JP2018165717A - タイヤ試験方法及びタイヤ試験装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤ試験方法は、タイヤのビード部にルブリケーション液を塗布する工程と、タイヤの基準点の位相を検出する工程と、基準点の位相が表される座標と共通の共通座標におけるスピンドルの回転原点の位相を検出する工程と、タイヤをスピンドルによって回転させつつタイヤ試験を行ってタイヤに存在する特異点を検出するとともに、回転原点から特異点までの位相を検出する工程と、基準点の位相と、回転原点の位相と、回転原点から特異点までの位相とに基づいて、基準点から特異点までの位相を算出する工程と、共通座標における基準点に関する情報と、共通座標における回転原点に関する情報とを記憶する工程と、特異点が存在する周方向の位置においてタイヤにマーキングする工程と、を備える。
【選択図】図11
Description
ところで、近年は、タイヤについてさまざまなトレーサビリティが要求されるようになり、上述した特異点のマーキングについても、不測の事態があった場合に本当に特異点にマーキングが刻印されていたか否かを製造後に追跡調査できることが求められている。この要求に応えるために、特許文献1の技術が開発されている。
図10は、本実施形態のタイヤ試験装置1の全体構成を模式的に示したものである。なお、図10は本発明のタイヤ試験装置の一例を示したものであって、本発明のタイヤ試験装置は図10に例示された構成に限るものではない。
ルブリケーション部2は、タイヤTを回転させつつビード部にルブリケーション液を塗布する機能を有する。本体部4は、ルブリケーション部2でルブリケーション液が塗布されたタイヤTをスピンドル3上で回転させつつタイヤ試験を行ってタイヤTに存在する特異点を検出する機能を有する。マーキング部5は、特異点が存在する周方向の位置においてタイヤTにマーキングする機能を有する。これらのルブリケーション部2、本体部4、及びマーキング部5は、タイヤ試験装置1におけるタイヤの搬送方向Fに沿ってこの順に配置されている。
[ルブリケーション部]
ルブリケーション部2は、上述したようにタイヤ試験装置1に搬入されたタイヤTに対して、ルブリケーション液の塗布を行う。また、本実施形態のタイヤ試験装置1のルブリケーション部2は、タイヤTに設けられた基準点(例えば二次元コード)を検出する機能を有する。
一対のアーム8は、ルブリケーション部2の所定位置にタイヤTを保持する。各アーム8は、タイヤTの径方向外側に位置する基端部を中心に上下方向を向く旋回軸周りに旋回可能に構成されている。
パルス検出器12は、光学的な検出装置から構成されている。本実施形態では、パルス検出器12は、アーム部8の先端に設けられた回転ローラ7に設けられており、回転ローラ7の回転数や回転角度を検出可能に構成されている。
そして、基準点位相検出部10は、二次元コードリーダ11で検出された二次元コードの位相と、このタイヤT上の二次元コードがルブリケーション液の塗布中に回転した回転角度とを組み合わせることで、ルブリケーション部2から搬出される時点での基準点の位相を求めることができる。このようにして求められた基準点の位相は後述するコントローラ22に送られる。
ここで、共通座標とは、ルブリケーション部2と、本体部4と、マーキング部5とに共通する座標である。言い換えれば、共通座標は、タイヤ試験装置1全体に共通する座標である。図11に示す具体例では、共通座標における基準(原点)は、「時計の12時」の位置にある。したがって、図11の左図に示すように、タイヤTの中心から基準点としての二次元コードに向かうベクトルは、時計の6時の方向を向いている。
また、二次元コードリーダ11で検出された二次元コードの情報から、検査しようとするタイヤTの直径及び幅方向の基礎情報を取り込み、取り込まれた基礎情報を用いて、タイヤTに存在する基準点の位置の検出精度を上げるようにしてもよい。
[本体部]
本体部4は、スピンドル3と、図略の回転駆動部と、ドラム15と、移載手段13と、図略のロードセルとを備えている。
前記回転駆動部は、図略のベルトを介してスピンドル3を回転駆動する。
