JP2018165438A - 壁材の取付具及び壁構造 - Google Patents

壁材の取付具及び壁構造 Download PDF

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Abstract

【課題】構造体と壁材との間の間隙を十分に長く確保可能であるとともに、壁材を安定して支持できる取付具及び壁構造を提供する。【解決手段】本発明の取付具は、構造体2に例えば外壁材12を取り付けるためのものである。基部1は、構造体2に取り付けるための固定孔1aを有している。一対の側壁3、5は、基部1の両端から突出している。一対の支持部7、9は、各側壁3、5の先端から互いに離れる方向に延びている。一対の係合部11、13は、各支持部7、9に設けられ、外壁材12を係止する。規制部15は、基部1から突出して両側壁3、5間に位置し、両側壁3、5間の距離を維持する。【選択図】図1

Description

本発明は壁材の取付具及び壁構造に関する。
従来、特許文献1〜3に開示された取付具が知られている。これらの取付具は、建物を構成する構造体に壁材を取り付けるために用いられる。特許文献1、2に開示された取付具は、壁材の接合部である所謂さね部がある壁材を構造体に取り付ける際に用いられる。特許文献3に開示された取付具は、窓枠等の開口部の下側や軒天の下側等に用いられ、壁材を窓枠等の下部の位置に適合するように所定の長さに切断した場合に用いられる。
特許文献1の図1又は図4に開示された取付具は、基部と、二対の側壁と、一対の支持部と、一対の係止部とを備えている。特許文献1の図1に開示された取付具では、基部は、矩形の板状をなし、構造体に取り付けるための固定孔を有している。二対の側壁も矩形の板状をなしている。中央側の各側壁は、基部の両端から基部に対して直角方向に突出している。各支持部も矩形の板状をなしている。各支持部は、中央側の側壁の先端から側壁に対して直角方向で互いに離れる方向に延びている。左右の側壁も矩形の板状をなしている。左側の側壁又は右側の側壁は、各支持部に対して直角方向で突出し、基部から各支持部までの距離と同じ距離で延びている。係止部は各支持部に設けられている。
特許文献2の図1又は図6に開示された取付具は、基部と、一対の側壁と、一対の支持部と、一対の係止部とを備えている。これらの取付具でも、基部は、矩形の板状をなし、構造体に取り付けるための固定孔を有している。また、一対の側壁も矩形の板状をなしている。各側壁は、基部の両端から基部に対して直角方向に突出している。各支持部も矩形の板状をなしている。各支持部は、側壁の先端から側壁に対して直角方向で互いに離れる方向に延びている。係止部は各支持部に設けられている。係止部は支持部の一端で湾曲しつつ突出している。また、特許文献2の図6に開示された取付具は、基部の一端側に矩形状に形成された安定部を有している。
特許文献3の図14及び図15に開示された取付具は、基部と、支持部と、一対の係止部とを備えている。この取付具でも、基部は構造体に取り付けるための固定孔を有している。支持部は、基部から絞り加工によって膨出されている。各係止部は、支持部から支持部に対して直角方向に突出する基端部位と、基端部位から基部の一方側に延びる先端部位とからなる。
特開2001−20496号公報 実開昭62−9603号公報 特開2009−41181号公報
ところで、構造体に壁材を取り付けた取付具には、係止部を介して壁材によって構造体から離れる方向に向かう外力が作用する。このため、上記特許文献1、2に開示された取付具では、構造体と壁材との間の通気層等の間隙を十分に長く確保するために側壁の突出長さを長くすると、その外力によって側壁が倒れ易く、壁材を安定して支持し難くなる可能性がある。
他方、上記特許文献3に開示された取付具では、基部と支持部との距離を長くし難いことから、構造体と壁材との間の間隙を十分に長く確保し難い。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、構造体と壁材との間の間隙を十分に長く確保可能であるとともに、壁材を安定して支持できる取付具及び壁構造を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の第1の態様の取付具は、構造体に壁材を取り付けるための取付具であって、
