JP2018160803A - プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法 - Google Patents

プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】投射面の投射領域に投射画像を投射させるための使用者の手間を低減できる技術を提供する。【解決手段】プロジェクターは、投射画像を投射面に投射する投射部と、投射面を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、撮像画像に基づいて、投射面に配置された着脱自在のオブジェクトの位置を検出する検出部と、オブジェクトの位置に基づいて、投射面における投射画像の投射位置を調整する調整部と、を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、プロジェクターおよびプロジェクターの制御方法に関する。
特許文献1には、投射画像の台形歪を補正するプロジェクターが記載されている。特許
文献1に記載のプロジェクターは、使用者によるリモコン操作に応じて送信される指示を
受信すると、投射面となるスクリーンの枠を検出し、投射画像が枠(投射領域)に収まる
ように台形歪補正を実行する。
特開2006−60447号公報
ところで、投射面に着脱自在に配置されるオブジェクト(例えば、マグネット付き部材
)を使って、投射面に投射画像の投射領域を設定することが考えられる。
この場合、特許文献1に記載のプロジェクターの使用者は、オブジェクトを使って投射
面に投射領域を設定するごとにリモコンを操作する必要があり、手間がかかってしまう。
また、投射面とプロジェクターとの位置関係が変化した場合にも、使用者はリモコンを操
作する必要があり、手間がかかってしまう。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、投射面の投射領域に投射画像を投
射させるための使用者の手間を低減できる技術を提供することを解決課題とする。
本発明に係るプロジェクターの一態様は、投射画像を投射面に投射する投射部と、前記
投射面を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、前記撮像画像に基づいて、前記投射面に
配置された着脱自在のオブジェクトの位置を検出する検出部と、前記オブジェクトの位置
に基づいて、前記投射面における前記投射画像の投射位置を調整する調整部と、を有する
ことを特徴とする。
この態様によれば、投射面に配置された着脱自在のオブジェクトの位置に応じて投射位
置を自動的に調整することが可能になる。このため、投射面の投射領域に投射画像を投射
させるための使用者の手間を低減することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記検出部は、さらに、前記撮像画像に基
づいて、前記撮像画像上での前記オブジェクトの移動を検出し、前記調整部は、前記撮像
画像上での前記オブジェクトの移動が検出された場合に、前記投射位置を調整することが
望ましい。
プロジェクターまたは投射面の位置がずれると、プロジェクターと投射面との相対的な
位置関係が変化して、投射面において投射画像の投射位置がずれる。また、プロジェクタ
ーと投射面との相対的な位置関係が変化すると、撮像画像上でオブジェクトが移動する。
この態様によれば、撮像画像上でのオブジェクトの移動が検出された場合に、投射位置
が調整される。このため、この態様によれば、投射面において投射位置がずれた場合に、
投射位置を自動的に調整することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記検出部は、前記投射面に配置された着
脱自在の複数のオブジェクトの位置を検出し、前記調整部は、前記複数のオブジェクトの
位置に基づいて前記投射画像の投射範囲を決定し、前記投射画像が前記投射範囲内に投射
されるように前記投射位置を調整することが望ましい。この態様によれば、複数のオブジ
ェクトの位置に基づいて決定された投射範囲に、投射画像を投射することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記調整部は、前記投射位置を変更する位
置変更部の駆動を制御することによって前記投射位置を調整することが望ましい。この態
様によれば、位置変更部を用いて投射位置を調整することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記位置変更部は、前記投射画像の投射方
向を変更することによって前記投射位置を変更することが望ましい。この態様によれば、
投射画像の投射方向を変更して投射位置を調整することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記投射部は、投射レンズと、前記投射レ
ンズを前記投射レンズの光軸と交差する方向にシフトするレンズシフト部と、を有し、前
記位置変更部は、前記レンズシフト部であることが望ましい。この態様によれば、レンズ
シフト部を用いて投射位置を調整することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記位置変更部は、前記投射部をシフトす
ることによって前記投射位置を変更することが望ましい。この態様によれば、投射部をシ
フトして投射位置を調整することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記位置変更部は、前記投射部を回転させ
ることによって前記投射位置を変更することが望ましい。この態様によれば、投射部を回
転して投射位置を調整することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記投射部は、ズームレンズと、前記ズー
ムレンズのズーム状態を変更するレンズ駆動部と、を有し、前記位置変更部は、前記レン
ズ駆動部であることが望ましい。この態様によれば、ズームレンズのズーム状態を変更し
て投射位置を調整することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記調整部は、前記投射画像を示す画像情
報を調整することによって前記投射位置を調整することが望ましい。この態様によれば、
画像情報を調整して投射位置を調整することが可能になる。
上述したプロジェクターの一態様において、前記オブジェクトは、再帰性反射部材であ
