JP2018166940A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の吸収性物品1は、吸収体4に、消臭剤及び抗菌剤の少なくとも一方を含み、且つ香料の塗布された香料配置領域KTを有している。該消臭剤及び抗菌剤の少なくとも一方は、吸収体4を平面視して、実質的に吸収体4の全面に配されている。香料配置領域KTは、吸収体4の厚み方向Zにおいて、表面シート2側寄りに配されている。
【選択図】図2
Description
本発明の吸収性物品の好ましい一実施形態であるパンティライナー1(以下、「ライナー1」ともいう。)は、図1に示すように、着用者の肌側に配される表面シート2、着用者の着衣側に配される裏面シート3、及びこれらシート2,3間に配される吸収体4を備え、着用者の前側に配される前方領域1A及び後側に配される後方領域1Bとそれらの間に位置する中間領域1Cとを有すると共に、前方領域1Aから中間領域1Cを介して後方領域1Bに延びる縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有している。ここで中間領域1Cは、着用時に着用者の液排泄部(膣口等)に対向配置される領域である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。ライナー1は、図2に示すように、表面シート2と吸収体4との間に、液透過性のセカンドシート5を有している。ライナー1では、厚み方向をZ方向として説明する。
に汎用されているものを用いることができるが、臭気に対する広い消臭スペクトルを有する点から、多孔性の消臭粒体が好ましい。多孔性の消臭粒体としては、無機消臭粒体や、有機消臭粒体などがある。消臭粒体の形状は、特に制限されず、例えば、球状、俵状、不定形状等が挙げられる。なお、無機消臭粒体とは無機化合物を主体とする消臭粒体、即ち消臭粒体の骨格となる化合物が無機化合物である消臭粒体のことである。有機消臭粒体とは有機化合物を主体とする消臭粒体、即ち消臭粒体の骨格となる化合物が有機化合物である消臭粒体のことである。
チルスチレン、ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ビニルベンジルクロライド等が例示され、不飽和酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が例示され、不飽和酸としては、(メタ)アクリル酸が例示される。また、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等も用いることができる。これらの中では芳香族系ビニルモノマーが好適であり、特にスチレンが好ましい。尚、本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
消臭粒体の平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所社製、LA−920)を使用し、常法に従って測定することができる。測定条件は下記の通りである。
・測定セル:フローセル
・粒子径基準:体積
・分散媒:粒子の分散性がよい適当な溶媒、例えばエタノール/蒸留水=90/10質量%
・分散方法:攪拌、内蔵超音波3分
・透過率:70〜90%
・試料濃度:0.1%
消臭粒体の細孔径のピークは、細孔分布測定装置(日本ベル株式会社、商品名:BELSORP mini II)を用いて、液体窒素を用いた多点法により測定することができる。細孔分布
におけるピークトップを細孔径のピークとする。測定試料は110℃で1時間加熱する前
処理を施す。
吸収体4が有する抗菌剤としては、臭気の発生源に作用して臭気の発生を抑制することで消臭効果を発現し得る抗菌剤として、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ポリフェノールなどフェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。この種の抗菌剤の形態は特に制限されず、液体、粉体などでもよい。
イオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン、白金イオン等が挙げられ、銀イオン、亜鉛イオンが好ましい。ビニル共重合粒子は、そのポリマー表層に存在するヘテロ芳香環との配位結合により、その細孔表面に金属イオンを担持させることが可能である。この場合、アンモニア、アミン類、メルカプタン類、脂肪酸等の悪臭ガスは、金属イオンとの配位結合によりビニル共重合粒子に吸着される。ビニル共重合粒子における金属イオン含有率は、ビニル共重合粒子に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。ビニル共重合粒子における金属イオン含有率の上限は、特に制限されないが、ビニル共重合粒子に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。ビニル共重合粒子における金属イオン含有率は、例えば、モノクロ励起EDX蛍光X線を用いて測定することができる。
以下、さらに好ましくは0.7g/m2以下である。また、吸収体4における抗菌剤の含
有量は、坪量にして、好ましくは0.1g/m2以上、さらに好ましくは0.2g/m2以上、そして、好ましくは1.5g/m2以下、さらに好ましくは1.0g/m2以下である。消臭剤の含有量は、吸収体4の全質量に対して、好ましくは0.7質量%以上、さらに好ましくは0.9質量%以上、そして、好ましくは7.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。また、抗菌剤の含有量は、吸収体4の全質量に対して、好ましくは0.7質量%以上、さらに好ましくは0.9質量%以上、そして、好ましくは7.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。消臭剤及び抗菌剤の含有量が少なすぎると、これらを使用する意義に乏しく、逆に多すぎると、吸収体の吸収性能が低下する、吸収体内に消臭剤を保持できずに脱落する、特に吸収体4を形成する吸収シートを後述するように湿式抄紙法によって製造する場合に、吸収シートの物理的強度が低下するなどのおそれがある。
