JP5561650B1 - 建材保持部材、及びこれを使用した屋根構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】建材保持部材10は、ウェブ2aの外壁に沿って溝形鋼2Aに固定される第1保持部材12と、下部フランジを覆いながら第1保持部材に着脱自在に係合する化粧ホルダー13とを有し、第1保持部材は、ウェブの外周に向けて端部を配置した第1建材11aの上面に当接する第1挟持片12bを備え、化粧ホルダーは、第1建材の下面に当接して第1建材を第1挟持片に向かう厚さ方向に押圧する第2挟持片13aと、溝形鋼の開口部2dに挿入した第2建材11bの端部を厚さ方向から挟持する第3挟持片13eと、を備えている。
【選択図】図2
Description
また、天井のない状態で屋根母屋に屋根下地材を敷設した場合、天井高となって開放的な雰囲気となるが、屋根母屋を構成する溝形鋼が、屋根裏で露出することになり、見栄えが悪くなる。このため、屋根裏の見栄えを良くするために溝形鋼を仕上げ材で覆う必要があるが、溝形鋼への仕上げ材の取付けにも多くの時間と労力が必要となる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、屋根構造に採用することで、建材を確実に保持し、建材の取付けも簡単に行なうことができるとともに、屋根裏の見栄えも良くすることができる建材保持部材及びこれを使用した屋根構造を提供することを目的とする。
また、本発明の一態様に係る建材保持部材は、前記第3挟持片が、前記第2建材の端部の厚さ方向の面を弾性復元力で押圧することが好ましい。
また、本発明の一態様に係る建材保持部材は、前記第4挟持片が、前記第2建材の端部の厚さ方向の面を弾性復元力で押圧することが好ましい。
そして、本発明の一態様に係る屋根構造は、上述した建材保持部材を使用した屋根構造であって、互いに平行に配置した複数の垂木と、複数の垂木の上部、或いは下部に、軒棟方向に平行に離間しながら桁行方向に延在するように配置した複数の屋根母屋とを備え、
前記複数の屋根母屋のそれぞれに前記建材保持部材を装着し、隣接する一対の屋根母屋の間に配置した建材を前記建材保持部材で保持するようにした屋根構造である。
また、建材保持部材を使用した屋根構造によると、屋根母屋の下部を化粧ホルダーで覆っているので、室内から天井を見ても屋根母屋が露出せず、化粧性に優れた天井を提供することができる。
図1(a),(b)は、本発明に係る鉄骨造の屋根骨組を示すものである。
図1(a)の屋根骨組は、H形鋼からなる垂木1の上部に、垂木1の延在方向に直交する方向に延在したC型鋼(リップ溝形鋼)からなる複数の屋根母屋2A,2Bが、山形鋼からなる連結部材3により固定されて平行に延在している。屋根母屋2A,2Bは、ウェブ2aが上下方向に延在し、このウェブ2aを挟んで上下端部に上部フランジ2b及び下部フランジ2cを有し、上部フランジ2b及び下部フランジ2cの先端部に上部リップ2b1及び下部リップ2c1を形成した部材であり、複数の屋根母屋2A,2Bの開口部2dは同一方向(図1(a)では右方向)を向いている。そして、屋根母屋2A,2B上に、野地材4が固定され、野地材4を上部から覆う屋根仕上げ材5が敷設される。
次に、図2から図6は、上記の屋根骨組の屋根母屋2A,2Bに建材保持部材10を装着し、屋根母屋2A,2Bの間に配置した厚肉の屋根下地材11a,11bを、建材保持部材10を介して保持する第1実施形態の屋根構造を示すものである。
本実施形態は、図2に示すように、垂木1の上部に固定された屋根母屋2A(図1(a)参照)に建材保持部材10が装着されている。
建材保持部材10は、ウェブ2a、下部フランジ2c及び下部リップ2c1の外壁に当接して屋根母屋2Aに固定されている金属平板を折曲して形成した第1保持部材12と、下部フランジ2c及び下部リップ2c1を覆いながら第1保持部材12に着脱自在に重なっている化粧を施した金属平板を折曲して形成した化粧ホルダー13と、で構成されている。
なお、図1(a)において垂木1の上部に固定された屋根母屋2Bに装着される建材保持部材10も、図2と同様の構造とされている。
