JP2018162855A - クラッチ - Google Patents

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Abstract

【課題】係合ショックの発生を抑制しつつ、単板式のクラッチの応答性を向上させる。【解決手段】作動油が供給される入力部材の内部に配置され、入力部材から出力部材に動力が伝達されるように両者を連結すると共に入力部材と出力部材との連結を解除するクラッチは、入力部材と対向する面に貼着された摩擦材と当該摩擦材の表面よりも窪むように形成された油路とを有すると共に入力部材に対して軸方向に進退移動可能なピストンと、入力部材とピストンとの軸方向における間に画成された当該入力部材の内部に作動油を供給するための油室と、ピストンを基準として入力部材とは反対側に配置されると共に当該ピストンと共に作動油が供給される係合油室を画成する係合油室画成部材とを含む。【選択図】図2

Description

本開示は、入力部材から出力部材に動力が伝達されるように両者を連結すると共に入力部材と出力部材との連結を解除するクラッチに関する。
従来、金属板を加工することにより形成された円環状のロックアップクラッチピストンであるクラッチ板を有するロックアップクラッチと、当該ロックアップクラッチがコンバータハウジングに対して回転差をもって摺接する滑り係合状態時にロックアップクラッチに摩擦接触する摩擦接触機構とを含む発進装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この発進装置の摩擦接触機構は、ロックアップクラッチに摩擦接触する係合位置と当該係合位置から離間した非係合位置との間を変位自在に設けられた変位部材(ピストン)と、当該変位部材に対して係合位置側および非係合位置側からロックアップクラッチのクラッチ作動時にトルクコンバータ内を流動する作動油の油圧を作用させて変位部材を変位させる変位切り替え機構とを有する。変位切り替え機構は、変位部材に対して係合位置側から非係合位置側に向けて油圧を作用させる作動油の油室を含み、当該油室をロックアップクラッチの滑り係合状態時にはロックアップ係合圧領域に連通させる一方、ロックアップクラッチの完全係合状態時にはロックアップ排出圧領域に連通させる。これにより、ロックアップクラッチの滑り係合状態時には、ロックアップクラッチに対して摩擦接触機構が摩擦接触することで、滑り係合状態時に発生したジャダー振動を摩擦エネルギーに変換して減衰させることができる。
更に、従来、流体を介して入力部材から出力部材に動力伝達を行う流体式伝動装置と、入力部材および出力部材の一方に摩擦係合させられるピストンを有して、入力部材と出力部材との間に配設されたロックアップクラッチと、ロックアップクラッチのピストンを入力部材および出力部材の他方に相対回転不能に連結する直結クラッチとを含む発進装置も知られている(例えば、特許文献2参照)この発進装置の直結クラッチは、ロックアップクラッチを所定のスリップ状態で摩擦係合させるスリップ制御時に係合状態とされる。これにより、出力部材は、ロックアップクラッチおよび流体式伝動装置の双方の伝達トルクを加算したトルクで回転させられる。この結果、ロックアップクラッチの伝達トルク特性(摩擦特性)が滑り速度に対して負勾配であるのに対して、流体式伝動装置の伝達トルク特性(減衰特性)が滑り速度に対して正勾配であることから、両者の伝達トルク変動が互いに相殺され、ジャダーの発生が抑制される。
特開2009−133444号公報 特開平9−236173号公報
ここで、上述のような単板式のロックアップクラッチでは、ロックアップの実行に際して、係合ショックが発生しないようにロックアップ室内と流体伝動室内との差圧の急変を抑制する必要がある。ただし、係合ショックの発生を抑制するために当該差圧を緩やかに変化させた場合、ロックアップクラッチの係合に要する時間が長くなってしまうおそれがある。また、上記特許文献1および2に記載された発明は、ロックアップクラッチのスリップ制御時にジャダーの発生を抑制するためのものであり、ロックアップ時の係合ショックやロックアップクラッチの応答性を考慮したものではない。
そこで、本開示の発明は、係合ショックの発生を抑制しつつ、単板式のクラッチの応答性を向上させることを主目的とする。
本開示のクラッチは、作動油が供給される入力部材の内部に配置され、前記入力部材から出力部材に動力が伝達されるように両者を連結すると共に前記入力部材と前記出力部材との連結を解除するクラッチにおいて、前記入力部材と対向する面に貼着された摩擦材と、該摩擦材の表面よりも窪むと共に前記摩擦材の径方向内側の領域と径方向外側の領域とを連通させるように形成された油路とを有し、前記入力部材に対して軸方向に進退移動可能なピストンと、前記入力部材と前記ピストンとの前記軸方向における間に画成された該入力部材の内部に作動油を供給するための油室と、前記ピストンを基準として前記入力部材とは反対側に配置される係合油室画成部材と、前記ピストンと前記係合油室画成部材との前記軸方向における間に画成されると共に内周側および外周側で液密にシールされており、調圧された係合油圧が供給される係合油室とを備えるものである。
このクラッチは、入力部材と対向する面に貼着された摩擦材を有するピストンを含む単板式のクラッチである。ピストンは、摩擦材に加えて、当該摩擦材の表面よりも窪むと共に前記摩擦材の径方向内側の領域と径方向外側の領域とを連通させるように形成された油路を有し、入力部材に対して軸方向に進退移動可能である。また、入力部材とピストンとの軸方向における間には、当該入力部材の内部に作動油を供給するための油室が画成される。更に、ピストンを基準とした入力部材の反対側には、係合油室画成部材が配置される。そして、ピストンと係合油室画成部材との軸方向における間には、内周側および外周側で液密にシールされた係合油室が画成され、当該係合油室には、調圧された係合油圧が供給される。このように、単板式のクラッチに対して、独立した係合油室を設けることで、当該係合油室と入力部材とピストンとの間の油室との差圧をより適正に制御して当該クラッチの応答性を向上させることが可能となる。また、ピストンに摩擦材の表面よりも窪んだ油路を形成することで、係合油室と入力部材とピストンとの間の油室との差圧が摩擦材の周辺で急変するのを抑制すると共に、クラッチ係合時に摩擦材が入力部材に急係合してしまうのを抑制することができる。この結果、係合ショックの発生を抑制しつつ、単板式のクラッチの応答性を向上させることが可能となる。更に、ピストンに上記油路を形成することで、クラッチの係合中に入力部材とピストンとの間の油室から入力部材の内部に作動油を供給すると共に摩擦材を良好に冷却することができる。
本開示のクラッチを含む発進装置の概略構成図である。 図1に示す発進装置の断面図である。 本開示のクラッチを示す拡大図である。 本開示の変形態様に係る発進装置を示す断面図である。 本開示の他のクラッチを含む発進装置を示す断面図である。 本開示の他の変形態様に係る発進装置を示す断面図である。 本開示の更に他のクラッチを含む発進装置を示す断面図である。 本開示の更に他の変形態様に係る発進装置を示す断面図である。 本開示の他のクラッチを含む発進装置を示す断面図である。 本開示の更に他のクラッチを含む発進装置を示す断面図である。
次に、図面を参照しながら、本開示の発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本開示のクラッチを含む発進装置1の概略構成図であり、図2は、発進装置1の断面図である。これらの図面に示す発進装置1は、原動機としてのエンジン(内燃機関)EGを備えた車両に搭載されるものであり、エンジンEGのクランクシャフトに連結されて当該エンジンEGからのトルクが伝達される入力部材としてのフロントカバー3や、フロントカバー3に固定されるポンプインペラ(入力側流体伝動要素)4、ポンプインペラ4と同軸に回転可能なタービンランナ(出力側流体伝動要素)5、例えば自動変速機(AT)あるいは無段変速機(CVT)である変速機TMの入力軸ISに固定される出力部材としてのダンパハブ7、本開示のクラッチであるロックアップクラッチ8、ダンパハブ7に連結されたダンパ装置10等を含む。
なお、以下の説明において、「軸方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10の中心軸(軸心)の延在方向を示す。また、「径方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、当該ダンパ装置10等の回転要素の径方向、すなわち発進装置1やダンパ装置10の中心軸から当該中心軸と直交する方向(半径方向)に延びる直線の延在方向を示す。更に、「周方向」は、特に明記するものを除いて、基本的に、発進装置1やダンパ装置10、当該ダンパ装置10等の回転要素の周方向、すなわち当該回転要素の回転方向に沿った方向を示す。
