JP2018162021A - 車両用ピラー構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両運転時に広い視界を確保できると共に車両用ピラーの剛性を向上させることができる車両用ピラー構造を得る。
【解決手段】フロントウインドシールドガラス16の車両幅方向外側には、第1柱24と第2柱26とを含んで構成された略矩形枠形状のフロントピラー22が設けられている。したがって、車両10の運転者が略矩形枠形状のフロントピラー22の枠内部を通して車両外部を視認することができる。ここで、第1柱24の車両上部側と、第2柱26の車両上部側とは、補強部材88により連結されている。したがって、フロントピラー22の枠内部の車両下方側の視界を補強部材88が塞がない。これと共に、補強部材88が第1柱24と第2柱26との相対的な移動を抑制できるため、フロントピラー22の車両下方側において広い視界を確保しながらフロントピラー22の曲げ剛性を向上させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両用ピラー構造に関する。
下記特許文献1には、車両の前部構造が開示されている。この車両の前部構造では、フロントウインドシールドガラスの車両幅方向外側にフロントピラーが設けられており、車両の運転席に着席した運転者がフロントピラーを見たときのこのフロントピラーの幅が40mmから58mmの範囲内に設定されている。したがって、運転者の両眼の視差によりフロントピラーの向こう側の対象物を視認することができる。
特開2006−96270号公報
しかしながら、特許文献1に開示された車両の前部構造は、フロントピラーの幅を細くすることから、フロントピラーの曲げ剛性が低下する可能性がある。したがって、上記先行技術はこの点で改良の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、車両運転時に広い視界を確保できると共に車両用ピラーの剛性を向上させることができる車両用ピラー構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る車両用ピラー構造は、車両用ピラーの一部を構成すると共に、略車両上下方向に沿って延在された第1柱と、前記車両用ピラーの他の一部を構成すると共に、前記第1柱に対して略車両前後方向に所定の間隔を空けて配置されかつ前記第1柱と略平行に延在され、上端部が前記第1柱の上端部と連結されかつ下端部が前記第1柱の下端部と連結された第2柱と、前記第1柱と前記第2柱との間に架け渡され、車両外部が視認可能な透明部材と、前記第1柱の車両上部側と前記第2柱の車両上部側とを略車両前後方向に連結している補強部材と、を有している。
請求項1に記載の発明によれば、車両用ピラーの一部を構成すると共に略車両上下方向に沿って延在された第1柱と、車両用ピラーの他の一部を構成すると共に第1柱に対して略車両前後方向にて所定の間隔を空けて配置されかつ第1柱と略平行に延設された第2柱とを有している。この第1柱と、第2柱とは、上端部同士及び下端部同士が連結されている。つまり、車両用ピラーは、第1柱と第2柱とを含んで構成された略矩形枠形状とされている。したがって、車両の運転席に着席した運転者が車両用ピラーの枠内部から第1柱と第2柱とに架け渡された透明部材を通して車両外部を視認することができる。これにより、車両運転時に広い視界を得ることができる。
ここで、第1柱の車両上部側と第2柱の車両上部側とは、補強部材により略車両前後方向に連結されている。したがって、車両用ピラーの枠内部の車両下方側を補強部材が塞ぐことなく第1柱と第2柱との相対的な移動を抑制できるため、車両用ピラーの車両下方側において広い視界を確保しながら車両用ピラーの曲げ剛性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用ピラー構造は、請求項1に記載の発明において、前記補強部材は、梁状に形成されている。
請求項2に記載の発明によれば、補強部材は、梁状に形成されている。したがって、第1柱と第2柱とを互いに離間させる方向の荷重が車両用ピラーに加わった場合や、これとは逆に第1柱と第2柱とを互いに近接させる方向の荷重が車両用ピラーに加わった場合でも、補強部材によって第1柱と第2柱との相対的な移動を抑制することができる。また、この梁状に形成された補強部材により、車両幅方向や車両上下方向等様々な方向から荷重が車両用ピラーに加わった場合にも、第1柱と第2柱との相対的な移動を抑制することができる。
