JP2024066336A - ポリアルキレングリコールの精製方法 - Google Patents

ポリアルキレングリコールの精製方法 Download PDF

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裕 田村
Yutaka Tamura
哲也 古池
Tetsuya Furuike
秀樹 山本
Hideki Yamamoto
智樹 岡田
Tomoki Okada
竜彦 山田
Tatsuhiko Yamada
康典 大橋
Yasunori Ohashi
大祐 見正
Daisuke Kensho
剛 桝田
Takeshi Masuda
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Abstract

【課題】イオン交換樹脂を使用しないポリアルキレングリコールの精製方法の提供。【解決手段】ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有する粗溶液と、活性炭と、を混合して混合溶液を得る第1工程と、前記混合溶液をろ過する第2工程と、を含むポリアルキレングリコールの精製方法。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリアルキレングリコールの精製方法に関する。
グリコールリグニンなどの改質リグニンの製造において、溶媒としてポリアルキレングリコールが使用されることがある。溶媒として使用されたポリアルキレングリコールは、使用後に分離された際に木質成分類などの未分離物を含む。
グリコールリグニンなどの改質リグニンの製造方法の一例として、特許文献1には、「(A)リグノセルロースをポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン及びポリグリセリンから選択される少なくとも1種のグリコール系蒸解溶媒で、酸触媒の存在下、常圧下で加溶媒分解する工程と、(B)前記加溶媒分解工程後の反応混合物と希アルカリとを混合した後、グリコールリグニンを含む溶液画分と固形分とを分離する工程と、(C)前記溶液画分を硫酸で酸性化することにより、グリコールリグニンを沈殿物として得る工程と、(D)グリコールリグニンの沈殿物を、硫酸で酸性化した前記溶液画分から分離する工程と、(E)グリコールリグニンの沈殿物分離後の上清液を集積し、その集積溶液に水酸化ナトリウムを添加することにより、集積溶液を中和する工程と、(F)前記中和溶液を加熱することにより含水率10%以下に濃縮して蒸解溶媒を回収する工程と、(G)濃縮により生成した硫酸ナトリウムの結晶を分離することを含む工程とを含む、グリコールリグニンの製造方法。」が提案されている。
特開2017-197517号公報
環境負荷を抑制する観点、及び製造コスト削減の観点からは、使用後の溶媒を再利用することが好ましい。しかしながら、使用後の溶媒が木質成分類などの未分離物を含有すると、溶媒の再利用に適さないため、溶媒中の未分離物を取り除く必要がある。
例えば木質成分類を含む溶液から木質成分類を分離する方法としては、特開平03-246295号公報に記載された方法が挙げられる。しかしながら、当該方法は陰イオン交換樹脂及び陽イオン交換樹脂に木質成分類を含む溶液を作用させる必要があり、工業的に使用するには技術的難易度が高い。
そこで、本開示の実施形態が解決しようとする課題は、イオン交換樹脂を使用しないポリアルキレングリコールの精製方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段には、以下の手段が含まれる。
<1> ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有する粗溶液と、活性炭と、を混合して混合溶液を得る第1工程と、
前記混合溶液をろ過する第2工程と、
を含むポリアルキレングリコールの精製方法。
<2> 前記活性炭の25℃でのpHが、10.0以下である<1>に記載のポリアルキレングリコールの精製方法。
<3> 前記活性炭の添加量が、前記木質成分類の質量に対して40質量%以上である<1>又は<2>に記載のポリアルキレングリコールの精製方法。
<4> 前記第1工程において、前記混合溶液を30分以上撹拌する<1>~<3>のいずれか1つに記載のポリアルキレングリコールの精製方法。
<5> 前記第1工程において、前記粗溶液との混合前に、前記活性炭を減圧処理する<1>~<4>のいずれか1つに記載のポリアルキレングリコールの精製方法。
本開示の一実施形態によれば、イオン交換樹脂を使用しないポリアルキレングリコールの精製方法が提供される。