ポンプインペラ4は、図2に示すように、フロントカバー3に密に固定されて作動油が流通する流体室9を画成するポンプシェル40と、ポンプシェル40の内面に配設された複数のポンプブレード41とを有する。タービンランナ5は、図2に示すように、タービンシェル50と、タービンシェル50の内面に配設された複数のタービンブレード51とを有する。タービンシェル50の内周部は、複数のリベットを介してタービンハブ52に固定され、タービンハブ52は、ダンパハブ7により回転自在に支持される。ポンプインペラ4とタービンランナ5とは、互いに対向し合い、両者の間には、タービンランナ5からポンプインペラ4への作動油(作動流体)の流れを整流するステータ6が同軸に配置される。ステータ6は、複数のステータブレード60を有し、ステータ6の回転方向は、ワンウェイクラッチ61により一方向のみに設定される。これらのポンプインペラ4、タービンランナ5およびステータ6は、作動油を循環させるトーラス(環状流路)を形成し、トルク増幅機能をもったトルクコンバータ(流体伝動装置)として機能する。ただし、発進装置1において、ステータ6やワンウェイクラッチ61を省略し、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を流体継手として機能させてもよい。
ロックアップクラッチ8は、ダンパ装置10を介してフロントカバー3とダンパハブ7とを連結するロックアップを実行すると共に当該ロックアップを解除するものである。本実施形態において、ロックアップクラッチ8は、単板油圧式クラッチとして構成されており、フロントカバー3の内部かつ当該フロントカバー3内のエンジンEG側の内壁面近傍に配置されると共にダンパハブ7に対して回転自在かつ軸方向に移動自在に嵌合されるロックアップピストン80を有する。
ロックアップピストン80の外周側かつフロントカバー3側の面には、図3に示すように、複数の摩擦材(セグメント)81が周方向に間隔をおいて貼着されており、隣り合う摩擦材81の周方向における間には、径方向に油路82が形成されている。複数の油路82は、各摩擦材81の表面(摩擦係合面)よりも窪んでおり、それぞれロックアップピストン80の径方向に延在する。なお、ロックアップピストン80には、複数の摩擦材81の代わりに、環状の摩擦材が貼着されてもよく、この場合には、当該環状の摩擦材に対して、その表面よりも窪んだ複数の油路(油溝)が配設されてもよい。
また、ロックアップピストン80の内周部には、短尺筒状の被支持部80aがフロントカバー3に向けて軸方向に延びるように形成されている。図2に示すように、被支持部80aは、ダンパハブ7のフロントカバー3側の端部に形成された第1支持部71により回転自在に支持される。第1支持部71の外周面には、環状のシール装着溝が形成されており、当該シール装着溝内に配置されるシール部材91によりロックアップピストン80の被支持部80aと第1支持部71との間がシールされる。更に、ロックアップピストン80の外周部には、被支持部80aよりも長尺の外筒部80bが当該被支持部80aとは反対側すなわちポンプインペラ4に向けて軸方向に延びるように形成されている。
そして、ロックアップピストン80とフロントカバー3との軸方向における間には、油室83が画成され、ロックアップピストン80の外筒部80bの外周面とフロントカバー3の内面との間には、環状の空間が画成される。油室83は、フロントカバー3とダンパハブ7との間隙や入力軸ISに形成された油路等を介して図示しない油圧制御装置に接続され、当該油室83には、当該油圧制御装置からの作動油(循環圧)が供給される。油室83に供給された作動油は、摩擦材81の表面とフロントカバー3の内面との隙間(非ロックアップ時)あるいは上記複数の油路82(ロックアップ時)や、外筒部80bの外周面とフロントカバー3の内面との間の空間を介して流体室9に流入する。流体室9を流通した作動油は、ポンプインペラ4のスリーブ42とワンウェイクラッチ61のインナーレース62との間に形成された油路や入力軸ISに形成された図示しない油路等を介してオイルパン(図示省略)へと戻される。
ダンパ装置10は、図1および図2に示すように、回転要素として、ドライブ部材(入力要素)11、第1中間部材(中間要素)12、第2中間部材(中間要素)14およびドリブン部材(出力要素)15を含むと共に、トルク伝達要素(トルク伝達弾性体)として、ダンパ装置10の外周に近接して配置される複数(本実施形態では、例えば3個)の外側スプリング(第1弾性体)SP1と、外側スプリングSP1よりも内側に配置されるそれぞれ複数かつ同数(本実施形態では、例えば3個ずつ)の第1内側スプリング(第2弾性体)SP21および第2内側スプリング(第3弾性体)SP22とを含む。
本実施形態では、外側スプリングSP1として、荷重が加えられてないときに円弧状に延びる軸心を有するように巻かれた金属材からなるアークコイルスプリングが採用される。また、第1および第2内側スプリングSP21,SP22としては、荷重が加えられてないときに真っ直ぐに延びる軸心を有するように螺旋状に巻かれた金属材からなるストレートコイルスプリングが採用される。更に、本実施形態において、第1および第2内側スプリングSP21,SP22として、同一の諸元(剛性すなわちバネ定数等)を有するものが採用される。ただし、第1および第2内側スプリングSP21,SP22の諸元は、互いに異なっていてもよい。また、第1および第2内側スプリングSP21,SP22として、いわゆる親子バネが採用されてもよい。
ドライブ部材11は、締結用孔部以外の開口部を有さない環状の第1入力プレート部材111(係合油室画成部材)と、当該第1入力プレート部材111に複数のリベット(締結具)を介して連結される環状の第2入力プレート部材112とにより構成される。第1入力プレート部材111の内周部には、短尺筒状の被支持部111aがロックアップピストン80とは反対側すなわちタービンランナ5に向けて軸方向に延びるように形成されている。図2に示すように、被支持部111aは、ダンパハブ7の上記第1支持部71よりも径方向外側かつロックアップピストン80とは反対側すなわちタービンランナ5側に形成された第2支持部72により回転自在に支持される。これにより、第1入力プレート部材111は、ロックアップピストン80を基準としたフロントカバー3の反対側、すなわち当該ロックアップピストン80よりもタービンランナ5側に配置される。また、第2支持部72の外周面には、環状のシール装着溝が形成されており、当該シール装着溝内に配置されるシール部材92により第1入力プレート部材111の被支持部111aと第2支持部72との間がシールされる。更に、本実施形態では、ダンパハブ7に軸方向に延びる環状の孔部73が形成されており、第1入力プレート部材111の被支持部111aは、当該孔部73内に挿入される。
第1入力プレート部材111の外周部には、被支持部111aよりも長尺の外筒部111bが当該被支持部111aと同方向すなわちタービンランナ5に向けて軸方向に延びるように形成されている。第1入力プレート部材111の外筒部111bは、ロックアップピストン80の外筒部80b内に摺動自在かつ回転自在に嵌合される。図2に示すように、外筒部80bの内周面には、環状のシール装着溝が形成されており、当該シール装着溝内に配置されるシール部材93によりロックアップピストン80の外筒部80bと第1入力プレート部材111の外筒部111bとの間がシールされる。これにより、ロックアップピストン80とドライブ部材11の第1入力プレート部材111との間には、両者によって、内周側および外周側でシール部材91,92,93により液密にシールされたロックアップクラッチ8の係合油室85が画成される。また、ダンパハブ7には、内周側から外周側に向けて斜めに延在して第1および第2支持部71,72の軸方向における間で係合油室85に連通する供給油路75が形成されている。供給油路75は、入力軸ISに形成された図示しない油路等を介して上記油圧制御装置に接続されており、係合油室85には、油圧制御装置により調圧された上記循環圧よりも高圧の係合油圧(ロックアップ圧)が供給油路75等を介して供給される。
ドライブ部材11の第2入力プレート部材112は、ロックアップピストン80の外筒部80bの先端に形成された係合凹部にそれぞれ嵌め込まれる複数の係合凸部112eを有する。各係合凸部112eをロックアップピストン80側の係合凹部に嵌め込むことで、第2入力プレート部材112すなわちドライブ部材11は、ロックアップピストン80に一体回転可能に連結される。更に、第2入力プレート部材112は、周方向に間隔をおいて並ぶ複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング支持部112sと、複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング当接部112cとを有する。複数のスプリング支持部112sは、第1入力プレート部材111の外筒部111bや当該外筒部111bの先端に形成された複数のスプリング支持部111sと共に対応する外側スプリングSP1を支持(ガイド)する。複数のスプリング当接部112cは、外側スプリングSP1の自然長に応じた間隔をおいて周方向に並ぶように第2入力プレート部材112に配設される。各スプリング当接部112cは、ダンパ装置10の取付状態において、互いに隣り合う外側スプリングSP1の間で両者の端部に当接する。
