JP2015140682A - ターボ圧縮機 - Google Patents

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亮 楳山
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芳之 中根
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Masanao Kagami
雅直 鏡味
了介 福山
Ryosuke Fukuyama
了介 福山
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Abstract

【課題】必要最小限の潤滑油を供給することにより、ローラと鍔部間の摩耗を抑制することが可能なターボ圧縮機の提供にある。【解決手段】第1ハウジング15に回転可能に支持された低速シャフト16を回転させる電動モータ11と、低速シャフト16の回転を増速し、高速シャフト26に伝達する増速機構12と、高速シャフト26に連結される圧縮機構13とを備えた遠心圧縮機10であって、増速機構12は、リング部材24と、リング部材24と高速シャフト26間に配置された複数の中間ローラと、第2ハウジング21に固定された支柱部材31間に回転可能に支持された支持軸とにより構成され、高速シャフト26に、一対の鍔部26A、26B間を設けると共に、一対の鍔部26A、26B間に複数の中間ローラを配置し、ハウジング内通路35と、中間ローラ内に設けられた軸内通路及び潤滑油を鍔部26A、26Bに向けて供給する2本のローラ内通路を備える。【選択図】 図1

Description

この発明は、ターボ圧縮機に関する。
例えば、特許文献1では、摩擦ローラ式変速機及び高速流体装置が開示されている。この装置では、第1ハウジングに低速シャフトが回転自在に支持され、第1ハウジング内の低速シャフトの端部には、低速リングとしての外輪が取り付けられている。第2ハウジングには、高速シャフトが低速シャフト及び外輪に対して偏心して回転自在に設けられ、外輪と高速シャフト間には、ガイドローラと可動ローラとが介装されている。ガイドローラ及び可動ローラは、支持軸を介して回転可能に支持されている。第2ハウジング内には、トラクション油(潤滑油)を供給する案内路が設けられ、支持軸には軸方向案内路及び径方向案内路が形成されている。また、ガイドローラ及び可動ローラには、複数個の径方向案内路が形成されている。上記各案内路を経由して高速シャフトと各ローラとの接触部及び、低速シャフトと各ローラとの接触部にトラクション油を供給することにより、接触部を充分に強制潤滑することが可能である。
上記高速流体装置においては、高速シャフトは、第2ハウジングに2個の転がり玉軸受により回転自在に支持されていると共に、メカニカルシールによりシールされている。しかし、2個の転がり玉軸受を設けることにより、装置が大型化する問題がある。この問題に対処するために、2個の転がり玉軸受を廃止してメカニカルシールのみを設けた構成が提案されている。そこで、軸受を廃止してメカニカルシールのみを設けた高速流体装置に特許文献1にて開示された潤滑油の潤滑機構を適用した場合を考える。
例えば、図10に示す従来技術の高速流体装置80では、第2ハウジング82に設けられた高速シャフト81を支持する軸受が廃止され、メカニカルシール83のみとしている。高速シャフト81には、軸方向の移動を規制するための2つの鍔部81A、81Bを設け、2つの鍔部81A、81B間に各ローラ(ガイドローラ84及び可動ローラ)を配置する。第1ハウジング85には、低速シャフト86が回転自在に支持されており、第1ハウジング85内の低速シャフト86の端部には、外輪87が取り付けられている。高速シャフト81と各ローラとの接触部(トラクション部)、並びに、外輪87と各ローラとの接触部(トラクション部)が形成されている。第2ハウジング82の内部には、径方向に延在し給油口と連通する案内路88が設けられている。また、ガイドローラ84の支持軸89には、軸方向に延設された軸方向案内路89Aと、軸方向案内路89Aと連通された径方向案内路89Bが形成されている。さらに、ガイドローラ84及び可動ローラには、径方向に連通された複数個の径方向案内路84Aが形成されている。なお、図10では、2つのガイドローラのうち一方のガイドローラ84内に形成される各案内路を示している。
特開2005−140307号公報
ところで、高速流体装置80においては、インペラー90を備えた圧縮機構側の流量及び圧力変動により、高速シャフト81は軸方向への押圧力(スラスト荷重)を受ける。この押圧力は、低速シャフト86側に向う方向の押圧力F1と、インペラー90側に向う方向の押圧力F2の2種類がある。この互いに反対方向に作用する2種類の押圧力F1、F2により、2つの鍔部81A、81Bと各ローラとの接触部に摩耗が発生する恐れがある。摩耗が発生すると軸方向に高速シャフト81のがたつきが発生し、圧縮機構の性能低下を招く恐れがある。この摩耗を防止するためには、2つの鍔部81A、81Bと各ローラとの接触部に潤滑油を供給する必要がある。潤滑油は、案内路88、軸方向案内路89A、径方向案内路89B及び径方向案内路84Aを経由して高速シャフト81と各ローラとの接触部(トラクション部)、並びに、外輪87と各ローラとの接触部(トラクション部)に供給されるので、トラクション部を充分に強制潤滑することは可能である。しかし、2つの鍔部81A、81Bと各ローラとの接触部には潤滑油が充分には行き渡らず、摩耗を発生する恐れがある。2つの鍔部81A、81Bと各ローラとの接触部に潤滑油を充分に行き渡らせるためには、大量の潤滑油が必要となる。また、大量の潤滑油が装置内に滞留することにより、各回転部品による攪拌抵抗が増加し効率の悪化を招く。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、必要最小限の潤滑油を供給することにより、ローラと鍔部間の摩耗を抑制することが可能なターボ圧縮機の提供にある。