前記構造体に取り付けるための固定領域を有する基部と、
前記基部の両端から突出する一対の側壁と、
各前記側壁の先端から互いに離れる方向に延びる一対の支持部と、
各前記支持部に設けられ、前記壁材を係止する一対の係止部と、
前記基部から突出して両前記側壁間に位置し、両前記側壁間の距離を維持する規制部とを備えていることを特徴とする。
第1の態様の取付具では、両側壁間に基部から突出する規制部が存在し、規制部が両側壁間の距離を維持する。つまり、規制部は、外力によって両側壁が互いに近づくように倒れるような変形を防止する。このため、側壁の突出長さを長くして、通気層等の構造体と壁材との間隙を確保できる。
また、この取付具では、基部と支持部との距離を長くすることができるため、構造体と壁材との間の間隙を十分に長く確保できる。このため、構造体と壁材との間にいわゆる胴縁等のスペーサを必ずしも設ける必要もない。
したがって、第1の態様の取付具は、構造体と壁材との間の間隙を十分に長く確保可能であるとともに、壁材を安定して支持できる。
また、この取付具は、中央に位置する基部によって、全体幅より十分に狭い幅で構造体に固定される。このため、構造体側の不陸によって両支持部に偏倚が生じることを防止でき、この意味においても壁材を安定的に支持できる。
本発明の第2の態様として、両方の側壁及び支持部には、側壁と支持部とに亘って形成された溝状部が形成されていることが望ましい。
この場合、両溝状部は、強い外力が作用した場合に、両支持部の側壁側の端部を支点として、支持部の外側の端部が互いに近づく方向に変形することを効果的に防止する。これによって、側壁の突出長さを確実に長くすることができ、通気層等の構造体と壁材との間隙を確実に確保できる。
本発明の第3の態様として、各係止部の基端部位が支持部から延びる位置に対し、溝状部及び固定領域は基部の一方側に設けられ、規制部は基部の他方側に設けられていることが望ましい。
この場合、溝状部及び規制部が基部の一方側と他方側とにおいて係止部を挟むこととなる。このため、外力が係止部を介して支持部に作用しても、支持部、ひいては取付具が変形することを効果的に防止できる。
また、固定領域は、係止部に対して一方側に偏倚して設けられる場合が多いが、このような場合、規制部及び溝状部の一方が固定領域の近傍に存在することにより、ネジ等による締結時の外力や、施工後に固定領域近傍に生じる外力によって取付具の変形、特に基部の変形を防止できる。
本発明の第4の態様として、基部には、規制部と溝状部との間において、一方側の側壁から他方側の側壁に向かって延びる第1凸部が形成されていることが望ましい。
第1凸部により、基部の剛性を高めることができる。このため、特に、ネジ等の締結具により固定領域を介して取付具を固定する際、固定領域近傍に生じる負荷による基部の変形を防止できる。
本発明の第5の態様として、基部には、固定領域の両側で第1凸部と交差する方向に延びる一対の第2凸部が形成されていることが望ましい。
この場合、両第2凸部間に固定領域が位置し、基部の剛性が高まる。このため、ネジ等の締結具により固定領域を介して取付具を固定する際、固定領域近傍に生じる負荷による基部の変形をより防止できる。
本発明の第6の態様として、規制部の先端面は、両支持部と略同一の平面上にあることが望ましい。
この場合、規制部が支持部としても機能して壁材の裏面を支持することとなる。このため、壁材をより安定して支持することができる。
本発明の第7の態様として、規制部の基端部位は、先端部位より幅狭とされることにより、各側壁との間に空隙が形成されていることが望ましい。
この場合、空隙によって規制部上に雨水等が溜まることを防止できる。規制部を斜めに形成した場合には、一層、雨水等の排水が容易になる。
本発明の第8の態様として、取付具は、両支持部における側壁から離れた縁端に形成され、側壁が基部から突出する方向と反対の方向に突出する端縁部を備えていることが好ましい。両端縁部は、基部から各支持部までの距離よりも短い距離で延びていることが好ましい。
この場合、端縁部が支持部の剛性を高めて取付具の変形を防止し、壁材を安定して支持することができる。また、両端縁部が基部から各支持部までの距離よりも短い距離で延びているため、構造体側に不陸があったとしても、端縁部が構造体の表面と接触しないため、壁材を安定的に支持できる。
本発明の第9の態様の壁構造は、建物の構造体に対し、取付具を用いて壁材を取り付けた壁構造であって、
