JP2018161414A - 有機塩素化合物の分解処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒の劣化を抑制し、触媒の交換や触媒の再生の頻度を下げることで、コストの低減ならびに作業量の低減を図ることのできる有機塩素化合物の分解処理方法を提供する。【解決手段】有機塩素化合物とイソプロピルアルコールとアルカリ化合物との混合液を、マイクロ波照射装置内に設置した触媒充填カラムに流通させることにより、前記混合液中の有機塩素化合物を分解処理する分解処理方法において、前記触媒として貴金属を担体に担持させた触媒を用いると共に、前記混合液に5〜40質量%(イソプロピルアルコールと水の合計量に対する割合)の水を添加し、触媒充填カラムに充填した触媒表面へのアルカリ塩化物の析出を抑制することを特徴とする分解処理方法である。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリ塩化ビフェニル(以下、PCBと略称することがある。)等の有機塩素化合物の分解処理方法に関する。詳細には、有機塩素化合物にイソプロピルアルコール等の水素供与体とアルカリ化合物および水を添加し、触媒を用いて有機塩素化合物を分解処理する際に、有機塩素化合物の分解により生成したアルカリ塩化物が触媒表面に析出し付着することを抑制し得る、有機塩素化合物の分解処理方法に関する。
各種有機塩素化合物のなかでも、ポリ塩化ビフェニル(PCB)は、人体を含む生体に極めて有害であることから、PCBを含有する絶縁油の入ったトランス等は、PCB特別措置法により、適正な管理・保管が義務付けられている。それらの絶縁油及びPCBで汚染された機器については、国や電力会社等により設けられた処理施設で順次無害化処理が実施されている。
それらの無害化処理方法のうち、活性炭にパラジウム金属を担持させた触媒を充填してなる触媒層(触媒充填カラム)に、PCBとイソプロピルアルコール等の水素供与体とアルカリ化合物との混合液を流通させ、該触媒層にマイクロ波を照射することで、高温高圧の条件を必要とすることなく、PCBを分解する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
上記の特許文献1あるいは2に記載されたPCBの分解処理方法では、触媒は、使用するに従い性能が劣化してくることから、適時、新品または再生触媒と交換することが必要である。再生触媒は、劣化触媒を焼成、精製、還元してパラジウムを回収し、回収したパラジウムを新たな活性炭に担持させるといった方法などで作製される。
しかしながら、再生触媒の作製において、パラジウム金属の回収率は85〜90%程度であり、触媒が早く劣化し、触媒の交換或いは再生の頻度が多くなるほど、回収できずに失われるパラジウムの量が増加する。パラジウム金属は非常に高価であるため、有機塩素化合物の分解処理コストの増大に直結する。また、触媒の交換や再生頻度が多くなること自体、分解処理に要する作業量の増大或いは再生触媒の作製に要するコストの増大をもたらし、ひいては有機塩素化合物の分解処理コストの増大に繋がる。
そのため、触媒の劣化を抑制し、触媒の交換或いは再生の頻度を下げることで、コストの低減ならびに作業量の低減を図ることのできる有機塩素化合物の分解処理方法が求められている。高濃度PCB分解(絶縁油中に微量含有するPCBの分解ではなく、PCB製品の分解)では、頻繁な触媒交換を余儀なくされることが課題であった。
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、PCB等の有機塩素化合物の分解処理において、使用する触媒の劣化を抑制して触媒寿命を延長し、単位触媒重量当たりの有機塩素化合物の分解処理量を増加させることで、新品の触媒との交換や再生触媒を作製する頻度を減らし、有機塩素化合物の分解処理に要するコストの低減を図ることを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、触媒の劣化は、有機塩素化合物の分解により生成するアルカリ塩化物が、触媒の表面で析出し沈着することが一つの要因であることを見出した。