第1中間部材12は、ダンパハブ7により回転自在に支持されてフロントカバー3側に配置される環状の第1プレート部材121と、タービンランナ5側に配置されると共に図示しない複数のリベットを介して第1プレート部材121に連結(固定)される環状の第2プレート部材122とを含む。第1および第2プレート部材121,122は、図2に示すように、複数の外側スプリングSP1の内側で第1内側スプリングSP21および第2内側スプリングSP22を当該複数の外側スプリングSP1よりもタービンランナ5に近接するように支持する。そして、第1内側スプリングSP21および第2内側スプリングSP22は、周方向に間隔をおいて交互に並ぶ。
第1中間部材12を構成する第1プレート部材121は、複数(本実施形態では、例えば3個)の外側スプリング当接部121coと、複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部121ciとを有する。また、第1中間部材12を構成する第2プレート部材122は、複数(本実施形態では、例えば3個)の内側スプリング当接部122ciを有する。第1プレート部材121の複数の外側スプリング当接部121coは、外側スプリングSP1の自然長に応じた間隔をおいて周方向に並ぶように第1プレート部材121に配設される。各スプリング当接部121coは、ダンパ装置10の取付状態において、互いに隣り合う外側スプリングSP1の間で両者の端部に当接する。また、第1プレート部材121の各内側スプリング当接部121ciと、第2プレート部材122の各内側スプリング当接部122ciとは、互いに対をなさない(直列に作用しない)第1および第2内側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部に当接する。
第2中間部材14は、ドリブン部材15を包囲するように形成された板状の環状部材とであり、その内周面から径方向内側、すなわち当該第2中間部材14の中心(ダンパ装置10の軸心)に向けて突出すると共に周方向に間隔をおいて(等間隔に)並ぶ複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング当接部(図示省略)を有する。第2中間部材14は、ダンパ装置10の軸方向における第1プレート部材121と第2プレート部材122との間に配置され、当該第2中間部材14の各スプリング当接部は、互いに対をなす(直列に作用する)第1および第2内側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部に当接する。
ドリブン部材15は、ダンパ装置10の軸方向における第1プレート部材121と第2プレート部材122との間に配置されると共に複数のリベットを介してダンパハブ7に固定される。また、ドリブン部材15は、それぞれダンパ装置10(ドリブン部材15)の径方向における外側に突出するように周方向に間隔をおいて(等間隔に)形成された複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング当接部15cを有する。ダンパ装置10の取付状態において、ドリブン部材15の各スプリング当接部15cは、互いに対をなさない第1および第2内側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部に当接する。
この結果、ドリブン部材15は、複数の外側スプリングSP1、第1中間部材12、複数の第1内側スプリングSP21、第2中間部材14、および複数の第2内側スプリングSP22を介してドライブ部材11に連結される。更に、互いに対をなす第1および第2内側スプリングSP21,SP22は、第1中間部材12とドリブン部材15との間で、第2中間部材14のスプリング当接部を介して直列に連結される。これにより、ダンパ装置10の径方向における外側スプリングSP1の内側に配置されて、第1中間部材12とドリブン部材15との間でトルクを伝達する弾性体の剛性、すなわち第1および第2内側スプリングSP21,SP22の合成ばね定数をより小さくすることができる。
また、ダンパ装置10は、ドライブ部材11とドリブン部材15との相対回転を規制する回転規制ストッパとして、ドライブ部材11と第1中間部材12との相対回転を規制する第1ストッパ17と、第1中間部材12と第2中間部材14との相対回転を規制する第2ストッパ18と、第2中間部材14とドリブン部材15との相対回転を規制する第3ストッパ19とを含む(何れも、図1参照)。これにより、ダンパ装置10は、3段階(3ステージ)の減衰特性を有することになる。
更に、ダンパ装置10は、タービンランナ5を質量体として用いたダイナミックダンパ20を含む。ダイナミックダンパ20は、内周部が複数のリベットを介してタービンランナ5と共にタービンハブ52に固定される連結部材21と、当該連結部材21とダンパ装置10の第1中間部材12との間に配置されるストレートコイルスプリングまたはアークコイルスプリングである複数(本実施形態では、例えば3個)の吸振用スプリング(吸振用弾性体)SPdとを含む。ここで、「ダイナミックダンパ」は、振動体の共振周波数に一致する周波数(エンジン回転数)で当該振動体に逆位相の振動を付加して振動を減衰する機構であり、振動体(本実施形態では、第1中間部材12)に対してトルクの伝達経路に含まれないようにスプリング(弾性体)と質量体とを連結することにより構成される。すなわち、吸振用スプリングSPdの剛性と質量体となるタービンランナ5および連結部材21の重さを調整することで、ダイナミックダンパ20により所望の周波数の振動を減衰することが可能となる。
ダイナミックダンパ20の連結部材21は、図2に示すように、内周部がタービンハブ52に固定される環状の第1連結プレート22と、当該第1連結プレート22に複数のリベットを介して連結されると共に複数の吸振用スプリングSPdを周方向に間隔をおいて並ぶように支持する環状の第2連結プレート23とを含む。第1連結プレート22の外周部には、複数(本実施形態では、例えば3個)のスプリング当接部22dが周方向に間隔をおいて形成されている。互いに隣り合う2個のスプリング当接部22dは、第1連結プレート22の周方向において吸振用スプリングSPdの自然長に応じた間隔をおいて対向する。各スプリング当接部22dは、ダンパ装置10の取付状態において、対応する吸振用スプリングSPdの端部に当接する。
また、ダイナミックダンパ20の連結対象である第1中間部材12の第2プレート部材122は、内側スプリング当接部122ciよりも径方向外側で周方向に間隔をおいて並ぶように配設された複数(本実施形態では、例えば6個)の外側スプリング当接部122dを有する。複数の外側スプリング当接部122dは、2個(一対)ずつ対をなす(近接する)ように形成され、互いに対をなす2個の外側スプリング当接部122dは、吸振用スプリングSPdの自然長に応じた間隔をおいて対向する。各外側スプリング当接部122dは、ダンパ装置10の取付状態において、対応する吸振用スプリングSPdの端部に当接する。更に、ダイナミックダンパ20は、連結部材21と第1中間部材12との相対回転を規制するストッパ25(図1参照)を含む。ストッパ25により連結部材21と第1中間部材12との相対回転が規制されると、各吸振用スプリングSPdの捩れが規制されることになる。
上述のように構成される発進装置1では、ロックアップクラッチ8によるロックアップが解除される間、フロントカバー3とロックアップピストン80との間の油室83に油圧制御装置からの作動油(循環圧)が供給される一方、係合油室85には油圧制御装置からの作動油(係合油圧)が供給されない。これにより、ロックアップピストン80は、フロントカバー3側に移動せず、ロックアップピストン80(各摩擦材81)がフロントカバー3と摩擦係合することはない。また、油室83に供給された作動油は、摩擦材81の表面とフロントカバー3の内面との隙間や外筒部80bの外周面とフロントカバー3の内面との間の空間を介して流体室9に流入する。このようにロックアップが解除される際には、図1からわかるように、原動機としてのエンジンEGからフロントカバー3に伝達されたトルク(動力)が、ポンプインペラ4、タービンランナ5、吸振用スプリングSPd、第1中間部材12、第1内側スプリングSP21、第2中間部材14、第2内側スプリングSP22、ドリブン部材15、ダンパハブ7という経路を介して変速機TMの入力軸ISへと伝達される。
これに対して、係合油室85に油圧制御装置からの係合油圧が供給されると、ロックアップピストン80は、油室83内と係合油室85内との圧力差によりフロントカバー3に向けて移動し、フロントカバー3と摩擦係合する。これにより、フロントカバー3は、ロックアップクラッチ8によりダンパ装置10を介してダンパハブ7に連結される。このようにしてロックアップクラッチ8によりロックアップが実行されると、エンジンEGからのトルクは、フロントカバー3、ロックアップクラッチ8、ドライブ部材11、外側スプリングSP1、第1中間部材12、第1内側スプリングSP21、第2中間部材14、第2内側スプリングSP22、ドリブン部材15、ダンパハブ7という経路を介して変速装置の入力軸ISへと伝達される。この際、フロントカバー3に伝達されるトルクの変動は、主に直列に作用するダンパ装置10の外側スプリングSP1と第1および第2内側スプリングSP21,SP22とにより減衰(吸収)される。従って、発進装置1では、ロックアップクラッチ8によりロックアップが実行されている際に、フロントカバー3に伝達されるトルクの変動をダンパ装置10により良好に減衰(吸収)することが可能となる。
