以下、本発明のスプライン軸の嵌合構造の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両10(車両)に備えられる駆動装置12の構造を説明するための骨子図である。駆動装置12は、走行用駆動力源(動力源)として機能し公知のガソリンエンジンやディーゼルエンジン等であるエンジン14と、エンジン14の動力を駆動輪16に伝達する車両用動力伝達装置18(以下、動力伝達装置18という)とを含んでいる。動力伝達装置18は、非回転部材であるケース19内に互いに平行な4つの回転軸心(C1〜C4)を備えて構成されている。第1軸心C1はエンジン14の回転軸心に一致しており、第1軸心C1上には、出力軸20、動力分配機構22、および第1電動機MG1の第1ロータ軸24が回転可能に支持されている。第2軸心C2上には、リダクション軸26および第2電動機MG2の第2ロータ軸28が回転可能に支持されている。第3軸心C3上には、カウンタ軸30が回転可能に支持されている。また、第4軸心C4上には、差動歯車装置すなわちデフギヤ32が回転可能に支持されている。なお、リダクション軸26が、本発明の内軸に対応し、第2ロータ軸28が、本発明の外軸に対応している。
第1軸心C1上において、出力軸20はダンパ装置34を介してエンジン14に連結されており、出力軸20と第1電動機MG1との間に動力分配機構22が介挿されている。動力分配機構22は、第1軸心C1まわりに回転可能なサンギヤSおよびリングギヤRと、それらと噛み合うピニオンギヤを自転および公転可能に支持するキャリヤCAとから主に構成されている。サンギヤSは第1電動機MG1の第1ロータ軸24に相対回転不能に連結され、キャリヤCAは出力軸20、ダンパ装置34等を介してエンジン14に接続され、リングギヤRは、カウンタドライブギヤ35が形成されている複合ギヤ軸36の内周部に一体的に形成されている。従って、リングギヤRの回転は、カウンタドライブギヤ35に伝達される。
第2軸心C2上において、第2電動機MG2の第2ロータ軸28がスプライン嵌合部50を介してリダクション軸26に接続されており、第2ロータ軸28とリダクション軸26は本発明のスプライン軸に対応する。リダクション軸26には、斜歯で構成されるリダクションギヤ38が形成され、カウンタ軸30に形成されているカウンタドリブンギヤ40と噛み合っており、リダクションギヤ38およびカウンタドリブンギヤ40によって構成されるギヤ対(斜歯歯車)を介してリダクション軸26とカウンタ軸30とが動力伝達可能に接続される。第2電動機MG2の第2ロータ軸28は、軸方向の両端が玉軸受52および玉軸受54によって第2軸心C2まわりに回転可能に支持されている。また、リダクション軸26は、軸方向の両端が玉軸受56および玉軸受58によって第2軸心C2まわりに回転可能に支持されている。
第3軸心C3上に配置されているカウンタ軸30には、カウンタドライブギヤ35およびリダクションギヤ38と噛み合うカウンタドリブンギヤ40と、デフギヤ32に形成されているデフリングギヤ46と噛み合うデフドライブギヤ42とが一体的に形成されている。このように、カウンタドリブンギヤ40がカウンタドライブギヤ35およびリダクションギヤ38と噛み合うことで、カウンタ軸30は、エンジン14および第2電動機MG2に動力伝達可能に接続されることで、エンジン14および第2電動機MG2の動力が伝達される。
第4軸心C4上に配置されているデフギヤ32は、デフドライブギヤ42と噛み合うデフリングギヤ46を含んで構成されており、左右一対の駆動輪16に適宜回転速度差を付与する差動機構を備えて構成されている。これより、カウンタ軸30はデフギヤ32等を介して駆動輪16に動力伝達可能に接続されている。
第2ロータ軸28とリダクション軸26とは、互いにスプライン嵌合されることで相対回転不能に接続されている。ここで、第2電動機MG2のトルクが0Nmのときに、エンジン14から伝達されるトルク変動がカウンタ軸30等を介してリダクション軸26に伝達されると、第2電動機MG2の第2ロータ軸28が浮遊状態にあることから、リダクション軸26が回転変動し、第2ロータ軸28とリダクション軸26とのスプライン嵌合部50において、互いのスプライン歯の衝突による歯打ち音が発生する。
本実施例では、上記の歯打ち音を低減するため、リダクション軸26と第2ロータ軸28とを連結するスプライン嵌合部50近傍に、径方向から見てリダクション軸26と第2ロータ軸28とが重なる部位の互いに対向する壁面の間にトレランスリング72が圧入状態で介挿されている。以下、第2ロータ軸28とリダクション軸26との接続部周辺(スプライン嵌合部50周辺)を含む車両用スプライン軸の嵌合構造60について説明する。
図2は、動力伝達装置18の第2軸心C2上のスプライン軸の嵌合構造60の構成を示す、第2軸心C2を含む断面図である。
第2電動機MG2の第2ロータ軸28は、円筒状部材であり、一対の玉軸受52、54によって第2軸心C2まわりに回転可能に支持されている。また、第2ロータ軸28の内周側には、リダクション軸26の一端を嵌め入れる嵌合穴62が形成され、その嵌合穴62の壁面(内周面)の一部には、リダクション軸26とスプライン嵌合するためのメススプライン歯64が形成されている。