請求項3に記載の発明に係る車両用ピラー構造は、請求項1に記載の発明において、前記補強部材は、板状に形成されており、前記第1柱と前記第2柱とに当接する端部がそれぞれ同一方向に折り曲げられている。
請求項3に記載の発明によれば、補強部材は、板状に形成されている。したがって、第1柱と第2柱とを互いに離間させる方向の荷重が車両用ピラーに加わった場合や、これとは逆に第1柱と第2柱とを互いに近接させる方向の荷重が車両用ピラーに加わった場合でも、補強部材によって第1柱と第2柱との相対的な移動を抑制することができる。また、補強部材は、第1柱と第2柱とに当接する端部がそれぞれ同一方向に折り曲げられている。したがって、補強部材を第1柱及び第2柱に結合する際は、溶接機等の工具を車両用ピラーにおける一方側(補強部材の端部が折り曲げられた側)からのアクセスだけで補強部材の折り曲げられた端部と車両用ピラーとを結合できるため、取り付け作業性を向上させることができる。
請求項4に記載の発明に係る車両用ピラー構造は、請求項1に記載の発明において、前記補強部材は、可撓性を有するワイヤ状に形成されている。
請求項4に記載の発明によれば、補強部材は、ワイヤ状に形成されている。したがって、第1柱と第2柱とを互いに離間させる方向の荷重が車両用ピラーに加わった場合、補強部材によって第1柱と第2柱との相対的な移動を抑制することができる。また、補強部材は、可撓性を有することから、第1柱と第2柱との間隔のばらつきを吸収することができる。
請求項5に記載の発明に係る車両用ピラー構造は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記補強部材は、少なくとも一部が透明とされている。
請求項5に記載の発明によれば、第1柱と第2柱とを互いに離間させる方向の荷重が車両用ピラーに加わった場合や、これとは逆に第1柱と第2柱とを互いに近接させる方向の荷重が車両用ピラーに加わった場合でも、補強部材によって第1柱と第2柱との相対的な移動を抑制することができる。また、補強部材は、少なくとも一部が透明とされていることから、補強部材が設けられた車両用ピラーの枠内部における車両上部側においても、車両の運転席に着席した運転者が補強部材の透明とされた部位から車両外部を視認することが可能となる。
なお、ここで「透明」には、無色透明のほか、有色透明、半透明、有色半透明などが含まれる。
請求項1記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、車両運転時に広い視界を確保できると共に車両用ピラーの剛性を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、車両運転時に広い視界を確保できると共に車両用ピラーの剛性をより向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、組付工数を削減することができるという優れた効果を有する。
請求項4記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、組付作業性を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項5記載の本発明に係る車両用ピラー構造は、車両運転時に広い視界をより一層確保しながら車両用ピラーの剛性を向上させることができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両用ピラー構造を有する車両の車室内を示す概略斜視図である。 図1におけるA−A線に沿って切断した状態を示す拡大断面図である。 第2実施形態に係る車両用ピラー構造を示す図2に対応した拡大断面図である。 第3実施形態に係る車両用ピラー構造を示す図2に対応した拡大断面図である。 第4実施形態に係る車両用ピラー構造を示す図2に対応した拡大断面図である。
図1〜図5において示される矢印FRは車両前後方向前側、矢印OUTは車両幅方向外側、矢印UPは車両上下方向上側をそれぞれ示す。
(第1実施形態)
以下、図1、図2を用いて、本発明に係る車両用ピラー構造の第1実施形態について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用ピラー構造11が適用された車両10における車室12内の車両前方側には、運転席用の車両用シート14が配設されており、この車両用シート14には、運転者Dが着座している。
