JP2008274360A - 降伏点伸びを制御した高強度鋼板とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の高強度鋼板は、質量%で、C:0.04%〜0.17%、Si:0.001〜0.60%未満、Mn:1.2〜1.9%、P:0.001〜0.04%未満、S:0.0001〜0.01%、Al:0.10%以下、N:0.0005〜0.010%、O:0.002〜0.010%、Nb、Tiの少なくとも一方を合計で0.012〜0.052%含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなり、鋼板組織が主として平均粒径5μm以下のフェライトとパーライト及び又は鉄系炭化物からなり、フェライト粒内に含まれるパーライト及び又は鉄系炭化物が、1平方mmあたり3500個以上存在し、引張最高強さTSが540MPa以上720MPa未満、降伏点伸びが0.5%以上4.5%未満である。
【選択図】なし
Description
自動車の車体としての衝突エネルギー吸収能力を高める方法としては、大きく分けて2つの手法がある。一つ目は、衝突時に大変形をさせることで、衝突の際に発生するエネルギーを吸収し、客室周りへのエネルギーの伝達を抑制する手法であり、もう一つとしては、鋼材の降伏応力を高めることで、低い変形量であっても効率よく衝突エネルギーを吸収させる方法である。この結果、用途に応じて、鋼板に求められる特性は大きく異なる。
同時に、複雑な形状を有する部材の成形が要求されることから、成形性を損なわずに、これら衝突特性を向上させる鋼板の開発が望まれてきた。
このような課題を解決する鋼板として、固溶強化、細粒強化、析出強化並びに焼き付け硬化を活用した鋼板がある。
しかしながら、Siは酸化物を形成しやすいことから、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきライン通板時に、鋼板表面に酸化物を形成してしまうことから、冷延鋼板の化成性を劣化させる、あるいは、溶融亜鉛めっき鋼板であれば溶融亜鉛めっき時に不めっきを生じることから、耐食性の劣化を招く。この結果、特殊処理なしでSiを多量に添加することができない。
Pは、SiやMnに比較して、固溶強化量が大きく、比較的少ない添加量で、フェライトを強化可能である。しかしながら、溶接性を大幅に劣化させることから、その添加量が限られており、降伏比を大幅に増加可能な程の添加は難しい。
結晶粒径を微細化することで、降伏応力の大幅な増大が可能である。例えば、特許文献5、非特許文献3に記載の細粒鋼は、熱延条件を制御することで、希少元素を添加しない鋼板でありながらも、主相であるフェライトの結晶粒径を1μm未満とすることで、降伏応力で900MPa程度の非常に高い降伏応力を得ている。しかしながら、これらは熱間圧延というプロセスを活用したものであり、冷延鋼板への適用は難しい。即ち、冷延鋼板は、冷間圧延−焼鈍というプロセスを経ることから、冷間圧延にて加工されたフェライトが焼鈍時に再結晶することから、熱延板段階で結晶粒が小さくとも、焼鈍段階で粗大化してしまい細粒鋼を得ることが難しい。あるいは、加工ままの未再結晶フェライトは加工時に導入された転位を多く含むことから、加工性に乏しく活用し難いことから、再結晶促進のために高温焼鈍をせねばならず、新たに形成された再結晶フェライトが大きく成長し易いことから細粒強化を得難いという問題を有する。また、結晶粒径が小さすぎると、変形するや否や不均一変形へと移行し、すぐさまネッキングを起こし、破断へと至ってしまう。即ち、深絞りや張り出し成形を行うことが出来ない。加えて、自動車用部材は、スポット、アーク、レーザー等の溶接により締結される場合が多く、溶接部には多量の熱が加えられることから、製品組織を細粒化したとしても、溶接部周りでは溶接時の熱で組織が粗大化してしまい、溶接部が軟化することから、溶接を必要とする部材への適用が行い難いという欠点を有する。
また、鋼板組織をフェライト及び残留オーステナイトとする特許文献7に開示の鋼板においては、オーステナイト域での再結晶焼鈍を行った後、酸洗を行い、再度、焼鈍を行う必要があり、生産性が悪い。
降伏点伸びの制御に関しては、主相をフェライトとし、フェライト中への転位形成の原因となる変態をより高温で引き起こし、Cの拡散速度の速い高温で転位を固着すること、並びに、フェライト中の固溶Cを多量に確保し、転位を強固に固着するため、フェライト粒内にパーライトや鉄系炭化物を分散させ、新たな粒界をつくりCを供給することで、衝突エネルギー吸収能に優れた、成形性の良好な鋼板が製造可能なことを見出した。
(1) 質量%で、
C :0.04%〜0.17%、
Si:0.001〜0.60%未満、
Mn:1.2〜1.9%、
P :0.001〜0.04%未満、
S :0.0001〜0.01%、
Al:0.10%以下、
N :0.0005〜0.010%、
