JP2018168830A - 遠心圧縮機 - Google Patents

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了介 福山
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Abstract

【課題】オイル導入溝にオイルを効率良く流入させることができる遠心圧縮機を提供すること。
【解決手段】遠心圧縮機が備えるメカニカルシール34は、挿通孔28内における固定環35の外周側に設置されたカートリッジ46と、カートリッジ46と増速機ハウジングの一部である閉塞部26とによって固定環35の外周側に区画された環状オイル貯留部56を備える。環状オイル貯留部56は、高速側シャフト12の回転軸線方向に沿った両端が閉じられた形状であり、第1分岐路107から供給されたオイルが貯留される。また、メカニカルシール34は、オイル導入溝36bと環状オイル貯留部56とを連通するようにカートリッジ46に形成された連通路47aを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、メカニカルシールを備える遠心圧縮機に関する。
遠心圧縮機は、回転軸と、回転軸と一体回転するインペラが収容されたインペラ室と、増速機構が収容された増速機室と、をハウジング内に備えるとともに、インペラ室と増速機室とを仕切っている仕切壁部をハウジングの一部に備える。このような遠心圧縮機においては、仕切壁部において回転軸の挿通された挿通孔にはメカニカルシールが設置され、増速機構に供給されたオイルがインペラ室へ流入することを規制している。また、メカニカルシールの外周側には、増速機構へ供給するためのオイルが案内される案内路が区画されている(例えば、特許文献1参照)。
メカニカルシールは、一般に、回転軸と一体回転する回転環と、ハウジングに固定された固定環と、を備える。固定環は、回転環との摺動部を備えるとともに、摺動部のシール面にオイルを導入するためのオイル導入溝を備える。そして、オイル導入溝から摺動部のシール面にオイルが供給され、シール面に正圧が発生して摺動部に油膜を形成して摺動性が向上されるとともに密封性が維持される(例えば、特許文献2参照)。メカニカルシールのオイル導入溝にオイルを流入させる方策として、例えば、特許文献1のように、メカニカルシールの外周側に案内されたオイルをオイル導入溝に流入させることが考えられる。
特開2005−140307号公報 国際公開第2016/035860号パンフレット
ところで、メカニカルシールのシール面には、摺動性及び密封性の維持のためにオイルが効率良く供給される必要があり、このためには固定環のオイル導入溝にオイルを効率よく流入させる必要がある。
本発明の目的は、オイル導入溝にオイルを効率良く流入させることができる遠心圧縮機を提供することにある。
上記問題点を解決するための遠心圧縮機は、回転軸と、前記回転軸と一体回転し、前記回転軸の回転に伴って回転することにより空気を圧縮するインペラと、前記インペラが収容されているハウジングと、を備え、前記ハウジング内には、前記インペラを収容したインペラ室と、前記インペラとは異なる部品を収容した空間と前記インペラ室を仕切るとともに前記回転軸が挿通された挿通孔を有する仕切壁部と、前記挿通孔に配設されたメカニカルシールと、前記挿通孔に一端が連通し、該挿通孔にオイルを供給する供給油路と、が設けられており、前記メカニカルシールは、前記回転軸と一体回転する回転環と、前記仕切壁部に固定され、前記回転環との摺動部にシール面を備える固定環と、前記固定環の外周面に一端が開口し、他端が前記シール面に開口する複数のオイル導入溝と、を有しており、前記仕切壁部には、前記挿通孔内における前記固定環の外周側に閉空間形成部材が設置されるとともに、前記閉空間形成部材の外周側に区画され、前記回転軸の回転軸線方向に沿った両端が閉じられた形状であり、前記供給油路から供給されたオイルが貯留される環状オイル貯留部が設けられ、前記閉空間形成部材には、少なくとも一つの前記オイル導入溝の前記一端と前記環状オイル貯留部とを連通する連通路が設けられていることを要旨とする。
