JP2006274378A - 高降伏比高強度冷延鋼板と高降伏比高強度溶融亜鉛めっき鋼板及び高降伏比高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板並びにそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の高降伏比高強度冷延鋼板は、質量%で、C:0.028%超〜0.044%未満、Si:0.8%未満、Mn:1.9〜2.3%、P:0.001〜0.035%、S:0.0001〜0.013%、Al:0.1%以下、N:0.0001〜0.008%、Ti:0.012%〜0.029%、Nb:0.029〜0.042%、Mo:0.05〜0.25%、B:0.0008〜0.0038%を含有し、残部が鉄および不可避不純物からなる。
【選択図】 なし
Description
車体骨格用の鋼板として、まず重要な性能はスポット溶接性である。車体骨格部材は衝突時に衝撃を吸収することによって、搭乗者を保護する役割を担っている。したがって、スポット溶接部の強度が十分でないと、衝突時に破断し、十分な衝突エネルギー吸収性能を得ることができない。
従来、溶接性を考慮した高強度鋼板が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1、2参照)。
降伏比が高い材料は、衝突の際のエネルギー吸収能に優れている。高い降伏比を得るためには組織をベイナイト化することが有用であり、ベイナイト組織を主相とする鋼板及びその製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
高強度鋼板が熱延鋼板の場合は、析出強化を有効に活用することができるため、高降伏比と良延性とを両立させることは、それほど困難ではない(例えば、特許文献4参照)。
一方、高強度鋼板が冷延鋼板の場合は、析出によって高強度化することは難しく、高降伏比と良延性とを両立させることは、非常に困難である。
例えば、穴拡げ性については、主相をベイナイトとして穴拡げ性を向上させ、さらには張り出し性成形性についても、第2相に残留オーステナイトを生成させることで現行の残留オーステナイト鋼並の張り出し性を有する鋼が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
さらには、Ms温度以下にてオーステンパ処理を施すことで、体積率2〜3%の残留オーステナイトを生成させると、「引張り強度」と「穴拡率」の積が最大となることも提案されている。
また、穴拡げ性と延性の双方の特性に優れた鋼板も提案されている(例えば、特許文献5参照)。
また、降伏比については、衝突エネルギーを吸収するという観点では、高い方が有利であるが、あまり高すぎるとプレス成形時の形状凍結性が劣化するので、0.83未満とすることが実用上重要であり、これを確保するためにCと共に重要な役割を担う元素がNb、Ti、Mo、Bの4元素で、特にTi、Nbの添加量を狭い範囲で厳密に管理することが非常に重要であり、これによって、高降伏比かつ良延性を確保できることを見出した。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その要旨とするところは以下の通りである。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために詳細に説明するものであるから、特に指定の無い限り、本発明を限定するものではない。
Cの含有量を0.028質量%超〜0.044質量%未満と限定したのは、Cが高強度化に有効な元素であるので0.028%超の添加が必要だからである。一方、0.044質量%以上となると、高降伏比と良延性とを両立させることが困難で、自動車の車体骨格用部品の成形時に不具合が生じたり、鋼板製造時に生産性が劣化したりする場合がある。
Cの含有量の好ましい範囲は、0.032質量%以上〜0.040質量%未満である。
Mnの含有量のより好ましい範囲は、2.0質量%〜2.3質量%である。
Nb:0.029〜0.042質量%
Mo:0.05〜0.25質量%
B :0.0008〜0.0038質量%
これら4種類の元素は本発明において重要な元素であり、これら4種類の元素の含有量を上記のように狭い範囲に限定した理由は、これら4種類の元素を同時に添加することによって、高降伏比が得られ、かつ車体骨格部品に成形加工するのに必要な延性を初めて確保できることが明らかとなったからである。
Ti:0.016質量%〜0.025質量%
Nb:0.033質量%〜0.040質量%
Mo:0.08質量%〜0.19質量%
B :0.0016質量%〜0.0025質量%。