先ず、図3に示すように、第1保持部材12の被覆部12dで屋根母屋2Aの下部フランジ2cを覆うとともに、第1保持部材12の固定片12aを、屋根母屋2Aのウェブ2aの外壁に当接してビス14で固定する。
次に、図4に示すように、ウェブ2aの外周に向けて第1の屋根下地材11aの端部を配置するとともに、屋根母屋2Aの開口部2dに、第2の屋根下地材11bの端部を挿入し、その端部の上面を上部リップ2b1に当接させる。
そして、化粧ホルダー13の第1被係止部13bを弾性変形させながら第1保持部材12の第1係止部12cの外側に重なるように係合させる。これにより、化粧ホルダー13の第2挟持片13aが第1の屋根下地材11aの下面に当接して第1の屋根下地材11aを第1保持部材12の第1挟持片12bに向かう厚さ方向に押圧するとともに、化粧ホルダー13の第3挟持片13eが第2の屋根下地材11bの端部を上方に押圧する。
したがって、本実施形態の建材保持部材10によると、複数の屋根母屋2A,2Bに第1保持部材12及び化粧ホルダー13を装着することで、屋根母屋2A(或いは屋根母屋2B)に隣接して配置された厚肉の第1屋根下地材11aの端部を第1挟持片12b、第2挟持片13aで確実に保持し、屋根母屋2A(或いは屋根母屋2B)に隣接して配置された厚肉の第2屋根下地材11bの端部を、上部リップ2b1及び第2挟持片13eで確実に保持することができる。
なお、上記実施形態では、垂木1の上部に固定された屋根母屋2A,2Bに建材保持部材10を装着した場合について説明したが、図1(b)で示したように、垂木1の下部に固定された屋根母屋2A,2Bに建材保持部材10を装着し、屋根母屋2A,2Bの間に配置した厚肉の屋根下地材11a,11bを保持しても、同様の作用効果を得ることができる。
次に、図7から図11は、第2実施形態の屋根構造を示すものである。
本実施形態は、垂木1の上部に固定されたC型鋼(リップ溝形鋼)からなる屋根母屋2A,2B(図1(a)参照)に建材保持部材20を装着し、屋根母屋2A,2Bの間に配置した薄肉の屋根下地材21a,21bを、建材保持部材20を介して保持する屋根構造である。
本実施形態の建材保持部材20は、ウェブ2a、下部フランジ2c及び下部リップ2c1の外壁に当接して屋根母屋2Aに固定されている金属平板を折曲して形成した第1保持部材22と、下部フランジ2c及び下部リップ2c1を覆いながら第1保持部材22に着脱自在に重なっている化粧を施した金属平板を折曲して形成した化粧ホルダー23と、上部フランジ2bの内壁に沿って装着された第2保持部材24と、で構成されている。
なお、図1(a)において垂木1の上部に固定された屋根母屋2Bに装着される建材保持部材20も、図7と同様の構造とされている。
先ず、図8に示すように、第1保持部材22の被覆部22dで屋根母屋2Aの下部フランジ2cを覆うとともに、第1保持部材22の固定片22aを、屋根母屋2Aのウェブ2aの外壁に当接してビス14で固定する。
また、第2保持部材24の係合片24aを、屋根母屋2Aのウェブ2a,上部フランジ2及び上部リップ2b1の内壁に当接することで、第4挟持片24bを上部リップ2b1から下方に延在させる。
次に、図9に示すように、ウェブ2aの外周に向けて第1の屋根下地材21aの端部を配置するとともに、屋根母屋2Aの開口部2dに、第2の屋根下地材21bの端部を挿入し、その端部の上面を、第2保持部材24の第4挟持片24bに当接させる。
そして、化粧ホルダー23の第1被係止部23bを弾性変形させながら第1保持部材22の第1係止部22cの外側に重なるように係合させる。これにより、化粧ホルダー23の第2挟持片23aが第1の屋根下地材21aの下面に当接して第1の屋根下地材21aを第1保持部材22の第1挟持片22bに向かう厚さ方向に押圧する。また、屋根母屋2Aの開口部2dに挿入した第2の屋根下地材21bに対して、第2保持部材24の第3挟持片24bが弾性変形しながら化粧ホルダー23の当接片23dに向かう方向に押圧する。