これによれば、供給油路から挿通孔に供給されたオイルは環状オイル貯留部に流入する。環状オイル貯留部は回転軸線方向の両端が閉じられた空間であるため、オイルが環状オイル貯留部から回転軸線方向へは流出せず、固定環を全周から囲むように貯留され、固定環の外周側のいずれの位置にもオイルがある状態となる。そして、環状オイル貯留部には連通路が連通しているため、連通路には環状オイル貯留部からオイルが流れ込み、その連通路からオイル導入溝にオイルが、オイル導入溝の位置に関わらず効率良く流入する。その結果、オイル導入溝からシール面にオイルが効率良く供給されてシール面を潤滑させることができる。
また、遠心圧縮機について、前記閉空間形成部材は、前記固定環を収容するとともに前記連通路が形成される筒状の外周壁と、該外周壁の端部から前記外周壁の径方向外側に突出したフランジと、を備え、前記環状オイル貯留部は、前記閉空間形成部材と前記仕切壁部によって区画されていてもよい。
これによれば、閉空間形成部材を挿通孔に挿入するだけで、固定環の外周側に環状オイル貯留部を形成できる。
また、遠心圧縮機について、複数の前記オイル導入溝それぞれに連通するように連通路を複数備えるのが好ましい。
これによれば、各オイル導入溝に連通路からオイルが流入し、シール面を効率良く潤滑できる。
本発明によれば、オイル導入溝にオイルを効率良く流入させることができる。
遠心圧縮機の概略断面図。 メカニカルシールを示す部分拡大断面図。 メカニカルシールを示す部分拡大正面図。 別例のメカニカルシールを示す部分拡大断面図。
以下、遠心圧縮機を具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
本実施形態の遠心圧縮機は、燃料電池車両(FCV)に搭載される。燃料電池車両は、燃料電池を電力源として走行し、遠心圧縮機は燃料電池に対して圧縮した空気を供給する。
図1に示すように、遠心圧縮機10は、低速側シャフト11及び高速側シャフト12と、低速側シャフト11を回転させる電動モータ13と、低速側シャフト11の回転を増速させて高速側シャフト12に伝達する増速機構61と、高速側シャフト12の回転によって空気を圧縮するインペラ52とを備える。電動モータ13や増速機構61はインペラ52とは異なる部品である。高速側シャフト12は、当該高速側シャフト12の回転軸線方向の両端のうち、電動モータ13側の一端に配置された第1フランジ12aを備えるとともに、第1フランジ12aから回転軸線方向に離間して対向配置された第2フランジ12bを備える。低速側シャフト11及び高速側シャフト12は、例えば金属で構成されており、詳細には鉄又は鉄の合金で構成されている。
遠心圧縮機10は、当該遠心圧縮機10の外郭を構成するハウジング20を備える。ハウジング20は、インペラ52、低速側シャフト11、高速側シャフト12、電動モータ13、及び増速機構61を収容する。ハウジング20は、例えば全体として略筒状(詳細には円筒状)である。
ハウジング20は、電動モータ13が収容されたモータハウジング21と、増速機構61が収容された増速機ハウジング23と、インペラ52を収容したコンプレッサハウジング50とを備える。コンプレッサハウジング50は、空気が吸入される吸入口50aを備え、吸入口50aは、ハウジング20の軸線方向の一端面20aに設けられている。吸入口50aから見てハウジング20の軸線方向に、コンプレッサハウジング50、増速機ハウジング23及びモータハウジング21の順に配列されている。
モータハウジング21は、全体として底部22を有する筒状(詳細には円筒状)である。増速機ハウジング23は、底部24を有する筒状(詳細には円筒状)の本体部25と、本体部25の軸線方向において底部24とは反対側に設けられた閉塞部26と、を備える。
モータハウジング21と増速機ハウジング23とは、モータハウジング21の開口端が本体部25の底部24に突き合わされた状態で連結されている。モータハウジング21の内面と、本体部25の底部24におけるモータハウジング21側の底面24aとによって、電動モータ13が収容されたモータ収容室S1が形成されている。当該モータ収容室S1には低速側シャフト11が収容されている。