降伏比(YR)が0.70以下では、十分な衝突安全性を確保できない場合があるからである。一方、0.83以上では、成形時の形状凍結性が劣化し、また、延性の確保も困難となるので、上限を0.83未満とする。この降伏比(YR)のより好ましい範囲は0.72〜0.79、さらに好ましい範囲は0.73〜0.77である。
なお、降伏比は、日本工業規格JIS Z 2201「金属材料引張試験片」に規定された圧延方向と垂直方向を引張方向とする引張試験片により評価する。
ここで、上記の結晶粒の相は、特に限定しないが、主としてフェライト、ベイナイト、マルテンサイト、オーステナイトの他、これらに炭化物等の析出物を含有するもので構成される。
すなわち、通常の鋼板では、散り発生を伴う溶接を行うと、CTSが大きく低下したり、あるいはCTSのばらつきが大きくなったりするのに対し、本発明の鋼板では、CTSの低下率やばらつきが小さい。
このCTSの最低値の好ましい値は0.8以上、さらに好ましい値は0.9以上である。
なお、CTSは、日本工業規格JIS Z 3137「抵抗スポット及びプロジェクション溶接継手の十字引張試験片寸法及び試験方法」に規定された方法に準拠して評価する。
さらに、質量%で、Cr:0.01%〜0.8%を含有してなることが好ましい。
Crは、高強度化に有効であるほか、炭化物生成の抑制とベイナイトおよびベイニティックフェライト生成を通じて曲げ性や穴拡げ性を向上させる。また、高強度化に対する効果の割には溶接性の劣化が小さい元素でもあるので、必要に応じて添加するのが好ましい。
含有量が0.01質量%未満では、顕著な効果が得られないので、0.01質量%を下限とし、一方、含有量が0.8質量%を超えると、コストアップとなるだけでなく、加工性やめっき性に悪影響を及ぼすため、0.8質量%を上限とした。この含有量の好ましい範囲は、0.2質量%〜0.5質量%である。
さらに、質量%で、Ni:0.01〜2.0%、Cu:0.001〜2.0%の群から選択された1種または2種を含有してなることが好ましい。
本発明の鋼板でCu、Niを添加する目的は、強度−穴拡げ性バランスに悪影響を与えずにめっき性を向上させることである。
Cuは、めっき性向上以外に強度向上の目的もあるので、0.001質量%以上含有することとし、一方、2.0質量%を超える量の添加では、加工性やリサイクル性に悪影響を及ぼすからである。
さらに、質量%で、Co:0.01〜1%、W:0.01〜0.3%の群から選択された1種または2種を含有してなることが好ましい。
Coは、ベイナイト変態制御による強度−穴拡げ性(および曲げ性)の良好なバランスのため、含有量の下限を0.01質量%とした。一方、1%を越えた場合、強度−穴拡げ性(および曲げ性)のバランスが飽和してしまい、また、高価な元素であるため多量添加は経済性を損なうため、1質量%以下が好ましい。
Wは、0.01質量%以上で強化効果が現れる。ここで、0.3質量%を上限としたのは、これを超える量の添加では、加工性に悪影響を及ぼすからである。
さらに、質量%で、Zr、Hf、Ta、Vの群から選択された1種または2種以上を合計で0.001〜1%含有してもよい。
これらZr、Hf、Ta、Vは強炭化物形成元素であるから、これらを合計で0.001%以上含有することにより、強度と穴拡げ性とのバランスのさらなる向上を図ることが可能である。
一方、これらの添加は、延性や熱間加工性の劣化を招くことから、これらの含有量の合計の上限を1質量%とする。
さらに、質量%で、Ca、Mg、La、Y、Ceの群から選択された1種または2種以上を合計で0.0001〜0.5%含有してもよい。
これらCa、Mg、La、Y、Ceは、適量添加により介在物制御、特に微細分散化に寄与することから、これらの1種または2種以上の含有量を合計で0.0001質量%以上とした。一方、過剰添加は鋳造性や熱間加工性などの製造性および鋼板製品の延性を低下させるため、0.5質量%を上限とした。
さらに、質量%で、希土類元素のうちLa、Y及びCeを除いた元素、すなわち、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの群から選択された1種または2種以上を合計で0.0001〜0.5%含有してもよい。
これらLa、Y、Ce以外の希土類元素(REM)も適量添加することにより、介在物制御、特に微細分散化に寄与することから、含有量の下限を0.0001質量%とした。一方、過剰添加はコストアップを伴うほか、鋳造性や熱間加工性などの製造性および鋼板製品の延性を低下させるため、含有量の上限を0.5質量%とした。
