JP2019157708A - 遠心圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】増速機に供給されるオイルを含む流体におけるオイルの比率が少なくなってしまうことを抑制すること。【解決手段】遠心圧縮機10は、オイル供給通路60から重力方向上側に分岐して増速機室に連通する気体逃がし通路73,74を備えている。オイル供給通路60を流れるオイルに気体が混入されている場合、オイルに混入されている気体は、オイル供給通路60と気体逃がし通路73,74との分岐点において、オイルと気体との比重差によって、気体が気体逃がし通路73,74へ流れて、気体逃がし通路73,74を介して増速機室に戻される。よって、オイル供給通路60と気体逃がし通路73,74との分岐点で、気体がオイルから分離されるため、気体が混入されている状態でオイルが増速機に供給されてしまうことが抑制される。【選択図】図3
Description
本発明は、遠心圧縮機に関する。
遠心圧縮機は、低速側シャフトと、高速側シャフトに取り付けられたインペラと、低速側シャフトの動力を高速側シャフトに伝達する増速機と、を備えている。遠心圧縮機のハウジング内には、インペラを収容するインペラ室と、増速機を収容する増速機室とが形成されている。インペラ室と増速機室とは仕切壁によって仕切られている。仕切壁には、シャフト挿通孔が形成されている。高速側シャフトは、増速機室内からシャフト挿通孔を通過してインペラ室内に突出している。
このような遠心圧縮機においては、高速側シャフトと増速機との摺動部分の摩擦や焼き付きを抑制するために、例えば特許文献1のように、増速機にオイルが供給されている。増速機に供給されたオイルは、増速機室内に貯留されるため、増速機室内に貯留されるオイルが、シャフト挿通孔を介してインペラ室内へ洩れ出すことを規制するために、高速側シャフトの外周面とシャフト挿通孔の内周面との間にはシール部材が設けられている。
ところで、増速機及びシール部材に供給されるオイルには、気体が混入されていることがある。オイルに気体が混入されていると、増速機に供給されるオイルを含む流体におけるオイルの比率が少なくなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、増速機に供給されるオイルを含む流体におけるオイルの比率が少なくなってしまうことを抑制することができる遠心圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決する遠心圧縮機は、低速側シャフトと、高速側シャフトに取り付けられたインペラと、前記低速側シャフトの動力を前記高速側シャフトに伝達する増速機と、前記インペラを収容するインペラ室、及び前記増速機を収容する増速機室が形成されたハウジングと、前記インペラ室と前記増速機室とを仕切る仕切壁と、前記仕切壁に形成されるとともに前記高速側シャフトが挿通されるシャフト挿通孔と、前記高速側シャフトの外周面と前記シャフト挿通孔の内周面との間に設けられるシール部材と、前記増速機にオイルを供給するオイル供給通路と、を備えた遠心圧縮機であって、前記オイル供給通路から重力方向上側に分岐して前記増速機室に連通する気体逃がし通路を備え、前記オイル供給通路と前記気体逃がし通路とは、それぞれ異なる位置で前記増速機室に連通されている。
これによれば、オイル供給通路を流れるオイルに気体が混入されている場合、オイルに混入されている気体は、オイル供給通路と気体逃がし通路との分岐点において、オイルと気体との比重差によって、気体が気体逃がし通路へ流れて、気体逃がし通路を介して増速機室に戻される。よって、オイル供給通路と気体逃がし通路との分岐点で、気体がオイルから分離されるため、気体が混入されている状態でオイルが増速機に供給されてしまうことを抑制することができる。その結果、増速機に供給されるオイルを含む流体におけるオイルの比率が少なくなってしまうことを抑制することができる。
上記遠心圧縮機において、前記オイル供給通路は、前記シール部材にもオイルを供給し、前記オイル供給通路は、前記増速機にオイルを供給する増速機側供給通路と、前記シール部材にオイルを供給するシール部材側供給通路と、前記増速機側供給通路及び前記シール部材側供給通路にオイルを供給する共通通路と、を有し、前記ハウジングには、前記増速機側供給通路を形成するための第1穿設孔と、前記シール部材側供給通路を形成するための第2穿設孔と、が形成されており、前記第1穿設孔と前記第2穿設孔とは、途中で交差することにより互いに連通しており、前記増速機側供給通路及び前記シール部材側供給通路は、前記第1穿設孔と前記第2穿設孔との交差点よりも前記重力方向下側に位置しており、前記気体逃がし通路は、前記第1穿設孔及び前記第2穿設孔の一方における前記交差点よりも前記重力方向上側に位置する部分を含み、前記共通通路は、前記第1穿設孔及び前記第2穿設孔の他方における前記交差点よりも重力方向上側に位置しており、前記第1穿設孔及び前記第2穿設孔内には、前記ハウジングの内部と外部とをシールする穿設孔シール部材がそれぞれ配設されているとよい。
これによれば、増速機側供給通路及びシール部材側供給通路を形成するために必要となる第1穿設孔及び第2穿設孔の一方における第1穿設孔と第2穿設孔との交差点よりも重力方向上側に位置する部分を、気体逃がし通路として利用しているため、既存構造からの変更を最小限に抑えて気体逃がし通路を構成することができる。
この発明によれば、増速機に供給されるオイルを含む流体におけるオイルの比率が少なくなってしまうことを抑制することができる。
以下、遠心圧縮機を具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。本実施形態の遠心圧縮機は、燃料電池を電力源として走行する燃料電池車両(FCV)に搭載され、燃料電池に対して空気を供給する。
