JP2018168009A - 乾燥収縮ひずみを制御するポルトランドセメントの製造方法 - Google Patents

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【課題】ポルトランドセメントの粒度分布を特定の範囲に調整することによって、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御するポルトランドセメントの製造方法を提供する。【解決手段】ポルトランドセメント製造工程の粉砕工程において、セメントのブレーン比表面積を3000〜3600cm2/gの範囲に調整し、かつ粒度分布をRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数を所定範囲に調整することによって、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御することを特徴とし、好ましくは、セメントの粒度分布曲線の5〜90μmの範囲をRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数nを1.000〜1.117の範囲に調整し、例えば、保存期間28日の乾燥収縮ひずみ(ε28)を580×10−6以下にするポルトランドセメントの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ポルトランドセメントの粒度分布を特定の範囲に調整することによって、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御することが可能なポルトランドセメントの製造方法に関する。
コンクリートの乾燥収縮ひずみはセメントペースト硬化体の乾燥収縮ひずみに起因し、コンクリート構造物の主要な劣化であるひび割れの原因のひとつである。コンクリートの乾燥収縮ひずみの要因として、内的にはコンクリートの単位水量、水セメント比、骨材(種類および単位量)、セメントの種類、部材の大きさなどが挙げられ、外的には相対湿度、乾燥時間などが挙げられる。コンクリートの乾燥収縮ひずみは、相対湿度60%の環境下では500〜1000×10−6程度の値であるが、セメントペーストの乾燥収縮ひずみはそれに対して極めて大きく、5000×10−6以上になることもある。このため、セメントペーストの乾燥収縮ひずみを低減することは、コンクリートの乾燥収縮ひずみを低減するために大きな要因となる。一般に、セメントペーストの乾燥収縮ひずみは、セメントの種類や化学組成、鉱物組成および粉末度(ブレーン比表面積)により影響を受けることが知られており、これまでセメントに起因する乾燥収縮ひずみの調整にはこれらの調整により行われてきた。
しかし、これらのセメントの特性値では説明できない乾燥収縮ひずみの挙動も多い。例えば、乾燥収縮ひずみに影響を与えるとされているセメントの粉末度(ブレーン比表面積)や化学成分が同程度でも乾燥収縮ひずみの挙動が異なる場合がある。また、乾燥収縮ひずみを予測し、その予測に基づき乾燥収縮ひずみを低減したコンクリートを製造する技術は提案されているが、セメントそのものの特性に着目して乾燥収縮ひずみを制御する技術は確立されていない。
特許文献1には、セメント組成物の乾燥収縮を小さくするために、ポリオキシアルキレン誘導体を含有する粉末の乾燥収縮低減剤と、遊離石灰、カルシウムアルミノフェライトおよび無水石膏から成る膨張材とを、セメントに所定の割合で混合することによって乾燥収縮の小さいセメント組成物が得られることが提案されている。しかし、このセメント組成物の製造には、特定の膨張材を必要とし、遊離石灰、C4AF、および無水セッコウを別々に合成し混合した膨張材では目的の効果が得られないなどの問題がある。このため高価な混和材料が必要となり、製造コストが著しく高く、一般に用いられる予備強度が18〜24N/mm級のコンクリートの製造には実用的ではない。
また、特許文献2にはコンクリートの乾燥収縮を低減する方法として、骨材の特性に着目し、粗骨材の吸水率および最大沈下量および細骨材の遠心分離後の含水率を制限することを提案している。しかし、これらの制限を満足する骨材が入手できなければ、コンクリートの乾燥収縮の低減を達成することはできない。
一方、特許文献3には、コンクリート硬化体のヤング係数から乾燥収縮量を予測し、その予測に基づき乾燥収縮量の小さいコンクリートを製造する方法が提案されている。さらに特許文献4には、膨張モルタル又は膨張コンクリートの乾燥収縮量の予測する方法に関して、セメントの水和反応に伴って生成するエトリンガイト量から材齢7日の膨張量を予測し、膨張材無添加のモルタル又はコンクリートの乾燥収縮量から前記膨張量を差し引くことで、膨張モルタル又はコンクリートの乾燥収縮量を推定することを提案している。これらは、乾燥収縮量を簡便かつ早期に予測する方法であり、コンクリートの主要な構成材料であるセメントペーストの乾燥収縮量を低減するものではない。