更に、ロックアップの実行時に、エンジンEGの回転に伴って当該エンジンEGからのトルクにより第1中間部材12が回転すると、第1中間部材12の第2プレート部材122の各外側スプリング当接部122dが対応する吸振用スプリングSPdの一端を押圧し、各吸振用スプリングSPdの他端が連結部材21の対応するスプリング当接部22dの一方を押圧する。この結果、タービンランナ5および連結部材21並びに複数の吸振用スプリングSPdを含むダイナミックダンパ20が第1中間部材12に連結されることになる。これにより、発進装置1では、ダイナミックダンパ20によっても、エンジンEGからの振動を減衰(吸収)すること、より詳しくは、振動のピークを2つに分けつつ全体の振動レベルを低下させることが可能となる。
そして、単板式のロックアップクラッチ8に対して、独立した係合油室85を設けることで、当該係合油室85とフロントカバー3とロックアップピストン80との間の油室83との差圧をより適正に制御して当該ロックアップクラッチ8の応答性を向上させることが可能となる。また、ポンプインペラ4およびタービンランナ5を含むトルクコンバータ(流体伝動装置)と共に用いられる単板式のロックアップクラッチ8に流体室9から独立した係合油室85を設けることで、係合油室85内の油圧に対するタービンランナ5(流体伝動装置)による作動油の吸い込みの影響を実質的に無くすことができる。従って、発進装置1では、係合油室85と油室83との差圧をより一層適正に制御することが可能となる。更に、ロックアップピストン80には、各摩擦材81の表面よりも窪むと共に当該摩擦材81の径方向内側の領域と径方向外側の領域とを連通させる複数の油路82が形成されており、ロックアップクラッチ8の係合時には、油室83から複数の油路82を介して流体室9に作動油が供給される。これにより、係合油室85と油室83との差圧が各摩擦材81の周辺で急変するのを抑制すると共に、ロックアップクラッチ8の係合時に各摩擦材81がフロントカバー3に急係合してしまうのを抑制することができる。この結果、係合ショックの発生を抑制しつつ、単板式のロックアップクラッチ8の応答性をより向上させることが可能となる。加えて、ロックアップピストン80に油路82を形成することで、当該ロックアップクラッチ8の係合中にフロントカバー3とロックアップピストン80との間の油室83から流体室9内に作動油を供給すると共に各摩擦材81を良好に冷却することができる。なお、発進装置1において、油室83から流体室9内に作動油を供給する代わりに、流体室9から油室83に作動油が供給されてもよい。
また、発進装置1では、ダンパ装置10のドライブ部材11を構成する第1入力プレート部材111がロックアップピストン80と共にロックアップクラッチ8の係合油室85を画成する。これにより、部品点数の増加を抑制しつつ、独立した係合油室85を画成することが可能となる。更に、発進装置1において、ロックアップピストン80の内周部には、軸方向に延びると共にダンパハブ7により支持される筒状の被支持部80aが形成され、係合油室画成部材としての第1入力プレート部材111の内周部には、軸方向に延びると共にダンパハブ7により支持される筒状の被支持部111aが形成されている。また、ダンパハブ7は、ロックアップピストン80の被支持部80aを支持する第1支持部71と、第1入力プレート部材111の被支持部111aを支持する第2支持部72とを有し、第2支持部72は、第1支持部71よりも径方向外側に形成されている。そして、供給油路75は、第1および第2支持部71,72の軸方向における間で係合油室85に連通する。このような構成を採用することで、ロックアップクラッチ8の軸長の増加を抑制しつつ独立した係合油室85を画成することが可能となる。加えて、ダンパハブ7は、軸方向に延びると共に第1入力プレート部材111の被支持部111aが挿入される環状の孔部73を有する。これにより、ダンパハブ7の孔部73を包囲する部分の端面により第1入力プレート部材111を軸方向に支持することができるので、係合油圧が作用する第1入力プレート部材111の傾きを良好に抑制することが可能となる。
なお、上記発進装置1のダンパ装置10からダイナミックダンパ20が省略されてもよい。図4にダイナミックダンパ20が省略された発進装置1に相当する発進装置1Bを示す。同図に示す発進装置1Bでは、ダンパ装置10Bの第1中間部材12を構成する第1プレート部材121Bから外側スプリングSP1の端部に当接する外側スプリング当接部が省略され、代わりに、当該第1中間部材12を構成する第2プレート部材122Bに外側スプリングSP1の端部に当接する複数の外側スプリング当接部122coが形成されている。また、発進装置1Bにおいて、タービンランナ5は、複数のリベットを介してドリブン部材15と共にダンパハブ7に固定(連結)される。ただし、タービンランナ5は、例えば第1中間部材12に連結されてもよい。
図5は、本開示の他のクラッチであるロックアップクラッチ8Cを含む発進装置1Cを示す断面図である。なお、発進装置1C等の構成要素のうち、上述の発進装置1と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図5に示す発進装置1Cのダンパ装置10Cにおいて、ドライブ部材11Cは、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する複数のスプリング当接部110と、ロックアップピストン80の外筒部80bの先端に形成された係合凹部にそれぞれ嵌め込まれる複数の係合凸部11eとを有する単一の環状部材として構成されている。また、ダンパ装置10Cの第1中間部材12Cは、締結用孔部以外の開口部を有さない環状の第1プレート部材121C(係合油室画成部材)と、当該第1プレート部材121Cに複数のリベットを介して連結される環状の第2プレート部材122Cとにより構成される。図5に示すように、ドライブ部材11Cは、ダンパ装置10Cの軸方向における第1プレート部材121Cと第2プレート部材122Cとの間に配置される。
第1中間部材12Cを構成する第1プレート部材121Cの内周部には、短尺筒状の被支持部121aがロックアップピストン80とは反対側すなわちタービンランナ5に向けて軸方向に延びるように形成されている。図5に示すように、被支持部121aは、ダンパハブ7の第1支持部71よりも径方向外側かつロックアップピストン80とは反対側すなわちタービンランナ5側に形成された第2支持部72により回転自在に支持される。これにより、第1プレート部材121Cは、ロックアップピストン80を基準としたフロントカバー3の反対側、すなわち当該ロックアップピストン80よりもタービンランナ5側に配置される。また、第2支持部72の外周面に形成されたシール装着溝内には、シール部材92が配置され、当該シール部材92により第1プレート部材121Cの被支持部121aと第2支持部72との間がシールされる。本実施形態において、第1プレート部材121Cの被支持部121aは、ダンパハブ7に形成された孔部73内に挿入される。
第1プレート部材121Cの外周部には、被支持部121aよりも長尺の外筒部121bが当該被支持部121aと同方向すなわちタービンランナ5に向けて軸方向に延びるように形成されている。第1プレート部材121Cの外筒部121bは、複数のスプリング支持部121sを有し、ロックアップピストン80の外筒部80b内に摺動自在かつ回転自在に嵌合される。図5に示すように、外筒部80bの内周面に形成されたシール装着溝内には、シール部材93が配置され、当該シール部材93によりロックアップピストン80の外筒部80bと第1プレート部材121Cの外筒部121bとの間がシールされる。これにより、ロックアップピストン80と第1中間部材12Cの第1プレート部材121Cとの軸方向における間には、両者によって、内周側および外周側でシールされたロックアップクラッチ8Cの係合油室85が画成される。また、ダンパハブ7には、内周側から外周側に向けて斜めに延在して第1および第2支持部71,72の軸方向における間で係合油室85に連通する供給油路75が形成されている。係合油室85には、油圧制御装置により調圧された上記循環圧よりも高圧の係合油圧(ロックアップ圧)が供給油路75等を介して供給される。
第1中間部材12Cを構成する第2プレート部材122Cは、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する複数の第1の外側スプリング当接部122coと、それぞれ対応する第1内側スプリングSP21の端部に当接する複数の内側スプリング当接部122ciと、それぞれ対応する吸振用スプリングSPdの端部に当接する第2の外側スプリング当接部122dとを有する環状部材である。また、第2中間部材14は、ダンパ装置10Cの軸方向における第1プレート部材121Cと第2プレート部材122Cとの間に配置される環状部材であり、互いに対をなす(直列に作用する)第1および第2内側スプリングSP21,SP22の間で両者の端部に当接するスプリング当接部14cを有する。更に、ドリブン部材15は、それぞれ対応する第2内側スプリングSP22の端部に当接する複数のスプリング当接部15cを有する環状部材であり、複数のリベットを介してダンパハブ7に固定される。