低速側シャフト11は、回転可能な状態でハウジング20に支持されている。遠心圧縮機10は、第1軸受31を備える。第1軸受31は、モータハウジング21の底部22に設けられており、低速側シャフト11の第1端部11aは、第1軸受31に支持されている。第1端部11aの一部は、第1軸受31を挿通して、モータハウジング21の底部22に挿入されている。
本体部25の底部24は、低速側シャフト11の第1端部11aとは反対側の第2端部11bよりも一回り大きく形成された貫通孔27を備える。遠心圧縮機10は、貫通孔27内に第2軸受32、及び、シール部材33を備える。低速側シャフト11の第2端部11bは第2軸受32に支持されている。シール部材33は、増速機ハウジング23内に存在するオイル14がモータ収容室S1に流れるのを規制している。低速側シャフト11の第2端部11bは、本体部25の貫通孔27に挿通されており、低速側シャフト11の一部は、増速機ハウジング23内に配置されている。
電動モータ13は、低速側シャフト11に固定されたロータ41と、ロータ41の外側に配置されるものであってモータハウジング21の内面に固定されたステータ42とを備える。ロータ41と低速側シャフト11とが一体的に回転する。
閉塞部26は、例えば、増速機ハウジング23と同一径の円板状である。増速機ハウジング23は、本体部25の開口端と閉塞部26の軸線方向の両板面26a,26bのうち第1板面26aとが突き合わされた状態で組み付けられている。閉塞部26の第1板面26aと増速機ハウジング23の内面とによって、増速機構61が収容された増速機室S2が形成されている。
図2に示すように、増速機ハウジング23を構成する閉塞部26は、増速機構61の一部を構成する高速側シャフト12が挿通された挿通孔28を備える。挿通孔28は閉塞部26の軸線方向に当該閉塞部26を貫通する。挿通孔28は、第2板面26b寄りの第1孔部28aと、第1孔部28aよりも直径が大きく、かつ第1孔部28aよりも第1板面26a寄りの第2孔部28bと、第2孔部28bよりも直径が大きく、かつ第2孔部28bよりも第1板面26a寄りの第3孔部28cと、を備える。第3孔部28cは、第1板面26aに開口している。
閉塞部26は、第1孔部28aの内周面と第2孔部28bの内周面とを繋ぐ円環状の面に第1支持面28eを備える。第1支持面28eは、閉塞部26の軸線方向に直交する。また、閉塞部26は、第2孔部28bの内周面と第3孔部28cの内周面とを繋ぐ円環状の面に第2支持面28fを備える。第2支持面28fは、閉塞部26の軸線方向に直交する。高速側シャフト12の第2フランジ12bは、挿通孔28内に配置されている。高速側シャフト12の一部は、挿通孔28を介してコンプレッサハウジング50内に配置されている。
遠心圧縮機10は、挿通孔28の内面と高速側シャフト12の周面との間に、増速機ハウジング23内のオイル14が挿通孔28を介してコンプレッサハウジング50内に流出するのを規制するメカニカルシール34を備える。メカニカルシール34は後に詳述する。
図1に示すように、コンプレッサハウジング50は、軸線方向に貫通したコンプ貫通孔51を有する略筒状である。コンプレッサハウジング50の軸線方向の一端面50bがハウジング20の軸線方向の一端面20aを構成しており、コンプ貫通孔51における上記一端面50b側にある開口が吸入口50aとして機能する。
コンプレッサハウジング50と閉塞部26とは、コンプレッサハウジング50の軸線方向の一端面50bとは反対側の他端面50cと、第2板面26bとが突き合わされた状態で、組み付けられている。コンプ貫通孔51の内面と閉塞部26の第2板面26bとによって、インペラ52が収容されたインペラ室S3が形成されている。吸入口50aとインペラ室S3とは連通している。増速機室S2とインペラ室S3との間に位置する閉塞部26は、両者を仕切る仕切壁部となる。すなわち、閉塞部26は、インペラ52とは異なる部品としての増速機構61を収容した増速機室S2とインペラ室S3とを仕切る。