ドラム15は、スピンドル3の径方向外側に配置され、上下方向を向く軸回りに回転可能に構成された円筒状の部材である。このドラム15は、水平方向に移動可能に構成されており、ドラム15の外周面は、スピンドル3に取り付けられたタイヤTの外周面に接触することができ、また、タイヤTから離隔することができる。
前記ロードセルは、例えばドラム15の回転軸に設けられている。前記ロードセルは、回転中のタイヤTからドラム15に加わる力やモーメントなどを計測することができる。タイヤ試験装置1は、ロードセルによる前記力やモーメントの計測結果に基づいてタイヤユニフォミティなどを計算可能に構成されている。
原点位相検出部30は、共通座標におけるスピンドル3の回転原点の位相を検出する。原点位相検出部30は、スピンドル3の軸心(タイヤTの回転軸)から見てスピンドル3の回転原点がどの方向に位置するかを検出できるように構成されている。原点位相検出部30は、例えばスピンドル3に設けられた図略のロータリーエンコーダなどによって構成される。
本体部4において上記のようなタイヤ試験が行われることにより、タイヤTの反発力が最も大きくなる周方向の位置や質量が大きくなる位置などが「特異点」として計測される。本体部4は、特異点位相算出部223で算出された特異点の位置がマーキング部5における刻印部19の位置に合致するように、特異点が検出されたタイヤTを回転させ、本体部4からマーキング部5へ搬出するように構成されている。
[マーキング部]
マーキング部5は、上述した本体部4で行われたタイヤ試験で得られた「特異点」の位置を示すマークをタイヤTにマーキングする。例えば、本体部4でタイヤユニフォミティのタイヤ試験が行われる場合には、マーキング部5において、タイヤユニフォミティに特異性があるタイヤTの周方向の位置にユニフォミティマークが特異点としてマーキングされる。なお、外形形状の計測や動バランスの計測などの場合には、ユニフォミティマーク以外のマークをマーキングしても良い。
図12に示すように、コントローラ22は、記憶部221と、基準点位相算出部222と、特異点位相算出部223とを備える。
記憶部221は、基準点位相検出部10によって検出される前記共通座標における基準点に関する情報と、原点位相検出部30によって検出される前記共通座標における回転原点に関する情報と、を記憶する。
このような本実施形態のタイヤ試験方法及びタイヤ試験装置1によれば、タイヤ試験において特異点の検出前にタイヤTの基準点を一定の位置に正確に位置決めしなくても、タイヤTの基準点から特異点までの位相を精度良く且つ安価な手段で得ることができ、しかも、特異点にマーキングされたことを追跡調査することが可能となる。
(1)本体部4におけるタイヤ試験から得られる情報
回転原点から135°の位置に特異点が存在する(回転原点から特異点までの位相α=135°)。
二次元コード(基準点)から225°の位置に特異点が存在する(基準点から特異点までの位相β=225°)。
そして、タイヤTに関し検証を行う際、すなわちトレーサビリティの確認を行う際には、上記した情報(1)と、情報(2)だけでは不十分である。すなわち、情報(1)と情報(2)が独立しており、互いに関連付けられていない場合には、基準点に対するマーキングの位置が、本体部4によるタイヤ試験によって得られる特異点の位置、すなわち回転原点に対する特異点の位置と一致しているか否かが不明である。
このようにして基準点が読み取られたタイヤTは、ルブリケーション部2で回転しながらルブリケーション液が塗布される。このようなタイヤTの回転を伴うルブリケーション液の塗布が終わった時点での基準点の位相は、図11の左図に示す具体例では、次のように表現できる。すなわち、塗布が終わった時点で基準点は、共通座標における180°の位置に存在し、タイヤTの中心から基準点に向かうベクトルは、「時計の6時」の方向を向いている。言い換えると、共通座標における基準(原点)とタイヤTの回転軸とを結ぶ直線と、基準点(二次元コード)とタイヤTの回転軸とを結ぶ直線とのなす角度は180°である。
このとき、本体部4で算出された特異点の位相(角度位置)は、あくまでもスピンドル3の回転原点からの位相αに過ぎず、この位置に対してマーキング部5でマーキングが施されることとなる。つまり、本体部4からだけでの情報では、二次元コードのような基準点からどの程度回転した位置(β)に特異点があるかという情報は把握できない。