したがって、本実施形態の建材保持部材20によると、複数の屋根母屋2A,2Bに第1保持部材22、化粧ホルダー23及び第2保持部材24を装着することで、屋根母屋2A(或いは屋根母屋2B)に隣接して配置された薄肉の第1屋根下地材21aの端部を第1挟持片22b、第2挟持片23aで確実に保持し、屋根母屋2A(或いは屋根母屋2B)に隣接して配置された薄肉の第2屋根下地材21bの端部を、第2保持部材24の第3挟持片24b及び化粧ホルダー23の当接片23dで確実に保持することができる。
なお、上記実施形態では、垂木1の上部に固定された屋根母屋2A,2Bに建材保持部材20を装着した場合について説明したが、図1(b)で示したように、垂木1の下部に固定された屋根母屋2A,2Bに建材保持部材20を装着し、屋根母屋2A,2Bの間に配置した薄肉の屋根下地材21a,21bを保持しても、同様の作用効果を得ることができる。
次に、図12から図16は、第3実施形態の屋根構造を示すものである。
本実施形態は、垂木(不図示)の上部に複数の等辺山形鋼からなる屋根母屋2Cが互いに平行に固定された鉄骨造の屋根骨組とし、各屋根母屋2Cに建材保持部材30を装着し、隣接する屋根母屋2C,2Cの間に配置した屋根下地材31a,31bを、建材保持部材30を介して保持する屋根構造である。
図12に示すように、屋根母屋2Cは、上下方向に延在する第1フランジ2eと、この第1フランジ2eの上端から水平方向に直交している第2フランジ2fと、を備えている。そして、複数の屋根母屋2C…上に、野地材4が固定され、野地材4を上部から覆う屋根仕上げ材5が敷設される。
第1保持部材32は、山形鋼2Cの第1フランジ2eの外側に当接し、第2保持部材34とともにビス14で第1フランジ2eに固定される固定片32aと、固定片32aの上端から第1フランジ2eに対して離間する方向に折曲され、第1フランジ2eの外側に向けて端部を配置した第1の屋根下地材31aの端部の上面に当接する第1挟持片32bと、固定片32aの下端から第1フランジ2eに対して離間する方向に凸状に折曲された第1係止部32cと、この第1係止部32cの下部から前方に延在する被覆部32dと、被覆部32dの端部に形成された折曲部32eと、を備えている。
先ず、図13に示すように、第1保持部材32の固定片32aを、屋根母屋2Cの第1フランジ2eの外壁に当接してビス14で固定する。
次に、図14に示すように、屋根母屋2Cの第1フランジ2e、第2フランジ2f及び第1保持部材32の被覆部32dの内側に第2保持部材34を装着する。
次に、図16に示すように、化粧ホルダー33の当接片33dを、第1保持部材32の折曲部32eに係合し、この部位を回転中心として、化粧ホルダー33の第3挟持片33a側を上方に回転させる。
また、第2保持部材34の内部に挿入した第2の屋根下地材31bに対して、第2保持部材34の第3挟持片34cが弾性変形しながら化粧ホルダー33の当接片33dに向かう方向に押圧する。
したがって、本実施形態の建材保持部材30によると、複数の屋根母屋2Cに第1保持部材32、化粧ホルダー33及び第2保持部材34を装着することで、屋根母屋2Cに隣接して配置された第1屋根下地材31aの端部を第1挟持片32b、第2挟持片33aで確実に保持し、屋根母屋2Cに隣接して配置された第2屋根下地材31bの端部を、第2保持部材34の第3挟持片34c及び化粧ホルダー33の当接片33dで確実に保持することができる。
そして、本実施形態の屋根構造は、屋根母屋2Cの下側を化粧ホルダー33の化粧部33cで覆っており、室内から天井を見ても屋根母屋2Cが露出しないので、化粧性に優れた天井を提供することができる。
なお、上記実施形態では、垂木(不図示)の上部に固定された屋根母屋2Cに建材保持部材30を装着した場合について説明したが、図1(b)に類似するように、垂木1の下部に固定された屋根母屋2Cに建材保持部材30を装着し、隣接する複数の屋根母屋2Cの間に配置した屋根下地材31a,31bを保持しても、同様の作用効果を得ることができる。
Claims (8)
- ウェブが上下方向に延在し、このウェブを挟んで上下端部から同一方向に延在する上部フランジ及び下部フランジを有して互いに平行配置された屋根母屋として構成される複数の溝形鋼にそれぞれ装着され、前記溝形鋼を挟んで配置した第1建材及び第2建材を保持する建材保持部材であって、