図1に示すように、遠心圧縮機10のハウジング11は、モータハウジング12と、モータハウジング12に連結される増速機ハウジング13と、増速機ハウジング13に連結されるプレート14と、プレート14に連結されるコンプレッサハウジング15と、を備えている。モータハウジング12、増速機ハウジング13、プレート14、及びコンプレッサハウジング15は、例えばアルミニウムにより形成された金属材料製である。ハウジング11は略筒状である。モータハウジング12、増速機ハウジング13、プレート14、及びコンプレッサハウジング15は、ハウジング11の軸線方向にこの順序で配列されている。
モータハウジング12は、円板状の底壁12aと、底壁12aの外周縁から円筒状に延設された周壁12bと、を有する有底円筒状である。増速機ハウジング13は、円板状の底壁13aと、底壁13aの外周縁から円筒状に延設された周壁13bと、を有する有底円筒状である。
モータハウジング12の周壁12bにおける底壁12aとは反対側の端部は、増速機ハウジング13の底壁13aに連結されている。そして、モータハウジング12の周壁12bにおける底壁12aとは反対側の開口は、増速機ハウジング13の底壁13aによって閉塞されている。底壁13aの中央部には、貫通孔13hが形成されている。
増速機ハウジング13の周壁13bにおける底壁13aとは反対側の端部は、プレート14に連結されている。そして、増速機ハウジング13の周壁13bにおける底壁13aとは反対側の開口は、プレート14によって閉塞されている。プレート14の中央部には、シャフト挿通孔14hが形成されている。
コンプレッサハウジング15は、プレート14における増速機ハウジング13とは反対側の面に連結されている。コンプレッサハウジング15には、流体である空気が吸入される吸入口15aが形成されている。吸入口15aは、コンプレッサハウジング15におけるプレート14とは反対側の端面の中央部に開口するとともに、コンプレッサハウジング15におけるプレート14とは反対側の端面の中央部からハウジング11の軸線方向に延びている。
遠心圧縮機10は、低速側シャフト16と、低速側シャフト16を回転させる電動モータ17と、を備えている。ハウジング11内には、電動モータ17を収容するモータ室12cが形成されている。モータ室12cは、モータハウジング12の底壁12aの内面、周壁12bの内周面、及び増速機ハウジング13の底壁13aの外面によって区画されている。低速側シャフト16は、低速側シャフト16の軸線方向がモータハウジング12の軸線方向に一致した状態でモータハウジング12内に収容されている。低速側シャフト16は、例えば鉄又は合金で形成された金属材料製である。
モータハウジング12の底壁12aの内面には、筒状のボス部12fが突出している。低速側シャフト16の一端部は、ボス部12f内に挿入されている。低速側シャフト16の一端部とボス部12fとの間には、第1軸受18が設けられている。そして、低速側シャフト16の一端部は、第1軸受18を介してモータハウジング12の底壁12aに回転可能に支持されている。
低速側シャフト16の他端部は、貫通孔13hに挿入されている。低速側シャフト16の他端部と貫通孔13hとの間には、第2軸受19が設けられている。そして、低速側シャフト16の他端部は、第2軸受19を介して増速機ハウジング13の底壁13aに回転可能に支持されている。よって、低速側シャフト16は、ハウジング11に回転可能に支持されている。低速側シャフト16の他端は、モータ室12cから貫通孔13hを通過して増速機ハウジング13内に突出している。
低速側シャフト16の他端部と貫通孔13hとの間には、シール部材20が設けられている。シール部材20は、低速側シャフト16の他端部と貫通孔13hとの間において、第2軸受19よりもモータ室12c寄りに配置されている。シール部材20は、低速側シャフト16の外周面と貫通孔13hの内周面との間をシールする。
電動モータ17は、筒状のステータ21と、ステータ21の内側に配置されるロータ22とからなる。ロータ22は、低速側シャフト16に固定されるとともに低速側シャフト16と一体的に回転する。ステータ21は、ロータ22を取り囲んでいる。ロータ22は、低速側シャフト16に止着された円筒状のロータコア22aと、ロータコア22aに設けられた複数の永久磁石(図示せず)と、を有している。ステータ21は、モータハウジング12の周壁12bの内周面に固定された筒状のステータコア21aと、ステータコア21aに捲回されたコイル21bと、を有している。そして、コイル21bに電流が流れることによって、ロータ22と低速側シャフト16とが一体的に回転する。
遠心圧縮機10は、高速側シャフト31と、低速側シャフト16の動力を高速側シャフト31に伝達する増速機30と、を備えている。ハウジング11内には、増速機30を収容する増速機室13cが形成されている。増速機室13cは、増速機ハウジング13の底壁13aの内面、周壁13bの内周面、及びプレート14によって区画されている。増速機室13c内にはオイルが貯留されている。シール部材20は、増速機室13c内に貯留されているオイルが、低速側シャフト16の外周面と貫通孔13hの内周面との間を介してモータ室12cに洩れ出すことを規制している。
高速側シャフト31は、例えば鉄又は合金で形成された金属材料製である。高速側シャフト31は、高速側シャフト31の軸線方向が増速機ハウジング13の軸線方向に一致した状態で増速機室13cに収容されている。高速側シャフト31におけるモータハウジング12とは反対側の端部は、プレート14のシャフト挿通孔14hを通過してコンプレッサハウジング15内に突出している。高速側シャフト31の軸線は、低速側シャフト16の軸線と一致している。