ることが望ましい。再帰性反射部材で反射された光は、入射した光の方向に反射される。
このため、プロジェクターに投射部と共に設けられた撮像部は、この反射光を受光しやす
くなる。このため、この態様によれば、撮像画像にオブジェクトが表示されやすくなり、
オブジェクトの位置を検出しやすくなる。
本発明に係るプロジェクターの制御方法の一態様は、投射画像を投射面に投射するステ
ップと、前記投射面を撮像して撮像画像を生成するステップと、前記撮像画像に基づいて
、前記投射面に着脱自在に配置されたオブジェクトの位置を検出するステップと、前記オ
ブジェクトの位置に基づいて、前記投射面における前記投射画像の投射位置を調整するス
テップと、を有することを特徴する。
この態様によれば、投射面の投射領域に投射画像を投射させるための使用者の手間を低
減することが可能になる。
本発明を適用した第1実施形態に係るプロジェクター1を示した図である。 支持装置3の一例を示した図である。 プロジェクター1を模式的に示した図である。 撮像部108の一例を示した図である。 設置ガイド画像I1を示した図である。 位置検出用パターンI2を示した図である。 第1パターンI3を示した図である。 第2パターンI4を示した図である。 第3パターンI5を示した図である。 電源投入に伴う動作を説明するためのフローチャートである。 投射面5が黒板8に設置されている状況を示した図である。 オブジェクト7が配置された投射面5を示した図である。 設置ガイド画像I1の投射例を示した図である。 手動での調整が完了した状態を示した図である。 位置検出用パターンI2の投射例を示した図である。 第1パターンI3の投射例を示した図である。 第2パターンI4の投射例を示した図である。 第3パターンI5の投射例を示した図である。 投射領域6に投射画像が投射された例を示した図である。 投射領域6に投射画像が投射された他の例を示した図である。 投射領域6に投射画像が投射されたさらに他の例を示した図である。 追跡処理を説明するためのフローチャートである。 投射面5が回転したときの状況を示した図である。 投射面5が回転したときの撮像画像を示した図である。 手動調整に代えて追跡処理を行う場合の動作を示したフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。なお、図面において各
部の寸法および縮尺は実際のものと適宜異なる。また、以下に記載する実施の形態は、本
発明の好適な具体例である。このため、本実施形態には、技術的に好ましい種々の限定が
付されている。しかしながら、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
<第1実施形態>
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係るプロジェクター1を示した図である。プ
ロジェクター1は、天井2に設置された支持装置3によって支持されている。なお、支持
装置3は、天井2ではなく、壁等に設置されてもよい。
図2は、支持装置3の一例を示した図である。支持装置3は、ベース部31と、第1ア
ーム部32と、第2アーム部33と、保持部34と、アーム駆動部35と、回転駆動部3
6と、を含む。
ベース部31は、天井2に固定され、第1アーム部32を支持する。第2アーム部33
は、第1アーム部32に対して矢印E方向(プロジェクター1の投射画像の光軸方向)に
スライド可能に構成されている。第1アーム部32には、第2アーム部33のスライド量
を調整するアーム駆動部35が設けられている。アーム駆動部35による駆動は、プロジ
ェクター1によって制御される。アーム駆動部35は、プロジェクター1(特には、投射
部104)をシフトすることによってプロジェクター1の投射画像の投射位置を変更する
位置変更部の一例である。第2アーム部33は、プロジェクター1を保持する保持部34
を支持する。保持部34は、軸34aを回転軸として矢印F方向に回転可能に構成されて
いる。第2アーム部33には、保持部34の回転量を調整する回転駆動部36が設けられ
ている。回転駆動部36による駆動は、プロジェクター1によって制御される。回転駆動
部36は、プロジェクター1の投射画像の投射方向を変更することによって投射位置を変
更する位置変更部の一例である。さらに言えば、回転駆動部36は、プロジェクター1(
特には、投射部104)を回転させることによってプロジェクター1の投射画像の投射位
置を変更する位置変更部の一例である。
プロジェクター1は、支持装置3のアーム駆動部35および回転駆動部36の駆動を制
御することで、プロジェクター1の姿勢を調整できる。図1に戻って、プロジェクター1
は、PC(パーソナルコンピューター)4から画像情報を受け取り、その画像情報に応じ
た投射画像を投射部104から投射面5に投射する。
投射面5は、例えば、マグネットスクリーンの投射面である。マグネットスクリーンは
、互いに対向する投射面とマグネット面とを有している。マグネットスクリーンの使用の
一態様としては、マグネット面が黒板等に張り付けられた状態で、プロジェクター1から
、マグネットスクリーンの投射面に投射画像が投射される。なお、投射面5は、マグネッ
トスクリーンの投射面に限らず、例えば、ホワイトボードでもよく適宜変更可能である。
使用者は、投射面5にオブジェクト7を配置することで、投射面5において使用者が投
射画像を投射させたい投射領域6を設定する。図1では、4つのオブジェクト7によって
四角形の投射領域6が設定されている。具体的には、投射領域6の4つの頂点A〜Dの各
々の位置にオブジェクト7が配置されている。オブジェクト7は、投射面5に対して着脱
自在である。本実施形態では、オブジェクト7として、マグネットを備えた再帰性反射部
材が用いられている。なお、オブジェクト7は、マグネットを備えた再帰性反射部材に限
らず適宜変更可能である。
プロジェクター1は、オブジェクト7が配置された投射面5を撮像部108で撮像して
撮像画像を生成する。プロジェクター1は、撮像画像に基づいて、投射面5に配置された
オブジェクト7の位置を検出する。プロジェクター1は、オブジェクト7の位置に基づい
て投射領域6を決定し、投射領域6に投射画像を投射する。
例えば、プロジェクター1は、撮像画像を繰り返し生成し、撮像画像上でのオブジェク
ト7の移動を検出した場合(例えば、プロジェクター1、投射面5またはオブジェクト7
が動かされた場合)に、オブジェクト7の移動後の位置に基づいて投射領域6を決定し、
投射領域6に投射画像を投射する。
投射領域6に投射画像を投射する1つの手法としては、プロジェクター1が、支持装置
