JP2018168426A - 高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法および高Si高Mn含有鋼板の製造方法 - Google Patents

高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法および高Si高Mn含有鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱延鋼板の表面に形成された粒界酸化層を効率よく除去できる高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法を提供する。【解決手段】本発明の高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法は、質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で巻き取った熱延鋼板を、2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に浸漬させる工程を含み、熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度が10ppm以下である。熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽に保持された酸洗液中の銅イオンの濃度を測定する測定工程と、前記測定工程で測定された銅イオンの濃度に基づいて、前記酸洗槽に保持された酸洗液中の銅イオンの濃度を10ppm以下に制御する工程とを含むことが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法および製造方法に関し、詳細には、Siを1.0%以上、およびMnを1.5%以上含有する高Si高Mn含有鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で巻取ったときに生成するスケールおよび粒界酸化層を除去する酸洗方法およびこの酸洗方法を用いた製造方法に関する。
近年、自動車の軽量化や衝突安全対策に対する要請が強まるにつれ、鋼板の更なる高強度化が進んでおり、例えば引張強度980MPa級またはそれ以上の高強度冷延鋼板が実用化されつつある。
上記980MPa以上の引張強度を達成するためには、鋼中に固溶強化元素を添加する必要がある。鋼中添加元素としては、安価で、且つ、自動車用高強度冷延鋼板に一般的に要求される伸び、伸びフランジ性、曲げ性などの加工性を阻害しない元素であるSiおよびMnが広く使用されており、これらの元素を多く含む鋼板が使用されている。
しかしながら、SiとMnは易酸化性元素であり、鉄より酸素親和力が高い。そのため、多量のSiとMnを含有する鋼を、熱間圧延した後に約550℃未満の低い温度で巻取って、酸洗、冷延、焼鈍をこの順に行なうと、焼鈍後の冷延鋼板の表面にSiやMnが選択的に酸化された表面濃化層(以下では、「Si・Mn系選択酸化層」と呼ぶ)が形成される。このSi・Mn系選択酸化層の上には、リン酸亜鉛結晶が形成されにくいため、化成処理性が劣化することが知られている。
上記Si・Mn系選択酸化層の形成メカニズムについて詳述する。冷間圧延後の焼鈍は、冷延鋼板の表面に鉄系酸化物のスケールが生成して表面が変色することを防止するために、通常、水素−窒素系の還元雰囲気下、例えば、5体積%水素−窒素、露点−20℃〜−40℃の雰囲気下でいわゆる光輝焼鈍される。しかし、水素−窒素系雰囲気中には不可避的に水分が含まれるので、上記雰囲気は、鉄に対しては還元雰囲気であるがSiやMnに対しては酸化雰囲気となる。このため、焼鈍後の冷延鋼板の表面には、上記のSi・Mn系選択酸化層が形成される。このSi・Mn系選択酸化層の厚みは概ね数10nmと極めて薄いので、化成処理性不良対策として一般的に実施される焼鈍後の酸洗処理で除去することができる。
一方、最近では、高強度化と高加工性の更なる要求に応えるため、鋼中のSi量およびMn量を更に増加した鋼板が開発されているが、熱延鋼板の強度が高くなり過ぎて冷間圧延性が低下するため、熱間圧延後の巻取り温度を従来のように550℃未満の低温でなく、550℃以上に高めて熱延鋼板の強度を低下させる方策を採用せざるを得ない。
しかしながら、巻取り温度を上記のように高温にすると、熱延鋼板のスケール層の直下、すなわち熱延鋼板表面に約5μm以上の粒界酸化層が形成されてしまう。この粒界酸化層を除去することなく、熱延鋼板表面に残存させたまま、引き続き、冷間圧延、焼鈍を行なうと、焼鈍後の冷延鋼板表面にも粒界酸化層が残存することで、化成処理性が一層低下するし、また溶接する際には粒界酸化層に起因して溶接性が低下する。
更に、プレス加工の際、粒界酸化層が剥離して金型に付着し、プレス製品の表面欠陥を招くほか、粒界酸化層が切り欠きとなって疲労特性が劣化するなどの弊害もある。焼鈍後の冷延鋼板表面に残存する粒界酸化層の厚みはミクロンオーダーであることから焼鈍後の酸洗処理で除去することは非常に困難である。したがって、熱間圧延後の酸洗処理にて粒界酸化層を完全に除去する必要があるが、粒界酸化層を完全に除去するためには長時間を要する。
上記粒界酸化層を除去する方法として、例えば特許文献1には熱間圧延後の酸洗処理方法が開示されている。特許文献1に開示の酸洗処理方法は、Siを1.0%(質量%の意味。以下同じ。)以上、およびMnを1.5%以上含有する鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で巻取った熱延鋼板に対し、下記式(1)の条件で酸洗を行なうことを特徴とする。
t/t1≧(d/5)+1 ・・・ (1)
式中、tは熱延鋼板の酸洗時間(秒)、dは熱延鋼板に形成された粒界酸化層の厚さ(μm)、t1は熱延鋼板に形成されたスケール層を溶解するのに要する時間(秒)である。
上記特許文献1に開示の酸洗処理方法によれば、粒界酸化層を除去するために必要な酸洗時間を設定することができ、熱延鋼板から粒界酸化層を適切に除去することができるとされている。
特開2013−237924号公報