リダクション軸26は、一対の玉軸受56、58を介して、第2ロータ軸28と共通の第2軸心C2まわりに回転可能に支持されている。また、リダクション軸26の嵌合穴62に嵌め入れられる側に対応する軸方向の一端の外周面には、第2ロータ軸28のメススプライン歯64とスプライン嵌合されるオススプライン歯66が形成されている。そして、リダクション軸26が第2ロータ軸28の嵌合穴62内に嵌め入れられ、第2ロータ軸28のメススプライン歯64とリダクション軸26のオススプライン歯66とがスプライン嵌合されスプライン嵌合部50が形成されることで、第2ロータ軸28とリダクション軸26とが相対回転不能に保持される。
また、第2ロータ軸28の端部(一端)がリダクション軸26の端部(一端)の外周側に配置されており、第2ロータ軸28の端部とリダクション軸26の端部とが径方向から見て互いに重なる部位であって、第2ロータ軸28のメススプライン歯64が形成されていない内周面とリダクション軸26のオススプライン歯66の形成されていない外周面との間に環状の間隙Sが形成されている。具体的には、間隙Sは、第2ロータ軸28の嵌合穴62よりも内径の大きいリダクション軸26側端部の内周面とその内周面に径方向に対向するリダクション軸26の外周面との間に設けられている。この環状の間隙Sにがたつき抑制部材として機能する円筒状のトレランスリング72が圧入されることにより介在させられている。第2ロータ軸28と、第2ロータ軸28を回転可能に支持する玉軸受52、54と、リダクション軸26と、リダクション軸26を第2ロータ軸28と同一の第2軸心C2まわりに回転可能に支持する玉軸受56、58と、第2ロータ軸28とリダクション軸26とが動力伝達可能に連結されるスプライン嵌合部50と、スプライン嵌合部50のがたつきを抑制することにより歯打ち音などの騒音を低減させるトレランスリング72と、トレランスリング72が圧入される間隙Sとにより車両用スプライン軸の嵌合構造60(以下、「スプライン軸の嵌合構造60」という。)が構成される。
図3は、スプライン軸の嵌合構造60に備えられるトレランスリング72を一部切り欠いて中心線方向に視た図である。トレランスリング72は、たとえばスチールやステンレスなどの金属の薄い板材から環状に曲成され、厚み方向(径方向)に弾性変形可能、場合によっては塑性変形可能であり、幅方向の両側縁部を残して周方向に所定の間隔で径方向外側に突き出す複数の突部76と備えている。これにより、トレランスリング72は、突部76の山と、突部76の谷とを、周方向に所定の間隔で有する。トレランスリング72は、第2ロータ軸28のメススプライン歯64が形成されていない内周面に突部76の山頂周辺領域が当接され、リダクション軸26のオススプライン歯66が形成されていない外周面に突部76の谷底周辺領域が当接され、突部76の山頂周辺領域と谷底周辺領域との間が径方向に圧縮された状態で、第2ロータ軸28とリダクション軸26との間の間隙Sに圧入される。このため、トレランスリング72は、第2ロータ軸28の内周面およびリダクション軸26の外周面のそれぞれから狭圧力を受ける。また、リダクション軸26の外周面に作用する突部76の谷底周辺領域から内周側への反力と、第2ロータ軸28の内周面に作用する突部76の山頂周辺領域から外周側への反力とにより、リダクション軸26の軸心と第2ロータ軸28の軸心とのずれによる径方向の振動が抑制される。また、トレランスリング72は、突部76の谷底周辺領域とリダクション軸26の外周面との間、および突部76の山頂周辺領域と第2ロータ軸28の内周面との間に摩擦力を発生させることにより、伝達トルクが所定トルク値よりも小さい場合にはリダクション軸26の外周面と第2ロータ軸28の内周面との間に滑りを生じさせずにリダクション軸26と第2ロータ軸28とを一体回転させ、すなわち連れまわりさせて、上記伝達トルクが上記所定トルク値よりも大きい場合にはリダクション軸26の外周面と突部76の谷底周辺領域との間に滑りを許容して、リダクション軸26と第2ロータ軸28との間の相対回転を許容する。ここで、上記所定トルク値は、たとえば、エンジン14の爆発変動などで生じる軸間の相対的トルク変動でのトルク値以上に設定されており、トレランスリング72は、エンジン16の爆発変動などでのトルク変動に対してリダクション軸26と第2ロータ軸28との間の相対回転を阻止し、メススプライン歯64とオススプライン歯66との間のガタを実質的にゼロとして歯打ち音を低減させる。なお、トレランスリング72は、相対的に径の大きい突部76の山頂周辺領域での摩擦トルクが相対的に大きいため、主として突部76の谷底周辺領域とリダクション軸26の外周面との間に滑りが生じる。
ところで、上記のとおり、伝達トルクが上記所定トルク値よりも大きいときには、リダクション軸26の外周面とトレランスリング72との間に滑りが生じる。このため、トレランスリング72の突部76の谷底周辺領域およびリダクション軸26の外周面の互いに接触するそれぞれの接触面が径方向に次第に摩耗して、トレランスリング72と第2ロータ軸28の内周面およびリダクション軸26の外周面との間に発生する摩擦力が低下する。これにより、トレランスリング72の第2ロータ軸28の内周面とリダクション軸26の外周面とのそれぞれに付与する反力が減少することにより、トレランスリング72の径方向の振動やスプライン嵌合部50での歯打ち音などの騒音を低減させる機能が低下する可能性がある。そのため、トレランスリング72とリダクション軸26の径方向の摩耗による摩擦力の低下を抑制することが望まれる。
