以下、本発明の実施形態に係る電子楽器について、図面を参照しながら説明する。図中、互いに同一又は同等の構成には、互いに同一の符号を付す。
図1に示す電子楽器1は、複数の白鍵102’と複数の黒鍵102’’とを有する鍵盤102を備え、予め設定された複数の動作モードの何れかに従って動作する。具体的に、電子楽器1の動作モードとして、楽音発音モードと、記号入力モードと、歌唱発音モードと、が設定されている。電子楽器1は、楽音発音モードに従って動作することにより、鍵盤102が有する鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた楽音の発音指示を受け付け、この発音指示に従って楽音を発音する。電子楽器1は、記号入力モードに従って動作することにより、鍵盤102が有する鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じて、文字を含む記号入力を受け付ける。以下、電子楽器1が、記号入力モードにおいて、文字を含む記号入力を受け付けることにより歌詞を作成する場合を例に用いて説明する。電子楽器1は、歌唱発音モードに従って動作することにより、記号入力モードで受け付けられた記号入力により作成された歌詞を、指定された音高の楽音と共に発音する。以下、電子楽器1が、歌唱発音モードにおいて、記号入力モードで作成された歌詞を、楽音発音モードにおいて発音指示を受け付けた楽音と共に発音する場合を例に用いて説明する。
電子楽器1は、操作部100と、画像表示部101と、上述した鍵盤102と、を備えている。
操作部100は、ボタン等の操作手段を備え、ユーザによる指示操作を受け付ける。操作部100は、受け付けた指示操作を表すデータを、後述する制御部103へ供給する。具体的に、操作部100は、何れも図示しない音量調整ボタンと、モード選択ボタンと、開始ボタンと、終了ボタンと、を備えている。音量調整ボタンは、電子楽器1が発音する楽音及び歌詞音声の音量を設定するためのボタンである。モード選択ボタンは、電子楽器1の動作モードとして、上述した楽音発音モード、記号入力モード及び歌唱発音モードの何れかを選択するためのボタンである。開始ボタンは、モード選択ボタンに対する操作により選択された動作モードに従った動作の開始を電子楽器1に指示するためのボタンである。終了ボタンは、モード選択ボタンに対する操作により選択された動作モードに従った動作の終了を電子楽器1に指示するためのボタンである。
画像表示部101は、液晶パネル等の表示装置を備え、後述する制御部103による制御に従って、各種画像を表示する。具体的に、画像表示部101は、記号入力モードにおいて、図1に示す編集画面HGを表示する。編集画面HGは、記号入力の進行状況を表す画像である。具体的に、編集画面HGは、現在の記号入力位置を示すアイコンであるカーソルCAと、電子楽器1が記号入力を受け付けた情報を表す画像と、を含んでいる。編集画面HGの表示内容は、後述する記号入力受付処理の進行に従って順次更新される。ユーザは、電子楽器1が記号入力モードで動作している状態において、画像表示部101に表示された編集画面HGを目視しつつ、鍵盤102が備える鍵に対して押鍵操作を行うことにより記号入力を行う。
鍵盤102が備える鍵には、それぞれ、互いに異なる楽音が予め対応付けられている。具体的に、鍵盤が有する複数の白鍵102’には、それぞれ、互いに異なる幹音が対応付けられている。また、鍵盤が有する複数の黒鍵102’’には、それぞれ、互いに異なる派生音が対応付けられている。楽音発音モードにおいて、ユーザが押鍵操作を行うと、電子楽器1は、これに応答し、押鍵操作が行われた鍵に対応付けられた楽音の発音指示を受け付け、当該楽音を発音する。より具体的に、鍵盤102が備える鍵には、それぞれ、各鍵に対応付けられた楽音の音高を表すノートナンバーが付されている。詳細は後述するものの、ユーザが押鍵操作を行うと、後述する検出部107が当該押鍵操作を検出し、押鍵操作が行われた鍵に付されたノートナンバーを含むノートオンメッセージを、後述する制御部103へ供給する。制御部103は、楽音発音モードにおいて、後述する楽音音源部108及び音声出力部110を制御し、当該ノートナンバーに応じた楽音を発音させる。
また、鍵盤102が備える鍵の一部には、それぞれ、互いに異なる情報がさらに対応付けられている。詳細は後述するものの、記号入力モードにおいて、ユーザが押鍵操作を行うと、電子楽器1は、これに応答し、押鍵操作が行われた鍵に対応付けられた情報に応じて記号入力を受け付ける。より具体的に、ユーザが押鍵操作を行うと、後述する検出部107が当該押鍵操作を検出し、押鍵操作が行われた鍵に付されたノートナンバーを含むノートオンメッセージを、後述する制御部103へ供給する。制御部103は、記号入力モードにおいて、押鍵操作が行われた鍵を当該ノートナンバーに基づいて特定し、当該鍵に対応付けられた情報に従って記号入力を受け付ける。すなわち、記号入力モードにおいて、ノートナンバーは、鍵に付された識別子として機能する。電子楽器1による記号入力の受け付けの詳細については、後述する。以下、鍵盤102が備える鍵と情報との対応関係について、図2及び図3を参照して説明する。
図2に示すように、鍵盤102が備える鍵のうち一部の鍵が、文字入力鍵MKとして予め設定されている。電子楽器1は、文字入力鍵MKに対するユーザの押鍵操作に応答して、文字の記号入力を受け付ける。文字入力鍵MKは、互いに隣接し、鍵盤102を用いて演奏可能な複数オクターブの音域のうち1オクターブ分の音域に対応する白鍵102’A〜102’G及び黒鍵102’’A〜102’’Dによって構成されている。すなわち、文字入力鍵MKに含まれる鍵は、1オクターブに含まれている。黒鍵102’’A〜102’’Dには、それぞれ、識別子「1」〜「4」が対応付けられている。白鍵102’A〜102’Gには、それぞれ、文字を含む複数の情報が対応付けられている。例えば、白鍵102’Fには文字「f」「m」「t」及びコンマ「,」が対応付けられており、白鍵102’Gには文字「g」「n」「u」及びピリオド「.」が対応付けられている。白鍵102’A〜102’Gに対応付けられた複数の情報には、それぞれ、識別子「1」〜「4」の何れか一つが対応付けられている。図3に示す文字対応データDMは、後述するROM(Read Only Memory)105に記憶されており、文字入力鍵MKに含まれる白鍵102’A〜102’Gに対応付けられた複数の情報と、識別子「1」〜「4」と、の対応関係を表している。詳細は後述するものの、電子楽器1は、文字対応データDMを参照することによって、文字の記号入力を受け付ける。
図2に戻り、文字入力鍵MKに隣接する白鍵102’a〜102’c及び黒鍵102’’a〜102’’cが、情報入力鍵FKとして予め設定されている。情報入力鍵FKに属する鍵には、それぞれ、記号、記号入力された情報に対する編集処理を指示する編集コマンド、又は電子楽器1の動作を指示するための指示コマンド等の、文字とは異なる情報が対応付けられている。電子楽器1は、情報入力鍵FKに対するユーザの押鍵操作に応答して、文字とは異なる情報の記号入力を受け付ける。具体的に、白鍵102’aには、複数の特殊文字「“」、「&」、「!」及び「?」が対応付けられている。白鍵102’aに対応付けられた複数の特殊文字には、それぞれ、識別子「1」〜「4」の何れか一つが対応付けられている。白鍵102’bには、現在の記号入力位置を前方へ移動させることを指示する操作コマンドが対応付けられている。なお、上述した図1に示す編集画面HGに含まれるカーソルCAは、白鍵102’bが押鍵されたことに応答して、前方へ移動する。白鍵102’cには、現在の記号入力位置を後方へ移動させることを指示する操作コマンドが対応付けられている。上述した図1に示す編集画面HGに含まれるカーソルCAは、白鍵102’cが押鍵されたことに応答して、後方へ移動する。黒鍵102’’aには、現在の記号入力位置の文字を大文字として記号入力することを指示する編集コマンドが対応付けられている。電子楽器1は、黒鍵102’’aが押鍵されたことに応答し、現在の記号入力位置の文字に対応する大文字の記号入力を受け付ける。黒鍵102’’bには、現在の記号入力の内容を確定することを指示する編集コマンドが対応付けられている。詳細は後述するものの、電子楽器1は、記号入力モードにおいて、黒鍵102’’bが押鍵されたことに応答し、現時点における記号入力の内容を歌詞として取得する。黒鍵102’’cには、現在の記号入力位置に記号入力された情報を削除することを指示する編集コマンドが対応付けられている。後述するように、ROM105は、情報入力鍵FKに属する鍵と、各鍵に対応付けられた情報と、の対応関係を表す情報対応データDFを記憶している。詳細は後述するものの、電子楽器1は、情報対応データDFを参照することによって、文字以外の情報の記号入力を受け付ける。
