JP2018159413A - 内燃機関のクランク軸構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】軸受許容荷重が増加、寿命が向上し生産性が向上する内燃機関のクランク軸構造。【解決手段】バランスウエイト部75R,75Lを有する円環部74R,74Lと軸部76R,76Lとの一体成形の一対のクランク部品73R,73Lが、コンロッド45を挟んで一体化された内燃機関のクランク軸構造において、コンロッドは大端孔部45aにメタルすべり軸受によるクランクピン軸受45bを有し、一方のクランク部品は一体成形されクランクピン72を有し、クランクピンの外周面72aaは加工仕上げされた平滑面とされ、一方のクランク部品において円環部のクランクピンとの接続部に円筒状補強部77を備え、その表面77aがバランスウエイト部の表面75Raよりクランクピン側に位置し、クランクピンの端面72bと円環部の外端面74Raとにクランクピンと同心の加工用センタ穴78を備え、他方のクランク部品にクランクピンの先端が圧入結合された。【選択図】図5

Description

本発明は、軸受許容荷重の増加、寿命向上が図られた内燃機関のクランク軸構造に関する。
クランク軸のコンロッド結合部のクランク軸方向両側がボールベアリングでクランクケースに支持され、コンロッド大端部はローラーベアリングを介してクランクピンに結合された従来の内燃機関のクランク軸構造が、例えば下記特許文献1に示されている。しかしながら、さらに軸受許容荷重の増加、寿命向上を図るとともに生産性を向上させることが望まれていた。
特開2004−052908号公報(図3、図4)
本発明は、上記従来技術に鑑みなされたものであり、軸強度を増すとともに、軸受許容荷重の増加、寿命向上を図り、生産性を向上させることができる内燃機関のクランク軸構造を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、バランスウエイト部を有する円環部と軸部との一体成形の、クランク軸方向で一対となるクランク部品が、コンロッドを挟んで結合されて一体化した組立て式の内燃機関のクランク軸構造において、
前記コンロッドは、前記クランク軸に結合される円環状の大端孔部を有し、同大端孔部内部にメタルすべり軸受で構成されたクランクピン軸受が設けられるとともに、前記一対のクランク部品の一方のクランク部品は、他方の前記クランク部品へ向けて一体成形で延出するクランクピンを有し、前記大端孔部のメタルすべり軸受と接する前記クランクピンの外周面は加工仕上げされた平滑面とされ、一方の前記クランク部品において、前記円環部の前記クランクピンとの接続部に円筒状補強部を備え、そのクランクピン側表面のクランク軸方向位置が、前記バランスウエイト部のクランクピン側表面のクランク軸方向位置よりクランクピン側に位置し、前記クランクピンのクランク軸方向端面とその反対向きの前記円環部のクランク軸方向外端面とにそれぞれ前記クランクピンの軸心と同心の加工用センタ穴を備え、他方の前記クランク部品に、前記クランクピンの先端が圧入結合され、一方と他方の前記クランク部品の前記軸部の軸心が一致していることを特徴とする内燃機関のクランク軸構造である。
上記構成によれば、クランク軸方向で一対となるクランク部品からなる組み立て式の内燃機関のクランク軸構造において、クランクピンを一方のクランク部品に一体に成形して軸強度を増しながら、一方のクランク部品においてバランスウエイト部が、円環部のクランクピンとの接続部に設けられた円筒状補強部よりクランクピン側に位置しないので、クランクピンのクランク軸方向端面とその反対向きの円環部のクランク軸方向外端面の加工用センター穴を用いて、クランクピンの平滑面加工仕上げがバランスウエイト部との干渉なく容易となり、クランクピンの加工性を高めることができて、生産性と軸受耐久性を高めることができ、コンロッドの大端孔部のクランクピン軸受としてメタルすべり軸受けを設けたことにより、軸受寿命が向上し、内燃機関の駆動音を低減し、内燃機関の性能を高めることができる。
前記構成において、
前記一対のクランク部品はそれぞれ前記軸部に、クランクケース部に設けられた主軸受で支持される円筒部を備え、前記一方のクランク部品の前記円筒部の外周と前記クランクピンの外周とを接続する給油孔を備え、クランク軸方向視で、前記クランクピンの軸心と前記円筒部の軸心を結ぶ仮想線に対して、前記給油孔の軸線が直線状に交差するように構成してもよい。
その構成によれば、