上記の課題を解決するために、請求項1記載の発明は、ハウジングに回転可能に支持された低速シャフトを回転させるモータと、前記低速シャフトに連結されると共に、前記低速シャフトの回転を増速し、前記ハウジングに回転可能に支持された高速シャフトに伝達する増速機構と、前記高速シャフトに連結される圧縮機構とを備えたターボ圧縮機であって、前記増速機構は、前記低速シャフトの一方の端部に設けられたリング部材と、前記リング部材と前記高速シャフトとの間に配置された複数の中間ローラと、前記中間ローラに形成され、前記ハウジングと前記ハウジングに固定された支柱部材間に回転可能に支持された支持軸とにより構成されており、前記高速シャフトに、前記高速シャフトに加えられるスラスト荷重を受け止める一対の鍔部を設けると共に、前記一対の鍔部間に前記複数の中間ローラを配置し、前記ハウジングに形成され、外部から潤滑油を供給するハウジング内通路と、前記少なくとも1つの中間ローラ内に形成され、前記ハウジング内通路に連通する軸内通路と、前記軸内通路と連通し、前記潤滑油を前記鍔部に向けて供給する少なくとも2本のローラ内通路とを備えることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ハウジングに形成されたハウジング内通路、少なくとも1つの中間ローラ内に形成された軸内通路及び、少なくとも2本のローラ内通路を介して一対の鍔部と少なくとも1つの中間ローラの両端部間に潤滑油を供給することが可能なので、必要最小限の潤滑油を供給することにより、中間ローラと鍔部間の摩耗を抑制することが可能である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のターボ圧縮機において、前記少なくとも2本のローラ内通路は、前記軸内通路と前記中間ローラの外周側の角部に形成される外周側エッジ部とを連通することを特徴とする。
請求項2記載の発明によれば、ハウジング内通路を通して供給された潤滑油は、軸内通路及び少なくとも2本のローラ内通路を介して中間ローラの外周側の角部に形成される外周側エッジ部に供給されるので、一対の鍔部と中間ローラの両端部間に直接潤滑油を供給することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載のターボ圧縮機において、前記少なくとも2本のローラ内通路は、前記軸内通路の同一箇所に連通しており、前記ローラ内通路は、前記軸内通路と前記外周側エッジ部とを直線状に連通するように前記中間ローラに形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明によれば、ローラ内通路は斜めに形成(軸方向に対して傾斜して形成)されることとなり、高速シャフトと中間ローラとの接触面積を減らすことなく鍔部と中間ローラの端部間に潤滑油を供給することができる。また、ローラ内通路が軸内通路の同一箇所に連通しておらず異なる2箇所で軸内通路に連通する場合には、先に潤滑油が供給される側(圧縮機構側)に多くの潤滑油が供給されてしまい、潤滑油を均一に供給することができなくなる。しかし、ローラ内通路が軸内通路の同一箇所に連通しており、且つ、ローラ内通路の通路断面積が同一の場合には、潤滑油を均一に供給することが可能となる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボ圧縮機において、前記一対の鍔部は互いに径方向の大きさが異なることを特徴とする。
請求項4記載の発明によれば、一対の鍔部のうち、より大きなスラスト荷重が加わる方の鍔部の径を大きくして面圧を下げることが可能となる。例えば、ターボ圧縮機が遠心圧縮機の場合には、低速シャフト側の鍔部により大きなスラスト荷重が加わるので、低速シャフト側の鍔部の径を大きくすればよい。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載のターボ圧縮機において、前記一対の鍔部のうち、大きい方の鍔部に連通する前記ローラ内通路の通路断面積は、小さい方の鍔部に連通する前記ローラ内通路の通路断面積よりも大きいことを特徴とする。
請求項5記載の発明によれば、遠心圧縮機の場合には、より大きなスラスト荷重が加わる低速シャフト側の大きい方の鍔部に多くの潤滑油を供給することができ、最低限の潤滑油で中間ローラと鍔部間の摩耗を抑制することが可能となる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のターボ圧縮機において、前記ハウジングには、前記中間ローラの支持軸を支持する軸受を収容する軸受収容部が設けられ、前記軸受収容部は、前記軸受の外輪を保持する大径部と、前記大径部より小さな径を有すると共に、前記ハウジング内通路と連通する小径部とを備え、前記小径部と前記大径部との段差部に面取りを設け、前記小径部を介して前記ハウジング内通路と前記軸内通路とを連通させることを特徴とする。
