン軸1の要部拡大図である。同図(a)に示すように、ドライブピニオン軸1の端部に設けられた外スプライン1aは、スプライン外径が外側に向けて弓状に湾曲しており、凸状の樽型に仕上げてある。同図(b)は、外スプライン1aの歯筋形状を示している。通常のスプラインは、二点鎖線Aで示すように歯筋が真直(true)になるように製作するが、本実施形態では歯筋にクラウニングが設けられている。このような形状の外スプライン1aを製造する場合、まず、外径の円弧形状は歯切り前のブランク形状で、または熱処理後に研削加工で与える。歯筋のクラウニングは、真直歯面を形成した後に、シェービング加工で与えることができる。スプライン部6を上記形状を有する歯車継ぎ手とすることで、スプライン歯面は、歯幅の中央部分が面当りとなり、スプライン部6の相対運動を容易に行うことができる。
【0025】
本実施形態は、連接機構の一形態であるクラウニングを有する歯車継ぎ手によって、ドライブピニオン軸1とリダクションドリブンギヤ2とを回転結合している。これにより、リダクションドリブンギヤ2の変位を規制しながら、ドライブピニオン軸1の曲げ変位のみが許容される。したがって、ドライブピニオン軸1の曲げ振動に起因した歯当たり変化を防止できるため、ギヤノイズの発生を有効に抑制することが可能となる。また、スプライン部6の形状を上述したような修正にすることで、スプライン歯面やスプライン内外径の当り位置が限定されるため、スプライン部6におけるバックラッシ管理が容易になる。さらに、スプライン歯面が点当りに近くなるため、バックラッシをより減少させても、ドライブピニオン軸1の曲げ変形に対する許容度を損なうことがなく、ガタ打音に対して有利になる。
【0026】
(第3の実施形態)
本実施形態では、ドライブピニオン軸1とリダクションドリブンギヤ2とを回転結合する連接機構として、上述したスプライン部6に代えて、ダブルオフセット式等速継ぎ手10を用い、ドライブピニオン軸1の曲げ変位を許容する。図5に示すように、この等速継ぎ手10自体は既知の構造である。等速継ぎ手10の内輪11は、ドライブピニオン軸1とスプライン嵌合しており、その外壁面にはボール12を収納可能な複数のボール溝11aが形成されている。一方、リダクションドリブンギヤ2は、等速継ぎ手の外輪として機能し、その内壁面にはボール12を収納可能な複数のボール溝12aが形成されている。ボール12は、内輪11側のボール溝11aと外輪であるリダクションドリブンギヤ2側のボール溝12aとによって把持されており、サークリップ13によって脱落することなく転動する。等速継ぎ手10におけるボール12の直径は、ねじり方向に対してガタが生じることなく、かつ、ドライブピニオン軸1の曲げ振動を有効に許容できるような適切な値に設定されている。
【0027】
本実施形態によれば、連接機構としてダブルオフセット式等速継ぎ手10を用いることにより、リダクションドリブンギヤ2の変位を規制しながら、ドライブピニオン軸1の曲げ変位のみを許容する。したがって、ドライブピニオン軸1の曲げ振動に起因したギヤノイズの発生を有効に抑制することができる。特に、等速継ぎ手10はガタがないので、トルク変動によるガタ打音の発生がなく、フレッティング摩耗も発生しない。また、ボール12の効果によりフリクションが少ないので、トルク伝達中も効果的に振動を遮断することができる。
【0028】
なお、ドライブピニオン軸1の曲げ振動による軸変位は極めて少ないので、連接機構として市販の可撓体による等速継ぎ手を用いても同様の効果を得ることができる。
【0029】
(第4の実施形態)
上述した各実施形態では、ドライブピニオン軸側に設けられたドリブンギヤへの適用例について説明した。しかしながら、本発明は、ドライブピニオン軸以外の回転軸(特に軸長の長い回転軸)に対して広く適用することができる。また、以下の第4の実施形態で述べるように、ドライブギヤ側に対しても適用可能である。
【0030】