車両用シート14よりも車両前方側には、フロントウインドシールドガラス16が設けられている。このフロントウインドシールドガラス16は、車室12の内側と車室12の外側とを隔てかつ板厚方向が略車両前後方向とされた透明の窓部材であり、側面視で車両上方側へ向かうに連れて車両後方側へと傾けられている。フロントウインドシールドガラス16の上端部は、ルーフの前端部を構成するフロントヘッダ(共に不図示)に接続されている。また、フロントウインドシールドガラス16の下端部は、車両前方側に設けられたパワーユニットルームを車両上方側から覆うフードの後端部と車両前後方向に対向して配置されており、車両幅方向に延在されたカウルに接続されている(いずれも不図示)。
フロントウインドシールドガラス16は、一定の板厚で形成されており、フロントウインドシールドガラス16の車両幅方向中間部分が車両前方側へ凸となるように穏やかな湾曲形状とされている。そして、フロントウインドシールドガラス16の車両幅方向外側かつフロントサイドウィンドウ18を有するフロントドア20の車両前方側には、車両用ピラーとしてのフロントピラー22が左右一対にそれぞれ設けられている。
左右一対のフロントピラー22は、それぞれフロントウインドシールドガラス16の車両幅方向端部に沿って略車両上下方向に延在されている。つまり、左右一対のフロントピラー22は、それぞれ車両上方へ向かうに連れて車両後方側へ傾けられている。以下、運転席側と反対側のフロントピラー22について説明するが、運転席側のフロントピラー22も同様の構成とされている。
フロントピラー22は、第1柱24と第2柱26と補強部材28とを有している。第1柱24は、略車両上下方向に沿って延在されており、第1柱24には図2に示されるようにフロントウインドシールドガラス16の車両幅方向の端部30がシール部材32を介して接合されている。第1柱24は、長手方向(略車両上下方向に沿った延在方向)に直交する断面形状が略車両幅方向外側に向かって開口する略U字状とされた鋼板製の第1柱インナ34と、長手方向(略車両上下方向に沿った延在方向)に直交する断面形状が略クランク形状とされかつ第1柱インナ34の開口を車両幅方向外側から塞ぐように設けられた鋼板製の第1柱アウタ36とを含んで構成されている。
第2柱26は、第1柱24の略車両後方側に配置されている。具体的には、第2柱26は第1柱24に対して略車両前後方向にて所定の間隔を空けて配置されている。この所定の間隔は、運転者Dの瞳孔中心間距離以上に設定されている。なお、「瞳孔中心間距離」とは、運転者Dの右目(不図示)の瞳孔中心と左目(不図示)の瞳孔中心との間の距離のことであり、例えば、日本人の成人では、約60〜65mmとされている。本実施形態では、一例としてこの所定の間隔が65mmに設定されている。
また、第2柱26は、第1柱24と略平行に(略車両上下方向に沿って)延在されており(図1参照)、長手方向(略車両上下方向に沿った延在方向)に直交する断面形状が略車両後方側へ向かって開口する略U字状とされた鋼板製の第2柱インナ38と、長手方向(略車両上下方向に沿った延在方向)に直交する断面形状が略クランク形状とされかつ第2柱インナ38の開口を略車両後方側から塞ぐように設けられた鋼板製の第2柱アウタ40とを含んで構成されている。第2柱インナ38の車両幅方向内側のフランジ29には、オープニングトリム44が取り付けられている。また、第2柱アウタ40には、フロントドア20のシール部材が当接可能とされている。なお、第1柱24及び第2柱26は、それぞれ略水平方向における幅寸法が運転者Dの瞳孔中心間距離以下に設定されている。
第1柱24と、第2柱26とは、上端部同士及び下端部同士が連結されている。これにより、フロントピラー22の骨格は、第1柱24と第2柱26とを含んで略矩形枠形状に形成されている。また、第1柱24の第1柱インナ34における車両後方側壁部46の車両上部側と、第2柱26の第2柱インナ38の車両前方側壁部48の車両上部側とは、補強部材28によって略車両前後方向に連結されている。具体的には、補強部材28は、運転者DのアイポイントEを通る略水平面EP(図1参照)より車両上方側に配置されている。
補強部材28は、略車両前後方向を長手方向とする中空の円柱状に形成されており、長手方向の端部には径方向外側へ向かって延出されたフランジ29、31がそれぞれ形成されている。フランジ29は、第1柱インナ34における車両後方側壁部46に結合されており、フランジ31は、第2柱インナ38の車両前方側壁部48に結合されている。