鍵盤102が備える鍵は、何れも、光を透過する。詳細については後述するものの、後述する鍵盤表示部106は、光に鍵を選択的に透過させることにより、文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKに、各鍵に対応付けられた情報を表すシンボル画像SGを表示する。ユーザは、シンボル画像SGを目視しつつ押鍵操作を行うことにより、記号入力を行う。
電子楽器1は、上述した構成に加えて、図4に示すように、制御部103と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM105と、鍵盤表示部106と、検出部107と、楽音音源部108と、歌詞音源部109と、音声出力部110と、計時部111と、を備えている。
制御部103は、CPU(Central Processing Unit)を備え、ROM105に記憶されたプログラム及びデータに従って、後述する発音指示受付処理、記号入力受付処理及び歌唱発音処理を含む各種処理を実行する。制御部103は、コマンド及びデータの伝送経路であるシステムバスを介して電子楽器1の各部に接続されており、電子楽器1全体を統括制御する。
RAM104は、制御部103が各種処理を実行することによって生成又は取得したデータを記憶する。具体的に、RAM104は、制御部103が後述する発音指示受付処理において生成した楽音データや、後述する記号入力受付処理で生成した歌詞データを記憶する。また、RAM104は、制御部103のワークエリアとして機能する。すなわち、制御部103は、プログラム及びデータをRAM104へ読み出し、読み出されたプログラム及びデータを適宜参照することによって、各種処理を実行する。
ROM105は、制御部103が各種処理を実行するために用いるプログラム及びデータを記憶する。具体的に、ROM105は、制御部103が実行する制御プログラム105aを記憶する。また、ROM105は、文字対応データDMと、情報対応データDFと、譜割り規則データDRと、を記憶する。文字対応データDMは、上述した文字入力鍵MKに含まれる白鍵102’A〜102’Gに対応付けられた文字を含む複数の情報と、識別子「1」〜「4」と、の対応関係を表すデータである。情報対応データDFは、情報入力鍵FKに属する鍵と、情報と、の対応関係を表すデータである。具体的に、情報対応データDFは、情報入力鍵FKに属する鍵に付されたノートナンバーと、当該鍵に対応付けられた情報と、を互いに対応付けて含んでいる。また、情報対応データDFは、識別子「1」〜「4」と、情報入力鍵FKに属する白鍵102’aに対応付けられた複数の特殊文字と、の対応関係を示す情報を含んでいる。文字対応データDM及び情報対応データDFは、コンピュータ等の外部装置において、ユーザによる設定操作を受け付けることにより生成される。電子楽器1は、文字対応データDM及び情報対応データDFを、図示しない外部インタフェースを介して当該外部装置から取得し、ROM105に予め記憶している。譜割り規則データDRの詳細については、後述する。
鍵盤表示部106は、制御部103による制御に従い、文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKに、各鍵に対応付けられた情報を表す図2に示したシンボル画像SGを表示する。具体的に、鍵盤表示部106は、何れも図示しない、LED(Light Emitting Diode)等の光源と、光を透過しない第1遮光部材及び第2遮光部材と、を備え、光に鍵を選択的に透過させることによりシンボル画像SGを表示する。光源は、電子楽器1の装置本体に内蔵されており、文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKの裏面に光を照射する。光源の点灯及び消灯は、制御部103によって制御される。裏面とは、鍵が有する面のうち、押鍵操作の際にユーザの指が接触する面である表面の反対側の面である。第1遮光部材は、文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKが含む白鍵102’の裏面に配置され、白鍵102’それぞれに対応付けられた情報を表すシンボル画像の形状を有している。上述したとおり、鍵盤102が備える鍵は、何れも、光を透過する。文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKが含む白鍵102’の裏面に光源が光を照射すると、白鍵102’の第1遮光部材が配置された領域では光が第1遮光部材により遮られて鍵を透過しない一方、白鍵102’のそれ以外の領域では光が鍵を透過する。これにより、白鍵102’の表面に、シンボル画像が、影によって表示される。第2遮光部材は、文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKが含む黒鍵102’’の裏面全体を覆うように配置され、黒鍵102’’それぞれに対応付けられた情報を表すシンボル画像の形状の切り抜き部分を有する。文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKが含む黒鍵102’’の裏面に光源が光を照射すると、第2遮光部材の切り抜き部分では光が鍵を透過する一方、第2遮光部材に覆われたそれ以外の部分では光が第2遮光部材に遮られて透過しない。これにより、黒鍵102’’の表面に、シンボル画像が、光によって表示される。
検出部107は、図示しないセンサを備え、鍵盤102が備える鍵に対するユーザによる操作を検出し、当該操作の態様を表す検出信号を制御部103へ供給する。具体的に、検出部107は、ユーザによる押鍵操作を検出すると、当該押鍵操作が行われた鍵に付されたノートナンバーと、当該押鍵操作の強度を表すベロシティと、を含むノートオンメッセージを制御部103へ供給する。また、検出部107は、離鍵操作を検出すると、当該離鍵操作が行われた鍵に付されたノートナンバーを含むノートオフメッセージを制御部103へ供給する。