更に、本実施形態では、以下に述べるような著しい作用効果を奏する。
[2]バーコードリーダ(基準点位相検出部)で撮像した画像データからマーキングの位置を精度良く読み取ることができ、基準点から特異点位置までの位相を高精度に算出することが可能である。
[4]ルブリケーション部2において基準点の位相が特定されるため、本体部4において基準点の位相を検出する必要がない。したがって、本体部4には基準点位相検出部を配置する必要がない。本体部4においては上述した特異点位相検出部(上述したタイヤTの各種特性値を測定する各種センサ)を配置すればよい。
以上述べた本実施形態に係るタイヤ試験装置1においては、基準点として、二次元コードを使用している。この場合、幾つかの補正を施すことにより、基準点の位置をより精度よく求めることができる。
図9に示すように、コントローラ22は、ルブリケーション動作が開始されるようにルブリケーション部2を制御する(図9のステップS0)。コントローラ22は、タイヤTの回転が開始されるように回転ローラ7を制御する(ステップS1)。
読み取り開始からの時間はタイマA及びタイマBによって計測される。二次元コードリーダ24は、タイマAによる所定の時間内に二次元コードの読み取りができ、かつ、読み取り結果が不正である場合(ステップS7においてYES)、読み取り失敗の信号をコントローラ22へ出力する(ステップS8)。また、二次元コードリーダ24は、予定時間内に二次元コードの読み取りができず、かつ、タイマBによる所定の時間が経過した場合(ステップS9においてYES)、読み取りタイムアウトエラーの信号をコントローラ22へ出力する(ステップS10)。何れの場合も、コントローラ22は、ルブリケーション動作を停止し、タイヤ試験を停止するような制御を行う。
また、コントローラ22は、二次元コードの文字列情報を外部のパソコン(PC)などのコンピュータ機器に送信する(図2参照)。二次元コードのデコードによって得られる文字列は、例えばタイヤの規格を示す記号である。コンピュータ機器に上記の文字列が送信されることで、コンピュータ機器からコントローラ22に対してタイヤ直径(Dt)、タイヤ幅(Dw)、リム径(Db)などの情報が送られる(後述のステップS14)。
コントローラ22は、二次元コードリーダ24からの読み取り結果を受信すると、二次元コードリーダ24に対して二次元コードの読み取り停止の指令を送信する(ステップS12)。この時点では、二次元コードの読み取り及びルブリケーション液の塗布が完了しているので、コントローラ22は、タイヤTの回転が停止するように回転ローラ7を制御する(ステップS13)。
タイヤTの回転が停止した後、基準点位相検出部10からタイヤTの停止を示す信号がコントローラ22に送信される。コントローラ22はタイヤTの直径の算出を行う(ステップS15)。
タイヤTの直径の計算は以下に示す手順に従って行われる。
変換係数Xp=((222.5(mm)÷810.0(mm))×(1048.3(mm)−Dw(mm)))÷1600(pix)・・・(1)
変換係数Yp=((170.0(mm)÷810.0(mm))×(1048.3(mm)−Dw(mm)))÷1200(pix)・・・(2)
上述した手順で得られる変換係数Xp,Ypを用いて、画素数で表記されたa点(Xa 、Ya )及びb点(Xb 、Yb )の二点間座標距離Lbcr_RDを、式(3)のようにして求めることができる。
次に、式(3)で求められた二点間距離を、タイヤTの中央を中心とする円弧であると近似的に考え、リム径の情報からa点及びb点の二点間座標の角度(θbcr_RD(deg))を式(4)のようにして求める。
θbcr_RD(deg) =Lbcr_RD(mm)÷(Db(inch)×25.4×π)×360・・・(4)
このようにして二点間座標の角度を計算できたら、回転ローラ7の回転角度からタイヤTの移動量、つまりルブリケーション液を塗布している間にタイヤTが回転した回転角度を求める。
P_C1(個)=C1(個)−(Ta(ns)÷7.4(ns/個))
P_C2(個)=C2(個)−(Tb(ns)÷7.4(ns/個))・・・(5)