特開2002−68813号公報 特開2012−166964号公報 特開2011−195368号公報 特開2011−6287号公報
従来のセメント硬化体やコンクリートの乾燥収縮ひずみの測定は、セメント協会標準試験方法(CAJS H−01「モルタルの硬化乾燥による長さ変化測定試験方法」)や、IJS規格(JIS A「モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法」)により行われており、実際にセメントを水と、あるいは、セメント、骨材、混和材料を水と練混ぜて作製した供試体を用い、それを温度20℃、相対湿度60%の環境下に保存し、供試体の長さの変化を測定する方法によっている。その測定期間には傾向を把握するだけでも最低4週間を要し、乾燥収縮ひずみの絶対値を把握するには数カ月単位の時間を必要とする。
また、前述の従来技術について指摘したように、コンクリート製造時の混和材料の使用、骨材の選定、および乾燥収縮ひずみの予測する技術が提案されているものの、この予測方法はセメント自体の特性値を考慮したものではない。このため、乾燥収縮ひずみの要因となるセメントの持つ特性値を、セメントの製造工程に反映して乾燥収縮ひずみの制御されたセメントを製造することは事実上困難であった。
本発明は、従来の上記問題を解決したものであり、化学組成、鉱物組成、およびブレーン比表面積が近似したポルトランドセメントにおいて、粒度分布曲線(Rosin−Rammler分布式)より求められる均等数(以下、「均等数」と略記する)が、乾燥収縮ひずみと高い相関関係にあることを見出し、この知見に基づいて乾燥収縮ひずみを抑制する製造方法を確立したものである。
すなわち本発明は、ポルトランドセメントの製造工程において、セメントの仕上げ用チューブミルのボール量、循環空気の温度・湿度、セパレータの回転数および羽根枚数等を調整し、セメントのブレーン比表面積を所定範囲に調整し、かつ均等数を調整することによって乾燥収縮ひずみを制御するセメントの製造方法を提供する。
本発明は、以下の構成によって従来の上記課題を解決した製造方法であり、乾燥収縮ひずみを制御するポルトランドセメントの製造方法に関する。
〔1〕ポルトランドセメント製造工程の粉砕工程において、セメントのブレーン比表面積を3000〜3600cm/gの範囲に調整し、かつ粒度分布を次式[I]のRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数を所定範囲に調整することによって、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御することを特徴とするポルトランドセメントの製造方法。
R=100exp(−bx) ・・・[I]
式中、Rは累積ふるい上質量(%)、bは粒度特性係数(m−n)、nは均等数(−)、xは粒子径(μm)。
〔2〕セメントの粒度分布曲線の5〜90μmの範囲をRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数nを1.000〜1.117の範囲に調整してセメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御する上記[1]に記載するポルトランドセメントの製造方法。
〔3〕セメント製造工程の粉砕機と分級機を備えた閉回路粉砕工程において、
イ)ボールミルのボール径、ボール量
ロ)竪型ミルのローラー圧力、粉体量を調整するダムリングの高さ、シュートストッパーの位置
ハ)循環空気量
ニ)循環空気の温度、湿度
ホ)セパレータの回転数、羽根数
を調整して、ポルトランドセメントのブレーン比表面積、および粒度分布をRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数を1.000〜1.117の範囲に調整する上記[1]または上記[2]に記載するポルトランドセメントの製造方法。
本発明の製造方法は、ポルトランドセメント製造工程の粉砕工程において、セメントのブレーン比表面積を3000〜3600cm/gの範囲にし、さらに粒度分布をRosin−Rammler分布式(上記式[I])で回帰したときの均等数を所定範囲に調整することによって、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御するポルトランドセメントの製造方法である。具体的には、本発明の製造方法は、ポルトランドセメントの粒度分布曲線の5〜90μmの範囲を上記Rosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数を1.000〜1.117の範囲に調整して、例えば、保存期間28日の乾燥収縮ひずみ(ε28)を580(×10−6)以下にする製造方法である。