楽音音源部108は、制御部103による制御に従い、楽音を表すデジタル楽音信号を生成し、音声出力部110へ供給する。後述するように、音声出力部110は、供給されたデジタル楽音信号に応じたアナログデジタル信号に従って発音する。具体的に、楽音音源部108は、楽音発音モードにおいて、押鍵操作が行われた鍵に対応付けられた楽音を表すデジタル楽音信号を生成する。また、詳細は後述するものの、楽音音源部108は、歌唱発音モードにおいて、制御部103から供給された後述する歌唱発音データが含む楽音を表すデジタル楽音信号を生成する。より具体的に、楽音音源部108は、図示しないHDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性メモリを備え、サンプル楽音データを記憶している。サンプル楽音データは、ノートナンバーと、各ノートナンバーが表す音高を有するサンプル楽音の音声波形データと、を互いに対応付けて含んでいる。電子楽器1は、コンピュータ等の外部装置により生成されたサンプル楽音データを、上述した外部インタフェースを介して当該外部装置から取得し、上述した楽音音源部108の不揮発性メモリに予め記憶している。楽音発音モードにおいて、制御部103は、ユーザによる押鍵操作を検出部107が検出したことに応答し、検出部107から供給されたノートナンバー及びベロシティを含むノートオンメッセージを楽音音源部108へ供給する。楽音音源部108は、ノートオンメッセージが含むノートナンバーに対応付けてサンプル楽音データに格納されている音声波形データを取得する。楽音音源部108は、取得した音声波形データが表すサンプル楽音の強弱を、ノートオンメッセージが含むベロシティに従って調整する。これにより、楽音音源部108は、押鍵操作に応じた楽音を表すデジタル楽音信号を生成する。また、詳細は後述するものの、歌唱発音モードにおいて、制御部103は、楽音を特定するためのノート情報としてのノートオンメッセージ及びノートオフメッセージが格納された歌唱発音データを楽音音源部108へ供給する。楽音音源部108は、当該ノートオンメッセージが含むノートナンバー及びベロシティを用いて、上述した楽音発音モードにおける処理と同様の処理を実行することにより、歌唱発音データが含む楽音を表すデジタル楽音信号を生成する。
歌詞音源部109は、制御部103による制御に従い、歌詞を表すデジタル歌詞信号を生成し、音声出力部110へ供給する。後述するように、音声出力部110は、供給されたデジタル歌詞信号に応じたアナログ歌詞信号に従って発音する。具体的に、歌詞音源部109は、図示しないHDD等の不揮発性メモリを備え、音声素片の音声波形を表す音声素片データを複数記憶している。電子楽器1は、コンピュータ等の外部装置によって生成された音声素片データを、上述した外部インタフェースを介して当該外部装置から取得し、上述した不揮発性メモリに予め記憶している。詳細は後述するものの、歌唱発音モードにおいて、制御部103は、歌詞と、楽音を表すノート情報としてのノートオンメッセージ及びノートオフメッセージと、を互いに対応付けて含む後述する歌唱発音データを、歌詞音源部109へ供給する。歌詞音源部109は、歌詞に応じた音声素片の音声素片データを取得し、当該音声素片データの音高を、当該歌詞に対応付けて格納されたノートオンメッセージが含むノートナンバーによって表される音高へ調整することにより、デジタル歌詞信号を生成する。
音声出力部110は、制御部103による制御に従って音声を出力する。具体的に、音声出力部110は、楽音発音モード及び歌唱発音モードにおいて、楽音音源部108から供給されたデジタル楽音信号に応じたアナログ楽音信号に基づいて発音する。また、音声出力部110は、歌唱発音モードにおいて、歌詞音源部109から供給されたデジタル歌詞信号に応じたアナログ楽音信号に基づいて発音する。より具体的に、音声出力部110は、何れも図示しないD/A(Digital to Analog)変換回路と、アンプと、スピーカと、を備えている。D/A変換回路は、デジタル楽音信号及びデジタル歌詞信号を、それぞれ、アナログ楽音信号及びアナログ歌詞信号へ変換し、アンプへ供給する。アンプは、供給されたアナログ楽音信号及びアナログ歌詞信号の振幅を調整することにより、当該アナログ楽音信号及びアナログ歌詞信号の音量を、上述した操作部100の音量調整ボタンに対する操作により設定された音量へ調整する。スピーカは、アンプによって音量が調整された後のアナログ楽音信号及びアナログ歌詞信号に基づいて発音する。なお、音声出力部110による発音及び消音は、制御部103による制御に従って行われる。具体的に、制御部103は、楽音発音モードにおいて、検出部107からノートオンメッセージが供給されたことに応答して音声出力部110にアナログ楽音信号に基づく発音を開始させ、その後、検出部107からノートオフメッセージが供給されたことに応答して音声出力部110に消音させる。また、制御部103は、歌唱発音モードにおいて、後述する歌唱発音データに従って音声出力部110による発音及び消音を制御する。詳細は後述するものの、歌唱発音データは、楽音を表すノート情報としてのノートオンメッセージ及びノートオフメッセージと、歌詞と、後述するノートオン時刻と、後述するノートオフ時刻と、ノートオン時刻からノートオフ時刻までの時間であるデュレーションと、を互いに対応付けて含んでいる。制御部103は、音声出力部110に、ノートオン時刻に応じたタイミングで、当該ノートオン時刻に対応付けられたノート情報で特定される楽音を表すアナログ楽音信号と、当該ノートオン時刻に対応付けられた歌詞を表すアナログ歌詞信号と、に基づいた発音を開始させる。これにより、音声出力部110は、歌唱発音データが表す歌詞を、歌唱発音データが表す楽音と共に発音する。制御部103は、発音開始からデュレーションだけ経過したことに応答して、音声出力部110に消音させる。
計時部111は、計時を行い、計時結果を表すデータを制御部103へ供給する。
上述の物理的構成を備える電子楽器1は、制御部103の機能として、図5に示すように、楽音発音部10と、記号入力部11と、歌唱発音部12と、を備えている。制御部103は、上述した制御プログラム105aを実行して電子楽器1を制御することにより、これらの各部として機能する。
楽音発音部10は、楽音発音モードにおいて、鍵盤102が有する鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた楽音の発音指示を受け付け、この発音指示に従って楽音を発音する。具体的に、楽音発音部10は、楽音発音モードにおいて、ユーザによる押鍵操作に応答して検出部107からノートオンメッセージが供給されると、供給されたノートオンメッセージに応じたデジタル楽音信号を楽音音源部108に生成させて音声出力部110に供給させると共に、音声出力部110に、供給されたデジタル楽音信号に応じたアナログ楽音信号に基づく発音を開始させる。楽音発音部10は、ユーザによる離鍵操作に応答して検出部107からノートオフメッセージが供給されると、音声出力部110に消音させる。また、楽音発音部10は、楽音発音モードにおいて発音指示を受け付けた楽音を表す楽音データを生成し、RAM104に記憶する。具体的に、楽音発音部10は、ノートオンメッセージと、ノートオフメッセージと、ノートオン時刻と、ノートオフ時刻と、デュレーションと、を互いに対応付けて格納することにより、楽音データを生成する。ノートオンメッセージ及びノートオフメッセージは、発音指示がなされた楽音を特定するためのノート情報として機能する。ノートオン時刻は、ユーザによる押鍵操作が行われた時刻である。楽音発音部10は、計時部111による計時結果に従い、検出部107からノートオンメッセージが供給された時刻をノートオン時刻として取得する。ノートオフ時刻は、ユーザによる離鍵操作が行われた時刻である。楽音発音部10は、計時部111による計時結果に従い、検出部107からノートオフメッセージが供給された時刻をノートオフ時刻として取得する。デュレーションは、ノートオン時刻からノートオフ時刻までの時間であり、ユーザによる押鍵操作の持続時間に相当する。楽音発音部10は、生成した楽音データを、RAM104に記憶させる。