3のアーム駆動部35と回転駆動部36との両方または一方を制御してプロジェクター1
の投射面5に対する位置や姿勢を変更することによって投射領域6に投射画像を投射する
手法が挙げられる。
他の手法としては、プロジェクター1が、投射領域6に投射画像が投射されるように投
射画像に対し台形歪補正を実行する手法が挙げられる。
図3は、プロジェクター1を模式的に示した図である。プロジェクター1は、操作部1
01と、画像処理部102と、ライトバルブ駆動部103と、投射部104と、光源駆動
部105と、レンズ駆動部106と、レンズシフト部107と、撮像部108と、記憶部
109と、制御部110と、バス111と、を含む。画像処理部102は、画像合成部1
02aと、台形歪補正部102bと、を含む。投射部104は、光源11と、光変調装置
の一例である3つの液晶ライトバルブ12(12R,12G,12B)と、投射光学系1
3と、を含む。投射光学系13は、ズームレンズ13aと、投射レンズ13bと、を含む
。ズームレンズ13aの光軸は、投射レンズ13bの光軸と一致している。図3では、ズ
ームレンズ13aの光軸と投射レンズ13bの光軸とを「光軸13c」で示している。
操作部101は、例えば、各種の操作ボタン、操作キーまたはタッチパネルである。操
作部101は、使用者の入力操作を受け取る。なお、操作部101は、入力操作に応じた
情報を無線または有線で送信するリモートコントローラー等であってもよい。その場合、
プロジェクター1は、リモートコントローラーが送信した情報を受信する受信部を備える
。リモートコントローラーは、入力操作を受け取る各種の操作ボタン、操作キーまたはタ
ッチパネルを備える。
画像処理部102は、画像情報に画像処理を施して画像信号を生成する。例えば、画像
処理部102は、PC4(図1参照)から受信した画像情報(以下「受信画像情報」とも
称する)に画像処理を施して画像信号を生成する。
画像合成部102aは、複数の画像情報を合成したり、単一の画像情報を出力したりす
る。具体的には、画像合成部102aは、画像メモリー(以下「レイヤー」とも称する)
に書き込まれた画像情報を合成したり出力したりする。レイヤーは、画像合成部102a
に内蔵されてもよいし内蔵されていなくてもよい。
画像合成部102aは、2つのレイヤー、具体的には、第1レイヤーと第2レイヤーと
を備えている。第1レイヤーには、例えば、受信画像情報が書き込まれる。第2レイヤー
には、例えば、プロジェクター1の設置をガイドする画像(以下「設置ガイド画像」と称
する)を示す設置ガイド画像情報、オブジェクト7の位置を検出するためのパターンを示
す位置検出用パターン情報(画像情報)、および射影変換行列を生成するためのパターン
を示す行列生成用パターン情報(画像情報)が択一的に書き込まれる。本実施形態では、
行列生成用パターン情報として、第1〜第3パターン情報が用いられる。射影変換行列に
ついては後述する。
第1レイヤーに画像情報が書き込まれており、第2レイヤーに画像情報が書き込まれて
いない場合、画像合成部102aは、第1レイヤーに書き込まれた画像情報を出力する。
第1レイヤーに画像情報が書き込まれておらず、第2レイヤーに画像情報が書き込まれて
いる場合、画像合成部102aは、第2レイヤーに書き込まれた画像情報を出力する。第
1レイヤーと第2レイヤーとの双方に画像情報が書き込まれている場合、画像合成部10
2aは、第1レイヤーに書き込まれた画像情報と、第2レイヤーに書き込まれた画像情報
とを合成して合成画像情報を生成し、合成画像情報(画像情報)を出力する。
台形歪補正部102bは、画像合成部102aが出力した画像情報に台形歪補正を施し
て画像信号を生成する。台形歪補正部102bは、画像合成部102aが出力した画像情
報に台形歪補正を施さない場合、画像合成部102aが出力した画像情報に応じた画像信
号を生成する。
ライトバルブ駆動部103は、画像信号に基づいて液晶ライトバルブ12(12R,1
2G,12B)を駆動する。
投射部104は、投射面5に投射画像を投射する。投射部104では、光源11から射
出された光を液晶ライトバルブ12が変調して投射画像光(投射画像)を形成し、この投
射画像光が投射光学系13から拡大投射される。
光源11は、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、LED(Light Emitting Diode)、
またはレーザー光源等である。光源11から射出された光は、不図示のインテグレーター
光学系によって輝度分布のばらつきが低減され、その後、不図示の色分離光学系によって
光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色光成分に分離される。R,G
,Bの色光成分は、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
液晶ライトバルブ12は、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって
構成される。液晶ライトバルブ12には、マトリクス状に配列された複数の画素12pか
らなる矩形の画素領域12aが形成されている。液晶ライトバルブ12では、液晶に対し
て画素12pごとに駆動電圧を印加することができる。ライトバルブ駆動部103が、画
像処理部102から入力される画像信号に応じた駆動電圧を各画素12pに印加すると、
各画素12pは、画像信号に応じた光透過率に設定される。このため、光源11から射出
された光は、画素領域12aを透過することで変調され、画像信号に応じた画像が色光ご
とに形成される。
各色の画像は、図示しない色合成光学系によって画素12pごとに合成され、カラー画
像光(カラー画像)である投射画像光(投射画像)が生成される。投射画像光は、投射光
学系13によって投射面5に拡大投射される。
光源駆動部105は、光源11を駆動する。例えば、光源駆動部105は、操作部10
1が電源オン操作を受け取ると、光源11を発光させる。
レンズ駆動部106は、ズームレンズ13aのズーム状態を変更する。具体的には、レ
ンズ駆動部106は、光軸13cに沿ってズームレンズ13aを方向Gに移動することで
ズームレンズ13aのズーム状態を変更する。レンズ駆動部106は、位置変更部の一例
である。
レンズシフト部107は、投射光学系13、さらに言えば投射レンズ13bを、光軸1
3cと交差する方向H(例えば、光軸13cと直交する方向)にシフトできる。レンズシ
フト部107は、さらに、投射レンズ13bを、光軸13cと方向Hとの両方に垂直な方
