JP2018131361A - セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の品質評価方法 - Google Patents

セメント組成物の製造方法、及びセメント組成物の品質評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】クリンカアッシュをセメント混合材として多量に使用することのできるセメント組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】次の工程(A)、並びに工程(B):
(A)ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CSで55〜70質量%、CSで10〜30質量%、CAで7〜15質量%、及びCAFで7〜15質量%であるセメントクリンカを得る工程、並びに
(B)得られたセメントクリンカ100質量部に、二水石こうを2〜5質量部、及びガラス化率が75質量%以上のクリンカアッシュを3〜45質量部添加し、混合粉砕する工程
を備える、セメント組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、微粉炭燃焼ボイラ又は加圧流動床燃焼ボイラにおいて生成するクリンカアッシュを用いるセメント組成物の製造方法、及び得られたセメント組成物の品質評価方法に関する。
微粉炭燃焼ボイラ又は加圧流動床燃焼ボイラ等において生成するクリンカアッシュは、これらボイラの底部の水槽に落下し、急冷して得られる石炭灰である。一般に、クリンカアッシュは、回収時に破砕されて30mm以下の粒径となる一方、数多くの微孔を有しているため、排水性、通気性、保水性や保肥性等に優れており、従来より、農業用資材、道路路盤材、地盤改良材等の材料としても、有効利用されている。
例えば、特許文献1では、クリンカアッシュを混和材として使用するコンクリートの製造方法が開示されており、クリンカアッシュの有する空隙により、耐凍害性を高めている。こうしたクリンカアッシュは、その化学組成がフライアッシュに近似している上、水没させて急冷されて得られるものであることから、フライアッシュと同様、多量の非晶質相を有している。
特開2006−225222号公報
そのため、本発明者らは、クリンカアッシュもフライアッシュのように、ポゾランとしてセメント混和材に利用し得る可能性があることに着目したところ、未だクリンカアッシュにおけるポゾラン反応性を活用した技術は存在せず、検討の余地があることが判明した。
したがって、本発明の課題は、クリンカアッシュをセメント混合材として多量に使用することのできるセメント組成物の製造方法を提供することにある。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、特定のガラス化率を有するクリンカアッシュであれば、セメント混合材としての有用性が高く、これを多量に使用できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の工程(A)、並びに工程(B):
(A)ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CSで55〜70質量%、CSで10〜30質量%、CAで7〜15質量%、及びCAFで7〜15質量%であるセメントクリンカを得る工程、並びに
(B)得られたセメントクリンカ100質量部に、二水石こうを2〜5質量部、及びガラス化率が75質量%以上のクリンカアッシュを3〜45質量部添加し、混合粉砕する工程
を備える、セメント組成物の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、上記セメント組成物の製造方法により得られたセメント組成物中におけるクリンカアッシュ又は石炭ガス化溶融スラグ(以後、石炭ガス化スラグと称する。)の含有量を、PONKCS法を組み合わせたX線回折−リートベルト法を用いて測定し、セメント組成物の品質評価の指標とする、セメント組成物の品質評価方法を提供するものである。
本発明のセメント組成物の製造方法によれば、セメント混合材として、クリンカアッシュを有効かつ多量に用いることができるだけでなく、さらに石炭ガス化スラグも有効活用することができる。
また、本発明の品質評価方法により、得られたセメント組成物の品質を高い精度で評価することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のセメント組成物の製造方法は、次の工程(A)、並びに工程(B):