O:0.002〜0.010%
を含有し、更に、NbもしくはTiのいずれか一方あるいは両方を、合計で0.012〜0.052%含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、鋼板組織が主として平均粒径5μm以下のフェライトとパーライトまたは/および鉄系炭化物からなり、フェライト粒内に含まれるパーライトまたは/および鉄系炭化物が、1平方mmあたり3500個以上存在し、引張最高強さTSが540MPa以上720MPa未満であり、かつ降伏点伸びが0.5%以上4.5%未満であることを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板。
B:0.0001〜0.001%未満、
を含有することを特徴とする(1)記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板。
(3)さらに、質量%で、
Cr:0.01〜0.8%、
Ni:0.01〜0.8%、
Cu:0.01〜0.8%、
Mo:0.01〜0.2%、
W :0.01〜0.2%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする(1)または(2)のいずれか1項に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板。
V:0.001〜1%
を含有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板。
(5)さらに、質量%で、Ca、REM、Mgの1種または2種以上を合計で0.0001〜0.2%含有することを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか1項に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板。
(6)(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の化学成分からなる鋼板の表面に、
Fe:5%未満
を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき層を有することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板。
Fe:5〜20%
を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき層を有することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板。
(8)(1)乃至(5)の何れか一項に記載の化学成分からなる鋳造スラブを直接又は一旦冷却した後、1140℃以上に加熱し、仕上圧延温度860℃〜940℃間を85%以上の圧下率で熱間圧延を行ったのち、800〜720℃間を冷却速度30℃/秒以上で冷却し、660℃以下400℃以上で巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施し、連続焼鈍ラインを通板するにあたって、660〜740℃間での加熱速度を9℃/秒以下で加熱し、最高加熱温度700〜830℃で焼鈍した後、630℃〜570℃間を平均冷却速度45℃/秒以下で、450℃〜250℃間の温度域で30秒以上保持し、室温まで冷却することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
(9)(1)乃至(5)の何れか一項に記載の化学成分からなる鋳造スラブを直接又は一旦冷却した後、1140℃以上に加熱し、仕上圧延温度860℃〜940℃間を85%以上の圧下率で熱間圧延を行ったのち、800〜720℃間を冷却速度30℃/秒以上で冷却し、660℃以下400℃以上で巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施し、溶融亜鉛めっきラインを通板するにあたって、660〜740℃間での加熱速度を9℃/秒以下で加熱し、最高加熱温度700〜830℃で焼鈍した後、630℃〜570℃間を平均冷却速度45℃/秒以下で、(亜鉛めっき浴温度―40)℃〜(亜鉛めっき浴温度+50)℃まで冷却した後、亜鉛めっき浴に浸漬し、室温まで冷却することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
(11)(8)の方法で冷延鋼板を製造したのち、亜鉛系の電気めっきを施すことを特徴とする(1)乃至(7)に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
(12)(8)乃至(11)の高強度鋼板に、スキンパス率0.2〜0.8%のスキンパス圧延を行うことを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
