JP2018165384A - フェライト系ステンレス鋼および溶接構造物 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼および溶接構造物 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的に低コストで製造でき、良好な耐食性および強度を確保できるだけでなく、溶接性に優れたフェライト系ステンレス鋼を提供する。【解決手段】質量%で、C:0.030%以下、Si:1.0%以上2.0%以下、Mn:1.0%以下、Ni:0.5%以上1.0%以下、Cr:18.0%以上21.0%以下、Mo:0.4%以上1.1%以下、Cu:2.0%以下、P:0.050%以下、S:0.020%以下、N:0.030%以下、および、Al:0.15%以下を含有し、TiおよびNbの少なくとも1種を合計で10(C+N)%以上0.7%以下で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。このような合金組成の各元素の含有量の範囲において、Mn+2Ni+0.5Mo≧1.5を満たし、5Si+Cu≧5.5を満たし、Cr+Ni+3Mo+0.75Si≧22を満たす。【選択図】なし

Description

本発明は、耐食性が良好なフェライト系ステンレス鋼および溶接構造物に関する。
例えばエコキュート(登録商標)等の電気温水器には、温水を貯めるための温水缶体が使用される。
温水缶体内での水温は、最高で80℃程度となり、かつ、上水中には最大で200ppmの塩化物イオンが存在するため腐食性の環境となる。したがって、温水缶体にはステンレス鋼が使用される。
また、温水缶体は、ステンレス鋼板を成形および溶接して製造されるが、溶接熱影響部は酸化により溶接前の素材よりも耐食性が低下する。
そのため、温水缶体の材料としては、高耐食性のフェライト系ステンレス鋼が広く用いられている。
この種の温水缶体の材料に使用されるフェライト系ステンレス鋼としては、例えば特許文献1等に記載される高耐食性のフェライト系ステンレス鋼であるSUS445J1(22Cr−1Mo)等が知られている。
また、温水缶体用の材料について、低コスト化、および、薄肉化による軽量化の観点からの検討も行われており、例えば特許文献2等に記載されているように、Cr低減による低コスト化したフェライト系ステンレス鋼が知られている。
さらに、温水缶体の軽量化に有効なフェライト系ステンレス鋼としては、特許文献3等に記載されているように、Si添加により高強度化したフェライト系ステンレス鋼が知られている。
特開平5−271880号公報 特開2007−270226号公報 特開2010−229470号公報
ここで、一般的にフェライト系ステンレス鋼は、熱伝導率が高く溶接熱が拡散しやすいため、溶接性が低く、特に温水缶体の薄肉化に伴って適正溶接範囲の調整が困難となることが想定される。
上述の特許文献1ないし3では、溶接部を含む耐食性および強度の向上に関しては検討されているが、溶接性に関して十分に検討されていない。
したがって、比較的に低コストで製造できる温水缶体用等の材料として、良好な耐食性および強度を確保できるだけでなく、溶接性に優れたフェライト系ステンレス鋼が求められていた。
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、良好な耐食性および強度を確保できるだけでなく、溶接性に優れたフェライト系ステンレス鋼および溶接構造物を提供することを目的とする。
請求項1に記載されたフェライト系ステンレス鋼は、C:0.030質量%以下、Si:1.0質量%以上2.0質量%以下、Mn:1.0質量%以下、Ni:0.5質量%以上1.0質量%以下、Cr:18.0質量%以上21.0質量%以下、Mo:0.4質量%以上1.1質量%以下、Cu:2.0質量%以下、P:0.050質量%以下、S:0.020質量%以下、N:0.030質量%以下、および、Al:0.15質量%以下を含有し、TiおよびNbの少なくとも1種を合計で10(C+N)質量%以上0.7質量%以下で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Mn+2Ni+0.5Mo≧1.5を満たし、5Si+Cu≧5.5を満たし、Cr+Ni+3Mo+0.75Si≧22を満たすものである。