式(5)に従って、デコード時間による遅れが補正された1回目と2回目のパルスカウント値が得られたら、次にタイヤ直径の計算を実施する。一般的に、二次元コードに含まれたタイヤの直径及び幅方向の情報はタイヤの仕様値であり、実際のタイヤ直径とは異なることが多い。仕様値を用いて計算を行なうと特異点の位置に誤差が生じることがある。そのため、例えば、送信されたタイヤ直径Dtとパルスカウント値からタイヤ直径Dtaを算出し、算出したタイヤ直径Dtaとパルスカウント値から再度タイヤ直径Dtaを算出する繰り返し演算を行い、タイヤ直径Dtaのより正確な値を算出する。最初は送信されたタイヤ直径をもとにパルスカウント値からタイヤ直径の計算を例えば以下のように実施する。
(θbcr_RD÷360)×Dt×π=Lbcr_RD・・・(6)
一方、二点間の距離Lbcr_RDに相当するパルスカウントをPulseCount_Ang(個)とすると、PulseCount_Angは、次の式(7)で表される。なお、パルスカウント値から計算されるタイヤ直径をDta(mm)とし、ローラ7の直径をDr(mm)とし、ローラ7の1回転あたりのパルス数を60(個)とする。
本実施形態では、ローラ7の直径Drが114mmであるので、この数値を上記式に代入すると、PulseCount_Angは、次の式(8)のように表される。
PulseCount_Ang(個)=θbcr_RD×Dta÷684・・・(8)
なお、2回目のパルスカウントで読み取られた読取座標の位置が、1回目のパルスカウントで読み取られた読取座標に対してどの位置にあるかによっても、処理内容を切り換える必要がある。
逆に、2回目のパルスカウントで読み取られた読取座標の位置が奥にある、言い換えれば2回目の読取座標が1回目に対してタイヤTの回転方向に位置する場合には、余分にパルス数をカウントしているので、式(10)のように引いて補正する必要がある。ここで、式(9)、式(10)中のPulseCount_RDは、タイヤ1周分のパルスカウント数(個)である。
PulseCount_RD=(P_C2−P_C1)+PulseCount_Ang・・・(9)
Xb<Xaの場合、
PulseCount_RD=(P_C2−P_C1)−PulseCount_Ang・・・(10)
このようにしてPulseCount_RDが求められたら、求められたPulseCount_RDを式(11)に代入して、タイヤTの直径Dtaを算出する。なお、式(11)における「Dr」は回転ローラ7の直径である。本実施形態では、回転ローラ7の1回転あたりのパルス数は、例えば60パルス(個)である。
上述した繰り返し演算では、式(11)で算出したDtaから再度、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)もしくは式(10)、及び式(11)を用いてDtaを算出する演算を繰り返す。
回転ローラ7の回転停止後にアーム部8が駆動し、アーム部8が開いて開動作が完了したら、上述の手順で算出したタイヤ直径を使用して停止角度の計算を実施する。
すなわち、停止角度の計算は、2回目の座標の読取が完了してから、回転が停止するまでのパルス数を使用して停止角度の算出を行う。まず、2回目の読取が完了してから回転停止までにカウントされるパルス数Crは、以下の式(12)で示される。なお、式(12)における「C」は、パルスカウントの開始からタイヤTが停止した時点までのパルスカウント数である。式(12)では、カウント開始からタイヤTの停止までのパルスカウント数「C」から、2回目の二次元コード読み取り時のパルス数「P_C2」を引くことで、2回目の読み取り時からタイヤTの停止までのカウント数を算出している。
パルス数Crを用いると、ローラ回転角度 θr及びタイヤ回転角度 θtは、式(13)のように示すことができる。なお、式(13)における「Pr」は、回転ローラ7における1パルスあたりの回転角度である(例えば1パルスあたり6deg/個)。
ローラ回転角度 θr(deg)=Cr(個)×Pr(deg/個)
タイヤ回転角度 θt(deg)=(Dr(mm)÷Dta(mm))×θr(deg)・・・(13)