更に、前記鋼板の表面に亜鉛めっき層を形成することで引張最大強度で540MPa以上の高強度、高い成形性を有し、降伏比が高く成形性に優れた高強度の亜鉛めっきした高強度鋼板を提供することができる。
また、前述の優れた特性の鋼板は、前述と同様に圧下率40〜70%の冷延までを施し、溶融亜鉛めっきラインを通板するにあたって、660〜740℃間での加熱速度を9℃/秒以下で加熱し、最高加熱温度700〜830℃で焼鈍した後、630℃〜570℃間を平均冷却速度45℃/秒以下で、(亜鉛めっき浴温度―40)℃〜(亜鉛めっき浴温度+50)℃まで冷却した後、亜鉛めっき浴に浸漬し、室温まで冷却することにより製造できる。
更に、前述の優れた特性の鋼板は、前述と同様に圧下率40〜70%の冷延までを施し、
溶融亜鉛めっきラインを通板するにあたって、660〜740℃間での加熱速度を9℃/秒以下で加熱し、最高加熱温度700〜830℃で焼鈍した後、630℃〜570℃間を平均冷却速度45℃/秒以下で、(亜鉛めっき浴温度―40)℃〜(亜鉛めっき浴温度+50)℃まで冷却した後、亜鉛めっき浴に浸漬し、460〜600℃の温度範囲で3秒以上保持した後、室温まで冷却することにより製造できる。
まず、鋼板の組織の限定理由について述べる。
鋼板組織は、フェライトを主相とし、パーライトもしくは鉄系炭化物の、いずれか一方、あるいは、両方よりなる組織とし、フェライト粒内にパーライトもしくは鉄系炭化物を1平方mmあたり3500個以上含む必要がある。
鋼板組織の主相をフェライトとしたのは、優れた延性を有するフェライトを主相とすることで、良好な延性を得るためである。パーライトや鉄系炭化物は硬質組織として、鋼板の高強度化に寄与する。組織強化を通じて、鋼板を強化可能な組織としては、マルテンサイトやベイナイト組織が一般的である。オーステナイトが、パーライト、ベイナイト、あるいは、マルテンサイトへと変態した場合、体積膨張を生じる。これはフェライトとオーステナイトよりなる二相組織から冷却し、これら変態を起こしたとしても同様である。その結果、周囲に存在するフェライトは変形を受け、粒内に転位が形成される。パーライト変態は、ベイナイトやマルテンサイト変態に比較し、CやNの拡散の速い高温で起こることから、形成された転位は、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきライン通板中に固着され、大きな降伏点伸びと高い降伏応力を確保することが可能になる。
ここで言う鉄系炭化物とは、オーステナイト中に形成するセメンタイト、あるいは、熱延板段階で形成したパーライト組織が球状化したセメンタイトのことを指す。例えば、軟鋼板の過時効処理に代表されるように、フェライト中に析出するセメンタイトは、フェライト中の固溶C量を下げ、降伏点伸びを低減する。この結果、降伏点伸びが消失することが知られている。しかしながら、オーステナイト中に析出するのであれば、フェライト中の固溶C濃度を減少させないことから、オーステナイト中であればセメンタイト等の鉄系炭化物が存在しても構わない。パーライト組織、オーステナイト中に析出した鉄系炭化物、熱延板のパーライト組織が球状化した鉄系炭化物、あるいは、フェライト中に析出したセメンタイトかどうかは、走査型電子顕微鏡(SEM)、あるいは、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いた観察で区別可能である。一般的に、オーステナイト中に析出するセメンタイト、あるいは、熱延板のパーライト組織が球状化したセメンタイトは、数μmと大きい。一方、フェライト中に析出するセメンタイトは、数十nmと極めて小さい。このことからサイズ測定を行うだけで容易に区別できる。あるいは、フェライト中に析出したセメンタイトは、母相であるフェライトと特定の方位関係を持つことからも判別可能である。
また、フェライトとマルテンサイトあるいはベイナイト組織との間に、パーライト組織が位置するのであれば、体積率5%を越えてマルテンサイトが存在しても構わない。これは、以下の理由による。パーライト、ベイナイト、マルテンサイト組織は、高温で安定なオーステナイトが、パーライト、ベイナイト、マルテンサイトへと変態することで形成される。パーライト組織は、フェライトとオーステナイトの粒界にでき、これがオーステナイト粒内へと成長することから、一旦、フェライトとオーステナイトの粒界にパーライト組織を形成させた後、冷却を行い、粒内に残ったオーステナイトをベイナイト、あるいは、マルテンサイトへと変態させるのであれば、オーステナイトの周囲に存在するフェライトを変形させないことから、パーライト組織と共存するのであれば、存在しても構わない。