向にシフトできる。レンズシフト部107は、投射画像の投射方向を変更することによっ
て投射位置を変更する位置変更部の一例である。
撮像部108は、投射面5を撮像して撮像画像を生成する。
図4は、撮像部108の一例を示した図である。撮像部108は、レンズ等の光学系2
1と、光学系21にて集光された光を電気信号に変換する撮像素子22等を備えたカメラ
である。撮像素子22は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサー
またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである
。撮像部108は、投射面5を繰り返し撮像して撮像画像を時系列で生成する。
図3に戻って、記憶部109は、コンピューターが読み取り可能な記録媒体である。記
憶部109は、プロジェクター1の動作を規定するプログラムと、種々の情報(例えば、
画像合成部102aで使用される画像情報)とを記憶している。画像合成部102aで使
用される画像情報は、例えば、設置ガイド画像情報と、位置検出用パターン画像情報と、
第1〜第3パターン情報である。なお、これらの情報は、記憶部109に予め記憶されて
いる構成に限定されず、プログラムにより都度生成される構成であってもよい。
図5は、設置ガイド画像情報に応じて設置ガイド画像I1を示した図である。設置ガイ
ド画像I1の領域I1aには、使用者にプロジェクター1の設置をガイドするガイド情報
が示される。
図6は、位置検出用パターン画像情報に応じた位置検出用パターンI2を示した図であ
る。位置検出用パターンI2は、投射面5に配置されたオブジェクト7を検出するために
用いられる。位置検出用パターン画像は、例えば、全体が白色の画像である。
図7は、第1パターン情報に応じた第1パターンI3を示した図である。第1パターン
I3では、黒色の背景I3aの上に、白色の矩形パターンI3bが重畳されている。図8
は、第2パターン情報に応じた第2パターンI4を示した図である。第2パターンI4は
、全体が黒色の画像である。図9は、第3パターン情報に応じた第3パターンI5を示し
た図である。第3パターンI5では、黒色の背景I5aの上において、図7に示した矩形
パターンI3bの4つの頂点の位置と同じ位置に白色のドットI5bが重畳されている。
第1パターンI3と第2パターンI4と第3パターンI5は、射影変換行列を生成する
ために用いられる。射影変換行列は、液晶ライトバルブ12における画像を撮像画像に射
影変換するための行列である。すなわち、射影変換行列は、投射部104が投射した投射
画像と、投射画像を撮像した撮像画像との間で位置を対応づける情報である。
図3に戻って、制御部110は、CPU(Central Processing Unit)等のコンピュー
ターである。制御部110は、記憶部109に記憶されているプログラムを読み取り実行
することによって、投射制御部41と、撮像制御部42と、位置検出部43と、調整部4
4と、変換行列生成部45とを実現する。
投射制御部41は、光源駆動部105を制御して投射部104による投射画像の投射を
制御する。撮像制御部42は、撮像部108による撮像を制御する。
位置検出部43は、投射面5に配置されたオブジェクト7の位置を、撮像画像に基づい
て検出する。また、位置検出部43は、撮像画像に基づいて、撮像画像上でのオブジェク
ト7の移動を検出する。位置検出部43は、検出部の一例である。
調整部44は、オブジェクト7の位置に基づいて、投射面5における投射画像の投射位
置を調整する。例えば、調整部44は、オブジェクト7の移動が検出された場合、オブジ
ェクト7の移動後の位置に基づいて、投射面5における投射画像の投射位置を調整する。
調整部44は、台形歪補正部102b、レンズ駆動部106、レンズシフト部107、ア
ーム駆動部35(図2参照)、または回転駆動部36(図2参照)の動作を制御して、投
射面5における投射画像の投射位置を調整する。例えば、調整部44は、台形歪補正部1
02bでの補正量を調整することで画像情報を調整して投射位置を調整する。
変換行列生成部45は、射影変換行列を生成する。変換行列生成部45は、射影変換行
列を記憶部109に記憶する。
次に、動作を説明する。
まず、電源投入時の動作について説明する。図10は、電源投入に伴う動作を説明する
ためのフローチャートである。以下では、第1レイヤーに画像情報が書き込まれていない
とする。
図11に示したように、マグネットスクリーン等の投射面5が、黒板8に設置されてい
る状況で、使用者は、投射領域6を設定するために複数のオブジェクト7(本実施形態で
は、4つのオブジェクト7)を投射面5に配置する(図12参照)。
続いて、使用者は、支持装置3に支持されているプロジェクター1の操作部(例えば、
リモコン)101を操作してプロジェクター1の電源をオンする。プロジェクター1が電
源オンに伴い起動すると、投射制御部41は、光源駆動部105を制御して光源11を点
灯させる。
続いて、使用者は、操作部101を操作して、投射位置の自動調整を開始する旨の補正
開始指示を入力する。補正開始指示が入力されると、調整部44は、記憶部109から設
置ガイド画像情報を読み取り、設置ガイド画像情報を第2レイヤーに書き込み、さらに台
形歪補正部102bでの補正量をゼロにする。これにより、画像処理部102は、設置ガ
イド画像情報に応じた画像信号を生成し、投射部104は、この画像信号に応じて設置ガ
イド画像I1(図5参照)を、投射面5に投射する(ステップS1)。
図13は、設置ガイド画像I1の投射例を示した図である。例えば、設置ガイド画像I
1の斜線領域が「青色」である場合、領域I1aに示されるガイド情報として、「青色部
分にオブジェクトが入るように、プロジェクター等の位置を調整してください」という旨
の情報が用いられる。ガイド情報は、適宜変更である。なお、図13では、プロジェクタ
ー1と投射面5との相対的な位置関係に起因して、設置ガイド画像I1に台形歪が生じて
いる。
使用者は、ガイド情報に従い、プロジェクター1の向きまたは位置、または、オブジェ
クト7の位置を手動で調整する。図14は、手動での調整が完了した状態を示した図であ
る。
使用者は、手動での調整を終了すると、操作部101を操作して実行開始指示を入力す
る。操作部101が実行開始指示を受け取ると(ステップS2:YES)、調整部44は
、自動的に投射位置の調整を行うために、各パターンの投射と各パターンの検出を開始す
る。
まず、調整部44は、記憶部109から位置検出用パターン情報を読み取り、位置検出
