JP2018163872A - 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む接着性多孔質層を備えたセパレータであって、ドライヒートプレスによる電極との接着性が良好で、かつ、その後電解液浸漬後も電極との接着性に優れる非水系二次電池用セパレータを提供すること。【解決手段】多孔質基材と、この多孔質基材の片面または両面に形成され、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む接着性多孔質層と、を備え、前記接着性多孔質層は、さらに、(1)カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、(2)水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を含む、非水系二次電池用セパレータ。【選択図】なし

Description

本発明は、非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は、ノートパソコン、携帯電話、デジタルカメラ、カムコーダ等の携帯型電子機器の電源として広く用いられている。携帯型電子機器の小型化及び軽量化に伴い、非水系二次電池の外装の簡素化及び軽量化がなされており、外装材としてステンレス製の缶にかわって、アルミ製の缶が開発され、さらに金属製の缶にかわって、アルミラミネートフィルム製のパックが開発されている。ただし、アルミラミネートフィルム製パックは軟らかいが故に、該パックを外装材とする電池(所謂ソフトパック電池)においては、外部からの衝撃や、充放電に伴う電極の膨張及び収縮によって、電極とセパレータとの間に隙間が形成されやすく、電池のサイクル寿命が低下することがある。
上記の課題を解決するため、電極とセパレータとの接着を高める技術が提案されている。その技術の一つとして、多孔質基材上にポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む多孔質層を備えたセパレータが知られている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、電池を製造する際に、正極と負極との間にセパレータを配置した積層体にドライヒートプレス(セパレータに電解液を含浸させずに行う熱プレス処理)を施す場合がある。ドライヒートプレスによりセパレータと電極とが良好に接着するようになれば、電池の製造歩留りを向上させることも可能となる。しかしながら、上述した特許文献1のような従来技術では、ドライヒートプレスにより電極と接着させる機能が不足している。
一方、特許文献2では、多孔質基材の表面に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂を混合して含んだ接着性多孔質層を有したセパレータが開示されている。このようなセパレータによれば、ドライヒートプレスによりセパレータと電極が良好に接着するため、電池製造歩留まりの向上が期待される。しかしながら、このようなセパレータを用いて、正極と負極との間にセパレータを配置してドライヒートプレスを施した後、これに電解液を含浸させると、アクリル系樹脂が電解液で膨潤あるいは溶解してしまい、セパレータが電極から容易に剥離する場合があった。その場合、せっかくドライヒートプレスによりセパレータと電極を接着させても、実際に電池の中で電解液に浸した状態ではセパレータと電極との間に隙間が形成されてしまうため、結果として電池を長期に使用した場合にサイクル寿命が低下することがあった。
また、特許文献3では、ビニルアルコール系共重合体とアクリル系モノマーを主成分とする共重合性モノマーを重合してなる合成樹脂の水性エマルジョンを塗工したセパレータが開示されている。このようなセパレータによれば、ドライヒートプレスによりセパレータと電極が良好に接着するため、電池製造歩留まりの向上が期待される。しかしながら、セパレータに水性エマルジョンを塗工することで、セパレータの表面孔が閉塞してしまう場合があった。その場合、せっかくドライヒートプレスによりセパレータと電極を接着させても、電池の内部抵抗を増加させてしまうために、結果として電池を長期に使用した場合にサイクル寿命が低下することがあった。
特許第4127989号公報 国際公開第2016/98684号パンフレット 国際公開第2012/165578号パンフレット
このような背景から、ドライヒートプレスによる電極との接着性が良好で、しかも、ドライヒートプレスにより接着させた後に電解液を含浸させた場合にも、電極との良好な接着状態が維持され、かつサイクル特性に優れたセパレータが求められている。
本開示の実施形態は、上記状況のもとになされた。
本開示の実施形態は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む接着性多孔質層を備えたセパレータであって、ドライヒートプレスによる電極との接着性が良好で、かつ、その後電解液浸漬後も電極との接着性に優れる非水系二次電池用セパレータを提供することを目的とし、これを解決することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
[1] 多孔質基材と、この多孔質基材の片面または両面に形成され、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む接着性多孔質層と、を備え、前記接着性多孔質層は、さらに、(1)カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、(2)水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を含む、非水系二次電池用セパレータ。
[2] 前記接着性多孔質層において、(1)カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、(2)水酸基又はアミノ基を含有する樹脂は、両成分が化学結合で繋がった反応体として含まれている、上記[1]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[3] 前記単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂は、単量体成分としてアクリル系モノマーおよび不飽和カルボン酸無水物を含む共重合体、あるいは、単量体成分としてアクリル系モノマー、スチレン系モノマーおよび不飽和カルボン酸無水物を含む共重合体である、上記[1]または上記[2]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[4] 前記水酸基又はアミノ基を含有する樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、および、アミノ基を有するエポキシ−アミン付加物からなる群より選ばれる1種以上である、上記[1]〜上記[3]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
[5] 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニルアルコールに長鎖アルキル基を含有する、又はポリエチレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレートモノマーの共重合体である、上記[4]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[6] 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ブテンジオール・ビニルアルコール共重合体である、上記[4]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[7] 前記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が60〜100モル%である、上記[4]〜上記[6]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
[8] 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、単量体成分としてフッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを含む共重合体であり、当該共重合体におけるヘキサフルオロプロピレン単量体成分の含有量が3質量%〜25質量%であり、且つ、当該共重合体の重量平均分子量が10万〜150万である、上記[1]〜上記[7]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
[9] 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、単量体成分としてフッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを含む共重合体であり、当該共重合体におけるヘキサフルオロプロピレン単量体成分の含有量が5質量%〜25質量%であり、且つ、当該共重合体の重量平均分子量が10万〜150万である、上記[8]に記載の非水系二次電池用セパレータ。
[10] 前記接着性多孔質層には、さらに無機物または有機物からなるフィラーが含まれている、上記[1]〜上記[9]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
[11] 正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された上記[1]〜上記[10]のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータとを備え、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池。
本開示によれば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む接着性多孔質層を備えたセパレータであって、ドライヒートプレスによる電極との接着性が良好で、かつ、その後電解液浸漬後も電極との接着性に優れ、かつサイクル特性に優れた非水系二次電池用セパレータが提供される。
以下に、本開示の実施形態について説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、実施形態の範囲を制限するものではない。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、「機械方向」とは、長尺状に製造される多孔質基材及びセパレータにおいて長尺方向を意味し、「幅方向」とは、「機械方向」に直交する方向を意味する。本開示において、「機械方向」を「MD方向」ともいい、「幅方向」を「TD方向」ともいう。
