JP3137086U - 外壁施工構造 - Google Patents
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Abstract
壁面に外壁下地部材と胴縁とを介して外壁板を取り付ける施工に際し、施工効率よく、施工性、外壁板の留め付け安定性に優れた外壁施工構造を提供すること。
【解決手段】
建築物の壁面8の前面に配された断熱材を介して、胴縁6,6’と留め付け金具A,A,A’,A’とによって、窯業系サイディング7,7’およびその同質出隅材71を固定するための外壁下地部材2を用いた外壁施工構造1。外壁施工構造1は、外壁下地部材2を構成する第1のブラケット部材3,3’と、第2のブラケット部材4,4’と、出隅用ブラケット部材5,5’と、を組み合わせて互いに摺動可能とすることによって、施工性を改善する。
【選択図】図1
Description
いっぽう、既存建築物の壁面を外壁板で改修する場合には、既存壁面に下地材や胴縁を取り付けた後、外壁板を留め付ける施工法が採用されている。
胴縁や胴縁固定部材の厚みが大きく、重量が大きいため、クレーンによる取り付け作業を必要とし、作業能率が劣るといった問題がある(特許文献1)。また、既存外壁面と外壁板との間に設ける断熱材が施工できないか、または、断熱材の厚さが限られるといった問題もある(特許文献2)。建築物の出隅部分においても、同様の問題がある(特許文献3)。さらに、施工途中で、下地胴縁やL字状下地板が傾いたり回転して、施工効率よく不陸なく施工できないという問題もある(特許文献4)。
同質出隅材を使用する場合、外壁板との左右接合を留め付け金具を使用して行う場合、施工の手間が増え、作業能率が劣るという問題がある。
前記外壁下地部材が、2組の第1のブラケット部材と、2組の第2のブラケット部材と、2組の出隅用ブラケット部材と、からなる
ことを特徴とする外壁施工構造により達成される。
外壁板および同質出隅材が、該胴縁に対して、固定具または留め付け金具を介して固定されている
ことを特徴とする外壁施工構造により、より効果的に達成される。
前記第2のブラケット部材が、嵌合(かんごう)部を有したスライド部と、該スライド部から側方へ立設された前面部と、を有し、
前記出隅用ブラケット部材が、嵌合部を有したスライド部と、該スライド部から後方へ立設された当接部と、を有する
ことを特徴とする外壁施工構造により、より効果的に達成される。
前記第2のブラケット部材が、前記第1のブラケット部材の立設部に挿入される嵌合部と、第2のブラケット部材のスライド部と第1のブラケット部材の立設部とが互いに回動することなく前後方向にのみ摺動(しゅうどう)可能なスライド部と、を有し、該第2のブラケット部材のスライド部と、第1のブラケット部材の立設部と、が、互いに固定され、
さらに、前記出隅用ブラケット部材が、第2のブラケット部材の前面部に挿入される嵌合部と、出隅用ブラケット部材のスライド部と第2のブラケット部材の前面部とが互いに回動することなく左右方向にのみ摺動可能なスライド部と、を有し、該出隅用ブラケット部材のスライド部と、該第2のブラケット部材の前面部と、が、互いに固定され、
少なくとも片方の出隅用ブラケット部材が、相対する他方の出隅用ブラケット部材に固定されている
ことを特徴とする外壁施工構造により、より効果的に達成される。
前記第2のブラケット部材の嵌合部の縁端部分が、該リブに略当接されている
ことを特徴とする外壁施工構造により、より効果的に達成される。
前記出隅用ブラケット部材の嵌合部の縁端部分が、該リブに略当接されている
ことを特徴とする外壁施工構造により、より効果的に達成される。
該胴縁の固定面が、出隅用ブラケット部材に固定されている
ことを特徴とする外壁施工構造により、より効果的に達成される。
したがって、本考案にかかる外壁施工構造によれば、軽量で、施工効率よく、不陸なく、留め付け安定よく、施工することができるので、その有用性はきわめて高い。
図1、図4に、本考案の実施の形態にかかる外壁施工構造を示す。
図2、図3に、本考案の実施の形態にかかる外壁施工構造の一部を示す。
図5、図6に、本考案の実施の形態にかかる外壁施工構造で使用される胴縁を示す。
図7に、本考案の実施の形態にかかる外壁施工構造で使用される胴縁の変形例を示す。
なお、本明細書において、「前」とは建築物の外側方向を、「後」とは建築物の内側方向をいう。また、上記外壁材などに関しては、壁面に取り付けた状態において、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「水平」、「垂直」などの表現を用いている。
図1に示すように、外壁施工構造1は、建築物の出隅部の施工構造であって、外壁下地部材2と、胴縁6,6’と、窯業系サイディング7,7’およびその同質出隅材71と、で構成される。
外壁下地部材2は、断面視略L状の第1のブラケット部材3,3’と、同じく断面視略L状の第2のブラケット部材4,4’と、同じく断面視略L状の出隅用ブラケット部材5,5’と、で構成される。