給油孔とクランクピンの基端隅部との距離、給油孔と一方のクランク部品の加工センタ穴との距離を確保しながら、給油孔を直線状にして加工工数を削減し、クランク軸垂直方向視で給油孔を傾けることで、クランクピンの外周における給油孔の開口位置を、コンロッドの大端孔部中央により近付けて、給油性を向上しながら、コンロッドから受ける爆発圧力の最大域を避ける位置とすることができる。
前記構成において、
前記クランクピンは、中実の棒状ピン部からなるように構成してもよい。
その構成によれば、
他方のクランク部品へのクランクピンの圧入に伴うクランクピンの変形を防止でき、結合するコンロッドの大端孔部のメタルすべり軸受で構成されたクランクピン軸受とクランクピンとのクリアランス変化を防止して、軸受寿命をより延ばすことができる。
前記構成において、
前記クランク軸は、前記一対のクランク部品の各円筒部がそれぞれ前記クランクケース部の軸受ボス部に設けられた前記主軸受により支持され、同主軸受はメタルすべり軸受で構成され、前記一対のクランク部品のそれぞれの前記円筒部より軸端側の前記軸部には、ベルト式無段変速機の駆動プーリと、AC発電機とが、振り分けて支持されるように構成してもよい。
その構成によれば、
クランク軸を、メタルすべり軸受で構成される主軸受で支持したことにより、主軸受の寿命が増し、内燃機関の駆動音が低減し、内燃機関の性能が高まるとともに、ベルト式無段変速機の駆動プーリとAC発電機とを、バランスよく支持することができ、鞍乗型車両用の内燃機関のクランク軸構造として好適となる。
前記構成において、
前記AC発電機は、前記クランクピンを一体に備える一方の前記クランク部品に支持されるように構成するとよい。
その構成によれば、
クランクピンの先端が圧入される他方のクランク部品の圧入部を、AC発電機のアウターロータの振動から離すことができ、圧入部に対する影響と負荷を低減でき、クランク軸の耐久性を増すことができる。
本発明の内燃機関のクランク軸構造によれば、
クランク軸方向で一対となるクランク部品からなる組み立て式の内燃機関のクランク軸構造において、クランクピンを一方のクランク部品に一体に成形して軸強度を増しながら、一方のクランク部品においてバランスウエイト部が、円環部のクランクピンとの接続部に設けられた円筒状補強部よりクランクピン側に位置しないので、クランクピンのクランク軸方向端面とその反対向きの円環部のクランク軸方向外端面の加工用センター穴を用いて、クランクピンの平滑面加工仕上げがバランスウエイト部との干渉なく容易となり、クランクピンの加工性を高めることができて、生産性と軸受耐久性を高めることができ、コンロッドの大端孔部のクランクピン軸受としてメタルすべり軸受けを設けたことにより、軸受寿命が向上し、内燃機関の駆動音を低減し、内燃機関の性能を高めることができる。
本発明の一実施形態に係る内燃機関のクランク軸構造を備えた自動二輪車の左側面概要図である。 図1中のパワーユニットを取出して示し、一部断面とする右側面図である。 図2中III−III矢視による、パワーユニットの要部断面展開図である。 図2中IV−IV矢視による、パワーユニット3のクランク軸を通る立面断面図である。 (a)部は、図3中のクランク軸とコンロッドとを取出して示す、クランク軸の軸心に沿った縦断面図である。(b)部は(a)部中b−b矢視による右面図である。 図5中(a)部の右クランク部品を同じ配向で示す縦断面図である。図6は、図7中VI−VI矢視に相当するが、給油孔の断面は概ね図7中VI′―VI′矢視による。 図6中VII−VII矢視による、右クランク部品の左面図であり、右クランク部品を右向きのクランク軸方向視で示す。 図7中VIII−VIII矢視による、右クランク部品の平面断面図である。
図1から図8に基づき、本発明の一実施形態に係る内燃機関のクランク軸構造につき説明する。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る内燃機関のクランク軸構造を備えた内燃機関を、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は鞍乗型車両であり、具体的にはスクータ型自動二輪車(以下、単に「自動二輪車」という)である。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
図1から図8は、本発明の一実施形態に係るものであり、図1に、本実施形態の自動二輪車1の左側面概要を示す。
