JP2018154585A - リグノフェノールの製造方法 - Google Patents

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尚弘 竹田
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拓也 山城
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Abstract

【課題】リグノフェノール溶液のpH調整に要するアルカリ剤の量を削減できるリグノフェノールの製造方法の提供。【解決手段】リグノセルロース系材料A、フェノール誘導体C、及び酸Dを混合する第1混合工程a5と、第1混合物及びリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒Fの混合より、リグノフェノールの凝集物を得る第2混合工程bと、第2混合物を濾過工程C1と、濾過工程で濾取されたリグノフェノールの凝集物をアルカリ水溶液で洗浄する洗浄工程C2と、洗浄工程後のリグノフェノールの凝集物とリグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒とを混合して、溶媒にリグノフェノールが溶解されたリグノフェノール溶液を調製する溶液調製工程C3と、リグノフェノール溶液にアルカリ剤を加えて、C5リグノフェノール溶液のpHを調製するpH調整工程と、濃縮C6、析出C7、濾過C8、及び乾燥C9の工程と、を備える、リグノフェノールの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、リグノフェノールの製造方法に関する。
従来、リグニンおよりセルロースを含有するリグノセルロース系材料からリグノフェノールを製造する方法として、特許文献1には、以下の方法が開示されている。
すなわち、まず、リグノセルロース系材料、フェノール誘導体、および酸を混合することにより、リグニンを酸触媒の下でフェノール誘導体と反応させてリグノフェノールを生成し、該リグノフェノールを含有する第1混合物を得る(第1混合工程)。
次に、前記第1混合物と、リグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒(n−ヘキサンなど)とを混合することにより、第2混合物を得る(第2混合工程)。この第2混合物において、リグノフェノールは水と前記溶媒との間で凝集し固形状(以下、リグノフェノールの凝集物という)となる。
次に、前記第2混合物を固液分離(濾過など)することにより、リグフェノールの凝集物を得る(固液分離工程)。
そして、該リグノフェノールの凝集物とリグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒(メタノールなど)とを混合し、該溶媒にリグノフェノールを溶解させることによりリグノフェノール溶液を得た後、該リグノフェノール溶液から結晶としてのリグノフェノールを得る(精製工程)。
より具体的には、前記精製工程においては、前記リグノフェノール溶液を得た後、前記リグノフェノール溶液にアルカリ剤を加えることにより前記リグノフェノール溶液を所定のpH(pH2以上4以下)に調整し、リグノフェノールに対して貧溶媒となる、塩(塩化ナトリウム)を含む水に、pH調整後のリグノフェノール溶液を加えて混合液とし、該混合液から結晶としてのリグノフェノールを得る。
特許5968568号公報
特許文献1に記載の方法では、固液分離工程で得られたリグノフェノールの凝集物には、不純物としての酸が比較的多く含まれている。そして、リグノフェノールの凝集物に含まれる酸の量が多いほど、前記リグノフェノール溶液のpH調整に要するアルカリ剤の量が多くなるという問題があった。
このような事情に鑑み、本発明は、リグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒にリグノフェノールを溶解させることにより得られるリグノフェノール溶液のpH調整に要するアルカリ剤の量を削減することができるリグノフェノールの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者が鋭意検討したところ、以下のことを見出し、本発明を想到するに至った。
すなわち、固液分離工程によって得られたリグノフェノールの凝集物をアルカリ水溶液で洗浄することにより、塩を含まない水(塩濃度が0.2質量%以下の水であって、純度が99.5質量%の水)で洗浄した場合に比べて、リグノフェノールの凝集物に残留する酸の量を少なくできることを見出した。
また、固液分離工程によって得られたリグノフェノールの凝集物をアルカリ溶液で洗浄後、該リグノフェノールの凝集物とリグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒とを混合して得られるリグノフェノール溶液をpH調整することにより、前記リグノフェノールの凝集物を塩を含まない水で洗浄後、前記リグノフェノール溶液をpH調整する場合に比べて、製造に使用するアルカリの総量を少なくすることができることを見出した。
すなわち、本発明に係るリグノフェノールの製造方法は、リグノセルロース系材料からリグノフェノールを製造する、リグノフェノールの製造方法であって、
前記リグノセルロース系材料、フェノール誘導体、および酸を混合することにより第1混合物を得る第1混合工程と、
前記第1混合物、およびリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒を混合することにより、リグノフェノールを凝集させて、リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物を得る第2混合工程と、
前記第2混合物を濾過することにより、前記第2混合物から前記リグノフェノールの凝集物を濾取する濾過工程と、
前記濾過工程で濾取された前記リグノフェノールの凝集物をアルカリ水溶液で洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程後の前記リグノフェノールの凝集物とリグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒とを混合して、前記リグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒に前記リグノフェノールが溶解されたリグノフェノール溶液を調製する溶液調製工程と、
前記リグノフェノール溶液にアルカリ剤を加えて、前記リグノフェノール溶液のpHを調製するpH調整工程と、を備える。