請求項6記載の発明によれば、小径部を介してハウジング内通路と軸内通路とが連通しているので、ハウジング内通路から供給された潤滑油は、小径部に貯留された後、軸内通路に供給することが可能である。また、小径部と大径部との段差部に面取りが設けられているので、小径部に貯留された潤滑油の一部は、面取りを通って軸受内に供給され軸受の潤滑を行うことができる。
本発明によれば、必要最小限の潤滑油を供給することにより、中間ローラと鍔部間の摩耗を抑制することが可能である。
第1の実施形態に係る増速機を備えた遠心圧縮機の概略構成を示す縦断面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1における要部拡大図である。 第1の実施形態に係る作用説明用の模式図である。 第1の実施形態に係る作用説明用の模式図である。 変形例における断面図である。 変形例における断面図である。 変形例における断面図である。 変形例における断面図である。 従来技術を説明するための断面図である。
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態に係るターボ圧縮機としての遠心圧縮機を図1〜図5に基づいて説明する。
図1に示す遠心圧縮機10は、入力軸の回転を増速機構により増速して出力軸に伝えるものであり、入力軸を駆動する電動モータ11と、入力軸の回転を増速して出力軸に伝える増速機構12と、出力軸に設けられたインペラーの回転により流体の圧縮を行う圧縮機構13とを備えている。
電動モータ11は、一方の端部(図1の増速機構12側)が開口するモータ側ハウジング14と、モータ側ハウジング14の一方の端部側を閉塞する第1ハウジング15とを備えている。モータ側ハウジング14内には、入力軸としての低速シャフト16が収容されている。低速シャフト16の一方の端部は、第1ハウジング15に固定された軸受18によって支持され、低速シャフト16の他方の端部は、モータ側ハウジング14に固定された軸受17によって支持されており、回転自在となっている。モータ側ハウジング14の内周面にはステータ19が固定され、ステータ19には図示しない駆動回路から三相交流が供給されるようになっている。ステータ19の内側にはロータ20が設けられ、ロータ20は低速シャフト16に固定されている。ロータ20は、ステータ19内でステータ19に供給される電流によって回転駆動される。電動モータ11は、低速シャフト16、ステータ19及びロータ20によって主に構成されている。
増速機構12は、一方の端部(図1の圧縮機構13側)が開口し電動モータ11が備えた第1ハウジング15と、第1ハウジング15の一方の端部側を閉塞する第2ハウジング21とを備えている。第1ハウジング15と第2ハウジング21とによって囲まれて密閉空間22が形成されている。
密閉空間22内における低速シャフト16の一方の端部には、円盤状の連結部材23が低速シャフト16の軸心Pと同心となるように設けられており、連結部材23の外縁部には環状のリング部材24が取り付けられている。第1ハウジング15には、低速シャフト16の周囲を封止するシール部材25が装着されている。
第2ハウジング21には、高速シャフト26が回転可能に支持されている。低速シャフト16及びリング部材24の軸心Pに対して高速シャフト26の軸心Qが偏心して配置されている。高速シャフト26には、一対の鍔部26A、26Bが設けられている。鍔部26Aは、高速シャフト26における第2ハウジング21側に設けられ、鍔部26Bは、高速シャフト26における第1ハウジング15側に設けられている。一対の鍔部26A、26B間に中間ローラとしての固定ローラ28、29及び可動ローラ30が配置されている。第2ハウジング21には、高速シャフト26の周囲を封止するシール部材27が装着されている。
図2に示すように、密閉空間22内におけるリング部材24と高速シャフト26との径方向の間には、2個の固定ローラ28、29と1個の可動ローラ30とが接触配置されている。固定ローラ28、29は配置位置が固定されたローラであり、固定ローラ28は固定ローラ29より大径である。可動ローラ30は、固定ローラ29と同等の径を有し、伝達トルクの大きさに応じて移動可能に配置されている。なお、固定ローラ28、29及び可動ローラ30が複数の中間ローラに相当する。
固定ローラ28、29及び可動ローラ30は、リング部材24の内周面にそれぞれ接触すると共に、高速シャフト26の外周面にそれぞれ接触するよう配置されている。リング部材24の回転は、固定ローラ28、29及び可動ローラ30を介して高速シャフト26に伝達され、高速シャフト26を高速回転させることが可能である。
図1及び図2に示すように、リング部材24と連結部材23と第2ハウジング21に囲まれた空間には、支柱部材31が配置されている。支柱部材31は、固定ローラ28、29と可動ローラ30間にそれぞれ配置され、軸方向に延設された3個の支柱部31A、31B、31Cと、支柱部31A、31B、31Cの他方の端部を連結する連結部31Dとを備えている。