上述のような発進装置1Cでは、ダンパ装置10Cの第1中間部材12Cを構成する第1プレート部材121Cがロックアップピストン80と共にロックアップクラッチ8の係合油室85を画成する。これにより、部品点数の増加を抑制しつつ、独立した係合油室85を画成することが可能となる。そして、発進装置1Cにおいても、上記発進装置1において得られるものと同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記発進装置1Cのダンパ装置10Cからダイナミックダンパ20が省略されてもよい。図6にダイナミックダンパ20が省略された発進装置1Cに相当する発進装置1Dを示す。同図に示す発進装置1Dにおいて、ダンパ装置10Dのドライブ部材11Dは、上記ダンパ装置10Cのドライブ部材11Cと同一の構造を有するものであり、ロックアップクラッチ8Dの係合油室85は、第1中間部材12Dの第1プレート部材121Dとロックアップピストン80とにより画成される。また、第1中間部材12を構成する第2プレート部材122Dからは、吸振用スプリングの端部に当接するスプリング当接部が省略されている。更に、発進装置1Dにおいて、タービンランナ5は、複数のリベットを介してドリブン部材15と共にダンパハブ7に固定(連結)される。ただし、タービンランナ5は、例えば第1中間部材12Dに連結されてもよい。
また、発進装置1C,1Dのダンパ装置10C,10Dから第2中間部材14が省略されてもよい。すなわち、ダンパ装置がピストンに連結されるドライブ部材(入力要素)と、単一の中間部材(中間要素)と、ドリブン部材(出力要素)と、ドライブ部材と中間部材との間でトルクを伝達する第1弾性体と、中間部材とドリブン部材との間でトルクを伝達する第2弾性体とを含む場合、中間部材の一部とロックアップピストンとによりロックアップクラッチの係合油室が画成されてもよい。
図7は、本開示の更に他のクラッチであるロックアップクラッチ8Eを含む発進装置1Eを示す断面図である。なお、発進装置1E等の構成要素のうち、上述の発進装置1等と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図7に示す発進装置1Eのダンパ装置10Eでは、ドライブ部材が省略されており、ロックアップピストン80Eが入力要素として機能する。すなわち、ロックアップピストン80Eの外筒部80bの先端には、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する複数のスプリング当接部80cが形成されている。また、ダンパ装置10Eの第1中間部材12Eは、環状の第1プレート部材121Eと、ダンパハブ7により回転自在に支持されてタービンランナ5側に配置されると共に複数のリベットを介して第1プレート部材121Eに連結(固定)される環状の第2プレート部材122Eと、第1プレート部材121Eよりもフロントカバー3側に配置されると共に上記複数のリベットを介して第1および第2プレート部材121E,122Eに連結される第3プレート部材123Eとを含む。また、第1および第2プレート部材121E,122Eは、複数の外側スプリングSP1を周方向に間隔をおいて交互に並ぶように支持する。
第1中間部材12Eを構成する第1プレート部材121Eは、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する外側スプリング当接部121coと、それぞれ対応する第1内側スプリングSP21の端部に当接する複数の内側スプリング当接部121ciとを有する。同様に、第1中間部材12Eを構成する第2プレート部材122Eは、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する外側スプリング当接部122coと、それぞれ対応する第1内側スプリングSP21の端部に当接する複数の内側スプリング当接部122ciとを有する。第2プレート部材122Eの内周部は、複数のリベットを介してタービンランナ5のタービンシェル50の内周部に固定されると共にダンパハブ7により回転自在に支持される。更に、第3プレート部材123Eは、それぞれ対応する吸振用スプリングSPdの端部に当接するスプリング当接部123dを有する。
また、ダンパ装置10Eのダイナミックダンパ20Eは、タービンランナ5を質量体として含むものではなく、専用の質量体210を含む。質量体210は、締結用孔部以外の開口部を有さない環状の第1錘体211(係合油室画成部材)と、当該第1錘体211に複数のリベットを介して連結される環状の第2錘体212とを含む。第1錘体211の内周部には、短尺筒状の被支持部211aがロックアップピストン80Eとは反対側すなわちタービンランナ5に向けて軸方向に延びるように形成されている。図7に示すように、被支持部211aは、ダンパハブ7の第1支持部71よりも径方向外側かつロックアップピストン80Eとは反対側すなわちタービンランナ5側に形成された第2支持部72により回転自在に支持される。これにより、第1錘体211は、ロックアップピストン80Eを基準としたフロントカバー3の反対側、すなわち当該ロックアップピストン80Eよりもタービンランナ5側に配置される。また、第2支持部72の外周面に形成されたシール装着溝内には、シール部材92が配置され、当該シール部材92により第1錘体211の被支持部211aと第2支持部72との間がシールされる。
第1錘体211の外周部には、短尺の外筒部211bが被支持部211aと同方向すなわちタービンランナ5に向けて軸方向に延びるように形成されている。第1錘体211の外筒部211bは、ロックアップピストン80Eの外筒部80b内に摺動自在かつ回転自在に嵌合される。図7に示すように、外筒部80bの内周面に形成されたシール装着溝内には、シール部材93が配置され、当該シール部材93によりロックアップピストン80Eの外筒部80bと第1錘体211の外筒部211bとの間がシールされる。これにより、ロックアップピストン80Eと質量体210の第1錘体211との間には、両者によってロックアップクラッチ8Eの係合油室85が画成される。また、ダンパハブ7には、内周側から外周側に向けて斜めに延在して第1および第2支持部71,72の軸方向における間で係合油室85に連通する供給油路75が形成されている。係合油室85には、油圧制御装置により調圧された上記循環圧よりも高圧の係合油圧(ロックアップ圧)が供給油路75等を介して供給される。
また、質量体210の第2錘体212は、複数の吸振用スプリングSPdを周方向に間隔をおいて並ぶように支持するように構成されている。更に、第2錘体212は、対応する吸振用スプリングSPdの端部に当接する複数のスプリング当接部212dを有する。これにより、質量体210および複数の吸振用スプリングSPdを含むダイナミックダンパ20Eが第1中間部材12Eに連結されることになる。
上述のような発進装置1Eでは、ダイナミックダンパ20Eの質量体210を構成する第1錘体211がロックアップピストン80Eと共にロックアップクラッチ8Eの係合油室85を画成する。このように、吸振用スプリングSPdと共にダイナミックダンパ20Eを構成する質量体210を係合油室画成部材として利用しても、部品点数の増加を抑制しつつ、独立した係合油室85を画成することが可能となる。そして、発進装置1Eにおいても、上記発進装置1等において得られるものと同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記発進装置1Eのダンパ装置10Eからダイナミックダンパ20Eが省略されてもよい。図8にダイナミックダンパ20Eが省略された発進装置1Eに相当する発進装置1Fを示す。同図に示す発進装置1Fにおいて、ダンパ装置10Fの第1中間部材12Fは、上述の第1中間部材12Eから第3プレート部材123Eを省略したものであって、上記第1プレート部材121Eと同様に構成された第1プレート部材121Fと、上記第2プレート部材122Eと同様に構成された第2プレート部材122Fとを含むものである。また、ダンパ装置10は、上記第1錘体211と同様に構成された専用の係合油室画成部材250を含む。係合油室画成部材250は、タービンランナ5側に向けて軸方向に延在するように内周部に形成された短尺筒状の被支持部250aと、短尺の外筒部250bとを有し、ロックアップピストン80Fと共にロックアップクラッチ8Fの係合油室85を画成する。更に、発進装置1Fにおいて、タービンランナ5は、複数のリベットを介してドリブン部材15と共にダンパハブ7に固定(連結)される。ただし、タービンランナ5は、例えば第1中間部材12Fに連結されてもよい。
