JPH0511922U

JPH0511922U - 抗菌、防臭性生理用ナプキン

Info

Publication number: JPH0511922U
Application number: JP5912391U
Authority: JP
Inventors: 潤一黒木; 克伸伊藤
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1991-07-26
Filing date: 1991-07-26
Publication date: 1993-02-19

Abstract

(57)【要約】【目的】抗菌・防臭性のある生理用ナプキンを得る。【構成】吸収体と、銀イオンを溶出させることのでき
る銀イオン含有溶解性ガラスよりなる抗菌剤あるいは更
に脱臭剤を封入した吸収体とを適当数積層し、これに防
水材を積層したものを被覆材で被覆した生理用ナプキン
である。【効果】雑菌が繁殖せず、防臭効果があるので清潔で
あり、周囲に気付かれない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は抗菌、防臭性生理用ナプキンに関し、さらに脱臭剤を配した抗菌・脱臭生理用ナプキンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来一般に使用されている生理用ナプキンは、防漏材に吸収体を積層し、これを不織布により被覆してなるものである。しかしこの従来のものでは女性の生理時における月経血中の雑菌の繁殖により不潔になり易くまた繁殖に伴う異臭の発生が起こり易いものであった。

【０００３】そこで殺菌作用あるいは防臭作用を有する生理用ナプキンとして、例えば実公昭51-4558号公報に記載のものが公知である。この従来の生理用ナプキンは殺菌剤を含浸させた吸収芯剤を外側のものほど順次幅広となった複数層の吸収紙で被包し、この時各層の吸収紙の各折り重ね部分を上記吸収芯材の内側において、かつ中央位置で等しく重ね合わせることにより全体の厚さを中高とし、此の積層体を適当な外包材で被覆してなるものであった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記従来の抗菌、防臭生理用ナプキンは殺菌剤または防臭剤を含浸させた吸収芯材を吸収紙と外包材で被覆するものであるから、殺菌剤や防臭剤が常時外包材から発散し、周囲の人々にナプキンの使用を気付かれ易いものであった。また揮発性の殺菌剤や防臭剤を使用している為、効果の持続性に問題があったり、殺菌剤や防臭剤が揮発性の為、皮膚への刺激があるという問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は、生理用ナプキンの吸収体に不揮発性の抗菌性を有する物質を封入することにより上記の問題点を解決しうることを見出して本考案を完成した。本考案は上記知見に基づいてなされたもので、本考案は吸収体と、不揮発性の抗菌性物質として、銀イオンを溶出させることができる銀イオン含有溶解性ガラスを封入した吸収体とを適当数積層し、これに防漏材を積層したものを被覆材により被覆した抗菌、防臭性生理用ナプキンである。

【０００６】さらに、本考案は、吸収体と、抗菌剤としての銀イオン含有溶解性ガラスを封入した抗菌剤吸収体とを交互に所望数積層したものの下面に防漏材を積層し、被覆材で被覆し、かつ、吸収体、抗菌剤含有吸収体および防漏材のうち少なくとも１つのものに脱臭剤を、包含せしめて成る抗菌・防臭性生理用ナプキンを提供する。

【０００７】

【作用】

本考案の構成と作用を説明する。本考案の生理用ナプキンにおいて、吸収体としては、生理用ナプキンに用いられる吸収体であればすべて用いることができ、例えばクラッシュパルプ、薄葉紙などが挙げられる。また本考案で用いる銀イオン含有溶解性ガラスとは、制御された溶解速度を持つように、ガラスの物理的、化学的特性を考慮して組成を調節したガラスで、それ自体は既に知られているものである。したがって銀化合物を添加した銀イオン含有溶解性ガラスは、数時間から数年間の任意の期間に渡って決められた一定速度で銀イオンを溶出させることができる。そして溶出した銀イオンが、カビや雑菌に対して抗菌作用を発揮することになる。

【０００８】本考案においては、このような銀イオン含有溶解性ガラスを10〜５00μの微粒子として、吸収体形成材料中に含有させる。ここで、粒径が５00μを超えると、形成材料中に均一に分散しなくなり、また10μ以下であると吸収体からの脱落が発生しやすくなる。また、その含有量は0.01ｇ／m²〜50ｇ／m²が好ましい。0.01 ｇ／m²以下であると銀イオンによる抗菌効果が不十分となり、また50ｇ／m²以上添加しても効果は増大せず、不経済である。吸収体と、抗菌剤含有吸収体との積層は、１つ以上適当に行なうことができ、複数層にするときは、両者は交互に積層される。