請求項2に記載されたフェライト系ステンレス鋼は、請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼において、V、WおよびCoの少なくとも1種を合計で1.0質量%以下含有するものである。
請求項3に記載されたフェライト系ステンレス鋼は、請求項1または2記載のフェライト系ステンレス鋼において、REMおよびCaの少なくとも1種を合計で0.10質量%以下含有するものである。
請求項4に記載された溶接構造物は、請求項1ないし3いずれか一記載のフェライト系ステンレス鋼が溶接されて形成されたものである。
本発明によれば、所定の範囲に規定された合金組成において、Mn+2Ni+0.5Mo≧1.5で、5Si+Cu≧5.5で、Cr+Ni+3Mo+0.75Si≧22であるため、良好な耐食性および強度を確保できるだけでなく、溶接性を向上できる。
耐食性を評価する試験の試験片形状を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の一実施の形態の構成について詳細に説明する。
本発明に係る一実施の形態のフェライト系ステンレス鋼は、C(炭素):0.030質量%以下、Si(ケイ素):1.0質量%以上2.0質量%以下、Mn(マンガン):1.0質量%以下、Ni(ニッケル):0.5質量%以上1.0質量%以下、Cr(クロム):18.0質量%以上21.0質量%以下、Mo(モリブデン):0.4質量%以上1.1質量%以下、Cu(銅):2.0質量%以下、P(リン):0.050質量%以下、S(硫黄):0.020質量%以下、N(窒素):0.030質量%以下、および、Al(アルミニウム):0.15質量%以下を含有し、Ti(チタン)およびNb(ニオブ)の少なくとも1種を合計で10(C+N)質量%以上0.7質量%以下で含有し、残部がFe(鉄)および不可避的不純物からなる合金組成である。
また、必要に応じて、V(バナジウム)、W(タングステン)およびCo(コバルト)の少なくとも1種を合計で1.0質量%以下含有してもよい。
さらに、必要に応じて、REM(希土類元素)およびCa(カルシウム)の少なくとも1種を合計で0.10質量%以下含有してもよい。
そして、上記合金組成の各元素の含有量の範囲において、Mn、NiおよびMoの含有量に基づくMn+2Ni+0.5Mo≧1.5の(1)式を満足し、かつ、SiおよびCuの含有量に基づく5Si+Cu≧5.5の(2)式を満足し、かつ、Cr、Ni、MoおよびSiの含有量に基づくCr+Ni+3Mo+0.75Si≧22の(3)式を満足する。
なお、(1)式、(2)式および(3)式の各元素記号は、そのフェライト系ステンレス鋼が含有している各元素の含有量を示し、その含有量の値(質量%)が代入され、無添加のものは0が代入される。
Cは、鋼中に不可避的に含有され、耐粒界腐食性(鋭敏化抑制作用)や加工性を低下させる元素であるため、含有量を抑えることが好ましいが、その含有量を過度に低減させると精錬コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、Cの含有量は、0.030質量%以下とする。
Siは、高強度化、溶け込み不足抑制および耐食性(特に熱影響部)の向上に有効な元素であり、これらの作用を奏するには、1.0質量%以上含有させる必要がある。一方、Siを2.0質量%を超えて含有させると、加工性および溶接部靭性が低下してしまう可能性がある。したがって、Siの含有量は、1.0質量%以上2.0質量%以下とする。
Mnは、溶け落ち抑制および溶接高温割れ抑制に有効な元素であるが、1.0質量%を超えて含有させると、腐食の起点となるMnSを生成しやすくなり、また、フェライト相を不安定化させる可能性がある。したがって、Mnの含有量は、1.0質量%以下とする。
Niは、溶け落ち性抑制、溶接部靭性の向上および耐食性の向上に有効な元素であり、これらの作用を奏するには0.5質量%以上含有させる必要がある。一方、Niを1.0質量%を超えて含有させると、フェライト相を不安定化させる可能性があるとともに、必要以上に材料コストを上昇させる。したがって、Niの含有量は、0.5質量%以上1.0質量%以下とする。