遠心圧縮機10は、高速側シャフト31に取り付けられたインペラ24を備えている。ハウジング11内には、インペラ24を収容するインペラ室15bが形成されている。インペラ室15bは、コンプレッサハウジング15とプレート14とによって区画されている。プレート14は、インペラ室15bと増速機室13cとを仕切る仕切壁である。そして、高速側シャフト31が挿通されるシャフト挿通孔14hは、仕切壁であるプレート14に形成されている。
高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間には、シール部材23が設けられている。シール部材23は、例えば、メカニカルシールである。シール部材23は、高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間をシールする。そして、シール部材23によって、増速機室13c内に貯留されているオイルが高速側シャフト31の外周面とシャフト挿通孔14hの内周面との間を介してインペラ室15bに洩れ出すことが規制されている。
インペラ室15bと吸入口15aとは連通している。インペラ室15bは、吸入口15aから離れるにつれて徐々に拡径していく略円錐台孔形状になっている。高速側シャフト31におけるコンプレッサハウジング15内に突出している突出端部は、インペラ室15bに突出している。
インペラ24は、基端面24aから先端面24bに向かうに従って徐々に縮径した筒状である。インペラ24は、インペラ24の回転軸線方向に延び、且つ、高速側シャフト31が挿通可能な挿通孔24cを有している。インペラ24は、高速側シャフト31におけるコンプレッサハウジング15内に突出している突出端部が挿通孔24cに挿通された状態で、高速側シャフト31と一体的に回転可能に高速側シャフト31に取り付けられている。これにより、高速側シャフト31が回転することによってインペラ24が回転して、吸入口15aから吸入された空気が圧縮される。
また、遠心圧縮機10は、インペラ24によって圧縮された空気が流入するディフューザ流路25と、ディフューザ流路25を通過した空気が流入する吐出室26と、を備えている。
ディフューザ流路25は、コンプレッサハウジング15におけるプレート14と対向する面と、プレート14とによって区画されている。ディフューザ流路25は、インペラ室15bよりも高速側シャフト31の径方向外側に位置するとともにインペラ室15bに連通している。ディフューザ流路25は、インペラ24及びインペラ室15bを囲む環状に形成されている。
吐出室26は、ディフューザ流路25よりも高速側シャフト31の径方向外側に位置するとともにディフューザ流路25に連通している。吐出室26は環状である。インペラ室15bと吐出室26とはディフューザ流路25を介して連通している。インペラ24によって圧縮された空気は、ディフューザ流路25を通ることによって、更に圧縮されて吐出室26に流れ、吐出室26から吐出される。
増速機30は、低速側シャフト16の回転を増速させて高速側シャフト31に伝達する。増速機30は、所謂トラクションドライブ式(摩擦ローラ式)である。増速機30は、低速側シャフト16の他端に連結されたリング部材32を備えている。リング部材32は金属製である。リング部材32は、低速側シャフト16の回転に伴って回転する。リング部材32は、低速側シャフト16の他端に連結された円板状のベース33と、ベース33の外縁部から円筒状に延設された筒部34と、を有する有底円筒状である。ベース33は、低速側シャフト16に対して低速側シャフト16の径方向に延びている。筒部34の軸線は、低速側シャフト16の軸線と一致している。
図2に示すように、高速側シャフト31の一部は、筒部34の内側に配置されている。また、増速機30は、筒部34と高速側シャフト31との間に設けられる3つのローラ35を備えている。3つのローラ35は、例えば金属製であり、高速側シャフト31と同一金属、例えば鉄又は鉄の合金で構成されている。3つのローラ35は、高速側シャフト31の周方向に互いに所定の間隔(例えば120度ずつ)をあけて配置されている。3つのローラ35は同一形状である。3つのローラ35は、筒部34の内周面及び高速側シャフト31の外周面の双方と当接する。
図1に示すように、各ローラ35は、円柱状のローラ部35aと、ローラ部35aの軸線方向の第1端面35bから突出する円柱状の第1突起35cと、ローラ部35aの軸線方向の第2端面35dから突出する円柱状の第2突起35eと、を有している。ローラ部35aの軸心、第1突起35cの軸心、及び第2突起35eの軸心は一致している。各ローラ35のローラ部35aの軸心が延びる方向(回転軸線方向)と高速側シャフト31の軸線方向とは一致している。ローラ部35aの外径は、高速側シャフト31の外径よりも大きい。
図1及び図2に示すように、増速機30は、プレート14と協働して各ローラ35を回転可能に支持する支持部材39を備えている。支持部材39は、筒部34の内側に配置されている。支持部材39は、円板状の支持ベース40と、支持ベース40から立設された柱状の3つの立設壁41と、を有している。支持ベース40は、プレート14に対して各ローラ35の回転軸線方向に対向配置されている。3つの立設壁41は、支持ベース40におけるプレート14側の面40aからプレート14に向けてそれぞれ延びている。そして、3つの立設壁41は、筒部34の内周面と、隣り合う2つのローラ部35aの外周面とによって区画された3つの空間を埋めるようにそれぞれ配置されている。