前記取付具は、
前記構造体に取り付けるための固定領域を有する基部と、
前記基部の両端から前記構造体から離れる方向に突出する一対の側壁と、
各前記側壁の先端から互いに離れる方向に延びる一対の支持部と、
各前記支持部に設けられ、前記壁材を係止する一対の係止部と、
前記基部から突出して両前記側壁間に位置し、両前記側壁間の距離を維持する規制部とを備えていることを特徴とする。
本発明の第9の態様の壁構造によれば、第1の態様の取付具が奏する作用効果により、構造体と壁材との間の間隙を十分に長く確保可能であるとともに、壁材を安定して支持できる。
本発明の壁材の取付具及び壁構造では、構造体と壁材との間の間隙を十分に長く確保可能であるとともに、壁材を安定して支持できる。
図1は、実施例の取付具の斜視図である。 図2は、実施例の取付具の他の方向からの斜視図である。 図3は、実施例の壁構造に係り、壁構造の断面図である。 図4は、実施例の壁構造に係り、壁材を断面として示す正面図である。 図5は、実施例の壁構造に係り、構造体を断面として示す平面図である。 図6は、実施例の取付具の展開図である。 図7は、変形例1の取付具の正面図である。 図8は、変形例2の取付具の断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例及び変形例1、2を図面を参照しつつ説明する。なお、図1において、垂直上方向を上と表示し、垂直下方向を下と表示する。また、図1の屋外から屋内に向う方向において水平左方向を左と表示し、水平右方向を右と表示する。そして、図2以降の各図に示す各方向は、図1に対応させて表示する。
(実施例)
実施例の取付具は、図1及び図2に示すように、基部1と、一対の側壁3、5と、一対の支持部7、9と、一対の係止部11、13と、規制部15と、一対の端縁部17、19とを備えている。この取付具は、図6に示すように、1枚の金属板が打ち抜き加工、プレス加工及び折り曲げ加工等されることによって成形されている。但し、取付具の材料は金属に限られず、樹脂等であってもよい。
図1及び図2に示すように、基部1は矩形の板状をなしている。取付具が住宅、施設、倉庫等の建物を構成する構造体2(図3等参照)に取り付けられる際に上部となる基部1の一方側に固定孔1aが貫設されている。固定孔1aは、構造体2にねじ込む締結具としてのネジ4を挿入させる。固定孔1aが構造体2に取り付けるための固定領域に相当する。
基部1には、一方側の側壁3から他方側の側壁5に向かって平行に延びる2本の第1凸部1b、1cが形成されている。また、基部1には、固定孔1aの両側に位置し、互いに平行に延びる一対の第2凸部1d、1eが形成されている。第2凸部1d、1eの下端は第1凸部1bの両端と直角に繋がっている。第1凸部1b、1c及び第2凸部1d、1eは、図6に示すように、基部1がプレス加工されることによって基部1の屋外側の表面から突出している。
図1及び図2に示すように、各側壁3、5も矩形の板状をなしている。各側壁3、5は、図6に示すように、基部1の両端が折り曲げ加工されることによって成形されている。各側壁3、5は、図1及び図2に示すように、基部1の両端から基部1に対して直角方向に突出している。
各支持部7、9も矩形の板状をなしている。支持部7は、図6に示すように、側壁3の左端が折り曲げ加工されることによって成形されている。支持部9は、側壁5の右端が折り曲げ加工されることによって成形されている。各支持部7、9は、図1及び図2に示すように、側壁3、5の先端から側壁3、5に対して直角方向で互いに離れる方向に延びている。
側壁3及び支持部7には、側壁3と支持部7とに亘って形成された溝状部21が形成されている。また、側壁5及び支持部9にも、側壁5と支持部9とに亘って形成された溝状部23が形成されている。溝状部21、23は基部1の一方側に設けられている。溝状部21、23は、図6に示すように、側壁3、5及び支持部7、9がプレス加工されることによって側壁3、5及び支持部7、9の屋外側の表面から凹んでいる。