本実施形態の自動二輪車1においては、車体前部1Aと車体後部1Bとが、低いフロア部1Cを介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレーム2は、概ねダウンチューブ21とメインパイプ22とからなる。
すなわち車体前部1Aのヘッドパイプ20からダウンチューブ21が下方へ延出し、ダウンチューブ21は下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、その後端において車幅方向に配向した連結フレーム23を介して左右一対のメインパイプ22が連結され、メインパイプ22は同連結部から後方斜め上に延びた傾斜部22aを形成し、傾斜部22aの上部がさらに屈曲して後方に略水平に延びた水平部22bを形成している。
一対のメインパイプ22の間には前後に収納ボックス11と燃料タンク12が支持され、収納ボックス11と燃料タンク12の上方は乗員シート13が覆って配置されている。
一方車体前部1Aにおいては、ヘッドパイプ20に軸支されて上方にハンドル14が設けられ、下方にフロントフォーク15が延びてその下端に前輪16が軸支されている。
メインパイプ22の前端部に支持ブラケット24が後方に向けて突設され、支持ブラケット24にリンク部材25を介してパワーユニット3が上下揺動可能に連結支持される。
車体前部1Aでは、ヘッドパイプ20およびダウンチューブ21の上下指向部がフロントカバー1aとレッグシールド1bにより前後から覆われ、フロア部1Cは、ダウンチューブ21の前後指向部がフロアカバー1cにより覆われ、車体後部1Bは、メインパイプ22がボデイカバー1dにより左右および後方が覆われる。
図2は、図1中のパワーユニット3を取出して示し、一部断面とする右側面図である。
図2に示すように、パワーユニット3は、その前部が単気筒4ストロークサイクルの水冷式SOHC型の内燃機関4であり、シリンダのシリンダ軸線Xを略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢にあって、そのユニットケース30の下端から前方に突出したハンガーアーム32の端部が前記リンク部材25にピボット軸26を介して連結されている。
パワーユニット3は、内燃機関4から後方にかけてベルト式無段変速機5が構成され、その後部に設けられた減速ギヤ機構51の出力軸である後車軸51aに後輪17が設けられている。
減速機構51のあるパワーユニット3の後部と、メインパイプ22後部の水平部22bとの間にリヤクッション18が介装されている。
内燃機関4は、ユニットケース30にクランク軸71を車幅方向、すなわち左右方向に指向させて回転自在に支持し、ユニットケース30から前方に、シリンダブロック41、シリンダヘッド42、ヘッドカバー43が順次重ねられてシリンダ軸線Xを大きく略水平に近く前傾して締結されている。
なお、図2においては、ユニットケース30においてベルト式無段変速機5を収容する伝動ケースとなる左ユニットケース30Lが示されるが、ベルト式無段変速機5自体は左ユニットケース30L内部に収納され図示されていない(図3参照)。
パワーユニット3の上部では、内燃機関4の大きく前傾したシリンダヘッド42の上部の吸気ポート65入口から吸気管61が延出して後方に湾曲し、吸気管61に接続されたスロットルボディ62がシリンダブロック41の上方に位置し、スロットルボディ62に連結される図示しないエアクリーナ63(図1参照)がベルト式無段変速機5の上方に配設されている。吸気管61には吸気ポート65に向けて燃料を噴射するインジェクタ64が装着されている。
また、シリンダヘッド42の下部の排気ポート66出口から下方に延出した図示されない排気管が、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪17の右側の図示されないマフラに接続される。
図3は、図2中III−III矢視による、パワーユニット3の要部断面展開図であり、内燃機関4の部分を主に示す。
内燃機関4は、シリンダブロック41のシリンダライナ41a内を往復動するピストン44とクランク軸71のクランクピン72とをコネクティングロッド(以下、単に「コンロッド」という)45が連結している。
シリンダヘッド42には、ピストン44の頂面と相対して燃焼室40が形成されている。
ユニットケース30は、左右割りの左ユニットケース30Lと右ユニットケース30Rとを合体して構成されるもので、右ユニットケース30Rは、クランクケース部35の右半体をなし、左ユニットケース30Lは、前部がクランクケース部35の左半体をなすとともに、後方に膨出して前後に長尺のベルト式無段変速機5を収容する伝動ケース52を兼ねる。