近年、高強度鋼板の生産性を向上させるために、熱間圧延後の酸洗処理時間の短縮が求められているが、特許文献1には酸洗時間を短縮する方法は開示されていない。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱延鋼板の表面に形成された粒界酸化層を効率よく除去できる高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法は、質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で巻き取った熱延鋼板を、2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に浸漬させる工程を含み、前記熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度が10ppm以下である。
上記方法において、前記熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度を測定する測定工程と、前記測定工程で測定された銅イオンの濃度に基づいて、前記酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度を10ppm以下に制御する工程とを含むことが好ましい。
本発明の高Si高Mn含有鋼板の製造方法は、質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で熱延鋼板を巻き取る工程と、巻き取った前記熱延鋼板を繰り出して2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に前記熱延鋼板を浸漬させて酸洗する工程とを含み、前記熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度が10ppm以下である。
上記方法において、酸洗した前記熱延鋼板を冷間圧延して冷延鋼板を得る工程をさらに含むことが好ましい。
上記方法において、酸洗した前記熱延鋼板または前記冷延鋼板にめっきを施す工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法によれば、熱延鋼板の表面に形成された粒界酸化層を効率よく除去することができる。
スケール層および粒界酸化層を有する熱延鋼板の表面付近の断面を倍率2000倍の走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察したSEM断面写真である。 4槽からなる連続酸洗装置の第4酸洗槽1Dにのみ酸洗液を供給しながら熱延鋼板を酸洗する場合の概略説明図である。 スケール層および粒界酸化層を有する熱延鋼板を酸洗する場合における酸洗時間(s)に対する酸洗減量(g/m2)の一例を示すグラフである。
本発明者らは、熱延鋼板の表面に形成された粒界酸化層を効率的に除去し得る酸洗液について鋭意検討を重ねたところ、酸洗液に含まれる銅イオンの濃度を、スケール層の除去や酸洗後の表面外観に影響しない濃度よりもさらに極低濃度に低下させることで、スケール層を除去した後の表面に露出した粒界酸化層を効率的に溶解させることができることを見出し、以下に示す本発明を完成させた。すなわち、本発明の高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法は、質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で巻き取った熱延鋼板を、2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に浸漬させる工程を含み、前記熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度が10ppm以下であることを特徴とする。
<高Si高Mn含有熱延鋼板>
まず、本発明の酸洗方法の適用対象となる高Si高Mn含有熱延鋼板を説明する。図1は、質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼(スラブ)を熱間圧延し、550℃以上の温度で巻き取ることによって作製された高Si高Mn含有熱延鋼板10(以下「熱延鋼板」とも記す)を厚み方向に平行に切断し、当該切断面の表面近傍を倍率2000倍の走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)で観察したSEM写真の一例である。このように作製された熱延鋼板は、図1に示すように、素地鋼板1と、素地鋼板1の表面に形成された粒界酸化層2と、粒界酸化層2の表面に形成されたスケール層3とを含む。
粒界酸化層2は、SiO2、MnSiO3、Mn2SiO4等のSi・Mn系酸化物によって構成されたマトリクスが鋼の層である。この粒界酸化層2は、SiおよびMnを多量に含有する熱延鋼板を550℃以上の高温で巻き取った後に冷却する過程で、素地鋼板1の表面近傍に位置するSiおよびMnが結晶粒界を通じで拡散した酸素と反応することによって形成される。この粒界酸化層2の厚みは、熱延鋼板の巻き取り温度によって変動する。例えば、巻き取り温度が550℃未満の場合は粒界酸化層2がほとんど形成されず、巻き取り温度が550℃以上の場合は5μm以上の膜厚の粒界酸化層2が形成される。この粒界酸化層2が熱延鋼板の表面に形成されたままの状態で、冷間圧延および焼鈍を行うと、焼鈍後の冷延鋼板の表面にも粒界酸化層2が残存し、化成処理性が低下する原因となる。このため、粒界酸化層2を熱間圧延後の酸洗によって除去する必要がある。
スケール層3は、マトリクスが酸化物の層であり、ヘマタイト(Fe23)、マグネタイト(Fe34)、ウスタイト(FeO)等の鉄系酸化物、およびファイアライト(Fe2SiO4)等のSi系酸化物の他、ウスタイト(FeO)が約570℃以下の温度で共析変態反応[4FeO→Fe34+Fe]によって生成したFeも含まれる。このスケール層3は、酸洗液の酸に容易に溶解するので、酸洗によって容易に除去することができる。
素地鋼板1の原料となる鋼を構成する元素としては、SiおよびMnの他に、C、Al等を含有していることが好ましい。素地鋼板1の原料となる鋼に含まれる各成分を以下に説明する。
Siは、鋼の強化元素であり、安価で加工性への悪影響が少ない他、加工性向上に有用な残留オーステナイトが分解して炭化物が生成するのを抑制する元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Si量は1.0%以上、好ましくは1.6%以上である。Si量の上限は、上記観点からは特に限定されないが、Si量が多過ぎると固溶強化作用が顕著になって圧延負荷が増大するほか、表面欠陥が生じ易くなるため、Si量は好ましくは2.5%以下である。