各支持部7、9に係止部11、13が形成されている。係止部11、13は、支持部7、9から直角に延びる基端部位11a、13aと、基端部位11a、13aの先端から基部1の他端側に直角に延びる先端部位11b、13bとからなる。係止部11、13は、図6に示すように、支持部7、9が打ち抜き加工及び折り曲げ加工されることによって成形されている。すなわち、支持部7、9が打ち抜き加工されることにより略U字形状の切欠き7a、9aが形成され、切欠き7a、9aで囲まれた部位が折り曲げ加工されることにより基端部位11a、13a及び先端部位11b、13bが形成されている。
図1及び図2に示すように、各支持部7、9には、切欠き7a、9aの外側で一端側から他端側に向かって延びる第3凸部7b、9bが形成されている。第3凸部7b、9bは、図6に示すように、支持部7、9がプレス加工されることによって支持部7、9の屋外側の表面から突出している。
また、図1及び図2に示すように、規制部15は、基部1の下端から突出して両側壁3、7間に位置し、両側壁3、7間の距離を維持するようになっている。より具体的には、規制部15の幅は、基部1の幅と同等であるか、僅かに短い。このため、側壁3、5と規制部15との隙間は、0.5mm以下、好ましくは0.2mm以下である。この隙間は、規制部15の両側に存在する。
規制部15は、取付具が構造体2(図3等参照)に取り付けられる際に基部1の下端となる側に設けられている。規制部15は、図6に示すように、基部1の下端が折り曲げ加工されることによって成形されている。規制部15は、図1及び図2に示すように、基部1の下端から基部1に対して直角方向に突出している。規制部15の長さは、規制部15の先端面15aが両支持部7、9と略同一の平面上となるように設定されている。
規制部15は、基部1側に位置する基端部位15bと、基端部位15bと一体をなして先端側に位置する先端部位15cとからなる。基端部位15bは、先端部位15cより幅狭とされることにより、各側壁3、5との間に空隙25、27が形成されている。
各端縁部17、19も矩形の板状をなしている。各端縁部17、19は、支持部7、9における側壁3、5から離れた縁端に形成され、側壁3、5が基部1から突出する方向と反対の方向に突出している。両端縁部17、19は、基部1から各支持部7、9までの距離よりも短い距離、すなわち側壁3、5の基部1からの突出長さより短い長さで延びている。
次に、本実施例の取付具を用いて壁材を取り付ける方法について説明する。この取付具は、図3に示すように、壁材としての外壁材12とともに構造体2に取り付けられる。構造体2は、複数の構造部材によって構成されている。構造部材には、左右方向に所定の間隔を有して並ぶ複数の柱材や柱材間に配置される間柱等の柱部材6、柱部材6の外面に固定された板材8、柱部材6及び板材8に固定された窓枠10等が含まれる。
外壁材12は、左右方向に長い略矩形状の板材である。本実施例では、外壁材12は、四方合決り構造のものであり、上端部、下端部、右端部及び左端部に隣接する外壁材12と重ね合わされる接合部としての所謂さね部を有している。
この実施例では、窓枠10の開口部の下方から外壁材12を積み上げ、窓枠10の下端に所定幅の外壁材12を取り付ける。このため、窓枠10の下端に位置する外壁材12に対しては、その長辺に沿って切断を行い、その上端面に電気丸のこ等によってスリット12aを形成している。
そして、図3〜5に示すように、取付具の係合部11の先端部位11b、13bをスリット12aに差込む。この状態で、固定孔1aが上部に位置するように取付具を構造体2上に配置し、工具によって締結具としてのネジ4を固定孔1aから構造体2にねじ込む。これにより、取付具の基部1が構造体2に取り付けられる。また、外壁材12の裏面は第3凸部7b、9bに当接し、外壁材12が支持部7、9に支持される。こうして、構造体2に外壁材12を取り付けることが可能となる。その後、窓枠10の下部10aと外壁材12の上端面との隙間に発泡樹脂等からなるバックアップ材14が挿入され、さらにその上にシーリング材16が充填される。
なお、窓枠10の下端に外壁材12のさね部が位置する場合や、窓枠10の下端以外に配置する外壁材12に対しては、外壁材12の上端のさね部を係止部11、13の先端部位11b、13bで構造体2側に挟み込むことにより、外壁材12を取り付けることも可能である。
こうして、建物の構造体2に対し、取付具を用いて外壁材12を取り付けた壁構造が得られる。
この取付具では、図5に示すように、両側壁3、5間に基部1から突出する規制部15が存在し、規制部15が両側壁3、5間の距離を維持する。つまり、規制部15は、外力によって両側壁3、5が互いに近づくように倒れるような変形を防止する。このため、側壁3、5の突出長さを長くして、通気層等の構造体2と外壁材12との間隙を確保できる。