ポルトランドセメントの均等数を利用すれば、ポルトランドセメントのモルタルについて、乾燥収縮ひずみを次式[II]によって予測することができる。従って、ポルトランドセメントの均等数を調整することによって、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御することができる。式[II]において、ε28は保存期間28日の乾燥収縮ひずみ(×10−6)、nは均等数(−)である。
ε28=(931.1×n−463.67) ・・・[II]
本発明の製造方法によれば、上記式[II]に基づき、例えば、ポルトランドセメントの粒度分布の5〜90μmの範囲を式[I]のRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数を1.000〜1.117の範囲に調整することによって、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御することができる。例えば、実施例1では表2に示すように、均等数を1.000〜1.117の範囲に調整することによって、保存期間28日の乾燥収縮ひずみ(ε28)が580×10−6以下に抑制されている。
〔具体的な説明〕
以下、本発明を具体的に説明する。
ポルトランドセメントの製造工程は、(イ)原料工程、(ロ)焼成工程、および(ハ)仕上げ工程から成る。
(イ)原料工程では、石灰石、粘土、珪石、鉄原料、石炭灰等を所定の化学組成となるように調合し、原料ミルで微粉砕して調合原料を作製する。
(ロ)焼成工程は、原料工程で得られた調合原料を焼成してクリンカーにする工程であり、予熱装置であるプレヒーターで調合原料を800℃〜900℃に予熱した後にロータリーキルンに投入する。プレヒーターを通過した原料は、ロータリーキルン内で1400℃〜1500℃の高温で焼成され、セメントクリンカーが得られる。焼成されたクリンカーはロータリーキルンから排出され、クリンカークーラーにより冷却される。
(ハ)仕上げ工程は、セメントクリンカーに石膏や混合材を添加して粉砕し、セメントにする工程であり、仕上げミル(チューブミル、ボールミル、竪型ミルなど)によって微粉砕する。さらに粉砕機を通過した微粉は、エアーセパレータ等の分級機で微粉分と粗粉分に分けられ、粗粉分は再度粉砕機に送られ、微粉分はセメントとして取り出される。
本発明の製造方法は、上記ポルトランドセメントの製造工程の仕上げ工程(粉砕工程)において、セメントのブレーン比表面積および粒度分布の均等数が一定範囲になるように粉砕を行う。具体的には、セメントクリンカーに石膏、および混合材を添加して粉砕分級するときに、ボールミルのボール径、ボール量、竪型ミルのローラー圧力、粉体量を調整するダムリングの高さ、シュートストッパーの位置調整、閉回路粉砕工程における循環空気量、循環空気の温度、湿度、セパレータの回転数および羽根数を調整して、ポルトランドセメントの粒度分布曲線における均等数を調整することによって、セメントのブレーン比表面積および粒度分布の均等数を一定範囲に調整する。
本発明の製造方法において、ポルトランドセメントのブレーン比表面積は3000〜3600cm/gの範囲に調整される。好ましくは、3200〜3400cm/gの範囲に調整される。ブレーン比表面積が3000cm/gより小さいと、ポルトランドセメントの強度発現性が低下するので好ましくない。一方、ブレーン比表面積が3600cm/gより大きいとポルトランドセメントの水和熱が高くなり、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみが大きくなるので好ましくない。
さらに、本発明の製造方法では、ポルトランドセメントの粒度分布曲線をRosin−Rammler分布式(式[I])で回帰したときの均等数が1.000〜1.117の範囲になるように粉砕を行う。均等数が1.000より小さく、あるいは1.117より大きいと、式[II]による乾燥収縮ひずみの予測が不正確になる。セメントの粒度分布の均等数が1.000〜1.117の範囲であれば、式[II]によって、セメントの乾燥収縮ひずみを正確に予測することができる。
