JP6516648B2 - 建材板保持材、及び建材板保持構造 - Google Patents
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Description
一方、特に大型の建築物においては、室内側に屋根母屋を構成する溝形鋼やC型鋼等の屋根下地が、露出することになるため、見栄えが悪くなる。このため、屋根裏の見栄えを向上する目的で、或いは断熱性や遮音性を向上する目的で、様々な提案がなされている。
この提案における前記第1保持部材は、第1建材の上面に当接する第1挟持片を備える構成であり、前記化粧ホルダーは、前記第1建材の下面に当接して当該第1建材を前記第1挟持片に向かう厚さ方向に押圧する第2挟持片と、前記溝形鋼の開口部に挿入した前記第2建材の端部を厚さ方向から挟持する第3挟持片と、を備えている。
また、特にこの特許文献1に示される溝形鋼(C型鋼)は、配設ピッチに誤差が生じやすい部材であり、取付ピッチが狭いと係止部が干渉して建材が入らなかったり、逆に広いと隙間がより大きくなり、化粧カバー取付時まで作業者が抑えていなければならないという問題を有していた。しかも、そうした抑えながらの作業の場合、建材の配設、化粧ホルダーの取り付けを交互に行うことになり、極めて作業効率の悪いものとなっていた。
さらに、化粧ホルダーを建材より長尺とした場合には、その長さ分の建材を全て配設するまで化粧ホルダーの取付が行えないことになり、より作業性が悪くなるものであった。
なお、前記型鋼における背面側とは、下フランジが延在する方向と逆方向を指すものである。
また、保持材は、建材板の他方の端部を支持するため、建材板のサイズの制限や施工手順の制限を受けることがなく、また、型鋼の取付に誤差があった場合であっても確実に支持することができる。また、建材板が型鋼に干渉することがないため、建材板の端部同士を型鋼のウエブを挟んで突き合わせ状に配設でき、断熱性能に優れるものである
さらに、この保持材を用いた保持構造では、型鋼の下フランジ等を下方側から被覆する化粧材は、建材板の支持に関わっていないため、保持材の施工が終わっていれば随時取り付けを行うことができ、施工に支障を生ずるものでもない。
さらに、これらの保持構造では、型鋼の下フランジ及び保持材を被覆する化粧材を取り付けていることが望ましい。
なお、この化粧材としては、型鋼の下フランジ及び保持材を覆う「化粧カバー」と、建材板、或いは建材板と保持材、及び型鋼の下フランジを覆う「天井仕上げ材」とがあり、両者を併用するようにしてもよい。したがって、化粧カバーは覆うための面積、即ち化粧面部が小さく、天井仕上げ材は化粧面部が大きいため、新たな意匠性を加える目的には後者が適している。何れの化粧材においても特に形状、材質を限定するものではなく、例えば天井仕上げ材としては、後述する図示実施例にて説明するようなパンチングメタルに限定するものではない。
この中央縦片部には、この保持材の配設以前に取り付けている押さえ材に、嵌合、ビス止め、締着、接着等で型鋼に取り付けられるものであればその取付方法を問うものではなく、併用してもよい。なお、この取付部としては、後述する図示実施例では、押さえ材に孔状に形成した取付受部に対して外側へ隆起する隆状取付部としたが、特にその構成を限定するものではない。
この横片部の下フランジ側への延在部分には前記内側縦片部が形成され、逆方向の延在部分には前記支持部が設けられる外側縦片部が形成される。
この支持部は、後述する図示実施例では、外側への傾斜状縦片の上端に設けられているが、特にその構成を限定するものではない。また、この支持部の下方には、後述する化粧材を嵌合状に取り付けるための取付部位として、外方が開放する嵌合溝を形成しているが、特にその構成を限定するものではない。
この係止部は、後述する図示実施例では、外側への傾斜状縦片の上端を内側上方へ折り曲げた形状に形成され、前記支持部が形成される傾斜状縦片と左右対称状に形成されているが、特にその構成を限定するものではない。即ちこの係止部は、化粧カバーや天井仕上げ材等の化粧材の取付部位として用いるものであって、上端が型鋼の下フランジのリップより低く形成されために、リップの上端に支持させる建材板に干渉を受けずに化粧材を係止させることができる。
この押さえ材としては、前記縦片部の上端に型鋼の上フランジに掛止する掛止部を備えることが望ましい。この掛止部は、側方から前記縦片部にビスを打ち込んでこの押さえ材を型鋼に固定する際の仮止めとして利用することができる。
なお、これらの化粧材には、前記保持材と型鋼との取付を補助(強化)する構成を具備させてもよい。
また、この建材板の端部についても、その表面から
略垂直状に断裁したものに限らず、例えば端部を、下面側を切り欠いた段状に形成してもよい。
