JP6714338B2 - 機能性材保持部材、及び機能性材保持構造 - Google Patents
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Description
一方、特に大型の建築物においては、室内側に屋根母屋を構成する溝形鋼やC型鋼等の屋根下地が、露出することになるため、見栄えが悪くなる。このため、屋根裏の見栄えを向上する目的で、或いは断熱性を向上する目的で、様々な提案がなされている。
この提案における前記第1保持部材は、第1建材の上面に当接する第1挟持片を備える構成であり、前記化粧ホルダーは、前記第1建材の下面に当接して当該第1建材を前記第1挟持片に向かう厚さ方向に押圧する第2挟持片と、前記溝形鋼の開口部に挿入した前記第2建材の端部を厚さ方向から挟持する第3挟持片と、を備えている。
また、特にこの特許文献1に示される溝形鋼(C型鋼)は、配設ピッチに誤差が生じやすい部材であり、取付ピッチが狭いと係止部が干渉して建材が入らなかったり、逆に広いと隙間がより大きくなり、化粧カバー取付時まで作業者が抑えていなければならないという問題を有していた。しかも、そうした抑えながらの作業の場合、建材の配設、化粧ホルダーの取り付けを交互に行うことになり、極めて作業効率の悪いものとなっていた。
さらに、化粧ホルダーを建材より長尺とした場合には、その長さ分の建材を全て配設するまで化粧ホルダーの取付が行えないことになり、より作業性が悪くなるものであった。
なお、本発明における機能性材は、天井板や化粧板等の建材板を含むものであって、グラスウール、発泡樹脂等からなるマット状又はボード状等の断熱材、吸音材、防火材、或いは各種素材を指すものである。
また、保持部材は、機能性材のサイズの制限や施工手順の制限を受けることがなく、また、型鋼の取付に誤差があった場合であっても確実に押さえることができる。
なお、隣り合う型鋼間に機能性材を配置するための構造(構成)については特に限定するものではない。
この保持構造では、型鋼を下方側から被覆することができる化粧材を取り付けていることが望ましい。
なお、この押さえ部における「押さえる」とは、機能性材の一方の端部表面を押さえることを意味しているが、常に端部を上方から押圧(圧接)している態様に限定されるものではなく、常には端部を押圧してはいないが、何らかの負荷が掛かった際には端部を押さえる態様を含むである。
取付時において、下方から臨ませる機能性材の表面に当接し、この押さえ部が弾性に抗して押し曲げられ、機能性材の配設と共に弾性回復して機能性材を押さえる。
なお、前述のように本発明における「押さえる」とは、取付安定性を考慮すると常に押圧(圧接)する態様が望ましいことは説明するまでもなく、即ちその場合、この押さえ部が機能性材の上面に常に接触(圧接)することが望ましい。
この押さえ材としては、前記縦片部の上端に型鋼の上フランジに掛止する掛止部を備えることが望ましい。この掛止部は、前記保持部材の取付部と同様に型鋼の上フランジに取り付けるものであるが、後述する図示実施例のように上フランジを挟んで対向状に取り付けるものである。そして、前記縦片部に側方からビスを打ち込んでこの押さえ材を型鋼に固定する際の仮止めとして利用することができる。
なお、これらの化粧材には、型鋼と後述する端縁支持材との取付を補助(強化)する構成を具備させてもよい。
上記型鋼の中でも、隣り合う型鋼間に配置する機能性材を支持する部位を有するリップを有するC型鋼、リップZ型鋼が望ましい。なお、これらの型鋼は、下フランジが同一方向に延在するように配設して母屋を形成するが、一部にはこの型鋼同士を背中合わせに接続して用いるようにしてもよい。
また、この機能性材の端部についても、その表面から略垂直状に断裁したものに限らず、例えば端部を、下面側を切り欠いた段状に形成してもよい。
そして、これらの天井支持材、端縁支持材は、機能性材を隣り合う型鋼間に配置させることができ、実質的にこれらの天井支持材、端縁支持材支持材のみで支持構造を構築できる。