本明細書において、共重合体の「単量体成分」とは、共重合体の構成成分であって、単量体が重合してなる構成単位を意味する。
<非水系二次電池用セパレータ>
本開示の非水系二次電池用セパレータ(「セパレータ」ともいう。)は、多孔質基材と、多孔質基材の片面又は両面に設けられた接着性多孔質層とを備える。
本開示のセパレータにおいて、接着性多孔質層は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、および、(1)カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、(2)水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を含む。
本開示のセパレータは、ドライヒートプレスによる電極との接着性(以下、「ドライ接着性」と適宜称す)に優れるが故に、電池の製造工程において電極と位置ずれしにくくなり、電池の製造歩留りを向上させることができる。
また、本開示のセパレータは、ドライヒートプレスによる電極との接着に優れ、さらに電解液に浸漬させた後も良好な接着状態が維持されるために、電池のサイクル特性(容量維持率)を向上させることができる。
この理由は定かではないが、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂は、互いに化学結合して反応体(以下、反応体と適宜称す)を形成しやすい。このような反応体は、水酸基あるいはアミノ基以外に、その分子内に反応で形成されるエステル結合やアミド結合などの極性構造を有する。これら極性構造が接着に大きく影響しているものと推測される。一方、上記反応体は電解液に対する溶解や膨潤を抑制する効果があると推測される。その結果、ドライ接着性を向上でき、さらにドライヒートプレスで接着させた後に電解液に浸漬させた場合でも、接着性多孔質層の過度な膨潤が抑制され、電極との良好な接着状態が維持されているものと推測される。また、このような反応体は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂との親和性が高く、溶媒中に両樹脂を均一に溶解させることができ、均一な接着性多孔質層を形成しやすい。そして、接着性多孔質層において反応体とポリフッ化ビニリデン系樹脂が分子レベルで均一に分散、混合することで、セパレータと電極との接着も均一なものとなり、電池のサイクル特性向上に寄与するものと考えられる。
以下、本開示のセパレータが有する多孔質基材及び接着性多孔質層の詳細を説明する。
[多孔質基材]
本開示において多孔質基材とは、内部に空孔ないし空隙を有する基材を意味する。このような基材としては、微多孔膜;繊維状物からなる、不織布、紙等の多孔性シート;これら微多孔膜や多孔性シートに他の多孔性の層を1層以上積層した複合多孔質シート;などが挙げられる。多孔質基材としては、セパレータの薄膜化及び強度の観点から、微多孔膜が好ましい。微多孔膜とは、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となった膜を意味する。
多孔質基材の材料としては、電気絶縁性を有する材料が好ましく、有機材料及び無機材料のいずれでもよい。
多孔質基材は、多孔質基材にシャットダウン機能を付与するため、熱可塑性樹脂を含むことが望ましい。シャットダウン機能とは、電池温度が高まった際に、構成材料が溶解して多孔質基材の孔を閉塞することによりイオンの移動を遮断し、電池の熱暴走を防止する機能をいう。熱可塑性樹脂としては、融点200℃未満の熱可塑性樹脂が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなどが挙げられ、中でもポリオレフィンが好ましい。
多孔質基材としては、ポリオレフィンを含む微多孔膜(以下、「ポリオレフィン微多孔膜」と適宜称す。)が好ましい。ポリオレフィン微多孔膜としては、例えば、従来の電池セパレータに適用されているポリオレフィン微多孔膜が挙げられ、この中から十分な力学特性とイオン透過性を有するものを選択することが好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜は、シャットダウン機能を発現する観点から、ポリエチレンを含むことが好ましく、ポリエチレンの含有量としては、ポリオレフィン微多孔膜全体の質量の95質量%以上が好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜は、高温に曝されたときに容易に破膜しない程度の耐熱性を付与する観点からは、ポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィン微多孔膜が好ましい。このようなポリオレフィン微多孔膜としては、ポリエチレンとポリプロピレンが1つの層において混在している微多孔膜が挙げられる。該微多孔膜においては、シャットダウン機能と耐熱性の両立という観点から、95質量%以上のポリエチレンと5質量%以下のポリプロピレンとを含むことが好ましい。また、シャットダウン機能と耐熱性の両立という観点からは、2層以上の積層構造を備え、少なくとも1層はポリエチレンを含み、少なくとも1層はポリプロピレンを含む構造のポリオレフィン微多孔膜も好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリオレフィンとしては、重量平均分子量(Mw)が10万〜500万のポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンのMwが10万以上であると、微多孔膜に十分な力学特性を付与できる。一方、ポリオレフィンのMwが500万以下であると、微多孔膜のシャットダウン特性が良好であるし、微多孔膜の成形がしやすい。
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、溶融したポリオレフィン樹脂をT−ダイから押し出してシート化し、これを結晶化処理した後延伸し、次いで熱処理をして微多孔膜とする方法:流動パラフィンなどの可塑剤と一緒に溶融したポリオレフィン樹脂をT−ダイから押し出し、これを冷却してシート化し、延伸した後、可塑剤を抽出し熱処理をして微多孔膜とする方法などが挙げられる。
繊維状物からなる多孔性シートとしては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルイミド等の耐熱性樹脂;セルロース;などの繊維状物からなる、不織布、紙等の多孔性シートが挙げられる。耐熱性樹脂とは、融点が200℃以上の樹脂、又は、融点を有さず分解温度が200℃以上の樹脂を指す。
複合多孔質シートとしては、微多孔膜や繊維状物からなる多孔性シートに、機能層を積層したシートが挙げられる。このような複合多孔質シートは、機能層によってさらなる機能付加が可能となる観点から好ましい。機能層としては、例えば耐熱性を付与するという観点からは、耐熱性樹脂からなる多孔性の層や、耐熱性樹脂及び無機フィラーからなる多孔性の層が挙げられる。耐熱性樹脂としては、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン及びポリエーテルイミドから選ばれる1種又は2種以上の耐熱性樹脂が挙げられる。無機フィラーとしては、アルミナ等の金属酸化物;水酸化マグネシウム等の金属水酸化物;などが挙げられる。複合化の手法としては、微多孔膜や多孔性シートに機能層を塗工する方法、微多孔膜や多孔性シートと機能層とを接着剤で接合する方法、微多孔膜や多孔性シートと機能層とを熱圧着する方法等が挙げられる。
多孔質基材の表面には、多孔質層を形成するための塗工液との濡れ性を向上させる目的で、多孔質基材の性質を損なわない範囲で、各種の表面処理を施してもよい。表面処理としては、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、紫外線照射処理等が挙げられる。
[多孔質基材の特性]
本開示において、多孔質基材の厚さは、良好な力学特性と内部抵抗を得る観点から、5μm〜25μmが好ましい。
多孔質基材のガーレ値(JIS P8117:2009)は、電池の短絡の抑制及び十分なイオン透過性を得る観点から、50秒/100cc〜300秒/100ccが好ましい。
多孔質基材の空孔率は、適切な膜抵抗やシャットダウン機能を得る観点から、20%〜60%が好ましい。多孔質基材の空孔率は、下記の算出方法に従って求める。即ち、構成材料がa、b、c、…、nであり、各構成材料の質量がWa、Wb、Wc、…、Wn(g/cm)であり、各構成材料の真密度がda、db、dc、…、dn(g/cm)であり、膜厚をt(cm)としたとき、空孔率ε(%)は以下の式より求められる。
ε={1−(Wa/da+Wb/db+Wc/dc+…+Wn/dn)/t}×100
多孔質基材の突刺強度は、セパレータの製造歩留り及び電池の製造歩留りを向上させる観点から、300g以上が好ましい。多孔質基材の突刺強度は、カトーテック社KES−G5ハンディー圧縮試験器を用いて、針先端の曲率半径0.5mm、突刺速度2mm/secの条件で突刺試験を行って測定する最大突刺荷重(g)を指す。
[接着性多孔質層]
本開示において接着性多孔質層は、多孔質基材の片面又は両面にセパレータの最外層として設けられ、セパレータと電極とを重ねてプレス又は熱プレスしたときに電極と接着する層である。
本開示において接着性多孔質層は、内部に多数の微細孔を有し、これら微細孔が連結された構造となっており、一方の面から他方の面へと気体あるいは液体が通過可能となっている。また、接着性多孔質層は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂が、互いに混合された状態で含まれた多孔質構造を有している。このような多孔質構造は、各成分が分子レベルで相溶化ないし均一に混合された状態でフィブリル状体を形成し、このような多数のフィブリル状体が一体的に連結して三次元網目状構造となったものである。このような多孔質構造は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)等で確認することができる。
接着性多孔質層は、多孔質基材の片面のみにあるよりも両面にある方が、電池のサイクル特性が優れる観点から好ましい。接着性多孔質層が多孔質基材の両面にあると、セパレータの両面が接着性多孔質層を介して両電極とよく接着するからである。なお、本開示において接着性多孔質層は、本発明の効果を阻害しない範囲で、さらに他の樹脂や、無機フィラー、有機フィラー等を含んでもよい。
(ポリフッ化ビニリデン系樹脂)