第1柱24の第1柱アウタ36における車両幅方向外側壁部47と、第2柱26の第2柱インナ38における車両幅方向外側壁部49とには、透明部材としてのフロントピラーアウタガラス50がシール部材52を介して架け渡されている。フロントピラーアウタガラス50は、略車両幅方向を板厚方向とする透明の窓部材であり、側面視で第1柱24及び第2柱26に沿うように車両上方側へ向かうに連れて車両後方側へと傾けられている。なお、フロントピラーアウタガラス50とフロントウインドシールドガラス16との間には、シール部材54が設けられており、シール部材54によってフロントピラーアウタガラス50とフロントウインドシールドガラス16との間への雨水等の浸入が抑制されている。なお、フロントピラーアウタガラス50は、ガラスに限らず、透明の繊維強化樹脂等により構成されていてもよい。
第1柱24の第1柱インナ34における車両幅方向内側壁部56と、第2柱26の第2柱インナ38における車両幅方向内側壁部58とには、フロントピラーインナガラス60が接着剤62を介して取り付けられている。フロントピラーインナガラス60は、略車両幅方向を板厚方向とする透明の窓部材であり、側面視で第1柱24及び第2柱26に沿うように車両上方側へ向かうに連れて車両後方側へと傾けられている。なお、フロントピラーインナガラス60は、ガラスに限らず、透明の繊維強化樹脂等により構成されていてもよい。
第1柱24及び第2柱26の車両幅方向内側には、フロントピラーガーニッシュ64が設けられている。このフロントピラーガーニッシュ64は、樹脂製とされており、第1柱24の第1柱インナ34における車両幅方向内側壁部56と車両前方側壁部66とフロントピラーインナガラス60の車両前方側の端部とを車室内側から覆うガーニッシュ前側部68と、第2柱26の第2柱インナ38における車両幅方向内側壁部58とフロントピラーインナガラス60の車両後方側の端部とを車室内側から覆うガーニッシュ後側部70と、を含んで略矩形枠状に形成されている(図1参照)。
(第1実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態では、フロントウインドシールドガラス16の車両幅方向外側にそれぞれ設けられるフロントピラー22の一部を構成すると共に略車両上下方向に沿って延在された第1柱24と、フロントピラー22の他の一部を構成すると共に第1柱24に対して略車両前後方向にて所定の間隔を空けて配置されかつ第1柱24と略平行に延設された第2柱26とを有している。この第1柱24と、第2柱26とは、上端部同士及び下端部同士が連結されている。つまり、フロントウインドシールドガラス16の車両幅方向外側には、第1柱24と第2柱26とを含んで構成された略矩形枠形状のフロントピラー22が設けられている。したがって、車両10の運転席に着席した運転者D(図1参照)が略矩形枠形状のフロントピラー22の枠内部からフロントピラーインナガラス60とフロントピラーアウタガラス50とを通して車両外部を視認することができる。これにより、車両運転時に広い視界を得ることができる。
ここで、第1柱24の車両上部側と、第2柱26の車両上部側とは、補強部材28により連結されている。具体的には、補強部材28は、運転者DのアイポイントEを通る略水平面EP(図1参照)より車両上方側に配置されている。したがって、フロントピラー22の枠内部の車両下方側、すなわち運転者Dの運転時の視線から車両下方側の視界を補強部材28が塞がないため、路面上の障害物等をフロントピラー22の枠内部を通して視認することができる。これと共に、補強部材28が第1柱24と第2柱26との相対的な移動を抑制できるため、フロントピラー22の車両下方側において広い視界を確保しながらフロントピラー22の曲げ剛性を向上させることができる。これにより、車両運転時に広い視界を確保できると共にフロントピラー22の剛性を向上させることができる。
また、補強部材28は、略車両前後方向を長手方向とする梁状に形成されている。したがって、第1柱24と第2柱26とを互いに離間させる方向の荷重がフロントピラー22に加わった場合や、これとは逆に第1柱24と第2柱26とを互いに近接させる方向の荷重がフロントピラー22に加わった場合でも、補強部材28によって第1柱24と第2柱26との相対的な移動を抑制することができる。また、梁状に形成された補強部材28により、車両幅方向や車両上下方向等様々な方向から荷重がフロントピラー22に加わった場合にも、第1柱24と第2柱26との相対的な移動を抑制することができる。