斯かる構成によれば、濾取されたリグノフェノールの凝集物をアルカリ水溶液で洗浄するので、前記リグノフェノールの凝集物に残留する酸をアルカリとの塩として洗い流すことができる。そのため、前記リグノフェノールの凝集物に残留する酸の量を少なくすることができる。
これにより、pH調整工程において、溶液調製工程で調製されたリグノフェノール溶液に加えるアルカリ水溶液の量を削減することができる。
前記濾過工程の前に、前記第2混合物中の前記リグノフェノールの凝集物を担体に付着させることにより、前記第2混合物から前記リグノフェノールの凝集物を捕捉するリグノフェノール捕捉工程を備え、
前記洗浄工程において、前記濾過工程で濾取された前記リグノフェノールの凝集物に加えて、前記リグノフェノール捕捉工程で前記担体に捕捉された前記リグノフェノールの凝集物を前記アルカリ水溶液で洗浄してもよい。
前記リグノフェノールの凝集物は粘着性を有するものであるが、斯かる構成によれば、濾過工程前に、リグノフェノールの凝集物の少なくとも一部を担体によって捕捉することができるため、濾過工程において、濾材に堆積されるリグノフェノール量を低減させることができる。
その結果、リグノフェノールの凝集物によって、濾材が閉塞される影響を緩和することができるため、濾過効率の低下を抑制することができる。
洗浄工程では、捕捉されたリグノフェノールの凝集物もアルカリ水溶液で洗浄することから、前記リグノフェノール溶液のpH調整に要するアルカリ水溶液の量を削減することができる。
また、上記リグノフェノールの製造方法においては、
前記リグノフェノール捕捉工程と前記濾過工程とを一つの槽で行ってもよい。
斯かる構成によれば、リグノフェノールの製造に要する設備点数を減らすことができる。
以上のように、本発明によれば、リグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒にリグノフェノールを溶解させることにより得られるリグノフェノール溶液のpH調整に要するアルカリ剤の量を削減することができるリグノフェノールの製造方法が提供される。
本実施形態に係るリグノフェノールの製造装置の概略図、および本実施形態に係るリグノフェノールの製造方法のフロー図。 本実施形態に係るリグノフェノールの製造装置の概略図。 リグノフェノールの生成反応の例を示す図。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係るリグノフェノールの製造方法は、リグノセルロース系材料からリグノフェノールを製造する方法である。
より詳しくは、本実施形態に係るリグノフェノールの製造方法は、前記リグノセルロース系材料、フェノール誘導体、および酸を混合することにより第1混合物を得る第1混合工程と、前記第1混合物、およびリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒を混合することにより、リグノフェノールを凝集させて、リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物を得る第2混合工程と、前記第2混合物を濾過することにより、前記第2混合物から前記リグノフェノールの凝集物を濾取する濾過工程と、前記濾過工程で濾取された前記リグノフェノールの凝集物の純度を向上させる精製工程と、を備える。
精製工程は、濾過工程で濾取されたリグノフェノールの凝集物(以下、「粗LP」ともいう。)をアルカリ水溶液で洗浄する洗浄工程と、洗浄工程後のリグノフェノールの凝集物(以下、「洗浄済LP」ともいう。)とリグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒とを混合して、リグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒にリグノフェノールが溶解されたリグノフェノール溶液を調製する溶液調製工程と、前記リグノフェノール溶液と水とを混合して混合液を調製し、該混合液中にリグノフェノールを析出させる析出工程と、を備える。
前記リグノフェノール溶液は酸を含む酸性溶液となっている。
本実施形態の前記精製工程は、前記溶液調製工程後、前記析出工程前に前記リグノフェノール溶液にアルカリ剤を添加して該リグノフェノール溶液のpHを調整するpH調整工程をさらに備える。
本実施形態のリグノフェノールの製造方法では、前記析出工程で得られる精製されたリグノフェノール(以下「精製LP」ともいう。)が製品とされる。
また、上記リグノフェノールの製造方法においては、前記濾過工程の前に、前記第2混合物中の前記リグノフェノールの凝集物を担体に付着させることにより、前記第2混合物から前記リグノフェノールの凝集物を捕捉するリグノフェノール捕捉工程を備え、前記洗浄工程において、前記濾過工程で濾取された前記リグノフェノールの凝集物に加えて、前記リグノフェノール捕捉工程で前記担体に捕捉された前記リグノフェノールの凝集物を前記アルカリ水溶液で洗浄してもよい。
また、上記リグノフェノールの製造方法においては、前記リグノフェノール捕捉工程と前記濾過工程とを一つの槽で行ってもよい。
なお、本明細書において、濾過とは、リグノフェノールの凝集物を通さない濾材を用いて、リグノフェノールを分離することを意味する。
また、本明細書において、洗浄とは、リグノフェノールの凝集物に含まれる不純物を洗浄液中に移動させ、該洗浄液中に移動させた不純物がリグノフェノールの凝集物に再度移動しないように除去することを意味する。
また、本明細書において、捕捉としては、例えば、リグノフェノールの凝集物の流路を確保しながら、リグノフェノールの凝集物を捕捉する態様が挙げられる。
前記リグノセルロース系材料は、リグニンおよびセルロースを含有する。
前記リグノセルロース系材料としては、例えば、木質材料、草木材料が挙げられる。木質材料としては、例えば、針葉樹(マツ、スギ、ヒノキなど)、広葉樹(シイ、柿、サクラなど)、熱帯樹などが挙げられる。草木材料としては、ケナフ、ラミー(苧麻)、リネン(亜麻)、アバカ(マニラ麻)、ヘネケン(サイザル麻)、ジュート(黄麻)、ヘンプ(大麻)、ヤシ、パーム、コウゾ、ワラ(稲わら、麦わらなど)、バガス、とうもろこしなどが挙げられる。リグノセルロース系材料は、粉状、チップ状(廃木材の端剤など)のような種々の状態で使用される。
前記リグニンは、フェニルプロパン単位(C6−C3単位)を基本骨格として有し、該フェニルプロパン単位が酵素によりランダムに酸化重合された高分子化合物である。前記リグニンは、植物細胞壁を構成する成分であり、該植物細胞壁においてセルロースやヘミセルロースに結合している。