(A)ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CSで55〜70質量%、CSで10〜30質量%、CAで7〜15質量%、及びCAFで7〜15質量%であるセメントクリンカを得る工程、並びに
(B)得られたセメントクリンカ100質量部に、二水石こうを2〜5質量部、及びガラス化率が75質量%以上のクリンカアッシュを3〜45質量部添加し、混合粉砕する工程
を備える。
工程(A)は、ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CSで55〜70質量%、CSで10〜30質量%、CAで7〜15質量%、及びCAFで7〜15質量%であるセメントクリンカを得る工程である。鉱物組成が上記範囲であるセメントクリンカとしては、普通ポルトランドセメントクリンカ、又は早強ポルトランドセメントクリンカが挙げられる。
かかるセメントクリンカは、焼成することにより得る。焼成温度は、好ましくは1300〜1500℃であり、より好ましくは1350〜1450℃である。焼成温度が上記範囲であれば、上記CS量を有するセメントクリンカであっても十分に焼成することが可能である。また、焼成時間は、好ましくは30〜100分であり、より好ましくは40〜60分である。かかる焼成時間が30分未満であると、焼成が不十分となって上記鉱物組成を確保できないおそれがあり、また焼成時間が100分を超えると、過焼成となって水和活性が低下するおそれがある。
なお、上記CS、CS、CA及びCAFの含有率(鉱物組成)は、下記のボーグ式(1)〜(4)を用いて算出する。
S(質量%)=4.071×CaO(質量%)−7.600×SiO(質量%)
−6.718×Al(質量%)−1.430×Fe(質量%)・・(1)
S(質量%)=2.867×SiO(質量%)−0.7544×CS(質量%)
・・・(2)
A(質量%)=2.650×Al(質量%)−1.692×Fe(質量%) ・・・(3)
AF(質量%)=3.043×Fe(質量%) ・・・(4)
ただし、上記式(1)〜(4)中の化学式は、ポルトランドセメント中における、化学式が表す化合物の含有率(質量%)を表す。
工程(B)は、工程(A)で得られたセメントクリンカ100質量部に、二水石こうを2〜5質量部、及びガラス化率が75質量%以上のクリンカアッシュを3〜45質量部添加し、混合粉砕する工程である。
工程(B)において用いるクリンカアッシュとは、微粉炭燃焼ボイラ又は加圧流動床燃焼ボイラで発生した石炭灰が、相互に凝集して多孔質の塊状となった後、これらボイラの底部の水槽に落下して急冷されることにより得られるものである。このようなクリンカアッシュは、後述する石炭ガス化スラグに比較して、粒径が増大しやすいとともに、クリンカアッシュの細孔内に存在する高温空気に影響されて急冷しにくい。
本発明で用いるクリンカアッシュのガラス化率(クリンカアッシュ中の非晶質相量)は、75質量%以上であり、好ましくは80質量%以上である。かかるガラス率は、クリンカアッシュが形成される際の、溶融状態からの冷却速度に左右され、冷却速度が高まるほど増大する。また一般的に、粒子内部では粒子表面よりも冷却速度が低下するため、クリンカアッシュの粒径が増大するほどガラス化率は低下する。こうしたことから、粒径が増大しやすく急冷しにくいクリンカアッシュのガラス化率は、通常60〜95質量%と広範囲に変動し得るものの、ガラス化率が高まるほどポゾラン活性も向上する。したがって、本発明では、上記ガラス化率を有するクリンカアッシュを特定量で用いることにより、セメント混合材としての有用性を高めることができる。
なお、クリンカアッシュのガラス化率は、内部標準物質を用いたX線回折−リートベルト解析法で得られた結晶相の総量(質量%)を、100から差し引いて求めることができる。さらに、後述するPONKCS法を組み合わせたX線回折−リートベルト法を用いることによって、クリンカアッシュの非晶質量(質量%)、すなわちガラス化率を直接的に得ることもできる。
また、クリンカアッシュの粒径は、後述する石炭ガス化スラグの場合と同様の方法を用いて、測定することができる。
工程(B)におけるクリンカアッシュの添加量は、工程(A)で得られたセメントクリンカ100質量部に対して3〜45質量部であり、好ましくは10〜45質量部である。クリンカアッシュの添加量が上記範囲であれば、得られるセメント組成物において、良好な強度発現性を確保することができる。