図9は、本開示の他のクラッチであるロックアップクラッチ8Gを含む発進装置1Gを示す断面図である。なお、発進装置1G等の構成要素のうち、上述の発進装置1等と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図9に示す発進装置1Gのダンパ装置10Gは、回転要素として、ドライブ部材(入力要素)11G、中間部材(中間要素)12Gおよびドリブン部材(出力要素)15を含むと共に、トルク伝達要素(トルク伝達弾性体)として、ダンパ装置10Gの外周に近接して配置される複数の外側スプリング(第1弾性体)SP1と、外側スプリングSP1よりも内側に配置される複数の内側スプリング(第2弾性体)SP2とを含む。
ダンパ装置10Gのドライブ部材11Gは、フロントカバー3側に配置される締結用孔部以外の開口部を有さない環状の第1入力プレート部材111Gと、タービンランナ5側に配置されると共に図示しない複数のリベットを介して第1入力プレート部材111Gに連結(固定)される環状の第2入力プレート部材112Gとを含む。第1および第2入力プレート部材111G,112Gは、複数の外側スプリングSP1を周方向に間隔をおいて交互に並ぶように支持する。第1入力プレート部材111Gは、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する図示しない複数のスプリング当接部を有する。また、第2入力プレート部材112Gは、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する図示しない複数のスプリング当接部と、ロックアップピストン80Gの外筒部80bの先端に形成された係合凹部にそれぞれ嵌め込まれる複数の係合凸部112eとを有する。これにより、第2入力プレート部材112Gすなわちドライブ部材11Gは、ロックアップピストン80Gに一体回転可能に連結される。
ダンパ装置10Gの中間部材12Gは、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する複数の外側スプリング当接部12coと、それぞれ対応する内側スプリングSP2の端部に当接する複数の内側スプリング当接部12ciとを有し、ダンパ装置10Gの軸方向における第1および第2入力プレート部材111G,112Gの間に配置される。ダンパ装置10Gのドリブン部材15は、それぞれ対応する内側スプリングSP2の端部に当接する複数の図示しないスプリング当接部を有し、複数のリベットを介してタービンランナ5と共にダンパハブ7Gに固定(連結)される。
ドライブ部材11Gを構成する第1入力プレート部材111Gの内周部には、短尺筒状の被支持部111aがロックアップピストン80Gに向けて軸方向に延びるように形成されている。なお、発進装置1Gでは、ロックアップピストン80Gの被支持部80aがタービンランナ5側に向けて軸方向に延在するように形成されている。図9に示すように、被支持部111aは、ダンパハブ7Gの第1支持部71よりも径方向外側で当該第1支持部71を包囲するように形成された第2支持部72Gにより回転自在に支持される。これにより、第1入力プレート部材111Gは、ロックアップピストン80Gを基準としたフロントカバー3の反対側、すなわち当該ロックアップピストン80Gよりもタービンランナ5側に配置される。また、第2支持部72Gの外周面に形成されたシール装着溝内には、シール部材92が配置され、当該シール部材92により第1入力プレート部材111Gの被支持部111aと第2支持部72Gとの間がシールされる。
更に、第1入力プレート部材111Gの外周部には、短尺の外筒部111bが被支持部111aと同方向すなわちロックアップピストン80G(フロントカバー3)に向けて軸方向に延びるように形成されている。第1入力プレート部材111Gの外筒部111bは、ロックアップピストン80Gの外筒部80b内に摺動自在かつ回転自在に嵌合される。図9に示すように、外筒部80bの内周面に形成されたシール装着溝内には、シール部材93が配置され、当該シール部材93によりロックアップピストン80Gの外筒部80bと第1入力プレート部材111Gの外筒部111bとの間がシールされる。これにより、ロックアップピストン80Gとドライブ部材11Gの第1入力プレート部材111Gとの間には、両者によってロックアップクラッチ8Gの係合油室85が画成される。また、ダンパハブ7Gには、内周側から外周側に向けて斜めに延在して第1および第2支持部71,72Gの径方向における間で係合油室85に連通する供給油路75が形成されている。係合油室85には、油圧制御装置により調圧された上記循環圧よりも高圧の係合油圧(ロックアップ圧)が供給油路75等を介して供給される。
上述のような発進装置1Gでは、ダンパ装置10Gのドライブ部材11Gを構成する第1入力プレート部材111Gがロックアップピストン80Gと共にロックアップクラッチ8Gの係合油室85を画成する。これにより、部品点数の増加を抑制しつつ、独立した係合油室85を画成することが可能となる。そして、発進装置1Gにおいても、上記発進装置1において得られるものと同様の作用効果を得ることができる。なお、ダンパ装置10Gは、質量体と吸振用スプリングとを含むダイナミックダンパを有するものとして構成されてもよい。
図10は、本開示の他のクラッチであるロックアップクラッチ8Hを含む発進装置1Hを示す断面図である。なお、発進装置1H等の構成要素のうち、上述の発進装置1等と同一の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図10に示す発進装置1Hのダンパ装置10Hは、回転要素として、ドライブ部材(入力要素)11H、中間部材(中間要素)12Hおよびドリブン部材(出力要素)15を含むと共に、トルク伝達要素(トルク伝達弾性体)として、ダンパ装置10Hの外周に近接して配置される複数の外側スプリング(第1弾性体)SP1と、外側スプリングSP1よりも内側に配置される複数の内側スプリング(第2弾性体)SP2とを含む。
ダンパ装置10Hのドライブ部材11Hは、板状の環状部材とであり、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する複数のスプリング当接部110と、ロックアップピストン80Hの外筒部80bの先端に形成された係合凹部にそれぞれ嵌め込まれる複数の係合凸部11eとを有する。これにより、ドライブ部材11Hは、ロックアップピストン80Hに一体回転可能に連結される。ダンパ装置10Hの中間部材12Hは、それぞれ対応する外側スプリングSP1の端部に当接する複数の図示しない外側スプリング当接部と、それぞれ対応する内側スプリングSP2の端部に当接する複数の内側スプリング当接部12ciとを有する。
ダンパ装置10Hのドリブン部材15Hは、フロントカバー3側に配置される締結用孔部以外の開口部を有さない環状の第1出力プレート部材151と、タービンランナ5側に配置されると共に図示しない複数のリベットを介して第1出力プレート部材151に連結(固定)される環状の第2出力プレート部材152とを含む。第1および第2出力プレート部材151,152は、複数の外側スプリングSP1を周方向に間隔をおいて交互に並ぶように支持すると共に、複数の内側スプリングSP2を周方向に間隔をおいて交互に並ぶように支持する。また、ドライブ部材11Hおよび中間部材12Hは、ダンパ装置10Hの軸方向における第1および第2出力プレート部材151,152の間に配置される。更に、第1および第2出力プレート部材151,152は、それぞれ対応する内側スプリングSP2の端部に当接する複数の図示しないスプリング当接部を有する。
図10に示すように、ドリブン部材15Hを構成する第1出力プレート部材151の内周部は、タービンランナ5のタービンシェル50の内周部と共にダンパハブ7Hの第1支持部71よりも径方向外側に形成された第2支持部72Hに密に嵌合され、複数のリベットを介して当該第2支持部72Hに締結(固定)される。これにより、第1出力プレート部材151は、ロックアップピストン80Hを基準としたフロントカバー3の反対側、すなわち当該ロックアップピストン80Hよりもタービンランナ5側に配置される。
更に、第1出力プレート部材151の外周部には、短尺の外筒部151bがロックアップピストン80H(フロントカバー3)に向けて軸方向に延びるように形成されている。第1出力プレート部材151の外筒部151bは、ロックアップピストン80Hの外筒部80b内に摺動自在かつ回転自在に嵌合される。図10に示すように、外筒部80bの内周面に形成されたシール装着溝内には、シール部材93が配置され、当該シール部材93によりロックアップピストン80Hの外筒部80bと第1出力プレート部材151の外筒部151bとの間がシールされる。これにより、ロックアップピストン80Hとドリブン部材15Hの第1出力プレート部材151との間には、両者によってロックアップクラッチ8Hの係合油室85が画成される。また、ダンパハブ7Hには、内周側から外周側に向けて斜めに延在して第1および第2支持部71,72Hの径方向における間で係合油室85に連通する供給油路75が形成されている。係合油室85には、油圧制御装置により調圧された上記循環圧よりも高圧の係合油圧(ロックアップ圧)が供給油路75等を介して供給される。