本発明の高降伏比高強度冷延鋼板では、Oは特に限定しないが、適量を含有すると曲げ性や穴拡げ性を改善する効果がある。一方、多すぎると逆にこれらの特性を劣化させる。したがって、Oの含有量は0.0005質量%〜0.004質量%の範囲とするのが好ましい。
また、この高降伏比高強度溶融亜鉛めっき鋼板に合金化処理を施せば、高降伏比高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板となる。
これらの鋼板の製造方法については、後述する。
この製造方法は、本発明の高降伏比高強度冷延鋼板の鋼成分からなる鋳造スラブを直接または一旦冷却した後に1130℃以上に加熱し、次いで、Ar3変態温度以上の温度にて熱間圧延を施し、その後、750℃以下の温度にて取り出し、次いで、圧下率35〜85%の冷間圧延を施し、次いで、最高加熱温度が740℃以上950℃以下の温度範囲にて連続焼鈍を施す製造方法である。
また、上記の熱処理を施した後、圧下率0.1%以上のスキンパス圧延を施してもよい。
鋳造法も特に限定するものではなく、通常の連続鋳造法、インゴット法、薄スラブ鋳造法等により製造すればよい。
鋳造スラブを一旦冷却し再加熱してから熱間圧延を施しても良いし、冷却せずに直接熱間圧延を行っても良い。ここで、鋳造スラブの温度が1130℃未満となった場合には、再度加熱して1130℃以上とする。
鋳造スラブの温度が1130℃未満では、偏析などの影響で製品の曲げ性や穴拡げ性が劣化するので、1130℃を下限とする。この鋳造スラブの好ましい温度は1150℃以上、より好ましい温度は1210℃以上である。
熱間圧延後は750℃以下で取り出し、巻き取る。この温度が750℃より高くなると、得られた熱間圧延鋼板の金属組織中にフェライトやパーライトが多量に生成するため、最終製品の組織が不均一となり、曲げ性や穴拡げ性が低下する。
この取り出し温度、すなわち、巻き取り温度は、650℃以下が好ましく、600℃以下であればより好ましい。
下限は特に定めないが、室温以下とするのは困難であるため、室温を下限とすることが好ましい。
このようにして製造した熱間圧延鋼板に必要に応じて酸洗、スキンパス圧延を行っても良い。また、スキンパス圧延では、形状矯正、強度調整等のため4.0%まで圧延を行っても良い。ここでは、4.0%を超えるとスキンパス圧延機の負荷が大きくなるので、4.0%を圧延の上限とする。また、圧延率が0.1%未満では、スキンパス圧延の効果が小さく、制御も困難なので、0.1%を下限とする。スキンパス圧延はインラインで行っても良く、オフラインで行っても良い。また、一度に目的の圧下率のスキンパス圧延を行っても良く、数回に分けて行っても構わない。
酸洗した熱間圧延鋼板を圧下率35〜85%で冷間圧延し、連続焼鈍ラインまたは連続溶融亜鉛めっきラインに通板する。ここで、冷間圧延の圧下率が35%未満では、形状を平坦に保つことが困難である。また、最終製品の延性が劣悪となるのでこれを下限とする。一方、冷間圧延の圧下率を85%以上とすると、冷間圧延の荷重が非常に大きくなり、生産性を阻害する。この冷間圧延の圧下率の好ましい範囲は40〜70%である。
この熱処理の温度は、100℃未満では熱処理の効果が小さく、一方、550℃を超えると、粗大な析出物の生成によりむしろ曲げ性が劣化する場合がある。また、経済的にも不利となるので、550℃を上限とする。
この熱処理の好ましい温度範囲は、200〜450℃の範囲である。
熱処理後のスキンパス圧延の圧下率は、上記と同じ理由により0.1%以上とする。降伏比を高め、延性を良好に保つには、圧下率を0.7%以上〜2.0%以下の範囲にすることが好ましい。熱処理の後、各種めっきを施しても構わない。
この製造方法は、本発明の高降伏比高強度冷延鋼板の鋼成分からなる鋳造スラブを直接または一旦冷却した後に1130℃以上に加熱し、次いで、Ar3変態温度以上の温度にて熱間圧延を施し、その後、750℃以下の温度にて取り出し、次いで、圧下率35〜85%の冷間圧延を施し、次いで、最高加熱温度が740℃以上950℃以下の温度範囲にて連続焼鈍を施し、次いで、亜鉛めっき浴温度より40℃低い温度から前記亜鉛めっき浴温度より50℃高い温度までの温度範囲に冷却し、その後、亜鉛めっき浴に浸漬する方法である。
また、上記の合金化処理を施した後、圧下率0.1%以上のスキンパス圧延を施してもよい。
最高加熱温度到達後のめっき浴浸漬前の冷却終点温度は、亜鉛めっき浴温度より40℃低い温度から前記亜鉛めっき浴温度より50℃高い温度までの温度範囲、すなわち、「亜鉛めっき浴温度−40」℃〜「亜鉛めっき浴温度+50」℃とする。