前記フェノール誘導体は、フェノール構造を分子中に有する化合物である。前記フェノール誘導体としては、フェノール、p(パラ)−クレゾール、m(メタ)−クレゾール、o(オルト)−クレゾール、アニソール、2,4−ジメトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、n(ノルマル)−プロピルフェノール、i(イソ)−プロピルフェノール、tert(ターシャリー)−ブチルフェノール、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシノール、ビスフェノール、バニリン、シリンゴール、クアイアゴール、フェルラ酸、およびクマル酸からなる群から選ばれる少なくとも一種が好ましい。前記フェノール誘導体としては、クレゾールが好ましく、特に、p−クレゾールが好ましい。
前記酸としては、無機酸、有機酸が挙げられる。前記無機酸としては、硫酸、リン酸、塩酸などが挙げられる。前記有機酸としては、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、ギ酸などが挙げられる。
前記リグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒は、添加によってリグノフェノールの溶解度を低下させる溶媒であり、通常、疎水性を有する。
前記溶媒としては、例えば、エーテル、エステル、炭化水素などが挙げられる。エーテルとしては、非対称エーテル、対称エーテルなどが挙げられ、より具体的には、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテルなどが挙げられる。エステルとしては、酢酸エチルなどが挙げられる。炭化水素としては、環状炭化水素、直鎖状炭化水素が挙げられ、より具体的には、ヘキサン(n−ヘキサンなど)、トルエン、ペンタン(n−ペンタンなど)、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、デカリン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記溶媒としては、炭化水素が好ましく、n−ヘキサンがより好ましい。
前記担体としては、リグノフェノールの凝集物を付着させることができ、それにより、リグノフェノールの凝集物を捕捉することができるものであれば、どのようなものでも用いることができる。
前記担体としては、例えば、粒状の担体、繊維状の担体、板状の担体などを用いることができる。
前記粒状の担体としては、中実の担体および中空の担体を用いることができる。前記粒状の担体は、例えば、前記捕捉工程を行う槽の底部に、敷き詰めて配される。粒状の担体は、最長径が1mm〜25mmであることが好ましい。
粒状の担体の粒子径が1mm〜25mmの場合、目開き1mmの篩と目開き25mmの篩とを用いて粒子径を調整することが好ましい。
前記中実の担体としては、プラスチック焼結体樹脂成形体、アルミナボール、シリカゲル、造粒炭、ゼオライトなどを用いることができる。中実の担体としては、前記槽の底部に敷き詰めて配されたときに、リグノフェノールの凝集物の流路を確保できる大きさのものを用いることができる。
中実の担体を用いる場合、該担体の外表面にリグノフェノールの凝集物が付着されることにより、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。
中実の担体は、該担体とリグノフェノールの凝集物との接触時間を長くして、リグノフェノールの凝集物の捕捉量を増す観点から、所定の高さを有するように配されることが好ましい。例えば、積層して配されることが好ましい。
前記中空の担体としては、ラシヒリングなどを用いることができる。中空の担体は、該担体と接触する前のリグノフェノールの凝集物の流通方向(すなわち、重力方向)に対して、中空部が略平行となるように配されることが好ましい。中空の担体としては、中空部がリグノフェノールの凝集物の流路を確保できる大きさのものを用いることができる。中空の担体は、軸方向に直交する断面における中空部の最長径が4mm〜26mmであることが好ましい。
中空の担体を用いる場合、該担体の内表面(中空部側の表面)および外表面に、リグノフェノールの凝集物が付着されることにより、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。
中空の担体は、該担体の内表面および外表面とリグノフェノールの凝集物との接触時間を長くして、リグノフェノールの凝集物の捕捉量を増す観点から、中空部が8mm〜26mmの長さを有するように延在していることが好ましい。
前記繊維状の担体としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維、ポリプロピレン繊維、ガラス繊維、活性炭素繊維などを用いることができる。繊維状の担体は、バラバラの状態で用いられてもよいし、膜状に敷き詰めて用いられてもよい。
繊維状の担体を用いる場合、該担体の外表面にリグノフェノールの凝集物が付着されることにより、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。
膜状に敷き詰められて用いられる場合には、リグノフェノールの凝集物の流路を確保できるように、メッシュ状に配されることが好ましい。メッシュ間隔は、0.1mm〜1.0mmであることが好ましい。
また、メッシュ状に配される場合には、担体とリグノフェノールの凝集物との接触時間を長くして、リグノフェノールの凝集物の捕捉量を増す観点から、担体を積層して配することが好ましい。このような担体としては、例えば、デミスタ(登録商標)が挙げられる。
前記板状の担体としては、パンチングシート、パンチングプレートなどを用いることができる。パンチングシート、パンチングプレートとしては、板体の厚さ方向に貫通する穿孔部であって、リグノフェノールの凝集物の流路を確保できる大きさの穿孔部を有するものを用いることができる。該穿孔部は、最長径が0.05mm〜1.0mmであることが好ましい。パンチングシート、パンチングプレートは、該担体に接触する前のリグノフェノールの凝集物の流通方向(すなわち、重力方向)に対して、板面が略直交するように、積層して配されることが好ましい。
パンチングシート、パンチングプレートを用いる場合、板面にリグノフェノールの凝集物が付着されることにより、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。
前記穿孔部の最長径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。具体的には、板体の厚さ方向と直交する任意の断面を走査型電子顕微鏡で撮像し、撮像した画像中における穿孔部の最長径を測定する。