図4は、スプライン軸の嵌合構造60の間隙Sのうちのトレランスリング72が圧入された部位周辺の第2軸心C2を含む断面を拡大して示す図である。スプライン軸の嵌合構造60は、間隙Sを構成するリダクション軸26の外周面のうちの一部がその周囲の外周面よりも内周側に凹んで形成された環状凹溝78を備えている。環状凹溝78内には、その溝底部が第2ロータ軸28側すなわち外周側になだらかに膨らむように形成され、トレランスリング72と当接するように第2軸心C2に略平行に形成された環状面80を有する環状突起81が形成されている。トレランスリング72は、環状面80に突部76の谷底周辺領域が当接し、第2ロータ軸28の内周面に突部76の山頂周辺領域が当接した状態で、環状凹溝78の外周面と第2ロータ軸28の内周面との間に装着されている。環状突起81は、環状面80の第2軸心C2方向の両端の環状端縁に連続して、トレランスリング72のスラスト方向端部すなわちリダクション軸26の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて外径が小径となる一対の傾斜面84を有する一対の傾斜部83を、第2軸心C2方向の両端部に備えている。環状凹溝78内には、環状突起81の傾斜面84と後述するバックアップ面86とにより構成される環状の一対の傾斜溝部82が設けられている。一対の傾斜溝部82は、トレランスリング72の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて第2ロータ軸28のリダクション軸26側端部の内周面とリダクション軸26の外周面との間隔(隙間)が大きくなる一対の傾斜面84が形成された溝底をそれぞれ有しており、トレランスリング72と接触するリダクション軸26の径方向の摩耗に伴って、リダクション軸26の外周面とトレランスリング72との接触面積を広げる面積調整部として機能する。環状面80は、傾斜面84よりも第2ロータ軸28のリダクション軸26側端部の内周面との間隔が小さく、トレランスリング72の径方向への摩耗前の初期状態においてトレランスリング72と当接し、トレランスリング72との間に摩擦力を生じさせることでスプライン嵌合部50のがたつきを抑制する初期状態での主がたつき抑制面である。図4では、初期状態における第2ロータ軸28の内周面とリダクション軸26の環状凹溝78が示されており、リダクション軸26の環状凹溝78内の環状面80の第2軸心C2方向の長さすなわち初期状態においてリダクション軸26の外周面のトレランスリング72と接触する接触面の第2軸心C2方向の接触長さが太くされた直線で示されている。
また、一対の傾斜溝部82の一端には、第2軸心C2を含む平面に略垂直な環状のバックアップ面86が傾斜面84に連続して形成されている。ここで、リダクション軸26のリダクションギヤ38、および、カウンタ軸30のカウンタドリブンギヤ40は、何れも斜歯で構成されていることから、加減速時にリダクションギヤ38とカウンタドリブンギヤ40とが噛み合うと、リダクション軸26に軸方向の荷重(スラスト荷重)が伝達される。この際、トレランスリング72は、第2ロータ軸28の内周面との間の摩擦力によりスラスト荷重を受ける。バックアップ面86は、トレランスリング72の第2軸心C2方向の両端縁にそれぞれ対向しており、トレランスリング72が第2軸心C2方向へのスラスト荷重を受けた際に、トレランスリング72のスラスト方向端部すなわちトレランスリング72の幅方向の両端縁に接触して、トレランスリング72のリダクション軸26に対してのスラスト方向への変位を制限する。
上記のように構成されたスプライン軸の嵌合構造60において、初期状態においては、トレランスリング72の突部76の谷底周辺領域は環状突起81の環状面80に当接するため、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能は初期状態において充分に発揮される状態にある。トレランスリング72との接触により、リダクション軸26の環状突起81の環状面80が始めに摩耗し、次いで一対の傾斜部83を含めて環状突起81が径方向に次第に摩耗する。この環状突起81が一対の傾斜部83を含めて摩耗する間において、リダクション軸26の外周面のトレランスリング72との接触面の第2軸心C2方向における接触長さは、一対の傾斜溝部82が傾斜面84を有するため、環状面80の第2軸心C2方向の長さに一対の傾斜部83が摩耗して新たに形成された環状面の第2軸心C2方向の長さを加えた長さとなり、初期状態と比較して長くなり、トレランスリング72とリダクション軸26の外周面との接触面積が増加する。このように、一対の傾斜溝部82は、トレランスリング72と接触するリダクション軸26の外周面の径方向の摩耗に伴い、リダクション軸26とトレランスリング72との接触面積を増加させる面積調整部として機能する。また、傾斜面84は、一対の傾斜部83が摩耗されることで、リダクション軸26の外周面のトレランスリング72との接触面の第2軸心C2方向における接触長さを増大させることにより、主がたつき抑制面に次いでがたつきを抑制する副がたつき抑制面として機能する。このため、上記初期状態と比較して環状凹溝78内のリダクション軸26の外周面と第2ロータ軸28の内周面との間隔が次第に大きくなるが、トレランスリング72とリダクション軸26の外周面との接触面積が一対の傾斜溝部82により広げられて、上記リダクション軸26の外周面と第2ロータ軸28の内周面との間隔の増大による摩擦力低減に起因したトレランスリング72のがたつき抑制機能の低下が補填される。これにより、トレランスリング72は、初期状態におけるがたつき抑制機能が長期間に渡り維持される。