支柱部31Aは、円周方向における固定ローラ28と固定ローラ29間に配置され、固定ローラ28及び固定ローラ29の外周面に沿う対向面と、リング部材24の内周面に沿う対向面を備えている。支柱部31Bは、円周方向における固定ローラ29と可動ローラ30間に配置され、固定ローラ29及び可動ローラ30の外周面に沿う対向面と、リング部材24の内周面に沿う対向面を備えている。支柱部31Cは、円周方向における可動ローラ30と固定ローラ28間に配置され、可動ローラ30及び固定ローラ28の外周面に沿う対向面と、リング部材24の内周面に沿う対向面を備えている。
支柱部31A、31B、31Cは、第2ハウジング21にボルト32により固定されている。連結部31Dは、高速シャフト26の軸方向において固定ローラ28、29及び可動ローラ30と連結部材23間に配置されている。
図2及び図3に示すように、固定ローラ28は、円柱のローラ部28Bと、ローラ部28Bの両端面の中心に両端面から突出するように支軸部28Aがそれぞれ設けられている。一対の支軸部28Aは互いに同軸であって、ローラ部28Bと一体形成されている。一対の支軸部28Aが支持軸に相当する。
第2ハウジング21には、固定ローラ28の一方の支軸部28Aを回転可能に支持する軸受33を収容する軸受収容部39が設けられている。軸受収容部39は、段差付き有底丸孔で形成され、軸受33の外輪33Aを保持する大径部39Aと、大径部39Aより小さな径を有する小径部39Bとを備え、小径部39Bと大径部39Aとの間に段差部39Cが形成されている。小径部39Bの内周面が軸受33の内輪33Bと同一径となるように形成されると共に、段差部39Cのエッジ部に面取り39Dが設けられている。一方、連結部31Dには大径部39Aと同軸の軸孔46が形成されており、軸受33の外輪33Aを保持している。
固定ローラ28の一方の支軸部28Aは軸受33を介して大径部39Aに挿入され、他方の支軸部28Aは軸受33を介して軸孔46に挿入され、固定ローラ28は第2ハウジング21および連結部31Dに回転可能に支持される。
固定ローラ29は、円柱のローラ部29Bと、ローラ部29Bの両端面の中心に両端面から突出するように支軸部29Aがそれぞれ設けられている。一対の支軸部29Aは互いに同軸であって、ローラ部29Bと一体形成されている。一対の支軸部29Aが支持軸に相当する。第2ハウジング21には一方側の軸孔(図示せず)が形成され、連結部31Dには一方側の軸孔と同軸の他方側の軸孔(図示せず)が形成されている。固定ローラ29の一方の支軸部29Aは軸受33を介して一方側の軸孔に挿入され、他方の支軸部29Aは軸受33を介して他方側の軸孔に挿入され、固定ローラ29は第2ハウジング21および連結部31Dに回転可能に支持される。
可動ローラ30は、円柱のローラ部30Bと、ローラ部30Bの両端面の中心に両端面から突出するように支軸部30Aがそれぞれ設けられている。一対の支軸部30Aは互いに同軸であって、ローラ部30Bと一体形成されている。一対の支軸部30Aが支持軸に相当する。第2ハウジング21には一方側の長孔47(図2参照)が形成され、連結部31Dには一方側の長孔47と同軸の他方側の長孔(図示せず)が形成されている。可動ローラ30の一方の支軸部30Aは軸受33を介して一方側の長孔47に挿入され、他方の支軸部30Aは軸受33を介して他方側の長孔に挿入され、一方側の長孔47及び他方側の長孔に沿って移動可能に設けられている。長孔47は、図4に示すくさび角αに食い込む方向(F方向)に形成されている。図示しないが、一対の支軸部30Aを支持する軸受33は、弾性部材によりF方向と反対方向に付勢されている。可動ローラ30は、リング部材24の回転に伴う伝達トルクに応じて、回転しつつ長孔47に沿ってF方向に移動する。
図1及び図3に示すように、高速シャフト26には、高速シャフト26に加えられるスラスト荷重を受け止める一対の鍔部26A、26Bが設けられている。一対の鍔部26A、26B間には、固定ローラ28、29及び可動ローラ30が配置され、固定ローラ28、29及び可動ローラ30の両端部と一対の鍔部26A、26Bとは接触する。固定ローラ28、29及び可動ローラ30の両端部が一対の鍔部26A、26Bと接触することにより、高速シャフト26の軸方向の移動が規制されている。なお、高速シャフト26は固定ローラ28、29及び可動ローラ30間に回転可能に支持されていることにより、径方向の移動が規制されている。
ところで、本実施形態では、固定ローラ28の一方の端部と鍔部26Aとの接触部及び、固定ローラ28の他方の端部と鍔部26Bとの接触部に潤滑油を供給する潤滑機構を備えている。
図1及び図3に示すように、第2ハウジング21の上部には、潤滑油の給油口34が設けられ、給油口34は図示しない外部ポンプと接続されている。第2ハウジング21内には径方向に延在する潤滑油のハウジング内通路35が形成され、ハウジング内通路35は給油口34と連通し外部から潤滑油を供給される。
固定ローラ28内には、一方の支軸部28A内に形成され、軸方向に延設された軸内通路36が形成されている。軸内通路36は、一方の支軸部28Aの端部側に開口し、軸内通路36の先端が軸方向におけるローラ部28Bの中心に位置している。固定ローラ28内には、軸内通路36と固定ローラ28の外周側の角部に形成された外周側エッジ部とを連通する2本のローラ内通路37とが形成されている。2本のローラ内通路37は、軸方向及び径方向に対して傾斜している。固定ローラ28の外周側エッジ部は、面取りが施され面取り部38を形成している。ローラ内通路37は、面取り部38にそれぞれ開口している。また、2本のローラ内通路37は、軸内通路36の同一箇所に連通しており、ローラ内通路37は、軸内通路36と外周側エッジ部とを直線状に連通するように固定ローラ28に形成されている。