外壁下地部材2は、鉄筋コンクリートやレンガなどの壁面8に、あと施工アンカー91,91’によって固定される。第1のブラケット部材3,3’と第2のブラケット部材4,4’とは、ボルト92,92’、ナット93,93’
でもって互いに固定される。また、出隅用ブラケット部材5,5’は、ビス94,94でもって互いに固定される。
さらに、断面視略ハット状の胴縁6,6’が、ビス94,94’でもって外壁下地部材2の出隅用ブラケット部材5,5’に固定される。そして、窯業系サイディング7,7’と同質出隅材71とが、留め付け金具A,A,A’,A’と金具用ビス95,95,95’
,95’とでもって、胴縁6,6’に固定される。
また、窯業系サイディング7,7’と同質出隅材71との左右接合部すき間に形成される縦目地部B,B’の後方には、ハットジョイナーC,C’が設けられており、縦目地部B,B’には、湿式シーリング材などの防水材D,D’が打設されている。
なお、本実施例では、部材の接合状態を明確にするために、壁面8と窯業系サイディング7,7’との間に施工される断熱材は、便宜上省略して示している。
なお、片方の出隅用ブラケット部材5’の当接部52’が、相対する出隅用ブラケット部材5のスライド部51に、ビス94,94でもって固定されていても、外壁下地部材2の全体の前後左右方向の位置を調節することができる。
,411’を有する。嵌合部411,411,411’ ,411’は、第1のブラケット部材3,3’の立設部32,32’に当接されながら挿入されている。そのため、第2のブラケット部材4,4’は、前後方向に移動できるが、上下方向には移動せず、また回転しない。さらに、嵌合部411,411,411’
,411’の縁端部分が第1のブラケット部材3,3’のリブE,E,E’,E’にそれぞれ略当接されているため、リブE,E,E’,E’がガイドになり、第2のブラケット部材4,4’は、スムーズな摺動が可能になる。また、上下方向の外力が外壁下地部材2に加わった場合であっても、第2のブラケット部材4,4’の嵌合部411,411,411’,411’の縁端部分が第1のブラケット部材3,3’のリブE,E,E’,E’にそれぞれ略当接されているため、第2のブラケット部材4,4’が上下方向に傾いたり回転することはない。
なお、本実施例では、第2のブラケット部材4,4’の角部43,43’に、補強用のリブF,F,F’,F’を設けている。また、上記と同様に、第2のブラケット部材4,4’の前面部42,42’に左右方向にリブを設け、出隅用ブラケット部材5,5’の嵌合部511,511,511’,511’の縁端部分をリブにそれぞれ略当接させてもよい。この場合も、出隅用ブラケット部材5,5’は、スムーズな摺動が可能となり傾きや回転の防止効果がある。
場合によっては、初めに、第2のブラケット部材4の前後方向の不陸調整を行い、第2のブラケット部材4を第1のブラケット部材3に固定して、そのあとで、出隅用ブラケット部材5の左右方向の位置調整を行ってもよい。各ブラケット部材が施工の途中であっても、また、あと施工アンカー91を除く他のボルトなどが仮留め状態であっても、各ブラケット部材が傾いたり回転することはない。
出隅用ブラケット部材5のスライド部51には、ビスなどの突出するものがない。胴縁6は、外壁下地部材2を構成する出隅用ブラケット部材5のスライド部51の自由な位置に、不陸なく固定される(図1参照)。出隅用ブラケット部材5のスライド部51と、第2のブラケット部材4の前面部42と、が、互いにビスなどで固定されなくてもよい。しかし、外壁下地部材2全体の強度をさらに向上させる場合には、それらがビスなどで固定されることが好ましい。
また、図3(b)に示すように、リブGが、出隅用ブラケット部材5のスライド部51の右側端部の後方側に凸条に設けられてもよい。リブGは、抜け落ち防止の効果を有する。図3(c)に示すように、出隅用ブラケット部材5の嵌合部511,511が、第2のブラケット部材4の前面部42に挿入されて、出隅用ブラケット部材5が右方向に移動される。図3(d)に示すように、出隅用ブラケット部材5のリブGの位置が、第2のブラケット部材4の角部43よりも右側に達したあとは、出隅用ブラケット部材5を左方向に移動させようとしても、リブGと角部43とが当接するので、出隅用ブラケット部材5は、左方向に移動されなくなる。つまり出隅用ブラケット部材5が、第2のブラケット部材4に挿入され、いったん右方向に長く移動されると、出隅用ブラケット部材5は、第2のブラケット部材4から容易に分離されなくなる。リブGを設けることにより、出隅用ブラケット部材5の施工中の抜け落ちを防止でき、施工の能率が向上する。
さらに、多数の窯業系サイディング7および同質出隅材71の上端面には、下実(したざね)72が形成されている。同様に、下端面には、前記下実72に対応する上実(うわざね)73が形成されている。多数の窯業系サイディング7および同質出隅材71の上端面は、下実72に留め付け金具Aが係合されている。この留め付け金具Aは、金具用ビス95でもって胴縁6,6の取り付け面62,62に固定されている。またこの上端面の下実72に対して、上位の窯業系サイディング7および同質出隅材71の下端面の上実73が、嵌合装着されている。(図1参照)