本開示において、接着性多孔質層に含まれるポリフッ化ビニリデン系樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体(即ちポリフッ化ビニリデン);フッ化ビニリデンと他の共重合可能なモノマーとの共重合体(ポリフッ化ビニリデン共重合体);これらの混合物;が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合可能なモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニル、トリクロロエチレン等が挙げられ、1種類又は2種類以上を用いることができる。中でも、電極に対する接着性の観点から、VDF−HFP共重合体が好ましい。なお、ここで言う「VDF」はフッ化ビニリデン単量体成分を、「HFP」はヘキサフルオロプロピレン単量体成分を指しており、「VDF−HFP共重合体」とはVDF単量体成分及びHFP単量体成分を有するポリフッ化ビニリデン系樹脂を意味している。ヘキサフルオロプロピレンをフッ化ビニリデンと共重合することで、ポリフッ化ビニリデン系樹脂の結晶性、耐熱性、電解液に対する耐溶解性などを適度な範囲に制御できる。
本開示のセパレータは、以下の理由から、HFP単量体成分の含有量が全単量体成分の3質量%〜25質量%であり、且つ、重量平均分子量(Mw)が10万〜150万である特定VDF−HFP共重合体を接着性多孔質層に含むことが好ましい。また、このようなVDF−HFP共重合体は上記アクリル系樹脂との親和性が高い点でも好ましい。
VDF−HFP共重合体のHFP単量体成分含有量が3質量%以上であると、ドライヒートプレスを行った際のポリマー鎖の運動性が高く、電極表面の凹凸にポリマー鎖が入り込んでアンカー効果が発現し、電極に対する接着性多孔質層の接着を向上させ得る。この観点から、VDF−HFP共重合体のHFP単量体成分含有量は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、6質量%以上が更に好ましく、9質量%以上が特に好ましい。
VDF−HFP共重合体のHFP単量体成分含有量が25質量%以下であると、電解液に溶解しにくく過度に膨潤することもないので、電池内部において電極と接着性多孔質層との接着が保たれ得る。この観点から、VDF−HFP共重合体のHFP単量体成分含有量は、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、18質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下が特に好ましい。
VDF−HFP共重合体のMwが10万以上であると、接着性多孔質層が電極との接着処理に耐え得る力学特性を確保でき、電極との接着が向上し得る。また、VDF−HFP共重合体のMwが10万以上であると、電解液に溶解しにくいので、電池内部において電極と接着性多孔質層との接着が保たれ易くなる。これらの観点から、VDF−HFP共重合体のMwは、10万以上が好ましく、20万以上がより好ましく、30万以上が更に好ましく、50万以上が更に好ましい。
VDF−HFP共重合体のMwが150万以下であると、接着性多孔質層の塗工成形に用いられる塗工液の粘度が高くなり過ぎず成形性及び結晶形成がよく、接着性多孔質層の表面性状の均一性が高く、その結果として、電極に対する接着性多孔質層の接着が良好である。また、VDF−HFP共重合体のMwが150万以下であると、ドライヒートプレスを行った際のポリマー鎖の運動性が高く、電極表面の凹凸にポリマー鎖が入り込んでアンカー効果が発現し、電極に対する接着性多孔質層の接着を向上させ得る。これらの観点から、VDF−HFP共重合体のMwは、150万以下が好ましく、120万以下がより好ましく、100万以下が更に好ましい。
PVDFやVDF−HFP共重合体を製造する方法としては、乳化重合や懸濁重合が挙げられる。また、HFP単位の含有量及び重量平均分子量を満足する市販のVDF−HFP共重合体を選択することも可能である。
(反応体)
本開示において、接着性多孔質層において、(1)カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、(2)水酸基又はアミノ基を含有する樹脂は、両成分が化学結合で繋がった反応体として含まれていることが好ましい。このような反応体は例えば、有機溶剤に溶けたカルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を所定の温度条件で反応させることで、得ることが出来る。反応させる際に、例えばジメチルアミノピリジンのような塩基性触媒を用いても良い。
上記反応における温度(反応温度)は、特に限定されないが、20〜150℃が好ましく、より好ましくは30〜120℃、さらに好ましくは40〜100℃である。反応温度が20℃未満であると、反応速度が遅くなってエポキシ−アミン付加物の生産性が低下する場合がある。一方、反応温度が150℃を超えると、反応体がゲル化してしまい、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と均一に混合させることが難しくなる場合がある。なお、上記反応中、反応温度は常に一定(実質的に一定)となるように制御されていてもよいし、段階的又は連続的に変化するように制御されていてもよい。
上記反応を実施する時間(反応時間)は、特に限定されないが、0.1〜10時間が好ましく、より好ましくは0.2〜7時間、さらに好ましくは0.3〜5時間である。反応時間が0.1時間未満であると、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂が反応していない場合がある。一方、反応時間が10時間を超えると、セパレータの生産性が低くなる場合がある。
なお、接着性多孔質層を作製する場合には、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を、有機溶剤中で溶解混合させた状態で熱を加えて反応体を作製しても良いし、反応体を作製した後にポリフッ化ビニリデン系樹脂を混合しても良い。
反応体のガラス転移温度としては、−20℃〜150℃の範囲が好適である。反応体のガラス転移温度が低いほど、接着性多孔質層の流動性は高く、ドライヒートプレスで接着性多孔質層が電極表面の凹凸に入り込んでアンカー効果を発現し得る。このため、電極との接着性を向上させることができる。一方で、100〜150℃の高いガラス転移温度を有する反応体であっても、フッ化ビニリデン系樹脂と相溶、あるいは部分相溶する場合には、接着性多孔質層のガラス転移温度が実質低下するため、電極との接着性が高くなる場合がある。ガラス転移温度が−20℃以上であれば、電極との優れた接着力に加えて、接着性多孔質層のブロッキングも抑制できる。一方、ガラス転移温度が150℃以下であれば、良好なドライ接着性が得られやすい。
接着性多孔質層における反応体の含有量は、本発明の効果を奏する上で、かつ多孔質基材と接着性多孔質層との間の剥離強度を高める観点から、接着性多孔質層に含まれる全樹脂の総量の2質量%以上が好ましく、7質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましく、15質量%以上が更に好ましい。一方、接着性多孔質層の凝集破壊を抑制する観点から、接着性多孔質層における反応体の含有量は、接着性多孔質層に含まれる全樹脂の総量の40質量%以下が好ましく、38量%以下がより好ましく、35質量%以下が更に好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
(カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂)
本発明で適用可能なカルボン酸無水物は、2分子のカルボン酸を脱水縮合させた化合物であれば特に制限はなく、例えば脂肪族カルボン酸無水物及び芳香族カルボン酸無水物が挙げられ、脂肪族カルボン酸無水物としては、例えば無水酢酸、無水トリクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水グルタル酸、無水1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、無水n−オクタデシルコハク酸、無水5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸などの脂肪族カルボン酸無水物が挙げられる。芳香族カルボン酸無水物としては、例えば無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、無水ナフタル酸などが挙げられる。上記カルボン酸無水物の分子量は、通常800以下、好ましくは600以下、更に好ましくは500以下であり、通常50以上である。ドライヒートプレスで電極と接着したセパレータが、電解液浸漬後も電極と良好な接着状態を維持するためには、接着性多孔質層に含まれる反応体の過度な膨潤を抑制する必要がある。このため、カルボン酸無水物と水酸基又はアミノ基を含有する樹脂からなる反応体は、適度に3次元架橋化しておく必要がある。カルボン酸無水物の分子量が50〜800であれば、適度な3次元架橋構造を形成することができるが、より好ましい範囲としては60〜500である。
単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂としては、単量体成分としてアクリル系モノマーおよび不飽和カルボン酸無水物を含む共重合体、あるいは、単量体成分としてアクリル系モノマー、スチレン系モノマーおよび不飽和カルボン酸無水物を含む共重合体が好ましい。具体的には、例えばカルボン酸無水物変性ポリシロキサン、カルボン酸無水物変性ポリアルキルアリールシロキサン、カルボン酸無水物変性ポリジアルキルシロキサン、カルボン酸無水物変性ポリジアリールシロキサン、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性液状ジエン系ゴム、カルボン酸無水物変性アクリル樹脂、カルボン酸無水物変性ポリオレフィンなどが挙げられる。これらの中でも、優れたドライ接着性を得るためには、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレートあるいはカルボン酸無水物変性アクリル樹脂が好ましい。
カルボン酸無水物変性アクリル系樹脂を構成するアクリル系モノマーとしては、例えばアクリル酸、アクリル酸塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸塩、メタクリル酸エステルからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。アクリル酸塩としては、例えば、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸マグネシウム、アクリル酸亜鉛等が挙げられる。アクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、炭素数が5〜30の長鎖アルキルアクリレート、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、イソボニルアリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、等が挙げられる。メタクリル酸塩としては、例えば、メタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、炭素数が5〜30の長鎖アルキルメタリレート、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、イソボニルメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等が挙げられる。これらの中でもメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましく、特にポリフッ化ビニリデン系樹脂と優れた相溶性があるメタクリル酸メチルは接着性多孔質層のガラス転移温度を下げる効果があることから、最も好ましい。