インペラ52には、高速側シャフト12におけるコンプ貫通孔51内に突出している部分が挿通された状態で、高速側シャフト12と一体回転するように高速側シャフト12に取り付けられている。高速側シャフト12が回転することによってインペラ52が回転して、吸入口50aから吸入された空気が圧縮される。
また、遠心圧縮機10は、インペラ52によって圧縮されたエアが流入するディフューザ流路53と、ディフューザ流路53を通った流体が流入する吐出室54とを備える。ディフューザ流路53は、インペラ室S3よりも高速側シャフト12の径方向外側に配置されており、インペラ52(及びインペラ室S3)を囲むように環状(詳細には円環状)に形成されている。吐出室54は、ディフューザ流路53よりも高速側シャフト12の径方向外側に配置された環状である。インペラ室S3と吐出室54とはディフューザ流路53を介して連通している。インペラ52によって圧縮された空気は、ディフューザ流路53を通ることによって、更に圧縮されて吐出室54に流れ、当該吐出室54から吐出される。
次に、増速機構61について説明する。本実施形態の増速機構61は、所謂トラクションドライブ式(摩擦ローラ式)である。
増速機構61は、低速側シャフト11の第2端部11bに連結されたリング部材62を備える。リング部材62は、低速側シャフト11の第2端部11bに連結された円板状のベース63と、当該ベース63の縁部から起立した円環状の環状部64とを備える。
高速側シャフト12の一部は、リング部材62の径方向において、環状部64の内側に配置されている。増速機構61は、3つのローラ71を備える(図1では1つのローラ71だけ図示)。各ローラ71は、高速側シャフト12と環状部64との間に設けられ、環状部64及び高速側シャフト12の双方に当接している。
3つのローラ71は同一形状である。各ローラ71は、円柱状のローラ部72と、ローラ部72の回転軸線方向の第1端面72aから突出する円柱状の第1突起73と、ローラ部72の回転軸線方向の第2端面72bから突出する円柱状の第2突起74と、を備える。複数のローラ71は、高速側シャフト12の周方向に間隔を隔てて並んで配置されている。なお、各ローラ71は例えば金属で構成されており、詳細には高速側シャフト12と同一金属、例えば鉄又は鉄の合金で構成されている。
増速機構61は、閉塞部26と協働して各ローラ71を回転可能に支持する支持部材80を備える。支持部材80は環状部64内に配置されている。支持部材80は、環状部64よりも一回り小さく形成された円板状の支持ベース81と、支持ベース81から閉塞部26に向けて起立した柱状の3つの柱状部材82とを備える(図1では1つの柱状部材82のみ図示)。各柱状部材82は、環状部64の内周面と、隣り合う2つのローラ部72の外周面とによって区画された3つの空間を埋める。支持部材80は、各柱状部材82のネジ孔84及び閉塞部26のネジ穴85にボルト83が螺合されることによって閉塞部26に固定されている。
増速機構61は、閉塞部26に配置された第1ローラ軸受76と、支持ベース81に配置された第2ローラ軸受77とを備える。ローラ71は、第1ローラ軸受76と第2ローラ軸受77に支持されることで、閉塞部26と支持ベース81とに回転可能に支持されている。
ローラ71とリング部材62と高速側シャフト12とは、ローラ部72と高速側シャフト12及び環状部64とが互いに押し付けあっている状態でユニット化されており、高速側シャフト12は、3つのローラ部72によって回転可能に支持されている。ローラ部72の外周面と環状部64の内周面との当接箇所、及び、ローラ部72の外周面と高速側シャフト12の外周面との当接箇所には、押し付け荷重が付与されている。
なお、ローラ部72は高速側シャフト12の第1フランジ12aと第2フランジ12bによって回転軸線方向に挟持されている。これにより、高速側シャフト12の回転軸線方向における高速側シャフト12とローラ部72との位置ずれが抑制されている。
遠心圧縮機10は、増速機構61及びメカニカルシール34にオイル14を供給するためのオイル供給機構100を備える。オイル供給機構100は、ポンプ101と、オイル流路102とを備え、ポンプ101の駆動によりオイル流路102を通じて増速機室S2にオイル14を循環させる。