Crは、溶接部および熱影響部を含めステンレス鋼の耐食性を確保する上で重要な元素であり、この作用を奏するには18.0質量%以上含有させる必要がある。一方、Crを21.0質量%を超えて含有させると、融点の低下によって溶け落ちが生じやすくなる可能性や、溶接ビード形状の悪化により溶接部の強度が低下する可能性があるとともに、材料コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、Crの含有量は、18.0質量%以上21.0質量%以下とする。
Moは、溶接部および熱影響部を含めステンレス鋼の耐食性を向上させるために有効な元素であり、この作用を奏するには、0.4質量%以上含有させる必要がある。一方、Moを1.1質量%を超えて含有させると、加工性が低下してしまう可能性があるとともに、材料コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、Moの含有量は、0.4質量%以上1.1質量%以下とする。
Cuは、2.0質量%を超えて含有させると、フェライト相を不安定化させる可能性があるとともに、材料コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、Cuの含有量は、2.0質量%以下とする。
Pは、溶接性、溶接部靭性および加工性を低下させる元素であるため、含有量を抑えることが好ましいが、過度に低減させると精錬コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、Pの含有量は、0.050質量%以下とする。
Sは、溶接部靭性を低下させる元素であるとともに、腐食の起点となるMnSを生成させるため、含有量を抑えることが好ましいが、過度に低減させると精錬コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、Sの含有量は、0.020質量%以下とし、好ましくは0.010質量%以下とする。
Nは、Cと同様に、耐粒界腐食性(鋭敏化抑制作用)や加工性を低下させる元素であるため、含有量を抑えることが好ましいが、過度に低減させると精錬コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、Nの含有量は、0.030質量%以下とする。
Alは、脱酸元素として作用するが、0.15質量%を超えて含有させると、表面疵の発生により製品の表面品質の低下の原因となる可能性がある。したがって、Alの含有量は、0.15質量%以下とする。
TiおよびNbは、鋭敏化を抑制して耐粒界腐食性を向上させる元素であり、この作用を奏するには、耐粒界腐食性を低下させるCおよびNの含有量との関係から、TiおよびNbを合計で10(C+N)質量%以上含有させる必要がある。一方、TiおよびNbの合計含有量が0.7質量%を超えると、加工性が低下してしまう可能性がある。したがって、TiおよびNbの合計含有量は、10(C+N)質量%以上0.7質量%以下とする。なお、Tiを0.3質量%を超えて含有させると、加工性および表面品質が低下してしまう可能性があり、Nbを0.4質量%を超えて含有させると、加工性および靭性が低下してしまう可能性があるため、Tiの含有量は、0.3質量%以下が好ましく、Nbの含有量は0.4質量%以下が好ましい。
V、WおよびCoは、これらの合計含有量が1.0質量%を超えると、加工性および靭性が低下してしまう可能性があるとともに、材料コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、V、WおよびCoの少なくともいずれかを含有する場合には、V、WおよびCoの合計含有量を1.0質量%以下とする。
REMおよびCaは、これらの合計含有量が0.10質量%を超えると、材料コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、REMおよびCaのいずれかを含有する場合には、REMおよびCaの合計含有量を0.10質量%以下とする。
ここで、従来鋼であるSUS445J1(22Cr−1Mo)に対して、低コスト化のためにCrの含有量を減らしつつ、溶接熱影響部の耐食性を向上させるには、Si添加による酸化の抑制作用、および、Ni添加による腐食進行の抑制作用が重要である。これらの観点から、上記合金組成において、Si、Ni、CrおよびMoに含有量に基づくCr+Ni+3Mo+0.75Si≧22で示す(3)式を満たすように合金成分が調整される。
溶接性の向上には、溶け込み不足を起こりにくくすることで、低い電流での溶接を可能にすること、および、溶け落ちを起こりにくくすることで、高い電流での溶接を可能にすることが有効である。すなわち、溶け込み不足および溶け落ちを同時に抑制することで適正溶接範囲を拡大でき、溶接性を向上できる。