記号入力部11は、記号入力モードにおいて、鍵盤102が備える鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた記号入力を受け付け、歌詞を作成する。具体的に、記号入力部11は、ユーザによる押鍵操作に応答して検出部107からノートオンメッセージが供給されると、押鍵操作が行われた鍵を当該ノートオンメッセージが含むノートナンバーを用いて特定し、当該鍵に対応付けられた情報に応じた記号入力を受け付ける。記号入力部11は、図2に示した文字入力鍵MKの少なくとも何れか一つが押鍵されたことに応答して、文字を含む情報の記号入力を受け付ける。具体的に、記号入力部11は、文字入力鍵MKに属する白鍵102’と黒鍵102’’とが押鍵されたことに応答して、ROM105に記憶された図3に示す文字対応データDMを参照し、当該白鍵102’に対応付けられた複数の文字を含む情報のうち、当該黒鍵102’’に対応付けられた識別子が付された情報の記号入力を受け付ける。例えば、図2の例において、白鍵102’Bと黒鍵102’’Cとが押鍵された場合、記号入力部11は、図3の文字対応データDMを参照し、白鍵102’Bに対応付けられた文字「b」、「i」、「p」及び「w」のうち、黒鍵102’’Cに対応付けられた識別子「3」が付された文字である「p」の記号入力を受け付ける。また、図2の例において、白鍵102’Gと黒鍵102’’Dとが押鍵された場合、記号入力部11は、図4の文字対応データDMを参照し、白鍵102’Gに対応付けられた文字「g」「n」「u」及びピリオド「.」のうち、黒鍵102’’Dに対応付けられた識別子「4」が付されたピリオド「.」の記号入力を受け付ける。このように、記号入力部11は、文字入力鍵MKに属する白鍵102’及び黒鍵102’’に対する押鍵操作が行われたことに応答して、当該押鍵操作の組み合わせにより特定される文字を含む情報の記号入力を受け付ける。なお、この場合、記号入力部11は、文字入力鍵MKに属する白鍵102’に対する押鍵操作と文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’に対する押鍵操作との何れが先に行われたかに関わらず同一の情報の記号入力を受け付けるものとする。また、記号入力部11は、図2に示した情報入力鍵FKの何れかが押鍵されたことに応答して、ROM105に記憶された情報対応データDFを参照し、当該鍵に対応付けられた情報に従って、文字以外の情報の記号入力を受け付ける。記号入力を受け付けた情報が編集コマンド又は指示コマンドである場合、記号入力部11は、当該コマンドに応じた処理を実行する。例えば、記号入力部11は、図2に示す黒鍵102’’cが押鍵されたことに応答して、黒鍵102’’cに対応付けられた、現在の記号入力位置に記号入力された情報を削除することを指示する編集コマンドの記号入力を受け付け、当該編集コマンドに従って、現在の記号入力位置に記号入力された情報を削除する。また、記号入力部11は、情報入力鍵FKに属する白鍵102’aと、文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’A〜102’’Dの何れかと、が押鍵されたことに応答して、白鍵102’aに対応付けられた複数の特殊文字「“」「&」「!」及び「?」のうち、押鍵された黒鍵102’’に対応付けられた識別子が付された特殊文字の記号入力を受け付ける。なお、この場合、記号入力部11は、情報入力鍵FKに属する白鍵102’に対する押鍵操作と文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’に対する押鍵操作との何れが先に行われたかに関わらず同一の情報の記号入力を受け付けるものとする。記号入力部11は、記号入力された文字を歌詞として取得することにより、歌詞を表す歌詞データを作成する。具体的に、記号入力部11は、図2に示す黒鍵102’’bが押鍵されたことに応答して、黒鍵102’’bに対応付けられた、記号入力の内容を確定することを指示する編集コマンドの記号入力を受け付ける。記号入力部11は、当該編集コマンドに従って、現時点で記号入力された文字を歌詞として取得することにより、歌詞を表す歌詞データを生成する。記号入力部11は、生成した歌詞データを、RAM104に記憶させる。
歌唱発音部12は、歌唱発音モードにおいて、記号入力部11が生成した歌詞データが表す歌詞を、楽音発音部10が生成した楽音データが表す楽音と共に発音する。すなわち、歌唱発音部12は、記号入力部11が記号入力を受け付けることによって作成した歌詞を、楽音発音部10が発音指示を受け付けた楽音と共に発音する。歌唱発音部12は、発音部に相当する。具体的に、歌唱発音部12は、RAM104に記憶された楽音データ及び歌詞データを取得し、ROM105に記憶された譜割り規則データDRを参照しつつ譜割り処理を行い、楽音データが表す楽音に、歌詞データが表す歌詞を割り当てることによって歌唱発音データを生成する。譜割り規則データDRは、予めユーザが設定した、楽音に歌詞を割り当てる際の規則である譜割り規則を表すデータである。譜割り規則データDRは、コンピュータ等の外部装置において、ユーザによる設定操作を受け付けることにより生成される。電子楽器1は、譜割り規則データDRを、上述した外部インタフェースを介して当該外部装置から取得し、ROM105に予め記憶している。本実施形態では、歌唱発音部12は、譜割り規則データDRに従い、楽音データが表す楽音1つに歌詞1文字を割り当てる。なお、これは一例に過ぎず、譜割り規則は、ユーザが任意に設定できる。このような譜割り処理により生成された歌唱発音データは、歌詞と、楽音を特定するためのノート情報としてのノートオンメッセージ及びノートオフメッセージと、ノートオン時刻と、ノートオフ時刻と、デュレーションと、を互いに対応付けて含んでいる。歌唱発音部12は、歌唱発音データを楽音音源部108及び歌詞音源部109へ供給し、楽音音源部108及び歌詞音源部109に、楽音を表すデジタル楽音信号及び歌詞を表すデジタル歌詞信号を生成させて音声出力部110へ供給させる。歌唱発音部12は、歌唱発音データに従って音声出力部110による発音及び消音を制御し、音声出力部110に、歌詞を表すアナログ歌詞信号に基づいて発音させると共に、当該歌詞に対応付けられた楽音を表すアナログ楽音信号に基づいて発音させる。
以下、上述の物理的・機能的構成を備える電子楽器1が実行する発音指示受付処理、記号入力受付処理及び歌唱発音処理について、図6〜図8のフローチャートを参照して説明する。なお、電子楽器1は、発音指示受付処理、記号入力受付処理及び歌唱発音処理の実行に先立って、文字対応データDM、情報対応データDF及び譜割り規則データDRを、上述した外部インタフェースを介して外部装置から取得し、ROM105に予め記憶している。また、電子楽器1は、上述したサンプル楽音データを、外部インタフェースを介して外部装置から取得し、楽音音源部108が備える不揮発性メモリに予め記憶している。また、電子楽器1は、上述した音声素片データを、外部インタフェースを介して外部装置から取得し、歌詞音源部109が備える不揮発性メモリに予め記憶している。
まず、図6のフローチャートを参照して、電子楽器1が楽音発音モードにおいて実行する発音指示受付処理について説明する。ユーザが、上述した操作部100のモード選択ボタンを操作することにより電子楽器1の動作モードとして楽音発音モードを選択した後、上述した操作部100の開始ボタンを操作することにより楽音発音モードに従った動作の開始を電子楽器1へ指示すると、楽音発音部10が、図6のフローチャートに示す発音指示受付処理を開始する。