カルボン酸無水物変性アクリル樹脂を構成するスチレン系モノマーとしては、例えばスチレン、メタクロロスチレン、パラクロロスチレン、パラフロロスチレン、パラメトキシスチレン、メタターシャリーブトキシスチレン、パラターシャリーブトキシスチレン、バラビニル安息香酸、パラメチル−α−メチルスチレン等を例示することが出来る。これらの中でもスチレン、パラメトキシスチレン、パラメチル−α−メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが電解液に対して溶解、膨潤抑制効果が強いことから最も好ましい。
カルボン酸無水物変性アクリル樹脂を構成する不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、マレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物、4−メタクリロキシエチルトリメリット酸無水物、トリメリット酸無水物などを例示することが出来る。
カルボン酸無水物変性アクリル樹脂の構成成分である不飽和カルボン酸無水物は、アクリル系樹脂全量に対して50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、30質量%以下が最も好ましい。不飽和カルボン酸無水物の量がアクリル樹脂全量に対して50質量%以下であれば、カルボン酸無水物変性アクリル樹脂のガラス転移温度が150℃を超えることはなく、ドライヒートプレスで電極と強固に接着させ得る。一方、不飽和カルボン酸無水物は、カルボン酸無水物変性アクリル樹脂全量に対して1.0質量%以上含まれると、ドライ接着性がより向上し、かつ水酸基又はアミノ基を含有する樹脂と反応させやすいため、5質量%以上がより好ましく、さらには10質量%以上が特に好ましい。
単量体成分としてアクリル系モノマー、スチレン系モノマー、および不飽和カルボン酸無水物からなるカルボン酸無水物変性アクリル樹脂は、その分子構造中に電解液に対して溶解、膨潤抑制効果の高いスチレンユニットを持つ。このため、カルボン酸無水物の場合とは異なり、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂と部分的に反応しさえすれば、電解液に対して優れた溶解、膨潤抑制効果を持つ。その結果、接着性多孔質層が一旦電極と接着すると、電解液浸漬後も接着力を維持する事が可能となる。
不飽和カルボン酸無水物を添加すると、カルボン酸無水物変性アクリル樹脂のガラス転移温度を高める傾向にある。このため反応体のガラス転移温度も高くなる傾向にあるが、接着性多孔質層はドライヒートプレスで電極と強固に接着し得る。この理由は定かではないが、酸無水物骨格の高い分極が電極と強い分子間相互作用を形成する、あるいは酸無水物骨格が電極中の樹脂成分と反応したためと推測される。
アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、および不飽和カルボン酸無水物からなるカルボン酸無水物変性アクリル樹脂において、アクリル系モノマーと不飽和カルボン酸無水物の総重量とスチレン系モノマーの質量比((アクリル系モノマー+不飽和カルボン酸無水物)/スチレン系モノマー[質量比])は、本発明の効果をより向上させる観点で、0.10〜2.35の範囲が好ましく、更には0.15〜1.50、更には0.20〜1.00が最も好ましい。アクリル系モノマーと不飽和カルボン酸無水物の総重量とスチレン系モノマーの質量比が2.35以下であると、電解液に浸漬させた場合でも接着力が維持される。一方、アクリル系モノマーとスチレン系モノマーの共重合比が0.10以上であると、ドライ接着力が向上しやすい。
本開示のセパレータで使用されるアクリル系モノマー、スチレン系モノマー、および不飽和カルボン酸無水物からなるカルボン酸無水物変性アクリル樹脂のMwとしては、1万〜50万が好ましい。カルボン酸無水物変性アクリル樹脂のMwが1万以上であると、ドライヒートプレスで電極との良好な接着強度が得られる。一方、Mwが50万以下であると、接着性多孔質層の流動性が良好なため、優れたドライ接着性を発現する。カルボン酸無水物変性アクリル樹脂のMwのより好ましい範囲は3万〜30万であり、更には5万〜20万の範囲が最も好ましい。
これらのカルボン酸無水物と単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
(水酸基を含有する樹脂)
本開示で適用可能な水酸基を含有する樹脂としては、例えばポリビニルアルコール系樹脂、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース系樹脂、水溶性ナイロン、水溶性ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリグリセロールなどのアルコール性ヒドロキシル基を複数持つポリアルコール系樹脂、およびでんぷん、寒天、デキストラン、ゼラチンなどの天然高分子などを例示することができる。
これらの中でも、電解液に対して溶解あるいは膨潤し難いポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂が好ましく、特にポリビニルアルコール系樹脂が最も好ましい。
本発明で適用可能なポリビニルアルコール系樹脂は、酢酸ビニルを重合して得たポリ酢酸ビニルを加水分解(ケン化)することにより得られる単独重合体、あるいは酢酸ビニルと第二成分のビニルモノマーとの共重合体をケン化した共重合体、あるいはそれらの混合体が挙げられる。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度としては、60〜100モル%が好ましい。なお、ケン化度はポリビニルアルコール系樹脂を構成する水酸基のモル数と酢酸基のモル数の総和に対する水酸基のモル数のモル分率である。ケン化度が60モル%以上であれば、接着性多孔質層は電解液に対して溶解、膨潤し難くなるため、電解液浸漬下でも接着を維持しやすい。ケン化度は高いほど好ましいが、より好ましくは65モル%以上、更には70モル%以上である。
ケン化度が高いほど、電解液を始めとした有機溶剤に溶解し難くなるため、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂との反応性が低下する事がある。このような場合には、酢酸ビニル100質量部に対して第二成分のビニルモノマーを1〜20質量部の範囲で共重合したポリビニルアルコール系樹脂を用いるのが良い。第二成分のビニルモノマーの含有割合が1質量部以上であれば、ポリビニルアルコール系樹脂を有機溶剤に溶解させやすく、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と反応させやすい。一方、第二成分のビニルモノマーの含有割合が20質量部以下であれば、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と容易に反応させることが出来るだけでなく、電解液に対し溶解や膨潤を抑制する効果がある。このような観点では、第二成分のビニルモノマーの含有割合としては、2〜15質量部が好ましく、更には3〜10質量部が最も好ましい。
第二成分のビニルモノマーとしては特に制限はないが、接着性多孔質層の流動性を高めるために、ポリビニルアルコール系樹脂の結晶化度を下げ、かつ耐薬品性を保持するという観点から、水酸基含有ビニル系モノマーが好ましい。水酸基含有ビニル系モノマーをポリビニルアルコールに共重合する事で、ポリビニルアルコールの高い結晶性を下げつつ、分子内水素結合により優れた耐薬品性を担保する事が可能となる。このような水酸基含有ビニル系モノマーとしては、例えば、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール、1−ブテン−3−オール及び2−ブテン−1−オール等の炭素数2〜12のアルケノール;2−ブテン−1,4−ジオール等の炭素数4〜12のアルケンジオール;ヒドロキシスチレン等の水酸基含有芳香族ビニルモノマー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の炭素数5〜8のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、蔗糖アリルエーテル等の炭素数3〜30のアルケニルエーテル、等を例示することが出来る。これらの中でもブテンジオール、特に2−ブテン−1,4−ジオールが最も好ましい。
第二成分のビニルモノマーの他の例としては、例えば上述に記載した(メタ)アクリル系モノマー等を例示することが出来る。これらの中でも、接着性多孔質層の流動性を高めるという観点から、ポリビニルアルコール系樹脂の軟化温度を下げるために、長鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリレート又はポリエチレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレートが好ましい。長鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリレートとしては、例えばデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレート等を上げることが出来る。長鎖アルキル基を含有する(メタ)アクリレートの長鎖アルキル基の炭素数としては4〜60が好ましい。長鎖アルキル基の炭素数が4以上あれば、ポリビニルアルコール系樹脂のガラス転移温度を下げ、接着性多孔質層の流動性を高めることが出来る。一方、アルキル基の炭素数が60以下であれば、接着性多孔質層の流動性を高めることが出来るだけでなく、有機溶剤に溶解させやすく、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と反応させやすい。長鎖アルキル基の炭素数の好ましい範囲は6〜50であり、8〜40がより好ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂の重合度としては、100〜10000の範囲が好ましい。重合度が100以上であれば、電極と強固に接着しやすくなる。一方、重合度が10000以下であれば、流動性の高い接着性多孔質層となり、ドライヒートプレスで電極と強固に接着させることが出来る。重合度のより好ましい範囲としては、150〜5000であり、さらには200〜1000が好ましい。