支持部材39には、ボルト44が挿通可能なボルト挿通孔45が3つ形成されている。各ボルト挿通孔45は、3つの立設壁41それぞれをローラ35の回転軸線方向に貫通している。図1に示すように、プレート14における支持部材39側の面14aには、各ボルト挿通孔45に連通する雌ねじ孔46がそれぞれ形成されている。そして、支持部材39は、各ボルト挿通孔45に挿通された各ボルト44が各雌ねじ孔46に螺合されることによってプレート14に取り付けられている。
プレート14における支持部材39側の面14aは、3つの凹部51(図1では一つの凹部51のみ図示)を有している。3つの凹部51は、高速側シャフト31の周方向に互いに所定の間隔(例えば120度ずつ)をあけて配置されている。3つの凹部51それぞれの配置位置は、3つのローラ35それぞれの配置位置に対応している。3つの凹部51内には、円環状のローラ軸受52がそれぞれ配置されている。
支持ベース40におけるプレート14側の面40aは、3つの凹部53(図1では一つの凹部53のみ図示)を有している。3つの凹部53は、高速側シャフト31の周方向に互いに所定の間隔(例えば120度ずつ)をあけて配置されている。3つの凹部53それぞれの配置位置は、3つのローラ35それぞれの配置位置に対応している。3つの凹部53内には、円環状のローラ軸受54が配置されている。
各ローラ35の第1突起35cは、各凹部51内のローラ軸受52内に挿入され、ローラ軸受52を介してプレート14に回転可能に支持されている。各ローラ35の第2突起35eは、各凹部53内のローラ軸受54内に挿入され、ローラ軸受54を介して支持部材39に回転可能に支持されている。
高速側シャフト31には、高速側シャフト31の軸線方向に離間して対向配置された一対のフランジ部31fが設けられている。3つのローラ35のローラ部35aは、一対のフランジ部31fによって挟持されている。これにより、高速側シャフト31の軸線方向における高速側シャフト31と3つのローラ35のローラ部35aとの位置ずれが抑制されている。
図2に示すように、3つのローラ35、リング部材32、及び高速側シャフト31は、3つのローラ35と高速側シャフト31及び筒部34とが互いに押し付けあっている状態でユニット化されている。そして、高速側シャフト31は、3つのローラ35によって回転可能に支持されている。
3つのローラ35のローラ部35aの外周面と筒部34の内周面との当接箇所であるリング側当接箇所Paには押し付け荷重が付与されている。また、3つのローラ35の外周面と高速側シャフト31の外周面との当接箇所であるシャフト側当接箇所Pbには、押し付け荷重が付与されている。リング側当接箇所Pa及びシャフト側当接箇所Pbは、高速側シャフト31の軸線方向に延びている。
そして、電動モータ17が駆動して、低速側シャフト16及びリング部材32が回転すると、リング部材32の回転力が、各リング側当接箇所Paを介して3つのローラ35に伝達されて3つのローラ35が回転し、3つのローラ35の回転力が、各シャフト側当接箇所Pbを介して高速側シャフト31に伝達される。その結果、高速側シャフト31が回転する。このとき、リング部材32は、低速側シャフト16と同一速度で回転し、3つのローラ35は低速側シャフト16よりも高速で回転する。そして、3つのローラ35の外径よりも外径が小さい高速側シャフト31は、3つのローラ35よりも高速で回転する。これにより、増速機30によって、高速側シャフト31が低速側シャフト16よりも高速で回転する。
図1に示すように、遠心圧縮機10は、増速機30及びシール部材23にオイルを供給するオイル供給通路60を備えている。よって、オイル供給通路60は、シール部材23にもオイルを供給する。また、遠心圧縮機10は、オイル供給通路60を流れるオイルを冷却するオイルクーラ55と、オイル供給通路60を流れるオイルが貯留されるオイルパン56と、オイルパン56に貯留されたオイルを吸い上げて吐出するオイルポンプ57と、を備えている。
オイルクーラ55は、モータハウジング12の周壁12bの外周面に取り付けられる有底筒状のカバー部材55aを有している。そして、カバー部材55aの内面とモータハウジング12の周壁12bの外周面とによって空間55bが区画されている。また、オイルクーラ55は、空間55b内に配置される冷却配管55cを有している。冷却配管55cの両端部は、モータハウジング12に支持されている。冷却配管55cは、オイル供給通路60の一部を形成する。
また、カバー部材55aには、導入配管55d及び排出配管55eが設けられている。空間55bには、導入配管55dから低温流体が導入される。空間55bに導入された低温流体は、排出配管55eから排出されて図示しない冷却装置によって冷却された後、再び導入配管55dを介して空間55bに導入される。低温流体は、例えば、水である。
オイルパン56は、モータハウジング12の底壁12aの内部に形成されている。オイルパン56は、モータハウジング12の底壁12aにおける外周側の部位に位置している。また、オイルポンプ57は、モータハウジング12の底壁12aの内部に設けられている。オイルポンプ57は、例えば、トロコイドポンプである。オイルポンプ57は、低速側シャフト16の一端部に連結されている。そして、オイルポンプ57は、低速側シャフト16の回転に伴って駆動する。
オイル供給通路60は、増速機室13cとオイルクーラ55とを接続する第1接続通路61を有している。第1接続通路61は、増速機ハウジング13を貫通してモータハウジング12の周壁12bの内部まで延びている。第1接続通路61の一端は、増速機室13c内に開口している。第1接続通路61の他端は、冷却配管55cの一端に接続されている。
遠心圧縮機10は、第1接続通路61における増速機室13c内に開口する部分が重力方向下側に位置するように燃料電池車両に搭載されている。よって、増速機室13c内のオイルは、第1接続通路61に流入する。