そして、有機塩素化合物とイソプロピルアルコールとアルカリ化合物との混合液を、マイクロ波照射装置内に設置した触媒充填カラムに流通させることにより、前記混合液中の有機塩素化合物を分解処理する分解処理方法において、前記混合液中に所定量の水を添加することで、触媒表面でのアルカリ塩化物の析出沈着を抑制できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)有機塩素化合物とイソプロピルアルコールとアルカリ化合物との混合液を、マイクロ波照射装置内に設置した触媒充填カラムに流通させることにより、前記混合液中の有機塩素化合物を分解処理する分解処理方法において、
前記触媒として貴金属を担体に担持させた触媒を用いると共に、
前記混合液に5〜40質量%(イソプロピルアルコールと水の合計量に対する割合)の水を添加し、触媒充填カラムに充填した触媒表面へのアルカリ塩化物の析出を抑制することを特徴とする分解処理方法。
(2)触媒充填カラムを流通する混合液の温度を50〜80℃の範囲とし、マイクロ波照射装置外を流通する混合液の温度を−20℃〜室温の範囲に調整する、前記(1)に記載の分解処理方法。
(3)前記触媒がパラジウム担持活性炭である、前記(1)または(2)に記載の分解処理方法。
(1)有機塩素化合物とイソプロピルアルコールとアルカリ化合物との混合液を、マイクロ波照射装置内に設置した触媒充填カラムに流通させることにより、前記混合液中の有機塩素化合物を分解処理する分解処理方法において、
前記触媒として貴金属を担体に担持させた触媒を用いると共に、
前記混合液に5〜40質量%(イソプロピルアルコールと水の合計量に対する割合)の水を添加し、触媒充填カラムに充填した触媒表面へのアルカリ塩化物の析出を抑制することを特徴とする分解処理方法。
(2)触媒充填カラムを流通する混合液の温度を50〜80℃の範囲とし、マイクロ波照射装置外を流通する混合液の温度を−20℃〜室温の範囲に調整する、前記(1)に記載の分解処理方法。
(3)前記触媒がパラジウム担持活性炭である、前記(1)または(2)に記載の分解処理方法。
本発明の分解処理方法によれば、有機塩素化合物、イソプロピルアルコール、アルカリ化合物とともに水を添加して混合液を調製し、該混合液を触媒充填カラムに流通させて循環することで、KClなどのアルカリ塩化物の析出を抑制することができる。その結果、触媒寿命が延びて単位重量触媒当りの有機塩素化合物の分解処理量が増大し、有機塩素化合物の分解処理コストを低減することが可能となる。触媒寿命が延びる理由の詳細は明らかではないが、有機塩素化合物の分解で生じたアルカリ塩化物がイソプロピルアルコールと水の混合液に溶解することで、触媒表面でアルカリ塩化物が析出して沈着することが抑制されるためと推定される。
本発明の分解処理方法では、有機塩素化合物とイソプロピルアルコールとアルカリ化合物との混合液に、所定量の水を添加することが必須である。添加する水の量は、イソプロピルアルコールと水の合計量に対して、水が5〜40質量%となる量であり、好ましくは10〜20質量%となる量である。
水の量が5質量%以上あれば、有機塩素化合物の分解で生成するアルカリ塩化物が、イソプロピルアルコールと水の混合液中に溶解し、触媒表面でのアルカリ塩化物の析出が抑制され、触媒寿命の延長が可能となる。一方、水の量が40質量%以下であれば、水によって触媒が被毒され、PCBの分解反応が阻害されるのを回避することができる。
水の添加方法については特に限定されず、イソプロピルアルコールと水を予め混合して液を調製しておき、該液にアルカリ化合物を添加して溶解させても良いし、イソプロピルアルコールにアルカリ化合物を添加して溶解させた後、水を添加しても良い。または、水にアルカリ化合物を添加して溶解させた後、これにイソプロピルアルコールを添加しても良い。
イソプロピルアルコールは、有機塩素化合物に対して、容量比で20〜200倍量用いることが好ましい。イソプロピルアルコールの量が20倍量以上あれば、混合液の粘度が高くなりすぎることがなく、有機塩素化合物の分解反応の進行が阻害されることがない。一方、イソプロピルアルコールの量が200倍量以下であれば、イソプロピルアルコールを無駄に用いることを回避することができる。