本開示では、ポリビニルアルコール系樹脂以外にセルロース系樹脂を用いても良い。セルロース系樹脂としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを例示できる。カルボン酸無水物及び/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂との反応性を考慮すると、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが特に好ましい。
(アミノ基を含有する樹脂)
本開示で適用可能なアミノ基を含有する樹脂としては、例えば分子内に2個以上の脂環式エポキシ基を有するエポキシ化合物と、分子内に2個以上のアミノ基を有するアミン化合物との反応により得られる熱可塑性のエポキシ−アミン付加物などを例示できる。ここで言う熱可塑性とは、加熱で溶融流動するだけでなく、有機溶剤にも可溶である状態を指し、エポキシ−アミン付加物の分子構造中に一部の架橋部があっても良い。
熱可塑性のエポキシ−アミン付加物の原料(前駆体)であるエポキシ化合物は、脂環式エポキシ基を含有するのが好ましい。脂環式エポキシ基は、その低い反応性のためにジアミンとの反応性が低く、3次元網目構造を形成し難く、直鎖状の高分子となり易い。それ故に、ジアミンとの反応で得られるエポキシ−アミン付加物は、加熱で流動すると共に、有機溶剤にも可溶となる。
熱可塑性のエポキシ−アミン付加物の原料(前駆体)であるエポキシ化合物が有する脂環式エポキシ基は、特に限定されないが、例えば、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環などの炭素数4〜16の脂肪族環(脂肪族炭化水素環)を構成する隣接する2つの炭素原子と、酸素原子とで構成されるエポキシ基などが挙げられる。中でも、上記脂環式エポキシ基としては、シクロヘキサン環を構成する2つの炭素原子と、酸素原子とで構成されるエポキシ基(シクロヘキセンオキシド基)が好ましい。
エポキシ化合物が分子内に有する脂環式エポキシ基の数は2個以上であればよく、特に限定されないが、2〜6個が好ましく、より好ましくは2〜5個、さらに好ましくは2個又は3個である。脂環式エポキシ基の数が6個を超えると、アミン化合物との反応で生成するエポキシ−アミン付加物が硬化してしまう場合があり、フッ化ビニリデン系樹脂との混合が難しくなる場合がある。
エポキシ−アミン付加物の原料(前駆体)であるアミン化合物は、分子内に2個以上のアミノ基(−NH;無置換アミノ基)を有するポリアミン化合物である。アミン化合物が分子内に有するアミノ基の数は2個以上であればよく、特に限定されないが、2〜6個が好ましく、より好ましくは2〜5個、さらに好ましくは2個又は3個である。アミノ基の数が6個を超えると、エポキシ化合物との反応で生成するエポキシ−アミン付加物が硬化してしまう場合があり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂との混合が難しくなる場合がある。
アミン化合物の分子量は、特に限定されないが、80〜10000が好ましく、より好ましくは100〜5000、さらに好ましくは200〜1000である。分子量が80未満であると、エポキシ−アミン付加物が硬化してしまう場合があり、ポリフッ化ビニリデン系樹脂との混合が難しくなる場合がある。一方、分子量が10000を超えると、ドライヒートプレスによる電極との接着性が低下する場合がある。分子量としては100〜5000がより好ましく、さらに好ましくは200〜1000である。
エポキシ−アミン付加物は、エポキシ化合物が有する脂環式エポキシ基と、アミン化合物が有するアミノ基とを反応させることにより得られる。エポキシ化合物とアミン化合物の割合は、特に限定されないが、上記反応におけるエポキシ化合物が有する脂環式エポキシ基とアミン化合物が有するアミノ基との割合[脂環式エポキシ基/アミノ基]が、0.05〜1.00(より好ましくは0.10〜0.95、さらに好ましくは0.15〜0.90)となるように制御することが好ましい。上記割合[脂環式エポキシ基/アミノ基]が0.05未満であると、未反応のアミン化合物が大量に残存する場合がある。一方、上記割合[脂環式エポキシ基/アミノ基]が1.00を超えると、未反応のエポキシ化合物が残存する場合がある。
上記反応における温度(反応温度)は、特に限定されないが、30〜250℃が好ましく、より好ましくは80〜200℃、さらに好ましくは120〜180℃である。反応温度が30℃未満であると、反応速度が遅くなってエポキシ−アミン付加物の生産性が低下する場合がある。一方、反応温度が250℃を超えると、エポキシ化合物やアミン化合物の分解が生じて、エポキシ−アミン付加物の収率が低下する場合がある。なお、上記反応中、反応温度は常に一定(実質的に一定)となるように制御されていてもよいし、段階的又は連続的に変化するように制御されていてもよい。
上記反応を実施する時間(反応時間)は、特に限定されないが、0.2〜20時間が好ましく、より好ましくは0.5〜10時間、さらに好ましくは1〜5時間である。反応時間が0.2時間未満であると、エポキシ−アミン付加物の収率が低くなる場合がある。一方、反応時間が20時間を超えると、エポキシ−アミン付加物の生産性が低くなる場合がある。
(その他の樹脂)
本開示において、接着性多孔質層は、フッ化ビニリデン系樹脂、単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂以外の、その他の樹脂を含んでいてもよい。
その他の樹脂としては、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、ビニルニトリル化合物(アクリロニトリル、メタクリロニトリル等)の単独重合体又は共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリエーテル(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等)などが挙げられる。
(フィラー)
本開示において、接着性多孔質層は、セパレータの滑り性や耐熱性を向上させる目的で、無機物又は有機物からなるフィラーを含んでいてもよい。その場合、本開示の効果を妨げない程度の含有量や粒子サイズとすることが好ましい。フィラーとしては、セル強度の向上及び電池の安全性確保の観点から、無機フィラーが好ましい。
フィラーの平均粒子径は、0.01μm〜5μmが好ましい。その下限値としては0.1μm以上がより好ましく、上限値としては1μm以下がより好ましい。
無機フィラーとしては、電解液に対して安定であり、且つ、電気化学的に安定な無機フィラーが好ましい。具体的には例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化クロム、水酸化ジルコニウム、水酸化セリウム、水酸化ニッケル、水酸化ホウ素等の金属水酸化物;アルミナ、チタニア、マグネシア、シリカ、ジルコニア、チタン酸バリウム等の金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、タルク等の粘土鉱物;などが挙げられる。これらの無機フィラーは、1種を単独で使用しても2種以上を組み合わせて使用してもよい。無機フィラーは、シランカップリング剤等により表面修飾されたものでもよい。
無機フィラーとしては、電池内での安定性及び電池の安全性確保の観点から、金属水酸化物及び金属酸化物の少なくとも1種が好ましく、難燃性付与や除電効果の観点から、金属水酸化物が好ましく、水酸化マグネシウムが更に好ましい。
無機フィラーの粒子形状には制限はなく、球に近い形状でもよく、板状の形状でもよいが、電池の短絡抑制の観点からは、板状の粒子や、凝集していない一次粒子であることが好ましい。
接着性多孔質層に無機フィラーが含まれている場合、接着性多孔質層における無機フィラーの含有量は、接着性多孔質層に含まれる全樹脂と無機フィラーの合計量の5質量%〜80質量%が好ましい。無機フィラーの含有量が5質量%以上であると、熱が印加された際にセパレータの熱収縮が抑制され寸法安定性の観点から好ましい。本観点から、無機フィラーの含有量は、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上が更に好ましい。一方、無機フィラーの含有量が75質量%以下であると、接着性多孔質層の電極への接着が確保される観点から好ましい。本観点から、無機フィラーの含有量は、80質量%以下がより好ましく、75質量%以下が更に好ましい。
有機フィラーとしては、例えば、架橋ポリメタクリル酸メチル等の架橋アクリル樹脂、架橋ポリスチレン、架橋ウレタン樹脂などが挙げられ、架橋ポリメタクリル酸メチルが好ましい。
(その他の成分)
本開示において、接着性多孔質層は、界面活性剤等の分散剤、湿潤剤、消泡剤、pH調整剤などの添加剤を含んでいてもよい。分散剤は、接着性多孔質層の塗工成形に用いられる塗工液に、分散性、塗工性及び保存安定性を向上させる目的で添加される。湿潤剤、消泡剤、pH調整剤は、接着性多孔質層の塗工成形に用いられる塗工液に、例えば、多孔質基材とのなじみをよくする目的、塗工液へのエア噛み込みを抑制する目的、又はpH調整の目的で添加される。
[接着性多孔質層の特性]
本開示において、接着性多孔質層の厚さは、多孔質基材の片面において、電極との接着性の観点から、0.5μm以上が好ましく、1.0μm以上がより好ましく、電池のエネルギー密度の観点から、8.0μm以下が好ましく、6.0μm以下がより好ましい。
接着性多孔質層が多孔質基材の両面に設けられている場合、一方の面における接着性多孔質層の厚さと、他方の面における接着性多孔質層の厚さとの差は、両面合計の厚さの20%以下であることが好ましく、低いほど好ましい。
接着性多孔質層の重量は、多孔質基材の片面において、電極との接着性の観点から、0.5g/m以上が好ましく、0.75g/m以上がより好ましく、イオン透過性の観点から、5.0g/m以下が好ましく、4.0g/m以下がより好ましい。
接着性多孔質層の空孔率は、イオン透過性の観点から、30%以上が好ましく、力学的強度の観点から、80%以下が好ましく、60%以下がより好ましい。本開示における接着性多孔質層の空孔率の求め方は、多孔質基材の空孔率の求め方と同様である。
接着性多孔質層の平均孔径は、イオン透過性の観点から、10nm以上が好ましく、電極との接着性の観点から、200nm以下が好ましい。本開示における接着性多孔質層の平均孔径は、すべての孔が円柱状であると仮定し、次の式によって算出する。
d=4V/S
式中、dは接着性多孔質層の平均孔径(直径)、Vは接着性多孔質層1m当たりの空孔体積、Sは接着性多孔質層1m当たりの空孔表面積を表す。
接着性多孔質層1m当たりの空孔体積Vは、接着性多孔質層の空孔率から算出する。接着性多孔質層1m当たりの空孔表面積Sは、以下の方法で求める。