次に、上述した二次元バーコードの停止角度を求める。まず、図7に示すように、停止角度の基準となる座標中心から二次元バーコードまでの距離を求めると、式(14)のようになる。
上記した式(14)より求められた距離Lbcrを用いて、さらにバーコードリーダの視野中心を基準とするバーコード検知位置の角度を式(15)のように計算する。
バーコードリーダの視野中心を基準とするバーコード検知位置の角度:θbcr(deg)=Lbcr(mm)÷(Db(inch)×25.4×π)×360・・・(15)
次に、図7に示すように、パルスカウント数を用いて、停止するまでの角度を計算する。 バーコードリーダ24からバーコードの停止位置までの角度をθbcとすると、θbcは式(16)のように求められる。ルブリケーション動作におけるタイヤTの回転は、バーコードリーダによる2回のバーコード検出後に停止するが、その停止位置はバーコードリーダの位置から少し行き過ぎた状態で停止する。したがって、式(16)では、タイヤTが停止したときのバーコードリーダの位置とバーコードの位置との差を算出する。なお、上述した図6の場合と同様に、XbとXcとの位置関係で処理内容を変える必要がある。
θbc=θt+θbcr
Xb≧Xcの場合
θbc=θt−θbcr・・・(16)
次に、停止角度をドラム基準で表示するために、ドラム基準の角度に置き換えて、バーコード停止位置の補正計算を実施する。この補正計算は、式(17)のようなものとなる。
最後に、得られた角度が0〜360度の範囲になるように余剰計算を実施する。なお、式(17)の「θb」は、コンピュータ機器からコントローラ22へ送信されるリムの情報などから決定されるものである。具体的には、当該送信されるリムの情報は、図13に示す表における「センサ位置」に示すような値となる。当該センサ位置は、図8に示すように、二次元コードリーダの取付角度である。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
提供されるタイヤ試験方法は、基準点が設けられたタイヤを回転させつつビード部にルブリケーション液を塗布する工程と、前記ルブリケーション液の塗布後における前記基準点の位相を検出する工程と、前記基準点の位相が表される座標と共通の共通座標におけるスピンドルの回転原点の位相を検出する工程と、前記ルブリケーション液が塗布された前記タイヤを前記スピンドル上で回転させつつタイヤ試験を行って前記タイヤに存在する特異点を検出するとともに、前記回転原点から前記特異点までの位相を検出する工程と、前記基準点の位相と、前記回転原点の位相と、前記回転原点から前記特異点までの位相とに基づいて、前記基準点から前記特異点までの位相を算出する工程と、前記共通座標における前記基準点に関する情報と、前記共通座標における前記回転原点に関する情報とを記憶する工程と、前記特異点が存在する周方向の位置において前記タイヤにマーキングする工程と、を備える。
タイヤ試験において特異点の検出前にタイヤの基準点を一定の位置に正確に位置決めしない場合には、特異点の検出前に行われるルブリケーション液を塗布する工程はタイヤの回転を伴うため、ルブリケーション液の塗布後には、タイヤの基準点は、一定の位置(一定の位相)に位置決めされず、任意の位置(任意の位相)を取り得る。
前記タイヤ試験方法において、前記基準点は、前記タイヤに刻印された二次元コードによって構成されていてもよい。
また、前記基準点の位相を検出する工程においては、前記二次元コードは、二次元コードリーダを用いて読み取られるのが好ましい。
当該タイヤ試験装置では、前記基準点は、前記タイヤに刻印された二次元コードによって構成されており、前記ルブリケーション部は、前記二次元コードを読み取る二次元コードリーダを有していてもよい。
なお、特許文献1の技術では、目印検出位置センサが目印を検出することで回転機構の制御が行われるが、目印検出位置センサが目印のどこを検出したかは不明となっている。それゆえ、高精度な特異点の回転方向角度の精確な算出は困難となっている。一方、上記実施形態では、補正工程が実施されるので、特異点の回転方向角度の正確な算出が可能である。
2 ルブリケーション部
3 スピンドル
4 本体部
5 マーキング部
6 コンベア
7 回転ローラ
8 アーム
22 コントローラ