ール、酢酸シトロネリル、パラシメン、デカナール、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメチルフェニルカルビノール、ユーカリプトール、1−カルボン、ゲラニアール、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、ゲラニルニトリル、酢酸ネリル、酢酸ノニル、リナロール、エチルリナロール、酢酸リナリル、フェニルエチルアルコール、α−ピネン、β−ピネン、γ−ピネン、α−ヨノン、β−ヨノン、γ−ヨノン、α−テルピネオール、β−テルピネオール、酢酸テルピニル、テンタローム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
によって製造することができる。
(i)上述した親水性繊維、上記消臭剤及び抗菌剤の少なくとも一方、並びに水を含む懸濁液を、抄紙網を用いて脱水し、消臭剤を含む湿紙を形成する工程。
(ii)前記湿紙、又は前記湿紙を乾燥させる工程。
前記(i)及び(ii)の工程は、公知の湿式抄紙機を用いて常法に従って実施することができる。
上記工程(i)及び(ii)を有する製造方法によって製造される吸収シートでは、消臭剤及び抗菌剤の少なくとも一方が、吸収シート中に均一に分散しており、吸収体4を平面視して吸収体4の全面に配されている。
とは、吸収体4の中間領域1Cにおいて、もっとも横方向Yの長さが短い部分を横方向Yに三等分した際に、その両端に位置する部分を意味する。そして、「中央部分4C」とは、吸収体4の中間領域1Cにおいて、もっとも横方向Yの長さが短い部分を横方向Yに三等分した際に、その中間に位置する部分を意味する。
表面シート2及び裏面シート3としては、パンティライナー、生理用ナプキンなどの吸収性物品において通常用いられているものを特に制限なく用いることができる。
表面シート2としては、例えば、液透過性を有する親水性の不織布や穿孔フィルムなどを用いることができ、これらの不織布やフィルムは一般に熱可塑性樹脂、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂等から構成されている。
裏面シート3としては、例えば、液不透過性のフィルムや液難透過性の不織布などを用いることができ、液不透過性のフィルムは透湿性を有していてもよい。
セカンドシート5は、本技術分野においてサブレイヤーシートなどとも呼ばれる吸収性物品の構成部材であり、表面シート2から吸収体4への体液の透過性の向上、吸収体4に吸収された体液の表面シート2への液戻りの低減などの役割を担うシートである。セカンドシート5としては、親水性不織布や親水性の繊維集合体を用いることができ、不織布としては、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、レジンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布等が挙げられる。
、さらに好ましくは40g/m2以下である。また、吸収体4を形成する吸収シート1枚
あたりの厚みに関しては、特に制限されず、吸収性物品の用途等に応じて適宜設定すればよいが、ライナー1に用いる場合、好ましくは0.05mm以上、さらに好ましくは0.1mm以上、そして、好ましくは2.0mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下である。1枚当たりの吸収シートの厚みは特に断らない限り、下記方法により測定される厚み(0.5cN/cm2(=0.05kPa)荷重下での厚み)を意味する。
測定台に重さ2.5g、半径12.5mmの円形プレートを載置し、その状態での円形プレートの上面の位置を測定の基準点P1とする。次に円形プレートを取り除き、測定台に測定対象を置き、その上に円形プレートを再び載置し、その状態での円形プレートの上面の位置を位置P2とする。測定機器にはレーザ変位計(株式会社キーエンス製、CCDレーザ変位センサーLK−080)を用いる。前記基準点P1と前記位置P2との差を、測定対象の厚み、即ち、吸収体の0.5cN/cm2(=0.05kPa)圧力下での厚
みとする。
例えば、上述したライナー1は、図2に示すように、吸収体4がシート状の吸収シートで形成されているが、吸収体4が、図4及び図5に示すように、パルプ繊維等の親水性繊維を積繊した吸収性コア41又は該繊維に吸水性ポリマーの粒子を保持させた混合積繊物である吸収性コア41をコアラップシート42で被覆したものであってもよい。図4及び図5に示すような吸収体4の場合に、香料配置領域KTを吸収体4の表面シート2側寄りに配するには、上述した香料を含む懸濁液を、1枚のコアラップシート42の中心線CLに対応する部分において縦方向Xに沿って、例えば、スプレーによる噴霧法、刷毛塗り法、浸漬法の他、バーコーター、グラビアコーター、各種ロールコーター等を用いた塗布法によって塗布して香料配置領域KTを形成し、香料配置領域KTを形成したコアラップシート42で積繊物である吸収性コア41を覆い、該シートの縦方向Xに沿う両側部を該吸収性コア41の着衣側面側に折り返し、その折り返しによって該両側部の端部どうしを横方向Yの中央部分にて重なり合わせるようにすればよい。或いは、吸収性コア41の肌側面側から中心線CLに対応する部分に沿って前記塗布法によって塗布して香料配置領域KTを形成し、香料配置領域KTを形成した吸収性コア41をコアラップシート42で被覆すればよい。図4及び図5に示すようにライナー1は、上述した図1及び図2に示すライナー1と同様の効果を奏することができる。
カンドシート5及び吸収体4が一体的に圧密化されてなる防漏溝(ラウンドエンボス)が形成されていてもよい。
また、ライナー1は、図2に示すように、表面シート2と吸収体4との間にセカンドシート5を有しているが、セカンドシート5を有していなくてもよい。
<2>前記香料配置領域は、前記吸収体を平面視して、該吸収体の縦方向に沿う両側部それぞれよりも該両側部間の中央部分に配され且つ縦方向に延在している<1>に記載の吸収性物品。
<3>前記吸収体は複数の吸収シートを積層した積層部を有しており、前記香料配置領域は、前記積層部の内の最も前記表面シート寄りの前記吸収シートに配されている<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>前記積層部は、1枚の吸収シートを折り畳んで形成されている<3>に記載の吸収性物品。