フェライト粒内に存在するパーライト組織や鉄系炭化物のサイズは特に限定するものではないが、これらパーライト組織や鉄系炭化物は、焼鈍時のオーステナイト粒から変態したもの、あるいは、熱延板に含まれるパーライト組織が球状化したものであることから、そのサイズは、オーステナイトの粒径を超えることはなく、平均粒径で0.2μm以上になる傾向にある。
これら鋼板組織は、鋼板成分、熱延条件、並びに、連続焼鈍ラインあついは連続溶融亜鉛めっきラインでの製造条件を厳密に制御することで、得ることが出来る。
本発明で得られる鋼板の引張強さTSは540MPa以上720MPa未満である。TSが540MPa未満では、十分な衝突エネルギー吸収能を付与することが困難であるのでこれを下限とする。衝突エネルギー吸収の観点からはTSが高いほうが好ましいが、本鋼板はTSに比較して降伏応力がかなり高いことから、形状凍結不良を初めとする成形不具合が発生しやすくなるので、720MPa未満を上限とする。680MPa未満がより好ましい上限である。
なお、本鋼板は製造段階で、鋼板中に含まれる転位は固着されていることから、固溶CやNを多く含む鋼板で問題となる時効による伸びの劣化や降伏応力の増加は生じ難い。
C:0.04〜0.17%
Cは強化元素である。パーライト組織や鉄系炭化物による高強度化、あるいは、NbやTiと結びついて析出物を形成することで高強度化に寄与する。あるいは、フェライト中の転位を固着することで、降伏応力の増大に寄与する。これら効果は、0.04%未満の添加では得難いことから、0.04%を下限値とする。一方では、0.17%を超える添加はこれら強化が強くなりすぎてしまい成形性の劣化を招くのでこれを上限とする。0.07〜0.14%がより好ましい範囲である。
Si:0.001〜0.6%未満
Siは、固溶強化による降伏応力の増加をもたらすことから添加しても良い。しかしながら、0.6%を超える添加は、焼鈍時に鋼板表面に酸化物を形成し、化成性や溶融亜鉛めっき時に不めっきを招くことから0.6%が上限である。一方で、0.001%未満とすることは、極端な製造コストの増加を招くことから、この値が下限値となる。
Mn:1.2〜1.9%
Mnは、強化元素である。しかし、過剰な添加は、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきライン通板時に、マルテンサイトやベイナイトなどの生成を促進し降伏比の低下をもたらす。これら効果が顕著となるのは、1.9%超であることから、この値を上限とする。一方、Mnが1.2%未満では必要な強度を得ることができないので1.2%を下限とする。1.4%超〜1.8%未満がより好ましい範囲である。
Pは、強化元素である。
Pは鋼板の板厚中央部に偏析する傾向があり、溶接部を脆化させる。0.04%を超えると溶接部の脆化が顕著になるため、その適正範囲を0.04%以下に限定した。Pの下限値は特に定めないが、0.001%未満とすることは、経済的に不利であることからこの値を下限値とすることが好ましい。
S:0.0001〜0.01%
Sは、溶接性ならびに鋳造時および熱延時の製造性に悪影響を及ぼす。このことから、その上限値を0.01%以下とした。Sの下限値は特に定めないが、0.0001%未満とすることは、経済的に不利であることからこの値を下限値とすることが好ましい。また、SはMnと結びついて粗大なMnSを形成することから、穴拡げ性を低下させる。このことから、穴拡げ性向上のためには、出来るだけ少なくする必要がある。
Alは、フェライト形成を促進し、延性を向上させるので添加しても良い。また、脱酸材としても活用可能である。しかしながら、Alは窒化物を形成することで、固溶N量を減じ、固着効果を低減することから、Nを用いた降伏点伸びの制御を行うのであれば、出来るだけ低くする必要がある。また、過剰な添加はAl系の粗大介在物を形成し、表面傷や穴拡げ性の劣化の原因になる。このことから、Al添加の上限を0.1%とした。下限は低いことが望ましいが、0.0001%以下とするのは困難であるのでこれが実質的な下限である。
N:0.0005〜0.010%未満
Nは、転位を固着し、大きな降伏点伸びを得るのに有効であることから、添加することが望ましい。含有量を0.0005%未満では、その効果がほとんど得られないことから、0.0005%以上添加する必要がある。望ましくは、0.0010%以上であり、更に、望ましくは、0.0015%以上である。一方では、粗大な窒化物を形成して曲げ性や穴拡げ性を劣化させ、かつ、溶接時のブローホール発生の原因になることから、含有量を0.01%以下に抑制する必要がある。