そこで、適正溶接範囲の拡大について検討した。まず、Ni、MnおよびMoの含有量について、Mn+2Ni+0.5Mo≧1.5で示す(1)式を満たすように合金成分を調整することで溶け落ちを抑制することができる。また、SiおよびCuの含有量について、5Si+Cu≧5.5で示す(2)式を満たすように合金成分を調整することで溶け込み不足を抑制することができる。したがって、(1)式および(2)式を同時に満たすことで広い適正溶接範囲を確保できる。
そして、このように成分調整されたフェライト系ステンレス鋼を溶接することで、例えば電気温水器の温水缶体等の溶接構造物が形成される。
次に、上記一実施の形態の作用および効果を説明する。
上記フェライト系ステンレス鋼および溶接構造物によれば、各元素を上記範囲に規定することにより、低コスト化できるとともに、良好な強度を確保できる。
Mn+2Ni+0.5Mo≧1.5で示す(1)式を満たすように合金成分が調整されることにより、溶け落ちを抑制して、適正溶接電流の範囲を広くすることができ、溶接性を向上できる。
5Si+Cu≧5.5で示す(2)式を満たすように合金成分が調整されることにより、TIG溶接が可能な電流値が低下させ溶け込み不足を生じにくくして、適正溶接電流の範囲を広くすることができ、溶接性を向上できる。
Cr+Ni+3Mo+0.75Si≧22で示す(3)式を満たすように合金成分が調整されることにより、Siによる酸化抑制作用、および、Niによる腐食進行抑制作用を利用して、溶接部を含む耐食性を向上できる。
したがって、上記合金組成および各式を満たすフェライト系ステンレス鋼は、例えばSUS445J1等の従来鋼に比べて比較的に低コストで製造でき、良好な耐食性および強度を確保できるだけでなく、溶接性に優れる。
また、このような耐食性、強度および溶接性に優れたフェライト系ステンレス鋼および溶接構造物は、例えば、自動車用部品、家電機器用部品および電気温水器の温水缶体等の用途に好適である。
以下、本実施例および比較例について説明する。
まず、表1に示す各合金組成のステンレス鋼をラボ溶解で溶製し、熱間圧延、焼鈍、冷間圧延、焼鈍および酸洗を施して、0.6mmの焼鈍酸洗板を製造して、溶接性、機械的性質および耐食性を評価するための試験に供した。
なお、表1において、No.1〜11が上記一実施の形態の条件を満たす本実施例で、鋼No.12〜23が比較例である。
溶接性の評価では、表1に示す各ステンレス鋼を、溶接速度600mm/分、ガス流量10L/分、バックガス流量5L/分、電極径1.6mmおよび電極間距離0.6mmにて、TIGなめ付け溶接を行った。
そして、溶接電流を変えて、溶け込み不足、および、溶け落ちが生じない溶接電流の範囲を適正溶接電流範囲(ΔA)とし、ΔA≧100の場合を溶接性が良好である評価し、表1では○で示した。
機械的性質の評価では、JIS Z2241に規定される13B号試験片で、試験片の中央部に引張方向と垂直に溶接を施したものを用いた。なお、溶接条件は、上記溶接性の評価と同じであり、溶接ビード幅3mmとなるように電流調整した。そして、JIS Z2291に準拠して引張試験を行い、引張強度が500MPa以上の場合を機械的性質(強度)が良好であると評価し、表1では○で示した。
耐食性の評価では、図1に示すように、長手方向長さ40mmで幅方向長さ15mmの矩形状の試験片の長手方向の中央部に長手方向と垂直に溶接を施して溶接部11を有する試験片を用いて定電位浸漬試験を行なった。なお、溶接条件は、上記溶接性の評価と同じであり、溶接ビード幅3mmとなるように電流調整した。
定電位浸漬試験は、塩化物イオン濃度200ppm(水道水基準上限を想定)で、80℃(電気温水器の使用上限温度を想定)の溶液に、試験片を浸漬し、Ar脱気雰囲気とした。また、対極(Pt)および参照極(Ag/AgCl)を浸漬し、印加電位を0.3(実環境最悪の0.25Vを想定)とし、48時間保持した。そして、48時間後の電流値が1μA以下の場合に、腐食が発生しておらず耐食性が良好である評価し、表1では○で示した。
各本実施例および各比較例の合金組成、溶接性評価の結果、機械的性質評価の結果および耐食性評価の結果を表1に示す。
Figure 2018165384
表1に示すように、本実施例であるNo.1〜11のいずれも、溶接性、機械的性質および耐食性が全て良好であった。