ポンプ101は、モータハウジング21の底部22の収容部103に設けられている。本実施形態のポンプ101は、容積型である。ポンプ101は、低速側シャフト11の第1端部11aに連結されている。
オイル流路102は、供給路105と、循環路106とを備える。供給路105は、収容部103に一端が連通する油路109と、油路109の他端から分岐した第1分岐路107及び第2分岐路108とを備える。第1分岐路107は、分岐点に位置する開口とは別の開口が挿通孔28の第2孔部28bに開口している。第2分岐路108は、支持部材80の柱状部材82において、その外周面のうちローラ部72に向かい合う位置に開口している。
循環路106は、収容部103と増速機室S2とを繋いでいる。遠心圧縮機10は、増速機ハウジング23における循環路106の連通する箇所が鉛直方向下方に位置する態様で使用される。したがって、増速機ハウジング23内においては、循環路106が連通する箇所に重力によってオイル14が貯留されることになる。
そして、ポンプ101が駆動されると、循環路106→収容部103→供給路105の順にオイル14が流れ、第1分岐路107からメカニカルシール34にオイル14が供給される。よって、第1分岐路107を含む供給路105により、メカニカルシール34にオイル14を供給する供給油路が構成され、挿通孔28の第2孔部28bに連通した供給油路の一端は第1分岐路107において、第2孔部28bに開口した端部となる。また、第2分岐路108から増速機構61(ローラ71)にオイル14が供給される。
増速機構61では、ローラ71が回転すると、ローラ部72の外周面と環状部64の内周面とはオイル14の薄膜を介して接する。同様に、高速側シャフト12の外周面とローラ部72の外周面とは固化されたオイル14の薄膜を介して接する。そして、ローラ71の回転力が、高速側シャフト12の外周面とローラ部72の外周面との間に形成された固化されたオイル14の薄膜を介して高速側シャフト12に伝達され、その結果、高速側シャフト12が回転することとなる。環状部64は、低速側シャフト11と同一速度で回転し、各ローラ71は低速側シャフト11よりも高速で回転する。更に、ローラ部72よりも径が短い高速側シャフト12は、ローラ部72よりも高速で回転する。以上のことから、増速機60によって、高速側シャフト12が低速側シャフト11よりも高速で回転する。
次に、メカニカルシール34について説明する。
図2又は図3に示すように、メカニカルシール34における回転環は、高速側シャフト12に一体の第2フランジ12bによって構成される。第2フランジ12bは平板リング状である。第2フランジ12bは、高速側シャフト12と一体回転する。
固定環35は、高速側シャフト12よりも一回り大きく形成されたリング形状である。固定環35は、第2フランジ12bよりもインペラ室S3寄りに配置されている。固定環35は、第2フランジ12bに対向した摺動面36を備える。摺動面36は内周側にシール面36aを備える。固定環35は、摺動面36から凹むオイル導入溝36bを複数備える。オイル導入溝36bは、一端が固定環35の外周面に開口し、他端がシール面36aに開口している。複数のオイル導入溝36bは固定環35の周方向へ等間隔おきに配置されている。各オイル導入溝36bからシール面36aにオイル14が供給され、シール面36aを潤滑させる。
固定環35は、シール面36aより径方向外側に正圧発生機構45を備え、正圧発生機構45はシール面36aから隔離されている。正圧発生機構45は、グルーブ45a及びレイリーステップ45bを備えたレイリーステップ機構よりなる。正圧発生機構45のレイリーステップ機構は、固定環35の周方向に等間隔おきに配置されている。正圧発生機構45は、固定環35と第2フランジ12bとの相対回転摺動により正圧を発生させる。
また、固定環35は、シール面36aの外周部において、正圧発生機構45と径方向に離間するようにして、固定環35と第2フランジ12bとの相対回転摺動によりオイル14を外周側に戻すポンピング作用を発生させるポンピング部37を備える。ポンピング部37はスパイラル溝37aを備える。