Nb及びTiは、本発明において非常に重要である。連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきラインにおいて、フェライトの再結晶を制御することで、大きな降伏点伸びと高い降伏比を得ている。Nb及び/またはTi添加量の合計が0.012%未満であると、再結晶の進行が速すぎることから、フェライト粒径が5μm超となってしまい、大きな降伏点伸びを得ることが出来ない。一方、Nb及び/またはTi添加量の合計が0.052%超になると再結晶の進行が遅いことから、フェライト粒内にパーライトや鉄系炭化物を分散させることが出来ない。また、鋼板中に冷延加工ままの未再結晶フェライトが残り易く、成形性が劣化する。このことから上限値を0.052%とした。0.022〜0.042%がより好ましい範囲である。同時に、Nbは、析出強化、細粒強化による鋼板の高強度化にも寄与することから添加する必要がある。また、Tiは強力な窒化物形成元素であることから、固溶N量を減じ、降伏点伸びを低下させる。このことからNを用いた固着硬化を活用するのであれば、Tiを添加しないことが望ましい。一方では、Alに比較して、Nと優先的に結び付くことで、微細な窒化物を形成し、粗大なAlNの形成を抑制し、曲げ性の劣化を抑制することから、穴拡げ性を向上させる。このことから、Cを用いた固着硬化を活用するのであれば、積極的に添加することが望ましい。
NbやTiを含有する炭化物、窒化物並びに炭窒化合物は、直径1〜20nmの範囲の微細析出物とすることで、顕著な高強度化がもたらされることから、この範囲とすることが望ましい。個数密度に関しては、1立法mmあたり106個以上存在することが望ましい。これら微細化合物の存在密度は、薄膜試料を作成し、高分解能FE−TEM (field-emission transmission electron microscope) で粒子を100個以上測定し、その個数を測定体積で除して求めればよい。同時に、EDX法(エネルギー分散型蛍光X線分析法)を用いることで、化合物の組成を測定することが可能である。化合物は、NbやTi以外の他の元素を含む場合があるが、他の元素を含んでも構わない。
Oは酸化物を形成し、成形性を劣化させることから、含有量を0.010%以下に抑制する必要がある。一方、O含有量の下限は特に定める必要はないが、O含有量を極端に低下させることは多大なコストが必要になるため、経済性の観点から0.001%が実質的な下限になる。
また、これらを主成分とする鋼にB、Ni、Cu、Cr、Mo、W、V、Ca、REM(REMとはLaおよびランタノイド系列の元素を指すものであり、例えば、LaやCe等の系列の元素を指す。)、Mgの一種以上を添加しても良い。
Bは、熱延組織制御を通じた穴拡げ性向上の観点から添加しても良い。熱延板組織がフェライトおよびパーライトよりなる層状組織であると、冷延後の焼鈍を低温で行った場合、層状の未再結晶フェライト、再結晶フェライトおよびパーライト組織よりなる組織となり、延性および穴拡げ性が大幅に低下する。Bを0.0001%以上添加することで、熱延板組織を層状フェライトおよびパーライト組織から、コロニー状に分散するパーライトとフェライト組織、フェライトおよびベイナイト組織、ベイナイト単相組織へと制御することで、冷延及び焼鈍後の穴拡げ性が改善可能であることから、添加しても良い。この効果が顕著となるのは、0.0001%以上であることからこれを下限値とする。一方、Bは焼き入れ性を大幅に向上させ、連続焼鈍ラインや連続溶融亜鉛めっきライン通板後の組織に含まれるマルテンサイトやベイナイトの体積率を向上させることから、降伏点伸びを消失させることから好ましくない。この効果が顕著となるのは、0.001%以上であることから、この値を上限値とする。
Ni:0.01〜0.8%、
Cu:0.01〜0.8%、
Mo:0.01〜0.2%、
W :0.01〜0.2%
Cr、Ni、Cu、Mo並びにWは、Mnと同様に固溶強化や組織強化により、鋼板強度と降伏比を増加させる。ただし、この効果は、0.01%以上でないと得られないことから、下限を0.01%以上とした。また、それぞれの上限値を超える量の添加は、連続焼鈍ラインあるいは連続溶融亜鉛めっきラインでの、パーライト変態の遅延を招き、組織をフェライトおよびマルテンサイトあるいはベイナイト組織とし、降伏比を低下させてしまうことから好ましくない。
Vは炭化物形成元素であることから、NbやTiと同様に、析出強化あるいは細粒強化により、強度と降伏比を高めることが出来るので添加しても良い。この効果は、0.01%以上の添加で顕著になることから、下限値は0.01%である。一方、0.1%を超える過剰な添加はコスト高を招くだけでなく、冷間圧延後の焼鈍時での再結晶の遅延が顕著となり、未再結晶組織となりやすく、延性や穴拡げ性が劣化する。あるいは、再結晶を促進させるために、高温焼鈍が必要となるので好ましくない。
Caは、硫化物の形態制御が可能であることから、穴拡げ性向上のために添加してもよい。この効果は、0.0001%以上の添加で顕著となることから、0.0001%以上添加する必要がある。一方で、0.1%を超える添加は、経済上好ましくないことから、この値が上限となる。
不可避的不純物として、例えばSnやSbなどがあるがこれら元素を合計で0.2%以下の範囲で含有しても本発明の効果を損なうものではない。