また、前記板状の担体としては、板状の多孔質焼結体などを用いることができる。板状の多孔質焼結体は、原料粉末の表面近傍のみを焼結(融着)させ、原料粉末間に存在している空隙を残したまま成形されるため、三次元網状に連通する気孔を有している。リグノフェノールの凝集物が該気孔内を流れることによって、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。該気孔は、気孔内におけるリグノフェノールの凝集物の流通方向と直交する断面における最長径が0.1mm〜0.2mmであることが好ましい。
板状の多孔質焼結体の気孔の最長径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。具体的には、板状の多孔質焼結体の厚さ方向と直交する任意の断面を走査型電子顕微鏡で撮像し、撮像した画像中における気孔の最長径を測定する。
また、板状の多孔質焼結体は、該焼結体とリグノフェノールの凝集物との接触時間を長くして、リグノフェノールの凝集物の捕捉量を増す観点から、1mm〜20mmの厚さを有することが好ましい。
上記担体を構成する材料は特に限定されないが、酸、アルカリ、有機溶剤に対する耐性を考慮した場合、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アルミナ、活性炭、シリカゲルを用いることが好ましい。PPを材料とする担体としては、プラスチック焼結体樹脂成形体が挙げられ、PTFEを材料とする担体としては、プラスチック焼結体樹脂成形体、ラシヒリング、パンチングシート、PTFE繊維などが挙げられ、アルミナを材料とする担体としては、アルミナボールなどが挙げられ、活性炭を材料とする担体としては、造粒炭、活性炭素繊維が挙げられる。
これらの中でも、アルカリに対する耐性を考慮した場合、PP、PTFE、アルミナを材料とすることが好ましく、アルカリおよび酸に対する耐性を考慮した場合、PTFE、アルミナを材料とすることが好ましく、アルカリ、酸および有機溶剤に対する耐性を考慮した場合、PTFEを材料とすることが好ましい。
前記析出工程で用いる水は、水溶液を含む概念であり、例えば、塩化ナトリウム水溶液などが挙げられる。
本実施形態に係るリグノフェノールの製造方法は、本実施形態に係るリグノフェノールの製造装置を用いて、リグノセルロース系材料から、リグノフェノールを製造する方法である。
本実施形態に係るリグノフェノールの製造装置は、リグノセルロース系材料からリグノフェノールを製造する装置である。
本実施形態に係るリグノフェノールの製造装置は、リグノセルロース系材料、フェノール誘導体、および酸を混合することにより第1混合物を得て、該第1混合物、およびリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒を混合することにより、リグノフェノールを凝集させて、リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物を得る混合部と、該2混合物からリグノフェノールを取り出す、精製部とを備える。
また、精製部は、第2混合物中のリグノフェノールの凝集物を担体に付着させることにより、第2混合物からリグノフェノールの凝集物を捕捉し、担体に捕捉されたリグノフェノールの凝集物を洗浄液で洗浄し、洗浄されたリグノフェノールの凝集物からリグノフェノールを取り出す。
さらに、精製部は、第2混合物を濾過することにより、担体に捕捉され得なかったリグノフェノールの凝集物を濾取し、濾取されたリグノフェノールの凝集物を洗浄液によって洗浄し、洗浄されたリグノフェノールの凝集物からリグノフェノールを取り出す。
本実施形態の洗浄液としては、アルカリ水溶液が用いられる。
以下では、捕捉および濾過の両方を含む概念として、固液分離という用語を使用する場合がある。
より具体的には、図1、2に示すように、本実施形態に係るリグノフェノールの製造装置1は、リグノセルロース系材料Aにフェノール誘導体Cを収着させる前処理部2と、フェノール誘導体Cが収着されたリグノセルロース系材料A、および酸水溶液Dを混合することにより第1混合物を得て、該第1混合物、および前記リグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒Fを混合することにより、前記リグノフェノールを凝集させて、前記リグノフェノールの凝集物(粗LP)を含む第2混合物を得る混合部3と、前記第2混合物から前記リグノフェノールを得る、精製部4とを備える。
以下では、精製部4で行われる各工程を総称して前記精製工程という。
前記第1混合工程では、前処理部2および混合部3を用いる。
前処理部2は、槽21と、槽21内の収容物を撹拌する撹拌部22と、槽21内を加熱する加熱部23とを備える。前処理部2は、槽21内の収容物を濾過できるように、槽21の底部21aの少なくとも一部が濾材で形成されている。そのため、前処理部2は、濾過部(第1濾過部)としても機能する。槽21は、下方に向けて先細りとなるようにテーパ状に形成されている。前処理部2としては、例えば、神鋼環境ソリューション社製の「濾過機能付きPVミキサー」などが挙げられる。
前記第1混合工程では、リグノセルロース系材料AとアセトンBとを前処理部2で混合することにより、アセトンBによってリグノセルロース系材料Aを脱脂処理する(脱脂工程a1)。アセトンBは、リグノセルロース系材料Aの1kgに対して、2kg〜10kg加えられることが好ましい。次に、リグノセルロース系材料AとアセトンBとの混合物を濾過することにより、固形状のリグノセルロース系材料Aと液状のアセトンBとを分離し、アセトンBを回収する(第1濾過工程a2)。
これにより、リグノセルロース系材料Aに含まれる脂をアセトンBによってリグノセルロース系材料Aから取り除くことができる。
また、前記第1混合工程では、第1濾過工程a2後に、加熱部23で槽21内を加熱することにより、リグノセルロース系材料Aに付着しているアセトンBを揮発させて、リグノセルロース系材料Aから余分なアセトンBを取り除くことができる。
また、前記第1混合工程では、余分なアセトンBが取り除かれたリグノセルロース系材料Aとフェノール誘導体Cとを前処理部2で混合することにより、リグノセルロース系材料Aにフェノール誘導体Cを収着させる(収着工程a3)。フェノール誘導体Cは、リグノセルロース系材料Aの1kgに対して、3kg〜10kg加えられることが好ましい。そして、リグノセルロース系材料Aとフェノール誘導体Cとの混合物を濾過することにより、固形状のリグノセルロース系材料Aと余分な液状のフェノール誘導体Cとを分離し、フェノール誘導体Cを回収する(第2濾過工程a4)。
また、前記第1混合工程では、第2濾過工程a4の後に、加熱部23で槽21内を加熱することにより、リグノセルロース系材料Aに付着しているフェノール誘導体Cを揮発させて、リグノセルロース系材料Aから余分なフェノール誘導体Cを取り除くことができる。
余分なフェノール誘導体Cが取り除かれたリグノセルロース系材料Aは、混合部3に移送されてさらなる処理が施される。