工程(B)において用いる二水石こうとしては、特に種類が限定されず、例えば、天然石こう、排煙脱硫石こう、リン酸石こう、チタン石こう、フッ酸石こう、及び精錬石こう等から選ばれる1種以上が挙げられる。
工程(B)における二水石こうの添加量は、工程(A)で得られたセメントクリンカ100質量部に対して2〜5質量部であり、好ましくは3〜5質量部である。二水石こうの添加量が上記範囲であれば、上記クリンカアッシュとも相まって、得られるセメント組成物において、良好な強度発現性を確保することができる。
工程(B)では、工程(A)で得られたセメントクリンカに、上記クリンカアッシュ及び二水石こうを添加するほか、石炭ガス化スラグを添加してもよい。石炭ガス化スラグとは、ガス化炉でガス化した石炭の残渣(石炭灰)がガス化炉のコンバスタ部で溶融し、その後、炉底の水槽に水没して急冷されたことにより得られる、ガラス状の角張った水砕スラグである。石炭ガス化スラグは、化学組成がフライアッシュに近似しており、ポゾラン活性を有するものの、その強さはガラス化率が高まるほど増大する点は、上記クリンカアッシュと同様である。
また、石炭ガス化スラグのガラス化率が、かかる石炭ガス化スラグが形成される際における溶融状態からの冷却速度に左右されて、冷却速度が高まるほど増大する点や、粒径が増大するほど低下する点も、上記クリンカアッシュと同様である。ただし、石炭ガス化スラグは、クリンカアッシュのような多孔質構造を有しないため、そのガラス化率は粒径に強く影響される。このことから、石炭ガス化スラグの粒径は、ガラス化率を推定するための指標として活用することができる。
下記に示す好適なガラス化率を有するための石炭ガス化スラグの最大粒径(JIS Z 8815「ふるい分け試験方法通則」における“ふるい下”)は、好ましくは5.6mm以下であり、より好ましくは4mm以下である。最小粒径(JIS Z 8815「ふるい分け試験方法通則」における“ふるい上”)については特に制限はないが、発塵抑制の観点から、例えば0.5mm以上のものであれば、好ましく用いることができる。
なお、石炭ガス化スラグの粒径は、JIS Z 8815「ふるい分け試験方法通則」の乾式ふるい分け試験に準じた方法により測定することができる。
石炭ガス化スラグのガラス化率は、好ましくは98質量%以上である。
なお、かかる石炭ガス化スラグのガラス化率は、上記クリンカアッシュの場合と同様の方法を用いて求めることができる。
工程(B)において、石炭ガス化スラグを用いる場合、上記クリンカアッシュの一部を石炭ガス化スラグに置換して用いる。すなわち、一部を石炭ガス化スラグに置換した後の残余のクリンカアッシュと、かかる置換した石炭ガス化スラグとの合計添加量は、工程(A)で得られたセメントクリンカ100質量部に対し、好ましくは3〜45質量部であり、より好ましくは10〜45質量部である。また、一部を石炭ガス化スラグに置換した後の残余のクリンカアッシュの添加量と、石炭ガス化スラグの添加量との質量比(クリンカアッシュ:石炭ガス化スラグ)は、好ましくは100:0を超え90:10以下であり、より好ましくは100:0を超え93:7以下である。石炭ガス化スラグの添加量が上記範囲であれば、上記クリンカアッシュとも相まって、得られるセメント組成物において、良好な強度発現性を保持することができる。
本発明の上記製造方法により得られるセメント組成物のブレーン比表面積(粉末度)は、強度発現性を良好にする観点から、好ましくは3000〜5000cm2/gであり、より好ましくは3500〜5000cm2/gである。
なお、セメント組成物のブレーン比表面積は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に規定された方法を用いて測定すればよい。
本発明のセメント組成物の品質評価方法は、上記製造方法により得られたセメント組成物中におけるクリンカアッシュ又は石炭ガス化スラグの含有量を、PONKCS法を組み合わせたX線回折−リートベルト法を用いて測定し、セメント組成物の品質評価の指標とする方法である。
一般に、混合物中の構成相の定量とは、かかる構成相である化学物質を定量することを意味するが、本発明の上記製造方法で用いるクリンカアッシュや石炭ガス化スラグは、原料となる石炭灰分の化学組成やガラス化率などが生産ロット等で異なるため、構成相が安定せず、特定の化学物質を指標とした定量が困難である。しかしながら、これらクリンカアッシュや石炭ガス化スラグにおける構成相の定量を精度よく行うことができれば、これを基準として、得られたセメント組成物の鉱物組成から、クリンカアッシュや石炭ガス化スラグの含有量を得ることができる。そして、強度発現性に大きく影響を与えることとなるこれら含有量の値を元に、クリンカアッシュ又は石炭ガス化スラグの含有量が目標値であるか否か等を確認することで、得られたセメント組成物の品質を評価することができ、本発明のセメント組成物の品質評価方法は、これを可能とするものである。