実施例1~5及び実施例31の光の透過率の測定結果を示すグラフである。 実施例6~10の光の透過率の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。これらの説明および実施例は、実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。
組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書中において、「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
<ポリアルキレングリコールの精製方法>
本開示に係るポリアルキレングリコールの精製方法は、ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有する粗溶液と、活性炭と、を混合して混合溶液を得る第1工程と、上記混合溶液をろ過する第2工程と、を含む。
本開示に係るポリアルキレングリコールの精製方法は、上記構成により、イオン交換樹脂を使用しないポリアルキレングリコールの精製方法となる。その理由は、次の通り推測される。
本開示に係るポリアルキレングリコールの精製方法は、ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有する粗溶液と、活性炭と、を混合して混合溶液を得る第1工程を含む。第1工程を行うことで、活性炭が木質成分類を選択的に吸着する。
また、本開示に係るポリアルキレングリコールの精製方法は、前記混合溶液をろ過する第2工程を含む。第2工程を行うことで、木質成分類を吸着した活性炭をポリアルキレングリコールから取り除くことができる。
以上のことから、本開示に係るポリアルキレングリコールの精製方法はイオン交換樹脂を使用しなくともポリアルキレングリコールの精製が可能と推測される。
以下、本開示に係るポリアルキレングリコールの精製方法について詳細に説明する。
(第1工程)
第1工程は、ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有する粗溶液と、活性炭と、を混合して混合溶液を得る工程である。
(ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有する粗溶液)
ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有する粗溶液(以下、単に「特定粗溶液」とも称する)は、特に限定されず、ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有していればよい。
-ポリアルキレングリコール-
ポリアルキレングリコールとしては、例えば、アルコールに炭素数2~4のアルキレンオキサイドを付加重合した化合物であることが好ましく、アルコールに炭素数2~3のアルキレンオキサイドを付加重合した化合物であることがより好ましく、アルコールに炭素数2のアルキレンオキサイドを付加重合した化合物であることが更に好ましい。
ポリアルキレングリコールとしては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等が挙げられ、取り扱いの容易性の観点から、ポリエチレングリコールであることが好ましい。
ポリアルキレングリコールの分子量としては、200以上2000以下であることが好ましく、200以上1000以下であることが好ましく、200以上700以下であることがさらに好ましい。
ポリアルキレングリコールの分子量は、JIS K1557-1:2007による水酸基価の測定値と、ポリアルキレングリコール1分子当たりのヒドロキシ基の数と、を下記式に代入することで算出される値である。
式: 分子量=(56100/水酸基価)×ポリアルキレングリコール1分子当たりのヒドロキシ基の数
なお、水酸基価はJIS K1557-1:2007に準拠して算出される値である。
ポリアルキレングリコールの含有量は、粗溶液全体の質量に対して、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、15質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。
-木質成分類-
木質成分類とは、ヘミセルロース、ヘミセルロースの分解糖、リグニン及びグリコールリグニンを意味する。
特定粗溶液は、木質成分類のうち、ヘミセルロース、ヘミセルロースの分解糖、リグニン及びグリコールリグニンからなる群から選択される少なくとも1種を含む。
リグニンとは、植物細胞壁に含まれる、芳香環を有する高分子化合物である。