軸受収容部39に、軸受33を介して支軸部28Aを収容した状態において、軸受収容部39内には、軸受33、支軸部28A及び第2ハウジング21に囲まれた空間40が形成されている。空間40は、軸受収容部39における小径部39Bにより形成されている。小径部39Bを介してハウジング内通路35と軸内通路36とは連通されている。よって、本実施形態では、潤滑油の供給通路は第2ハウジング21内に形成されたハウジング内通路35を含み、給油口34、ハウジング内通路35、小径部39B、軸内通路36及び2本のローラ内通路37により形成されている。なお、潤滑油の供給通路は、固定ローラ28及び固定ローラ28に対応する箇所にのみ設けられ、固定ローラ29及び可動ローラ30には設けられていない。
図1に示すように、圧縮機構13は、高速シャフト26の一端部に装着されたインペラー(羽根車)41と、インペラー41の周囲に形成されたハウジング42と、インペラー41の軸方向外方に設けられた流体の吸入口43と、インペラー41の径方向外方に設けられたディフューザ44と、ディフューザ44の外周に設けられたスクロール状のボリュート45とを備えている。従って、インペラー41の回転により吸入口43から吸い込まれた流体は、インペラー41により加速されてディフューザ44に供給され、ディフューザ44にて減速、昇圧された後、ボリュート45に送り込まれる。
以上の構成を有する増速機構12につき、作用説明を行う。
図4に示すように、リング部材24の軸心Pと高速シャフト26の軸心Qとは偏心していることにより、可動ローラ30は、高速シャフト26とリング部材24との間で、くさび角αを有する。すなわち、可動ローラ30と高速シャフト26との接触部に引いた接線と、可動ローラ30とリング部材24との接触部に引いた接線とは、下方側(固定ローラ28と反対方向)で交差し、両接線のなす角度はくさび角α(鋭角)を形成している。このため、リング部材24が、図4に示す矢印R方向に回転すると、リング部材24の回転に伴う伝達トルクに応じて、可動ローラ30は回転しつつ長孔47に沿ってF方向に移動する。その結果、リング部材24の締め代が増加して押付け荷重Nが発生する。
この押付け荷重Nは、可動ローラ30とリング部材24及び可動ローラ30と高速シャフト26の接触部に作用すると共に、固定ローラ28、29とリング部材24及び固定ローラ28、29と高速シャフト26の接触部にも同じ大きさの押付け荷重Nが作用する。この押付け荷重Nにより、リング部材24の回転は、固定ローラ28、29及び可動ローラ30を介して高速シャフト26に伝達され、高速シャフト26を回転させる。なお、伝達トルクが大きくなるほど、可動ローラ30の長孔47に沿っての移動量(矢印F方向への移動量)が大きくなり、押付け荷重Nが増加する。押付け荷重Nが増加するほど、高速シャフト26の回転力(トラクション力Ft)は増加し、高速シャフト26を高速で回転することが可能となる。
なお、トラクション力Ftと、押付け荷重Nとの間には、Ft=μ×Nの関係がある。μは、トラクション係数で主として潤滑油の種類により定まる係数である。図4に示すように、押付け荷重Nは、可動ローラ30とリング部材24及び可動ローラ30と高速シャフト26の接触部の法線方向に作用する力であり、トラクション力Ftは各接触部の接線方向に作用する力である。すなわち、各接触部に潤滑油が介在されたとき、トラクション力Ftが発生し、動力の伝達が行われる。なお、固定ローラ28、29とリング部材24の接触部及び、固定ローラ28、29と高速シャフト26の接触部にも同じ大きさの押付け荷重N及びトラクション力Ftが作用する。
増速機構12の増速比は、リング部材24の直径と高速シャフト26の直径との比により定まる。
次に、増速機構12の潤滑機構につき作用説明を行う。
図1及び図5に示すように、外部ポンプ(図示せず)から給油口34を介して導入された潤滑油は、第2ハウジング21内のハウジング内通路35を通って軸受収容部39内の小径部39Bに供給される。ところで、ハウジング内通路35と固定ローラ28内の軸内通路36とは小径部39Bを介して連通しているので、ハウジング内通路35から供給された潤滑油は、小径部39Bに貯留された後、軸内通路36に供給され、軸内通路36と連通された2本のローラ内通路37に供給される。
一方、小径部39Bの開口側のエッジ部に面取り39Dが設けられているので、小径部39Bに貯留された潤滑油の一部は、面取り39Dを通って軸受33内に供給され軸受33の潤滑を行う。
2本のローラ内通路37に供給された潤滑油は、ポンプ圧力と固定ローラ28の回転に伴う遠心力により、固定ローラ28の外周方向に送られ、面取り部38に形成されたローラ内通路37の開口を通って、固定ローラ28の外部に噴射される。
図5に示すように、2本のローラ内通路37が高速シャフト26の一対の鍔部26A、26Bに対応する位置にある時には、面取り部38の開口より外部に噴射した潤滑油は、固定ローラ28の一方の端部と鍔部26Aとの接触部及び、固定ローラ28の他方の端部と鍔部26Bとの接触部に直接供給される。このとき、鍔部26A、26Bと高速シャフト26の外周面と面取り部38に囲まれた断面三角形の空間が形成されているので、面取り部38の開口より潤滑油を噴射し易い。