この冷却終点温度が「亜鉛めっき浴温度−40」℃より低くなると、降伏比が0.70を下回る場合があるばかりでなく、めっき浴浸入時の抜熱が大きいことなどの操業上の問題もある。また、冷却終点温度が「亜鉛めっき浴温度+50」℃より高くなると、めっき浴温度上昇に伴う操業上の問題を誘発する。亜鉛めっき浴は、必要に応じて亜鉛以外の元素を含有しても構わない。
合金化処理を行う場合には、460℃以上で行う。合金化処理温度が460℃未満であると、合金化の進行が遅く、生産性が悪くなる。この合金化処理温度の上限は特に限定しないが、620℃より高くなると、パーライト変態を生ずる場合があり、降伏比が低下したり、曲げ性や穴拡げ性が劣化したりするので、620℃が実質的な上限である。
また、上記の溶融亜鉛めっき鋼板に0.1%以上のスキンパス圧延を施してもよい。降伏比を高め、延性を良好に保つには、0.7%以上〜2.0%以下のスキンパス圧延を施すことが好ましい。
本発明の高降伏比高強度冷延鋼板は、ホットプレスにも適合する。すなわち、本鋼板を600℃以上の温度に加熱後、プレス成形することによって降伏比の高い成形品を得ることができ、その後の溶接性にも優れている。
また、本発明の高降伏比高強度冷延鋼板は耐水素脆性にも優れている。
「実験例1」
転炉により、表1に示す様々な組成の鋼スラブを溶製し、次いで、これらの鋼スラブを1240℃に加熱し、Ar3変態温度以上である約900℃にて熱間圧延を完了し、その後、550℃まで冷却して厚さ2.8mmの鋼帯とし、巻き取り装置を用いて所定の巻き取り速度にて巻き取った。
次いで、これらの鋼帯を酸洗後、冷間圧延によって板厚を1.2mmとし、引き続き表2に示す条件にて熱処理を行った。
この熱処理では、表2に示す最高到達温度(最高加熱温度)にて90秒間保持し、次いで、(最高到達温度−130)℃まで5℃/秒の冷却速度にて冷却した。その後、続く付加的な熱処理温度までは40℃/秒の冷却速度にて冷却し、この付加的な熱処理を約350秒間行った。
ここでは、引張特性として、引張最高強度(TS)、降伏強度(YS)、降伏比(YR)の3点を評価した。なお、表中、「El」は全伸びである。
次いで、スキンパス圧延を施した鋼板に対してスポット溶接を実施した。
電極(ドーム型):先端径6mmφ
加圧力:4.3kN
溶接電流:散り発生直前の電流(CE)および(CE+1.5)kA
溶接時間:15サイクル
保持時間:10サイクル
ここでは、溶接電流をCEとする溶接を10回行ったときのCTSの最低値を1としたとき、溶接電流を散り発生領域である(CE+1.5)kAとする溶接を10回行ったときのCTSの最低値が0.85未満を「×」、0.85以上0.95未満を「○」、0.95以上を「◎」とした。
すなわち、ポンチ先端部の曲率半径を0.5mmから5.0mmまで0.5mm間隔にて曲げ試験を行い、割れ発生のない最小曲げ半径を「限界曲げ半径」とした。
これらの試験結果を表2に示す。
表1に示す様々な組成の鋼スラブに対して「実験例1」と同様にして冷間圧延まで行い、連続合金化溶融亜鉛めっき設備にて熱処理と溶融亜鉛めっきを施した。
熱処理は、加熱速度15℃/秒にて700℃まで昇温させ、次いで、約100秒間で最高到達温度まで昇温させた。このとき、最高到達温度(最高加熱温度)を表3に示す様に種々変化させた。その後、1℃/秒の冷却速度で「最高到達温度−30」℃まで冷却し、次いで、90秒間で460℃まで冷却した。
めっきの目付け量は両面とも約55g/m2とした。また、スキンパス圧延における圧下率は0.8%とした。
「めっき性」
○:不めっきなし
△:不めっき若干あり
×:不めっき多い
「合金化反応性」
○:表面外観に合金化ムラなし
△:表面外観に合金化ムラ若干あり
×:表面外観に合金化ムラ多い
これらの試験結果を表3に示す。
表1におけるNo.1−1、1−2、4−1、4−2、6−1、6−2のそれぞれの鋼板について実験例2と同様にしてめっき槽への浸漬まで行った後、室温(25℃)まで空冷した。めっきの目付け量は両面とも約50g/m2とした。また、スキンパス圧延の圧下率は0.7%とした。
Claims (17)
- 質量%で、C:0.028%超〜0.044%未満、Si:0.8%未満、Mn:1.9〜2.3%、P:0.001〜0.035%、S:0.0001〜0.013%、Al:0.1%以下、N:0.0001〜0.008%、Ti:0.012%〜0.029%、Nb:0.029〜0.042%、Mo:0.05〜0.25%、B:0.0008〜0.0038%を含有し、
残部が鉄および不可避不純物からなることを特徴とする高降伏比高強度冷延鋼板。 - さらに、質量%で、Cr:0.01〜0.8%を含有してなることを特徴とする請求項1記載の高降伏比高強度冷延鋼板。
