JP2018168332A - グリース組成物、転がり軸受、およびハブベアリング - Google Patents

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Abstract

【課題】せん断を受けると確実に粘度が低下してトルクの低減を図ることができ、かつ、挙動がチャーニング性となり潤滑不良を抑制できるグリース組成物、および、これを封入した転がり軸受とハブベアリングを提供する。【解決手段】転がり軸受1は、グリース組成物7が転動体4の周囲に封入されてなり、このグリース組成物7は、基油と増ちょう剤とを含み、基油は、鉱油および合成油から選ばれる少なくとも1種からなり、増ちょう剤は、第1の増ちょう剤である芳香族ジウレア化合物と、第2の増ちょう剤であるそれ以外の化合物とからなり、該グリース組成物全体に対して第1の増ちょう剤と第2の増ちょう剤との合計量で5〜30質量%含まれ、該グリース組成物は、未混和ちょう度が170〜400であり、粘度測定によるひずみ−せん断粘度のプロットの近似式における粘度変化指数が所定の関係式などを満たすものである。【選択図】図1

Description

本発明はグリース組成物に関する。また、このグリース組成物を封入した転がり軸受とハブベアリングに関する。
軸受を油で潤滑できない場合、潤滑系統をメンテナンスフリーにする場合などでは軸受内部にグリースを充填し、シールまたはシールドを装着して使用する。グリース潤滑にすることにより、(1)軸受を取り扱いやすくなる、(2)シール構造が簡素化できる、(3)環境汚染を抑制できる、といった利点がある。一方、基油の動粘度が潤滑油と同程度の場合、潤滑油に比べて粘性が大きいため、軸受のトルクが上昇する欠点がある。軸受の低トルク化は、省エネの観点から常に求められている課題である。使用用途は主に自動車のハブベアリング、電装補機用軸受、工作機用軸受などである。ハブベアリングは、自動車の車両用軸受であり、軸受の周辺部品であるハブ輪やハウジングとユニット化することで、部品点数の削減と軽量化を図ったものである。ハブベアリング(第二世代以降)では、S53Cなどの機械構造用炭素鋼(軌道部には高周波熱処理)が用いられているが、合金成分が少なく表面強度が弱いため、剥離問題などを抑制すべく潤滑仕様が重要となる。
従来、自動車のハブベアリング用グリースとして、基油に鉱油または合成油を用い、増ちょう剤に脂肪族ジウレア化合物、脂肪族−脂環式ジウレア化合物、脂環式ジウレア化合物の混合物を用い、これにMoDTCやCaスルフォネートを添加したグリースが提案されている(特許文献1参照)。
また、摩擦抵抗を低減する目的で、グリースにポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどを添加したグリースが提案されている(特許文献2参照)。
特開2011−178824号公報 特開2016−50234号公報
特許文献1では、せん断によるグリースの粘度低下を考慮していない。たいていのグリースは、せん断を受ければ粘度低下するものの、それを積極的に狙った配合にしていないため、十分な粘度低下を見込めず、軸受のトルクが低下しにくい可能性がある。特許文献2には、各種ワックスを添加しているが、せん断によるグリースの粘度低下には着目しておらず、実際に粘度は低下しない。
また、グリースの挙動には、常に転動体と軌道面にグリースが厚く存在するチャーニング性と、グリースが排除されて転動体と軌道面に薄くしか存在しないチャンネリング性とがある。チャンネリング性の場合、低トルクになりやすいが、潤滑剤の量が少ないため潤滑不良のおそれがある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、転がり軸受やハブベアリングに封入して使用した際に、せん断を受けると確実に粘度が低下してトルクの低減を図ることができ、かつ、挙動がチャーニング性となり潤滑不良を抑制できるグリース組成物、および、これを封入した転がり軸受とハブベアリングを提供することを目的とする。
本発明のグリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含むグリース組成物であって、上記基油は、鉱油および合成油から選ばれる少なくとも1種からなり、上記増ちょう剤は、第1の増ちょう剤である芳香族ジウレア化合物と、第2の増ちょう剤である上記第1の増ちょう剤以外の化合物とからなり、該グリース組成物全体に対して上記第1の増ちょう剤と上記第2の増ちょう剤との合計量で5〜30質量%含まれ、該グリース組成物は、未混和ちょう度が170〜400であり、下記式(1)における粘度変化指数nが負の値であり、下記式(2)に示す指数の比n2/n1が2〜4の範囲内であることを特徴とする。