そして、一方の側面(右側面)32には、前記保持材1の係止部13Bの上端に係合する係合片321が内向きに設けられ、他方の側面(左側面)33には、前記保持材1の横片部12の端縁から立ち上がる縦片14の外側に沿って前記支持部141の下方に設けられる嵌合溝142に側方から係合する係合片331が内向きに設けられ、前記保持材1に下方から嵌合状に取り付けることができる。
この横片部12の下フランジ41側への延在部分には前記内側縦片部13が形成され、逆方向の延在部分には前記支持部141が設けられる外側縦片部14が形成される。
前記規制片13Aは、前記中央縦片部11と前記横片部12とこの規制片13Aとで上方が開放する略U字状を形成するための構成であり、この略U字状を型鋼4の下フランジ41に対して下方から嵌合状に仮止めすることができ、前記横片部12の下方からのビス止め作業を安定に行うことができる。
また、前記係止部13Bは、外側(図中の右側)への傾斜状縦片の上端を内側上方へ折り曲げた形状に形成されている。
この支持部141は、外側(図中の左側)への傾斜状縦片14の上端に設けられ、この支持部141の下方には、前記化粧カバー3の係合片331が嵌合状に取り付ける取付部位として、外方(図中の左方)が開放する嵌合溝142を設けている。
同図では、図面左側の型鋼4には前記保持材1及び前記化粧材(化粧カバー)3が既に取り付けられているが、取り付けていなくても同様であり、傾斜状に臨ませた建材板5の一方の端部51xの裏面を係合片321(及びその裏面側の係止部13B)に支持させ、端面を型鋼4のウエブ42に当接させる。
この保持材1は、前述のように前記中央縦片部11と前記横片部12と前記規制片13Aとで上方が開放する略U字状を形成しているので、型鋼4の下フランジ41に対して下方から嵌合状に仮止めできる。また、保持材1の中央縦片部11には、押さえ材2の縦片部21に形成した孔状の係止受部211に係止する隆状係止部111を有するので、仮止め状態はより安定なものとなる。そして、その後の前記横片部12の下方からのビス止め作業を安定に行うことができ、建材板5も略水平状に保たれるものとなる。
また、特に建材板5の一方側の端部51xは、押さえ材2を固定するために用いたビス2bの先端が表面側に延在しているので、他端側の端部51yにおける押さえ片22と同様に押さえ保持する役割を果たす。
この化粧カバー3は、前述のように一方(右方)の側面32に係合片321が内向きに設けられ、他方(左方)の側面33に係合片331が内向きに設けられているので、前記保持材1の係止部13B、嵌合溝142に下方から嵌合状に取り付けることができる。
しかもこの第1実施例では、建材板5の一方側の端部51xも他方側の端部51yもそれぞれビス21b、押さえ片22にて押さえ保持する構成としたので、室内側(下方側)から建材板5を押し上げるような応力が作用した際にも、該応力に抗する作用を果たし、建材板の外れや落下等を防ぐことができる。
また、前記縦片部21の上端には、略水平状に折曲されて型鋼4の上フランジ43に掛合する掛合片23が設けられ、側方から前記縦片部21にビス2bを打ち込んでこの押さえ材2を型鋼4に固定する際の仮止めとして利用できる。なお、前記押さえ片22は、複数の矩形状の切り込みによる切り起こしにて外側へ突出するように複数箇所に形成され、この押さえ片22の下端は取付状態において建材板5の表面に近接している。また、前記縦片部21の下方には、孔状に形成した係止受部211を設けている。
この押さえ材2の取付は、前記縦片部21を型鋼4のウエブ42に沿わせると共に前記掛止部23を型鋼4の上フランジ43に掛止させた仮止め状態とし、この状態でビス2bを側方(図面の左方)から打ち込んで固定する。
またこの例では、図3(d)に示す縦片部21cを前記図2における押さえ材2の縦片部21に比べて短く形成した小幅状の押さえ材2Cを用いた。この押さえ材2Cは、前記図2における押さえ材2とは異なり、型鋼4Cへの仮止め構成を有していないが、ビス2bを側方(図面の左方)から打ち込んで固定する点や建材板5の表面を押さえ片22にて押さえ保持する点などは同様である。
なお、この天井仕上げ材7は、パンチングメタル製の成形板であって、前記開口部711とは、固定用ビス7bを取り付けるための穴を指している。即ちこの天井仕上げ材7には、無数の穴が形成されているが、固定用ビス7bを取り付ける穴のみを開口部711とするものである。
また、この実施例では、自身の左側に位置する固定用横片73に延設されたL字状片(731,732)が左の保持材1の係止部13Bに嵌合状に取り付けられ、自身の右側に位置する固定用横片72に延設されたL字状片(721,722)が右の保持材1の嵌合溝142に嵌合状に取り付けられるが、これらは仮止め用であって、開口部711から治具等を挿入して固定用ビス7bを打ち込んで固定する。