【０００９】そしてまた、防漏材、被覆材も生理用ナプキンに適するものであればすべて用いることができ、好適な被覆材の例として熱可塑性樹脂、レーヨン、パルプ等からなる不織布などが挙げられる。前記吸収体、防漏材には脱臭剤を配合することもできる。脱臭剤の包含の形態は吸収体、又は、抗菌剤含有吸収体への包含形態は、前記吸収体は、又は、抗菌剤含有吸収体を構成する通水性包装材の間に前記脱臭剤を挟着した形態であり、防漏材への包含の形態は前記防漏材への包含の形態は前記防漏材を構成する熱可塑性樹脂膜に包含させた形態である。 (以下、吸収体に脱臭剤を封入したものを脱臭吸収体、抗菌剤含有吸収体に脱臭剤を封入したものを抗菌・脱臭吸収体、防漏材に脱臭剤を練込んだものを脱臭剤練込み防漏材という。) つぎに、図面にしたがって本考案について具体的に説明する。図１は抗菌剤含有吸収体の具体例の拡大縦断面図、図２は脱臭剤も加えた吸収体の拡大断面図、図３は本考案の生理用ナプキンの具体例の縦断面図、図４は本考案の生理用ナプキンの具体例の斜視図である。

【００１０】図１において、１は抗菌剤である銀イオン含有溶解性ガラス、３は結着剤、４は吸収体 (薄葉紙) である。抗菌剤含有吸収体４は、抗菌剤１を２枚の吸収体 ( 薄葉紙) ４に結着剤３を用いて接着することにより作成する。吸収体には図２に示すように脱臭剤２を封入することもできる。脱臭剤としては、イ) 物理吸着脱臭剤中性活性炭、繊維化炭素吸着剤、ゼオライト、活性アルミナ、酸性白土等ロ) 化学脱臭剤酸性剤、アルカリ性剤、酸化剤、還元剤等ハ) 物理・化学脱臭剤アルカリ性、又は、酸性添着活性炭、植物性精油を吸着させたゼオライト等ニ) その他鉄フタロシアン誘導体、酸化亜鉛等の脱硫作用のある塩、鉄 (II) 化合物、Ｌ −アスコルビン酸とミョウバンの混合物等等々のものが挙げられるが、これら以外、悪臭・異臭を脱臭するものであれば、全て使用でき、これら１種、又は、２種以上の脱臭剤の混合物も使用できる。

【００１１】前記結着剤としてはポリエステル、エチレンビニル樹脂重合体が好ましく、ポリオレフィンでもよい。そして、脱臭吸収体、抗菌剤含有吸収体、抗菌・脱臭吸収体を形成する際、加熱圧着するよう働くものなら全て使用できる。前記熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリビニールアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられるが、熱可塑性を示す樹脂なら全て使用できる。

【００１２】そして、図３に示すようにクラッシュパルプ、薄葉紙等からなる吸収体６と抗菌剤含有吸収体５とを交互に積層した積層体に防漏材７を積層し、この積層体を天然パルプ、レーヨン等の化学、合成繊維等からなる被覆材８により被覆し、図４に示すように本考案の生理用ナプキンを構成する。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案を具体的な実施態様を用いてより詳細に説明していくが、本考案は、これらに何ら限定されるものではない。

【００１４】

【実施例１】抗菌剤としての銀イオン含有溶解性ガラス、脱臭剤を防漏剤中に練込んだものについて、以下に実施例を上げて説明する。抗菌剤として、石塚硝子 (株) のイオンピュア WA29i (商品名) を用いた。これは、15ないし20μｍの平均粒子径を有するものである。

【００１５】脱臭剤としては、有機酸および酸化亜鉛の混合物である大日精化工業 (株) 製のダイムシュー1300を用いた。銀イオン含有溶解性ガラスを２枚の薄葉紙 (25g/ｍ²) の間に１ｍ²あたり１ｇ及び接着剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体５ｇを散布し、 100℃の加熱ロールを用いて加熱圧着した抗菌剤含有吸収体と、クラッシュパルプ、薄葉紙等を組み合わせた吸収体及び防漏材としてダイムシュー1300を低密度ポリエチレンに３重量％添加し、インフレーション法により加工温度160℃で製膜したフィルムのそれぞれを積層し、それらの積層体をレーヨン不織布 (25g/ｍ²) で被覆し、本考案の抗菌・脱臭生理用ナプキンの一実施例品を得た。