混合部3は、槽31と、槽31内の収容物を撹拌する撹拌部32とを備える。槽31内には酸水溶液Dが加えられるため、槽31および撹拌部32は、耐酸性に優れるという点から、グラスライニング処理されていることが好ましい。
さらに、前記第1混合工程では、フェノール誘導体Cが収着されたリグノセルロース系材料Aと、酸水溶液Dとを混合部3で混合することにより、リグノフェノールを生成し、リグノフェノールを含有する第1混合物を得る(生成工程a5)。酸水溶液Dは、リグノセルロース系材料Aの1kgに対して、3kg〜10kg加えられることが好ましい。
生成工程a5では、リグノセルロース系材料Aに含有されるセルロースが酸触媒の下で加水分解されて、糖類が生成される。また、リグノセルロース系材料Aに含有されるリグニンが、酸触媒の下で加水分解されて低分子化する。さらに、リグニンが、酸触媒の下でフェノール誘導体と反応してリグノフェノールが生成される。図3に、酸として硫酸を用い、フェノール誘導体Cとしてp−クレゾールを用いて、リグノフェノールを生成する反応の例を示す。また、生成されたリグノフェノールは、酸触媒の下で加水分解されて低分子化する。以上により、リグノフェノールを含有する第1混合物が得られる。
酸水溶液Dは、酸を、通常65〜98質量%、好ましくは72〜98質量%含有する。
また、前記第1混合工程では、リグノフェノールを含有する第1混合物と、水Eとを混合部3で混合することにより、前記第1混合物を希釈し該第1混合物における酸の濃度を低下させて、加水分解反応を抑制させる(希釈工程a6)。水Eは、前記第1混合物の希釈後において、酸濃度が60質量%以下となる量を加えることが好ましい。
前記第2混合工程では、水Eで希釈された第1混合物と、リグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒Fとを混合部3で混合することにより、第1混合物において液分に溶解していたリグノフェノールが析出(晶出)し、該リグノフェノールが凝集して、粘着性を有するリグノフェノールの凝集物が得られる。溶媒Fは、リグノセルロース系材料Aの1kgに対して、3kg〜10kg加えられることが好ましい。
これにより、リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物が得られる(第2混合工程b)。
精製工程では、精製部4を用いて、第2混合物たる油水混合物から粗LPを取り出す。より具体的には、第2混合物を固液分離することにより、粗LPを油水混合物から取り出し、取り出された粗LPを洗浄液によって洗浄し、洗浄された洗浄済LPから精製LPを取り出す。
精製部4は、第2混合物を固液分離することにより、粗LPを取り出し、取り出された粗LPを洗浄液Gによって洗浄し、洗浄された洗浄済LPおよびリグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒としてのアルコールHを混合することにより、洗浄済LPをアルコールHに溶解させて、リグノフェノールおよびアルコールHを含有するリグノフェノール溶液(以下「LPアルコール液」ともいう)を得る固液分離部4aと、LPアルコール液にアルカリ剤Iを混合することによりLPアルコール液のpHを調整するpH調整部4bと、LPアルコール液からアルコールHを除去することによりリグノフェノールを濃縮させる濃縮部4cと、濃縮されたLPアルコール液に水を混合することにより混合液を調製し、該混合液中においてリグノフェノールを析出させる析出部4dと、析出されたリグノフェノールを含有するLPアルコール液を濾過することにより、固形状のリグノフェノール(精製LP)を得る第2濾過部4eと、第2濾過部4eで得られた固形状のリグノフェノールを乾燥させる乾燥部4fとを備えている。
固液分離部4aは、槽4a1と、槽4a1内の収容物を撹拌する撹拌部4a2とを備える。また、固液分離部4aは、2段階のプロセスで粗LPを捕捉し得るように構成されている。固液分離部4aは、前記第2混合物中の粗LPの中でも比較的大きなものを捕捉する捕捉手段4a3と、比較的大きな粗LPを捕捉手段4a3によって捕捉したときに得られた液体を濾過することにより、捕捉手段4a3で捕捉され得なかった比較的小さな粗LPを得る濾過手段4a4とを備える。さらに、固液分離部4aは、捕捉手段4a3で捕捉された粗LPおよび濾過手段4a4で濾取された粗LPを洗浄するための洗浄手段4a5を備える。
本実施形態では、図2に示すように、アルミナボールが、槽4a1の底部4a1aに敷き詰めるように配されることによって、捕捉手段4a3とされている。アルミナボールとしては、比較的小さな粗LPの流路を確保できる大きさのものが配されている。
また、本実施形態では、図2に示すように、槽4a1の底部4a1aと捕捉手段4a3との間にアルミナボールの隙間よりも目の細かな濾材が配されることによって、濾過手段4a4とされている。
濾過手段4a4としては、槽4a1の底部4a1aの少なくとも一部が、槽4a1内の収容物を濾過できるように濾材で形成されたものを用いてもよい。槽4a1の底部4a1aの少なくとも一部が濾材で形成されたものとしては、例えば、神鋼環境ソリューション社製の「フィルタードライヤー」などを用いることができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、槽4a1の頂部4a1bに、洗浄手段4a5としてのシャワーノズルが配されている。シャワーノズルは、噴射面が濾過面と向かい合うように配されることが好ましい。シャワーノズルには、図示しないポンプで加圧された洗浄液が供給され、この洗浄液がシャワーノズルから噴射されることによって、洗浄が行われる。
前記精製工程では、固液分離部4aの捕捉手段4a3によって、第2混合物中の粗LPを捕捉し、捕捉手段4a3で捕捉され得なかった粗LPを濾過手段4a4で濾取することによって、リグノフェノールの凝集物を取り出す(固液分離工程c1)。固液分離工程c1で分離された液体には、酸および有機溶媒が含有されている。固液分離工程c1によって分離された液体は、静置分離などにより、酸水溶液Dと溶媒Fとに分離して回収することができる。
固液分離工程c1の濾過手段4a4として使用される濾材の材質としては、耐食性に優れるという観点から、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、テフロン(登録商標))、ニッケルとモリブデンとを含有する合金(例えば、ハステロイ(登録商標))が好ましく、ポリプロピレン、ニッケルとモリブデンとを含有する合金が特に好ましい。
該濾材の孔径は、リグノフェノールの凝集物を通さず、かつ濾過時間を短縮するという観点から、10〜30μmであることが好ましく、20μmであることが特に好ましい。