上述のように、本実施例のスプライン軸の嵌合構造60によれば、トレランスリング72と接触するリダクション軸26の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて第2ロータ軸28の内周面とリダクション軸26の外周面との隙間が大きくなる一対の傾斜溝部82がリダクション軸26に設けられている。このため、トレランスリング72と接触するリダクション軸26の径方向の摩耗に伴って、リダクション軸26に設けられた一対の傾斜溝部82によりトレランスリング72のリダクション軸26との接触面積が広がる。これにより、トレランスリング72とリダクション軸26との間に生じる摩擦力の低下が抑制され、トレランスリング72およびリダクション軸26の径方向の摩耗に伴う、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が抑制される。
また、本実施例のスプライン軸の嵌合構造60によれば、一対の傾斜溝部82は、リダクション軸26の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて外径が小径になる一対の傾斜面84をそれぞれ有しており、一対の傾斜溝部82の端部には、トレランスリング72の第2軸心方向端部に当接する、バックアップ面86が形成されている。このため、トレランスリング72と接触するリダクション軸26の径方向の摩耗に伴って、傾斜面84を有する一対の傾斜溝部82によりトレランスリング72のリダクション軸26との接触面積が広がる。これにより、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が抑制される。また、トレランスリング72の第2軸心C2方向端部が一対の傾斜溝部72の端部に形成されたバックアップ面86と当接することにより、トレランスリング72の第2軸心C2方向の移動が規制される。
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において、前記実施例と機能において実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
図5の本実施例のスプライン軸の嵌合構造88は、間隙Sにおいて、トレランスリング72が装着される環状凹溝78内のリダクション軸26の外周面の形状が異なる以外は、前述の実施例1のスプライン軸の嵌合構造60と共通する。以下、その異なる点について図5を用いて説明する。図5は、スプライン軸の嵌合構造88の間隙Sのうちのトレランスリング72が圧入された部位周辺の第2軸心C2を含む断面を拡大して示す図である。スプライン軸の嵌合構造88は、第2軸心C2に略平行に形成され、トレランスリング72と当接する第1環状面92を外周面として有する第1環状段部94と、第1環状段部94よりも内周側に、第2環状段部96および第3環状段部98、とをリダクション軸90に備えている。第2環状段部96は、第1環状段部94よりも第2軸心C2方向の長さが大きく形成されて、第1環状段部94の内周側に設けられており、第1環状面92の第2軸心C2方向の両端の環状端縁に径方向に連続して、外径が第1環状面92よりも小径の一対の第2環状面100を有している。第3環状段部98は、第2環状段部96よりも第2軸心C2方向の長さが大きく形成されて、第2環状段部96の内周側に設けられており、その一対の第2環状面100の第1環状面92とは反対側の環状端縁に径方向に連続して、外径が第2環状面100よりも小径の一対の第3環状面102を有している。また、環状凹溝78内の第1環状段部94、第2環状段部96および第3環状段部98の第2軸心C2方向の両側には、第2環状溝部96および第3環状溝部98の第1環状溝部94よりも第2軸心C2方向の両側へ突き出した環状突端部を溝内壁の一部としてそれぞれ有する一対の環状溝部104が形成されている。一対の環状溝部104は、リダクション軸26の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて外径が第1環状面から第2環状面および第3環状面へと段階的に小径になる第2環状段部96および第3環状段部98の環状突端部をそれぞれ備えることにより、トレランスリング72の第2軸心C2方向端部に向かうにつれて、第2ロータ軸28の内周面とリダクション軸26の外周面との隙間を段階的に大きくして、第2環状段部96および第3環状段部98の径方向の摩耗によりリダクション軸90の外周面とトレランスリング72との接触面積を広げる面積調整部として機能する。