なお、本実施形態では、補強部材28は円柱状に形成されているが、これに限らず、角柱状等のその他の形状としてもよい。また、補強部材28は中空の円柱状に形成されているが、これに限らず、中実の柱状に形成されていてもよい。
(第2実施形態)
次に、図3を用いて、本発明の第2実施形態に係る車両用ピラー構造について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図3に示されるように、この第2実施形態に係る車両用ピラー構造72は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、補強部材74が板状に形成されている点に特徴がある。
すなわち、第1柱24の第1柱インナ34における車両後方側壁部46の車両上部側と、第2柱26の第2柱インナ38の車両前方側壁部48の車両上部側とは、補強部材74によって略車両前後方向に連結されている。具体的には、補強部材74は、運転者DのアイポイントEを通る略水平面EP(図1参照)より車両上方側に配置されている。
補強部材74は、略車両幅方向を板厚方向としかつ略車両前後方向を長手方向とする矩形板状に形成されており、長手方向の端部には車両幅方向内側へ向かって折り曲げられたフランジ76、78がそれぞれ形成されている。フランジ76は、第1柱インナ34における車両後方側壁部46に結合されており、フランジ78は、第2柱インナ38の車両前方側壁部48に結合されている。
(第2実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
上記構成によっても、補強部材74が板状に形成されている点以外は第1実施形態の車両用ピラー構造11と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、補強部材74は、板状に形成されており、第1柱24と第2柱26とに当接する端部がそれぞれ同一方向に折り曲げられたフランジ76、78を有している。したがって、補強部材74を第1柱24及び第2柱26に結合する際は、溶接機等の工具をフロントピラー22における一方側(本実施形態では車両幅方向内側)からのアクセスだけで補強部材74のフランジ76、78とフロントピラー22とを結合できるため、取り付け作業性を向上させることができる。これにより、組付工数を削減することができる。
なお、本実施形態では、補強部材74のフランジ76、78は、車両幅方向内側へ向かって折り曲げられた構成とされているが、これに限らず、車両幅方向外側やその他の向きに折り曲げられた構成としてもよい。また、補強部材74は、略車両幅方向を板厚方向としているが、これに限らず、車両上下方向等その他の方向を板厚方向とする板材により構成されてもよい。
(第3実施形態)
次に、図4を用いて、本発明の第3実施形態に係る車両用ピラー構造について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図4に示されるように、この第3実施形態に係る車両用ピラー構造82は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、補強部材80が透明とされている点に特徴がある。
すなわち、第1柱24の第1柱インナ34における車両後方側壁部46の車両上部側と、第2柱26の第2柱インナ38の車両前方側壁部48の車両上部側とは、補強部材80によって略車両前後方向に連結されている。具体的には、補強部材80は、運転者DのアイポイントEを通る略水平面EP(図1参照)より車両上方側に配置されている。
補強部材80は、フロントピラーインナガラス84と一体的に形成されている。このフロントピラーインナガラス84は、透明の繊維強化樹脂等により構成されており、第1柱24の第1柱インナ34における車両幅方向内側壁部56と、第2柱26の第2柱インナ38における車両幅方向内側壁部58とに接着剤62を介して取り付けられている。フロントピラーインナガラス84は、略車両幅方向を板厚方向とする透明の窓部材であり、側面視で第1柱24及び第2柱26に沿うように車両上方側へ向かうに連れて車両後方側へと傾けられている。
補強部材80は、フロントピラーインナガラス84と同一の透明の部材により一体に形成されており、フロントピラーインナガラス84の車両幅方向外側面から車両外側へ向かって突出するように形成されている。この補強部材80の車両前方側の端部は、第1柱インナ34における車両後方側壁部46に図示しない接着剤を介して接着されている。また、補強部材80の車両後方側の端部は、第2柱インナ38の車両前方側壁部48に図示しない接着剤を介して接着されている。なお、補強部材80は、フロントピラーインナガラス84と同一の透明の部材により構成されているが、これに限らず、有色透明、半透明、有色半透明等の部材により構成されていてもよい。