そして、前記精製工程では、捕捉手段4a3で捕捉された粗LPおよび濾過手段4a4で濾取された粗LPを、洗浄手段4a5を用いて洗浄液Gによって洗浄する(洗浄工程c2)。
より具体的には、洗浄液Gとしてアルカリ水溶液を用いて粗LPを洗浄し、洗浄済LPを得る。
粗LPをアルカリ水溶液で洗浄すると、粗LPに残留する酸がアルカリとの塩を形成しながら洗い流される。そのため、塩を含まない水(塩濃度が0.2質量%以下の水であって、純度が99.5質量%の水)で、粗LPを洗浄した場合に比べて、粗LPに残留する酸の量を少なくすることができる。
アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液などを用いることができる。
アルカリ水溶液は、弱塩基性水溶液であることが好ましい。弱塩基性水溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液、アンモニア水溶液、および炭酸ナトリウム水溶液などを挙げることができる。アルカリ水溶液に弱塩基性水溶液を用いることにより、強塩基性水溶液を用いた場合に生じるリグノフェノールの変性を抑制することができる。
洗浄液Gとして用いるアルカリ水溶液の量は、リグノセルロース系材料Aの1kgに対して、1.0kg〜10kgであることが好ましい。
アルカリ水溶液を用いて粗LPを洗浄することにより、精製されたリグノフェノールにおける残留酸濃度を低減させることができる。
次に、前記精製工程では、洗浄済LPおよびリグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒であるアルコールHを固液分離部4aで混合することにより、リグノフェノールをアルコールHに溶解させて、リグノフェノールおよびアルコールHを含有するLPアルコール液を得る(溶解工程c3)。アルコールHとしては、メタノール、エタノールなどを用いることができる。溶解工程c3で用いる前記溶媒たるアルコールHは、リグノセルロース系材料Aの1kgに対して、1kg〜10kg加えることが好ましい。
なお、リグノフェノールがアルコールに溶解するのは、リグノフェノールが水酸基を有することにより、リグノフェノールがアルコールに対してある程度の親和性を有するからである。
本実施形態では、前記溶解工程c3で用いる溶媒、すなわち、リグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒としてアルコールを用いたが、アルコール以外でも、リグノフェノールに対してある程度の親和性を有する溶媒であれば、どのようなものでも用いることができる。前記溶解工程c3で用いる溶媒としては、例えば、アルキルケトン類(例えば、アセトン)等が挙げられる。
次に、LPアルコール液を濾過することにより、LPアルコール液から固形物(残渣物)を取り除く(第3濾過工程c4)。
pH調整部4bは、槽4b1と、槽4b1内の収容物を撹拌する撹拌部4b2とを備える。槽4b1は、耐酸性に優れるという観点から、グラスライニング処理されていることが好ましい。
また、前記精製工程では、固形分を取り除いたLPアルコール液と、アルカリ剤IとをpH調整部4bで混合することによりpHを調整する(pH調整工程c5)。
溶解工程c3後にpH調整工程c5を実施することにより、洗浄工程c2で洗浄されたリグノフェノールの凝集物由来のリグノフェノールを含むLPアルコール液をpH調整することができるので、溶解工程c3よりも前、例えば、酸を比較的多量の含む第2混合工程bでpH調整を実施する場合よりも、pH調整に要するアルカリ剤Iの量を削減することができる。
析出工程c7の前にpH調整工程c5を実施することにより、析出工程c7でのリグノフェノールの収率を向上させることができる。
pH調整工程c5によってリグノフェノールの収率が向上するのは、リグノフェノールが酸によって分解されるのを抑制できるためである。また、後述する析出工程c7の混合液のpHを高めることができ、その結果、リグノフェノールが有する水酸基が前記混合液内で解離し難くなり、リグノフェノールが析出しやすくなる。
また、粗LPをアルカリ水溶液で洗浄後、pH調整工程c5を行うことにより、塩を含まない水で粗LPを洗浄後、pH調整工程c5を行う場合に比べて、製造に使用するアルカリの総量を少なくすることができる。
粗LPの外表面に付着している酸については、洗浄工程c2によって除去され得るものの洗浄工程c2後の洗浄済LPの内部には酸が残留しているため、LPアルコール液のpHは、通常、1以上3未満となっている。
pH調整工程c5では、この酸を中和させてpHを2以上4以下とすることが好ましい。
アルカリ剤Iとしては、アンモニア水溶液を用いることが重要である。
アルカリ剤として水酸化ナトリウムなどの強塩基を用いると、先述のように、リグノフェノールが変性されて後段の析出工程において十分な収率で精製LPを得ることが難しくなる場合がある。
また、アルカリ剤である水酸化マグネシウムは、水溶性がアンモニアに比べて低いため溶け残りが生じて精製LPに新たな不純物を含有させるおそれがある。また、水酸化マグネシウムをリグノフェノール溶液に添加することによってpH調整を行うと、水酸化マグネシウムと酸とから得られる塩(硫酸マグネシウム等)の水への溶解度がアンモニウムと酸とから得られる塩(硫酸アンモニウム等)の水への溶解度よりも低いため、水酸化マグネシウムと酸とから得られる塩が固体となり精製LPにおける新たな不純物となるおそれがある。
そのため、水酸化マグネシウムをアルカリ剤Iとして使用すると析出工程前に濾過工程を設ける必要性を生じさせる。
従って、本実施形態においては、アンモニア水溶液をアルカリ剤Iとして用いる。
ここで、本実施形態においては、洗浄工程c2でリグノフェノールの凝集物を洗浄液Gたるアルカリ水溶液で洗浄するので、リグノフェノールの凝集物に残留する酸の量を少なくすることができる。そのため、pH調整工程c5で使用するアルカリ剤Iの量を少なくすることができる。
濃縮部4cは、槽4c1と、槽4c1内の収容物を撹拌する撹拌部4c2と、槽4c1内を加熱する加熱部4c3とを備える。
前記精製工程では、pHを調整したLPアルコール液を槽4c1内において撹拌しながら加熱部4c3で加熱する(濃縮工程c6)。これにより、LPアルコール液中のアルコールを濃縮部4cで蒸発させることができる。その結果、LPアルコール液のリグノフェノール濃度を高めることができ、処理すべきLPアルコール液の量を低減することができる。また、リグノフェノールを結晶化させることができる。
LPアルコール液へのアルカリ剤Iの添加は、要すれば、濃縮工程の後でもよい。
LPアルコール液へのアルカリ剤Iの添加を濃縮工程の前に実施する場合、アルカリ剤Iと酸との反応熱を濃縮のための熱エネルギーに活用できるという利点を有する。
析出部4dは、槽4d1と、槽4d1内の収容物を撹拌する撹拌部4d2とを有する。