ポルトランドセメントの粒度分布曲線をRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数は、ポルトランドセメントの粒度分布を測定し、この粒度分布における均等数を式[I]のRosin−Rammler分布式によって求めることができる。
R=100exp(−bx)・・・[I]
ここで、Rは累積ふるい上質量(%)、bは粒度特性係数(m−n)、nは均等数(−)、xは粒子径(μm)である。
上記Rosin−Rammler分布式において、bは粉体の種類や粒度分布により定められる係数であり、粒度特性係数(単位:mの−n乗)と呼ばれるものである。ここで、b=b’log10=2.303b’と置き(bは粒度特性係数、b’は常用対数への変換係数)、両辺の常用対数を2回とることによってRosin−Rammler分布式は以下のようになる。
R=100×10^(−b’x) (式中、10^は10の累乗を示す)
log(2−logR)=logb’+nlogx ・・・[III]
式[III]について、logxを横軸に、log(2−logR)を縦軸にとれば、式[III]は直線で表わされる。この直線の傾きとして、均等数nが求められる。
上記均等数を求める場合、ポルトランドセメントの粒子径は、5μm〜90μmの範囲が好ましく、さらに5μm〜45μmの範囲がより好ましい。5μm未満の粒子径は微細過ぎるため、レーザー回折式の粒度分布測定装置では測定誤差が大きくなる。また、90μmより大きい粒子がポルトランドセメント中に含まれる量は通常は0.5質量%以下であるが、90μmより大きい粒子を含めてRosin−Rammler分布式の回帰をとると誤差が大きくなるので好ましくない。
式[II]に示すように、ポルトランドセメントの粒度分布曲線から算出した均等数と乾燥収縮ひずみは線形関係を示すことから、仕上げ粉砕工程においてポルトランドセメントの均等数を制御すれば、ポルトランドセメントの乾燥収縮ひずみを制御することが可能になる。従って、ポルトランドセメントの均等数を一定の範囲にすることによって、乾燥収縮ひずみ小さくすることができ、品質の安定したポルトランドセメントを製造することができる。さらに、同一のセメント製造プラントにおいて、ポルトランドセメントの化学組成、鉱物組成、およびブレーン比表面積が近似している場合は、均等数によりセメント硬化体の乾燥収縮ひずみを短期間で予測することが可能になる。
本発明の製造方法によれば、ポルトランドセメントの粒度分布(例えば5〜90μmの範囲)をRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数を1.000〜1.117の範囲に調整することによってセメント硬化体の保存期間28日の乾燥収縮ひずみ(ε28)を580×10−6以下に抑制することができるので、高品質のセメントを製造することができる。
本発明の製造方法は、仕上げ粉砕工程での粉砕程度を制御する方法であるので、原料工程や焼成工程の変更を必要とせず、容易に実施することができる。
本発明の製造方法は、普通ポルトランドセメント、中庸熱;ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメントなどに広く適用することができる。
実施例1の均等数と乾燥収縮ひずみの関係を示すグラフ
以下に本発明の実施例を示す。実施例において測定値は以下のようにして求めた。
(イ)セメントのブレーン比表面積はJIS規格(JIS R 5201「セメントの物理試験方法」)に基づいて測定した。
(ロ)セメントの粒度分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック、型式MT3300EXII)を用い、ポルトランドセメントを装置内でエタノール(分散媒屈折率:1.360)とともに、超音波(出力30W)で1分間分散させ、粒子の屈折率に起因するパラメータを1.70に設定して測定した。
(ハ)均等数は、粒度分布曲線のプロットのうち5〜45μmの粒度の範囲をRosin−Rammler分布式(式[I])に回帰して算出した。
(ニ)セメント硬化体の乾燥収縮ひずみの測定は、JIS規格(JIS R 5201「セメントの物理試験方法」)に従って作製したセメントモルタル供試体(寸法:4×4×16cm)を用い、これを温度20℃、相対湿度60%の恒温恒湿室内で28日間保存したときの乾燥収縮ひずみを求めた。
〔実施例1〕
試料調製
セメントクリンカー、せっこうを粉砕して、表1に示す化学組成で、表2に示すブレーン比表面積がほぼ同一で、均等数が異なる8種類の普通ポルトランドセメントを試製した(試料A1〜A8)。各試料のセメントクリンカーおよび石膏は同一のものを使用し、ブレーン比表面積は3300±50cm/gの範囲で、粒度分布における均等数が異なるように、表2に示すように粉砕条件を変更した。