(第3実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
上記構成によっても、補強部材80が透明とされている点以外は第1実施形態の車両用ピラー構造11と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。また、補強部材80は、透明とされていることから、補強部材80が設けられたフロントピラー22の枠内部における車両上部側においても、車両の運転席に着席した運転者Dが補強部材80から車両外部を視認することができる。これにより、車両運転時に広い視界をより一層確保しながらフロントピラー22の剛性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、補強部材80は、全体が透明の部材により構成されているが、これに限らず、第1柱24と第2柱26との間において一部のみが透明とされた構成としてもよい。しかしながら、広い視界を確保するという観点からは、補強部材80全体が透明の部材により構成されているのが望ましい。
また、補強部材80は、フロントピラーインナガラス84に一体とされているが、これに限らず、フロントピラーアウタガラス50に一体とされた構成としてもよいし、フロントピラーアウタガラス50及びフロントピラーインナガラス84とそれぞれ別体に構成されていてもよい。
(第4実施形態)
次に、図5を用いて、本発明の第4実施形態に係る車両用ピラー構造について説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一構成部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
図5に示されるように、この第4実施形態に係る車両用ピラー構造86は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、補強部材88がワイヤ状に形成されている点に特徴がある。
すなわち、第1柱24の第1柱インナ34における車両後方側壁部46の車両上部側と、第2柱26の第2柱インナ38の車両前方側壁部48の車両上部側とは、補強部材88によって略車両前後方向に連結されている。具体的には、補強部材88は、運転者DのアイポイントEを通る略水平面EP(図1参照)より車両上方側に配置されている。
補強部材88は、略車両前後方向に延設された可撓性を有する金属製のワイヤ部材90と、第1柱インナ34における車両後方側壁部46及び第2柱インナ38の車両前方側壁部48にそれぞれ取り付けられたワイヤブラケット92、94とを含んで構成されている。ワイヤ部材90の長手方向両端部には、それぞれ係合部96がカシメ等により固定されている。
第1柱インナ34における車両後方側壁部46に取り付けられたワイヤブラケット92は、車両前方側へ向かって開口された略ハット型形状とされており、フランジ99が車両後方側壁部46に結合されている。また、ワイヤブラケット92の内部にワイヤ部材90の係合部96が収められた状態でワイヤブラケット92の底壁部98に形成された貫通孔にワイヤ部材90が挿通されている。なお、第2柱インナ38の車両前方側壁部48に取り付けられたワイヤブラケット94は、第1柱インナ34における車両後方側壁部46に取り付けられたワイヤブラケット92と前後略対称の構成とされている。
(第4実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
上記構成では、フロントウインドシールドガラス16の車両幅方向外側にそれぞれ設けられるフロントピラー22の一部を構成すると共に略車両上下方向に沿って延在された第1柱24と、フロントピラー22の他の一部を構成すると共に第1柱24に対して略車両前後方向にて所定の間隔を空けて配置されかつ第1柱24と略平行に延設された第2柱26とを有している。この第1柱24と、第2柱26とは、上端部同士及び下端部同士が連結されている。つまり、フロントウインドシールドガラス16の車両幅方向外側には、第1柱24と第2柱26とを含んで構成された略矩形枠形状のフロントピラー22が設けられている。したがって、車両10の運転席に着席した運転者D(図1参照)が略矩形枠形状のフロントピラー22の枠内部を通して車両外部を視認することができる。これにより、車両運転時に広い視界を得ることができる。