また、この取付具では、基部1と支持部7、9との距離を長くすることができるため、構造体2と外壁材12との間の間隙を十分に長く確保できる。このため、構造体2と外壁材12との間にいわゆる胴縁等のスペーサを必ずしも設ける必要もない。
また、この取付具は、中央に位置する基部1によって、全体幅より十分に狭い幅で構造体2に固定される。このため、構造体2側の不陸によって両支持部7、9に偏倚が生じることを防止でき、この意味においても外壁材12を安定的に支持できる。
さらに、この取付具では、側壁3、5及び支持部7、9に溝状部21、23が形成されている。両溝状部21、23は、強い外力が作用した場合に、両支持部7、9の側壁3、5側の端部を支点として、支持部7、9の外側の端部が互いに近づく方向に変形することを効果的に防止する。これによって、側壁3、5の突出長さを確実に長くすることができ、通気層等の構造体2と外壁材12との間隙を確実に確保できる。
また、この取付具では、図1及び図2に示すように、各係止部11、13の基端部位11a、13aが支持部7、9から延びる位置に対し、溝状部21、23及び固定孔1aが基部1の上方側に設けられ、規制部15が基部1の下方側に設けられている。このため、溝状部21、23及び規制部15が基部1の上方側と下方側とにおいて係止部11、13を挟んでいる。従って、外力が係止部11、13を介して支持部7、9に作用しても、支持部7、9、ひいては取付具が変形することを効果的に防止できる。
さらに、この取付具では、固定孔1aが係止部11、13に対して上方側に偏倚して設けられ、溝状部21、23が固定孔1aの近傍に存在しているため、ネジ4等による締結時の外力や、施工後に固定孔1a近傍に生じる外力によって取付具の変形、特に基部1の変形を防止できる。
また、この取付具では、基部1に第1凸部1b、1cが形成されているため、基部1の剛性を高めている。このため、特に、ネジ4等の締結具により固定孔1aを介して取付具を固定する際、固定孔1a近傍に生じる負荷による基部1の変形を防止できる。
さらに、この取付具では、基部1に第2凸部1d、1eが形成されているため、両第2凸部1d、1e間に固定孔1aが位置し、基部1の剛性がさらに高まっている。このため、ネジ4等の締結具により固定孔1aを介して取付具を固定する際、固定孔1a近傍に生じる負荷による基部1の変形をより防止できる。
また、この取付具では、規制部15の先端面15aが両支持部7、9と略同一の平面上にあるため、規制部15が支持部7、9としても機能して外壁材12の裏面を支持することとなる。このため、外壁材12をより安定して支持することができる。
さらに、この取付具では、規制部15の基端部位15bが各側壁3、5との間に空隙25、27を形成しているため、空隙25、27によって規制部15上に雨水等が溜まることを防止できる。
また、この取付具は、基部1から両支持部7、9までの距離よりも短い距離で延びる端縁部17、19を備えているため、端縁部17、19が支持部7、9の剛性を高めて取付具の変形を防止し、外壁材12を安定して支持することができる。また、両端縁部17、19が基部1から各支持部7、9までの距離よりも短い距離で延びているため、構造体2側に不陸があったとしても、端縁部17、19が構造体2の表面と接触しないため、外壁材12を安定的に支持できる。
したがって、この取付具は、構造体2と外壁材12との間の間隙を十分に長く確保可能であるとともに、外壁材12を安定して支持できる。また、この壁構造によれば、取付具が奏する作用効果により、構造体2と外壁材12との間の間隙を十分に長く確保可能であるとともに、外壁材12を安定して支持できる。
(変形例1)
図7に示すように、係止部11、13が基部1の他端側に直角に延びる第1先端部位11c、13cと、基部1の一端側に直角に延びる第2先端部位11d、13dとを有していても良い。この場合、一つの取付具が下段の外壁材12と上段の外壁材12とを係止することが可能である。なお、変形例1では、第1凸部を一つとし、第1凸部1bのみとしている。
(変形例2)
図8に示すように、規制部29が基部1に対して傾斜するようにしてもよい。この場合には、雨水等の排水がより容易になる。なお、変形例2では、第1凸部を一つとし、第1凸部1cのみとしている。