Mnも、上記Siと同様、安価な鋼の強化元素であり、鋼板の強度向上作用の他、オーステナイトを安定化し、残留オーステナイトの生成による加工性改善に寄与する元素である。このような作用を有効に発揮させるため、Mn量は1.5%以上、好ましくは2.1%以上である。しかしながら、Mn量が多過ぎると鋼板の延性が低下し、加工性に悪影響を及ぼすほか、鋼板の溶接性も低下する。このような観点からは、Mn量の上限は好ましくは3.0%以下、より好ましくは2.8%以下である。
本発明において、熱延鋼板を作製するための鋼は、上述のSiとMnを含有する他、基本成分として、好ましくはC:0.08〜0.25%、およびAl:0.5%以下(0%を含まない)を含有する。
Cは、鋼板の強度を向上させる元素であり、且つ、残留オーステナイトを確保して加工性を改善するのに必要な元素である。C量は好ましくは0.08%以上、より好ましくは0.11%以上である。C量の上限は、鋼板の強度確保を考慮すると多い方がよいが、C量が過剰になると耐食性、スポット溶接性、加工性が劣化することを考慮すると、C量は好ましくは0.25%以下、より好ましくは0.20%以下である。
Alは、脱酸作用を有する元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Al量は好ましくは0.005%以上、より好ましくは0.02%以上である。しかしながら、Alを過剰に添加すると、アルミナ等の介在物が増加し、鋼板の加工性が劣化する恐れがあるため、Al量の上限は好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.4%以下である。
上記鋼は、上記元素を基本成分として含み、残部は、鉄および不可避不純物である。不可避不純物のうち、Pは、約0.2%以下(0%を含まない)、Sは約0.02%以下(0%を含まない)、Nは約0.01%以下(0%を含まない)に抑制することが好ましい。
これらのうち、Pは、孔食が発生する際、孔食内部に濃縮してインヒビターとして作用し、耐孔あき腐食性の向上に寄与する元素である。また、鋼板中にCuを含む場合、PはCuと共存することによって、錆を非晶質化して緻密な保護膜を形成する作用も有する。これらの作用を有効に発揮させるには、P量の下限は好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.003%以上である。しかし、Pは、過剰に添加すると鋼板の溶接性を劣化させるほか、粒界に偏析して粒界破壊を助長し、鋼板の加工性を劣化させる。そのため、P量の上限は好ましくは0.2%以下、より好ましくは0.1%以下である。
Sは、過剰に添加すると腐食環境下で水素吸収を助長し、鋼板の耐遅れ破壊性を劣化させる。そのため、S量の上限は好ましくは0.02%以下、より好ましくは0.01%以下である。なお、Sは、通常、不可避的に0.0005%程度含有している。
Nは、過剰に含有すると窒化物を形成して加工性を劣化させる元素である。特に、鋼板中に焼入れ性向上元素としてB(ホウ素)を含む場合、Nは、Bと結合してBN析出物を形成し、Bの焼入れ性向上作用を阻害する元素である。そのため、N量は好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.005%以下である。
本発明では、更に、鋼を構成する周知の強度向上元素を選択成分として添加することもできる。強度向上元素としては、Cu、Ni、Cr、Ti、Nb、V、B等が挙げられ、本発明では、これらの元素を単独で、または2種以上含有することができる。具体的には、Cu:0.2%以下(0%を含まない)、Ni:1.0%以下(0%を含まない)、Cr:1.0%以下(0%を含まない)、Ti:1.0%以下(0%を含まない)、Nb:0.1%以下(0%を含まない)、V:0.1%以下(0%を含まない)、およびB:0.002%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有することが好ましい。
上記元素のうち、Cu、Ni、CrおよびTiは、鋼板の強度を向上させる他、鋼板の耐食性も向上させる元素であり、鋼板が腐食して水素が発生するのを抑制する作用を有する。また、これらの元素は、大気中で生成する錆のなかでも熱力学的に安定で、保護性があるといわれている酸化鉄(α−FeOOH)の生成を促進させる作用も有している。このような錆の生成を促進することによって、発生した水素が鋼板へ侵入するのを抑制でき、過酷な腐食環境下、例えば、塩化物の存在下で使用しても水素による助長割れを充分に抑制できる。これらの作用を有効に発揮させるには、Cu量は好ましくは0.003%以上、より好ましくは0.05%以上である。Ni量は好ましくは0.003%以上、より好ましくは0.05%以上である。Cr量は好ましくは0.003%以上、より好ましくは0.01%以上である。Ti量は好ましくは0.003%以上、より好ましくは0.005%以上である。しかし、上記元素を過剰に含有すると、加工性が劣化する。従って、Cu量は好ましくは0.2%以下である。Ni量は好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%以下である。Cr量は好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.5%以下である。Ti量は好ましくは1.0%以下、より好ましくは0.1%以下である。
NbおよびVはいずれも、鋼板の強度向上に有用である他、焼入れ後のオーステナイト粒を微細化して靭性の改善に作用する元素である。このような作用を有効に発揮させるためには、Nb量は好ましくは0.003%以上、より好ましくは0.005%以上である。V量は好ましくは0.003%以上、より好ましくは0.005%以上である。しかし、上記元素を過剰に含有すると、炭化物や窒化物、或いは炭窒化物を多量に生成して加工性や耐遅れ破壊性が劣化する恐れがある。従ってNb量は好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.05%以下である。V量は好ましくは0.1%以下、より好ましくは0.08%以下、さらに好ましくは0.05%以下である。