アルカリ化合物としては、有機塩素化合物の分解で生じる塩素をトラップできる化合物であれば制限なく用いることができるが、コストや取扱い容易性の点より、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ化合物の添加量は、有機塩素化合物中の塩素原子に対して、1.0〜2.0倍当量が好ましい。
本発明において分解処理対象である有機塩素化合物としては、ポリ塩化ビフェニル(PCB)類;ダイオキシン類;2塩化ベンゼン、3塩化ベンゼン等の芳香族塩素化合物類;及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される有機塩素化合物が挙げられる。PCB類には、ダイオキシン類を含有するPCB類も含まれる。
PCB類の市販品としては、例えば、鐘淵化学(株)のKC−200(主成分:2塩化ビフェニル)、KC−300(主成分:3塩化ビフェニル)、KC−400(主成分:4塩化ビフェニル)、KC−500(主成分:5塩化ビフェニル)、KC−600(主成分:6塩化ビフェニル)、KC−1000(KC−500+3塩化ベンゼン)、KC−1300(KC−300+2塩化ベンゼン+4塩化ベンゼン)や、三菱モンサント(株)のアロクロール1254(54% Chlorine)等を挙げることができる。
PCB類の市販品としては、例えば、鐘淵化学(株)のKC−200(主成分:2塩化ビフェニル)、KC−300(主成分:3塩化ビフェニル)、KC−400(主成分:4塩化ビフェニル)、KC−500(主成分:5塩化ビフェニル)、KC−600(主成分:6塩化ビフェニル)、KC−1000(KC−500+3塩化ベンゼン)、KC−1300(KC−300+2塩化ベンゼン+4塩化ベンゼン)や、三菱モンサント(株)のアロクロール1254(54% Chlorine)等を挙げることができる。
触媒としては、貴金属担持触媒が好ましく、担持する貴金属としては、白金、ルテニウム、パラジウム、ロジウム等が挙げられるが、脱塩素化効率を高める観点からは、パラジウム、ルテニウム、白金が好ましく、特にパラジウムが好ましい。貴金属の担持量は、触媒全量に対する割合で、1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
貴金属を担持する担体としては、活性炭やグラファイトなどの炭素化合物、シリカゲルやアルミナなどの金属酸化物、ポリエチレンなどの樹脂を用いることができるが、アルカリ雰囲気下で安定な炭素化合物が好ましく、なかでも活性炭が好ましい。
本発明の分解処理方法では、有機塩素化合物、イソプロピルアルコール、アルカリ化合物および水の混合液を、循環させながら貴金属を担持させた触媒を充填した触媒層(触媒充填カラム)を流通させることで分解反応を進行させる。触媒充填カラムを流通する際の混合液の温度は、マイクロ波加熱により、50〜80℃の範囲にすることが好ましい。混合液の温度を50℃以上にすることで、有機塩素化合物の分解速度を速めることができ、また、80℃以下にすることで、水とイソプロピルアルコールの共沸温度以下に設定することができる。50〜70℃の範囲がより好ましく、55〜65℃の範囲がさらに好ましい。
触媒充填カラムを流通させる混合液は加熱されており、かつ当該混合液中には水が添加されているので、有機塩素化合物の分解で生じるアルカリ塩化物は、混合液中に十分溶解できるため、触媒表面に析出することなく触媒充填カラム中を通過すると考えられる。
混合液を流通させる触媒充填カラムは、その形状、大きさ、マイクロ波照射装置内における設置場所は特に限定されるものではなく、例えば、筒状の材料を触媒充填装置とし、その中に貴金属を担持させた触媒を充填した形状のものを、マイクロ波照射が可能な位置に設置すれば良い。触媒充填カラムの中には、触媒層深部へのマイクロ波の伝達を補助する目的で、テフロンなどのマイクロ波を伝達する材料で形成された棒状成形体を、1本ないし複数本設定することもできる。