熱間圧延に供するスラブは特に限定するものではない。すなわち、連続鋳造スラブや薄スラブキャスターなどで製造したものであればよい。また、鋳造後に直ちに熱間圧延を行う連続鋳造−直接圧延(CC−DR)のようなプロセスにも適合する。
熱延スラブ加熱温度は、鋳造中時に析出したNbやTiの炭窒化物を再溶解させる必要があるので、1140℃以上にする必要がある。この温度が1140℃未満では、粗大なNbやTiの炭窒化合物が溶け残ってしまうため、熱延、あるいは、冷延後の焼鈍時に上述したNbやTiの炭窒化合物を微細化することが困難となるため、再結晶を用いた冷延-焼鈍後の鋼板組織が制御出来ない。また、細粒強化や析出強化の効果が減じることから、540MPa以上の強度確保も困難なためである。一方、鋳造時に形成されるNbやTiの炭窒化合物は粗大であることから、溶け残りが存在すると、穴拡げや曲げ成形の際の亀裂形成の起点となり、これら特性を劣化させることから好ましくない。したがってこれを下限とする。上限は特に定めることなく、本発明の効果は発揮されるが、加熱温度を過度に高温にすることは、経済上好ましくないことから、加熱温度の上限は1300℃未満とすることが望ましい。
圧下率85%未満の圧延では組織を十分に微細化することは困難であり、熱延組織が粗大なフェライトよりなる組織となってしまう。このことから、冷延-焼鈍後に、フェライト中にパーライトや鉄系炭化物を高密度に分散させることが出来ず大きな降伏点伸びと高い降伏比が得られない。一方、98%を超える圧延は、設備にとって過大な付加となるのでこれを上限とする。90〜94%がより好ましい圧下率である。
巻き取り温度は400℃以上660℃以下にする必要がある。660℃を超えると熱延組織中に粗大な層状のフェライトやパーライト組織が存在するため、焼鈍後の組織不均一性が大きくなり、フェライト粒径を5μm以下にすることが出来ない、あるいは、製品板においてもパーライト組織や鉄系炭化物が不均一に存在することから、フェライト粒内にパーライトあるいは鉄系炭化物を分散させ難く、大きな降伏点伸びが得難いためである。加えて、不均一な組織は穴拡げ性の劣化をもたらすことからも、好ましくない。更には、焼鈍後の組織を微細にして穴拡げ性を向上させる観点からは600℃以下で巻き取ることがより好ましい。巻き取り温度が400℃を下回ると、熱延板強度が高くなり、冷延荷重が大きくなりすぎてしまうことから冷延が困難になる。このことから、巻き取り温度の下限は、400℃とすることが望ましい。
このようにして製造した熱延鋼板に、必要に応じて酸洗を行っても良い。酸洗は鋼板表面の酸化物の除去が可能であることから、めっき性向上のためには重要である。酸洗は、インラインで行っても良いし、オフラインで行っても良い。また、一回の酸洗を行っても良いし、複数回に分けて酸洗を行っても良い。
この温度域での熱処理時間は特に限定しないが、再結晶を促進させるため、10秒以上の熱処理を行うことが望ましい。一方、熱処理時間が600秒超となると、コストの上昇を招くことから経済的に好ましくない。熱処理についても、最高加熱温度にて等温保持を行っても良いし、傾斜加熱を行い最高加熱温度に到達した後、直ちに、冷却を開始したとしても、本発明の効果は発揮される。
また、めっき密着性をさらに向上させるために、焼鈍前に鋼板に、Ni、Cu、Co、Feの単独あるいは複数より成るめっきを施しても本発明を逸脱するものではない。
熱処理後のスキンパス圧延の圧下率は、上記と同様の理由で、0.2〜0.8%の範囲とする。
なお、本冷延鋼板を電気めっきしても鋼板の有する引張強度、成形性、溶接性を何ら損なうことはない。すなわち、本発明鋼板は電気めっき用素材としても好適である。
また、本発明の加工性に優れた高強度高延性溶融亜鉛めっき鋼板の素材は、通常の製鉄工程である精錬、製鋼、鋳造、熱延、冷延工程を経て製造されることを原則とするが、その一部を省略して製造されるものでも、本発明に係わる条件を満足する限り、本発明の効果を得ることができる。
次に、本発明を実施例により詳細に説明する。
表1に示す成分を有するスラブを、1230℃に加熱し、表2に示す条件で、圧下率93%で仕上げ熱延温度800〜1050℃にて熱間圧延を行い、冷却を行い、巻き取り処理を行った。熱延板を酸洗した後、厚み3.0mmの熱延板を1.2mmまで冷延を行い、冷延板とした。
その後、これらの冷延板に表2、表3に示す条件で焼鈍熱処理を行い、620℃〜740℃間を平均加熱速度0.1〜50℃/秒にて加熱し、630〜870℃で焼鈍を行った後、630℃〜570℃間を0.1〜85℃/秒で冷却し、各温度にて付加的な熱処理を250秒間行い、その後室温まで冷却した。最後に、得られた鋼板について0.4%の圧下率でスキンパス圧延を行った。