上記第2の増ちょう剤が、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミドであることを特徴とする。
上記基油が、パラフィン系鉱油またはポリ−α−オレフィン(PAO)油であり、該基油の40℃における動粘度が30〜60mm/sであることを特徴とする。
上記芳香族ジウレア化合物が、ジイソシアネート成分と、モノアミン成分である芳香族モノアミンとを反応して得られ、上記芳香族モノアミンがアニリンまたはp−トルイジンであることを特徴とする。
本発明の転がり軸受は、内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する転動体と、この転動体の周囲に封入されたグリース組成物とを備えてなる転がり軸受であって、上記グリース組成物が本発明のグリース組成物であることを特徴とする。
本発明のハブベアリングは、自動車の車輪を回転支持し、内部空間にグリース組成物が封入されてなるハブベアリングであって、上記グリース組成物が本発明のグリース組成物であることを特徴とする。
本発明のグリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含むグリース組成物であって、特に増ちょう剤が、第1の増ちょう剤である芳香族ジウレア化合物と、第2の増ちょう剤であるこれ以外の化合物とを含み、粘度測定によるひずみ−せん断粘度のプロットの近似式における粘度変化指数が所定の関係式などを満たすものであるので、軸受中でせん断を受けると確実に粘度が低下し、軸受のトルクが低くなる。また、グリースが転動体と軌道面に多く付着するチャーニング性であるため、潤滑不良を起こしにくい。特に、第2の増ちょう剤として、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを用いることで、これらの効果が得やすい。
本発明の転がり軸受とハブベアリングは、上記グリース組成物を封入しているので、潤滑不良を抑制しつつ、回転トルクが低くなる。
本発明の転がり軸受の一例を示す断面図である。 本発明のハブベアリングの一例を示す断面図である。 ひずみとせん断粘度との関係を示す図である。 ひずみとせん断粘度との関係を示す図である。 総増ちょう剤量とトルクとの関係を示す図である。 軸受における転動体へのグリース付着状況を示す写真である。
本発明のグリース組成物は、基油と増ちょう剤とを含む。ここで、このグリース組成物は、未混和ちょう度(JIS K 2220)が170〜400であり、下記式(1)における粘度変化指数nが負の値であり、下記式(2)に示す指数の比n2/n1が2〜4の範囲内であることを特徴とする。
本発明では、上記関係式に示すように、せん断によるグリースの粘度低下を考慮している。特に、この粘度低下が大きくなるような増ちょう剤を2種使用している(一方は芳香族ジウレア化合物に固定)。グリースの粘度測定を行なった際に、ひずみ−せん断粘度のプロットの傾き(式(1)の指数)において、第1の増ちょう剤のみのグリースの傾きと比較して、第2の増ちょう剤を加えたグリースの傾きを大きくする。ここで、その傾きの大きさの差(指数の比n2/n1)が2より小さい場合、第1および第2の増ちょう剤を添加したグリースのせん断による粘度低下が小さく、軸受内でも粘度が低下せずトルクの低下が見込めない。また、指数の比n2/n1が4より大きいと、粘度低下が大きくなり過ぎ、グリースが軸受外に漏れるおそれなどがある。
本発明のグリース組成物の基油は、通常グリースの分野で使用される一般的なものを使用できる。例えば、スピンドル油、冷凍機油、タービン油、マシン油、ダイナモ油などの鉱油、PAO油、アルキルナフタレンなどの炭化水素系合成油、ポリオールエステル油、りん酸エステル油、ポリマーエステル油、芳香族エステル油、炭酸エステル油、ジエステル油、ポリグリコール油、シリコーン油、ポリフェニルエーテル油、アルキルジフェニルエーテル油、アルキルベンゼン油、フッ素化油などの非炭化水素系合成油などが挙げられる。
本発明では、比較的安価であり、該グリース組成物における上記関係式も満足できることから、鉱油を主成分(基油全量に対して50質量%以上)とすることが好ましい。特に鉱油のみとすることが好ましい。鉱油としてパラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油のいずれも使用できるが、高温時の粘度変化が小さいため、パラフィン系鉱油を用いることが好ましい。
基油は、40℃における動粘度が30〜60mm/sであることが好ましく、40〜50mm/sがより好ましい。40℃における動粘度が30mm/s 未満の場合は、油膜切れのおそれや、油の蒸発が多くなるおそれがある。一方、40℃における動粘度が60mm/sより高いと、低トルク化が困難になる場合がある。