また、固定ローラ28の面取り部38の開口より外部に噴射された潤滑油は、隣接して配置された固定ローラ29の両端部と一対の鍔部26A、26Bとの接触部にも回り込み行き渡る。また、固定ローラ28の面取り部38の開口より外部に噴射された潤滑油は、隣接して配置された可動ローラ30の両端部と一対の鍔部26A、26Bとの接触部にも回り込み行き渡る。
ところで、遠心圧縮機10においては、圧縮機構13側の流量及び圧力変動により、高速シャフト26は軸方向への押圧力(スラスト荷重)を受ける。この押圧力は、低速シャフト16側に向う方向の押圧力S1と、インペラー41側に向う方向の押圧力S2の2種類がある。この互いに反対方向に作用する2種類の押圧力S1、S2により、固定ローラ28、29及び可動ローラ30の両端部と一対の鍔部26A、26Bとの接触部に摩耗が発生する恐れがある。しかし、各接触部には潤滑油が供給され、潤滑油で潤滑された状態にあるので、固定ローラ28の両端部と一対の鍔部26A、26B間の摩耗が抑制されると共に、固定ローラ29の両端部と一対の鍔部26A、26B間の摩耗及び、可動ローラ30の両端部と一対の鍔部26A、26B間の摩耗も抑制される。
図5に示すように、2本のローラ内通路37が高速シャフト26の一対の鍔部26A、26Bに対応する位置にある時には、面取り部38の開口より固定ローラ28の外部に噴射された潤滑油は、固定ローラ28の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部に供給される。また、固定ローラ28の面取り部38の開口より外部に噴射された潤滑油は、固定ローラ28の外周面に供給され、固定ローラ28の外周面の潤滑を通じて固定ローラ28の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部に供給される。
また、固定ローラ28の面取り部38の開口より外部に噴射された潤滑油は、隣接して配置された固定ローラ29の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部及び、可動ローラ30の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部にも回り込み行き渡る。
さらに、図示しないが、2本のローラ内通路37がリング部材24に対応する位置にある時には、面取り部38の開口より固定ローラ28の外部に噴射された潤滑油は、固定ローラ28の外周面とリング部材24の内周面間の接触部に供給される。
また、固定ローラ28の面取り部38の開口より固定ローラ28の外部に噴射された潤滑油は、隣接して配置された固定ローラ29の外周面とリング部材24の内周面間の接触部及び、可動ローラ30の外周面とリング部材24の内周面間の接触部にも回り込み行き渡る。
このことにより、固定ローラ28の外周面とリング部材24の内周面間の接触部、固定ローラ29の外周面とリング部材24の内周面間の接触部及び、可動ローラ30の外周面とリング部材24の内周面間の接触部に潤滑油を介在させることができる。また、固定ローラ28の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部、固定ローラ29の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部及び、可動ローラ30の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部に潤滑油を介在させることができる。よって、トラクション力Ftによる動力伝達を行うことができる。
このように、固定ローラ28に設けた2本のローラ内通路37を介して潤滑油を供給するだけで良いので、必要最小限の潤滑油を供給するだけで良く、固定ローラ28等の回転部品による潤滑油の攪拌抵抗の増加を抑制することができる。
第1の実施形態に係る増速機構12によれば以下の効果を奏する。
(1)固定ローラ28内には、軸内通路36と、軸内通路36と固定ローラ28の面取り部38とを連通する2本のローラ内通路37とが形成されているので、面取り部38の開口より外部に噴射された潤滑油は、固定ローラ28の一方の端部と鍔部26Aとの接触部及び、固定ローラ28の他方の端部と鍔部26Bとの接触部に直接供給される。また、固定ローラ28の面取り部38の開口より外部に噴射された潤滑油は、隣接して配置された固定ローラ29の両端部と一対の鍔部26A、26Bとの接触部及び、可動ローラ30の両端部と一対の鍔部26A、26Bとの接触部にも回り込み行き渡る。よって、固定ローラ28の両端部と一対の鍔部26A、26B間の摩耗を抑制することができる共に、固定ローラ29及び可動ローラ30の両端部と一対の鍔部26A、26B間の摩耗を抑制することが可能となる。