<5>前記表面シートと前記吸収体との間に液透過性のセカンドシートを有しており、前記中間領域には、前記表面シートから前記セカンドシートに及ぶ窪んだ押圧部が間欠的に配されている<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>前記消臭剤が多孔性の消臭粒体である<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>前記多孔性の消臭粒体として無機消臭粒体を含む<6>に記載の吸収性物品。
<8>前記無機消臭粒体がカンクリナイト様鉱物又はゼオライトである<7>に記載の吸収性物品。
<9>活性炭を含まない<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>前記消臭剤として有機消臭粒体を含む<6>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<11>前記有機消臭粒体として、架橋性ビニルモノマー及びヘテロ芳香環を有するビニルモノマーを含むモノマー成分を共重合して得られる粒子を含む<10>に記載の吸収性物品。
<12>前記消臭粒体の平均粒径は0.1μm以上、100μm以下、好ましくは1μm以上、50μm以下である<6>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>前記多孔性の消臭粒体の細孔径のピークは0.005μm以上であり、0.1μm以下、好ましくは0.04μm以下である<6>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>前記抗菌剤として4級アンモニウム塩化合物またはフェノール性水酸基を有する化合物を含む、<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>前記抗菌剤として、多孔性消臭粒体が金属又は金属イオンからなる抗菌性金属を
担持している抗菌粒体を含む<1>〜<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
<16>前記抗菌性金属を担持する多孔性消臭粒体として無機消臭粒体を含む<15>に記載の吸収性物品。
<17>前記無機消臭粒体がカンクリナイト様鉱物又はゼオライトである<16>に記載の吸収性物品。
<18>前記抗菌性金属が銀、銅、亜鉛又はジルコニウムである、<15>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>前記抗菌性金属を担持する多孔性消臭粒体として有機消臭粒体を含む<15>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>前記有機消臭粒体が、2,6−ジフェニル−p−フェニレンオキサイドベースポリマー、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ジビニルベンゼン・2−ビニルピリジン共重合体、スチレン・ジビニルベンゼン・2−ビニルピリジン共重合体である<19>に記載の吸収性物品。
<21>前記抗菌性金属としての金属イオンとしては、銀イオン、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、コバルトイオン、ジルコニウムイオン、セリウムイオン、鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン又は白金イオンであり、好ましくは、銀イオン又は亜鉛イオンである、<19>又は<20>の吸収性物品。
<22>前記吸収体における香料の含有量は吸収性物品1枚当たり、0.3mg以上、好ましくは0.5mg以上であり、5.0mg以下、好ましくは3.0mg以下である<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>前記吸収体が吸収シートで形成されており、吸収シート1枚あたりの坪量が15g/m2以上、好ましくは20g/m2以上、そして、50g/m2以下、好ましくは40
g/m2以下である<1>〜<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
<24>前記吸収シート1枚あたりの厚みが0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上、そして、2.0mm以下、好ましくは1.0mm以下である<23>に記載の吸収性物品。
<25>前記吸収性物品がパンティライナーである<1>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体(吸収シート)
5 セカンドシート
6 周縁シール部
7 粘着部
8 押圧部
1A 前方領域
1B 後方領域
1C 中間領域
KT 香料配置領域
X 縦方向
Y 横方向
Claims (5)
- 表面シート、裏面シート、及びこれらシート間に配される吸収体を含み、着用者の前側に配される前方領域及び後側に配される後方領域とそれらの間に位置する中間領域とを備えると共に、該前方領域から該中間領域を介して該後方領域に延びる縦方向とこれに直交する横方向とを有する吸収性物品であって、
前記吸収体は、消臭剤及び抗菌剤の少なくとも一方を含み、且つ香料の塗布された香料配置領域を有し、
前記消臭剤及び抗菌剤の少なくとも一方は、前記吸収体を平面視して、実質的に該吸収体の全面に配されており、
前記香料配置領域は、前記吸収体の厚み方向において、前記表面シート側寄りに配されている、吸収性物品。 - 前記香料配置領域は、前記吸収体を平面視して、該吸収体の縦方向に沿う両側部それぞれよりも該両側部間の中央部分に配され且つ縦方向に延在している請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は複数の吸収シートを積層した積層部を有しており、
前記香料配置領域は、前記積層部の内の最も前記表面シート寄りの前記吸収シートに配されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。 - 前記積層部は、1枚の吸収シートを折り畳むことにより形成されている請求項3に記載の吸収性物品。
- 前記表面シートと前記吸収体との間に、液透過性のセカンドシートを有しており、
前記中間領域には、前記表面シートから前記セカンドシートに及ぶ窪んだ押圧部が間欠的に配されている請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
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