この第1実施例における前記取付部11は、図示するように型鋼4の上フランジ41及びその先端に形成された上向き片(リップ)411を包むL字状に形成され、その下方には取付状態において型鋼4側へ向くように湾曲状の押さえ部12が連続的に形成されている。
また、この第1実施例における押さえ部12の上方部分には、略矩形状の切り起こしにより形成された係合部13が設けられ、該係合部13は型鋼4のリップ411に弾性的に係合する構成である。
まず図2(c)に示す型鋼4は、縦方向に配されるウエブ42の両端(上下端)にフランジ41,43を有するC型鋼であって、先端に下向き片411を備える上フランジ41は図面右方へ延在している。
なお、同図には、機能性材5の一方の端部51xを、型鋼4の下フランジ43(上向き片431)に支持した状態を示しているが、図示しない他方の端部51yは、後述する押さえ材2の支持部22に支持されている。
また、前記縦片部21の上端には、型鋼4の上フランジ41に掛合する掛合片23が設けられ、その高さの中程には、複数の矩形状の切り込み空部211を形成し、該切り込みによる切り起こしにて外側へ突出する押さえ片212が複数箇所に形成されている。
続いて、押さえ部12を十分に押し曲げた状態で、この機能性材5が略水平状となるように他方の端部51yを回動させ、図面右側に位置する型鋼4側へスライド状に位置調整し、端部51yを押さえ材2の支持部22に支持させると共に端部51xを化粧材3の右側面部32(型鋼4の上向き片431)に係合させる。
前記位置調整により、押さえ部12の押圧が解除され、押さえ部12が弾性回復してその先端(下端)は機能性材5の表面を押さえるものとなる。
また、この保持構造にて保持される機能性材5は、端部51x,51yを型鋼4の下フランジ43(リップ431),押さえ材2の支持部22にてそれぞれ支持され、表面側から押さえ部12にて押さえ保持しているので、室内側から機能性材5を押し上げるような応力が作用した際に、該応力に抗する作用を果たし、機能性材5の外れや落下等を防ぐことができる。
さらに、この第1実施例の保持構造では、保持部材1の押さえ部12に加え、押さえ材2の押さえ片212も機能性材5の表面を押さえ保持しているので、前述の保持効果はより確実に果たされるものとなる。
この第2実施例では、図3(b)に示すように予め隣り合う型鋼4,4間に係止可能な天井支持材7と機能性材5Bとを積層状に一体化させたものを用いている。
また、前記天井支持材7は、略平坦状の支持面部71と、その一方の端縁を略逆V字状に形成した掛状係止部72と、他方の端縁を立ち上げた起立面部73と、その上端を外方へ延在させた横片状係止部74とを備える構成であり、天井仕上げ材(化粧材)を兼ねるものである。前記支持面部71は、左右の端縁が立ち上がる樋状の底面に相当するので、前記機能性材5Bをこの支持面部71上に受支する状態で一体化されている。
但し、一体化材(7,5B)を下方から傾斜状に臨ませ、その一方の端部51xが保持部材1の押さえ部12を型鋼4側へ押し曲げるように配設する際に、前記掛状係止部72を型鋼4の下フランジ43の上向き片431に係合する。
また、押さえ部12を十分に押し曲げた状態で、この一体化材(7,5B)が略水平状となるように他方の端部51byを回動させる点では共通するが、その際に、横片状係止部74を型鋼4の上フランジ41に係止状に取り付ける。
その後、押さえ部12の押圧が解除され、押さえ部12が弾性回復してその先端(下端)が機能性材5Bの表面を押さえる点では全く共通である。
なお、この第2実施例で用いる天井支持材7は、天井仕上げ材を兼ねることを説明したが、機能性材5Bを受支できるものであれば、例えばパンチングメタルや金網等の材料にて成形されるものでもよい。
即ちこれらの実施例でも、前記第1実施例と同様に機能性材5を下方から傾斜状に臨ませるが、その一方の端部51xは押さえ部12c,12dを避けるように配設する。