そして、正圧発生機構45は、正圧を発生することにより、相対摺動する固定環35のシール面36aと、第2フランジ12bとの間隔を広げ、導入されたオイル14による油膜を形成し、摺動性を向上させる。また、ポンピング部37のスパイラル溝37aは、正圧発生機構45で発生した正圧により低圧側に漏洩しようとするオイル14を高圧側に排出し、シール面36aの密封性を向上させる。
図2に示すように、メカニカルシール34は、固定環35を第2フランジ12bに向けて押圧するスプリング38と、スプリング38を保持するスプリング保持部39と、スプリング38及びスプリング保持部39ごと固定環35を覆った状態で当該固定環35を保持するカートリッジ46とを備えている。
カートリッジ46は閉塞部26に固定された状態で設置されている。カートリッジ46は、カートリッジ底部46aと、カートリッジ底部46aから第2フランジ12bに向けて起立した筒状の内周壁46b及び外周壁46cとを有しており、第2フランジ12bに向けて開口している。また、カートリッジ46は、外周壁46cの外周面から外周壁46cの径方向外側に突出した形状の肉厚部47を備え、外周壁46cは肉厚部47を備える。カートリッジ46は、肉厚部47を径方向に貫通する連通路47aを複数備える。肉厚部47は外周壁46cの一部であることから、連通路47aは外周壁46cに形成されている。
複数の連通路47aは、肉厚部47(外周壁46c)の周方向へ等間隔おきに配置されている。複数の連通路47aは、固定環35の各オイル導入溝36bと対応した位置にある。各連通路47aは、固定環35の外周面に開口したオイル導入溝36bの一端と一致した位置にあり、連通路47aは、オイル導入溝36bを介してシール面36aと連通している。
カートリッジ46は、肉厚部47の外周面における連通路47aよりも第1板面26a側から径方向に突出した形状のフランジ47bを備える。フランジ47bは、肉厚部47(外周壁46c)の端部から径方向外側に突出している。カートリッジ46は、外周壁46cが挿通孔28に嵌合されて閉塞部26、すなわちハウジング20に固定されている。また、肉厚部47の厚み方向の両面のうち第2板面26b寄りの面は第1支持面28eに当接している。さらに、肉厚部47におけるフランジ47bの厚み方向の両面のうち第2板面26b寄りの面は第2支持面28fに当接している。
閉塞部26において、カートリッジ46の肉厚部47外周面と、肉厚部47の外周面に対向した第2孔部28bの内周面と、第1支持面28eのうち肉厚部47よりも径方向外側の部分と、フランジ47bとで囲まれた空間には、円環状の環状オイル貯留部56が設けられている。環状オイル貯留部56は、高速側シャフト12の回転軸線方向、すなわち閉塞部26の軸線方向においては第1支持面28eとフランジ47bで閉塞された閉空間である。よって、本実施形態では、カートリッジ46が閉空間形成部材となる。環状オイル貯留部56には、オイル流路102の第1分岐路107が連通し、オイル14が供給され、オイル14が充満している。よって、メカニカルシール34は、円環状の環状オイル貯留部56によって囲まれている。
環状オイル貯留部56に貯留されたオイル14は、カートリッジ46の連通路47aを介して固定環35の外周側に供給されている。固定環35の外周側に供給されたオイル14は、オイル導入溝36bを介してシール面36aに供給されている。
固定環35は、カートリッジ46によって区画された領域内に配置されている。そして、カートリッジ46は、高速側シャフト12の軸線方向に移動可能な状態で、固定環35を高速側シャフト12と一体回転しないように保持している。このため、固定環35は、高速側シャフト12の軸線方向への移動が許容されている一方、高速側シャフト12の周方向への移動が規制されている。
スプリング38及びスプリング保持部39は、カートリッジ46のカートリッジ底部46aと固定環35との間に配置されている。スプリング保持部39は固定環35と当接しており、スプリング38は、スプリング保持部39とカートリッジ底部46aとを連結している。これにより、スプリング38の付勢力がスプリング保持部39を介して固定環35に伝達され、当該固定環35が第2フランジ12bに向けて押圧されている。