まず、多孔質基材の比表面積(m/g)とセパレータの比表面積(m/g)とを、窒素ガス吸着法にBET式を適用することにより、窒素ガス吸着量から算出する。これらの比表面積(m/g)にそれぞれの目付(g/m)を乗算して、それぞれの1m当たりの空孔表面積を算出する。そして、多孔質基材1m当たりの空孔表面積をセパレータ1m当たりの空孔表面積から減算して、接着性多孔質層1m当たりの空孔表面積Sを算出する。
多孔質基材と接着性多孔質層との間の剥離強度は、0.20N/10mm以上が好ましい。該剥離強度が0.20N/10mm以上であると、電池の製造工程においてセパレータのハンドリング性に優れる。この観点からは、該剥離強度は、0.30N/10mm以上がより好ましく、高いほど好ましい。該剥離強度の上限は制限されるものではないが、通常は2.0N/10mm以下である。
[セパレータの特性]
本開示のセパレータの厚さは、機械的強度の観点からは、5μm以上が好ましく、電池のエネルギー密度の観点からは、35μm以下が好ましい。
本開示のセパレータの突刺強度は、250g〜1000gが好ましく、300g〜600gがより好ましい。セパレータの突刺強度の測定方法は、多孔質基材の突刺強度の測定方法と同様である。
本開示のセパレータの空孔率は、電極に対する接着性、ハンドリング性、イオン透過性、及び機械的強度の観点から、30%〜65%が好ましく、30%〜60%がより好ましい。
本開示のセパレータのガーレ値(JIS P8117:2009)は、機械的強度と電池の負荷特性の観点から、100秒/100cc〜300秒/100ccが好ましい。
[セパレータの製造方法]
本開示のセパレータは、例えば、下記工程(i)〜(iii)を有する湿式塗工法によって製造することができる。
(i)フッ化ビニリデン系樹脂、及び、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を含む塗工液を多孔質基材に塗工し、塗工層を形成する工程。
(ii)塗工層を形成した多孔質基材を凝固液に浸漬し、塗工層において相分離を誘発しつつ樹脂を固化させ、多孔質基材上に多孔質層を形成し、複合膜を得る工程。
(iii)複合膜を水洗及び乾燥する工程。
塗工液は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を溶媒に溶解又は分散させて調製する。接着性多孔質層にフィラーを含有させる場合は、塗工液中にフィラーを分散させる。
塗工液の調製に用いる溶媒は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂、及び水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を溶解する溶媒(以下、「良溶媒」ともいう。)を含む。良溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の極性アミド溶媒が挙げられる。
塗工液の調製に用いる溶媒は、良好な多孔構造を有する多孔質層を形成する観点から、相分離を誘発させる相分離剤を含むことが好ましい。したがって、塗工液の調製に用いる溶媒は、良溶媒と相分離剤との混合溶媒であることが好ましい。相分離剤は、塗工に適切な粘度が確保できる範囲の量で良溶媒と混合することが好ましい。相分離剤としては、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ブタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。
塗工液の調製に用いる溶媒としては、良好な多孔構造を形成する観点から、良溶媒と相分離剤との混合溶媒であって、良溶媒を60質量%以上含み、相分離剤を40質量%以下含む混合溶媒が好ましい。塗工液の樹脂濃度は、良好な多孔構造を形成する観点から、1質量%〜20質量%が好ましい。
多孔質基材への塗工液の塗工手段としては、マイヤーバー、ダイコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター等が挙げられる。多孔質層を多孔質基材の両面に形成する場合、塗工液を両面同時に基材へ塗工することが生産性の観点から好ましい。
凝固液は水のみでも良いが、塗工液の調製に用いた良溶媒及び相分離剤と、水とを含むことが一般的である。良溶媒と相分離剤の混合比は、塗工液の調製に用いた混合溶媒の混合比に合わせるのが生産上好ましい。凝固液中の水の含有量は40質量%〜90質量%であることが、多孔構造の形成および生産性の観点から好ましい。凝固液の温度は、例えば20℃〜50℃である。
本開示のセパレータは、乾式塗工法でも製造し得る。乾式塗工法とは、樹脂を含む塗工液を多孔質基材に塗工して塗工層を形成した後、塗工層を乾燥させて塗工層を固化させ、多孔質基材上に多孔質層を形成する方法である。ただし、乾式塗工法は湿式塗工法と比べて多孔質層が緻密になりやすいので、良好な多孔構造を得られる観点から湿式塗工法の方が好ましい。
本開示のセパレータは、多孔質層を独立したシートとして作製し、この多孔質層を多孔質基材に重ねて、熱圧着や接着剤によって積層する方法によっても製造し得る。多孔質層を独立したシートとして作製する方法としては、上述した湿式塗工法又は乾式塗工法を適用して剥離シート上に多孔質層を形成し、多孔質層から剥離シートを剥離する方法が挙げられる。
<非水系二次電池>
本開示の非水系二次電池は、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池であり、正極と、負極と、本開示の非水系二次電池用セパレータとを備える。ドープとは、吸蔵、担持、吸着、又は挿入を意味し、正極等の電極の活物質にリチウムイオンが入る現象を意味する。
本開示の非水系二次電池は、例えば、負極と正極とがセパレータを介して対向した電池素子が電解液と共に外装材内に封入された構造を有する。本開示の非水系二次電池は、非水電解質二次電池、特にリチウムイオン二次電池に好適である。
本開示の非水系二次電池は、本開示のセパレータがドライ接着性に優れるが故に、製造歩留りが高い。また、本開示の非水系二次電池は、本開示のセパレータがドライヒートプレスによる電極と強固に接着し、その後の電解液浸漬においても接着性が保持されるが故に、電池のサイクル特性(容量維持率)に優れる。
以下、本開示の非水系二次電池が備える正極、負極、電解液及び外装材の形態例を説明する。
正極の実施形態例としては、正極活物質及びバインダ樹脂を含む活物質層が集電体上に配置された構造が挙げられる。活物質層は、さらに導電助剤を含んでもよい。正極活物質としては、例えば、リチウム含有遷移金属酸化物が挙げられ、具体的にはLiCoO、LiNiO、LiMn1/2Ni1/2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3、LiMn、LiFePO、LiCo1/2Ni1/2、LiAl1/4Ni3/4等が挙げられる。バインダ樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛粉末等の炭素材料が挙げられる。集電体としては、例えば厚さ5μm〜20μmの、アルミ箔、チタン箔、ステンレス箔等が挙げられる。
本開示の非水系二次電池においては、本開示のセパレータの接着性多孔質層に含まれるポリフッ化ビニリデン系樹脂が耐酸化性に優れるため、接着性多孔質層を非水系二次電池の正極側に配置することで、正極活物質として、4.2V以上の高電圧で作動可能なLiMn1/2Ni1/2、LiCo1/3Mn1/3Ni1/3等を適用しやすい。
負極の実施形態例としては、負極活物質及びバインダ樹脂を含む活物質層が集電体上に配置された構造が挙げられる。活物質層は、さらに導電助剤を含んでもよい。負極活物質としては、リチウムを電気化学的に吸蔵し得る材料が挙げられ、具体的には例えば、炭素材料;ケイ素、スズ、アルミニウム等とリチウムとの合金;ウッド合金;などが挙げられる。バインダ樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛粉末、極細炭素繊維等の炭素材料が挙げられる。集電体としては、例えば厚さ5μm〜20μmの、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔等が挙げられる。また、上記の負極に代えて、金属リチウム箔を負極として用いてもよい。
電解液は、リチウム塩を非水系溶媒に溶解した溶液である。リチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等が挙げられる。非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びそのフッ素置換体等の鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル;などが挙げられ、これらは単独で用いても混合して用いてもよい。電解液としては、環状カーボネートと鎖状カーボネートとを質量比(環状カーボネート:鎖状カーボネート)20:80〜40:60で混合し、リチウム塩を0.5mol/L〜1.5mol/L溶解した溶液が好適である。
外装材としては、金属缶、アルミラミネートフィルム製パック等が挙げられる。電池の形状は角型、円筒型、コイン型等があるが、本開示のセパレータはいずれの形状にも好適である。
本開示の非水系二次電池の製造方法としては、セパレータに電解液を含浸させずに熱プレス処理(本開示において「ドライヒートプレス」という。)を行って電極に接着させ、その後にセパレータに電解液を含浸させることを含む製造方法が挙げられる。該製造方法は、例えば、正極と負極との間に本開示のセパレータを配置した積層体を製造する積層工程と、積層体にドライヒートプレスを行って電極とセパレータとを接着させるドライ接着工程と、外装材に収容された積層体に電解液を注入して外装材を封止する後工程と、を有する。
積層工程において、正極と負極との間にセパレータを配置する方式は、正極、セパレータ、負極をこの順に少なくとも1層ずつ積層する方式(所謂スタック方式)でもよく、正極、セパレータ、負極、セパレータをこの順に重ね、長さ方向に捲き回す方式でもよい。
ドライ接着工程は、積層体を外装材(例えばアルミラミネートフィルム製パック)に収容する前に行ってもよく、積層体を外装材に収容した後に行ってもよい。つまり、ドライヒートプレスによって電極とセパレータとが接着した積層体を外装材に収容してもよく、積層体を外装材に収容した後に外装材の上からドライヒートプレスを行って電極とセパレータとを接着させてもよい。
ドライ接着工程におけるプレス温度は、70℃〜120℃が好ましく、75℃〜110℃がより好ましく、80℃〜100℃が更に好ましい。この温度範囲であると、電極とセパレータとの接着が良好であり、また、セパレータが幅方向に適度に膨張し得るので、電池の短絡が起こりにくい。
ドライ接着工程におけるプレス圧は、電極1cm当たりの荷重として0.5kg〜40kgが好ましい。プレス時間は、プレス温度及びプレス圧に応じて調節することが好ましく、例えば0.1分間〜60分間の範囲で調節する。