ただし、本発明のセメント組成物の品質評価方法では、クリンカアッシュ又は石炭ガス化スラグについて、予め各々単体での構成相の定量を行い、指標となる化学物質とその含有量を特定した後、その数値を基準にセメント組成物での定量を行うのが好ましい。ここで、後述するPONKCS法のように非晶質相を直接的に定量可能な方法を用いる場合、石炭ガス化スラグ又はクリンカアッシュの指標として、かかる非晶質相を用いることも可能である。
クリンカアッシュ又は石炭ガス化スラグの構成相の定量、すなわち鉱物組成の測定には、測定の簡便性と定量精度の観点から、X線回折法を用いるのが好ましい。このX線回折法による測定結果(回折プロファイル)から、鉱物組成を解析する方法としては、種々のものが知られているが、解析精度の観点から、リートベルト解析法を使用するのが好ましい。
ここで、非晶質相の定量では、通常、結晶相の定量結果を合計した総結晶相量(質量%)を得た後、100からその値を差し引いて得られた値(質量%)とするが、非晶質相の定量が直接的に可能になる観点から、さらに以下の非特許文献1又は非特許文献2に記載される、内部標準物質を用いることなく非晶質相の定量が可能な解析方法、すなわちPONKCS法(Partial or No Known Crystal Structure)等をリートベルト解析法に組み合わせることが好ましい。また、このPONKCS法を組み込んだX線回折−リートベルト法を用いることで、化学組成の異なる複数の非晶質相のそれぞれを定量することも可能となる。
非特許文献1:N.V.Y.Scarlett et al.;Quantification of phases with partial or no known crystal structures,Powder Diffraction,Vol.21,No.4,pp.278-284(2006)
非特許文献2:BRUKER社ホームページ;QPA with Partial or No Known Crystal Structures(PONKCS),BRUKER Advanced XRD Workshop(2011)
なお、本発明のセメント組成物の品質評価方法において、クリンカアッシュ又は石炭ガス化スラグの含有量が目標値であるか否かの確認は、上記セメント組成物の製造方法における工程(B)がバッチ式の場合はバッチ毎に、かかる工程(B)が連続式の場合は、2回/1時間〜1回/1時間の頻度で行うのが好ましい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[1.セメントクリンカの製造]
ロータリーキルンを用い、ボーグ式による鉱物組成について、CSが58質量%、CSが19質量%、CAが11質量%、及びCAFが9質量%であって、フリーライム(f−CaO)量が0.5質量%の、普通ポルトランドセメントクリンカに相当するセメントクリンカを焼成した。
[2.クリンカアッシュの準備]
表1及び表2に示す、クリンカアッシュを準備した。
なお、化学組成は、JIS R 5204「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠して測定し、密度は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して測定した。
また、鉱物組成は、PONKCS法を組み込んだ粉末X線回折−リートベルト解析法を用いて測定した。具体的には、粉末X線回折装置にD8 ADVANCE(ブルカー・エイエックスエス社製)、解析ソフトウェアにDIFFRACplusTOPAS(Ver.3)(ブルカー・エイエックスエス社製)を使用した。
Figure 2018131361
Figure 2018131361
[3.石炭ガス化スラグの準備]
表3に示す、5mmふるいを全通する、未粉砕の石炭ガス化スラグを準備した。
なお、各種測定には、上記クリンカアッシュでの測定方法と同様の方法を用いた。
Figure 2018131361
[実施例1〜5、比較例1、参考例1]
表4に示す配合量で、小型ボールミルを使用した、10kg/バッチの混合粉砕によって、クリンカアッシュを含むセメント組成物を試製した。なお、二水石こうには、排脱二水石こう(住友金属社製)を使用した。