一方、上記合金成分の規定、(1)式、(2)式および(3)式の関係の少なくともいずれかを満たしていない比較例であるNo.12〜20は、溶接性、機械的性質および耐食性の少なくともいずれかの基準を満たしていなかった。
(2)式の関係を満たしていない比較例であるNo.21は、適正溶接電流範囲が100未満であり、溶接性の基準を満たしていなかった。
(1)式の関係を満たしていない比較例であるNo.22は、適正溶接電流範囲が100未満であり、溶接性の基準を満たしていなかった。
(3)式の関係を満たしていない比較例であるNo.23は、定電位浸漬試験による耐食性の基準を満たしていなかった。
請求項1に記載されたフェライト系ステンレス鋼は、C:0.030質量%以下、Si:1.0質量%以上2.0質量%以下、Mn:1.0質量%以下、Ni:0.5質量%以上1.0質量%以下、Cr:18.0質量%以上21.0質量%以下、Mo:0.4質量%以上1.1質量%以下、Cu:0.03質量%以上2.0質量%以下、P:0.050質量%以下、S:0.020質量%以下、N:0.030質量%以下、および、Al:0.15質量%以下を含有し、TiおよびNbの少なくとも1種を合計で10(C+N)質量%以上0.7質量%以下で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、Mn+2Ni+0.5Mo≧1.5を満たし、5Si+Cu≧5.5を満たし、Cr+Ni+3Mo+0.75Si≧22を満たすものである。
本発明に係る一実施の形態のフェライト系ステンレス鋼は、C(炭素):0.030質量%以下、Si(ケイ素):1.0質量%以上2.0質量%以下、Mn(マンガン):1.0質量%以下、Ni(ニッケル):0.5質量%以上1.0質量%以下、Cr(クロム):18.0質量%以上21.0質量%以下、Mo(モリブデン):0.4質量%以上1.1質量%以下、Cu(銅):0.03質量%以上2.0質量%以下、P(リン):0.050質量%以下、S(硫黄):0.020質量%以下、N(窒素):0.030質量%以下、および、Al(アルミニウム):0.15質量%以下を含有し、Ti(チタン)およびNb(ニオブ)の少なくとも1種を合計で10(C+N)質量%以上0.7質量%以下で含有し、残部がFe(鉄)および不可避的不純物からなる合金組成である。
Cuは、2.0質量%を超えて含有させると、フェライト相を不安定化させる可能性があるとともに、材料コストが必要以上に上昇してしまう。したがって、Cuの含有量は、0.03質量%以上2.0質量%以下とする。
Figure 2018165384
表1に示すように、本実施例であるNo.1〜9,11のいずれも、溶接性、機械的性質および耐食性が全て良好であった。

Claims (4)

  1. C:0.030質量%以下、Si:1.0質量%以上2.0質量%以下、Mn:1.0質量%以下、Ni:0.5質量%以上1.0質量%以下、Cr:18.0質量%以上21.0質量%以下、Mo:0.4質量%以上1.1質量%以下、Cu:2.0質量%以下、P:0.050質量%以下、S:0.020質量%以下、N:0.030質量%以下、および、Al:0.15質量%以下を含有し、TiおよびNbの少なくとも1種を合計で10(C+N)質量%以上0.7質量%以下で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    Mn+2Ni+0.5Mo≧1.5を満たし、
    5Si+Cu≧5.5を満たし、
    Cr+Ni+3Mo+0.75Si≧22を満たす
    ことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
  2. V、WおよびCoの少なくとも1種を合計で1.0質量%以下含有する
    ことを特徴とする請求項1記載のフェライト系ステンレス鋼。
  3. REMおよびCaの少なくとも1種を合計で0.10質量%以下含有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のフェライト系ステンレス鋼。
  4. 請求項1ないし3いずれか一記載のフェライト系ステンレス鋼が溶接されて形成された
    ことを特徴とする溶接構造物。
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