伝動ケース52(左ユニットケース30L)の前後長尺の左側開放面は、伝動ケースカバー52aにより覆われ、内部にベルト式無段変速機5が収納される変速室50が形成される。後部の右側開放面は減速ギヤカバー58(図2参照)により覆われ、内部に減速ギヤ機構51が収納される。
図3に示されるように、左ユニットケース30Lの前部と右ユニットケース30Rとの合体によるクランクケース部35内には、クランク軸71が左、右ユニットケース30L、30Rに形成されたクランクケース部35の左、右の側壁35aに左右の主軸受36L、36Rで回転自在に支持されるが、左、右の主軸受36L、36Rは、ともにメタルすべり軸受で構成されている。
クランク軸71の左右水平方向に延びた外側軸部のうち右外側軸部71Rにはカムチェーン駆動スプロケット46とオイルポンプ駆動ギヤ47が嵌着されるとともに、右端にAC発電機48が設けられ、左外側軸部71Lにはベルト式無段変速機5の遠心ウエイト53と駆動プーリ54が設けられる。
本内燃機関4は、SOHC型式の2バルブシステムを採用しており、シリンダヘッド42内にカムシャフト91等からなる動弁機構9が設けられている。
なお、動弁機構9を覆うように、シリンダヘッド42にはヘッドカバー43が重ねられて被せられる。
ヘッドカバー43内の動弁機構9に動力伝達を行うカムチェーン92がカムシャフト91とクランク軸71との間に架設されており、そのためのカムチェーン室49が、右ユニットケース30R、シリンダブロック41、シリンダヘッド42に連通して設けられている(図2参照)。
すなわち左右水平方向に指向したカムシャフト91の右端に嵌着されたカムチェーン被動スプロケット93と、クランク軸71に嵌着されたカムチェーン駆動スプロケット46との間にカムチェーン92が、カムチェーン室49内を通って架渡され、クランク軸71の1/2の回転速度でカムシャフト91が同期して回転駆動される。
一方、シリンダヘッド42においてカムチェーン室49と反対側(左側)から燃焼室40に向かって点火プラグ40aが嵌挿されている。
パワーユニット3の左側のベルト式無段変速機5は、駆動プーリ54と図示しない被動プーリとにVベルト55が掛け渡されてクランク軸71からの動力が伝達されるもので、機関回転数に応じて遠心ウエイト53により駆動プーリ54におけるVベルト55の巻掛け径が変化し、これに伴い同時に被動プーリにおける巻掛け径が変化することにより変速比が自動的に変更されて無段変速されるものであって、さらに、減速ギヤ機構51によって減速されて後車軸51aに回転動力が伝達され、後輪17が駆動される(図2参照)。
本実施形態におけるベルト式無段変速機5と減速ギヤ機構51からなる変速伝動機構自体は、従来広く公知のものであり、以下、変速伝動機構の詳細な説明は省略する。
図4は、図2中IV−IV矢視による、パワーユニット3のクランク軸71を通る立面断面図である。図4に示されるように、クランク軸71の下方には、オイルポンプ駆動ギヤ47と噛合し駆動されるオイルポンプ被動ギヤ82により回転するオイルポンプ8が設けられている(図2参照)。
ユニットケース30の底部にはオイル溜め83が設けられており、オイル溜め83からオイルフィルタ84を通ったオイルは、オイル吸入路85を経由して、オイルポンプ8の吸入ポート
86に吸入され、吐出ポート87から吐出したオイルは図示しない給油路を通り、所定の潤滑個所、冷却個所に供給される。
以上のような本実施形態のパワーユニット3の内燃機関4において、クランク軸71は、図3中のクランク軸71とコンロッド45とを取出してクランク軸71の軸心Cに沿った縦断面を示す図5に示されるように、クランク軸71方向で一対となる2つのクランク部品73R、73Lがそれぞれ、バランスウエイト部75R、75Lを有する円環部74R、74Lと、軸部76R、76Lとを一体にして成形され、両クランク部品73R、73Lがコンロッド45を挟んで結合されて一体化された、組立て式の構造を有している。
また、図6は、図5中(a)部の右クランク部品73Rを同じ配向で示す縦断面図であり、図7中VI−VI矢視に相当するが、給油孔88の断面は概ね図7中VI′―VI′矢視による。
図7は、図6中VII−VII矢視による、右クランク部品73Rの左面図であり、右クランク部品73Rを右向きのクランク軸方向視で示す。