Bは、焼入れ性および溶接性の向上に有用な元素である。これらの作用を有効に発揮させるためには、B量を好ましくは0.0002%以上、より好ましくは0.0003%以上、さらに好ましくは0.0004%以上である。しかし、Bを過剰に含有させても上記効果は飽和し、延性が低下して加工性が悪くなる恐れがある。従って、B量は好ましくは0.002%以下、より好ましくは0.0019%以下、さらに好ましくは0.0018%以下である。
更に本発明には、上記成分のほか、強度および化成処理性を阻害しない範囲で、他の周知の選択成分を更に添加することもできる。
<高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法>
本発明の酸洗方法の一実施形態を図1および図2を用いて以下に説明する。本実施形態の酸洗方法は、上記熱間圧延後の熱延鋼板10の表面を構成する粒界酸化層2およびスケール層3を除去するためのものであり、質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で巻き取った熱延鋼板10を、2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に浸漬させる工程(酸洗工程)を含み、熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオン濃度が10ppm以下である。本実施形態の酸洗方法は、好ましい形態として、上記酸洗工程に加えて、熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度を測定する工程(濃度測定工程)と、前記濃度測定工程で測定された銅イオンの濃度に基づいて、前記酸洗槽に保持された酸洗液中の銅イオンの濃度を10ppm以下に制御する工程(濃度制御工程)とを含む。以下に、本実施形態の酸洗方法を構成する各工程を説明する。
(酸洗工程)
図2は、熱延鋼板を酸洗するための連続酸洗装置の一例を概略説明図である。本実施形態の酸洗方法は例えば図2に示す連続酸洗装置20によって熱延鋼板を酸洗する。図2に示す連続酸洗装置20は、熱延鋼板を通板させる順に、第1酸洗槽1Aと、第2酸洗槽1Bと、第3酸洗槽1Cと、第4酸洗槽1Dとをこの順に有するとともに回収槽4と、濃度調整部5と、供給槽6と、濃度測定部7とを有している。
この酸洗工程では、酸洗液中の酸を効率よく利用するために、図2に示すように熱延鋼板10を複数の酸洗槽を有する連続酸洗装置20の前段側、すなわち第1酸洗槽1Aから第2酸洗槽1B、第3酸洗槽1C、第4酸洗槽1Dへと順次通板させる。また酸洗液は、供給槽6から2A〜2Cに示すように連続酸洗装置の後段側、すなわち第4酸洗槽1Dから供給し、第3酸洗槽1C、第2酸洗槽1B、第1酸洗槽1Aへと順にオーバーフローさせていく。第1酸洗槽1Aからオーバーフローする酸洗液は、回収槽4で回収され、酸回収再生設備において、熱延鋼板の酸洗時に酸洗液中に溶出した多量の金属イオンを除去し、且つ低下した酸濃度を濃縮等により上昇させた上で、濃度調整部5および供給槽6を通じて第4酸洗槽1Dに戻されて再利用される。
第1酸洗槽1Aは、熱延鋼板10の表面に形成されたスケール層3を溶解させる部位であり、第2〜第4酸洗槽1B〜1Dはそれぞれ、熱延鋼板10の表面に形成された粒界酸化層2を溶解させる部位である。第1酸洗槽1Aの酸洗液に熱延鋼板を浸漬させることによりスケール層3を除去することができるし、第2〜第4酸洗槽1B〜1Dの酸洗液に、第1酸洗槽1Aで酸洗した熱延鋼板を浸漬させることにより粒界酸化層2を除去することができる。
つまり、酸洗工程は、図2に示す例の場合、第1酸洗槽1Aの酸洗液に熱延鋼板を浸漬させることによって熱延鋼板の最表面に形成されたスケール層3を除去する工程と、第2〜第4酸洗槽1B〜1Dの酸洗液に熱延鋼板を浸漬させることによって粒界酸化層2を除去する工程とを含む。本実施形態の酸洗方法は、上記2槽以上の酸洗槽のうちの熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降の酸洗槽(つまり第2〜第4酸洗槽1B〜1D)のいずれか1槽以上の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度が10ppm以下であることを特徴とする。
上記第1酸洗槽1Aの酸洗液に含まれる銅イオン濃度の調整を除外した理由は、2槽以上の酸洗槽を有する連続酸洗装置で熱延鋼板を酸洗処理する場合、最初の酸洗槽の酸洗液は、主にスケール層3の溶解に消費され、粒界酸化層2を溶解することが殆どないためである。そのため、第1酸洗槽1Aの酸洗液に含まれる銅イオン濃度を10ppm以下に調整しなくても特に問題は生じない。もちろん、第1酸洗槽1Aの酸洗液に含まれる銅イオン濃度を10ppm以下にしてもよいが、銅イオン濃度を制御するためのコストの観点からは、1槽目を除くいずれかの酸洗槽(本実施形態では第2〜第4酸洗槽)の酸洗液に含まれる銅イオン濃度を10ppm以下にすることが好ましい。
本発明における酸洗工程は、上記第1酸洗槽1Aの酸洗液でスケール層3を完全に除去する場合に限られず、第1酸洗槽1Aの酸洗液で粒界酸化層2の一部を溶解させてもよいし、第2〜第4酸洗槽1B〜1Dの酸洗液でスケール層3を溶解させてもよい。
また、本発明における酸洗工程は、第2〜第4酸洗槽1B〜1Dにより粒界酸化層2を全て除去する場合に限られず、粒界酸化層2の一部を除去するものも含む。最終製品が冷延鋼板の場合には粒界酸化層2を全て除去することが好ましいが、最終製品が例えばめっき鋼板の場合には、粒界酸化層2の一部を意図的に残すこともあるからである。粒界酸化層2の一部を除去する場合であっても、本発明を適用することによって、粒界酸化層2を効率よく所望の厚さにすることができる。
本発明は、図2に示す4槽の酸洗槽1A〜1Dを有する連続酸洗装置20によって熱延鋼板10を酸洗する場合に限られず、2槽以上の酸洗槽を用いて熱延鋼板10が酸洗されればよい。2槽以上の酸洗槽が必要となる理由は、最初の酸洗槽(第1酸洗槽1A)で主にスケール層を除去し、第2酸洗槽1B以降の酸洗槽で粒界酸化層を除去するためである。一方、酸洗槽の数の上限は特に限定されず、酸洗液の供給能力や酸洗液の効率的な利用可能性などを考慮して適宜決定することができる。酸洗槽が1槽の場合、酸洗液の酸濃度とインヒビター濃度を適切に調整することが難しく、過酸洗が生じたり、粒界酸化層が残存する等の問題が生じやすいので好ましくない。