- さらに、質量%で、Ni:0.01〜2.0%、Cu:0.001〜2.0%の群から選択された1種または2種を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の高降伏比高強度冷延鋼板。
- さらに、質量%で、Co:0.01〜1%、W:0.01〜0.3%の群から選択された1種または2種を含有してなることを特徴とする請求項1、2または3記載の高降伏比高強度冷延鋼板。
- さらに、質量%で、Zr、Hf、Ta、Vの群から選択された1種または2種以上を合計で0.001〜1%含有してなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の高降伏比高強度冷延鋼板。
- さらに、質量%で、Ca、Mg、La、Y、Ceの群から選択された1種または2種以上を合計で0.0001〜0.5%含有してなることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の高降伏比高強度冷延鋼板。
- さらに、質量%で、希土類元素のうちLa、Y及びCeを除いた元素を1種または2種以上を合計で0.0001〜0.5%含有してなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項記載の高降伏比高強度冷延鋼板。
- 降伏比が0.70超〜0.83未満、かつ、引張最高強度が780MPa以上〜900MPa未満であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項記載の高降伏比高強度冷延鋼板。
- 前記鋼板の金属組織中に、アスペクト比が3以上の圧延方向に伸びた結晶粒、粒径が3μm未満の結晶粒、粒径が3μm未満でありアスペクト比が3以上の圧延方向に伸びた結晶粒、のいずれかを20〜80%の面積率にて含有してなることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項記載の高降伏比高強度冷延鋼板。
- 請求項1ないし9のいずれか1項記載の高降伏比高強度冷延鋼板の表面に溶融亜鉛めっきが施されていることを特徴とする高降伏比高強度溶融亜鉛めっき鋼板。
- 請求項10記載の高降伏比高強度溶融亜鉛めっき鋼板に合金化処理が施されていることを特徴とする高降伏比高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板。
- 請求項1ないし7のいずれか1項記載の鋼成分からなる鋳造スラブを直接または一旦冷却した後に1130℃以上に加熱し、次いで、Ar3変態温度以上の温度にて熱間圧延を施し、その後、750℃以下の温度にて取り出し、次いで、圧下率35〜85%の冷間圧延を施し、次いで、最高加熱温度が740℃以上950℃以下の温度範囲にて連続焼鈍を施すことを特徴とする高降伏比高強度冷延鋼板の製造方法。
- 前記連続焼鈍を施した後、100〜550℃の温度範囲にて60秒以上保持する熱処理を施すことを特徴とする請求項12記載の高降伏比高強度冷延鋼板の製造方法。
- 前記熱処理を施した後、圧下率0.1%以上のスキンパス圧延を施すことを特徴とする請求項13記載の高降伏比高強度冷延鋼板の製造方法。
- 請求項1ないし7のいずれか1項記載の鋼成分からなる鋳造スラブを直接または一旦冷却した後に1130℃以上に加熱し、次いで、Ar3変態温度以上の温度にて熱間圧延を施し、その後、750℃以下の温度にて取り出し、次いで、圧下率35〜85%の冷間圧延を施し、次いで、最高加熱温度が740℃以上950℃以下の温度範囲にて連続焼鈍を施し、次いで、亜鉛めっき浴温度より40℃低い温度から前記亜鉛めっき浴温度より50℃高い温度までの温度範囲に冷却し、その後、亜鉛めっき浴に浸漬することを特徴とする高降伏比高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 高降伏比高強度溶融亜鉛めっき鋼板に合金化処理を施してなる高降伏比高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、
請求項15記載の亜鉛めっき浴に浸漬した後、460℃以上の温度にて合金化処理を施すことを特徴とする高降伏比高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 前記合金化処理を施した後、圧下率0.1%以上のスキンパス圧延を施すことを特徴とする請求項16記載の高降伏比高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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