まず、楽音発音部10は、検出部107からノートオンメッセージが供給されたか否かを判定することにより、押鍵操作が行われたか否かを判定する(ステップS101)。押鍵操作が行われていないと判定すると(ステップS101;No)、処理はステップS102へ移る。一方、押鍵操作が行われたと判定すると(ステップS101;Yes)、楽音発音部10は、計時部111による計時結果に従い、ノートオンメッセージが供給された時刻をノートオン時刻として取得し、供給されたノートオンメッセージと共にRAM104に記憶させる(ステップS103)。楽音発音部10は、音声出力部110に、供給されたノートオンメッセージを供給し、押鍵操作が行われた鍵に対応付けられた楽音の発音を開始させる(ステップS104)。以後、音声出力部110は、後述するステップS107の処理が実行されるまで、当該楽音の発音を継続する。次に、楽音発音部10は、検出部107からノートオフメッセージが供給されたか否かを判定することにより、離鍵操作が行われたか否かを判定する(ステップS105)。離鍵操作が行われていないと判定すると(ステップS105;No)、処理はステップS105へ戻り、離鍵操作を待機する。一方、離鍵操作が行われたと判定すると(ステップS105;Yes)、楽音発音部10は、計時部111による計時結果に従い、ノートオフメッセージが供給された時刻をノートオフ時刻として取得し、供給されたノートオフメッセージと共にRAM104に記憶させる(ステップS106)。楽音発音部10は、音声出力部110に消音させる(ステップS107)。楽音発音部10は、ステップS103の処理でRAM104に記憶させたノートオンメッセージ及びノートオン時刻と、ステップS106の処理でRAM104に記憶させたノートオフメッセージ及びノートオフ時刻と、ノートオン時刻からノートオフ時刻までの時間であるデュレーションと、を互いに対応付けて格納することにより楽音データを生成する(ステップS108)。楽音発音部10は、生成した楽音データをRAM104に記憶させる。次に、楽音発音部10は、上述した操作部100の終了ボタンに対するユーザによる操作を受け付けたか否かを判定することによって、動作の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS102)。動作の終了が未だ指示されていないと判定すると(ステップS102;No)、処理はステップS101へ戻る。一方、動作の終了が指示されたと判定すると(ステップS102;Yes)、楽音発音部10は、発音指示受付処理を終了する。
次に、図7のフローチャートを参照して、電子楽器1が記号入力モードにおいて実行する記号入力受付処理について説明する。ユーザが、上述したモード選択ボタンを操作することにより電子楽器1の動作モードとして記号入力モードを選択した後、上述した開始ボタンを操作することにより記号入力モードに従った動作の開始を電子楽器1へ指示すると、記号入力部11が、図7のフローチャートに示す記号入力受付処理を開始する。
まず、記号入力部11は、鍵盤表示部106が備える上述の光源を点灯させることにより鍵盤表示部106に図2に示すシンボル画像SGを文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKへ表示させると共に、画像表示部101に図1に示す編集画面HGを表示させる(ステップS201)。以後、鍵盤表示部106及び画像表示部101は、後述するステップS204の処理が実行されるまで、それぞれ、シンボル画像SGの表示及び編集画面HGの表示を継続する。記号入力部11は、検出部107からノートオンメッセージが供給されたか否かを判定することによって、押鍵操作が行われたか否かを判定する(ステップS202)。押鍵操作が行われていないと判定すると(ステップS202;No)、処理はステップS203へ移る。一方、押鍵操作が行われたと判定すると(ステップS202;Yes)、記号入力部11は、供給されたノートオンメッセージが含むノートナンバーを用いて押鍵操作が行われた鍵を特定し、当該鍵が文字入力鍵MK又は情報入力鍵FKの何れかに属しているか否かを判定する(ステップS205)。押鍵操作が行われた鍵が、文字入力鍵MK又は情報入力鍵FKの何れでもない鍵であると判定すると(ステップS205;No)、当該鍵には情報が対応付けられておらず、記号入力モードにおいて、当該鍵に対する押鍵操作は無効な操作であるため、記号入力を受け付けることなく、処理はステップS209へ移る。なお、無効な操作が行われた際、予め設定した報知画像を画像表示部101に表示させたり、予め設定した報知音声を音声出力部110に出力させたりすることによって、当該操作が無効である旨をユーザに報知してもよい。一方、押鍵操作が行われた鍵が文字入力鍵MK又は情報入力鍵FKの何れかであると判定すると(ステップS205;Yes)、記号入力部11は、当該鍵が図2に示す黒鍵102’’bであるか否かを判定することによって、記号入力の内容の確定が指示されたか否かを判定する(ステップS206)。ユーザが白鍵102’’bに対して押鍵操作を行うことにより記号入力の内容の確定を指示したと判定すると(ステップS206;Yes)、記号入力部11は、現時点において記号入力されている文字を歌詞として取得することにより歌詞データを生成する(ステップS207)。記号入力部11は、生成した歌詞データを、RAM104に記憶させる。一方、記号入力の内容の確定が指示されていないと判定すると(ステップS206;No)、記号入力部11は、押鍵操作が行われた鍵に対応付けられた情報に従って記号入力を受け付ける(ステップS210)。具体的に、記号入力部11は、文字入力鍵MKに属する白鍵102’と黒鍵102’’とが押鍵されたことに応答して、文字対応データDMを参照し、押鍵された白鍵102’及び黒鍵102’’の組み合わせにより特定される文字の記号入力を受け付ける。また、記号入力部11は、情報入力鍵FKの何れかが押鍵されたことに応答して、情報対応データDFを参照し、当該鍵に対応付けられた情報の記号入力を受け付ける。記号入力を受け付けた情報が編集コマンド又は指示コマンドである場合、記号入力部11は、当該コマンドに応じた処理を実行する。また、記号入力部11は、情報入力鍵FKに属する白鍵102’aと、文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’と、が押鍵されたことに応答して、白鍵102’aに対応付けられた複数の特殊文字「“」「&」「!」及び「?」のうち、押鍵された黒鍵102’’に対応付けられた識別子が付された特殊文字の記号入力を受け付ける。次に、記号入力部11は、画像表示部101に、ステップS207又はステップS210で受け付けた記号入力の内容に応じて編集画面HGの表示態様を更新させる(ステップS208)。すなわち、ステップS207又はステップS210で記号入力を受け付けた情報を表す画像を、編集画面HG中に表示する。次に、記号入力部11は、検出部107からノートオフメッセージが供給されたか否かを判定することによって、離鍵操作が行われたか否かを判定する(ステップS209)。離鍵操作が行われていないと判定すると(ステップS209;No)、処理はステップS209へ戻り、離鍵操作を待機する。一方、離鍵操作が行われたと判定すると(ステップS209;Yes)、記号入力部11は、上述した操作部100の終了ボタンに対するユーザによる操作を受け付けたか否かを判定することによって、動作の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS203)。動作の終了が指示されていないと判定すると(ステップS203;No)、処理はステップS202へ戻る。一方、動作の終了が指示されたと判定すると(ステップS203;Yes)、記号入力部11は、鍵盤表示部106の光源を消灯することにより鍵盤表示部106にシンボル画像SGの表示を終了させると共に、画像表示部101に編集画面HGの表示を終了させ(ステップS204)、記号入力受付処理を終了する。
次に、図8のフローチャートを参照して、電子楽器1が歌唱発音モードにおいて実行する歌唱発音処理について説明する。電子楽器1は、歌唱発音処理の実行に先立って、上述した発音指示受付処理及び記号入力受付処理を実行することにより楽音データ及び歌詞データを生成し、RAM104に記憶している。この状態において、ユーザが、上述したモード選択ボタンを操作することにより電子楽器1の動作モードとして歌唱発音モードを選択した後、上述した開始ボタンを操作することにより歌唱発音モードに従った動作の開始を電子楽器1へ指示すると、歌唱発音部12が、図8のフローチャートに示す歌唱発音処理を開始する。