オイル供給通路60は、オイルクーラ55とオイルパン56とを接続する第2接続通路62を有している。第2接続通路62は、モータハウジング12の内部に形成されている。第2接続通路62の一端は、冷却配管55cの他端に接続されている。第2接続通路62の他端は、オイルパン56内に開口している。
増速機室13c内に貯留されているオイルは、第1接続通路61に流入して、第1接続通路61、冷却配管55c、及び第2接続通路62を通過する。ここで、冷却配管55cを通過するオイルは、オイルクーラ55の空間55bに導入される低温流体との熱交換が行われることにより冷却される。そして、オイルクーラ55によって冷却されたオイルが、オイルパン56に貯留される。
オイル供給通路60は、オイルパン56とオイルポンプ57とを接続する第3接続通路63を有している。第3接続通路63は、モータハウジング12の内部に形成されている。第3接続通路63の一端は、オイルパン56内に突出している。第3接続通路63の他端はオイルポンプ57の吸入口57aに接続されている。
オイル供給通路60は、オイルポンプ57の吐出口57bに接続される第4接続通路64を有している。第4接続通路64は、モータハウジング12の底壁12a及び周壁12bを貫通して増速機ハウジング13の周壁13bの内部まで延びている。第4接続通路64の一端は、オイルポンプ57の吐出口57bに接続されている。第4接続通路64の他端は、増速機ハウジング13の周壁13bの内部に位置している。
オイル供給通路60は、第4接続通路64の他端から分岐する第1分岐通路65及び第2分岐通路66を有している。第1分岐通路65は、第4接続通路64の他端からモータハウジング12に向けて延びており、増速機ハウジング13の周壁13b及び増速機ハウジング13の底壁13aを貫通している。第1分岐通路65の一端は、第4接続通路64の他端に連通している。第1分岐通路65の他端は、貫通孔13hに開口している。
第2分岐通路66は、第4接続通路64の他端からプレート14に向けて延びており、増速機ハウジング13の周壁13bを貫通してプレート14の内部まで延びている。第2分岐通路66の一端は、第4接続通路64の他端に連通している。第2分岐通路66の他端は、プレート14の内部に位置している。
図3に示すように、オイル供給通路60は、第2分岐通路66の他端に連通する第1共通通路67を有している。第1共通通路67は、第2分岐通路66に対して直交する方向であって、且つ第2分岐通路66の他端から重力方向下側へ直線状に延びている。また、オイル供給通路60は、第1共通通路67から分岐する第2共通通路68を有している。第2共通通路68は、第1共通通路67から重力方向下側へ直線状に延びている。
オイル供給通路60は、シール部材23にオイルを供給するシール部材側供給通路69,70を有している。シール部材側供給通路69は、第1共通通路67における重力方向下側の端部から分岐するとともに重力方向下側へ直線状に延びてシャフト挿通孔14hに開口している。シール部材側供給通路69におけるシャフト挿通孔14hに対する開口は、シール部材23と対向している。シール部材側供給通路69における第1共通通路67との接続箇所は、第2共通通路68における第1共通通路67との接続箇所よりも重力方向下側に位置している。シール部材側供給通路70は、第2共通通路68における重力方向下側の端部から分岐するとともに重力方向下側へ直線状に延びてシャフト挿通孔14hに開口している。シール部材側供給通路70におけるシャフト挿通孔14hに対する開口は、シール部材23と対向している。
オイル供給通路60は、増速機30にオイルを供給する増速機側供給通路71,72を有している。増速機側供給通路71は、第1通路71a、第2通路71b、及び第3通路71cにより形成されている。第1通路71aは、第1共通通路67における重力方向下側の端部に連通するとともに第1共通通路67と同一直線上に延びている。第2通路71bは、第1通路71aに対して直交する方向であって、且つ第1通路71aからコンプレッサハウジング15とは反対側に向けて直線状に延びている。図1に示すように、第2通路71bは、プレート14を貫通して立設壁41の内部まで延びている。図2に示すように、第3通路71cは、立設壁41に形成されている。第3通路71cの一端は、第2通路71bに連通するとともに、第3通路71cの他端は、立設壁41におけるローラ部35aの外周面と向かい合う位置に開口している。
増速機側供給通路72は、第1通路72a、第2通路72b、及び第3通路72cにより形成されている。図3に示すように、第1通路72aは、第2共通通路68における重力方向下側の端部に連通するとともに第2共通通路68と同一直線上に延びている。第2通路72bは、第1通路72aに対して直交する方向であって、且つ第1通路72aからコンプレッサハウジング15とは反対側に向けて直線状に延びている。図1に示すように、第2通路72bは、プレート14を貫通して立設壁41の内部まで延びている。図2に示すように、第3通路72cは、立設壁41に形成されている。第3通路72cの一端は、第2通路72bに連通するとともに、第3通路72cの他端は、立設壁41におけるローラ部35aの外周面と向かい合う位置に開口している。
図3に示すように、遠心圧縮機10は、オイル供給通路60から重力方向上側に分岐して増速機室13cに連通する気体逃がし通路73,74を備えている。オイル供給通路60と気体逃がし通路73,74とは、それぞれ異なる位置で増速機室13cに連通されている。気体逃がし通路73は、第1通路73a及び第2通路73bにより形成されている。第1通路73aは、第1共通通路67における重力方向下側の端部から分岐するとともに重力方向上側へ直線状に延びている。第1通路73aは、シール部材側供給通路69と同一直線上に延びている。第2通路73bは、第1通路73aに対して直交する方向であって、且つ第1通路73aからコンプレッサハウジング15とは反対側に向けて直線状に延びている。図1に示すように、第2通路73bは、プレート14を貫通して増速機室13cに開口している。