一部の鋼板については、上記と同様の手法で冷延まで行い、連続合金化溶融亜鉛めっき設備にて、熱処理と溶融亜鉛めっき処理を施した。加熱条件および焼鈍温度は、上記と同様の条件とし、焼鈍の後、630℃−570℃間を冷却し、その後、亜鉛めっき浴に通板し、室温まで10℃/秒の冷却速度で室温まで冷却した。合金化処理を行うものについては、亜鉛めっき浴に通板の後、480〜600℃で30秒の合金化処理を行い、室温まで10℃/秒の冷却速度で室温まで冷却し、最後に、得られた鋼板について0.4%の圧下率でスキンパス圧延を行った。一部の鋼板については、めっき処理に引き続き合金化処理を行った。その際の目付け量としては、両面とも約45g/m2とした。めっき後の鋼板に、0.4%スキンパス圧延を施した。
鋼板のミクロ組織の種類及び体積率は、ナイタール試薬及び特開59−219473号公報に開示された試薬により鋼板圧延方向断面又は圧延方向直角方向断面を腐食して、1000倍の光学顕微鏡並びに1000〜10000倍のSEM及びTEMにより測定した。各試料において20視野以上の観察を行った。また体積率は、ポイントカウント法や画像解析により各組織の面積率を求めることにより特定した。
得られた鋼板について、圧延方向に直角方向にJIS5号試験片を採取し、引張試験を行い、YS、TS、El、YP-Elを測定した。なお、本条件内で製造されたものは、大きな降伏点伸びが観察され、一方、本条件を外れるものは、降伏点伸びが表れない。このことから、YSの測定にあたっては、降伏点伸びが観察されるものは上降伏点を、降伏点伸びが観察されないものは、0.2%耐力をそれぞれ降伏応力とした。
得られためっき鋼板のめっきの付着量は、めっきをインヒビター入りの塩酸で溶解し、重量法により測定した。めっき中のFe%は、めっきをインヒビター入りの塩酸で溶解し、ICPにより測定して求めた。
○:不めっき部分なし
△:不めっき部分若干あり
×:不めっき部分多数あり
一方、鋼番号A-3、10、B−10は、660〜740℃での加熱速度が、25℃/秒以上と本発明の範囲を外れることから、フェライト粒内に所定の量のパーライト、及び、鉄系炭化物を分散させることが出来ないことから、0.5%以上の降伏点伸びを得ることが出来ず、衝突エネルギー吸収能に劣る。加えて、成形性にも劣る。
鋼番号A-5、C-2は、630〜570℃間の冷却速度が85℃/秒と本発明の範囲を外れることから、マルテンサイト及びベイナイト組織となり、0.5%以上の大きな降伏点伸びと高い降伏応力を確保出来ず、衝突エネルギー吸収能に劣る。
鋼番号A-10は、焼鈍温度が630℃と本発明の範囲を外れることから、再結晶がほとんど進行しないことから、降伏比は高いものの、強度が非常に高く、成形性に劣る。
鋼番号A-12は、熱間圧延での仕上げ圧延温度が1050℃と高く、熱延板が粗大なフェライトとパーライトよりなる組織になってしまい、冷延焼鈍を施したとしても、大きな降伏比と高い降伏応力を得ることができず、衝突エネルギー吸収能に劣る。
鋼番号A-15、B−8は、巻き取り温度が700℃以上と高く、熱延組織が粗大なフェライト及びパーライト組織となり、焼鈍後のフェライト粒径を5μm以下とすることが出来ない。また、巻き取り温度が高いことから、含まれるNbやTiの析出物も大きく、析出強化による高強度化の効果が得難いことから、引張最大応力を540MPa以上とすることが出来ない。
鋼番号H-1〜4及び鋼番号L−1〜3は、Nb及びTi添加量が、それぞれ0.042%及び0.051%、あるいは、Ti添加量が0.079%と高いことから、再結晶が極めて遅く、焼鈍条件が本発明の範囲にあったとしても、強度が高く成形性に劣る。
鋼番号J-1〜3は、Nb及びTiを含まないことから、フェライト粒径を5μm未満とすることが出来ず、また、フェライト粒内にパーライト並びに鉄系炭化物を分散させることが出来ないことから、降伏比が低く、衝突エネルギー吸収能に劣る。また、Si含有量が多いことから、不めっきが発生し、外観が悪い。
鋼番号K-1は、C含有量が0.002%と非常に低いことから、引張最大強度を540MPa以上とすることが出来ない。
Claims (12)
- 質量%で、
C :0.04%〜0.17%、
Si:0.001〜0.60%未満、
Mn:1.2〜1.9%、
P :0.001〜0.04%未満、
S :0.0001〜0.01%、
Al:0.10%以下、
N :0.0005〜0.010%、
O:0.002〜0.010%
を含有し、更に、NbもしくはTiのいずれか一方あるいは両方を、合計で0.012〜0.052%含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼であり、鋼板組織が主として平均粒径5μm以下のフェライトとパーライトまたは/および鉄系炭化物からなり、フェライト粒内に含まれるパーライトまたは/および鉄系炭化物が、1平方mmあたり3500個以上存在し、引張最大強さ(TS)が540MPa以上720MPa未満であり、かつ降伏点伸びが0.5%以上4.5%未満であることを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板。 - さらに、質量%で、