上述のような発進装置1Hでは、ダンパ装置10Hのドリブン部材15Hを構成する第1出力プレート部材151がロックアップピストン80Hと共にロックアップクラッチ8Hの係合油室85を画成する。これにより、部品点数の増加を抑制しつつ、独立した係合油室85を画成することが可能となる。そして、発進装置1Hにおいても、上記発進装置1Gにおいて得られるものと同様の作用効果を得ることができる。なお、ダンパ装置10Hは、質量体と吸振用スプリングとを含むダイナミックダンパを有するものとして構成されてもよい。
以上説明したように、本開示のクラッチは、作動油が供給される入力部材(3)の内部に配置され、前記入力部材(3)から出力部材(7,7G,7H)に動力が伝達されるように両者を連結すると共に前記入力部材(3)と前記出力部材(7,7G,7H)との連結を解除するクラッチ(8,8C,8D,8E,8F,8G,8H)において、前記入力部材(3)と対向する面に貼着された摩擦材(81)と、該摩擦材(81)の表面よりも窪むと共に前記摩擦材(81)の径方向内側の領域と径方向外側の領域とを連通させるように形成された油路(82)とを有し、前記入力部材(3)に対して軸方向に進退移動可能なピストン(80,80E,80F,80G,80H)と、前記入力部材(3)と前記ピストン(80,80E,80F,80G,80H)との前記軸方向における間に画成された該入力部材(3)の内部に作動油を供給するための油室(83)と、前記ピストン(80,80E,80F,80G,80H)を基準として前記入力部材(3)とは反対側に配置される係合油室画成部材(11,111,11G,111G,12C,121C,12D,121D,15H,151,210,211,250)と、前記ピストン(80,80E,80F,80G,80H)と前記係合油室画成部材(11,111,11G,111G,12C,121C,12D,121D,15H,151,210,211,250)との前記軸方向における間に画成されると共に内周側および外周側で液密にシールされており、調圧された係合油圧が供給される係合油室(85)とを備えるものである。
このクラッチは、入力部材と対向する面に貼着された摩擦材を有するピストンを含む単板式のクラッチである。ピストンは、摩擦材に加えて、当該摩擦材の表面よりも窪むと共に摩擦材の径方向内側の領域と径方向外側の領域とを連通させるように形成された油路を有し、入力部材に対して軸方向に進退移動可能である。また、入力部材とピストンとの軸方向における間には、当該入力部材の内部に作動油を供給するための油室が画成される。更に、ピストンを基準とした入力部材の反対側には、係合油室画成部材が配置される。そして、ピストンと係合油室画成部材との軸方向における間には、内周側および外周側で液密にシールされた係合油室が画成され、当該係合油室には、調圧された係合油圧が供給される。このように、単板式のクラッチに対して、独立した係合油室を設けることで、当該係合油室と入力部材とピストンとの間の油室との差圧をより適正に制御して当該クラッチの応答性を向上させることが可能となる。また、ピストンに摩擦材の表面よりも窪んだ油路を形成することで、係合油室と入力部材とピストンとの間の油室との差圧が摩擦材の周辺で急変するのを抑制すると共に、クラッチ係合時に摩擦材が入力部材に急係合してしまうのを抑制することができる。この結果、係合ショックの発生を抑制しつつ、単板式のクラッチの応答性を向上させることが可能となる。更に、ピストンに上記油路を形成することで、クラッチの係合中に入力部材とピストンとの間の油室から入力部材の内部に作動油を供給すると共に摩擦材を良好に冷却することができる。
また、前記入力部材(3)は、原動機(EG)に連結されてもよく、前記出力部材(7,7G,7H)は、ダンパ装置(10,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H)を介して前記ピストン(80,80E,80F,80G,80H)に連結されてもよく、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置に含まれる回転要素(11,111,11G,111G,12C,121C,12D,121D,15H,151,210,211)の何れかであってもよい。これにより、部品点数の増加を抑制しつつ、独立した係合油室を画成することが可能となる。
更に、前記ダンパ装置(10,10B,10G)は、前記ピストン(80,80G)に連結される入力要素(11,11G)と、前記出力部材(7,7G)に連結される出力要素(15)と、前記入力要素(11,11G)と前記出力要素(15)との間でトルクを伝達する弾性体(SP1,SP2,SP21,SP22)とを含むものであってもよく、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置(10,10G)の前記入力要素(11,111,11G,111G)であってもよい。
また、前記ダンパ装置(10C,10D)は、前記ピストン(80)に連結される入力要素(11C,11D)と、中間要素(12C,12D)と、前記出力部材(7)に連結される出力要素(15)と、前記入力要素(11C,11D)と前記中間要素(12C,12D)との間でトルクを伝達する第1弾性体(SP1)と、前記中間要素(12C,12D)と前記出力要素(15)との間でトルクを伝達する第2弾性体(SP21,SP22)とを含むものであってもよく、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置の中間要素(12C,12D)であってもよい。
更に、前記ダンパ装置(10C,10D)は、前記ピストン(80)に連結される入力要素(11C,11D)と、第1および第2中間要素(12C,12D,14)と、前記出力部材(7)に連結される出力要素(15)と、前記入力要素(11C,11D)と前記第1中間要素(12C,12D)との間でトルクを伝達する第1弾性体(SP1)と、前記第1および第2中間要素(12C,12D,14)の間でトルクを伝達する第2弾性体(SP21)と、前記第2中間要素(14)と前記出力要素(15)との間でトルクを伝達する第3弾性体(SP22)とを含むものであってもよく、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置(10C,10D)の前記第1中間要素(12C,12D)であってもよい。
また、前記入力部材(3)は、原動機(EG)に連結されてもよく、前記出力部材(7)は、ダンパ装置(10E)を介して前記ピストン(80E)に連結されてもよく、前記ダンパ装置(10E)は、該ダンパ装置(10E)の回転要素の何れかに連結される吸振用弾性体(SPd)と、該吸振用弾性体(SPd)に連結される質量体(210)とを含んでもよく、前記係合油室画成部材は、前記質量体(210,211)であってもよい。このように、吸振用弾性体と共にダイナミックダンパを構成する質量体を係合油室画成部材として利用しても、部品点数の増加を抑制しつつ、独立した係合油室を画成することが可能となる。
更に、前記ピストン(80,80E,80F,80G)は、前記出力部材(7,7G)により前記軸方向に移動自在に支持されてもよく、前記係合油室画成部材(11,111,11G,111G,12C,121C,12D,121D,210,211,250)は、前記出力部材(7,7G)により回転自在に支持されてもよく、前記出力部材(7,7G)は、前記係合油室(85)に作動油を供給するための供給油路(75)を有するものであってもよい。
また、前記ピストン(80,80E,80F,80G)の内周部には、前記軸方向に延びると共に前記出力部材(7,7G)により支持される筒状の被支持部(80a)が形成されてもよく、前記係合油室画成部材(111,111G,121C,121D,211,250)の内周部には、前記軸方向に延びると共に前記出力部材(7,7G)により支持される筒状の被支持部(111a,121a,211a,250a)が形成されてもよく、前記出力部材(7,7g)は、前記ピストン(80,80E,80F,80G)の前記被支持部(80a)を支持する第1支持部(71)と、前記係合油室画成部材(111,111G,121C,121D,211,250)の前記被支持部(111a,121a,211a,250a)を支持する第2支持部(72,72G)とを有するものであってもよく、前記第2支持部(72,72G)は、前記第1支持部(71)よりも径方向外側に形成されてもよく、前記供給油路(75)は、前記第1および第2支持部(71,72,72G)の間で前記係合油室(85)に連通してもよい。これにより、クラッチの軸長の増加を抑制しつつ独立した係合油室を画成することが可能となる。
更に、前記ダンパ装置(10H)は、前記ピストン(80H)に連結される入力要素(11H)と、前記出力部材(7H)に連結される出力要素(15H)と、前記入力要素(11H)と前記出力要素(15H)との間でトルクを伝達する弾性体(SP1,SP2)とを含むものであってもよく、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置(10H)の前記出力要素(15H,151)であってもよい。