図3に示すように、気体逃がし通路74は、第1通路74a及び第2通路74bにより形成されている。第1通路74aは、第2共通通路68における重力方向下側の端部から分岐するとともに重力方向上側へ直線状に延びている。第1通路74aは、シール部材側供給通路70と同一直線上に延びている。第2通路74bは、第1通路74aに対して直交する方向であって、且つ第1通路74aからコンプレッサハウジング15とは反対側に向けて直線状に延びている。図1に示すように、第2通路74bは、プレート14を貫通して増速機室13cに開口している。
図3に示すように、プレート14には、第1穿設孔75,76及び第2穿設孔77,78が形成されている。第1穿設孔75,76及び第2穿設孔77,78は、例えば、ドリルを用いて、プレート14の外周面からプレート14に直線状に穿孔される。第1穿設孔75,76におけるプレート14の外周面側の開口、及び第2穿設孔77,78におけるプレート14の外周面側の開口は、ゴム製の穿設孔シール部材79によってそれぞれ閉塞されている。よって、第1穿設孔75,76及び第2穿設孔77,78内には、ハウジング11の内部と外部とをシールする穿設孔シール部材79がそれぞれ配設されている。そして、第1穿設孔75,76及び第2穿設孔77,78から外部へオイルが洩れてしまうことが各穿設孔シール部材79によって規制されている。
第1穿設孔75は、第1共通通路67及び増速機側供給通路71の第1通路71aを形成している。また、第1穿設孔76は、第2共通通路68及び増速機側供給通路72の第1通路72aを形成している。よって、第1穿設孔75,76は、増速機側供給通路71,72を形成するためにプレート14に形成されている。
第2穿設孔77は、気体逃がし通路73の第1通路73a及びシール部材側供給通路69を形成している。また、第2穿設孔78は、気体逃がし通路74の第1通路74a及びシール部材側供給通路70を形成している。よって、第2穿設孔77,78は、シール部材側供給通路69,70を形成するためにプレート14に形成されている。
第1穿設孔75と第2穿設孔77とは、途中で交差することにより互いに連通している。そして、増速機側供給通路71の第1通路71a及びシール部材側供給通路69は、第1穿設孔75と第2穿設孔77との交差点X1よりも重力方向下側に位置している。気体逃がし通路73の第1通路73aは、第2穿設孔77における第1穿設孔75と第2穿設孔77との交差点X1よりも重力方向上側(穿設孔シール部材79側)に位置する部分に形成されている。よって、気体逃がし通路73は、第2穿設孔77における第1穿設孔75と第2穿設孔77との交差点X1よりも重力方向上側に位置する部分を含んでいる。第1共通通路67は、第1穿設孔75における第1穿設孔75と第2穿設孔77との交差点X1よりも重力方向上側に位置している。
第1穿設孔76と第2穿設孔78とは、途中で交差することにより互いに連通している。そして、増速機側供給通路72の第1通路72a及びシール部材側供給通路70は、第1穿設孔76と第2穿設孔78との交差点X2よりも重力方向下側に位置している。気体逃がし通路74の第1通路74aは、第2穿設孔78における第1穿設孔76と第2穿設孔78との交差点X2よりも重力方向上側(穿設孔シール部材79側)に位置する部分に形成されている。よって、気体逃がし通路74は、第2穿設孔78における第1穿設孔76と第2穿設孔78との交差点X2よりも重力方向上側に位置する部分を含んでいる。第2共通通路68は、第1穿設孔76における第1穿設孔76と第2穿設孔78との交差点X2よりも重力方向上側に位置している。第1共通通路67及び第2共通通路68は、増速機側供給通路71,72及びシール部材側供給通路69,70にオイルを供給する共通通路を形成している。
次に、本実施形態の作用について説明する。
電動モータ17が駆動されると、低速側シャフト16の回転によりオイルポンプ57が駆動されて、オイルパン56内に貯留されているオイルが第3接続通路63及び吸入口57aを介してオイルポンプ57内に吸入され、吐出口57bを介して第4接続通路64に吐出される。オイルポンプ57は、低速側シャフト16の回転数の増加に伴い、吐出口57bから吐出されるオイルの量が比例的に増加するように駆動される。そして、第4接続通路64に吐出されたオイルは、第4接続通路64を流れて第1分岐通路65及び第2分岐通路66にそれぞれ分配される。
電動モータ17が駆動されると、低速側シャフト16の回転によりオイルポンプ57が駆動されて、オイルパン56内に貯留されているオイルが第3接続通路63及び吸入口57aを介してオイルポンプ57内に吸入され、吐出口57bを介して第4接続通路64に吐出される。オイルポンプ57は、低速側シャフト16の回転数の増加に伴い、吐出口57bから吐出されるオイルの量が比例的に増加するように駆動される。そして、第4接続通路64に吐出されたオイルは、第4接続通路64を流れて第1分岐通路65及び第2分岐通路66にそれぞれ分配される。
第4接続通路64から第1分岐通路65に分配されたオイルは、第1分岐通路65を流れて貫通孔13h内に流入し、シール部材20及び第2軸受19に供給される。これにより、シール部材20と低速側シャフト16との摺動部分、及び第2軸受19と低速側シャフト16との摺動部分の潤滑が良好なものとなる。