用パターン情報を第2レイヤーに書き込む。これにより、画像処理部102は、位置検出
用パターン情報に応じた画像信号を生成し、投射部104は、この画像信号に応じて、位
置検出用パターンI2(図6参照)を、投射面5に投射する(ステップS3)。
図15は、位置検出用パターンI2の投射例を示した図である。位置検出用パターンI
2は、オブジェクト7で反射された光を検出するために使用される。本実施形態では、オ
ブジェクト7での反射光を検出しやすくするために、位置検出用パターンI2として、白
色の画像が用いられる。
続いて、撮像制御部42は、撮像部108に投射面5を撮像させて撮像画像を生成させ
る(ステップS4)。このとき、撮像制御部42は、撮像画像が適切な明るさで生成され
るように露出制御を行う。
続いて、位置検出部43は、撮像画像を解析して、撮像画像上でのオブジェクト7の位
置を検出する(ステップS5)。ステップS5では、以下の処理が実行される。
オブジェクト7は再帰性反射部材を有しているため、撮像画像上では、オブジェクト7
は周囲と比べて輝度が高くなる。このため、位置検出部43は、まず、撮像画像上で周囲
と比べて輝度が高くなっている領域を、「オブジェクト7が存在する領域」として検出す
る。続いて、位置検出部43は、オブジェクト7ごとに、「オブジェクト7が存在する領
域」の重心位置(重心座標)を、「オブジェクト7の位置」として検出する。
なお、オブジェクト7は、重心位置の検出精度が高くなるような形状および反射特性(
例えば、(例えば、平面視で円形であって、重心位置に近いほど反射率が高い特性)であ
ることが望ましい。
また、オブジェクト7の位置は、オブジェクト7の重心位置に限らず適宜変更可能であ
る。例えば、オブジェクト7が多角形である場合、オブジェクト7の位置として、オブジ
ェクト7の頂点が用いられてもよい。また、オブジェクト7が厚みのある立体形状(球体
、直方体等)の場合には、その厚み分のオフセット量を加味して、オブジェクト7の位置
を求めてもよい。
ステップS5が完了すると、変換行列生成部45は、記憶部109から第1パターン情
報を読み取り、第1パターン情報を第2レイヤーに書き込む。これにより、画像処理部1
02は、第1パターン情報に応じた画像信号を生成し、投射部104は、この画像信号に
応じて、第1パターンI3(図7参照)を、投射面5に投射する(ステップS6)。図1
6は、第1パターンI3の投射例を示した図である。
続いて、撮像制御部42は、撮像部108に投射面5を撮像させて第1撮像画像を生成
させる(ステップS7)。続いて、撮像部108は、第1撮像画像を変換行列生成部45
に出力する。
続いて、変換行列生成部45は、記憶部109から第2パターン情報を読み取り、第2
パターン情報を第2レイヤーに書き込む。これにより、画像処理部102は、第2パター
ン情報に応じた画像信号を生成し、投射部104は、この画像信号に応じて、第2パター
ンI4(図8参照)を、投射面5に投射する(ステップS8)。図17は、第2パターン
I4の投射例を示した図である。
続いて、撮像制御部42は、撮像部108に投射面5を撮像させて第2撮像画像を生成
させる(ステップS9)。続いて、撮像部108は、第2撮像画像を変換行列生成部45
に出力する。
続いて、変換行列生成部45は、第1撮像画像と第2撮像画像との差分を取って矩形パ
ターンI3bを検出する。続いて、変換行列生成部45は、撮像画像上における矩形パタ
ーンI3bの4つの頂点の位置を検出する(ステップS10)。
続いて、変換行列生成部45は、記憶部109から第3パターン情報を読み取り、第3
パターン情報を第2レイヤーに書き込む。これにより、画像処理部102は、第3パター
ン情報に応じた画像信号を生成し、投射部104は、この画像信号に応じて、第3パター
ンI5(図9参照)を、投射面5に投射する(ステップS11)。図18は、第3パター
ンI5の投射例を示した図である。
続いて、撮像制御部42は、撮像部108に投射面5を撮像させて第3撮像画像を生成
させる(ステップS12)。続いて、撮像部108は、第3撮像画像を変換行列生成部4
5に出力する。
続いて、変換行列生成部45は、第3撮像画像において、ステップS10で検出した4
つの頂点の位置をドットI5bの探索開始位置として用いて、ドットI5bごとに、「ド
ットI5bが存在する領域」を検出する。続いて、変換行列生成部45は、ドットI5b
ごとに、「ドットI5bが存在する領域」の重心位置(重心座標)を、「ドットI5bの
位置」として検出する(ステップS13)。このように、変換行列生成部45は、高い精
度で検出が可能なドットの重心を、検出が容易な矩形パターンの頂点に基づいて検出して
いるため、所定の位置を高い精度で素早く特定することができる。
続いて、変換行列生成部45は、第3パターン情報で特定される4つのドットI5bの
重心座標と、撮像画像における4つのドットI5bの重心座標と、の位置関係に基づいて
、射影変換行列を算出する(ステップS14)。続いて、変換行列生成部45は、射影変
換行列を記憶部109に記憶する。なお、それほど高い位置精度が要求されない場合には
、第3パターンI5(ドットI5b)を用いることなく、矩形パターンI3bの4つの頂
点の位置に基づいて射影変換行列を算出してもよい。また、第3パターンI5において、
ドットI5bの代わりに十字マーク等を配置して、この交点の位置に基づいて射影変換行
列を算出するようにしてもよい。
続いて、位置検出部43は、射影変換行列の逆行列を算出し、この行列を用いて、撮像
画像上でのオブジェクト7の位置を、液晶ライトバルブ12上の位置に変換する。
続いて、調整部44は、液晶ライトバルブ12上での4つのオブジェクト7の位置を頂
点とする四角形の領域(液晶ライトバルブ12において投射領域6に対応する領域)を、
投射画像の投射範囲として決定する。続いて、調整部44は、投射画像の投射範囲に投射
画像を収めるための台形歪補正量を算出する(ステップS15)。
続いて、調整部44は、ステップS15で算出した台形歪補正量を台形歪補正部102
bに設定する。台形歪補正部102bは、台形歪補正量が設定されると、この台形歪補正
量に基づいて、画像合成部102aの出力(画像情報)に対して台形歪補正を実行する(
ステップS16)。このため、例えば、図19に示したように、オブジェクト7の位置に
て特定される投射領域6に投射画像(例えば、受信画像情報に応じた画像)が投射される
なお、ステップS15において、調整部44は、画像情報に基づいた投射画像のアスペ
クト比を維持しつつ投射領域に投射画像を収めるための台形歪補正量を算出してもよい。