また、一対の環状溝部104の端部には、トレランスリング72のスラスト方向端部(第2軸心C2方向端部)に接触する一対のバックアップ面106が第1環状段部94、第2環状段部96および第3環状段部98の第2軸心C2方向の両側面にそれぞれ対向するように形成されている。また、一対の環状溝部104は、その溝底として一対の第3環状面102の第2環状面100とは反対側の環状端縁に径方向に連続して、外径が第3環状面102よりも小径の第4環状面108をそれぞれ有している。第1環状面92は、一対の第2環状面100、一対の第3環状面102、一対の第4環状面108よりも第2ロータ軸28のリダクション軸90側端部の内周面との間隔が小さく、径方向への摩耗前の初期状態においてトレランスリング72と当接する初期状態での主がたつき抑制面である。図5では、リダクション軸90の第1環状面92の第2軸心C2方向の長さすなわち初期状態においてリダクション軸90の外周面のトレランスリング72と接触する接触面の第2軸心C2方向の接触長さが太くされた直線で示されている。
上記のように構成されたスプライン軸の嵌合構造88において、摩耗する前の初期状態においては、トレランスリング72は第2ロータ軸28の内周面との間隔が小さい第1環状面92に当接するため、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能は初期状態において充分に発揮される状態にある。トレランスリング72との接触により、始めにリダクション軸90の第1環状段部94が径方向に摩耗し、次いで第2環状段部96が径方向に摩耗し、そして、第3環状段部98が径方向に摩耗する。リダクション軸90の外周面のトレランスリング72との接触面の第2軸心C2方向における接触長さは、第2環状段部96が径方向に摩耗している間は第1環状面92に一対の第2環状面100を加えた第2軸心C2方向における長さとなり、第3環状段部98が径方向に摩耗している間は第1環状面92および一対の第2環状面100に一対の第3環状面102を加えた第2軸心C2方向における長さとなり、トレランスリング72と接触するリダクション軸90の外周面の径方向の摩耗に伴って、トレランスリング72とリダクション軸90の外周面との接触面積が段階的に増加する。このように、第2環状段部96および第3環状段部98の環状突端部を溝内壁の一部としてそれぞれ有する一対の環状溝部104は、リダクション軸26の径方向の摩耗に伴い、リダクション軸26とトレランスリング72との接触面積を段階的に増加させる面積調整部として機能する。また、第2環状面100、第3環状面102および第4環状面108は、第1環状面92に次いで順次トレランスリング72と接触することによりスプライン嵌合部50のがたつきを抑制する副がたつき抑制面として機能する。本実施例のスプライン軸の嵌合構造88によれば、前述の実施例1と同様の効果を得ることができる。
上述のように、本実施例のスプライン軸の嵌合構造88によれば、一対の環状溝部104は、リダクション軸26の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて外径が段階的に小径になる、第2環状段部96および第3環状段部98の環状突端部を溝内壁の一部としてそれぞれ有しており、一対の環状溝部104の端部には、トレランスリング72の第2軸心C2方向端部に当接する、バックアップ面106が形成されている。このため、トレランスリング72と接触するリダクション軸26の径方向の摩耗に伴って、第2環状段部96および第3環状段部98の環状突端部を有する一対の環状溝部104によりトレランスリング72のリダクション軸26との接触面積が段階的に広がる。これにより、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が抑制される。
図6は、スプライン軸の嵌合構造110の間隙Sのうちのトレランスリング72が圧入された部位周辺の第2軸心C2を含む断面を拡大して示す図である。スプライン軸の嵌合構造110は、リダクション軸112の間隙Sを構成する外周面から外周側に突設され、トレランスリング72と当接するように第2軸心C2に略平行に形成された環状面114を有する環状突起116をリダクション軸112に備えている。環状突起116は、リダクション軸112の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて、第2ロータ軸28の内周面とリダクション軸26の外周面との隙間が大きくなる一対の傾斜部118を第2軸心C2方向の両端部に有し、トレランスリング72と接触するリダクション軸112の径方向の摩耗に伴って、リダクション軸112の外周面とトレランスリング72との接触面積を広げる面積調整部として機能する。一対の傾斜部118は、環状面114の第2軸心C2方向の両端の環状端縁に連続して、トレランスリング72のスラスト方向端部すなわちリダクション軸112の第2軸心C2方向の端部に向かうにつれて、外径が小径となる傾斜面120を有している。環状面114は、一対の傾斜部118に形成された傾斜面120よりも第2ロータ軸28のリダクション軸112側端部の内周面との間隔が小さく、トレランスリング72の径方向への摩耗前の初期状態においてトレランスリング72と当接する初期状態での主がたつき抑制面である。図6では、リダクション軸112の環状面114の第2軸心C2方向の長さすなわち初期状態においてリダクション軸112の外周面のトレランスリング72と接触する接触面の第2軸心C2方向の接触長さが太くされた直線で示されている。