図8は図7中VIII−VIII矢視による、右クランク部品73Rの平面断面図である。
一対のクランク部品73R、73Lの一方のクランク部品、すなわち本実施形態において右クランク部品73Rは、他方のクランク部品、すなわち本実施形態において左クランク部品73Lへ向けて延出するクランクピン72が円環部74Rから一体に成形されている。
また、左クランク部品73L(本発明における「他方のクランク部品」)の円環部74Lには、クランクピン72の先端を嵌入させる嵌入孔74Laが穿設されており、右クランク部品73Rと左クランク部品73Lの軸部76R、76Lの軸心76xを一致させた位置において、右クランク部品73R(本発明における「一方のクランク部品」)の円環部74Rに一体成形されたクランクピン72の先端が、コンロッド45の大端孔部45aを挿通して挟んだうえで、左クランク部品73Lの円環部74Lの嵌入孔74Laに圧入結合されて、クランク軸71が形成されている。
そのためクランクピン72が右クランク部品73Rに一体に成形されて嵌合部が減じ軸強度が増し、組み立て工数が減じている。なお、軸部76R、76Lの軸心76xは、クランク軸71の組み立て後には、クランク軸71の軸心Cと一致する。
また、クランク軸71に結合されるコンロッド45の大端孔部45aの内部には、メタルすべり軸受で構成されたクランクピン軸受45bが設けられ、クランクピン軸受45bをなすメタルすべり軸受と接するクランクピン72の外周面72aaは平滑面に加工仕上げされている。
右クランク部品73Rの円環部74Rのクランクピン72との接続部には円筒状補強部77が形成され、図6に示されるように、円筒状補強部77のクランクピン側表面77aのクランク軸方向位置Aが、バランスウエイト部75Rのクランクピン側表面75Raのクランク軸方向位置Bより、図示dだけ、クランクピン72側に形成されている。また、クランクピン72のクランク軸方向端面72bとその反対向きの円環部74Rのクランク軸方向外端面74Raとに、夫々クランクピン72の軸心Pと同心の加工用センタ穴78が形成されている。
そのように、クランクピン72が右クランク部品73Rに一体に成形されその外周面72aaは平滑面に加工仕上げされるが、右クランク部品73Rにおいてバランスウエイト部75Rが、円環部74Rのクランクピン72との接続部に設けられた円筒状補強部77よりクランクピン72側に位置しないので、クランクピン72のクランク軸方向端面72bとその反対向きの円環部74Rのクランク軸方向外端面74Raの加工用センター穴78を用いて、クランクピン72の平滑面加工仕上げをすることが、バランスウエイト部75Rとの干渉なく行えて容易となり、クランクピン72の加工性を高めることができて、生産性と軸受耐久性を高めることができるものとなっている。
また、コンロッド45の大端孔部45aのクランクピン軸受45bとしてメタルすべり軸受を設けたことにより、クランクピン軸受45bの軸受寿命が向上し、内燃機関4の駆動音を低減し、内燃機関4の性能を高めることができるものとなっている。
図5に示されるように、一対のクランク部品73R、73Lはそれぞれ軸部76R、76Lに、クランクケース部35に設けられた主軸受36R、36Lで支持される円筒部79R、79Lを備え、右クランク部品73Rの円筒部79Rの外周79Raとクランクピン72の外周72aとは、給油孔88で接続されている。
図3に示されるように、主軸受36R、36Lはメタルすべり軸受で構成されており、クランクケース部35の軸受ボス部37に取付けられ、オイルポンプ8から図示しない給油経路を経て軸受ボス部37の給油路89から、円筒部79R、79Lの外周79Ra、79Laにオイルが供給され、メタルすべり軸受で構成された主軸受36R、36Lの潤滑を行う。
この時、右の円筒部79Rの外周79Raに供給されたオイルは、給油孔88を通って、クランクピン72の外周72aへも供給され、メタルすべり軸受で構成されたクランクピン軸受45bが潤滑される。
メタルすべり軸受は一般に好ましいオイル潤滑を要する。本実施形態においては、図4にオイルポンプ8、オイルフィルタ84およびそれらの関連構成の一例を示したが、それらに限定されることなく、求めるオイルの仕様、内燃機関4の構造等によって、オイルポンプ、オイルフィルタ、給油経路等は適宜の仕様、構成、配置によるものであってよい。
図7に示されるように、クランク軸方向視で、クランクピン72の軸心Pと円筒部の軸心、すなわちクランク軸71の軸心Cを結ぶ仮想線Lに対して、給油孔88はその軸線Kが直線状に交差して形成されている。