本発明のグリース組成物の増ちょう剤は、上述のとおり、A:第1の増ちょう剤である芳香族ジウレア化合物と、B:第2の増ちょう剤である第1の増ちょう剤以外の化合物とからなり、上記関係式(式(1)(2))において所定の条件を満たすものである。所定の条件は、式(1)における粘度変化指数nが負の値であり、式(2)に示す指数の比n2/n1が2〜4の範囲内である。
A:第1の増ちょう剤
第1の増ちょう剤は、芳香族ジウレア化合物である。芳香族ジウレア化合物は、ジイソシアネート成分とモノアミン成分とを反応して得られるジウレア化合物の1種であり、モノアミン成分として芳香族モノアミンを用いる。ジイソシアネート成分としては、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー卜などが挙げられる。芳香族モノアミンとしては、アニリン、p-トルイジンなどが挙げられる。
B:第2の増ちょう剤
第2の増ちょう剤は、第1の増ちょう剤以外の化合物であり、上記関係式(式(1)(2))において所定の条件を満たすものである。すなわち、第1の増ちょう剤である芳香族ジウレア化合物を増ちょう剤としたグリースに添加した場合に、せん断によるグリースの粘度低下が大きくなるような化合物を添加する。
このような化合物としては、分子内にアミド結合を2個以上持つワックスなどを用いることができる。具体的には、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、メチレンジアミンステアリン酸オレイン酸混合ビスアミド、エチレンジアミンステアリン酸オレイン酸混合ビスアミドなどが挙げられる。
基油に各増ちょう剤を配合してベースグリースが得られる。このベースグリースは、まず、基油中でジイソシアネート成分とモノアミン成分(芳香族モノアミン)とを反応させて、第1の増ちょう剤である芳香族ジウレア化合物を含むグリースを調整する。次に、このグリースに第2の増ちょう剤を添加して最終的なグリースとして調整する。
本発明のグリース組成物において、増ちょう剤は、第1の増ちょう剤と第2の増ちょう剤との合計量で、グリース組成物全体に対して5〜30質量%含むようにする。好ましくは、グリース組成物全体に対して10〜20質量%とする。増ちょう剤の合計含有量が5質量%未満では、増ちょう効果が少なくなり、30質量%をこえると、低トルク化が困難になる場合がある。また、第1の増ちょう剤と第2の増ちょう剤との配合質量比は(1:2)〜(2:1)とすることが好ましい。
その他、グリース組成物には、必要に応じて公知の添加剤を添加できる。添加剤としては、例えば、有機亜鉛化合物、有機モリブデン化合物などの極圧剤、アミン系、フェノール系、イオウ系化合物などの酸化防止剤、イオウ系、リン系化合物などの摩耗防止剤、多価アルコールエステルなどの防錆剤、二硫化モリブデン、グラファイトなどの摩擦低減剤、エステル、アルコールなどの油性剤などが挙げられる。
本発明の転がり軸受の一例を図1に示す。図1はグリース組成物が封入されているグリース封入転がり軸受(深溝玉軸受)の断面図である。転がり軸受1は、外周面に内輪転走面2aを有する内輪2と内周面に外輪転走面3aを有する外輪3とが同心に配置され、内輪転走面2aと外輪転走面3aとの間に複数個の転動体4が配置される。保持器5が、この複数個の転動体4を保持している。シール部材6が外輪などに固定されており、少なくとも転動体4の周囲に上記本発明のグリース組成物7が封入されている。
図1では軸受として深溝玉軸受について例示したが、本発明の転がり軸受は、上記以外の円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト円すいころ軸受、スラスト針状ころ軸受、スラスト自動調心ころ軸受などとしても使用できる。
本発明のハブベアリングの一例を図2に示す。図2は、ハブベアリングの断面図である。ハブベアリング26は、ハブ輪21および内輪22を有する内方部材25と、外輪である外方部材23と、複列の転動体24、24とを備えている。ハブ輪21はその一端部に車輪(図示せず)を取付けるための車輪取付けフランジ21dを一体に有し、外周に内側転走面21aと、この内側転走面21aから軸方向に延びる小径段部21bとが形成されている。ここで、軸方向に関して「外」とは車両への組付け状態で幅方向外側をいい、「内」とは幅方向中央側をいう。
ハブ輪21の小径段部21bには、外周に内側転走面22aが形成された内輪22が圧入されている。そして、ハブ輪21の小径段部21bの端部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部21cにより、ハブ輪21に対して内輪22が軸方向へ抜けるのを防止している。外方部材23は、外周に車体取付けフランジ23bを一体に有し、内周に外側転走面23a、23aと、これら複列の外側転走面23a、23aに対向する内側転走面21a、22aとの間には複列の転動体24、24が転動自在に収容されている。