【００１６】

【実施例２】実施例１と同じ抗菌剤を用い、脱臭剤を抗菌剤含有吸収体中に封入したものについて、以下に実施例を挙げて説明する。前記抗菌剤を、２枚の薄葉紙 (25g/ｍ²) の間に１ｍ²あたり１ｇ、接着剤としてエチレン−酢酸ビニル共重合体５ｇ及び脱臭剤としてダイムシュー1300 (大日精化工業 (株) 製) を２ｇ散布し、 100℃の加熱ロールを用いて加熱圧着した抗菌・脱臭剤吸収体と、クラッシュパルプ、薄葉紙等を組み合わせた吸収体及び防漏材とを積層し、それらの積層体をレーヨン不織布 (25g/ｍ²) で被覆し、本考案の抗菌・脱臭生理用ナプキンの一実施例品を得た。＜比較例＞一般に用いられている生理用ナプキンを対照として使用し、実施例１, ２の生理用ナプキンと比較した。実験１実施例１, ２の生理用ナプキンおよび対照に Escherichia coli, Lactobacill us plantarum, Bacillus subtillis, Micrococcus lutes, Saccharomyces cerev isiae, Candida albicans, Aspergillus nigerの胞子をそれぞれ約10⁵個／mlになるよう調整した培地 (肉エキス10ｇ, ペプトン10ｇ, グルコース40ｇ, 酵母エキス５ｇ, 蒸留水1000ml) を20ml添加し、菌の発生の有無を調べた。

【００１７】

【００１８】実験２下記の試験は女性50名のパネラーにより実施した。脱臭効果実施例と比較例を実際に使用し、比較例に比べ臭いが少ない場合は、脱臭効果が良好であることを認めるとした。数値は、パネラー50名中の効果を認めた人数を示している。皮膚刺激性実施例と比較例を実際に使用し、比較例に比べ刺激性が感じられる場合は、刺激性ありと認めるとした。数値は、パネラー50名中の皮膚刺激性を認めた人数を示している。

【００１９】

【００２０】

【考案の効果】

以上記述してきたように、本考案の抗菌・脱臭生理用ナプキンは、溶出する銀イオンに重金属特有な殺菌作用があり、且つ、不揮発性であるため抗菌剤含有吸収体、又は、抗菌・脱臭吸収体として内部に担体で担持して封入すれば女性の生理中の月経血中の雑菌の増殖を抑制できると同時に従来の殺菌剤と違い気化しないため、異臭が漂わず、生理時にあると周囲の人々に気付かれ難く、更に、上述の脱臭剤を脱臭吸収体、抗菌・脱臭吸収体、脱臭剤練込み防漏材として、内部に封入、又は、練込めば、女性の生理中の月経血からの悪臭、異臭の原因ガスを吸着、還元、酸化、分解等により除去、又は、無臭化する為、生理時でも周囲の人々に気付かれない等多重の効果を奏する画期的な生理用ナプキンを提供することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に使用される抗菌剤封入吸収体を模式的
に示した拡大断面図である。

【図２】脱臭剤を添加した本考案に使用される吸収体の
拡大断面図である。

【図３】本考案の生理用ナプキンの概略横断面図であり
る。

【図４】本考案の生理用ナプキンの斜視図である。

【符号の説明】

１抗菌剤である銀イオン含有溶解性ガラス２脱臭剤３接着剤４吸収体５抗菌剤封入吸収
体５' 脱臭・抗菌剤入り吸収体６吸収体７防漏材８被覆材

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】吸収体と、銀イオンを溶出させることが
できる銀イオン含有溶解性ガラスよりなる抗菌剤を封入
した吸収体とを適当数積層し、これに防水材を積層した
ものを被覆材により被覆した抗菌、防臭性生理用ナプキ
ン。
【請求項２】吸収体、抗菌剤含有吸収体および防漏材
のうち少なくとも１つのものに脱臭剤を包含せしめて成
る請求項１記載の抗菌、防臭性生理用ナプキン。
【請求項３】脱臭剤の吸収体、又は、抗菌剤含有吸収
体への包含の形態が、前記吸収体、又は、抗菌剤含有吸
収体を構成する通水性包装材の間に前記脱臭剤を挟着し
た形態である請求項１または２記載の抗菌・防臭性生理
用ナプキン。
【請求項４】脱臭剤の防漏材への包含の形態が前記防
漏材を構成する熱可塑性樹脂膜に包含された形態である
請求項１、２または３記載の抗菌・防臭性生理用ナプキ
ン。