得られたセメント組成物のブレーン比表面積を表4に示す。なお、ブレーン比表面積の測定は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して行った。
Figure 2018131361
[実施例6〜8、比較例2]
表5に示す配合量で、小型ボールミルを使用した、10kg/バッチの混合粉砕によって、クリンカアッシュを含むセメント組成物を試製した。
得られたセメント組成物のブレーン比表面積を表5に示す。なお、ブレーン比表面積の測定は、実施例1の測定方法と同様の方法を用いた。
Figure 2018131361
《セメント組成物のモルタル圧縮強さの測定》
得られたセメント組成物について、モルタル圧縮強さを、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に準拠して測定した。結果を表6に示す。
Figure 2018131361
表6において、実施例1〜実施例5、比較例1、及び参考例1を比較すると、セメント組成物中のクリンカアッシュ及び石炭ガス化スラグの合計含有量が増えるほど強さ発現性は低調であるが、参考例1の普通ポルトランドセメント相当のセメント組成物の強さを基準にすると、91日材齢において、実施例1は普通ポルトランドセメント相当の強さを発現し、また実施例2〜実施例5についても普通ポルトランドセメントの85%以上の強さを発現している。それらに対し、クリンカ100質量部に対してクリンカアッシュを70質量部(セメント組成物の質量100%に対して、クリンカアッシュは40質量%の割合)混合した比較例1では、91日材齢においても80%未満の強さである。
表6において、実施例6〜実施例8、比較例2及び参考例1を比較すると、セメント組成物中のブレーン比表面積が3000cm2/g〜5000cm2/gの実施例6〜実施例8は、91日材齢において普通ポルトランドセメントの85%以上の強さを発現している。それらに対し、ブレーン比表面積が3000cm2/g未満の比較例2では、91日材齢においても80%未満の強さである。
よって、本発明のセメント組成物の製造方法によれば、クリンカアッシュを多量に使用した高性能なセメント組成物を製造できる。
また、得られたセメント組成物中のクリンカアッシュや石炭ガス化スラグの定量は、クリンカアッシュについては石英又はムライトを指標にすることで、一方石炭ガス化スラグについては非晶質を指標にすることで、実施することができる。この場合において、石炭ガス化スラグの定量には、PONKCS法を組み合わせたX線回折−リートベルト法が有効な手段となり、得られたセメント組成物の品質を精度よく評価することができる。

Claims (6)

  1. 次の工程(A)、並びに工程(B):
    (A)ボーグ式を用いて算出したセメント鉱物組成が、CSで55〜70質量%、CSで10〜30質量%、CAで7〜15質量%、及びCAFで7〜15質量%であるセメントクリンカを得る工程、並びに
    (B)得られたセメントクリンカ100質量部に、二水石こうを2〜5質量部、及びガラス化率が75質量%以上のクリンカアッシュを3〜45質量部添加し、混合粉砕する工程
    を備える、セメント組成物の製造方法。
  2. セメント組成物のブレーン比表面積が、3000〜5000cm2/gである、請求項1に記載のセメント組成物の製造方法。
  3. 工程(B)において、クリンカアッシュの一部を最大粒径が5.6mm以下の石炭ガス化スラグに置換して、クリンカアッシュの添加量と石炭ガス化スラグの添加量との質量比(クリンカアッシュ:石炭ガス化スラグ)を100:0を超え90:10以下とする、請求項1又は2に記載のセメント組成物の製造方法。
  4. 工程(B)で用いるクリンカアッシュのガラス化率を、PONKCS法を組み合わせたX線回折−リートベルト法を用いて測定して求める、請求項1〜3のいずれか1項のセメント組成物の製造方法。
  5. PONKCS法を組み合わせたX線回折−リートベルト法を用いて石炭ガス化スラグのガラス化率を測定する、請求項3又は4に記載のセメント組成物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項のセメント組成物の製造方法により得られたセメント組成物中におけるクリンカアッシュ又は石炭ガス化スラグの含有量を、PONKCS法を組み合わせたX線回折−リートベルト法を用いて測定し、セメント組成物の品質評価の指標とする、セメント組成物の品質評価方法。
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