この保持材1'は、前記隆状係止部111の代わりに逆の外側(図中の右側)へ隆起する隆状係止部112を備える中央縦片部11'が設けられ、前記規制片13Aの代わりに型鋼4,4間に配置される起立片15が設けられる以外は同様であるから図面に同一符号を付して説明を省略する。なお、前記隆状係止部112は、型鋼4'の下フランジ41のリップ411に係合する構成である。
また、この保持構造においては、中央2カ所の型鋼4,4の間隔より、この型鋼4からその外側の型鋼4,4'同士を背中合わせに接続した箇所までの間隔が小さく形成されているので、当該間隔においては、建材板5よりその分寸法が短い建材板5Bを用い、型鋼4'の内部には短尺の補助断熱材5Cを配設(収納)した。
ここで用いる化粧カバー3'は、前記化粧カバー3と全く同様に施工できる。
また、型鋼4,4'同士を背中合わせに接続して用いている箇所に用いる押さえ材2'は、図5(d)に示すように型鋼4'の下フランジ側へ取り付けるものであるが、その縦片部21には、型鋼4'の上フランジ43のリップ(下向き片)431に係合する係合部24が設けられている。
さらに、型鋼4'の内部には短尺の補助断熱材5Cが配設(収納)されているので、断熱性能の弱点部を生ずることもない。なお、この補助断熱材5Cは、前記建材板5,5Bと同質の素材であることが望ましく、その端材を充填してもよい。
ここで用いる繋ぎ用化粧材9Aは、断面フラット状の化粧面91の左右を折り曲げ、フランジ状横片92を延設した構成であって、このフランジ状横片92に両面テープ9bを用いて固定部材1'の横片部12'に仮止めすることができる。また、このフランジ状横片92は、天井仕上げ材7の取付により、固定用横片部72,73と固定部材1'の横片部12'との間に挟着されるので、強固に取り付けられるものとなる。
なお、前述のようにこの保持構造においては、中央2カ所の型鋼4,4の間隔より、この型鋼4からその外側の型鋼4,4'同士を背中合わせに接続した箇所までの間隔が小さく形成されているので、天井仕上げ材7は、当該間隔においても同一のものを用いているが、間隔が短い分だけ下方へ大きく湾曲させることで調整しており、これを天井仕上げ材7'及び化粧面部71'として区別した。
ここで用いる化粧カバー3D,3Eは、前記化粧カバー3,3'と全く同様に施工できる。
ここで用いる繋ぎ用化粧材9Cは、前記図5(b)における繋ぎ用化粧材9Aと全く同様に取り付けることができる。
11 中央縦片部
111 隆状係止部
12 横片部
13 内側縦片部
13A 規制片
13B 係止部
14 傾斜状縦片
141 支持部
2 押さえ材
2b ビス
21 縦片部
211係止受部
22 押さえ片
23 掛合片
3,3' 化粧材(化粧カバー)
31 化粧面
4 型鋼
41 下フランジ
411 上向き片(リップ)
42 ウエブ
43 上フランジ
431 下向き片(リップ)
5 建材板
51x,51bx(一方側の)端部
6 屋根断熱材
7 化粧材(天井仕上げ材)
71 化粧面部
8 H型鋼
9A,9C 繋ぎ用化粧材
Claims (4)
- 少なくともウェブ、下フランジ、リップを有する複数の型鋼に対して取り付けて建材板を型鋼間に保持することができる建材板保持材であって、
取付状態において型鋼のウエブに沿う中央縦片部と、型鋼の下フランジに沿う横片部と、該横片部から立ち上がる内側縦片部と、外側縦片部と、該外側縦片部に設けられて型鋼の背面側に配設する建材板の端部を支持する支持部と、を有し、型鋼の下フランジに対して室内側から取付可能であり、
建材板の一方の端部を型鋼の下フランジのリップに支持させると共に、他方の端部を前記型鋼の下フランジ側に隣り合う型鋼に取り付けた当該建材板保持材の前記支持部に支持させることにより、建材板を隣り合う型鋼間に保持できることを特徴とする建材板保持材。 - 内側縦片部は、上端が型鋼の下フランジのリップより低い係止部であることを特徴とする請求項1に記載の建材板保持材。
- 建材板の一方の端部を型鋼の下フランジのリップに支持させると共に、他方の端部を前記型鋼の下フランジ側に隣り合う型鋼に取り付けた請求項1又は2に記載の建材板保持材の支持部に支持させ、当該他方の端部を、型鋼に沿う縦片部と、該縦片部から下方へ延在する押さえ片とを備える押さえ材で押さえ保持することを特徴とする建材板保持構造。
- 型鋼の下フランジ及び建材板保持材を被覆する化粧材を設けていることを特徴とする請求項3に記載の建材板保持構造。
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