Figure 2018168009
乾燥収縮ひずみ測定
表1のセメントを用い、モルタル供試体を調製し、このモルタル供試体の保存期間28日の乾燥収縮ひずみを測定した。このセメントモルタル供試体は以下のようにして作製した。モルタルの配合は,質量比でセメント1(450g)、標準砂3(1350g)、水0.5(225g)とした。モルタルの練混ぜは、ホバート型ミキサを用いて材料を全量投入後に低速で30秒、掻き落とし後、高速で90秒練り混ぜた。練り上がったセメントモルタルを、両端部に1×1cmのガラス板をセットした4×4×16cmの鋼製型枠に、突き棒を用いて充填した。供試体を成形する試験室の温度は20℃、相対湿度は80%とした。上削りを行った後、湿気箱内に24時間保管した。供試体を貯蔵する湿気箱内の温度は20℃、相対湿度は95%とした。材齢24時間で脱形し、20℃の水中に材齢7日まで浸漬した。その後、供試体の全長(L)、両端ガラス板間の長さ(L)を測定した。供試体は、温度20℃、相対湿度60%の恒温恒湿室に保存し、保存期間28日で両端ガラス板間の長さ(L28)を測定した。Lの測定値およびL28の測定値に基づき、保存期間28日の乾燥収縮ひずみ(ε28)を次式[IV]によって算出した。
ε28=(L−L28)/L ・・・[IV]
均等数nと保存期間28日における乾燥収縮ひずみと(ε28)の関係を表2および図1に示す。表2に示すように、均等数nを1.000〜1.117の範囲に調整することによって、セメント硬化体の保存期間28日の燥収縮ひずみ(ε28)を580×10−6以下に抑制することができる。
Figure 2018168009
〔実施例2〕
使用材料およびセメントモルタルの調製
表3に示す化学組成の普通ポルトランドセメント用い、これらのセメントのブレーン比表面積を測定した。また粒度分布を測定して均等数nを算出した。均等数を算出した粒子径の範囲は5μm〜45μmの範囲である。この結果を表4に示した。
乾燥収縮ひずみを測定
試料No.B1〜No.B11のセメントを用い、実施例1と同様にして、セメントモルタルを調製した。このセメントモルタル供試体について、保存期間28日の乾燥収縮ひずみを測定した。また、実施例1の式[IV]によって、保存期間28日の乾燥収縮ひずみの予測値を算出した。この結果を表4に示した。
表5に示すように、試料B1〜B9は乾燥収縮ひずみの実測値と予測値の差が±20×10−6であり、非常に精度良く乾燥収縮ひずみを予測することができた。一方、試料B10、B11は乾燥収縮ひずみの実測値と予測値の差が+40×10−6以上であり、実測値と予測値の乖離が大きかった。この結果から、乾燥収縮ひずみの予測は均等数が1.000〜1.117の範囲が適当であることが確認された。
Figure 2018168009
Figure 2018168009

Claims (3)

  1. ポルトランドセメント製造工程の粉砕工程において、セメントのブレーン比表面積を3000〜3600cm/gの範囲に調整し、かつ粒度分布を次式[I]のRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数を所定範囲に調整することによって、セメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御することを特徴とするポルトランドセメントの製造方法。
    R=100exp(−bx) ・・・[I]
    式中、Rは累積ふるい上質量(%)、bは粒度特性係数(m−n)、nは均等数(−)、xは粒子径(μm)。
  2. 〔2〕セメントの粒度分布曲線の5〜90μmの範囲をRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数nを1.000〜1.117の範囲に調整してセメント硬化体の乾燥収縮ひずみを制御する請求項1に記載するポルトランドセメントの製造方法。
  3. セメント製造工程の粉砕機と分級機を備えた閉回路粉砕工程において、
    イ)ボールミルのボール径、ボール量
    ロ)竪型ミルのローラー圧力、粉体量を調整するダムリングの高さ、シュートストッパーの位置
    ハ)循環空気量
    ニ)循環空気の温度、湿度
    ホ)セパレータの回転数、羽根数
    を調整して、ポルトランドセメントのブレーン比表面積、および粒度分布をRosin−Rammler分布式で回帰したときの均等数を1.000〜1.117の範囲に調整する請求項1または請求項2に記載するポルトランドセメントの製造方法。



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