本発明のグリース組成物はシール部材27と、外方部材23と、シール部材28と、内方部材25と、ハブ輪21とに囲まれた内部空間に封入され、外方部材23と、内方部材25とに挟まれた複列の転動体24、24の周囲に位置し、転動体24、24の転動面と、内側転走面21a、22aおよび外側転走面23a、23aとの転がり接触部の潤滑に供される。
本発明のハブベアリングに使用できる材質は、軸受鋼、浸炭鋼、または機械構造用炭素鋼を挙げることができる。これらの中で鍛造性が良く安価なS53Cなどの機械構造用炭素鋼を用いることが好ましい。本発明では上記グリース組成物を転がり接触部を含む上記内部空間に封入しているので、低トルク化を図りつつ、チャーニング性により潤滑不良を抑制でき、該機械構造用炭素鋼を構成材料としながらも十分な耐久性が期待できる。
本発明を実施例および比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
実施例1〜実施例5、比較例1〜比較例6
まず、基油と第1の増ちょう剤(芳香族ジアミン)によりグリースを調整した。表1に示す基油の半量にイソシアネート(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、MDI)を、残りの半量にアミン(アニリン)を、それぞれビーカーに入れて混合し、100℃になるまで加熱した。MDI混合油が入ったビーカーにアミン混合油を投入した。その後、すぐに撹拌して、ビーカー内の内容物の反応をさせ、しばらく撹拌した後、100℃の恒温槽に3時間静置した。恒温槽から取り出し、室温になるまで放冷した後、グリースを3本ロールミルにより滑らかにした。ここで、このグリース(第2の増ちょう剤を添加する前のグリース)について下記の粘度測定を行なった。次に、このグリースに表1に示す第2の増ちょう剤を所定の割合になるように添加し、融点より10℃高い温度に静置し融解させ、均一になるように撹拌し、最終的なグリース(第2の増ちょう剤を添加した後のグリース)を得た。なお、第1の増ちょう剤と、第2の増ちょう剤は、最終的なグリースにおける配合量が表1に示す値となるようにそれぞれ配合した。
最終的なグリースについて、下記の粘度測定を行なった。ひずみとせん断粘度との関係を図3(実施例1、比較例1、2、5)および図4(実施例4、比較例6)に示す。また、この関係と式(1)より求められた粘度変化指数n、粘度変化指数の比(n2/n1)を表1に示す。なお、n1は、第2の増ちょう剤を添加する前のグリースの粘度測定と式(1)から得られた粘度変化指数であり、n2は、第2の増ちょう剤を添加した後のグリース(最終的なグリース)の粘度測定と式(1)から得られた粘度変化指数(表1中の指数nと同じ)である。
<粘度測定>
レオメータ(Thermo Fisher Scientific社製HAAKE RheoWin MARS1)、コーンプレートを用いて測定した。なお、コーンの先端角度は178°である。試料をプレートに乗せ、その上にコーンをセットする。はみ出した試料はスパーテルでかきとった。40℃に設定して、装置の温度指示が40℃になったところで5分間保持する。予備撹拌として、15秒間でせん断速度が5000sec−1になるまで増速した。その後、3000sec−1で10min間せん断し続け、その間の粘度の変化を測定した。各実施例と比較例について、ひずみ−せん断粘度のプロットから、近似式(1)を導出した。
また、最終的なグリースについて、未混和ちょう度(JIS K 2220)を測定した。結果を表1に示す。さらに、下記に示すトルク測定試験に供し、軸受のトルクを測定した。結果を表1に示す。また、総増ちょう剤量とトルクとの関係を図5に示す。さらに、トルク試験後の軸受における転動体へのグリース付着状況を目視により観察した。結果を表1と図6(実施例2、4、比較例2、3)に示す。
<トルク測定試験>
竪型式トルク試験機を使用して測定した。試験軸受が縦置きになるようにスピンドルに固定し、回転数600min−1、室温(25℃)雰囲気、外輪にアキシャル荷重20Nを負荷してロードセルで拘束し、内輪回転として、軸受で発生する回転トルクを算出した。試験軸受は深溝玉軸受(6204)であり、ガラス繊維を30体積%配合したナイロン66で成形した冠型保持器を使用した。グリースは空間容積の38%になるように封入し、グリースが飛散しないようにシールド板を装着した。30分間運転中の20〜30分間の平均値をトルク値(mNm)とした。