上記製造方法においては、ドライヒートプレスする前に積層体に常温プレス(常温下での加圧)を施して、積層体を仮接着してもよい。
後工程においては、ドライヒートプレスを行った後、積層体を収容している外装材に電解液を注入し、外装材の封止を行う。電解液を注入した後、外装材の上からさらに積層体をヒートプレスしてもよいが、ヒートプレスしなくても良好な接着状態を維持することができる。封止前に、外装体の内部は真空状態にすることが好ましい。外装材の封止の方式としては、例えば、外装材の開口部を接着剤で接着する方式、外装材の開口部を加熱加圧して熱圧着する方式が挙げられる。
以下に実施例を挙げて、本開示のセパレータ及び非水系二次電池をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理手順等は、本開示の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本開示のセパレータ及び非水系二次電池の範囲は、以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきではない。
<測定方法、評価方法>
実施例及び比較例で適用した測定方法及び評価方法は、以下のとおりである。
[ポリフッ化ビニリデン系樹脂の組成]
ポリフッ化ビニリデン系樹脂20mgを重ジメチルスルホキシド0.6mlに100℃にて溶解し、100℃で19F−NMRスペクトルを測定し、NMRスペクトルからポリフッ化ビニリデン系樹脂の組成を求めた。
[樹脂の重量平均分子量]
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー分析装置(日本分光社GPC−900)を用い、カラムに東ソー社TSKgel SUPER AWM−Hを2本用い、溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを使用し、温度40℃、流量10ml/minの条件で、ポリスチレン換算の分子量として測定した。
[樹脂のガラス転移温度]
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry、DSC)を行って得た示差走査熱量曲線(DSC曲線)から求めた。ガラス転移温度は、低温側のベースラインを高温側に延長した直線と、階段状変化部分の曲線の接線であって勾配が最大の接線とが交わる点の温度である。
[多孔質基材及びセパレータの膜厚]
多孔質基材及びセパレータの膜厚(μm)は、接触式の厚み計(ミツトヨ社LITEMATIC)にて20点を測定し、これを平均することで求めた。測定端子は直径5mmの円柱状の端子を用い、測定中に7gの荷重が印加されるように調整した。
[接着性多孔質層の層厚]
接着性多孔質層の層厚(μm)は、セパレータの膜厚から多孔質基材の膜厚を減算することにより、両面の合計の層厚を求め、この半分を片面の層厚とした。
[ガーレ値]
多孔質基材及びセパレータのガーレ値(秒/100cc)は、JIS P8117:2009に従い、ガーレ式デンソメータ(東洋精機社G−B2C)を用いて測定した。
[空孔率]
多孔質基材及び接着性多孔質層の空孔率(%)は、下記の式に従って求めた。
ε={1−Ws/(ds・t)}×100
式中、εは空孔率(%)、Wsは目付(g/m)、dsは真密度(g/cm)、tは厚さ(μm)である。
[多孔質基材と接着性多孔質層との間の剥離強度]
セパレータの一方の表面に粘着テープを貼り(貼る際に、粘着テープの長さ方向をセパレータのMD方向に一致させた。)、セパレータを粘着テープごと、TD方向1.2cm、MD方向7cmに切り出した。粘着テープを直下の接着性多孔質層と共に少し剥がし、2つに分離した端部をテンシロン(オリエンテック社製RTC−1210A)に把持させてT字剥離試験を行った。なお、粘着テープは、接着性多孔質層を多孔質基材から剥がすための支持体として用いたものである。T字剥離試験の引張速度は20mm/minとし、多孔質基材から接着性多孔質層が剥離する際の荷重(N)を測定した。測定開始後10mmから40mmまでの荷重を0.4mm間隔で採取しその平均を算出し、幅10mmあたりの荷重(N/10mm)に換算し、さらに試験片3枚の測定値を平均して、剥離強度(N/10mm)とした。
[正極との接着強度:ドライヒートプレス]
正極活物質であるコバルト酸リチウム粉末89.5g、導電助剤であるアセチレンブラック4.5g、及びバインダであるポリフッ化ビニリデン6gを、ポリフッ化ビニリデンの濃度が6質量%となるようにN−メチル−ピロリドンに溶解し、双腕式混合機にて攪拌し、正極用スラリーを作製した。この正極用スラリーを厚さ20μmのアルミ箔の片面に塗布し、乾燥後プレスして、正極活物質層を有する正極を得た。
上記で得た正極を幅1.5cm、長さ7cmに切り出し、セパレータをTD方向1.8cm、MD方向7.5cmに切り出した。正極とセパレータとを重ね、温度80℃、圧力5.0MPa、時間3分の条件で熱プレスして、正極とセパレータとを接着させ、これを試験片とした。試験片の長さ方向(即ちセパレータのMD方向)の一端において正極からセパレータを少し剥がし、2つに分離した端部をテンシロン(オリエンテック社製RTC−1210A)に把持させてT字剥離試験を行った。T字剥離試験の引張速度は20mm/minとし、正極からセパレータが剥離する際の荷重(N)を測定し、測定開始後10mmから40mmまでの荷重を0.4mm間隔で採取しその平均を算出し、さらに試験片3枚の測定値を平均して、セパレータの接着強度(N)とした。
[正極との接着性:電解液浸漬後]
上記[正極との接着強度]で得たドライヒートプレス接着後の正極とセパレータを電解液(1mol/L LiPF−エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート[質量比3:7])中に室温で24時間浸漬させた後、電解液中から取り出し、手でセパレータをつまんで正極から剥離して、以下の基準で電解液浸漬後の接着性を確認した。
A:強固な接着(サンプルを反転しただけではセパレータが電極から脱落することはなく、剥離後の顕微鏡観察で電極表面に接着性多孔質層が多く付着しているのが確認できる)
B:十分な接着(サンプルを反転しただけではセパレータが電極から脱落することはなく、剥離後の顕微鏡観察で電極表面に接着性多孔質層が僅かに付着しているのが確認できる)
C:弱い接着(サンプルを反転しただけではセパレータが電極から脱落することはないが、手で容易に剥離でき、剥離後の顕微鏡観察で電極表面に接着性多孔質層が殆ど残っていない)
D:接着なし(サンプルを反転しただけでセパレータが電極から脱落し、セパレータと電極が完全に接着していない)
[負極との接着強度]
負極活物質である人造黒鉛300g、バインダであるスチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40質量%含む水溶性分散液7.5g、増粘剤であるカルボキシメチルセルロース3g、及び適量の水を双腕式混合機にて攪拌し、負極用スラリーを作製した。この負極用スラリーを厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、乾燥後プレスして、負極活物質層を有する負極を得た。
上記で得た負極を用いて、前記[正極との接着強度:ドライヒートプレス]と同様にしてT字剥離試験を行い、セパレータの接着強度(N)を求めた。
[負極との接着性:電解液浸漬後]
上記で得た負極を用いて、前記[正極との接着性:電解液浸漬後]と同様にして、電解液浸漬後の接着性を確認した。
[サイクル特性(容量維持率)]
前記の正極及び負極にリードタブを溶接し、正極、セパレータ、負極の順に積層した。この積層体をアルミラミネートフィルム製のパック中に挿入し、真空シーラーを用いてパック内を真空状態にして仮封止し、パックごと積層体の積層方向に熱プレス機を用いて熱プレスを行い、これにより、電極とセパレータとの接着を行った。熱プレスの条件は、温度90℃、電極1cm当たり20kgの荷重、プレス時間2分間とした。次いで、パック内に電解液(1mol/L LiPF−エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート[質量比3:7])を注入し、積層体に電解液をしみ込ませた後、真空シーラーを用いてパック内を真空状態にして封止し、電池を得た。
温度40℃の環境下で、電池に500サイクルの充放電を行った。充電は1C且つ4.2Vの定電流定電圧充電、放電は1C且つ2.75Vカットオフの定電流放電とした。500サイクル目の放電容量を初期容量で除し、電池10個の平均を算出し、得られた値(%)を容量維持率とした。
[負荷特性]
前記[サイクル特性(容量維持率)]における電池製造と同様にして電池を製造した。温度15℃の環境下、電池に充放電を行い、0.2Cで放電した際の放電容量と、2Cで放電した際の放電容量とを測定し、後者を前者で除し、電池10個の平均を算出し、得られた値(%)を負荷特性とした。充電条件は0.2C、4.2Vの定電流定電圧充電8時間とし、放電条件は2.75Vカットオフの定電流放電とした。
<セパレータの作製>
(1)全体検討
[実施例1]
ジメチルアセトアミドとトリプロピレングリコールの混合溶媒(ジメチルアセトアミド:トリプロピレングリコール=80:20[質量比])に、ポリフッ化ビニリデン系樹脂(VDF−HFP共重合体、HFP単位含有量12.4質量%、重量平均分子量86万)と、無水マレイン酸変性アクリル樹脂(メタクリル酸メチル−スチレン−無水マレイン酸の3元共重合体、重合比[質量比]10:70:20、重量平均分子量11.3万、ガラス転移温度130℃)と、ポリビニルアルコール系樹脂(日本酢ビ・ポバール社製の10MZ、重合度250、ケン化度70モル%)とを室温で溶解させ、その後80℃で2時間反応させることで、接着性多孔質形成用の塗工液を作製した。塗工液に含まれるポリフッ化ビニリデン系樹脂とポリビニルアルコール系樹脂と無水マレイン酸変性アクリル樹脂の質量比を80:18:2とし、塗工液の樹脂濃度を5.0質量%とした。
塗工液を、多孔質基材であるポリエチレン微多孔膜(膜厚9.0μm、ガーレ値150秒/100cc、空孔率43%)の両面に塗工し(その際、表裏の塗工量が等量になるように塗工した)、凝固液(水:ジメチルアセトアミド:トリプロピレングリコール=62.5:30:7.5[質量比]、液温35℃)に浸漬して固化させた。次いで、これを水洗し乾燥して、ポリエチレン微多孔膜の両面に接着性多孔質層が形成されたセパレータを得た。なお、凝固液および水洗槽の水中にポリビニルアルコール系樹脂の溶出は認められなかった。
[実施例2]
無水マレイン酸変性アクリル樹脂として、メタクリル酸メチル−スチレン−無水マレイン酸の3元共重合体(重合比[質量比]30:50:20、重量平均分子量13万、ガラス転移温度115℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例3]