以下では、析出工程で用いる水として、塩化ナトリウム水溶液を用いる場合を例に挙げて説明する。
前記精製工程では、濃縮工程c6でリグノフェノールが濃縮されたLPアルコール液と塩化ナトリウム水溶液Jとを析出部4dで混合することにより混合液を調製し、該混合液中においてリグノフェノールを析出させる(析出工程c7)。
リグノフェノールは、疎水性を有する構造部分(ベンゼン環等炭化水素で構成されている部分等)を有するので、LPアルコール液と水とを混合することにより、析出される。
また、リグノフェノールは、OH基を有することにより、水への親和性を若干有するが、塩化ナトリウムが共存すると、塩化ナトリウムによる塩析効果によって、より一層析出しやすくなる。
したがって、LPアルコール液と塩化ナトリウム水溶液Jとが混合されることにより、リグノフェノールがより一層析出しやすくなる。
塩化ナトリウム水溶液Jは、塩化ナトリウム濃度が0.1〜5質量%であることが好ましい
塩化ナトリウム水溶液Jは、固液分離部4aに添加したアルコールHの1Lに対して、4kg〜10kg加えることが好ましい。
また、前記精製工程では、析出されたリグノフェノールを含有するLPアルコール液を第2濾過部4eで濾過することにより、固形状のリグノフェノールを得る(第4濾過工程c8)。第4濾過工程c8で得られた濾液は、アルコールHとして回収することができる。
さらに、前記精製工程では、第2濾過部4eで得られたリグノフェノールを乾燥部4fで乾燥させることにより、精製されたリグノフェノールKを得る(乾燥工程c9)。
精製されたリグノフェノールKは、残留酸濃度が、好ましくは1000mg/kg以下、より好ましくは500mg/kg以下である。残留酸濃度は、電気キャピラリー法で測定することができる。
本実施形態に係るリグノフェノールの製造方法で得られるリグノフェノールK、すなわち、精製されたリグノフェノールKは、例えば、プラスチック用の難燃剤、合板接着剤、含浸材などの用途で用いることができる。
前記第2混合物中において、リグノフェノールが凝集されて凝集物となる理由は以下の通りである。
フェノール類は水酸基を有し、この水酸基がプロトン供与体として働き、水中で解離反応を起こすことができる。また、フェノール類が解離すると、フェノキシドイオンが共鳴によって安定化する。このことから、フェノール類は、ある程度の親水性を有する。
したがって、リグノフェノールのうちのフェノール類の構造部分(図3参照)は、ある程度の親水性を有する。
また、リグノフェノールのうち、フェノール類の構造部分以外の水酸基の部分も、ある程度の親水性を有する。
一方で、リグノフェノールには、溶媒に対して親和性を有する構造部分(ベンゼン環等炭化水素で構成されている部分等)が存在する。
すなわち、リグノフェノールには、ある程度の親水性がある構造部分と、溶媒に対して親和性がある構造部分とが存在する。
このことから、リグノフェノールおよび水に、リグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒を混合すると、水とリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒とが反発し、反発している水とリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒との間で、水とリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒とによってリグノフェノール分子が配向し、その結果、リグノフェノールが、水と、前記リグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒との間で凝集する。
また、本発明者は、リグノフェノールの凝集物が粘着性を有する理由について、リグノフェノールの凝集物に含まれる不純物(例えば、リグノセルロース系材料の解緩反応(リグニンとセルロースとを解きほぐす反応)の際に生じる糖分など)によって及ぼされる影響によるものと考えている。
なお、本発明に係るリグノフェノールの製造方法は、上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係るリグノフェノールの製造方法によって生じる作用効果は、上記した作用効果に限定されるものではない。本発明に係るリグノフェノールの製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
以下に試験例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。以下の試験例は本発明をさらに詳細に説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
木粉をアセトンで脱脂した後、アセトンで脱脂した木粉にクレゾールを添加して(木粉1g当たりクレゾール6g)、木粉にクレゾールを十分に収着させた。
そして、クレゾールを収着させた木粉30gに、硫酸水溶液(硫酸:72質量%)120gを添加し激しく1時間撹拌することにより第1混合物を得た。
次に、該第1混合物と水180gとを撹拌槽内で15分間撹拌させることにより、硫酸による加水分解反応を停止させた。
次に、加水分解反応を停止させた第1混合物にヘキサン120gを添加し激しく約1時間撹拌することにより、リグノフェノールを凝集させて、該リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物を得た。
次に、該第2混合物をスクリュー型液供給機で濾過機(スクレーパを有する濾過機)に移送した。該濾過機の底面には、担体たるφ5mmのアルミナボールを敷き詰め、このφ5mmのアルミナボールの上に、同じく担体たるφ10mmのアルミナボールを敷き詰めた。該濾過機において、担体によって前記第2混合物からリグノフェノールの凝集物を捕捉し、前記第2混合物の液分を濾過することにより、前記担体によって捕捉され得なかったリグノフェノールの凝集物を濾取した。上記捕捉および濾過に要した時間は、1時間であった。
次に、捕捉および濾過によって得られたリグノフェノールの凝集物を、アルカリ水溶液90gを滴下させることにより洗浄した。アルカリ水溶液としては、25質量%アンモニア水溶液15gと純水75gとを混合してなる水溶液(4.2質量%アンモニア水溶液、アンモニア量としては3.78g)を用いた。洗浄後のリグノフェノールの凝集物に、メタノール55gを混合させることにより、該凝集物に含まれるリグノフェノールをメタノールに溶解させて、リグノフェノールおよりメタノールを含有するLPメタノール液を得た。
次に、該LPメタノール液を吸引濾過することにより、LPメタノール液から固形分(木粉の未反応物)を取り除き、未反応物を除去したLPメタノール液を得た。