そのように、給油孔88を交差して設けることで、給油孔88とクランクピン72の基端隅部72cとの距離e、給油孔88と右クランク軸部品73Rの加工センタ穴73Raとの距離f等を確保しながら、給油孔88を直線状にして加工工数を削減し、図6、図8に示すように、クランク軸垂直方向視で給油孔88を傾けることが容易にできて、クランクピン72の外周72aにおける給油孔88の開口位置を、コンロッド45の大端孔部45aの中央により近付けて、給油性を向上しながら、図7に示すように、コンロッド45から受ける爆発力の最大域Mを避ける位置とすることができる。
すなわち、クランクピン72の軸心Pとクランク軸71の軸心Cとの間で上記の仮想線Lと給油孔88の軸線Kが交差することで、給油孔88と、クランク軸ピン72の軸心Pおよびクランク軸71の軸心Cとのクリアランスを確保している。
また、クランクピン72は、中実の棒状ピン部からなっており、左クランク部品73Lへのクランクピン72の圧入に伴うクランクピン72の変形を防止でき、結合するコンロッド45の大端孔部45aのメタルすべり軸受で構成されたクランクピン軸受45bとクランクピン72とのクリアランス変化を防止して、クランクピン軸受45bの軸受寿命をより延ばすことができるものとしている。
一方、図3に示されるように、クランク軸71は、クランク軸71を構成する一対のクランク部品73R、73Lの各円筒部79R、79Lがそれぞれ、クランクケース部35の軸受ボス部37に設けられた主軸受36R、36Lにより支持されていおり、主軸受36R、36Lはメタルすべり軸受で構成されている。
そして、一対のクランク部品73R、73Lの、それぞれの円筒部79R、79Lより軸端側の右の軸部76R、すなわちクランク軸71の右外側軸部71RにはAC発電機48が、左の軸部76L、すなわちクランク軸71の左外側軸部71Lにはベルト式無段変速機5の駆動プーリ54が、振り分けて支持されている。
本実施形態のものは、上記のように、クランク軸71を、メタルすべり軸受で構成される主軸受36R、36Lで支持したことにより、主軸受36R、36Lの寿命が増し、内燃機関4の駆動音が低減し、内燃機関4の性能が高まるとともに、ベルト式無段変速機5の駆動プーリ54とAC発電機48とを、バランスよく支持することができ、自動二輪車1等の鞍乗型車両用の内燃機関4のクランク軸構造として好適なものとなっている。
しかも、AC発電機48は、クランクピン72を一体に備える一方のクランク部品、すなわち本実施形態では右クランク部品73Rに支持されたので、クランクピン72の先端が圧入される他方のクランク部品、すなわち本実施形態では左クランク部品72Lの圧入部となる嵌入孔74Laを、AC発電機48のアウターロータ48aの振動から離すことができ、嵌入孔74Laに対する影響と負荷を低減でき、クランク軸71の耐久性を増すようになっている。
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能であり、本発明の要旨の範囲で、車両、内燃機関等が、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
なお、説明の便宜上、図示の実施形態の左右配置のものについて説明したが、左右配置の異なるものであっても、発明の要旨の範囲であれば本発明に含まれる。
1…自動二輪車、2…車体フレーム、3…パワーユニット、4……内燃機関、5…ベルト式無段変速機、8…オイルポンプ、30…ユニットケース、30L…左ユニットケース、30R…左ユニットケース、35…クランクケース部、35a…側壁、36L…主軸受、36R…主軸受、37…軸受ボス部、41…シリンダブロック、42…シリンダヘッド、43…ヘッドカバー、44…ピストン、45…コンロッド(コネクティングロッド)、45a…大端孔部、45b…クランクピン軸受、47…オイルポンプ駆動ギヤ、48…AC発電機、48a…アウターロータ、54…駆動プーリ、71…クランク軸、71L…左外側軸部、71R…右外側軸部、72…クランクピン、72a…外周、72aa…外周面、72b…クランク軸方向端面、72c…基端隅部、73L…左クランク部品(本発明における「他方のクランク部品」)、73R…右クランク部品(本発明における「一方のクランク部品」)、73Ra…加工用センタ穴、74L…(左の)円環部、74La…嵌入孔、74R…(右の)円環部、74Ra…クランク軸方向外端面、75R…(右の)バランスウエイト部、75Ra…クランクピン側表面、76L…(左の)軸部、76R…(右の)軸部、76x…(軸部76R、76Lの)軸心、77…円筒状補強部、77a…クランクピン側表面、78…加工用センタ穴、79L…(左の)円筒部、79La…外周、79R…(右の)円筒部、79Ra…外周、82…オイルポンプ被動ギヤ、84…オイルフィルタ、88…給油孔、89…給油路、X…シリンダ軸線、C…(クランク軸71の、および円筒部79R,79Lの)軸心、P…(クランクピン72の)軸心、K…(給油孔88の)軸線、L…仮想線