ポリビニルアルコール系樹脂として、酢酸ビニルとエトキシジエチレングリコールアクリレートの2元共重合体(重合比[質量比]90:10、重合度1000、ケン化度98モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例4]
ポリビニルアルコール系樹脂として、酢酸ビニルとアクリル酸ラウリルの2元共重合体(重合比[質量比]95:5、重合度1200、ケン化度85モル%)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例5]
ポリビニルアルコール系樹脂の代わりに、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート−トリエチレンテトラミン−イソホロンジアミンからなるエポキシ−アミン付加物(重合比[質量比]61:22:17、ガラス転移温度65℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例6]
塗工液に、表1に記載の含有量になるように、さらに水酸化マグネシウム粒子(一次粒子の体積平均粒径0.8μm、BET比表面積6.8m/g)を分散した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例1]
塗工液に酸無水物変性アクリル樹脂とポリビニルアルコール系樹脂を含まない以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例2]
塗工液に酸無水物変性アクリル樹脂とポリビニルアルコール系樹脂を含まず、ポリフッ化ビニリデン系樹脂及び水酸化マグネシウム粒子の含有量を表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例6と同様にしてセパレータを作製した。
[比較例3]
塗工液に酸無水物変性アクリル樹脂を含まない以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。なお、凝固液および水洗槽の水中にポリビニルアルコール系樹脂の溶出が認められた。
[比較例4]
塗工液に含まれるアクリル系樹脂をメタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体(重合比[質量比]90:10、重量平均分子量8.5万、ガラス転移温度80℃)に変更し、ポリフッ化ビニリデン系樹脂とアクリル系樹脂の質量比を表1に記載のとおりに変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
実施例1〜6及び比較例1〜4の各セパレータの物性及び評価結果を表1に示す。
Figure 2018163872
表1から分かるように、実施例1〜6における接着性多孔質層は、ポリフッ化ビニリデン系樹脂と、カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、水酸基又はアミノ基を含有する樹脂が混合された状態で含まれた多孔質構造を有しているが、いずれも正極および負極とセパレータとの間のドライ接着性が良好であり、しかも電解液を浸漬させた後の接着性も良好なまま維持されていた。また、多孔質基材と接着性多孔質層との間の剥離強度も比較的に高かった。電池特性としても、実施例1〜6の各セパレータを用いたリチウムイオン電池は、サイクル特性および負荷特性が共に優れていた。
一方、比較例1は接着性多孔質層がポリフッ化ビニリデン系樹脂のみで形成され、比較例2は接着性多孔質層がポリフッ化ビニリデン系樹脂と無機粒子のみで形成されているため、ドライ接着性に劣る結果となった。また、比較例3のように接着性多孔質層がポリフッ化ビニリデン系樹脂およびポリビニルアルコール系樹脂のみで形成されている場合は、ドライ接着性に劣り、さらに、凝固浴および水洗槽中にポリビニルアルコール系樹脂が溶出してしまい、製造性にも劣る結果となった。また、比較例4のように接着性多孔質層に酸無水物変性アクリル樹脂ではない通常のアクリル樹脂を用いた場合、ドライ接着後に電解液を浸漬した場合の接着性に劣っていた。
(2)ポリフッ化ビニリデン系樹脂の検討
[実施例7]
ポリフッ化ビニリデン系樹脂として、HFP単位含有量16質量%、重量平均分子量28万に、無水マレイン酸変性アクリル樹脂として、メタクリル酸メチル−スチレン−無水マレイン酸の3元共重合体(重合比[質量比]30:50:20、重量平均分子量13万、ガラス転移温度115℃)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例8]
ポリフッ化ビニリデン系樹脂として、HFP単位含有量5.7質量%、重量平均分子量20万に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
Figure 2018163872
表2から分かるように、ポリフッ化ビニリデン系樹脂のHFP単位含有量の高い実施例7は、実施例1と比較して正極・負極とのドライ接着性が著しく向上している。ポリフッ化ビニリデン系樹脂のHFP単位含有量が低く、かつ重量平均分子量も低い実施例8は、実施例1,2と比較して正極・負極とのドライ接着性が劣る結果となった。これより、本開示のセパレータ構成においては、ポリフッ化ビニリデン系樹脂としては単量体成分としてフッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを含む共重合体であり、当該共重合体におけるヘキサフルオロプロピレン単量体成分の含有量が5質量%〜25質量%であり、且つ、当該共重合体の重量平均分子量が10万〜150万であるのが好ましいことを見出した。
(3)ポリビニルアルコール系樹脂の検討
[実施例9]
ポリビニルアルコール系樹脂として、ブテンジオール・ビニルアルコール共重合樹脂(日本合成化学製のOKS8089)に変更した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
[実施例10]
塗工液に、表3に記載の含有量になるように、さらに水酸化マグネシウム粒子(一次粒子の体積平均粒径0.8μm、BET比表面積6.8m/g)を分散した以外は、実施例9と同様にしてセパレータを作製した。
Figure 2018163872
表3から分かるように、ポリビニルアルコール系樹脂として、ブテンジオール・ビニルアルコール共重合樹脂を用いた実施例9,10については、フィラーの有無に関わらず、ドライ接着性が大幅に向上していることが分かる。
2017年3月3日に出願された日本国出願番号第2017−040394号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。2017年4月11日に出願された日本国出願番号第2017−078220号の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (11)

  1. 多孔質基材と、
    この多孔質基材の片面または両面に形成され、ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む接着性多孔質層と、を備え、
    前記接着性多孔質層は、さらに、(1)カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、(2)水酸基又はアミノ基を含有する樹脂を含む、非水系二次電池用セパレータ。
  2. 前記接着性多孔質層において、(1)カルボン酸無水物および/又は単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂と、(2)水酸基又はアミノ基を含有する樹脂は、両成分が化学結合で繋がった反応体として含まれている、請求項1に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  3. 前記単量体成分としてカルボン酸無水物を含む樹脂は、単量体成分としてアクリル系モノマーおよび不飽和カルボン酸無水物を含む共重合体、あるいは、単量体成分としてアクリル系モノマー、スチレン系モノマーおよび不飽和カルボン酸無水物を含む共重合体である、請求項1または請求項2に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  4. 前記水酸基又はアミノ基を含有する樹脂は、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、および、アミノ基を有するエポキシ−アミン付加物からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
  5. 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ポリビニルアルコールに長鎖アルキル基を含有する、又はポリエチレングリコール構造単位を有する(メタ)アクリレートモノマーの共重合体である、請求項4に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  6. 前記ポリビニルアルコール系樹脂が、ブテンジオール・ビニルアルコール共重合体である、請求項4に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  7. 前記ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が60〜100モル%である、請求項4〜請求項6のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
  8. 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、単量体成分としてフッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを含む共重合体であり、当該共重合体におけるヘキサフルオロプロピレン単量体成分の含有量が3質量%〜25質量%であり、且つ、当該共重合体の重量平均分子量が10万〜150万である、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
  9. 前記ポリフッ化ビニリデン系樹脂は、単量体成分としてフッ化ビニリデンおよびヘキサフルオロプロピレンを含む共重合体であり、当該共重合体におけるヘキサフルオロプロピレン単量体成分の含有量が5質量%〜25質量%であり、且つ、当該共重合体の重量平均分子量が10万〜150万である、請求項8に記載の非水系二次電池用セパレータ。
  10. 前記接着性多孔質層には、さらに無機物または有機物からなるフィラーが含まれている、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータ。
  11. 正極と、負極と、前記正極及び前記負極の間に配置された請求項1〜請求項10のいずれかに記載の非水系二次電池用セパレータとを備え、リチウムのドープ・脱ドープにより起電力を得る非水系二次電池。
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