上記のように構成されたスプライン軸の嵌合構造110において、摩耗する前の初期状態においては、トレランスリング72は第2ロータ軸28の内周面との間隔が小さい環状面114に当接するため、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能は初期状態において充分に発揮される状態にある。トレランスリング72との接触により、始めにリダクション軸112の環状面114が摩耗し、次いで、環状突起116が一対の傾斜部118を含めて摩耗する。この環状突起116が一対の傾斜部118を含めて摩耗する間において、リダクション軸112の外周面のトレランスリング72との接触面の第2軸心C2方向における接触長さは、初期状態と比較して増加する。このように、一対の傾斜部118を有する環状突起116は、トレランスリング72と接触するリダクション軸112の径方向の摩耗に伴い、リダクション軸112とトレランスリング72との接触面積を増加させる面積調整部として機能する。
上述のように、本実施例のスプライン軸の嵌合構造110によれば、環状突起116は、リダクション軸112の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて外径が小径になる傾斜面120を有している。このため、トレランスリング72と接触するリダクション軸112の径方向の摩耗に伴って、傾斜面120を有する環状突起116によりトレランスリング72のリダクション軸112との接触面積が広がる。これにより、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が抑制される。
図7は、スプライン軸の嵌合構造122の間隙Sのうちのトレランスリング72が圧入された部位周辺の第2軸心C2を含む断面を拡大して示す図である。本実施例のスプライン軸の嵌合構造122は、リダクション軸123に第1環状段部94、第2環状段部96および第3環状段部98から構成される環状突起124を外周側に突出するように備え、傾斜面120を有する環状突起116を除いて前述の実施例3のスプライン軸の嵌合構造110と共通する。すなわち、環状突起124は、リダクション軸123の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて外径が段階的に小径になる第2環状段部96および第3環状段部98の環状突端部を有し、リダクション軸123の第2軸心C2方向の端部に向かうにつれて、第2ロータ軸28の内周面とリダクション軸123の外周面との隙間が大きくなる面積調整部として機能する。図7において、リダクション軸123の第1環状面92の第2軸心C2方向の長さすなわち初期状態においてリダクション軸123の外周面のトレランスリング72と接触する接触面の第2軸心C2方向の接触長さが太くされた直線で示されている。本実施例のスプライン軸の嵌合構造122によれば、前述の実施例3と同様の効果を得ることができる。
上述のように、本実施例のスプライン軸の嵌合構造122によれば、環状突起124は、リダクション軸123の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて外径が段階的に小径になる第2環状段部96および第3環状段部98の環状突端部を有している。このため、トレランスリング72と接触するリダクション軸123の径方向の摩耗に伴って、第2環状段部96および第3環状段部98を有する環状突起124によりトレランスリング72のリダクション軸123との接触面積が広がる。これにより、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が抑制される。
図8において、本実施例のスプライン軸の嵌合構造126は、トレランスリング128の構成、および間隙Sを構成する第2ロータ軸130およびリダクション軸132のトレランスリング128が装着される部位の形状が異なる以外は、前述の実施例1のスプライン軸の嵌合構造60と共通する。以下、その異なる点について図8を用いて説明する。図8は、スプライン軸の嵌合構造126の間隙Sのうちのトレランスリング128が圧入された部位周辺の第2軸心C2を含む断面を拡大して示す図である。トレランスリング128は、幅方向すなわち第2軸心C2方向の両側縁部を残して周方向に所定の間隔で径方向内側に突き出す複数の突部136を備え、突部136の山と、突部136の谷とを周方向に所定の間隔で有する。トレランスリング128は、間隙Sにおける第2ロータ軸130の内周面に突部136の谷底周辺領域が当接され、リダクション軸132の外周面に突部136の山頂周辺領域が当接され、突部136の山頂周辺領域と突部136の谷底周辺領域との間が径方向に圧縮された状態で、間隙Sにおける第2ロータ軸130とリダクション軸132との間に圧入される。なお、トレランスリング128は、突部136の山頂周辺領域がリダクション軸132の外周面に食い込むため、突部136の谷底周辺領域と第2ロータ軸130の内周面の間に滑りが生じる。