さらに、胴縁の断面形状は、実施例で示した形状以外に、長方形断面などがあげられる。風圧力などに対する強度が充分であり、容易に変形しない形状のものであれば、いかなる形状でもよい。胴縁が木製にあっては長方形断面が、金属製にあっては、軽量化が可能な略ハット状断面が、望ましい。固定の際には、胴縁の上側および下側の端部において、胴縁どうしの端面と端面との間に隙間を設けることが望ましい。
2 …外壁下地部材
3 3’ …第1のブラケット部材
31 31’ …第1のブラケット部材3の基板部
311 311’…第1のブラケット部材3の基板部31の長孔
32 32’ …第1のブラケット部材3の立設部
321 321’…第1のブラケット部材3の立設部32の孔
4 4’ …第2のブラケット部材
41 41’ …第2のブラケット部材4のスライド部
411 411’…第2のブラケット部材4のスライド部41の嵌合部
412 412’…第2のブラケット部材4のスライド部41の長孔
42 42’ …第2のブラケット部材4の前面部
43 43’ …第2のブラケット部材4の角部
5 5’ …出隅用ブラケット部材
51 51’ …出隅用ブラケット部材5のスライド部
511 511’…出隅用ブラケット部材5のスライド部51の嵌合部
52 52’ …出隅用ブラケット部材5の当接部
6 6’ …胴縁
61 61’ …胴縁6の固定面
62 62’ …胴縁6の取り付け面
63 …胴縁6の立設面
64 …胴縁6の折り返し片
7 7’ …窯業系サイディング(外壁板)
71 …同質出隅材
72 72’ …下実
73 73’ …上実
8 …壁面
9 9’ …固定具
91 91’ …あと施工アンカー
92 92’ …ボルト
93 93’ …ナット
94 94’ …ビス
95 95’ …金具用ビス
A A’ …留め付け金具
B B’ …縦目地部
C C’ …ハットジョイナー
D D’ …防水材
E E’ …リブ
F F’ …リブ
G …リブ
H H’ …胴縁6のリブ
Claims (8)
- 壁面と、該壁面に固定される外壁下地部材と、該外壁下地部材に固定される胴縁と、該胴縁に固定される外壁板および同質出隅材からなる建築物の出隅部の外壁施工構造であって、
前記外壁下地部材は、2組の第1のブラケット部材と、2組の第2のブラケット部材と、2組の出隅用ブラケット部材と、からなる
ことを特徴とする外壁施工構造。 - 前記胴縁は、前記出隅用ブラケット部材に固定され、
外壁板および同質出隅材は、該胴縁に対して、固定具または留め付け金具を介して固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の外壁施工構造。 - 前記第1のブラケット部材は、基板部と、該基板部から前方へ立設された立設部と、を有し、
前記第2のブラケット部材は、嵌合部を有したスライド部と、該スライド部から側方へ立設された前面部と、を有し、
前記出隅用ブラケット部材は、嵌合部を有したスライド部と、該スライド部から後方へ立設された当接部と、を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の外壁施工構造。 - 前記第1のブラケット部材の基板部は、前記壁面に固定され、
前記第2のブラケット部材は、前記第1のブラケット部材の立設部に挿入される嵌合部と、第2のブラケット部材のスライド部と第1のブラケット部材の立設部とが互いに回動することなく前後方向にのみ摺動可能なスライド部と、を有し、該第2のブラケット部材のスライド部と、該第1のブラケット部材の立設部と、は、互いに固定され、
さらに、前記出隅用ブラケット部材は、第2のブラケット部材の前面部に挿入される嵌合部と、出隅用ブラケット部材のスライド部と第2のブラケット部材の前面部とが互いに回動することなく左右方向にのみ摺動可能なスライド部と、を有し、該出隅用ブラケット部材のスライド部と、該第2のブラケット部材の前面部と、は、互いに固定され、
少なくとも片方の出隅用ブラケット部材は、相対する他方の出隅用ブラケット部材に固定されている
ことを特徴とする請求項3に記載の外壁施工構造。 - 前記第1のブラケット部材は、立設部に、前後方向が長辺のリブを有し、
前記第2のブラケット部材の嵌合部の縁端部分は、該リブに略当接されている
ことを特徴とする請求項4に記載の外壁施工構造。 - 前記第2のブラケット部材は、前面部に、左右方向が長辺のリブを有し、
前記出隅用ブラケット部材の嵌合部の縁端部分は、該リブに略当接されている
ことを特徴とする請求項4に記載の外壁施工構造。 - 前記第1のブラケット部材、または、前記第2のブラケット部材、または、前記出隅用ブラケット部材は、略L状の形状であることを特徴とする請求項4に記載の外壁施工構造。
- 前記胴縁は、断面略ハット状であり、固定面と取り付け面とを有し、
該胴縁の固定面は、出隅用ブラケット部材に固定されている
ことを特徴とする請求項2または請求項4のいずれか1項に記載の外壁施工構造。
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