n槽の酸洗槽を有する連続酸洗装置を採用する場合、熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降の少なくとも1槽の酸洗液に含まれる銅イオン濃度が10ppm以下であればよい。酸洗液に含まれる銅イオン濃度が10ppm以下である酸洗槽の数が多い程、より短時間で酸洗処理を行なうことができる。したがって、最も好ましいのは、最初の酸洗槽を除く(n−1)槽の酸洗槽全ての酸洗液に含まれる銅イオン濃度が10ppm以下である。2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオン濃度が8ppm以下であることが好ましく、より好ましくは6ppm以下であり、さらに好ましくは5ppm以下である。粒界酸化層の除去速度の観点からは銅イオン濃度は低いほど好ましいが、工業上の実現可能性を鑑みると1ppm以上であることが好ましく、3ppm以上であることがより好ましい。
図2に示すように4槽の酸洗槽を用いる場合、第2酸洗槽1B、第3酸洗槽1Cまたは第4酸洗槽1Dのうちの少なくともいずれか1槽以上の酸洗液に含まれる銅イオン濃度が10ppm以下であればよい。好ましくは第2酸洗槽1B、第3酸洗槽1Cまたは第4酸洗槽1Dのうちの2槽の酸洗液に含まれる銅イオン濃度が10ppm以下であり、さらに好ましくは第2酸洗槽1B、第3酸洗槽1Cおよび第4酸洗槽1Dの全ての酸洗液に含まれる銅イオン濃度が10ppm以下である。
上記酸洗液に含まれる銅イオン濃度は、公知の分析方法によって測定された値を採用すればよく、例えば、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法によって測定すればよい。また、「酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度」とは、酸洗槽の酸洗液における銅イオン濃度の平均値を意味し、図2に示す連続酸洗装置においては、酸洗槽の中央部付近と、前段の酸洗槽にオーバーフローする部分の近傍と、後段の酸洗槽からオーバーフローした部分の近傍と、の3箇所で採取した酸洗液に含まれる銅イオン濃度の平均値である。
本発明において、酸洗方法は、特に断りのない限り、熱間圧延後の熱延鋼板を酸洗する工程を意味し、熱延鋼板を冷間圧延し、焼鈍した後の酸洗を本明細書では「後酸洗」として焼鈍前の上記酸洗とは区別する。
(酸洗液)
上記酸洗工程で用いる酸洗液は、スケール層3を溶解させる酸と、添加剤として鋼板の腐食抑制作用を有するインヒビターとを少なくとも含み、銅イオン(Cu2+)を含むこともあり、必要に応じて公知の添加成分を含んでもよい。このような添加成分として、例えば、スケール層溶解速度向上のための酸洗促進剤などが挙げられる。
酸洗液に含まれる酸は、スケール層および粒界酸化層を除去するために通常用いられるものであれば特に限定されず、例えば、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸を用いることができる。経済性および酸洗速度などを考慮すると、塩酸の使用が好ましい。
酸洗液に含まれるインヒビターは、スケール層および粒界酸化層が溶解した後の素地鋼板の溶解を抑制する作用を有する酸洗抑制剤であり、例えば、アミンなどの各種公知のインヒビターを使用することができる。
各酸洗槽の酸洗液の酸濃度とインヒビターの濃度は、熱延鋼板の材質や寸法、通板速度、酸の種類、酸洗温度、酸洗槽の数、スケールの厚さなどの酸洗条件に基づいて決定されるため、具体的な濃度は特に限定されず、従来のスケール層の除去に使用される濃度で使用することができる。最後の酸洗槽(図1では第4酸洗槽1D)では過酸洗を抑制するためにインヒビターを添加することが好ましい。インヒビター濃度は、使用するインヒビターに応じて過酸洗が生じないように適宜調整すればよい。また、酸濃度はスケール溶解性能等を考慮して設定されるが、例えば10〜18質量%程度である。
(濃度測定工程)
本実施形態の酸洗方法は、好ましい形態として、熱延鋼板を浸漬させる順の2槽目以降の酸洗槽のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度を測定する測定工程を含む。例えば、図2に示すように4槽の酸洗槽を用いる場合、第4酸洗槽1Dに酸洗液の銅イオン濃度を測定する濃度測定部7を設ける。濃度測定部7は、第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれる銅イオン濃度を測定し、当該測定結果を濃度調整部5にフィードバックする。これにより濃度調整部5から供給槽6を経由して第4酸洗槽1Dに供給される酸洗液に含まれる銅イオン濃度を調整し、第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれる銅イオン濃度を10ppm以下に調整することができる。濃度測定部7は、第4酸洗槽1Dに設けられる場合に限られず、全ての酸洗槽のうちの熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽(図2の場合は、第2〜第4酸洗槽1B〜1D)に設けられることが好ましい。
濃度測定部7が酸洗液の銅イオン濃度を測定するタイミングは特に限定されないが、酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオン濃度を10ppm以下とするために、例えば1時間ごと等の一定の時間間隔で銅イオン濃度を測定する。
(酸洗液を回収する工程)
回収槽4は、第1酸洗槽1Aでオーバーフローした酸洗液を回収する部位である。回収槽4で回収された酸洗液は、酸回収再生設備において酸として再生され、濃度調整部5に供給される。
(濃度制御工程)
濃度調整部5は、再生された後の酸洗液に含まれる銅イオン(Cu2+)の濃度を調整した上でインヒビターやその他添加成分を混合して酸洗液とし、調整後の酸洗液を供給槽6に供給する部位であり、判定部5A、制御部5Bおよび記憶部5Cで主に構成されている。本発明の酸洗方法は、上記濃度測定工程で測定された銅イオンの濃度に基づいて、前記酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度を10ppm以下に制御する工程(濃度制御工程)を含むことが好ましい。