まず、歌唱発音部12は、楽音データをRAM104から取得する(ステップS301)。次に、歌唱発音部12は、歌詞データをRAM104から取得する(ステップS302)。歌唱発音部12は、ROM105に記憶された譜割り規則データDRに従って譜割り処理を行い、楽音データが表す楽音に歌詞データが表す歌詞を割り当てることにより、歌唱発音データを生成する(ステップS303)。歌唱発音部12は、音声出力部110に、ステップS303で生成した歌唱発音データに従って、歌詞を表すアナログ歌詞信号に基づいた発音を行わせると共に、楽音を表すアナログ楽音信号に基づいた発音を行わせる(ステップS304)。歌唱発音部12は、上述した終了ボタンに対するユーザによる操作を受け付けたか否かを判定することによって、動作の終了が指示されたか否かを判定する(ステップS305)。動作の終了が指示されたと判定すると(ステップS305;Yes)、歌唱発音部12は、歌唱発音処理を終了する。一方、動作の終了が指示されていないと判定すると(ステップS305;No)、歌唱発音部12は、歌唱発音データが含む楽音及び歌詞を全て発音したか否かを判定することによって、歌唱発音データに従った発音を終了するか否かを判定する(ステップS306)。歌唱発音データが含む楽音及び歌詞のうち一部が未だ発音されていないと判定すると(ステップS306;No)、処理はステップS305へ戻る。一方、歌唱発音データが含む全ての楽音及び歌詞を発音したと判定すると(ステップS306;Yes)、歌唱発音部12は、歌唱発音処理を終了する。
以上説明したとおり、電子楽器1は、鍵盤102が有する鍵に対する押鍵操作に応じて文字を含む記号入力を受け付け、操作性を向上させることができる。
電子楽器1は、記号入力モードにおいて、楽音発音モードでは楽音の発音指示を受け付ける鍵盤102を用いて記号入力を受け付ける。このため、電子楽器1は、楽音の発音指示を行う際と同様の直感的なユーザによる操作に応じて記号入力を受け付けることができ、操作性を向上させることができる。また、記号入力を受け付ける手段を楽音の発音指示を受け付ける鍵盤102とは別に設ける必要が無いため、電子楽器1を小型化・軽量化することができると共に、当該手段を設けることによって電子楽器1のデザイン性が損なわれることを抑制できる。
また、電子楽器1は、1オクターブ分の鍵で構成された文字入力鍵MKに対する押鍵操作に従って文字の記号入力を受け付ける。このため、ユーザは、文字入力鍵MKが含む複数の鍵を片手で容易に押鍵して文字の記号入力を行うことができ、操作性が向上する。
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、各種情報が図2に示す態様で鍵盤102が備える鍵に対応付けられているものとして説明したが、これは一例に過ぎない。各種情報は、任意の態様で鍵盤102が備える鍵に対応付けることができる。例えば、各種情報と鍵盤102が備える鍵とを、図9に示す態様で互いに対応付けてもよい。
図9の例では、白鍵102’A〜102’G,102’aと、黒鍵102’’A〜102’’D,102’’aと、が文字入力鍵MKとして設定されている。文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’A〜102’’D,102’’aには、それぞれ、文字「あ」〜「お」が対応付けられている。白鍵102’A〜102’G,102’aには、それぞれ、複数の文字が対応付けられている。白鍵102’A〜102’G,102’aに対応付けられた複数の文字には、それぞれ、文字「あ」〜「お」の何れか一つが識別子として対応付けられている。
この場合、電子楽器1は、文字入力鍵MKに属する白鍵102’と黒鍵102’’とが押鍵されたことに応答して、押鍵された白鍵102’に対応付けられた複数の文字のうち、押鍵された黒鍵102’’に対応付けられた文字が識別子として付された文字の記号入力を受け付ける。例えば、図9の例において、白鍵102’Bと黒鍵102’’Cとが押鍵された場合、電子楽器1は、白鍵102’Bに対応付けられた文字「さ」〜「そ」のうち、黒鍵102’’Cに対応付けられた文字「う」が識別子として付された文字である「す」の記号入力を受け付ける。また、電子楽器1は、文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’のみが押鍵されたことに応答して、文字「あ」〜「お」のうち押鍵された黒鍵102’’に対応付けられた文字の記号入力を受け付ける。
なお、文字入力鍵MKに属する白鍵102’Gには、文字「や」「ゆ」「よ」と文字「わ」「を」「ん」とにはそれぞれ互いに同一の識別子が対応付けられている。すなわち、文字「や」と文字「わ」とには、何れも文字「あ」が識別子として付されている。また、文字「ゆ」と文字「を」とには、何れも文字「う」が識別子として付されている。また、文字「よ」と文字「ん」とには、何れも文字「お」が識別子として付されている。電子楽器1は、白鍵102’Gと文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’とが押鍵されたことに応答し、白鍵102’Gに対応付けられた複数の文字の何れかを、押鍵された黒鍵102’’に対応付けられた文字と、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数と、に従って特定し、特定した文字の記号入力を受け付ける。具体的に、電子楽器1は、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数が奇数であれば文字「や」「ゆ」「よ」の何れかの記号入力を受け付け、押鍵操作の回数が偶数であれば文字「わ」「を」「ん」の何れかの記号入力を受け付ける。例えば、白鍵102’Gと文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’Cとが押鍵され、かつ、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数が奇数である場合、電子楽器1は、白鍵102’Gに対応付けられ、黒鍵102’’Cに対応付けられた文字「う」が識別子として付された文字「ゆ」及び「を」のうち、奇数回の押鍵操作に対応する文字「ゆ」の記号入力を受け付ける。一方、白鍵102’Gと文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’Cとが押鍵され、かつ、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数が偶数である場合、電子楽器1は、白鍵102’Gに対応付けられ、黒鍵102’’Cに対応付けられた文字「う」が識別子として付された文字「ゆ」及び「を」のうち、偶数回の押鍵操作に対応する文字「を」の記号入力を受け付ける。
図9の例では、白鍵102’b〜102’gと、黒鍵102’’b〜102’’fと、が情報入力鍵FKとして設定されている。電子楽器1は、情報入力鍵FKに対するユーザの押鍵操作に応答して、文字とは異なる情報の記号入力を受け付ける。具体的に、白鍵102’bには、現在の記号入力位置の文字を仮名小文字として記号入力することを指示する編集コマンドが対応付けられている。電子楽器1は、白鍵102’bに対応する押鍵操作に従って仮名小文字の記号入力を受け付けることにより、「しゃ」「しゅ」「しょ」等の拗音の記号入力を受け付けることができる。以下、電子楽器1が拗音「しゃ」の記号入力を受け付ける場合を例に用いて説明する。電子楽器1は、文字入力鍵MKに属する鍵のうち、白鍵102’B及び黒鍵102’’Bが押鍵されたことに応答し、文字「し」の記号入力を受け付ける。また、電子楽器1は、白鍵102’G及び黒鍵102’’Aが押鍵され、かつ、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数が奇数であることに応答し、文字「や」の記号入力を受け付ける。カーソルCAによって示される現在の記号入力位置が、記号入力された文字「や」の入力位置である状態において白鍵102’bが押鍵されると、これに応答し、電子楽器1は、文字「や」を、対応する仮名小文字「ゃ」へ変換し、この仮名小文字「ゃ」の記号入力を受け付ける。これにより、拗音「しゃ」が記号入力される。このように電子楽器1は、白鍵102’bに対する押鍵操作に従って仮名小文字の記号入力を受け付けることにより、当該仮名小文字により特定される拗音の記号入力を受け付けることができる。白鍵102’cには、長音記号が対応付けられている。白鍵102’dには、記号入力の内容を確定することを指示する編集コマンドが対応付けられている。白鍵102’eには、現在の記号入力位置を前方へ移動させることを指示する操作コマンドが対応付けられている。白鍵102’fには、読点「、」が対応付けられている。白鍵102’gには、文字「あ」〜「お」の何れか一つが識別子としてそれぞれ付された、複数の特殊文字が対応付けられている。電子楽器1は、白鍵102’fと、文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’の何れかと、が押鍵されたことに応答して、白鍵102’aに対応付けられた複数の特殊文字のうち、文字「あ」〜「お」のうち押鍵された黒鍵102’’に対応付けられた文字が識別子として付された特殊文字の記号入力を受け付ける。