Claims (5)

  1. バランスウエイト部(75R,75L)を有する円環部(74R,74L)と軸部(76R,76L)との一体成形の、クランク軸(71)方向で一対となるクランク部品(73R,73L)が、コンロッド(45)を挟んで結合されて一体化した組立て式の内燃機関(4)のクランク軸構造において、
    前記コンロッド(45)は、前記クランク軸(71)に結合される円環状の大端孔部(45a)を有し、同大端孔部(45a)内部にメタルすべり軸受で構成されたクランクピン軸受(45b)が設けられるとともに、前記一対のクランク部品(73R,73L)の一方のクランク部品(73R)は、他方の前記クランク部品(73L)へ向けて一体成形で延出するクランクピン(72)を有し、前記大端孔部(45a)のメタルすべり軸受と接する前記クランクピン(72)の外周面(72aa)は加工仕上げされた平滑面とされ、
    一方の前記クランク部品(73R)において、前記円環部(74R)の前記クランクピン(72)との接続部に円筒状補強部(77)を備え、そのクランクピン側表面(77a)のクランク軸方向位置が、前記バランスウエイト部(75R)のクランクピン側表面(75Ra)のクランク軸方向位置よりクランクピン(72)側に位置し、前記クランクピン(72)のクランク軸方向端面(72b)とその反対向きの前記円環部(74R)のクランク軸方向外端面(74Ra)とにそれぞれ前記クランクピン(72)の軸心(P)と同心の加工用センタ穴(78)を備え、
    他方の前記クランク部品(73L)に、前記クランクピン(72)の先端が圧入結合され、一方と他方の前記クランク部品(73R,73L)の前記軸部(76R,76L)の軸心(76x)が一致していることを特徴とする内燃機関のクランク軸構造。
  2. 前記一対のクランク部品(73R,73L)はそれぞれ前記軸部(76R,76L)に、クランクケース部(35)に設けられた主軸受(36R,36L)で支持される円筒部(79R,79L)を備え、前記一方のクランク部品(73R)の前記円筒部(79R)の外周(79Ra)と前記クランクピン(72)の外周(72a)とを接続する給油孔(88)を備え、
    クランク軸方向視で、前記クランクピン(72)の軸心(P)と前記円筒部(79R)の軸心(C)を結ぶ仮想線(L)に対して、前記給油孔(88)の軸線(K)が直線状に交差することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のクランク軸構造。
  3. 前記クランクピン(72)は、中実の棒状ピン部からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のクランク軸構造。
  4. 前記クランク軸(71)は、前記一対のクランク部品(73R,73L)の各円筒部(79R,79L)がそれぞれ前記クランクケース部(35)の軸受ボス部(37)に設けられた前記主軸受(36R,36L)により支持され、同主軸受(36R,36L)はメタルすべり軸受で構成され、前記一対のクランク部品(73R,73L)のそれぞれの前記円筒部(79R,79L)より軸端側の前記軸部(76R,76L)には、ベルト式無段変速機(5)の駆動プーリ(54)と、AC発電機(48)とが、振り分けて支持されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の内燃機関のクランク軸構造。
  5. 前記AC発電機(48)は、前記クランクピン(72)を一体に備える一方の前記クランク部品(73R)に支持されたことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関のクランク軸構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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