図2を参照して、第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれる銅イオン(Cu2+)の濃度を調整する方法を説明する。濃度調整部5の判定部5Aには、濃度測定部7によって測定された測定結果が入力される。具体的には、第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれるCu2+の濃度の測定結果が判定部5Aに入力される。また記憶部5Cには、第4酸洗槽1Dの酸洗液の規定のCu2+の濃度(例えば10ppm以下)が格納されている。判定部5Aは、濃度測定部7から入力された測定結果と記憶部5Cに格納された規定の数値範囲(例えば10ppm以下)との比較を行い、当該比較結果に基づいて供給槽6に供給する酸洗液のCu2+の濃度を調整する。より具体的には、判定部5Aは、第4酸洗槽1Dの酸洗液のCu2+の濃度の測定値が10ppm以下の所定の閾値以下(もしくは閾値未満)の場合には第4酸洗槽1Dの酸洗液のCu2+の濃度を調整する必要はないと判定する。一方で、測定値が10ppmを超える場合、あるいは上記の所定の閾値を超えた(もしくは閾値以上の)場合には濃度調整部5により第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれるCu2+の濃度を減少させる必要があると判定する。
制御部5Bは、判定部5Aによる上記判定結果に基づいて、第4酸洗槽1Dに供給される酸洗液に含まれる銅イオン(Cu2+)の濃度を調整する。より具体的には、制御部5Bは、判定部5Aにより第4酸洗槽1Dの酸洗液のCu2+の濃度を減少させる必要があると判定された場合には、Cu2+濃度が10ppmを下回る酸洗液を混合するなどして酸洗液に含まれるCu2+の濃度を減少させた上で、当該減少させた後の酸洗液を供給槽6に供給する。これにより第4酸洗槽1Dの酸洗液の銅イオン濃度が10ppm以下に希釈される。このようにして第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれるCu2+の濃度を測定し、その結果をフィードバックしながら第4酸洗槽1Dに酸洗液を供給することにより、第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれるCu2+の濃度を10ppm以下に調整することができる。
供給槽6は、濃度調整部5で酸洗液に含まれる各成分(酸、インヒビター、銅イオン等)の濃度を調整した酸洗液を第4酸洗槽1Dに供給する部位である。供給槽6によって第4酸洗槽1Dに供給する酸洗液の分量を調整することができてもよい。これにより第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれる銅イオンの希釈度合いを調整することができる。
一般に、酸洗工程で使用した酸洗液は、スケール層および粒界酸化層の除去によって酸が消費され酸濃度が低下しているため、回収して酸洗液に含まれる多量の金属イオンを取り除くとともに酸として再生して、再使用される。しかしながら、酸の再生過程において酸に含まれる金属イオンを完全に除去することはできず、再生後の酸にも微量の金属イオンが含まれる。これらの金属イオンの中で特に銅イオン(Cu2+)が多量に含まれていると、スケール層の除去速度の低下、および酸洗後の鋼板の表面外観の変質が生じるため、酸の再生過程において、これらの問題が生じない濃度まで除去されているが、粒界酸化層を効率良く除去するためには不十分であった。その点、上記本発明の酸洗工程で用いる酸洗液は、銅イオン濃度が10ppm以下の極低濃度域に調整されるので、粒界酸化層2を効率よく除去することができる。
本実施形態のように、熱延鋼板を酸洗しながら定期的に酸洗液の銅イオン濃度をモニタリングする場合に限られず、例えば銅イオン濃度を10ppm以下に維持できる酸洗液の投入条件が予め把握できている場合には、熱延鋼板の酸洗を実行している間に酸洗液に含まれる銅イオン濃度を測定することはせず、銅イオン濃度を10ppm以下に維持できる適度な条件で銅イオン濃度が低い酸洗液を酸洗槽に供給してもよい。
本実施形態のように、濃度調整部5を用いて第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれるCu2+の濃度を自動調整する場合に限られず、濃度調整部5を省略し、濃度測定部7による測定結果に基づいてユーザの手動により酸洗液を第4酸洗槽1Dに供給する等して第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれるCu2+の濃度を調整してもよい。
本実施形態では、第1酸洗槽1Aでオーバーフローした酸洗液を回収して酸として再生し、濃度調整部5で再生した酸の銅イオン濃度を調整するとともに酸洗液とし、この酸洗液を第4酸洗槽1Dに供給することによって第4酸洗槽1Dの酸洗液の銅イオン濃度を調整する方法を説明したが、例えば第2酸洗槽1B〜第4酸洗槽1D内の一部の酸洗液を廃棄するとともに廃棄した分量の新酸(薬品メーカーが試薬として販売している酸)を投入することによって第2酸洗槽1B〜第4酸洗槽1Dの酸洗液の銅イオン濃度を調整してもよい。新酸を投入する場合、新酸の銅イオン濃度は0ppmであるため、第2酸洗槽1B〜第4酸洗槽1Dの酸洗液に含まれる銅イオン濃度を10ppm以下に調整しやすい。
<高Si高Mn含有鋼板の製造方法>
本発明の高Si高Mn含有鋼板の製造方法は、質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼片を熱間圧延し、550℃以上の温度で熱延鋼板を巻き取る工程(熱間圧延工程)と、巻き取った前記熱延鋼板を繰り出して2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に前記熱延鋼板を浸漬させる工程(酸洗工程)とを少なくとも含む。本発明の高Si高Mn含有鋼板の製造方法は、上記熱間圧延工程で用いる鋼片を得るために、上記熱間圧延工程の前に、質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼を溶製することによって溶鋼を得る工程(溶製工程)と、前記溶鋼を鋳造することにより鋼片を製造する工程(鋳造工程)とを含んでいてもよい。なお、ここでの「高Si高Mn含有鋼板」は熱延鋼板、冷延鋼板およびめっき鋼板の全てを含む。以下に本発明の高Si高Mn含有鋼板の製造方法の一実施形態を工程順に説明する。