グリコールリグニンとは、リグニンの少なくとも一部が、グリコール化合物から少なくとも1つのヒドロキシ基を除いた残基で置換されている化合物をいう。
グリコール化合物としては、例えば、1分子内にヒドロキシ基を1個以上有するアルコールが挙げられ、ポリアルキレングリコール、グリセリン、及びポリグリセリンからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
-その他の成分-
粗溶液は、ポリアルキレングリコール及び木質成分類以外のその他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、水、無機塩類、ヘミセルロースの分解糖以外の単糖類、ヘミセルロースの分解糖以外の糖類のオリゴマー(オリゴ糖)などが挙げられる。
ここで糖類のオリゴマーとは、一般に重合度2以上10以下の重合体であり分子量10,000以下の糖類を意味する。
粗溶液が水を含有する場合、水の含有量は、粗溶液全体の質量に対して、10質量%以上90質量%以下であることが好ましく、50質量%以上80質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上75質量%以下であることが更に好ましい。
-活性炭-
活性炭としては、特に限定されず、例えば、木材、木炭、ヤシ殻等の果実殻、泥炭、亜炭、石炭等から調製した活性炭が挙げられる。
活性炭の形状は、特に限定されず、粒状、又は粉末状が挙げられる。
木質成分類の吸着性の観点から、活性炭の粒径は、1μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上70μm以下であることがより好ましく、10μm以上50μm以下であることが更に好ましい。
活性炭の粒径l(単位:μm)は、活性炭の比表面積as,BET(単位:m/g)と活性炭の密度ρ(単位:g/cm)から、次式(A)で求めることができる。
木質成分類の吸着性の観点から、活性炭の平均細孔直径は、1.0μm以上20.0μm以下であることが好ましく、1.5μm以上10.0μm以下であることがより好ましく、2.5μm以上5.0μm以下であることが更に好ましい。
活性炭の平均細孔直径d(単位:nm)は、全細孔容積V(単位:cm-1)と活性炭の比表面積as,BET(単位:m/g)とを用いて次式(B)で求められる。
なお全細孔容積Vは、まず、下記の通り活性炭の比表面積をBET法により測定したときに得られる吸着データを直線補間し、「細孔容積算出相対圧」で設定した相対圧での吸着量Vを求め、その吸着量を、次式(C)から液体状態の吸着質の体積に換算して算出する。
ここで、Mは吸着質の分子量、ρは吸着質の密度(単位:g/cm)を表す。
木質成分類の吸着性の観点から、活性炭の比表面積は、500m/g以上3000m/g以下であることが好ましく、600m/g以上2500m/g以下であることがより好ましく、700m/g以上2000m/g以下であることが更に好ましい。
活性炭の比表面積は、BET法により測定される値である。
活性炭の比表面積は、比表面積測定装置(マイクロトラック・べル株式会社製 BELSORP-maxII)を用いて測定する。測定手順は以下の通りである。
測定対象約50mgをセルに入れ、150°C、1時間の脱気処理を行い、窒素を用いてBET法によって比表面積を算出する。
木質成分類の吸着性の観点から、活性炭の25℃でのpHは11.0以下であることが好ましく、1.0以上11.0以下であることがより好ましく、3.0以上10.5以下であることが更に好ましく、5.0以上10.0以下であることが特に好ましい。
活性炭の25℃でのpHは、活性炭を分散した分散液の25℃でのpHをpH測定器により測定した値とする。
活性炭のpHの具体的な測定手順は以下の通りである。
活性炭1gを水100gに加え、撹拌することで分散液を得る。分散液の温度を25℃とした後、分散液のpHをpH測定器により測定し、得られる値を活性炭のpHとする。
-第1工程の手順の一例-
第1工程は、特定粗溶液と、活性炭と、を混合して混合溶液を得る工程である。
混合溶液を得る方法としては、例えば、特定粗溶液に対して活性炭を添加する方法が挙げられる。
木質成分類の吸着性の観点、コストの観点及びろ過性の観点から、活性炭の添加量は、木質成分類の質量に対して、10質量%以上100質量%以下であることが好ましく、40質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
第1工程において、混合溶液を撹拌することが好ましい。
混合溶液の撹拌は、活性炭が溶液中に均一に近い状態で分散する様に撹拌することが好ましい。