黒鍵102’’bには、濁点記号が対応付けられている。電子楽器1は、黒鍵102’’bに対応する押鍵操作に従って濁音記号の記号入力を受け付けることにより、「ば」「び」「ぶ」「べ」「ぼ」等の濁音の記号入力を受け付けることができる。以下、電子楽器1が濁音「ば」の記号入力を受け付ける場合を例に用いて説明する。電子楽器1は、文字入力鍵MKに属する鍵のうち白鍵102’E及び黒鍵102’’Aが押鍵されたことに応答し、文字「は」の記号入力を受け付ける。カーソルCAによって示される現在の記号入力位置が、記号入力された文字「は」の入力位置である状態において黒鍵102’’bが押鍵されると、これに応答し、電子楽器1は、文字「は」に濁音を付した濁音「ば」の記号入力を受け付ける。なお、電子楽器1は、黒鍵102’’bと文字入力鍵MKに属する白鍵102’及び黒鍵102’’とが同時に押鍵されたことに応答して、当該文字入力鍵MKに属する白鍵102’及び黒鍵102’’の組合せにより特定される文字に濁音記号を付した濁音の記号入力を受け付けてもよい。この場合、電子楽器1は、例えば、白鍵102’Eと、黒鍵102’’Aと、黒鍵102’’bと、が同時に押鍵されたことに応答して、白鍵102’E及び黒鍵102’’Aの組合せにより特定される文字「は」に濁音記号を付した濁音「ば」の記号入力を受け付ける。黒鍵102’’cには、半濁点記号が対応付けられている。電子楽器1は、黒鍵102’’bに対応する押鍵操作に従って半濁音記号の記号入力を受け付けることにより、「ぱ」「ぴ」「ぷ」「ぺ」「ぽ」等の半濁音の記号入力を受け付けることができる。以下、電子楽器1が半濁音「ぱ」の記号入力を受け付ける場合を例に用いて説明する。電子楽器1は、文字入力鍵MKに属する鍵のうち白鍵102’E及び黒鍵102’’Aが押鍵されたことに応答し、文字「は」の記号入力を受け付ける。カーソルCAによって示される現在の記号入力位置が、記号入力された文字「は」の入力位置である状態において黒鍵102’’cが押鍵されると、これに応答し、電子楽器1は、文字「は」に半濁音を付した半濁音「ぱ」の記号入力を受け付ける。なお、電子楽器1は、黒鍵102’’bと文字入力鍵MKに属する白鍵102’及び黒鍵102’’とが同時に押鍵されたことに応答して、文字入力鍵MKに属する白鍵102’及び黒鍵102’’の組合せにより特定される文字に半濁音記号を付した半濁音の記号入力を受け付けてもよい。この場合、電子楽器1は、例えば、白鍵102’Eと、黒鍵102’’Aと、黒鍵102’’cと、が同時に押鍵されたことに応答して、白鍵102’E及び黒鍵102’’Aの組合せにより特定される文字「は」に半濁音記号を付した濁音「ぱ」の記号入力を受け付ける。黒鍵102’’dには、現在の記号入力位置に記号入力された情報を削除することを指示する編集コマンドが対応付けられている。黒鍵102’’eには、現在の記号入力位置を後方へ移動させることを指示する操作コマンドが対応付けられている。黒鍵102’’fには、句点「。」が対応付けられている。
なお、各種情報と鍵盤102が備える鍵とを、図10に示す態様で互いに対応付けてもよい。図10の例では、文字「A」〜「Z」が、文字入力鍵MKに属する白鍵102’A〜102’G,102’a〜102’cに、キーボードのQWERTY配列に従って対応付けられている。白鍵102’A〜102’G,102’a〜102’cには、それぞれ、1〜3個の文字が対応付けられており、各文字には数字「1」〜「3」が識別子として付されている。また、文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’C,102’’D,102’’aには、それぞれ、数字「1」〜「3」の何れかが対応付けられている。文字入力鍵MKに属する白鍵102’と黒鍵102’’とが押鍵されると、電子楽器1は、押鍵された白鍵102’に対応付けられた文字のうち、押鍵された黒鍵102’’に対応付けられた数字が識別子として付された文字の記号入力を受け付ける。なお、図10の例において、情報入力鍵FKに属する白鍵102’eには、複数の特殊文字「“」「&」「!」及び「?」が対応付けられている。各特殊文字には、数字「1」〜「4」の何れか一つが識別子として付されている。具体的に、特殊文字「“」には数字「1」が、特殊文字「&」には数字「2」が、特殊文字「!」には数字「3」が、特殊文字「?」には数字「4」が、それぞれ識別子として付されている。電子楽器1は、白鍵102’eに対する押鍵操作の回数に従って、白鍵102’eに対応付けられた複数の特殊文字のうち何れか一つを特定し、特定した特殊文字の記号入力を受け付ける。具体的に、電子楽器1は、白鍵102’eに対する押鍵操作の回数を4で除算した際の剰余が1であれば数字「1」が識別子として付された特殊文字「“」の記号入力を受け付ける。同様に、電子楽器1は、白鍵102’eに対する押鍵操作の回数を4で除算した際の剰余が2であれば特殊文字「&」の記号入力を受け付け、剰余が3であれば特殊文字「!」の記号入力を受け付け、剰余が0であれば特殊文字「?」の記号入力を受け付ける。
上記実施形態では、文字入力鍵MKに属する白鍵102’及び黒鍵102’’が押鍵されたことに応答して、白鍵102’に対応付けられた複数の文字のうち、黒鍵102’’に対応付けられた識別子が付された文字の記号入力を受け付けるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、電子楽器1は、鍵盤102が備える複数の鍵に対する押鍵操作の組み合わせに従って、任意の方法で記号入力を受け付けることができる。例えば、図11に示すように、文字入力鍵MKに属する白鍵102’A〜102’G,102’aにそれぞれ互いに異なる子音を、文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’A〜102’’D,102’’aにそれぞれ互いに異なる母音を予め対応付けておき、白鍵102’及び黒鍵102’’が押鍵されたことに応答して、当該白鍵102’に対応付けられた子音と当該黒鍵102’’に対応付けられた母音とで特定される文字の記号入力を受け付けてもよい。なお、図11の例において、文字入力鍵MKに属する白鍵102’Gには、2つの子音「Y」及び「W」が対応付けられている。電子楽器1は、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数に従って、白鍵102’Gに対応付けられた子音「Y」及び「W」のうち何れか一つを特定し、特定した子音に従った文字入力を受け付ける。具体的に、電子楽器1は、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数が奇数であれば子音「Y」を、押鍵操作の回数が偶数であれば子音「W」を、特定し、特定した子音に従った文字入力を受け付ける。