なお、固定環35の内周面の一部が高速側シャフト12の径方向外側に凹み、且つ、カートリッジ46の内周壁46bの一部が高速側シャフト12の径方向内側に凹むことによって形成された隙間には、Oリング78が設けられている。
次に、遠心圧縮機10の作用を記載する。
遠心圧縮機10のポンプ101が駆動され、第1分岐路107から環状オイル貯留部56にオイル14が供給され、環状オイル貯留部56に貯留される。環状オイル貯留部56のオイル14は、カートリッジ46の連通路47a及び固定環35のオイル導入溝36bを介してシール面36aに供給される。
メカニカルシール34において、正圧発生機構45は、正圧を発生することにより、相対摺動する固定環35のシール面36aと、第2フランジ12bとの間隔を広げ、油膜を形成し、摺動性を向上させる。また、ポンピング部37のスパイラル溝37aは、高圧側の正圧発生機構45で発生した正圧により低圧側に漏洩しようとするオイル14を高圧側に排出し、シール面36aの密封性を向上させる。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)メカニカルシール34を囲む閉空間の環状オイル貯留部56を設けたため、固定環35を全周から囲むようにオイル14を貯留させることができる。よって、連通路47aには環状オイル貯留部56からオイル14が流れ込み、オイル導入溝36bにオイル14を効率良く流入させることができる。その結果、オイル導入溝36bからシール面36aにオイル14が効率良く供給されてシール面36aを潤滑させることができる。また、メカニカルシール34を閉塞部26に組付ける際、オイル導入溝36bを第1分岐路107に位置合わせする必要がなく、組み付け作業が容易となる。
(2)メカニカルシール34において、固定環35、スプリング38及びスプリング保持部39を収容するカートリッジ46を閉空間形成部材とし、カートリッジ46と閉塞部26とで環状オイル貯留部56を区画した。よって、メカニカルシール34の一部を構成するとともに閉塞部26に設置するための部材を用いて環状オイル貯留部56を形成できる。したがって、環状オイル貯留部56を区画するためにメカニカルシール34とは別の部材を追加する必要がない。
(3)環状オイル貯留部56は円環状である。このため、円筒状のカートリッジ46を円孔状の挿通孔28に嵌合するだけで、環状オイル貯留部56を形成することが可能になる。
(4)増速機室S2には増速機構61が収容される。増速機構61には潤滑のためのオイル14が供給されるため、メカニカルシール34は、インペラ室S3へのオイル14の流出を規制する必要がある。このようなメカニカルシール34において、環状オイル貯留部56を設けることでシール面36aにオイル14を効率良く供給しつつ、密封性を向上させることができる。よって、環状オイル貯留部56を備える構成は、増速機構61を備えた遠心圧縮機10に適用するのがより好ましい。
(5)遠心圧縮機10は燃料電池車両(FCV)に搭載され、燃料電池に対して圧縮した空気を供給する。遠心圧縮機10から燃料電池に供給される空気にオイル14が含まれると燃料電池の性能低下に繋がるため、燃料電池車両に搭載される遠心圧縮機10は、インペラ室S3にオイル14が流出することを規制するのが重要である。このような遠心圧縮機10において、環状オイル貯留部56を設けることでシール面36aに効率良くオイル14を供給してシール面36aと第2フランジ12bとの間に油膜を形成して潤滑し、摩耗を抑制する結果、シール性の低下を抑制できる。その結果として、増速機室S2のオイル14がメカニカルシール34を介してインペラ室S3に流出するのを規制できる。したがって、環状オイル貯留部56を備える構成は、燃料電池車両に搭載される遠心圧縮機10に採用するのが好ましい。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 閉空間形成部材は、外周壁とフランジとを別体とした構成でもよく、例えば、閉空間形成部材を、外周壁46cを備えたカートリッジ46と、フランジを構成する蓋部材90とで構成されていてもよい。図4に示すように、カートリッジ46は肉厚部47やフランジ47bを備えていない。この場合、外周壁46cの先端面と第2支持面28fとを面一とし、第3孔部28cに円環状の蓋部材90を嵌合して、蓋部材90を外周壁46c及び第2支持面28fに支持させる。すると、外周壁46cの外周面と、第2孔部28bの内周面と、第1支持面28eと、蓋部材90によって閉空間が区画され、この閉空間に環状オイル貯留部56が形成される。また、外周壁46cに連通路47aが形成され、環状オイル貯留部56とシール面36aとは、連通路47a及びオイル導入溝36bを介して環状オイル貯留部56と連通している。