以上において、本発明を実施例等に即して説明したが、本発明は上記実施例等に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、係止部としては、種々の構造を採用することが可能である。また、固定領域として、固定孔1aを設けず、ネジ4で基部1に孔を開けつつ、ネジ4を構造体2にねじ込むことも可能である。
第2凸部1d、1eは第1凸部1bと交差する方向に延びておればよく、必ずしも第1凸部1bと直交している必要はない。また、取付具が第3凸部7b、9bを有さず、支持部7、9の表面が外壁材12を直接支持する構成としてもよい。さらに、端縁部17、19は、支持部7、9の縦方向の幅全部にある必要は無く、一部のみにあってもよい。
構造体2は、本実施例の構成に限定されず、木造枠組壁構法等によって建築されてもよい。また、構造体2は、例えば、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、レンガ造等の躯体であってもよい。
壁材は、上下方向に長い略矩形状の板材であってもよい。このように壁材を縦張りする場合、取付具を実施例から90°回転させて使用することとなる。
また、壁材は、上下合決り構造のものであってもよく、さね部等の接合部を有さないものであってもよい。また、壁材は、外壁材に限定されず、内壁材であってもよい。さらに、壁材は、合板、石膏ボード等のものの他、金属系材、樹脂系材等であってもよい。
2…構造体
12…外壁材(壁材)
1a…固定孔(固定領域)
1…基部
3、5…側壁
7、9…支持部
11、13…係止部
15…規制部
21、23…溝状部
11a、13a…基端部位
1b、1c…第1凸部
1d、1e…第2凸部
15a…先端面
15b…基端部位
15c…先端部位
25、27…空隙
17、19…端縁部

Claims (9)

  1. 構造体に壁材を取り付けるための取付具であって、
    前記構造体に取り付けるための固定領域を有する基部と、
    前記基部の両端から突出する一対の側壁と、
    各前記側壁の先端から互いに離れる方向に延びる一対の支持部と、
    各前記支持部に設けられ、前記壁材を係止する一対の係止部と、
    前記基部から突出して両前記側壁間に位置し、両前記側壁間の距離を維持する規制部とを備えていることを特徴とする取付具。
  2. 両方の前記側壁及び前記支持部には、前記側壁と前記支持部とに亘って形成された溝状部が形成されている請求項1記載の取付具。
  3. 各前記係止部の基端部位が前記支持部から延びる位置に対し、
    前記溝状部及び前記固定領域は前記基部の一方側に設けられ、
    前記規制部は前記基部の他方側に設けられている請求項2記載の取付具。
  4. 前記基部には、前記規制部と前記溝状部との間において、一方側の前記側壁から他方側の前記側壁に向かって延びる第1凸部が形成されている請求項3記載の取付具。
  5. 前記基部には、前記固定領域の両側で前記第1凸部と交差する方向に延びる一対の第2凸部が形成されている請求項4記載の取付具。
  6. 前記規制部の先端面は、両前記支持部と略同一の平面上にある請求項1記載の取付具。
  7. 前記規制部の基端部位は、先端部位より幅狭とされることにより、各前記側壁との間に空隙が形成されている請求項1記載の取付具。
  8. 両前記支持部における前記側壁から離れた縁端に形成され、前記側壁が前記基部から突出する方向と反対の方向に突出する端縁部を備え、
    両前記端縁部は、前記基部から各前記支持部までの距離よりも短い距離で延びている請求項1記載の取付具。
  9. 建物の構造体に対し、取付具を用いて壁材を取り付けた壁構造であって、
    前記取付具は、
    前記構造体に取り付けるための固定領域を有する基部と、
    前記基部の両端から前記構造体から離れる方向に突出する一対の側壁と、
    各前記側壁の先端から互いに離れる方向に延びる一対の支持部と、
    各前記支持部に設けられ、前記壁材を係止する係止部と、
    前記基部から突出して両前記側壁間に位置し、両前記側壁間の距離を維持する規制部とを備えていることを特徴とする壁構造。
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