例えば、調整部44は、図20に示すように、投射画像P全体が投射領域6に収まってお
り、投射領域6のうち投射画像Pが存在しない領域6aが黒で表示されるように、台形歪
補正量を算出する。この場合、投射画像Pの縦横比の乱れを抑制することが可能になる。
また、調整部44は、例えば図21に示すように投射画像Pのアスペクト比を維持しつ
つ、投射領域6全体に投射画像Pが投射されるように、台形歪補正量を算出してもよい。
この際、調整部44は、投射画像Pの縦の長さと投射領域6の縦の長さが一致するか、投
射画像Pの横の長さと投射領域6の横の長さが一致するように、台形歪補正量を算出する
。この場合、投射画像Pの縦横比の乱れを抑制しつつ、投射画像Pのサイズを大きくする
ことができる。なお、図19〜図21のどの態様で投射画像Pを投射するかについては、
投射位置の自動調整の開始前または開始後に、使用者がメニュー操作等により選択できる
ようにすることが望ましい。
次に、撮像画像上でのオブジェクト7の移動を検出した場合(例えば、プロジェクター
1、投射面5またはオブジェクト7が動かされた場合)に、オブジェクト7の移動後の位
置に基づいて投射領域6を決定し、投射領域6に投射画像を投射する処理(以下「追跡処
理」と称する)について説明する。以下では、プロジェクター1が追跡処理を実行する追
跡モードを有しているとする。
図22は、追跡処理を説明するためのフローチャートである。図22に示した処理のう
ち、図10に示した処理と同様の処理には同一符号を付してある。以下、図22に示した
処理のうち、図10に示した処理と異なる処理を中心に説明する。
操作部101が、追跡モードをオンにする入力操作を受け取ると、図22に示した追跡
処理が定期的に実行される。なお、追跡処理の周期(頻度)については、例えば、時間単
位、日単位、週単位または月単位等の中から、使用者がメニュー操作等により所望の周期
を決定できるようにしてもよい。
位置検出部43は、撮像部108が生成した撮像画像からオブジェクト7を検出し、今
回の追跡処理で検出されたオブジェクト7の位置と、前回の追跡処理で検出されたオブジ
ェクト7の位置とを比較し、オブジェクト7が移動したか否かを判断する(ステップS2
1)。なお、追跡モードがオンになってから最初の追跡処理では、前回の撮像画像は存在
しないため、位置検出部43は、オブジェクト7の移動がないと判断する。または、追跡
モードをオンにすると、図10に示した処理が実行され、オブジェクト7の初期位置を記
憶しておくような構成にしてもよい。ステップS21では、以下の処理が実行される。
マグネットスクリーン(投射面5)が移動されたり、プロジェクター1が移動されたり
、投射面5上のオブジェクト7の位置が移動されたりして、撮像画像上の4つのオブジェ
クト7の各々の位置の移動が所定の閾値を超えた場合、位置検出部43は、オブジェクト
7が移動したと判断する。なお、オブジェクト7の移動を判断する閾値は、オブジェクト
7の位置に応じて異なる閾値を採用してもよい。
一方、撮像画像上の4つのオブジェクト7の少なくとも1つの位置の移動が所定の閾値
を超えない場合、位置検出部43は、オブジェクト7の移動がないと判断する。
このため、例えば、投射面5の振動等に起因して撮像画像上でオブジェクト7が所定の
閾値以下の範囲で移動しても、位置検出部43は、オブジェクト7は実質的には移動して
いないと判断する。
また、例えば、オブジェクト7とプロジェクター1との間を人が横切り、その影響で、
一部のオブジェクト7が検出できなかったり、一部のオブジェクト7の移動量のみが所定
の閾値を超えたりしても、位置検出部43は、オブジェクト7は実質的には移動していな
いと判断する。
なお、位置検出部43は、オブジェクト7の移動量が所定回数連続して所定の閾値を超
えた場合に移動したと判断してもよい。このようにすれば、例えば、一時的な振動によっ
て撮像画像上でオブジェクト7の位置が移動した場合に、オブジェクト7は実質的には移
動していないと判断することができる。
また、位置検出部43は、他の手法(例えば、上述した手法の組合せ)で、撮像画像上
でオブジェクト7が移動したか否かを判断してもよい。例えば、少なくとも2つのオブジ
ェクト7の位置の移動が所定の閾値を超えた場合、位置検出部43は、オブジェクト7が
移動したと判断してもよい。
位置検出部43が、オブジェクト7の移動を検出しなかった場合(ステップS21:N
O)、今回の追跡処理が終了する。
一方、位置検出部43がオブジェクト7の移動を検出した場合(ステップS21:YE
S)、まず、射影変換行列を生成するための処理が実行される(ステップS6〜S14)
続いて、調整部44は、オブジェクト7の位置が投射可能領域内であるか否かを判断す
る(ステップS22)。
具体的には、調整部44は、まず、新たに生成された射影変換行列に基づいて、液晶ラ
イトバルブ12の画素領域12a(投射可能領域)の撮像画像上での位置を推定する。続
いて、調整部44は、撮像画像において、オブジェクト7の位置が画素領域12a(投射
可能領域)に含まれている場合には、オブジェクト7の位置が投射可能領域内であると判
断する。
一方、撮像画像において、オブジェクト7の位置が画素領域12a(投射可能領域)に
含まれていない場合には、調整部44は、オブジェクト7の位置が投射可能領域外である
と判断する。
オブジェクト7の位置が投射可能領域内である場合には(ステップS22:YES)、
ステップS15およびS16が実行され、投射領域6に投射画像が投射される。
オブジェクト7の位置が投射可能領域外である場合には(ステップS22:NO)、投
射画像に対する台形歪補正では、投射領域6に投射画像を収めることができない。
そこで、調整部44は、撮像画像上でのオブジェクト7の移動に応じて、レンズ駆動部
106、レンズシフト部107、アーム駆動部35および回転駆動部36のうち少なくと
も1つを駆動して、プロジェクター1と投射面5との位置関係を変更する(ステップS2
3)。
例えば、撮像画像に基づいてオブジェクト7が平行に移動したと判断された場合には、
調整部44は、その移動に応じた方向に、移動量に応じた量だけ投射レンズ13bが移動
するように、レンズシフト部107を駆動する。
プロジェクター1とオブジェクト7との距離が短くなって、撮像画像上での各オブジェ
クト7の間隔が広がった場合、調整部44は、撮像画像上での各オブジェクト7の間隔が
広がった分だけ狭くなるように(プロジェクター1とオブジェクト7との距離が長くなる
ように)、アーム駆動部35とレンズ駆動部106の両方または一方を駆動する。