○ 閉塞部26によってインペラ室S3と増速機室S2を仕切る構成としたが、増速機構61を備えない遠心圧縮機の場合、閉塞部26によってインペラ室S3と仕切られる空間は、インペラ52とは異なる部品としての電動モータ13を収容したモータ収容室S1であってもよい。この場合、インペラ52が電動モータ13の回転軸と一体回転する構成であり、電動モータ13の回転軸が仕切壁部を貫通する。
○ カートリッジ46は、外周壁46cに連通路47aを1つだけ備えていてもよい。
○ ポンプ101は、遠心圧縮機10に内蔵されていなくてもよく、外部ポンプを用いてもよい。
○ ローラ71の数は複数であればよく、適宜変更してもよい。例えば、4つや5つにしてもよい。
○ 増速機構61として、くさび作用を利用したものを用いてもよい。この場合、ローラ71のうち少なくとも1つは、リング部材62の回転により移動する可動ローラが用いられる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想につい以下に追記する。
(1)前記遠心圧縮機は燃料電池車両の燃料電池に対して圧縮した空気を供給する遠心圧縮機。
S2…インペラとは異なる部品を収容した空間としての増速機室、S3…インペラ室、14…オイル、20…ハウジング、28…挿通孔、34…メカニカルシール、35…固定環、36a…シール面、36b…オイル導入溝、46…閉空間形成部材としてのカートリッジ、46c…外周壁、47a…連通路、47b…フランジ、52…インペラ、56…環状オイル貯留部。

Claims (3)

  1. 回転軸と、
    前記回転軸と一体回転し、前記回転軸の回転に伴って回転することにより空気を圧縮するインペラと、
    前記インペラが収容されているハウジングと、を備え、
    前記ハウジング内には、前記インペラを収容したインペラ室と、
    前記インペラとは異なる部品を収容した空間と前記インペラ室を仕切るとともに前記回転軸が挿通された挿通孔を有する仕切壁部と、
    前記挿通孔に配設されたメカニカルシールと、
    前記挿通孔に一端が連通し、該挿通孔にオイルを供給する供給油路と、が設けられており、
    前記メカニカルシールは、前記回転軸と一体回転する回転環と、
    前記仕切壁部に固定され、前記回転環との摺動部にシール面を備える固定環と、
    前記固定環の外周面に一端が開口し、他端が前記シール面に開口する複数のオイル導入溝と、を有しており、
    前記仕切壁部には、前記挿通孔内における前記固定環の外周側に閉空間形成部材が設置されるとともに、
    前記閉空間形成部材の外周側に区画され、前記回転軸の回転軸線方向に沿った両端が閉じられた形状であり、前記供給油路から供給されたオイルが貯留される環状オイル貯留部が設けられ、
    前記閉空間形成部材には、少なくとも一つの前記オイル導入溝の前記一端と前記環状オイル貯留部とを連通する連通路が設けられている遠心圧縮機。
  2. 前記閉空間形成部材は、前記固定環を収容するとともに前記連通路が形成される筒状の外周壁と、該外周壁の端部から前記外周壁の径方向外側に突出したフランジと、を備え、前記環状オイル貯留部は、前記閉空間形成部材と前記仕切壁部によって区画されている請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 複数の前記オイル導入溝それぞれに連通するように連通路を複数備える請求項1又は請求項2に記載の遠心圧縮機。
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