また、前記入力部材(3)は、流体伝動装置のポンプインペラ(4)に一体回転するように接合されてもよく、前記ダンパ装置(10,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H)は、前記流体伝動装置のタービンランナ(5)と前記ピストン(80,80E,80F,80G,80H)との前記軸方向における間に配置されてもよい。すなわち、このような流体伝動装置と共に用いられる単板式のクラッチに独立した係合油室を設けることで、係合油室内の油圧に対する流体伝動装置(タービンランナ)による作動油の吸い込みの影響を実質的に無くすことができるので、係合油室と入力部材とピストンとの間の油室との差圧をより一層適正に制御することが可能となる。
そして、本開示の発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の外延の範囲内において様々な変更をなし得ることはいうまでもない。更に、上記発明を実施するための形態は、あくまで課題を解決するための手段の欄に記載された発明の具体的な一形態に過ぎず、課題を解決するための手段の欄に記載された発明の要素を限定するものではない。
本開示の発明は、クラッチの製造分野等において利用可能である。
1,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H 発進装置、3 フロントカバー、4 ポンプインペラ、5 タービンランナ、6 ステータ、7,7G,7H ダンパハブ、8,8C,8D,8E,8F,8G,8H ロックアップクラッチ、9 流体室、10,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H ダンパ装置、11,11C,11D,11G,11H ドライブ部材、110 スプリング当接部、11e 係合凸部、12,12C,12D,12E,12F 第1中間部材、12G,12H 中間部材、12ci 内側スプリング当接部、12co 外側スプリング当接部、14 第2中間部材、14c スプリング当接部、15,15H ドリブン部材、15c スプリング当接部、17 第1ストッパ,18 第2ストッパ,19 第3ストッパ、20,20E ダイナミックダンパ、21 連結部材、22 第1連結プレート、22d スプリング当接部、23 第2連結プレート、25 ストッパ、40 ポンプシェル、41 ポンプブレード、42 スリーブ、50 タービンシェル、51 タービンブレード、52 タービンハブ、60 ステータブレード、61 ワンウェイクラッチ、62 インナーレース、71 第1支持部、72,72G,72H 第2支持部、73 孔部、75 供給油路、80,80E,80F,80G,80H ロックアップピストン、80a 被支持部、80b 外筒部、80c スプリング当接部、81 摩擦材、82 油路、83 油室、85 係合油室、91,92,93 シール部材、111,111G 第1入力プレート部材、111a 被支持部、111b 外筒部、111s スプリング支持部、112,112G 第2入力プレート部材、112c スプリング当接部、112e 係合凸部、112s スプリング支持部、121、121B,121C,121D,121E,121F 第1プレート部材、121a 被支持部、121b 外筒部、121ci 内側スプリング当接部、121co 外側スプリング当接部、122,122B,122C,122D,122E,122F 第2プレート部材、122ci 内側スプリング当接部、122co 外側スプリング当接部、122d 外側スプリング当接部、121s スプリング支持部、123E 第3プレート部材、123d スプリング当接部、151 第1出力プレート部材、151b 外筒部、152 第2出力プレート部材、210 質量体、211 第1錘体、211a 被支持部、211b 外筒部、212 第2錘体、212d スプリング当接部、250 係合油室画成部材、250a 被支持部、250b 外筒部、SP1 外側スプリング、SP2 内側スプリング、SP21 第1内側スプリング、SP21 第2内側スプリング、SP22 第2内側スプリング。

Claims (10)

  1. 作動油が供給される入力部材の内部に配置され、前記入力部材から出力部材に動力が伝達されるように両者を連結すると共に前記入力部材と前記出力部材との連結を解除するクラッチにおいて、
    前記入力部材と対向する面に貼着された摩擦材と、該摩擦材の表面よりも窪むと共に前記摩擦材の径方向内側の領域と径方向外側の領域とを連通させるように形成された油路とを有し、前記入力部材に対して軸方向に進退移動可能なピストンと、
    前記入力部材と前記ピストンとの前記軸方向における間に画成された該入力部材の内部に作動油を供給するための油室と、
    前記ピストンを基準として前記入力部材とは反対側に配置される係合油室画成部材と、
    前記ピストンと前記係合油室画成部材との前記軸方向における間に画成されると共に内周側および外周側で液密にシールされており、調圧された係合油圧が供給される係合油室と、
    を備えるクラッチ。
  2. 請求項1に記載のクラッチにおいて、
    前記入力部材は、原動機に連結され、前記出力部材は、ダンパ装置を介して前記ピストンに連結され、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置に含まれる回転要素の何れかであるクラッチ。
  3. 請求項2に記載のクラッチにおいて、
    前記ダンパ装置は、前記ピストンに連結される入力要素と、前記出力部材に連結される出力要素と、前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する弾性体とを含み、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置の前記入力要素であるクラッチ。
  4. 請求項2に記載のクラッチにおいて、
    前記ダンパ装置は、前記ピストンに連結される入力要素と、中間要素と、前記出力部材に連結される出力要素と、前記入力要素と前記中間要素との間でトルクを伝達する第1弾性体と、前記中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第2弾性体とを含み、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置の前記中間要素であるクラッチ。
  5. 請求項2に記載のクラッチにおいて、
    前記ダンパ装置は、前記ピストンに連結される入力要素と、第1および第2中間要素と、前記出力部材に連結される出力要素と、前記入力要素と前記第1中間要素との間でトルクを伝達する第1弾性体と、前記第1および第2中間要素の間でトルクを伝達する第2弾性体と、前記第2中間要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する第3弾性体とを含み、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置の前記第1中間要素であるクラッチ。
  6. 請求項1に記載のクラッチにおいて、
    前記入力部材は、原動機に連結され、前記出力部材は、ダンパ装置を介して前記ピストンに連結され、前記ダンパ装置は、該ダンパ装置の回転要素の何れかに連結される吸振用弾性体と、該吸振用弾性体に連結される質量体とを含み、前記係合油室画成部材は、前記質量体であるクラッチ。
  7. 請求項1から6の何れか一項に記載のクラッチにおいて、
    前記ピストンは、前記出力部材により前記軸方向に移動自在に支持され、前記係合油室画成部材は、前記出力部材により回転自在に支持され、前記出力部材は、前記係合油室に作動油を供給するための供給油路を有するクラッチ。
  8. 請求項7に記載のクラッチにおいて、
    前記ピストンの内周部には、前記軸方向に延びると共に前記出力部材により支持される筒状の被支持部が形成されており、
    前記係合油室画成部材の内周部には、前記軸方向に延びると共に前記出力部材により支持される筒状の被支持部が形成されており、
    前記出力部材は、前記ピストンの前記被支持部を支持する第1支持部と、前記係合油室画成部材の前記被支持部を支持する第2支持部とを有し、
    前記第2支持部は、前記第1支持部よりも径方向外側に形成されており、前記供給油路は、前記第1および第2支持部の間で前記係合油室に連通するクラッチ。
  9. 請求項2に記載のクラッチにおいて、
    前記ダンパ装置は、前記ピストンに連結される入力要素と、前記出力部材に連結される出力要素と、前記入力要素と前記出力要素との間でトルクを伝達する弾性体とを含み、前記係合油室画成部材は、前記ダンパ装置の前記出力要素であるクラッチ。
  10. 請求項2から9の何れか一項に記載のクラッチにおいて、
    前記入力部材は、流体伝動装置のポンプインペラに一体回転するように接合され、
    前記ダンパ装置は、前記流体伝動装置のタービンランナと前記ピストンとの前記軸方向における間に配置されるクラッチ。
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