第4接続通路64から第2分岐通路66に分配されたオイルは、第2分岐通路66を介して第1共通通路67に流入する。第1共通通路67を流れるオイルは、図3において実線の矢印で示すように、その一部が第2共通通路68に分配される。また、第1共通通路67を流れるオイルは、第2共通通路68における第1共通通路67との接続箇所よりも重力方向下側で、その一部がシール部材側供給通路69に分配され、その他のオイルが増速機側供給通路71の第1通路71aを流れる。第1共通通路67からシール部材側供給通路69に分配されたオイルは、シール部材側供給通路69を流れてシャフト挿通孔14hに流入し、シール部材23に供給される。これにより、シール部材23と高速側シャフト31との摺動部分の潤滑が良好なものとなる。また、増速機側供給通路71の第1通路71aを流れるオイルは、第2通路71b及び第3通路71cを介してローラ部35aの外周面に供給される。これにより、ローラ部35aと高速側シャフト31との摺動部分の潤滑が良好なものとなる。
第1共通通路67から第2共通通路68に分配されたオイルは、第2共通通路68を流れてその一部がシール部材側供給通路70に分配され、その他のオイルが増速機側供給通路72の第1通路72aを流れる。第2共通通路68からシール部材側供給通路70に分配されたオイルは、シール部材側供給通路70を流れてシャフト挿通孔14hに流入し、シール部材23に供給される。これにより、シール部材23と高速側シャフト31との摺動部分の潤滑が良好なものとなる。増速機側供給通路72の第1通路72aを流れるオイルは、第2通路72b及び第3通路72cを介してローラ部35aの外周面に供給される。これにより、ローラ部35aと高速側シャフト31との摺動部分の潤滑が良好なものとなる。シール部材23と高速側シャフト31との摺動部分、及びローラ部35aと高速側シャフト31との摺動部分の潤滑に寄与したオイルは、増速機室13c内に戻される。
ここで、例えば、増速機室13c内に貯留されているオイルが、増速機30のリング部材32やローラ35の回転によって撹拌されて、オイルに気体が混入している場合がある。そして、第1共通通路67を流れるオイルに気体が混入されている場合、オイルに混入されている気体は、図3において二点鎖線の矢印で示すように、第1共通通路67と気体逃がし通路73の第1通路73aとの分岐点において、オイルと気体との比重差によって、気体が気体逃がし通路73の第1通路73aへ流れる。よって、第1共通通路67と気体逃がし通路73の第1通路73aとの分岐点で、気体がオイルから分離される。気体逃がし通路73の第1通路73aへ流れた気体は、第2通路73bを介して増速機室13cに戻される。したがって、シール部材側供給通路69及び増速機側供給通路71の第1通路71aには、気体が分離されたオイルが流れるため、気体が混入されている状態でオイルがローラ部35aの外周面及びシール部材23に供給されてしまうことが抑制される。
また、第1共通通路67から第2共通通路68に分配されるオイルにも気体が混入している場合がある。この場合、オイルに混入されている気体は、図3において二点鎖線の矢印で示すように、第2共通通路68と気体逃がし通路74の第1通路74aとの分岐点において、オイルと気体との比重差によって、気体が気体逃がし通路74の第1通路74aへ流れる。よって、第2共通通路68と気体逃がし通路74の第1通路74aとの分岐点で、気体がオイルから分離される。気体逃がし通路74の第1通路74aへ流れた気体は、第2通路74bを介して増速機室13cに戻される。したがって、シール部材側供給通路70及び増速機側供給通路72の第1通路72aには、気体が分離されたオイルが流れるため、気体が混入されている状態でオイルがローラ部35aの外周面及びシール部材23に供給されてしまうことが抑制される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)遠心圧縮機10は、オイル供給通路60から重力方向上側に分岐して増速機室13cに連通する気体逃がし通路73,74を備えている。これによれば、オイル供給通路60を流れるオイルに気体が混入されている場合、オイルに混入されている気体は、オイル供給通路60と気体逃がし通路73,74との分岐点において、オイルと気体との比重差によって、気体が気体逃がし通路73,74へ流れて、気体逃がし通路73,74を介して増速機室13cに戻される。よって、オイル供給通路60と気体逃がし通路73,74との分岐点で、気体がオイルから分離されるため、気体が混入されている状態でオイルが増速機30に供給されてしまうことを抑制することができる。その結果、増速機30に供給されるオイルを含む流体におけるオイルの比率が少なくなってしまうことを抑制することができる。
(1)遠心圧縮機10は、オイル供給通路60から重力方向上側に分岐して増速機室13cに連通する気体逃がし通路73,74を備えている。これによれば、オイル供給通路60を流れるオイルに気体が混入されている場合、オイルに混入されている気体は、オイル供給通路60と気体逃がし通路73,74との分岐点において、オイルと気体との比重差によって、気体が気体逃がし通路73,74へ流れて、気体逃がし通路73,74を介して増速機室13cに戻される。よって、オイル供給通路60と気体逃がし通路73,74との分岐点で、気体がオイルから分離されるため、気体が混入されている状態でオイルが増速機30に供給されてしまうことを抑制することができる。その結果、増速機30に供給されるオイルを含む流体におけるオイルの比率が少なくなってしまうことを抑制することができる。
(2)シール部材側供給通路69,70を形成するために必要となる第2穿設孔77,78における第1穿設孔75,76と第2穿設孔77,78との交差点X1,X2よりも重力方向上側に位置する部分を、気体逃がし通路73,74として利用している。このため、既存構造からの変更を最小限に抑えて気体逃がし通路73,74を構成することができる。