T タイヤ
Claims (7)
- 基準点が設けられたタイヤを回転させつつビード部にルブリケーション液を塗布する工程と、
前記ルブリケーション液の塗布後における前記基準点の位相を検出する工程と、
前記基準点の位相が表される座標と共通の共通座標におけるスピンドルの回転原点の位相を検出する工程と、
前記ルブリケーション液が塗布された前記タイヤを前記スピンドルによって回転させつつタイヤ試験を行って前記タイヤに存在する特異点を検出するとともに、前記回転原点から前記特異点までの位相を検出する工程と、
前記基準点の位相と、前記回転原点の位相と、前記回転原点から前記特異点までの位相とに基づいて、前記基準点から前記特異点までの位相を算出する工程と、
前記共通座標における前記基準点に関する情報と、前記共通座標における前記回転原点に関する情報とを記憶する工程と、
前記特異点が存在する周方向の位置において前記タイヤにマーキングする工程と、を備える、タイヤ試験方法。 - 前記基準点は、前記タイヤに刻印された二次元コードによって構成されている、請求項1に記載のタイヤ試験方法。
- 前記基準点の位相を検出する工程においては、前記二次元コードは、二次元コードリーダを用いて検出される、請求項2に記載のタイヤ試験方法。
- 前記二次元コードリーダは、前記二次元コードよりも広い視野範囲を備えており、
前記基準点の位相を検出する工程においては、前記二次元コードリーダが前記二次元コードリーダにおける視野範囲内での前記二次元コードの位置データをコントローラに入力し、前記コントローラが、前記二次元コードの前記位置データに基づいて、前記共通座標における前記二次元コードの位相を補正し、補正された前記二次元コードの位相が前記基準点の位相とされる、請求項3に記載のタイヤ試験方法。 - 基準点が設けられたタイヤを回転させつつビード部にルブリケーション液を塗布するルブリケーション部と、
前記ルブリケーション部でルブリケーション液が塗布された前記タイヤをスピンドルによって回転させつつタイヤ試験を行って前記タイヤに存在する特異点を検出する本体部と、
前記特異点が存在する周方向の位置において前記タイヤにマーキングするマーキング部と、
特異点位相算出部と、
記憶部と、を備え、
前記ルブリケーション部は、前記ルブリケーション液の塗布後における前記基準点の位相であって前記ルブリケーション部と前記本体部と前記マーキング部とに共通する共通座標における前記基準点の位相を検出する基準点位相検出部を有し、
前記本体部は、前記共通座標における前記スピンドルの回転原点の位相を検出する原点位相検出部と、前記回転原点から前記特異点までの位相を検出する特異点位相検出部と、を有し、
前記特異点位相算出部は、前記基準点位相検出部によって検出された前記基準点の位相と、前記原点位相検出部によって検出された前記回転原点の位相と、前記特異点位相検出部によって検出された前記回転原点から前記特異点までの位相と、に基づいて、前記基準点から前記特異点までの位相を算出するように構成され、
前記記憶部は、前記基準点位相検出部によって検出される前記共通座標における前記基準点に関する情報と、前記原点位相検出部によって検出される前記共通座標における前記回転原点に関する情報と、を記憶するように構成されている、タイヤ試験装置。 - 前記基準点は、前記タイヤに刻印された二次元コードによって構成されており、
前記ルブリケーション部は、前記二次元コードを読み取る二次元コードリーダを有する、請求項5に記載のタイヤ試験装置。 - 基準点位相算出部をさらに備え、
前記基準点位相検出部は、前記基準点の位置を検出する位置検出部と、前記タイヤが回転した回転角度を検出する角度検出部とを有し、
前記基準点位相算出部は、前記ルブリケーション液の塗布中に、前記位置検出部によって検出される前記共通座標における前記タイヤの前記基準点の位置と、前記ルブリケーション液の塗布中に前記角度検出部によって検出される前記タイヤの回転角度とに基づいて、前記ルブリケーション液の塗布後における前記タイヤの前記基準点の位相を算出するように構成されている、請求項5又は6に記載のタイヤ試験装置。
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