撹拌方法は特に限定されず、マグネチックスターラ、メカニカルスターラ等の撹拌機を使用する方法、振とう機を使用する方法などが挙げられる。
混合溶液を撹拌する際、混合溶液の温度は、20℃以上100℃以下であることが好ましく、25℃以上50℃以下であることがより好ましく、25℃以上40℃以下であることが更に好ましい。
木質成分類の吸着性の観点から、混合溶液の撹拌時間は、15分以上360分以下であることが好ましく、30分以上120分以下であることが好ましく、30分以上90分以下であることが更に好ましい。
また、混合溶液の撹拌は、混合溶液に対して振とう処理を行うことで行うことが好ましい。
振とう処理時の温度は、木質成分類等の不純物の吸着の観点から、20℃~50℃の範囲が好ましく、25℃~40℃の範囲が好ましい。
振とう処理の時間は、振とう速度や温度にも依存するが、木質成分類等の不純物の吸着の観点から、0.5時間~1.5時間の範囲が好ましく、0.5時間~1時間の範囲が好ましい。
振とう処理時の振とう速度は、木質成分類等の不純物の吸着の観点から、80回/分~120回/分の範囲が好ましい。
振とう処理の振幅は、混合溶液の量にも依存するが、木質成分類等の不純物の吸着の観点から、30mm~60mmの範囲が好ましい。
振とうは、振とう機を用いて行うことができる。
第1工程は、活性炭を減圧処理することが好ましい。
第1工程は、活性炭を減圧処理した後、特定粗溶液に加えてもよい。
減圧処理を行うことで、活性炭の細孔に含まれる空気が除去されやすくなり、木質成分類の吸着効率が向上しやすい。
活性炭を減圧処理する方法としては、例えば、活性炭を、真空ポンプに接続した容器に入れた後、真空ポンプにより容器内を減圧する方法が挙げられる。
減圧処理は、100Pa~1000Paの範囲(好ましくは100Pa~500Paの範囲)として行うことが好ましい。
減圧処理時間は、10分以上30分以下とすることが好ましい。
(第2工程)
第2工程は、混合溶液をろ過する工程である。
混合溶液をろ過することで、木質成分類を吸着した活性炭を取り除くことができる。
混合溶液をろ過する方法は、特に限定されず、加圧ろ過を行う方法、減圧ろ過を行う方法、シリンジフィルターを用いる方法が挙げられる。
混合溶液の濾過に用いるフィルターは、使用する活性炭の粒径によって調整するが、保持粒子径が0.1μm以上1μm以下であることが好ましい。
混合溶液をろ過する際、必要に応じて、珪藻土などの濾過助剤を使用してもよい。
混合溶液をろ過して回収されるろ液は、660nmの光の透過率が80%以上100%以下であることが好ましく、90%以上100%以下であることがより好ましく、95%以上100%以下であることが更に好ましい。
ろ液の光の透過率は、紫外可視吸光光度計により測定する。
紫外可視吸光光度計としては、例えば、分光光度計U2910形、日立ハイテクサイエンス社製などが使用可能である。
(その他の工程)
本開示に係るポリアルキレングリコールの精製方法は、特定粗溶液が水を含む場合、第2工程後に回収したろ液を蒸留し、ポリアルキレングリコールの濃度を高めてもよい。
以下に実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<特定粗溶液の調製>
ポリアルキレングリコールとして分子量400のポリエチレングリコール、木質成分類、及び水を含有する粗溶液(pH(25℃)=7.67)を準備した。
粗溶液の組成の内訳は、以下の通りである。なお、各成分の含有量は、粗溶液全体に対する含有量を示す。
・木質成分類:約5質量%
・ポリアルキレングリコール及び水:約95質量%(ポリアルキレングリコール:水=30:70(質量比))
<実施例1~31、比較例1~6>
(第1工程)
表1~3に記載の活性炭を表1~3に記載の添加量でプラスチック製のボトルに入れ、活性炭を含んだボトルを真空ポンプに接続した容器に入れ、真空ポンプにより容器内の圧力を500Paまで減圧した(減圧処理)。なお、減圧処理は、500Paの減圧条件下、10分間行った。
減圧を解除後、活性炭を含んだボトルに、粗溶液100gを入れ、活性炭及び粗溶液を含んだボトルを、恒温機能を備えた振とう機に設置し、表1~3に記載の温度で振とうすることにより撹拌した。なお、振とう速度は、すべての例において1分間に105回、振幅40mmで統一した。
(第2工程)
混合溶液を、保持粒子径0.45μmのフィルターを備えたシリンジフィルターに加え、ろ過を行い、ろ液を回収した。
なお、第1工程の振とう開始時点から30分経過、60分経過、120分経過、180分経過、240分経過、300分経過、及び360分経過した時点でボトルから混合溶液2gずつ回収し、ろ過を行いろ液を得た。各例7つのろ液を得て、時間経過に伴うろ液の光の透過率を観測することとした。