スプライン軸の嵌合構造126は、間隙Sを構成する第2ロータ軸130の内周面のうちの一部がその周囲の内周面よりも外周側に凹んで形成された環状凹溝138を備えている。環状凹溝138には、その溝底部がリダクション軸132側すなわち内周側になだらかに膨らむように形成され、トレランスリング128と当接するように第2軸心C2に略平行に形成された環状面140を有する環状突起142が形成されている。トレランスリング128は、環状面140に突部136の谷底周辺領域が当接し、リダクション軸132の外周面に突部136の山頂周辺領域が当接した状態で、環状凹溝138の外周面とリダクション軸132の外周面との間に装着されている。環状突起142は、環状面140の第2軸心C2方向の両端の環状端縁に連続して、トレランスリング128のスラスト方向端部すなわち第2ロータ軸130の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて内径が大径となる傾斜面144を有する一対の傾斜部146を第2軸心C2方向の両端部に備えている。環状凹溝138内には、環状突起142の傾斜面144と後述するバックアップ面148とにより構成される環状の一対の傾斜溝部150が設けられている。一対の傾斜溝部150は、第2ロータ軸130の第2軸心C2方向の端部に向かうにつれてリダクション軸132の外周面との間隔(隙間)が大きくなる傾斜面144が形成された溝底を有しており、トレランスリング128と接触する第2ロータ軸130の径方向の摩耗に伴って、第2ロータ軸130の内周面とトレランスリング128との接触面積を広げる面積調整部として機能する。環状面140は、傾斜面144よりもリダクション軸132の外周面との間隔が小さく、トレランスリング128の突部136の谷底周辺領域の径方向への摩耗前の初期状態においてトレランスリング128と当接し、トレランスリング128との間に摩擦力を生じさせることでスプライン嵌合部50のがたつきを抑制する初期状態での主がたつき抑制面である。図8では、初期状態における第2ロータ軸130の内周面とリダクション軸132の外周面が示されており、第2ロータ軸130の環状凹溝138内の環状面140の第2軸心C2方向の長さすなわち初期状態において第2ロータ軸130の内周面のトレランスリング128と接触する接触面の第2軸心C2方向の接触長さが太くされた直線で示されている。
また、一対の傾斜溝部150の一端には、第2軸心C2を含む平面に略垂直な環状のバックアップ面148が傾斜面144に連続して形成されている。バックアップ面148は、トレランスリング128の第2軸心C2方向の両端縁にそれぞれ対向しており、トレランスリング128が第2軸心C2方向へのスラスト荷重を受けた際に、トレランスリング128のスラスト方向端部すなわちトレランスリング128の幅方向の両端縁に接触して、トレランスリング128の第2ロータ軸130に対するスラスト方向への変位を制限する。
上記のように構成されたスプライン軸の嵌合構造126において、トレランスリング128の突部136の谷底周辺領域が摩耗する前の初期状態においては、トレランスリング128の突部136の谷底周辺領域はリダクション軸132の外周面との間隔が小さい環状突起142の環状面140に当接するため、トレランスリング128のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能は初期状態において充分に発揮される状態にある。トレランスリング128の突部136の谷底周辺領域との接触により、第2ロータ軸130の環状突起142の環状面140が始めに摩耗し、次いで一対の傾斜部146を含めて環状突起142が径方向に次第に摩耗する。この環状突起142が一対の傾斜部146を含めて摩耗する間において、第2ロータ軸130の内周面のトレランスリング128との接触面の第2軸心C2方向における接触長さは、初期状態と比較して長くなり、トレランスリング128と第2ロータ軸130の内周面との接触面積が増加する。
上述のように、本実施例のスプライン軸の嵌合構造126によれば、トレランスリング128と接触する第2ロータ軸130の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて、第2ロータ軸130の内周面とリダクション軸132の外周面との隙間が大きくなる一対の傾斜溝部150が第2ロータ軸130に設けられている。このため、トレランスリング128と接触する第2ロータ軸130の径方向の摩耗に伴って、第2ロータ軸130に設けられた一対の傾斜溝部150によりトレランスリング128のリダクション軸132との接触面積が広がる。これにより、トレランスリング128および第2ロータ軸130の径方向の摩耗に伴う、トレランスリング128のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が抑制される。