(溶製工程)
溶製工程では、1.0%以上のSiと、1.5%以上のMnとを含有する鋼を公知の溶製方法で溶製することにより溶鋼を作製する。ここでの溶製は、転炉や電気炉等を用いることが好ましい。鋼は、上述の素地鋼板1を構成する成分で述べた各成分の含有量を満たすことが好ましい。
(鋳造工程)
鋳造工程では、上記溶製工程で得られた溶鋼に対して連続鋳造を行なうことによってスラブ等の鋼片を製造する。
(熱間圧延工程)
熱間圧延工程では、上記鋳造工程で得られた鋼片を通常の方法で圧延することによって熱延鋼板を作製する。ここでの熱間圧延工程は、鋳造工程で得られた鋼片を直接熱間圧延してもよいし、鋳造工程で得られた鋼片を一旦適当な温度に冷却してから加熱炉で再加熱して熱間圧延してもよい。このような熱間圧延は、例えば鋼片の加熱温度を1000〜1300℃としてから圧延し、仕上温度を800〜950℃、巻取り温度を550〜700℃として行なわれることが好ましい。
加熱温度を1000℃以上とすることによって、容易に熱間圧延でき、しかも鋼中のMnの一部を鋼板表面側に濃化させることができるため、鋼板表面近傍におけるMnの存在状態を最適化でき、最終的に得られる冷延鋼板の化成処理性を改善できる。しかし加熱温度が高すぎると、鋼板表面にスケールが多く生成し、スケールロスが発生することがある。従って加熱温度は1300℃以下とすることが好ましい。
仕上温度を800〜950℃とすることによって、フェライトの生成を低減して強度を高めることができる。すなわち、この温度域は、過冷却オーステナイトが生成する温度域のうち低温側の領域であり、仕上温度をこの温度域に制御することによって、フェライトの生成を抑制でき、冷延鋼板の強度を高めることができる。また、仕上温度が800℃を下回ると、仕上圧延時の変形抵抗が大きくなるため金属組織が不均一となり、冷延鋼板の加工性が劣化する原因となる。一方、仕上温度が950℃を超えると、その後の冷却過程で結晶粒の成長が起こり、均一な金属組織が得られず、冷延鋼板の加工性が劣化する原因となる。
巻取り温度を550〜700℃とすることによって、熱延後の熱延鋼板の強度を例えば1000MPa以下に低減して冷間圧延性を向上できる。本実施形態のように多量のSiおよびMnを含む場合、熱延後の巻取り温度を550℃以上とすることで、巻取り後の冷却過程でスケール層の下に粒界酸化層が形成され始める。粒界酸化層の厚さは、巻取り温度の上昇と共に増加する傾向にある。粒界酸化層の厚さは、鋼板に含まれる成分にもよるが、巻取り温度が550℃以上で、例えば5μm以上となり、巻取り温度が610℃以上になると、例えば10μm以上にもなる。
(酸洗工程)
酸洗工程では、上記で説明した本実施形態の酸洗方法によって熱延鋼板を酸洗する。具体的には、熱間圧延工程で巻き取った熱延鋼板を繰り出して2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に熱延鋼板を浸漬させる。上述した実施形態の酸洗方法を用いて熱延鋼板を酸洗することによりスケール層3および粒界酸化層2を効率的に除去することができる。その際、鋼板に含まれるSi量およびMn量に応じて、酸洗時間や酸濃度などの酸洗条件を調整することが好ましい。Si量とMn量のバランスによって鋼板表面の状態も変化することがあるので、鋼板表面の状態に応じて適用すべき好適な酸洗条件も変化するためである。
上記酸洗工程で得られた熱延鋼板から例えば高強度冷延鋼板を製造する場合、上記酸洗工程で得られた熱延鋼板に対して冷間圧延、焼鈍、後酸洗などを行なってもよいし、亜鉛めっき鋼板を製造する場合には、焼鈍後に溶融亜鉛めっきまたは合金化処理を行ってもよい。
(冷間圧延工程)
酸洗工程で得られた熱延鋼板は、公知の条件で冷間圧延することができる。
(焼鈍工程)
冷間圧延工程の後に焼鈍することにより冷延鋼板とする。例えば980MPa以上の高強度を確保するためには、焼鈍工程の均熱後に急冷する必要があることを考慮すると、焼鈍は、連続焼鈍設備(CAL:Continuous Annealing Line)または連続溶融亜鉛めっき設備(CGL:Continuous Galvanizing Line)で行なうことが推奨される。
連続焼鈍工程での焼鈍条件は、冷延鋼板の強度や付与したい伸び、伸びフランジ性などの機械的特性に応じて適宜適切に決定することができるが、本実施形態のような高Si高Mn含有鋼の場合、おおむね、均熱温度:750℃〜930℃、均熱時間:30秒〜600秒、均熱後の冷却速度:5〜200℃/秒の範囲に制御することが好ましい。
また、焼鈍ガスは、通常用いられる還元性雰囲気となるようなガスを用いれば良く、例えば、水素濃度2〜20体積%、露点−20〜−40℃程度の水分を含む窒素雰囲気で行なうことが推奨される。
焼鈍後、後酸洗してもよく、通常用いられる方法を採用することができる。例えば、塩酸または硫酸を使用し、濃度2〜20%、温度60℃〜90℃にて、スプレー処理、または浸漬処理、例えば浸漬時間2〜20秒程度を行なうことが好ましい。後酸洗後、必要に応じて、化成処理性向上のため、Niフラッシュめっきなどのめっきを施しても良い。好ましいNi付着量は、おおむね、2〜20mg/m2である。その後、保管中の腐食防止のため、表面に防錆油などを塗布してもよい。
また、焼鈍後に各種めっきを施してもよい。めっきの種類としては、電気めっき(たとえば電気亜鉛めっき)、溶融めっきが挙げられる。溶融めっきとしてはZnめっき、Alめっき、Al−Znめっきなどが挙げられる。溶融亜鉛めっき処理においては必要に応じて合金化処理を行ってもよい。
[発明の効果の検証]
以下において、本発明の効果が得られることを検証するための実験を説明する。まず、0.19質量%のCと、2.05質量%のSiと、2.65質量%のMnと、0.007質量%のPと、0.0005質量%のSと、0.043質量%のAlと、0.022質量%のTiと、0.0038質量%のNとを含み、残部が鉄および不可避不純物からなる鋼素材を転炉で溶製し、大気中にて冷却することによりスラブを形成した。このスラブを1200℃まで加熱した後に、加熱したスラブを930℃の仕上げ温度で2.0mmの狙い厚さに圧延し、660℃の巻き取り温度で巻き取って大気中で冷却することにより熱延鋼板を作製した。