図6は、ドライブギヤ側に本発明を適用した変速機のスケルトン図である。この変速機の入力軸20に入力された動力は、シンクロ機構および変速ギヤ列を主体に構成された変速機構21によって適切に変速された後、フロントドライブ軸22に伝達される。フロントドライブ軸22に伝達された動力は、前輪を駆動するデファレンシャル装置23に伝達されるとともに、ギヤ列24a,24bを介してリヤドライブ軸25に伝達される。このような構成では、ドライブギヤ24aと回転結合するフロントドライブ軸22は長軸化する傾向があり、曲げ振動が生じ得る。そのため、ドライブギヤ24a側でのギヤノイズ対策が必要となる。
【0031】
そこで、第1の実施形態で述べたルーズスプラインを、フロントドライブ軸22とドライブギヤ24aとの結合部位であるスプライン部26に適用する。これにより、フロントドライブ軸22側からドライブギヤ24a側への曲げ振動の伝達が低減されるために、ギヤノイズの発生を有効に抑制することができる。また、第2の実施形態で述べたように、スプライン部26を歯車継ぎ手としてもよい。さらに、第3の実施形態で述べたように、スプライン部26に代えて、等速継ぎ手を用いてもよい。
【0032】
【発明の効果】
このように、本発明では、回転軸とギヤとの回転結合に、ギヤの変位を規制しながら回転軸の曲げ変位のみを許容する連接機構を用いる。これにより、回転軸が曲げ振動を起こす振動モードにおいても、回転軸に取付けられたギヤの歯面振動を低下できる。その結果、軸振動に起因したギヤノイズの発生を有効に抑制することができ、静粛性の向上を図ることが可能となる。特に、軸長が長い回転軸、すなわち、変速機中の主変速部の全長よりも長い回転軸に適用した場合に、静粛性に関して顕著な効果を得ることができる。また、軸受の配置スペースの拡大を抑えながら、加工性の向上と組立性の向上とを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦置型変速機の要部構成図
【図2】バックラッシの説明図
【図3】スラストニードル軸受の取付構造を示す図
【図4】第2の実施形態に係るドライブピニオン軸の要部拡大図
【図5】第3の実施形態に係る等速継ぎ手の断面図
【図6】第4の実施形態に係る変速機のスケルトン図
【符号の説明】
1 ドライブピニオン軸
2 リダクションドリブンギヤ
3 ハイポイドピニオンギヤ
4 複列テーパーローラ軸受
5 玉軸受
6 スプライン部
7 デファレンシャル装置
8 スラストニードル軸受
9 トランスミッションカバー
10 等速継ぎ手
11 内輪
11a ボール溝
12 ボール
12a ボール溝
13 サークリップ
20 入力軸
21 変速機構
22 フロントドライブ軸
23 デファレンシャル装置
24a ドライブギヤ
24b ドリブンギヤ
25 リヤドライブ軸

Claims (5)

  1. 変速機の軸受構造において、
    回転軸と、
    前記回転軸の一端に設けられ、前記回転軸に動力を伝達するギヤ列の一方を構成するギヤと、
    前記ギヤの回転軸方向一側において、前記ギヤの荷重を負荷するとともに、前記回転軸の曲げ変位に起因した前記ギヤの変位を規制する玉軸受と、
    前記ギヤに対して前記玉軸受の反対側において、前記ギヤの荷重を負荷するスラスト軸受と、
    前記回転軸と前記ギヤとを回転結合するとともに、前記回転軸の曲げ変位を許容する連接手段と
    を有することを特徴とする変速機の軸受構造。
  2. 前記連接手段は、前記ギヤに形成された内スプラインと、前記回転軸の端部に形成された外スプラインとで構成されており、前記外スプラインがバックラッシを有するルーズスプラインによって、前記内スプラインと結合していることを特徴とする請求項1に記載された変速機の軸受構造。
  3. 前記外スプラインは、スプライン外径が外側に向けて弓状に湾曲しており、かつ、歯筋にクラウニングが設けられていることを特徴とする請求項2に記載された変速機の軸受構造。
  4. 前記玉軸受は、深溝玉軸受、四点接触玉軸受または複列アンギュラ玉軸受のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された変速機の軸受構造。
  5. 前記回転軸の略中間位置に設けれらており、前記回転軸を軸支する中間軸受をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された変速機の軸受構造。
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