触媒層充填カラムを流通させる混合液の加熱には、マイクロ波照射装置を用いる。マイクロ波の周波数は1〜300GHz、出力は40W〜5kWの範囲が好ましく、触媒充填カラムを流通させる混合液の温度が50〜80℃の範囲内の設定温度になるよう電気的に制御することが好ましい。マイクロ波の照射は、連続照射、間欠照射のいずれの方法であっても良いが、電気的に制御しながら連続照射するのが好ましい。マイクロ波照射装置としては、マグネトロン等のマイクロ波発生器を用いた装置や、固体素子を用いたマイクロ波発振器などを適宜用いることができる。
本発明の分解処理方法では、触媒充填カラムをマイクロ波照射装置内に設置することにより、触媒充填カラムを流通させる混合液を加熱する。触媒充填カラムを通過した混合液は、マイクロ波照射装置外を流通して、混合液を調製した容器に一旦戻された後、再び触媒充填カラムに流通させることで、混合液の循環が行われる。触媒カラムへの混合液の流通時間は特に限定されないが、通常、2〜300時間行われる。
有機塩素化合物の分解処理は不活性ガス中で行うことが、望ましくない副反応が起きない点で好ましいが、分解処理環境によっては不活性ガスの調達が困難な場合もあり得るため、自然雰囲気中で反応を行うこともできる。
そして、本発明では、マイクロ波照射装置外(調製容器も含む)を流通する混合液の温度は、触媒充填カラムを流通させる混合液の温度よりも低い温度、好ましくは20℃以上低い温度、より好ましくは30℃以上低い温度に設定するのが良い。具体的には、マイクロ波照射装置外を流通する混合液の温度を、−20℃〜常温の範囲に調整することが好ましい。室温とは、加温しない温度を意味し、通常15〜30℃である。
このように、マイクロ波照射装置外を流通する混合液の温度を、触媒充填カラムを流通させる混合液の温度よりも低温に設定することで、触媒充填カラムで分解された有機塩素化合物から生じるアルカリ塩化物の一部が、調製容器内に析出するので、析出したアルカリ塩化物を混合液から容易に除去することができる。そのため、循環して再び触媒充填カラムを流通させる混合液中のアルカリ塩化物が、触媒の表面に析出することを防ぐことができる。
以上の分解処理を行うことにより、数時間から2週間程度で混合液中の有機塩素化合物を所定の処理基準値以下に減少させることができる。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
図1に概要を示す装置を用いて、有機塩素化合物(PCB)の分解処理を実施した。
すなわち、粒状活性炭(商品名:ダイヤホープ008)にパラジウム(Pd)を5%担持させた触媒(平均粒径:約1mm)24gを、カラム式触媒充填装置に入れ、上下を100メッシュの網で挟み込み、触媒層を調製した後、当該カラム式触媒充填装置をマイクロ波照射装置内に設置した。
一方、リービッヒ冷却管、ポンプに接続された混合液の取り出し用ライン、及びカラム式触媒充填装置と接続された混合液の戻り用ラインを備えた内容量200mlの三つ口フラスコに、和光純薬製イソプロピルアルコール(IPA)146.1ml及び蒸留水15mlを秤取り、マグネチックスターラーで撹拌混合した後、水酸化カリウム5.98gを少しずつ添加しながら撹拌して溶解させた。次いで、PCB(KC−1000、KC−500/トリクロロベンゼンの6/4(質量比)混合物、鐘淵化学(株)製)3.9mlを加え混合液を調製した。
図1に概要を示す装置を用いて、有機塩素化合物(PCB)の分解処理を実施した。
すなわち、粒状活性炭(商品名:ダイヤホープ008)にパラジウム(Pd)を5%担持させた触媒(平均粒径:約1mm)24gを、カラム式触媒充填装置に入れ、上下を100メッシュの網で挟み込み、触媒層を調製した後、当該カラム式触媒充填装置をマイクロ波照射装置内に設置した。