また、プロジェクター1とオブジェクト7との距離が長くなって、撮像画像上での各オ
ブジェクト7の間隔が狭くなった場合、調整部44は、撮像画像上での各オブジェクト7
の間隔が広がるように、アーム駆動部35とレンズ駆動部106の両方または一方を駆動
する。一例を挙げると、撮像画像上での各オブジェクト7の間隔が狭くなった場合、調整
部44は、撮像画像上での各オブジェクト7の間隔が所定量だけ広がるように(プロジェ
クター1とオブジェクト7との距離が短くなるように)、アーム駆動部35とレンズ駆動
部106の両方または一方を駆動する。
また、図23に示したように投射面5が回転して、図24に示したように撮像画像9に
おいて、オブジェクト7aとオブジェクト7dの距離が長くなり、オブジェクト7bとオ
ブジェクト7cの距離が短くなった場合、調整部44は、撮像画像9において、オブジェ
クト7aとオブジェクト7dの距離が短くなり、オブジェクト7bとオブジェクト7cの
距離が長くなるように、回転駆動部36を駆動する。
プロジェクター1と投射面5との位置関係が変更されると、ステップS3〜S5が実行
され、その後、処理がステップS22に戻る。
本実施形態のプロジェクター1およびプロジェクター1の制御方法によれば、投射面5
に配置された着脱自在のオブジェクト7の位置に応じて投射位置を自動的に調整すること
が可能になる。また、プロジェクター1と投射面5との位置関係が変化しても、投射位置
を自動的に投射領域に合わせることが可能になる。このため、使用者の手間を低減するこ
とが可能になる。
<変形例>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、次に述べるような各
種の変形が可能である。また、次に述べる変形の態様の中から任意に選択された一または
複数の変形を適宜組み合わせることもできる。
<変形例1>
位置検出部43が、撮像画像上でのオブジェクト7の移動量を検出してもよい。この場
合、調整部44は、ステップS23において、撮像画像上でのオブジェクト7の移動量に
応じた量だけ、投射部104が移動するように、レンズ駆動部106、レンズシフト部1
07、アーム駆動部35および回転駆動部36の少なくともいずれかを駆動してもよい。
<変形例2>
上記実施形態では、射影変換行列を用いて台形歪み補正を行っているが、撮像画像に基
づいて、オブジェクト7の位置と投射画像の4つの頂点の位置関係が所定の位置関係にな
るまで、アーム駆動部35および回転駆動部36を少しずつ駆動させるような制御を行っ
てもよい。
<変形例3>
上記実施形態では、位置変更部として、ズームレンズ13aのズーム状態を変更するレ
ンズ駆動部106と、投射レンズ13bをシフトさせるレンズシフト部107を備えた構
成を例示したが、画像処理部102によって投射位置を変更するようにしてもよい。例え
ば、画像処理部102が、液晶ライトバルブ12の画素領域12aよりも小さい範囲に画
像を形成することにより画像を縮小させるデジタルズームや、デジタルズームにより縮小
された画像を画素領域12a内で移動させるデジタルシフトを行うようにしてもよい。た
だし、デジタルズームを使用すると解像度が低下するため、デジタルズームによる調整は
優先順位を低くすることが望ましい。
<変形例4>
上記実施形態では、位置変更部としてのアーム駆動部35により、プロジェクター1を
光軸方向(前後方向)にスライドさせる構成を例示したが、左右方向または上下方向のス
ライドが可能な構成としてもよいし、前後方向、左右方向および上下方向のうち、複数の
方向にスライドが可能な構成としてもよい。
また、上記実施形態では、位置変更部としての回転駆動部36により、プロジェクター
1を水平回転させる構成を例示したが、上下チルトまたは水平ロールの回転が可能な構成
としてもよいし、水平回転、上下チルトおよび水平ロールのうち、複数の回転が可能な構
成としてもよい。
なお、上記実施形態のようにプロジェクター1をスライドさせる機構と、回転させる機
構の両方を備える場合には、回転による調整を行って投射画像を矩形にした後にスライド
による調整を行うことが望ましい。また、回転駆動部36が、水平回転、上下チルトおよ
び水平ロールの3軸の回転が可能な機構を備える場合には、水平回転、上下チルトの調整
を行って投射画像を矩形にした後に水平ロールの調整を行うことが望ましい。
また、調整部44は、複数の位置変更部を組み合わせて投射位置を調整するようにして
もよいし、1つの位置変更部のみを用いて調整を行うようにしてもよい。
<変形例5>
投射面5に対するプロジェクター1の傾きを、三角測量等の技術を用いて三次元計測で
きる計測部を備えるようにして、調整部44が、計測された傾きに応じてプロジェクター
1の3軸の回転を調整するような構成にしてもよい。
<変形例6>
上記実施形態では、追跡モードをオンにすると、図22に示した追跡処理を定期的に実
行し、ステップS21でオブジェクト7の移動が検出された場合に、投射位置を調整する
処理を行うようにしているが、この態様に限定されない。例えば、オブジェクト7の移動
を検出することなく、図10に示した調整処理を定期的に実行するようにしてもよい。
<変形例7>
オブジェクト7の数は4より多くてもよい。特に、投射面5が平面でなく歪んでいる場
合には、投射画像の4つの頂点以外の位置にもオブジェクト7を配置することにより、投
射面5の歪みに応じた補正を行うことが可能になる。
<変形例8>
上記実施形態では、オブジェクト7は、投射領域を特定するために使用され、撮像画像
上での移動を検出するために使用されている。
しかしながら、投射領域を特定するために使用されるオブジェクトと、撮像画像上での
移動を検出するために使用されるオブジェクトとは、別々であってもよい。
この場合、投射領域を特定するために使用されるオブジェクトの反射特性と、撮像画像
上での移動を検出するために使用されるオブジェクトの反射特性とを、互いに異ならせれ
ば、撮像画像において各オブジェクトを識別することが可能となる。
また、この場合、撮像画像上での移動を検出するために使用されるオブジェクトの数は
、4に限らず適宜変更可能である。また、投射領域を特定するために使用されるオブジェ
クトの数も4に限らず、2以上であってもよい。例えば、投射領域を特定するために使用
されるオブジェクトの数が2である場合、この2つのオブジェクトは、矩形の投射領域の
対角の位置に設置される。
<変形例9>
オブジェクト7を検出しやすくするために、オブジェクト7は、投射面5の反射特性と
は異なる反射特性を有することが望ましい。また、オブジェクト7を、反射面そのものの