(2)面取り部38の開口より固定ローラ28の外部に噴射された潤滑油は、固定ローラ28の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部に供給されると共に、隣接して配置された固定ローラ29の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部及び、可動ローラ30の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部にも回り込み行き渡る。さらに、面取り部38の開口より外部に噴射された潤滑油は、固定ローラ28の外周面とリング部材24の内周面間の接触部に供給されると共に、隣接して配置された固定ローラ29の外周面とリング部材24の内周面間の接触部及び、可動ローラ30の外周面とリング部材24の内周面間の接触部にも行き渡る。よって、固定ローラ28、29及び可動ローラ30の外周面とリング部材24の内周面間の接触部、並びに、固定ローラ28、29及び可動ローラ30の外周面と高速シャフト26の外周面間の接触部に潤滑油を介在させることができ、トラクション力Ftによる動力伝達を行うことができる。
(3)固定ローラ28に設けた2本のローラ内通路37を介して潤滑油を供給するだけで良く、従来技術のように複数のローラにオイル供給通路を設ける必要が無く、必要最小限の潤滑油を供給するだけで良い。よって、装置の簡略化と潤滑油供給量の削減を図れる。
(4)軸受収容部39の小径部39Bのエッジ部に面取り39Dが設けられているので、小径部39Bに貯留された潤滑油の一部は、面取り39Dを通って軸受33内に供給され軸受33の潤滑を行うことが可能である。
(5)固定ローラ28の外周側エッジ部には、面取り部38が形成され、ローラ内通路37は、面取り部38にそれぞれ開口している。よって、2本のローラ内通路37が高速シャフト26の一対の鍔部26A、26Bに対応する位置にある時には、鍔部26A、26Bと高速シャフト26の外周面と面取り部38に囲まれた断面三角形の空間が形成されているので、面取り部38の開口より潤滑油を噴射し易い。
(6)2本のローラ内通路37は、軸内通路36の同一箇所に連通していると共に、軸内通路36と外周側エッジ部(面取り部38)とを直線状に連通するように固定ローラ28に形成されている。よって、ローラ内通路37は斜めに形成(軸方向及び径方向に対して傾斜して形成)されることとなり、高速シャフト26と固定ローラ28との接触面積を減らすことなく一対の鍔部26A、26Bと固定ローラ28の端部間に潤滑油を供給することができる。また、ローラ内通路37が軸内通路36の同一箇所に連通しておらず異なる2箇所で軸内通路36に連通する場合には、先に潤滑油が供給される側(圧縮機構13側)に多くの潤滑油が供給されてしまい、潤滑油を均一に供給することができなくなる。しかし、ローラ内通路37が軸内通路36の同一箇所に連通しており、且つ、ローラ内通路37の通路断面積が同一の場合には、潤滑油を均一に供給することが可能となる。
(変形例1)
図6には、変形例1の構成を示している。変形例1では、固定ローラ50内に形成されるローラ内通路52の個数を増加させたものである。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。固定ローラ50内には、軸方向に形成された軸内通路51と、軸内通路51と連通され固定ローラ50の外周側エッジ部(面取り部53)と連通する4本のローラ内通路52が形成されている。ローラ内通路52は、固定ローラ50の中心部より放射方向に4本の通路を形成したものである。
放射方向に4本のローラ内通路52が形成されているので、固定ローラ50の両端部と一対の鍔部26A、26B間の接触部に確実に潤滑油を供給することが可能である。
(変形例2)
図7には、変形例2の構成を示している。変形例2では、固定ローラ60内に形成されるローラ内通路62の形成位置を変化させたものである。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。固定ローラ60内には、軸方向に形成された軸内通路61と、軸内通路61と連通され固定ローラ50の外周側エッジ部(面取り部63)と連通する2本のローラ内通路62が形成されている。ローラ内通路62は、固定ローラ50の中心部より対角方向に2本の通路を形成したものである。
対角方向に2本のローラ内通路62が形成されているので、固定ローラ28の両端部と一対の鍔部26A、26B間の接触部に交互に潤滑油を供給することが可能である。
(変形例3)
図8には、変形例3の構成を示している。変形例3では、高速シャフト70に設けられる一対の鍔部70A、70Bは互いに径方向の大きさが異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。一対の鍔部70A、70Bのうち、低速シャフト16側の鍔部70Bの径を圧縮機構13側の鍔部70Aの径よりも大きくしている。
遠心圧縮機の場合には、低速シャフト16側の鍔部70Bにより大きなスラスト荷重が加わるので、低速シャフト16側の鍔部70Bの径を大きくすることにより、面圧を下げることが可能となる。
(変形例4)
図9には、変形例4の構成を示している。変形例4では、一対の鍔部に連通するローラ内通路の通路断面積を異ならせている。すなわち、一対の鍔部70A、70Bのうち、径の大きい方の鍔部70Bに連通するローラ内通路74の通路断面積は、小さい方の鍔部70Aに連通するローラ内通路73の通路断面積よりも大きい。
このことにより、より大きなスラスト荷重が加わる低速シャフト16側の大きい方の鍔部70Bに多くの潤滑油を供給することができ、最低限の潤滑油で固定ローラ71と鍔部70B間の摩耗を抑制することが可能となる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更しても良い。