図3、図4、および表1に示すように、第2の増ちょう剤にN,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを併用することにより、せん断により効果的に粘度低下し、第2の増ちょう剤(N,N’−エチレンビスステアリン酸アミド)を添加する前のグリース(比較例5、6)のせん断粘度に近づいていく。パルミチン酸デキストリンやポリエチレンWAXでは粘度低下するものの、第2の増ちょう剤(パルミチン酸デキストリンまたはポリエチレンWAX)を加える前のグリースの粘度に近づいていかない。そのため、図5に示すように、総増ちょう剤量が同じ場合、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを添加したものの方が低トルクになる。
ひずみ−せん断粘度のプロットの傾き(式(1)の指数)において、第1の増ちょう剤のみのグリースの傾きと比較して、第2の増ちょう剤を加えたグリースの傾きが大きければよい。ただし、その傾きの大きさの差が小さい(指数比n2/n1<2)と、第1および第2の増ちょう剤を添加したグリースのせん断による粘度低下が小さいため、軸受内でも粘度が低下せずトルクの低下が見込めない。一方、差が大きすぎる(n2/n1>4)と、粘度低下が大きくなり過ぎ、漏れる危険性がある。実施例のこのような特徴から、第2の増ちょう剤にN,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを併用することにより総増ちょう剤量に対してトルク値をプロットすると、ジウレア増ちょう剤のみで構成されたグリースよりもN,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを併用したグリースの方が総増ちょう剤量が同じでも低トルクになることがわかった。
また、図6および表1に示すように、転動体へのグリースの付着状況を観察すると、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミドを併用したグリースでは多量に付着しており、チャーニング性であった。一方、ジウレア化合物のみを20質量%配合したグリース(比較例3)は低トルクとなったが、チャンネリング性となっており、潤滑性に課題が残る。
本発明のグリース組成物は、せん断を受けると確実に粘度が低下してトルクの低減を図ることができ、かつ、挙動がチャーニング性となり潤滑不良を抑制できるので、自動車のハブベアリング、電装補機用転がり軸受、工作機用転がり軸受などに封入する低トルクグリースとして好適に利用できる。
1 転がり軸受
2 内輪
3 外輪
4 転動体
5 保持器
6 シール部材
7 グリース組成物
21 ハブ輪
21a 内側転走面
21b 小径段部
21c 加締部
21d 車輪取付けフランジ
22 内輪
22a 内側転走面
23 外方部材
23a 外側転走面
23b 車体取付けフランジ
24 転動体
25 内方部材
26 ハブベアリング
27 シール部材
28 シール部材

Claims (6)

  1. 基油と増ちょう剤とを含むグリース組成物であって、
    前記基油は、鉱油および合成油から選ばれる少なくとも1種からなり、
    前記増ちょう剤は、第1の増ちょう剤である芳香族ジウレア化合物と、第2の増ちょう剤である、前記第1の増ちょう剤以外の化合物とからなり、該グリース組成物全体に対して前記第1の増ちょう剤と前記第2の増ちょう剤との合計量で5〜30質量%含まれ、
    該グリース組成物は、未混和ちょう度が170〜400であり、下記式(1)における粘度変化指数nが負の値であり、下記式(2)に示す指数の比n2/n1が2〜4の範囲内であることを特徴とするグリース組成物。
  2. 前記第2の増ちょう剤が、N,N’−エチレンビスステアリン酸アミドであることを特徴とする請求項1記載のグリース組成物。
  3. 前記基油が、パラフィン系鉱油またはポリ−α−オレフィン油であり、該基油の40℃における動粘度が30〜60mm/sであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のグリース組成物。
  4. 前記芳香族ジウレア化合物が、ジイソシアネート成分と、モノアミン成分である芳香族モノアミンとを反応して得られ、前記芳香族モノアミンがアニリンまたはp−トルイジンであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載のグリース組成物。
  5. 内輪および外輪と、この内輪および外輪間に介在する転動体と、この転動体の周囲に封入されたグリース組成物とを備えてなる転がり軸受であって、
    前記グリース組成物が請求項1から請求項4までのいずれか1項記載のグリース組成物であることを特徴とする転がり軸受。
  6. 自動車の車輪を回転支持し、内部空間にグリース組成物が封入されてなるハブベアリングであって、
    前記グリース組成物が請求項1から請求項4までのいずれか1項記載のグリース組成物であることを特徴とするハブベアリング。
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