一方、リービッヒ冷却管、ポンプに接続された混合液の取り出し用ライン、及びカラム式触媒充填装置と接続された混合液の戻り用ラインを備えた内容量200mlの三つ口フラスコに、和光純薬製イソプロピルアルコール(IPA)146.1ml及び蒸留水15mlを秤取り、マグネチックスターラーで撹拌混合した後、水酸化カリウム5.98gを少しずつ添加しながら撹拌して溶解させた。次いで、PCB(KC−1000、KC−500/トリクロロベンゼンの6/4(質量比)混合物、鐘淵化学(株)製)3.9mlを加え混合液を調製した。
フラスコを水浴(図1には図示せず。)中に設置し、混合液をマグネチックスターラーで撹拌しながら、ポンプを稼働してフラスコ内の混合液を10ml/minでカラム式充填装置に供給して循環させた。ポンプの稼働と同時にマイクロ波照射装置を稼働し、カラム式触媒充填装置のカラム表面温度が、60℃となるように、周波数2.45GHz、出力40〜60Wのマイクロ波を電気的に制御しながら照射し、PCBの分解反応を行った。カラム表面温度が60℃となった時点を反応の開始時刻とし、20時間に渡って反応を行い、適宜フラスコ内の混合液をサンプリングし、DB5MSをキャピラリーカラムとする島津製作所製GC-MS(QP5050A)で混合液中のPCB濃度を測定した。結果を図2に示す。
フラスコ内の混合液の状態を目視で観察し、反応開始から約10時間経過した頃から、混合液中に白色結晶が発生し、経時とともにフラスコ壁に付着する白色結晶が増加するのが認められた。反応終了後、当該白色結晶を取り出し、水に溶解し、硝酸銀を添加したところ沈殿を生じたことから、塩化カリウムであることを確認した。また、反応終了後に触媒を取り出したところ、触媒の固着化はなく、容易に取り出す事が出来た。
(比較例1)
蒸留水を添加しないこと、ならびに水酸化カリウムの量が6.26gであること以外は実施例1と同様にして、PCBの分解反応を8時間に渡って行った。経時による混合液中のPCB濃度を測定した結果を、実施例1と併せて図1に示す。
蒸留水を添加しないこと、ならびに水酸化カリウムの量が6.26gであること以外は実施例1と同様にして、PCBの分解反応を8時間に渡って行った。経時による混合液中のPCB濃度を測定した結果を、実施例1と併せて図1に示す。
実施例1の場合と同様、フラスコ内の混合液の状態を目視で観察したが、混合液中の白色結晶物の発生はほとんど認められず、フラスコ壁への白色結晶の付着もほとんど認められなかった。また、反応終了後に触媒を取り出したところ、触媒が固着化し、取り出すのが多少困難な状態であった。
図2より、IPA中に水を添加してPCBの分解反応を行った場合には、水を添加しない場合に比べて反応速度の低下は認められるが、PCBの分解そのものを阻害することはなく、PCB濃度が1ppm以下になるまで分解できることがわかる。
そして、PCBの分解で生じる塩化カリウムが触媒装置中で析出して触媒表面に付着することがないので、触媒の交換頻度の減少に繋がることが期待できる。
そして、PCBの分解で生じる塩化カリウムが触媒装置中で析出して触媒表面に付着することがないので、触媒の交換頻度の減少に繋がることが期待できる。
本発明に係る有機塩素化合物の分解処理方法を、PCBやダイオキシン類の分解処理に利用することにより、有機塩素化合物分解処理にともなう処理コストを大幅に削減することができる。よって、産業上の利用可能性大である。
Claims (3)
- 有機塩素化合物とイソプロピルアルコールとアルカリ化合物との混合液を、マイクロ波照射装置内に設置した触媒充填カラムに流通させることにより、前記混合液中の有機塩素化合物を分解処理する分解処理方法において、
前記触媒として貴金属を担体に担持させた触媒を用いると共に、
前記混合液に5〜40質量%(イソプロピルアルコールと水の合計量に対する割合)の水を添加し、触媒充填カラムに充填した触媒表面へのアルカリ塩化物の析出を抑制することを特徴とする分解処理方法。 - 触媒充填カラムを流通する混合液の温度を50〜80℃の範囲とし、マイクロ波照射装置外を流通する混合液の温度を−20℃〜室温の範囲に調整する、請求項1に記載の分解処理方法。
- 前記触媒がパラジウム担持活性炭である、請求項1または2に記載の分解処理方法。
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