○ 第1の実施形態においては、固定ローラ28内に軸内通路36及びローラ内通路37を形成するとして説明したが、固定ローラ29又は可動ローラ30内に形成しても良い。また、1個の中間ローラだけではなくて、複数個の中間ローラ(例えば、固定ローラ28と固定ローラ29、固定ローラ28と可動ローラ30、固定ローラ29と可動ローラ30)に軸内通路及びローラ内通路を形成しても良い。
○ 第1の実施形態においては、固定ローラ及び可動ローラにおける一対の支軸部とローラ部とが一体形成されているとして説明したが、支軸部(支持軸)とローラ部とを別体で形成した後で、支軸部をローラ部に嵌合させ一体化しても構わない。
○ 第1の実施形態においては、ターボ圧縮機を遠心圧縮機として説明したが、ターボ圧縮機を軸流圧縮機としても良い。軸流圧縮機の場合は、流体を吸い込んで圧縮していくので、流体を吸い込む方向により多くのスラスト荷重が加わる。よって、圧縮機構側の鍔部の径を低速シャフト側の鍔部の径よりも大きくすることにより、面圧を下げることが可能となる。また、径の大きい方の鍔部に連通するローラ内通路の通路断面積を、小さい方の鍔部に連通するローラ内通路の通路断面積よりも大きくすることにより、より大きなスラスト荷重が加わる圧縮機構側の大きい方の鍔部に多くの潤滑油を供給することが可能である。
○ (変形例4)では、径の大きい方の鍔部に連通するローラ内通路の通路断面積は、小さい方の鍔部に連通するローラ内通路の通路断面積よりも大きいとして説明したが、ローラ内通路の外周側エッジ部(面取り部)の開口を拡径してラッパ状としたり、途中で枝分かれして、鍔部の外周側に連通する通路を形成しても良い。鍔部を大きくすると、鍔部の外周寄りには潤滑油が供給され難くなるが、上記方策により鍔部の外周寄り部分に潤滑油を効果的に供給することが可能となる。
10 遠心圧縮機
11 電動モータ
12 増速機構
13 圧縮機構
15 第1ハウジング
16 低速シャフト
21 第2ハウジング
24 リング部材
26、70 高速シャフト
26A、26B、70A、70B 鍔部
28、29、50、60、71 固定ローラ
30 可動ローラ
31 支柱部材
31A、31B、31C 支柱部
33 軸受
33A 外輪
33B 内輪
35 ハウジング内通路
36、51、61 軸内通路
37、52、62、73、74 ローラ内通路
38、53、63 面取り部
39 軸受収容部
39A 大径部
39B 小径部
39C 段差部
39D 面取り
N 押付け荷重
Ft トラクション力

Claims (6)

  1. ハウジングに回転可能に支持された低速シャフトを回転させるモータと、
    前記低速シャフトに連結されると共に、前記低速シャフトの回転を増速し、前記ハウジングに回転可能に支持された高速シャフトに伝達する増速機構と、
    前記高速シャフトに連結される圧縮機構とを備えたターボ圧縮機であって、
    前記増速機構は、前記低速シャフトの一方の端部に設けられたリング部材と、前記リング部材と前記高速シャフトとの間に配置された複数の中間ローラと、前記中間ローラに形成され、前記ハウジングと前記ハウジングに固定された支柱部材間に回転可能に支持された支持軸とにより構成されており、
    前記高速シャフトに、前記高速シャフトに加えられるスラスト荷重を受け止める一対の鍔部を設けると共に、前記一対の鍔部間に前記複数の中間ローラを配置し、
    前記ハウジングに形成され、外部から潤滑油を供給するハウジング内通路と、前記少なくとも1つの中間ローラ内に形成され、前記ハウジング内通路に連通する軸内通路と、前記軸内通路と連通し、前記潤滑油を前記鍔部に向けて供給する少なくとも2本のローラ内通路とを備えることを特徴とするターボ圧縮機。
  2. 前記少なくとも2本のローラ内通路は、前記軸内通路と前記中間ローラの外周側の角部に形成される外周側エッジ部とを連通することを特徴とする請求項1に記載のターボ圧縮機。
  3. 前記少なくとも2本のローラ内通路は、前記軸内通路の同一箇所に連通しており、前記ローラ内通路は、前記軸内通路と前記外周側エッジ部とを直線状に連通するように前記中間ローラに形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のターボ圧縮機。
  4. 前記一対の鍔部は互いに径方向の大きさが異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のターボ圧縮機。
  5. 前記一対の鍔部のうち、大きい方の鍔部に連通する前記ローラ内通路の通路断面積は、小さい方の鍔部に連通する前記ローラ内通路の通路断面積よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載のターボ圧縮機。
  6. 前記ハウジングには、前記中間ローラの支持軸を支持する軸受を収容する軸受収容部が設けられ、前記軸受収容部は、前記軸受の外輪を保持する大径部と、前記大径部より小さな径を有すると共に、前記ハウジング内通路と連通する小径部とを備え、前記小径部と前記大径部との段差部に面取りを設け、前記小径部を介して前記ハウジング内通路と前記軸内通路とを連通させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のターボ圧縮機。
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