ここで、第1柱24の車両上部側と、第2柱26の車両上部側とは、補強部材88により連結されている。具体的には、補強部材88は、運転者DのアイポイントEを通る略水平面EP(図1参照)より車両上方側に配置されている。したがって、フロントピラー22の枠内部の車両下方側、すなわち運転者Dの運転時の視線から車両下方側の視界を補強部材88が塞がないため、路面上の障害物等をフロントピラー22の枠内部を通して視認することができる。これと共に、補強部材88が第1柱24と第2柱26との相対的な移動を抑制できるため、フロントピラー22の車両下方側において広い視界を確保しながらフロントピラー22の曲げ剛性を向上させることができる。これにより、車両運転時に広い視界を確保できると共にフロントピラー22の剛性を向上させることができる。
また、補強部材88は、略車両前後方向に延設されたワイヤ状に形成されている。したがって、第1柱24と第2柱26とを互いに離間させる方向の荷重がフロントピラー22に加わった場合、補強部材88によって第1柱24と第2柱26との相対的な移動を抑制することができる。これにより、フロントピラー22の剛性を向上させることができる。
また、補強部材88は、可撓性を有するワイヤ状に形成されている。したがって、第1柱24と第2柱26との間隔のばらつきを吸収することができる。これにより、組付作業性を向上させることができる。さらに、可撓性を有するワイヤは、一般的に径が細いため、補強部材88自体を軽量化することができる。これにより、重量の増加を抑制しながら車両運転時に広い視界を確保できると共にフロントピラー22の剛性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、ワイヤ部材90がワイヤブラケット92、94を介して第1柱24及び第2柱26に係合された構成とされているが、これに限らず、ワイヤブラケット92、94を介さずに直接第1柱24及び第2柱26に係合する構成としてもよい。
また、本実施形態では、補強部材88により第1柱24と第2柱26とを略車両前後方向に連結する構成とされているが、これに限らず、上述した第1〜第3実施形態の補強部材28、74、80の少なくとも一つを組み合わせた構成としてもよい。
また、上述した第1〜第4実施形態では、車両用ピラー構造11、72、82、86がフロントピラー22に適用された構成とされているが、これに限らず、リヤピラーやクオーターピラー等の他の車両用ピラーに適用してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
11 車両用ピラー構造
16 フロントウインドシールドガラス
22 フロントピラー(車両用ピラー)
24 第1柱
26 第2柱
28 補強部材
50 フロントピラーアウタガラス(透明部材)
72 車両用ピラー構造
74 補強部材
76 フランジ(補強部材の端部)
78 フランジ(補強部材の端部)
80 補強部材
82 車両用ピラー構造
86 車両用ピラー構造
88 補強部材

Claims (5)

  1. 車両用ピラーの一部を構成すると共に、略車両上下方向に沿って延在された第1柱と、
    前記車両用ピラーの他の一部を構成すると共に、前記第1柱に対して略車両前後方向に所定の間隔を空けて配置されかつ略車両上下方向に沿って延在され、上端部が前記第1柱の上端部と連結されかつ下端部が前記第1柱の下端部と連結された第2柱と、
    前記第1柱と前記第2柱との間に架け渡されることで、前記第1柱と前記第2柱とで形成される開口を覆いかつ車両外部が視認可能な透明部材と、
    前記第1柱の車両上部側と前記第2柱の車両上部側とを略車両前後方向に連結している補強部材と、
    を有している車両用ピラー構造。
  2. 前記補強部材は、梁状に形成されている、
    請求項1記載の車両用ピラー構造。
  3. 前記補強部材は、板状に形成されており、前記第1柱と前記第2柱とに当接する端部がそれぞれ同一方向に折り曲げられている、
    請求項1記載の車両用ピラー構造。
  4. 前記補強部材は、可撓性を有するワイヤ状に形成されている、
    請求項1記載の車両用ピラー構造。
  5. 前記補強部材は、少なくとも一部が透明とされている、
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用ピラー構造。
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