B:0.0001〜0.001%未満、
を含有することを特徴とする請求項1に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板。 - さらに、質量%で、
Cr:0.01〜0.8%、
Ni:0.01〜0.8%、
Cu:0.01〜0.8%、
Mo:0.01〜0.2%、
W :0.01〜0.2%
の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板。 - さらに、質量%で、
V:0.001〜1%
を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板。 - さらに、質量%で、Ca、REM、Mgの1種または2種以上を合計で0.0001〜0.2%含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板。
- 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化学成分からなる鋼板の表面に、
Fe:5%未満
を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき層を有することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の化学成分からなる鋼板の表面に、
Fe:5〜20%
を含有し、残部がZn及び不可避的不純物からなるめっき層を有することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板。 - 請求項1乃至5の何れか一項に記載の化学成分からなる鋳造スラブを直接又は一旦冷却した後、1140℃以上に加熱し、仕上圧延温度860℃〜940℃間を85%以上の圧下率で熱間圧延を行ったのち、800〜720℃間を冷却速度30℃/秒以上で冷却し、660℃以下400℃以上で巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施し、連続焼鈍ラインを通板するにあたって、660〜740℃間での加熱速度を9℃/秒以下で加熱し、最高加熱温度700〜830℃で焼鈍した後、630℃〜570℃間を平均冷却速度45℃/秒以下で、450℃〜250℃間の温度域で30秒以上保持し、室温まで冷却することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の化学成分からなる鋳造スラブを直接又は一旦冷却した後、1140℃以上に加熱し、仕上圧延温度860℃〜940℃間を85%以上の圧下率で熱間圧延を行ったのち、800〜720℃間を冷却速度30℃/秒以上で冷却し、660℃以下400℃以上で巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施し、溶融亜鉛めっきラインを通板するにあたって、660〜740℃間での加熱速度を9℃/秒以下で加熱し、最高加熱温度700〜830℃で焼鈍した後、630℃〜570℃間を平均冷却速度45℃/秒以下で、(亜鉛めっき浴温度―40)℃〜(亜鉛めっき浴温度+50)℃まで冷却した後、亜鉛めっき浴に浸漬し、室温まで冷却することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
- 請求項1乃至5の何れか一項に記載の化学成分からなる鋳造スラブを直接又は一旦冷却した後、1140℃以上に加熱し、仕上圧延温度860℃〜940℃間を85%以上の圧下率で熱間圧延を行ったのち、800〜720℃間を冷却速度30℃/秒以上で冷却し、660℃以下400℃以上で巻き取り、酸洗後、圧下率40〜70%の冷延を施し、溶融亜鉛めっきラインを通板するにあたって、660〜740℃間での加熱速度を9℃/秒以下で加熱し、最高加熱温度700〜830℃で焼鈍した後、630℃〜570℃間を平均冷却速度45℃/秒以下で、(亜鉛めっき浴温度―40)℃〜(亜鉛めっき浴温度+50)℃まで冷却した後、亜鉛めっき浴に浸漬し、460〜600℃の温度範囲で3秒以上保持した後、室温まで冷却することを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
- 請求項8の方法で冷延鋼板を製造したのち、亜鉛系の電気めっきを施すことを特徴とする請求項1乃至7に記載の降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
- 請求項8乃至11の高強度鋼板に、スキンパス率0.2〜0.8%のスキンパス圧延を行うことを特徴とする降伏点伸びを制御した高強度鋼板の製造方法。
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