また、本実施例のスプライン軸の嵌合構造126によれば、一対の傾斜溝部150は、第2ロータ軸130の第2軸心C2方向の両端部にそれぞれ向かうにつれて内径が大径になる、傾斜面144をそれぞれ有しており、一対の傾斜溝部150の端部には、トレランスリング128の第2軸心C2方向端部に当接する、バックアップ面148が形成されている。このため、トレランスリング128と接触する第2ロータ軸130の径方向の摩耗に伴って、傾斜面144を有する一対の傾斜溝部150によりトレランスリング128の第2ロータ軸130との接触面積が広がる。これにより、トレランスリング128のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が抑制される。また、トレランスリング128の第2軸心C2方向端部が一対の傾斜溝部150の端部に形成されたバックアップ面148と当接することにより、トレランスリング128の第2軸心C2方向の移動が規制される。
以上、本発明を表及び図面を参照して詳細に説明したが、本発明は更に別の態様でも実施でき、その主旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得るものである。
たとえば、前述の実施例2のスプライン軸の嵌合構造88によれば、トレランスリング72と接触するリダクション軸90の径方向の摩耗に伴い、トレランスリング72との接触面積を広げる一対の環状溝部104は、リダクション軸90に設けられ、前述の実施例3のおよび実施例4のスプライン軸の嵌合構造110、122によれば、トレランスリング72との接触面積を広げる環状突起116、124は、リダクション軸112、123に設けられていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、一対の環状溝部104、あるいは環状突起116、124が第2ロータ軸に設けられて、トレランスリング72と接触する第2ロータ軸の径方向の摩耗に伴って、第2ロータ軸のトレランスリング72との接触面積が広げられるように構成されてもよい。
また、前述の実施例1のスプライン軸の嵌合構造60によれば、環状凹溝78内の一対の傾斜溝部82は、環状突起81の傾斜部83により形成された比較的なだらかな傾斜面84を有するものであったが、これに限定されるものではなく、たとえば、第2軸心C2を含む断面においてV字状となるような傾斜面を有するものであってもよいし、傾斜溝部82に代えて、第2軸心C2を含む断面が矩形状の第1環状凹部が環状凹溝78内のリダクション軸26に1段設けられてもよいし、上記第1環状凹部よりも第2軸心C2を含む断面の断面積が小さい断面矩形状の第2環状凹部が、上記第1環状凹部の内周側にさらに設けられてもよいし、第2環状凹部よりも断面積が小さい断面矩形状の第3環状凹部が第2環状凹部の内周側にさらに設けられてもよい。要するに、トレランスリング72と接触するリダクション軸26の径方向の摩耗に伴って、トレランスリング72とリダクション軸26との接触面積が増大するように、一対の傾斜溝部や上記の第1環状凹部などが形成されていればよい。
また、前述の実施例1のスプライン軸の嵌合構造60によれば、第2ロータ軸28の嵌合穴62内のメススプライン歯64とリダクション軸26の一端に形成されたオススプライン歯66とがスプライン嵌合されることにより、第2ロータ軸28とリダクション軸26とが動力伝達可能に連結されていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、円筒状のリダクション軸の内周面に形成されたメススプライン歯と、第2ロータ軸の一端の外周面に形成されたオススプライン歯とがスプライン嵌合されることにより連結されていてもよい。このように構成されたスプライン軸の嵌合構造であっても、トレランスリング72の突部76の谷底周辺領域が接触する第2ロータ軸の外周面あるいはリダクション軸の内周面に、トレランスリング72の径方向の摩耗に伴って、第2ロータ軸の外周面あるいはリダクション軸の内周面とトレランスリングとの接触面積を広げる一対の傾斜溝部82が設けられれば、トレランスリング72との接触面積が拡大することによりトレランスリング72と第2ロータ軸あるいはリダクション軸との間に生じる摩擦力の低下が抑制され、トレランスリング72のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が抑制される。
また、前述の実施例1のスプライン軸の嵌合構造60によれば、リダクション軸26に一対の傾斜溝部82が備えられていたが、これに限定されるものではなく、たとえば、リダクション軸26の第2軸心C2方向の両端部のうちの一方の端部に向かうにつれて、第2ロータ軸28の内周面とリダクション軸26の外周面との隙間が大きくなる1つの傾斜溝部82がリダクション軸26に設けられてもよい。
また、前述の実施例1のスプライン軸の嵌合構造60によれば、第2ロータ軸28の内周面とリダクション軸26の外周面との間にトレランスリング72が圧入されていたが、これに限定されるものではなく、第2ロータ軸28あるいはリダクション軸26との接触面が摩耗する可能性があるトレランスリング72以外のがたつき抑制部材、たとえば円筒状の金属と合成ゴムとの複合材料などが間隙Sに圧入されてもよい。トレランスリング72以外のがたつき抑制部材がスプライン軸の嵌合構造60に適用されることにより、そのがたつき抑制部材の径方向の摩耗に伴って、リダクション軸26とがたつき抑制部材の接触面積が広がるため、がたつき抑制部材のスプライン嵌合部50のがたつきを抑制するがたつき抑制機能の低下が低減される。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。