次に、LPメタノール液(pH1)にアルカリ水溶液を混合することにより、LPメタノール液のpHを3.0に調整した。アルカリ水溶液としては、25質量%アンモニア水溶液を用いた。pH調整に要したアルカリ水溶液は2.2gであった(アンモニア量としては0.55g)。
その後、LPメタノール液100質量部と、食塩水(塩化ナトリウム濃度5.0質量%)500質量部とを混合し、リグノフェノールを析出させた。
そして、リグノフェノールが析出されたLPメタノール液を5C濾紙で吸引濾過することにより、固形状のリグノフェノールを得た。
次に、濾紙上のリグノフェノールを50℃で一晩加熱することにより乾燥させ、精製されたリグノフェノールを得た。
(実施例2)
洗浄液として6.25質量%のアンモニア水溶液60g(アンモニア量としては3.75g)と純水60gとを用い、洗浄条件を6.25質量%アンモニア水溶液で洗浄後、純水で洗浄するとした以外は、実施例1と同様にして、リグノフェノールおよびメタノールを含有するLPメタノール液を得、該LPメタノール液を吸引濾過することにより、未反応物(木粉の未反応物)を除去したLPメタノール液を得た。このLPメタノール液にアルカリ水溶液を混合することにより、LPメタノール液のpHを3.0に調整した。アルカリ水溶液としては、25質量%アンモニア水溶液を用いた。pH調整に要したアルカリ水溶液は、4.2g(アンモニア量としては1.05g)であった。
(実施例3)
洗浄液を1.0質量%アンモニア水溶液120g(アンモニア量としては1.20g)とした以外は、実施例1と同様にして、リグノフェノールおよびメタノールを含有するLPメタノール液を得、該LPメタノール液を吸引濾過することにより、未反応物(木粉の未反応物)を除去したLPメタノール液を得た。このLPメタノール液にアルカリ水溶液を混合することにより、LPメタノールのpHを3.0に調整した。アルカリ水溶液としては、25質量%アンモニア水溶液を用いた。pH調整に要したアルカリ水溶液は12g(アンモニア量としては3.00g)であった。
(比較例1)
洗浄液を純水120gとした以外は、実施例1と同様にして、リグノフェノールおよびメタノールを含有するLPメタノール液を得、該LPメタノール液を吸引濾過することにより、未反応物(木粉の未反応物)を除去したLPメタノール液を得た。このLPメタノール液にアルカリ水溶液を混合することにより、LPメタノールのpHを3.0に調整した。アルカリ水溶液としては、25質量%アンモニア水溶液を用いた。pH調整に要したアルカリ水溶液は19.8g(アンモニア量としては4.95g)であった。
(比較例2)
リグノフェノールの凝集物を洗浄しない以外は、実施例1と同様にして、リグノフェノールおよびメタノールを含有するLPメタノール液を得、該LPメタノール液を吸引濾過することにより、未反応物(木粉の未反応物)を除去したLPメタノール液を得た。このLPメタノール液にアルカリ水溶液を混合することにより、LPメタノールのpHを3.0に調整した。アルカリ水溶液としては、25質量%アンモニア水溶液を用いた。pH調整に要したアルカリ水溶液は37.5g(アンモニア量としては9.38g)であった。
以上の結果から、実施例1〜3に記載の方法で得られたLPメタノール液のpH調整に要するアルカリ水溶液の量は、比較例1および2に記載の方法で得られたLPメタノール液のpH調整に要するアルカリ水溶液の量よりも少なくなることが分かった。特に、実施例1においては、pH調整に要するアルカリ水溶液の量が顕著に少なくなることが分かった。
1:製造装置、2:前処理部、3:混合部、4:精製部、
4a:固液分離部、4a1:槽、4a1a:底部、4a2:撹拌部、4b:pH調整部、4b1:槽、4b2:撹拌部、4c:濃縮部、4c1:槽、4c2:撹拌部、4c3:加熱部、4d:析出部、4d1:槽、4d2:撹拌部、4e:第2濾過部、4f:乾燥部、
21:槽、21a:底部、22:撹拌部、23:加熱部、31:槽、32:撹拌部、
A:リグノセルロース系材料、B:アセトン、C:フェノール誘導体、D:酸水溶液、E:水、F:溶媒、G:洗浄液、H:アルコール、I:アルカリ剤、J:塩化ナトリウム水溶液、K:リグノフェノール、L:媒体、
a1:脱脂工程、a2:第1濾過工程、a3:収着工程、a4:第2濾過工程、a5:生成工程、a6:希釈工程、b:第2混合工程、c1:固液分離工程、c2:洗浄工程、c3:溶解工程、c4:第3濾過工程、c5:pH調整工程、c6:濃縮工程、c7:析出工程、c8:第4濾過工程、c9:乾燥工程

Claims (3)

  1. リグノセルロース系材料からリグノフェノールを製造する、リグノフェノールの製造方法であって、
    前記リグノセルロース系材料、フェノール誘導体、および酸を混合することにより第1混合物を得る第1混合工程と、
    前記第1混合物、およびリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒を混合することにより、リグノフェノールを凝集させて、リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物を得る第2混合工程と、
    前記第2混合物を濾過することにより、前記第2混合物から前記リグノフェノールの凝集物を濾取する濾過工程と、
    前記濾過工程で濾取された前記リグノフェノールの凝集物をアルカリ水溶液で洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄工程後の前記リグノフェノールの凝集物とリグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒とを混合して、前記リグノフェノールに対して親溶媒となる溶媒に前記リグノフェノールが溶解されたリグノフェノール溶液を調製する溶液調製工程と、
    前記リグノフェノール溶液にアルカリ剤を加えて、前記リグノフェノール溶液のpHを調整するpH調整工程と、を備える、
    リグノフェノールの製造方法。
  2. 前記濾過工程の前に、前記第2混合物中の前記リグノフェノールの凝集物を担体に付着させることにより、前記第2混合物から前記リグノフェノールの凝集物を捕捉するリグノフェノール捕捉工程を備え、
    前記洗浄工程において、前記濾過工程で濾取された前記リグノフェノールの凝集物に加えて、前記リグノフェノール捕捉工程で前記担体に捕捉された前記リグノフェノールの凝集物を前記アルカリ水溶液で洗浄する、
    請求項1に記載のリグノフェノールの製造方法。
  3. 前記リグノフェノール捕捉工程と前記濾過工程とを一つの槽で行う、
    請求項2に記載のリグノフェノールの製造方法。
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