切り替えや光学フィルターの切り替え等によって反射特性を変更可能な構成とすれば、様
々な投射面5上でオブジェクト7を容易に検出することが可能となる。この場合、オブジ
ェクト7が、無線通信や赤外線通信により制御信号を受信する手段と、受信した制御信号
に基づいて反射特性を変更する手段を備えるようにすれば、使用者がリモコン操作で反射
特性を変更することができる。また、プロジェクター1が撮像部108での撮像画像に基
づく制御信号をオブジェクト7に送信し、自動で反射特性を切り替えるようにしてもよい
<変形例10>
図10に示した処理では、最初に、設置ガイド画像が表示されて、使用者がガイド情報
に従いプロジェクター1の向きまたはオブジェクト7の位置を手動で調整した。この手動
調整は、図22に示した追跡処理を行うことで自動化されてもよい。図25は、この手動
調整の代わりに、図22に示した追跡処理が行われる場合の動作例を示したフローチャー
トである。なお、図25において、図22に示した処理と同一の処理には同一符号を付し
てある。
<変形例11>
記憶部109が画像情報を記憶している場合には、画像合成部102aは、受信画像情
報の代わりに、記憶部109が記憶している画像情報を用いてもよい。
<変形例12>
制御部110がプログラムを実行することによって実現される要素の全部または一部は
、例えばFPGA(field programmable gate array)またはASIC(Application Spe
cific IC)等の電子回路によりハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェアとハー
ドウェアとの協働により実現されてもよい。
<変形例13>
投射部104では、光変調装置として液晶ライトバルブが用いられたが、光変調装置は
液晶ライトバルブに限らず適宜変更可能である。例えば、光変調装置として、3枚の反射
型の液晶パネルを用いた構成であってもよい。また、光変調装置は、1枚の液晶パネルと
カラーホイールを組み合わせた方式、3枚のデジタルミラーデバイス(DMD)を用いた
方式、1枚のデジタルミラーデバイスとカラーホイールを組み合わせた方式等の構成であ
ってもよい。光変調装置として1枚のみの液晶パネルまたはDMDが用いられる場合には
、色分離光学系や色合成光学系に相当する部材は不要である。また、液晶パネルおよびD
MD以外にも、光源が発した光を変調可能な構成は、光変調装置として採用できる。
1…プロジェクター、41…投射制御部、42…撮像制御部、43…位置検出部、44
…調整部、45…変換行列生成部、101…操作部、102…画像処理部、102a…画
像合成部、台形歪補正部、103…ライトバルブ駆動部、104…投射部、105…光源
駆動部、106…レンズ駆動部、107…レンズシフト部、108…撮像部、109…記
憶部、110…制御部、111…バス。

Claims (12)

  1. 投射画像を投射面に投射する投射部と、
    前記投射面を撮像して撮像画像を生成する撮像部と、
    前記撮像画像に基づいて、前記投射面に配置された着脱自在のオブジェクトの位置を検
    出する検出部と、
    前記オブジェクトの位置に基づいて、前記投射面における前記投射画像の投射位置を調
    整する調整部と、
    を有することを特徴とするプロジェクター。
  2. 前記検出部は、さらに、前記撮像画像に基づいて、前記撮像画像上での前記オブジェク
    トの移動を検出し、
    前記調整部は、前記撮像画像上での前記オブジェクトの移動が検出された場合に、前記
    投射位置を調整することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
  3. 前記検出部は、前記投射面に配置された着脱自在の複数のオブジェクトの位置を検出し

    前記調整部は、前記複数のオブジェクトの位置に基づいて前記投射画像の投射範囲を決
    定し、前記投射画像が前記投射範囲内に投射されるように前記投射位置を調整することを
    特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクター。
  4. 前記調整部は、前記投射位置を変更する位置変更部の駆動を制御することによって前記
    投射位置を調整することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプロジェク
    ター。
  5. 前記位置変更部は、前記投射画像の投射方向を変更することによって前記投射位置を変
    更することを特徴とする請求項4に記載のプロジェクター。
  6. 前記投射部は、投射レンズと、前記投射レンズを前記投射レンズの光軸と交差する方向
    にシフトするレンズシフト部と、を有し、
    前記位置変更部は、前記レンズシフト部であることを特徴とする請求項4または5に記
    載のプロジェクター。
  7. 前記位置変更部は、前記投射部をシフトすることによって前記投射位置を変更すること
    を特徴とする請求項4または5に記載のプロジェクター。
  8. 前記位置変更部は、前記投射部を回転させることによって前記投射位置を変更すること
    を特徴とする請求項4または5に記載のプロジェクター。
  9. 前記投射部は、ズームレンズと、前記ズームレンズのズーム状態を変更するレンズ駆動
    部と、を有し、
    前記位置変更部は、前記レンズ駆動部であることを特徴とする請求項4に記載のプロジ
    ェクター。
  10. 前記調整部は、前記投射画像を示す画像情報を調整することによって前記投射位置を調
    整することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプロジェクター。
  11. 前記オブジェクトは、再帰性反射部材を含むことを特徴とする請求項1から10のいず
    れか1項に記載のプロジェクター。
  12. 投射画像を投射面に投射するステップと、
    前記投射面を撮像して撮像画像を生成するステップと、
    前記撮像画像に基づいて、前記投射面に着脱自在に配置されたオブジェクトの位置を検
    出するステップと、
    前記オブジェクトの位置に基づいて、前記投射面における前記投射画像の投射位置を調
    整するステップと、
    を有することを特徴とするプロジェクターの制御方法。
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