<評価>
各例で得たろ液の660nmの光の透過率を測定した。測定手順は既述の通りである。
各例の振とう開始時点から30分経過した時点で第2工程を行って得たろ液の光の透過率を表1~3に示した(表1~3中、「30分経過後光の透過率」)。
また、実施例1~10、及び実施例31については時間経過に伴うろ液の光の透過率の変化を図1及び図2に示す(実施例31は第1工程の振とう開始時点から360分経過した時点で第2工程を行って得たろ液の光の透過率のみを示す)。
表1~3中の略称について以下に示す。なお、粒径は、D50の値である。
・N-W60:フタムラ化学社製活性炭、粒径22μm、平均細孔直径3.8nm、比表面積1550m/g、25℃でのpH=5.83
・FP-1:大阪ガスケミカル社製活性炭、粒径40μm、平均細孔直径3.1nm、比表面積1082m/g、25℃でのpH=6.67
・Wako:富士フイルム和光純薬社製活性炭、粒径30μm、平均細孔直径4.2nm、比表面積1412m/g、25℃でのpH=5.84
・S:フタムラ化学社製活性炭、粒径35μm、平均細孔直径4.5nm、比表面積1700m/g、25℃でのpH=6.15
・FP-6:大阪ガスケミカル社製活性炭、粒径40μm、平均細孔直径4.0nm、比表面積1534m/g、25℃でのpH=6.34
・IP:フタムラ化学社製活性炭、粒径18μm、平均細孔直径2.6nm、比表面積1150m/g、25℃でのpH=10.0
・ゼオライト:Fluka社製ゼオライト、品名:モレキュラーシーブ 3A、パウダー、平均細孔直径0.3nm、25℃でのpH=8.25
・アルミナ:富士フイルム和光純薬社製アルミナ、品名:カラムクロマトグラフ用、粒径75μm、25℃でのpH=8.45
・シリカゲル:関東化学社製、粒径40~100μm、25℃でのpH=6.97
・イオン交換樹脂(カチオン):デュポン社製、アンバーライト(登録商標)GEL Type IR120 H、25℃でのpH=7.66
・イオン交換樹脂(アニオン):デュポン社製、アンバーライト(登録商標) Macroreticular Type IR120 H、25℃でのpH=7.52
なお、ゼオライト、アルミナ、シリカゲル及びイオン交換樹脂の25℃でのpHの値は、活性炭をゼオライト、アルミナ、シリカゲル又はイオン交換樹脂に代えること以外は既述の活性炭の25℃でのpHの測定手順と同一の手順で測定した値である。
表1~3中の「活性炭/木質成分類×100(質量)」は木質成分類の質量に対する活性炭の添加量を意味する。
表3中、実施例31の「62.5」は、第1工程の振とう開始時点から360分経過した時点で第2工程を行って得たろ液の光の透過率が62.5%であることを意味する。
上記結果から、本実施例のポリアルキレングリコールの精製方法は、比較例と比較して、ろ液の660nmの光の透過率が高いことがわかる。660nmの光の透過率が高いことは、ろ液中の木質成分類の含有量が少ないことを意味する。
よって、本実施例のポリアルキレングリコールの精製方法は、イオン交換樹脂を使用しなくともポリアルキレングリコールを精製できることがわかる。
さらに、図1に示す通り、実施例31は第1工程の振とう開始時点から360分経過した時点で第2工程を行って得たろ液の光の透過率が60%程度であり、活性炭の種類以外は同一条件で精製した実施例1~5と比較すると、ポリアルキレングリコールの精製効果が低下していることがわかる。このことから、ポリアルキレングリコールの精製効果をより向上するためには、25℃でのpHが9.0以下である活性炭を使用することが好ましいことがわかる。

Claims (5)

  1. ポリアルキレングリコール及び木質成分類を含有する粗溶液と、活性炭と、を混合して混合溶液を得る第1工程と、
    前記混合溶液をろ過する第2工程と、
    を含むポリアルキレングリコールの精製方法。
  2. 前記活性炭の25℃でのpHが、11.0以下である請求項1に記載のポリアルキレングリコールの精製方法。
  3. 前記活性炭の添加量が、前記木質成分類の質量に対して40質量%以上である請求項1に記載のポリアルキレングリコールの精製方法。
  4. 前記第1工程において、前記混合溶液を30分以上撹拌する請求項1に記載のポリアルキレングリコールの精製方法。
  5. 前記第1工程において、前記粗溶液との混合前に、前記活性炭を減圧処理する請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のポリアルキレングリコールの精製方法。
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