このようにして作製された熱延鋼板から50mm×50mmのサイズのサンプルを複数枚切り出した。このサンプルを樹脂に埋め込み、板厚方向の断面を倍率2000倍でSEM観察した。当該SEM観察画像において、粒界酸化層およびスケール層の各厚みを任意の5箇所で測定した。そして、この5回測定の平均値を粒界酸化層およびスケール層の各厚みとした。上記熱延鋼板は、11μmの厚みの粒界酸化層と8μmの厚みのスケール層とを有していた。
次に、上記熱延鋼板のサンプルを複数枚準備し、各サンプルを酸洗液に浸漬させることによってスケール層を除去するために必要な最短の酸洗時間を特定した。具体的には、まず、塩酸濃度10%、かつインヒビター濃度150wtppmとし、かつ銅イオン濃度が0〜15wtppmの間で表1に示すように異なる11種の酸洗液を準備した。インヒビターとしてはスギムラ化学製「スーパーヒビロン(登録商標)AS−30B」を用いた。次に、上記50mm×50mmのサイズにカットした各サンプルを、80℃に加熱した酸洗液に浸漬させることによってスケール層を溶解させた。この酸洗液への浸漬中には酸洗液を撹拌しなかった。
酸洗液に浸漬させてから5秒ごとに1枚ずつサンプルを取り出し、各サンプルの表面付近の断面を倍率2000倍で20視野観察した。20視野のうちの全視野においてスケール層が除去されていることが確認できたサンプルの酸洗時間を、スケール層の除去に必要な酸洗時間とした。その結果、各酸洗液において、スケール層を除去するために必要な最短の酸洗時間は20秒であった。
次に、各酸洗液における粒界酸化層の溶解速度を次の手順により求めた。まず、酸洗時間を5秒刻みで変化させながら酸洗を実施し、浸漬を開始してから5秒ごとの各酸洗時間における酸洗前後での重量変化(g/m2)(以下、「酸洗減量」とも記す)を測定し、各酸洗時間における酸洗減量をプロットしたグラフを作成した。図3は、スケール層および粒界酸化層を除去したときの酸洗減量(g/m2)の例を示すグラフであり、縦軸は酸洗減量(g/m2)を示し、横軸は酸洗時間(秒)を示しており、各酸洗液において、同様のグラフが得られた。図3に示されるグラフにおいて酸洗減量の変化を見ると、酸洗開始直後に酸洗減量は大きく変化した後で一旦酸洗減量の変化が小さくなり、その後、再び酸洗減量の変化が大きくなった後に酸洗減量の変化が小さくなることがわかる。各酸洗時間における酸洗後のサンプルの断面SEM観察結果から、最初の酸洗減量の変化が小さくなった点でスケール層が除去され、二度目に酸洗減量の変化が小さくなった点で粒界酸化層が除去されていることが確認できた。このことから、二度目の酸洗減量の変化が大きくなったときに粒界酸化層の溶解が開始し、その後、酸洗減量が著しく低下したときに粒界酸化層の除去が完了したと言える。スケール層が除去され粒界酸化層の溶解が開始した時間を評価の始点とし、その後の酸洗速度が著しく低下した時間を評価の終点とし、この始点から終点までの5秒刻みのプロットを線形近似したときに得られる直線の傾きを粒界酸化層の溶解速度とした。各酸洗液において上記と同様にして粒界酸化層の溶解速度を算出した。その結果、銅イオン濃度の違いによって、表1の「溶解速度」の欄に示す溶解速度で粒界酸化層が溶解することがわかった。溶解速度が大きいほど粒界酸化層を迅速に溶解できていることを示している。
また、0ppmの銅イオン濃度の酸洗液を用いて酸洗した時の粒界酸化層の溶解速度を1とし、それに対する溶解速度比を下記の表1の「比率」の欄に示した。表1の「比率」において、0ppmの銅イオン濃度の酸洗液で酸洗したときの溶解速度に対する溶解速度の比率が0.60以上の場合に溶解速度が良好と判断した。
(結果)
表1に示す粒界酸化層の溶解速度の比率を対比すると、銅イオン濃度が10ppm以下の場合に粒界酸化層の溶解速度の比率が0.6以上となることがわかった。一方、銅イオン濃度が10ppmを超える(15ppm)場合、粒界酸化層の溶解速度の比率が0.6未満であった。上記表1に示す結果から、酸洗液に含まれる銅イオン濃度を10ppm以下とすることにより粒界酸化層を効率的に除去し得ることが明らかとなり、本発明の効果が示された。
なお、上記実験においては粒界酸化層の厚みが11μmの場合および鋼板に含まれる各成分が特定の含有量の場合を説明したが、上記粒界酸化層の厚みや鋼板成分が変化した場合でも、酸洗液に含まれる銅イオンの濃度が変化しない限り、粒界酸化層の溶解挙動は同様になる。
1A 第1酸洗槽
1B 第2酸洗槽
1C 第3酸洗槽
1D 第4酸洗槽
2 粒界酸化層
3 スケール層
4 回収槽
5 濃度調整部
6 供給槽
7 濃度測定部
10 熱延鋼板
20 連続酸洗装置

Claims (5)

  1. 質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で巻き取った熱延鋼板を、2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に浸漬させる工程を含み、
    前記熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度が10ppm以下である高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法。
  2. 前記熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度を測定する測定工程と、
    前記測定工程で測定された銅イオンの濃度に基づいて、前記酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度を10ppm以下に制御する工程とを含む、請求項1に記載の高Si高Mn含有熱延鋼板の酸洗方法。
  3. 質量%で、Si:1.0%以上、Mn:1.5%以上含有する鋼を熱間圧延し、550℃以上の温度で熱延鋼板を巻き取る工程と、
    巻き取った前記熱延鋼板を繰り出して2槽以上の酸洗槽の酸洗液に対して順番に前記熱延鋼板を浸漬させて酸洗する工程とを含み、
    前記熱延鋼板を浸漬させる順番が2槽目以降のいずれか1槽以上の酸洗槽の酸洗液に含まれる銅イオンの濃度が10ppm以下である高Si高Mn含有鋼板の製造方法。
  4. 酸洗した前記熱延鋼板を冷間圧延して冷延鋼板を得る工程をさらに含む、請求項3に記載の高Si高Mn含有鋼板の製造方法。
  5. 酸洗した前記熱延鋼板または前記冷延鋼板にめっきを施す工程をさらに含む、請求項4に記載の高Si高Mn含有鋼板の製造方法。
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