(3)気体が混入されている状態でオイルが増速機30及びシール部材23に供給されてしまうことを抑制することができるため、気体がローラ部35aやシール部材23に衝突して消滅する際に生じる圧力によって、ローラ部35aやシール部材23が損傷してしまうといった問題を抑制することができる。
(4)オイルクーラ55やオイルパン56内に空気溜まりが生じて、オイルがオイルクーラ55やオイルパン56を通過する際に、オイルに気体が混入し易い環境であったとしても、オイル供給通路60と気体逃がし通路73,74との分岐点で、気体をオイルから分離することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図4に示すように、気体逃がし通路80が、第4接続通路64から重力方向上側に分岐して増速機室13cに連通していてもよい。気体逃がし通路80は、第4接続通路64におけるモータハウジング12の周壁12b及び増速機ハウジング13の周壁13bに沿って延びる部分から重力方向上側に分岐している。
○ 図4に示すように、気体逃がし通路80が、第4接続通路64から重力方向上側に分岐して増速機室13cに連通していてもよい。気体逃がし通路80は、第4接続通路64におけるモータハウジング12の周壁12b及び増速機ハウジング13の周壁13bに沿って延びる部分から重力方向上側に分岐している。
○ 実施形態において、例えば、増速機側供給通路71,72を形成するために必要となる第1穿設孔75,76における第1穿設孔75,76と第2穿設孔77,78との交差点X1,X2よりも重力方向上側に位置する部分を、気体逃がし通路73,74として利用してもよい。要は、気体逃がし通路73,74は、第1穿設孔75,76及び第2穿設孔77,78の一方における第1穿設孔75,76と第2穿設孔77,78との交差点X1,X2よりも重力方向上側に位置する部分を含んでいればよい。そして、第1共通通路67及び第2共通通路68は、第1穿設孔75,76及び第2穿設孔77,78の他方における第1穿設孔75,76と第2穿設孔77,78との交差点X1,X2よりも重力方向上側に位置していればよい。
○ 実施形態において、シール部材側供給通路69,70及び増速機側供給通路71,72の数は、適宜変更してもよい。
○ 実施形態において、気体逃がし通路73,74の数は、シール部材側供給通路69,70及び増速機側供給通路71,72の数に応じて適宜変更してもよい。
○ 実施形態において、気体逃がし通路73,74の数は、シール部材側供給通路69,70及び増速機側供給通路71,72の数に応じて適宜変更してもよい。
○ 実施形態において、遠心圧縮機10の適用対象及び圧縮対象の流体は任意である。例えば、遠心圧縮機10は空調装置に用いられていてもよく、圧縮対象の流体は冷媒であってもよい。また、遠心圧縮機10の搭載対象は、車両に限られず任意である。
10…遠心圧縮機、11…ハウジング、13c…増速機室、14…仕切壁であるプレート、14h…シャフト挿通孔、15b…インペラ室、16…低速側シャフト、23…シール部材、24…インペラ、30…増速機、31…高速側シャフト、60…オイル供給通路、67…共通通路を形成する第1共通通路、68…共通通路を形成する第2共通通路、69,70…シール部材側供給通路、71,72…増速機側供給通路、73,74,80…気体逃がし通路、75,76…第1穿設孔、77,78…第2穿設孔、79…穿設孔シール部材。
Claims (2)
- 低速側シャフトと、
高速側シャフトに取り付けられたインペラと、
前記低速側シャフトの動力を前記高速側シャフトに伝達する増速機と、
前記インペラを収容するインペラ室、及び前記増速機を収容する増速機室が形成されたハウジングと、
前記インペラ室と前記増速機室とを仕切る仕切壁と、
前記仕切壁に形成されるとともに前記高速側シャフトが挿通されるシャフト挿通孔と、
前記高速側シャフトの外周面と前記シャフト挿通孔の内周面との間に設けられるシール部材と、
前記増速機にオイルを供給するオイル供給通路と、を備えた遠心圧縮機であって、
前記オイル供給通路から重力方向上側に分岐して前記増速機室に連通する気体逃がし通路を備え、
前記オイル供給通路と前記気体逃がし通路とは、それぞれ異なる位置で前記増速機室に連通されていることを特徴とする遠心圧縮機。 - 前記オイル供給通路は、前記シール部材にもオイルを供給し、
前記オイル供給通路は、
前記増速機にオイルを供給する増速機側供給通路と、
前記シール部材にオイルを供給するシール部材側供給通路と、
前記増速機側供給通路及び前記シール部材側供給通路にオイルを供給する共通通路と、を有し、
前記ハウジングには、
前記増速機側供給通路を形成するための第1穿設孔と、
前記シール部材側供給通路を形成するための第2穿設孔と、が形成されており、
前記第1穿設孔と前記第2穿設孔とは、途中で交差することにより互いに連通しており、
前記増速機側供給通路及び前記シール部材側供給通路は、前記第1穿設孔と前記第2穿設孔との交差点よりも前記重力方向下側に位置しており、
前記気体逃がし通路は、前記第1穿設孔及び前記第2穿設孔の一方における前記交差点よりも前記重力方向上側に位置する部分を含み、
前記共通通路は、前記第1穿設孔及び前記第2穿設孔の他方における前記交差点よりも重力方向上側に位置しており、
前記第1穿設孔及び前記第2穿設孔内には、前記ハウジングの内部と外部とをシールする穿設孔シール部材がそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1に記載の遠心圧縮機。
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