例えば、電子楽器1は、白鍵102’Gと文字入力鍵MKに属する黒鍵102’’Aとが押鍵され、かつ、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数が奇数である場合、奇数回の押鍵操作に対応する子音「Y」と黒鍵102’’Aに対応付けられた母音「A」とによって特定される文字「や」の記号入力を受け付ける。また、電子楽器1は、白鍵102’Gと黒鍵102’’Aとが押鍵され、かつ、白鍵102’Gに対する押鍵操作の回数が偶数である場合、偶数回の押鍵操作に対する子音「W」と黒鍵102’’Aに対応付けられた母音「A」とによって特定される文字「わ」の記号入力を受け付ける。なお、子音及び母音を両方とも白鍵102’に対応付けてもよいし、子音及び母音を両方とも黒鍵102’’に対応付けてもよい。すなわち、電子楽器1は、複数の白鍵102’が押鍵されたことに応答し、押鍵された白鍵102’の組み合わせに応じた記号入力を受け付けることができる。また、電子楽器1は、複数の黒鍵102’’が押鍵されたことに応答し、押鍵された黒鍵102’’の組み合わせに応じた記号入力を受け付けることができる。
上記実施形態では、文字入力鍵MKに属する白鍵102’に対応付けられた複数の文字のうち、押鍵された黒鍵102’’に対応付けられた識別子に応じた文字の記号入力を受け付けるものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、白鍵102’に対応付けられた複数の文字の何れかを、他の方法により特定し、記号入力を受け付けてもよい。例えば、電子楽器1は、白鍵102’が複数回押鍵されたことに応答して、当該白鍵102’に対応付けられた複数の文字のうち押鍵回数に応じた文字の記号入力を受け付けてもよい。なお、上記実施形態では、白鍵102’に複数の文字が対応付けられるものとして説明したが、これは一例に過ぎず、白鍵102’には、記号や特殊文字、コマンド等の文字以外の情報を含む複数の情報を対応付けることもできる。また、上記実施形態では、複数の文字を白鍵102’に対応付け、識別子を黒鍵102’’に対応付けるものとして説明したが、これは一例に過ぎない。白鍵102’に識別子を、黒鍵102’’に複数の文字を対応付けてもよい。また、識別子及び複数の文字を何れも白鍵102’に対応付けてもよいし、識別子及び複数の文字を何れも黒鍵102’’に対応付けてもよい。すなわち、電子楽器1は、複数の白鍵102’が押鍵されたことに応答し、押鍵された白鍵102’の組み合わせに応じた記号入力を受け付けることができる。また、電子楽器1は、複数の黒鍵102’’が押鍵されたことに応答し、押鍵された黒鍵102’’の組み合わせに応じた記号入力を受け付けることができる。
上記実施形態では、記号入力を受け付けることにより作成された歌詞を、楽音発音モードで発音指示を受け付けた楽音と共に発音するものとして説明した。しかし、これは一例に過ぎず、電子楽器1は、歌詞を、任意の方法で指定された音高の楽音と共に発音することができる。例えば、電子楽器1は、楽音を表すデータを上述した外部インタフェースを介して外部装置から取得し、当該データが表す楽音と共に歌詞を発音すればよい。
上記実施形態では、文字入力鍵MK及び情報入力鍵FKに対する押鍵操作に従って、文字、特殊文字、記号、編集コマンド及び指示コマンドの記号入力を受け付けるものして説明したが、これは一例に過ぎない。電子楽器1は、鍵盤102が備える鍵に対する押鍵操作に従って、任意の種類の情報の記号入力を受け付けることができる。例えば、数字や図形、動作モードの切り替えを指示するためのコマンド等の記号入力を受け付けてもよい。また、上記実施形態では、文字の記号入力を受け付けることにより、歌詞を作成するものとして説明したが、これは一例に過ぎない。文字の記号入力を受け付けることにより、楽曲タイトルや演奏日時、データファイル名等の任意の文字情報を作成することがえきる。
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた電子楽器を本発明に係る電子楽器として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存の電子楽器を、本発明に係る電子楽器として機能させることもできる。すなわち、本発明に係る電子楽器の各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存の電子楽器を制御するコンピュータが実行できるように適用することで、当該既存の電子楽器を本発明に係る電子楽器として機能させることができる。なお、このようなプログラムは任意の方法で適用できる。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、メモリカード等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶して適用できる。さらに、プログラムを搬送波に重畳し、インターネット等の通信ネットワークを介して適用することもできる。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。そして、このプログラムを起動し、OS(Operation System)の制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記1)
設定された楽音発音モードにしたがって、複数の鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた楽音の発音指示を受け付ける発音指示受付処理と、
設定された記号入力モードにしたがって、前記複数の鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた記号入力を受け付ける記号入力受付処理と、
を実行する制御部を備えることを特徴とする電子楽器。
(付記2)
前記複数の鍵は、少なくとも白鍵及び黒鍵のいずれか一方を含み、
前記記号入力受付処理は、前記複数の鍵に対する前記押鍵操作の組み合わせにより特定される文字を含む前記記号入力を受け付けることを特徴とする付記1に記載の電子楽器。
(付記3)
前記記号入力受付処理は、或る1オクターブに含まれる前記白鍵及び前記黒鍵に対する前記押鍵操作の組み合わせにより特定される文字を含む前記記号入力を受け付けることを特徴とする付記2に記載の電子楽器。
(付記4)
前記白鍵には、互いに異なる識別子がそれぞれ付された複数の文字が対応付けられており、前記黒鍵には前記識別子のうちのいずれか1つが対応付けられていることを特徴とする付記2または3に記載の電子楽器。
(付記5)
前記記号入力受付処理により受け付けられた前記記号入力により作成された歌詞を、指定された音高の楽音と共に発音する発音部を備える付記1乃至4のいずれか1つに記載の電子楽器。
(付記6)
設定された楽音発音モードにしたがって、複数の鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた楽音の発音指示を受け付ける発音指示受付処理と、
設定された記号入力モードにしたがって、前記複数の鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた記号入力を受け付ける記号入力受付処理と、
を実行することを特徴とする方法。
(付記7)
コンピュータに、
設定された楽音発音モードにしたがって、複数の鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた楽音の発音指示を受け付ける発音指示受付処理と、
設定された記号入力モードにしたがって、前記複数の鍵に対するユーザによる押鍵操作に応じた記号入力を受け付ける記号入力受付処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。