前記ウェブの外壁に沿って前記溝形鋼に固定される第1保持部材と、
前記下部フランジを覆いながら前記第1保持部材に着脱自在に係合する化粧ホルダーと、を有し、
前記第1保持部材は、前記ウェブの外周に向けて端部を配置した前記第1建材の上面に当接する第1挟持片を備え、
前記化粧ホルダーは、前記第1建材の下面に当接して当該第1建材を前記第1挟持片に向かう厚さ方向に押圧する第2挟持片と、前記溝形鋼の開口部に挿入した前記第2建材の端部を厚さ方向から挟持する第3挟持片と、を備えていることを特徴とする建材保持部材。 - ウェブが上下方向に延在し、このウェブを挟んで上下端部から同一方向に延在する上部フランジ及び下部フランジを有して互いに平行配置された屋根母屋として構成される複数の溝形鋼にそれぞれ装着され、前記溝形鋼を挟んで配置した第1建材及び第2建材を保持する建材保持部材であって、
前記ウェブの外壁に沿って前記溝形鋼に固定される第1保持部材と、
前記下部フランジを覆いながら前記第1保持部材に着脱自在に係合する化粧ホルダーと、
前記溝形鋼の内壁に沿って装着される第2保持部材と、を有し、
前記第1保持部材は、前記ウェブの外周に向けて端部を配置した前記第1建材の上面に当接する第1挟持片を備え、
前記化粧ホルダーは、前記第1建材の下面に当接して当該第1建材を前記第1挟持片に向かう厚さ方向に押圧する第2挟持片を備え、
前記第2保持部材は、前記下部フランジに向けて延在し、前記溝形鋼の開口部に挿入した前記第2建材の端部を厚さ方向から挟持する第4挟持片、を備えていることを特徴とする建材保持部材。 - 第1フランジ及び第2フランジが互いに直交し、前記第1フランジが上下方向に延在して互いに平行配置された屋根母屋として構成される複数の山形鋼にそれぞれ装着され、前記複数の山形鋼を挟んで配置した平板形状の第1建材及び第2建材を保持する建材保持部材であって、
前記第1フランジの外壁に沿って前記山形鋼に固定される第1保持部材と、
前記山形鋼の下側を覆う化粧部を有し、少なくとも一部が前記第1保持部材に着脱自在に重なる化粧ホルダーと、
前記山形鋼の内壁に沿って装着される第2保持部材と、を有し、
前記第1保持部材は、前記第1フランジの外壁に向けて配置した前記第1建材の上面に当接する第1挟持片を備え、
前記化粧ホルダーは、前記第1建材の下面に当接して当該第1建材を前記第1挟持片に向かう厚さ方向に押圧する第2挟持片を備え、
前記第2保持部材は、前記第1フランジの上部側から下方に向けて突出し、前記第1フランジの内壁に向けて配置した前記第2建材の端部を厚さ方向から挟持する第4挟持片と、を備えていることを特徴とする建材保持部材。 - 前記第2挟持片は、前記第1建材の下面を弾性復元力で前記第1挟持片に向かう方向に押圧することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の建材保持部材。
- 前記第3挟持片は、前記第2建材の端部の厚さ方向の面を弾性復元力で押圧することを特徴とする請求項1記載の建材保持部材。
- 前記第4挟持片は、前記第2建材の端部の厚さ方向の面を弾性復元力で押圧することを特徴とする請求項2又は3に記載の建材保持部材。
- 前記化粧ホルダーが重なる前記第1保持部材の部位に、凸状の第1係止部が形成されており、この第1係止部に、前記化粧ホルダーの凸状の第1被係止部が弾性変形しながら重なって一体化されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の建材保持部材。
- 請求項1から請求項7の何れか1項記載の建材保持部材を使用した屋根構造であって、
互いに平行に配置した複数の垂木と、複数の垂木の上部、或いは下部に、軒棟方向に平行に離間しながら桁行方向に延在するように配置した複数の屋根母屋とを備え、
前記複数の屋根母屋のそれぞれに前記建材保持部材を装着し、隣接する一対の屋根母屋の間に配置した建材を前記建材保持部材で保持するようにしたことを特徴とする屋根構造。
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