続いて、この機能性材5が略水平状となるように他方の端部51yを回動させるが、その際に、押さえ部12c,12dがこの機能性材5の表面により、型鋼4とは逆方向へ押し上げられる状態となる。
その後、端部51yを押さえ材2の支持部22に支持させると共に端部51xを化粧材3の右側面部32(型鋼4の上向き片431)に係合させる点、押さえ部12c,12dの押圧が解除され、押さえ部12c,12dが弾性回復してその先端(下端)が機能性材5の表面を押さえる点では前記第1実施例と全く共通である。
さらに、押さえ部2Bは、湾曲片状ではなく平坦片状に形成された押さえ片212bを備える構成であり、化粧材3は用いられていない。
即ちこれらの実施例でも、前記第1実施例と同様に機能性材5Cを下方から傾斜状に臨ませるが、その一方の端部51cxは押さえ部12e〜12hを押し上げるように配設する。
続いて、この機能性材5Cが略水平状となるように他方の端部51cyを回動させ、図面右側に位置する型鋼4側へスライド状に位置調整し、端部51cyを押さえ材2Bの支持部22に支持させると共に端部51cxを型鋼4の上向き片431に係合させる。
前記位置調整により、押さえ部12e〜12hの押圧が解除され、押さえ部12e〜12hが弾性回復してその先端(下端)は機能性材5Cの表面を押さえるものとなる。
特にこれらの保持部材1E〜1Hの押さえ部12e〜12hは、それぞれ略円弧状に形成されているので、これらの押さえ部12e〜12hの弾性反発力はより継続的に発揮されるものであり、端部51cxを継続的に押さえ保持することができる。
この場合には、機能性材5,5B、5Dが連続するため、断熱効果の弱点を生ずることがない。
また、前記機能性材5Cを用いる前記第5〜第8実施例では、例えば図5(e)に示すように予め押さえ材2Bの縦片部21に機能性材5C'の端面を図示しない両面テープ等を用いて一体化(仮固定)しておき、これを用いるようにしてもよい。
この場合には、前記機能性材5Cよりもわずかに長く、型鋼4,4間の間隔とほぼ等しい機能性材5C'を用いることができ、断熱効果の弱点を生ずることがない。
11 取付部
12 押さえ部
13 係合部
2 押さえ材(端縁支持材)
2b 固定ビス
21 縦片部
212 押さえ片
22 支持部
3 化粧材(化粧カバー)
31 化粧面
4 型鋼
41 上フランジ
411 下向き片(リップ)
42 ウエブ
43 下フランジ
431 上向き片(リップ)
5,5B,5C 機能性材
51x(一方側の)端部
51y,51y (他方側の)端部
6 屋根断熱材
7 天井支持材(天井仕上げ材)
Claims (4)
- 屋根構造を構成する屋根断熱材の下面側に、所定間隔にて上フランジを備える複数の型鋼が取り付けられ、該型鋼に取り付けて機能性材を隣り合う型鋼間に保持することができる機能性材保持部材であって、
型鋼の上フランジに取り付けられる取付部と、該取付部の下方に位置する押さえ部とを有してなり、前記取付部は、横片状の上フランジの先端に係合する折返し状に形成されるか、又はその先端に下向き片を備える上フランジに沿うL字状に形成され、前記屋根断熱材と上フランジとの間に上フランジの先端側から差し込むように取り付けられるものであり、
前記押さえ部は、弾性に抗して上方へ押し曲げ可能であって、取付状態において隣り合う型鋼間に配置される機能性材を押さえることを特徴とする機能性材保持部材。 - リップを備える型鋼に対し、弾性的に係合する係合部を有することを特徴とする請求項1に記載の機能性材保持部材。
- 取付状態において隣り合う型鋼間に配置される機能性材の一方の端部を請求項1又は2に記載の機能性材保持部材にて押さえ保持し、機能性材の他方の端部を、型鋼に沿う縦片部と、該縦片部から下方へ延在する押さえ片とを備える押さえ材にて押さえ保持することを特徴とする機能性材保持構造。
- 型鋼を下方側から被覆することができる化粧材を取り付けていることを特徴とする請求項3に記載の機能性材保持構造。
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