JP2018152839A - A/d変換器およびこれを用いたセンサ装置 - Google Patents

A/d変換器およびこれを用いたセンサ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 高いダイナミックレンジを高速かつ低消費電力で実現するA/D変換器及びセンサー装置を提供すること。【解決手段】 本発明の一実施態様にかかるA/D変換器は、入力電圧が供給され、内部参照電圧を出力する内部D/A変換器を有する逐次比較型A/D変換器と、前記入力電圧と前記内部D/A変換器が発生する内部参照電圧との差電圧が供給されるΔΣ型A/D変換器と、から構成され、前記逐次比較型A/D変換器の変換結果を上位変換結果として、前記ΔΣ型A/D変換器の変換結果を下位変換結果として、これらを結合してA/D変換出力を得ることを特徴とするA/D変換器及びこれを用いたセンサー装置。【選択図】 図1

Description

本発明はA/D変換器およびこれを用いたセンサ装置に関する。より詳細には、逐次比較型A/D変換器およびこれと直列に接続されたΔΣ型A/D変換器から構成されたA/D変換器に関する。さらに、このように構成されたA/D変換器を有し、高精度、高速、かつ低消費電力を実現したセンサー装置に関する。
(従来のセンサー装置)
図22に従来のセンサー装置100を示す。センサー装置100は、自然界の信号(被センス信号)を検知してこれを電気信号に変換する単位センサー111が、行と列からなる行列状に配置されたセンサー領域110を有する。単位センサー111は行選択線112と列選択線113に接続されている。垂直(行)操作回路130は行選択線112の一つに所定電圧を供給することによってセンサー領域110の行を選択する。列選択線113はA/D変換部120に接続されている。A/D変換部120は複数のA/D変換器が列状に配置されて構成されたA/D変換器列122を含む。さらに、任意的に減算増幅回路121が列選択線113とA/D変換器列122との間に挿入されてもよい。A/D水平(列)操作回路150はA/D変換器列122の各列出力を順次選択してデータ出力端子151に転送して出力する。タイミング制御回路140は図示しないクロック供給回路からクロック入力端子141に供給されるクロック信号に同期して、垂直(行)操作回路130と水平(列)操作回路150をそれぞれ制御するパルス信号を生成する。
クロック入力に同期して、タイミング制御回路140で作成されたパルス信号に同期して、垂直(行)操作回路130で作られた行制御信号により、一つの行選択線112が活性化され、対象の行の単位センサー111の電気信号が列選択線113に取り出される。各列信号線はA/D変換部120においてA/D変換される。A/D変換部120は減算増幅回路121と単位A/D変換器が列状に並んだA/D変換器列122からなる構成を取るものがある。A/D変換部120の出力信号は水平(列)操作回路150で作成された制御信号により、データ出力端子151から採り出される。
(汎用的なセンサー読出し回路)
センサーには読出し回路160が必要である。図23に汎用的なセンサー読出し回路160を示す。センサーからの信号は電圧源もしくは電流源で表される。例えば圧力などによる抵抗の変化を用いた抵抗型圧力センサーは、圧力変化を抵抗体に電流を流すことにより抵抗に生じる電圧の変化として検知できる。また圧力などによる容量の変化を用いた抵抗型圧力センサーは、圧力変化を容量による電荷量の変化として検知でき、電荷の変化は一定の容量を用いることで、電圧の変化として検知できる。
図23の汎用的なセンサー読出し回路160は、電源電圧VDDとトランジスタM1の一端に接続されたセンサー161(電圧源で表されている)を有している。トランジスタM1のゲートには信号S/H(サンプル/ホールド)が供給される。トランジスタM1の他端には保持容量162が接続されている。電源電圧VDDと保持容量162との間にはトランジスタM4が接続されている。トランジスタM4のゲートには信号RSTが供給される。保持容量162はさらにトランジスタM2のゲートに接続されている。トランジスタM2の一端は電源電圧VDDに接続され、他端はトランジスタM3の一端に接続されている。トランジスタM3のゲートには信号SELが供給され、他端は列電流源163に接続されている。M3の他端に読出し電圧VRが現れる。
図23においてセンサー161の電圧VSはトランジスタM1のゲートを信号S/H(サンプル/ホールド)で制御することで、保持容量162に標本化されて保持される。この保持された電圧はソースフォロアを形成するトランジスタM2でバッファーされて、スイッチを形成するトランジスタM3のゲートを行の制御信号SELで制御することにより、列信号線に取り出すことができる。列電流源163はソースフォロアを形成するトランジスタM2の動作に必要なバイアス電流を与えるために設けている。図23の回路のうち列電流源163以外の回路は単位センサー111に含まれ、行列状に配置されているのに対し、列電流源163は列ごとに列選択線113に接続されている。
このような読み出し回路160においてはソースフォロアを構成するトランジスタM2のしきい値電圧VTのバラツキなどによりトランジスタのゲートソース間電圧VGSがばらつくために信号源電圧VSの正確な読み取りができない。そこで通常は最初に図示しない基準電圧発生回路より基準電圧VREFを送り、次に信号を含む電圧VSを送り、この二つの電圧の差を取ることで信号源電圧VSの正確な読出しができる。このような相関二重サンプリング技術を用いてゲートソース間電圧VGSのばらつきをキャンセルすることができるとともに、トランジスタの1/fノイズの影響も抑圧することができる。もちろん最初に信号を含む電圧VSを送り、次に基準電圧VREFを送っても良いことは言うまでもない。
(スロープ型A/D変換器)
読み出し回路160の出力はA/D変換部120においてアナログ信号からデジタル信号に変換される。図24にセンサー装置の代表としてCMOSイメージセンサーによく用いられるスロープ型A/D変換器170を、図25に入力信号と参照電圧との関係をそれぞれ示す。
スロープ型A/D変換器170は、複数の単位A/D変換器171と共通に設けられたランプ波発生器172とからなる。複数の単位A/D変換器171は比較器173とカウンター174とから構成される。ランプ波信号線177とクロック信号線176は複数の単位A/D変換器171に共通に設けられている。ランプ波発生器172の出力はランプ波信号線177に供給される。
ランプ波発生器172はVRTからランプ波制御信号入力端子179に供給されるランプ波制御信号をトリガーとして、電圧が時間に比例して降下するランプ波190を発生する。単位A/D変換器171を構成するカウンター174はクロック信号線176に供給されるクロックパルスのカウントを開始する。比較器173は入力端子178に供給される入力信号とランプ波発生器で発生されたランプ波190である参照信号とを比較し、参照信号が入力信号よりも低くなったとき(Tin)にフラッグを発生してカウンターを停止させる。その時のカウンターの値が入力信号電圧Vinを表すので、この値を変換出力端子180において変換出力として取り出し、リセット端子181に供給されるリセット信号でカウンター174をリセットする。
このスロープ型A/D変換器は構成が簡単で、微分非直線性誤差が小さく、単調性が補償されてロバスト性が高い。したがって、CMOSイメージセンサーに広く用いられている。
しかしながら、課題も多い。例えば、変換速度と分解能のトレードオフがある。時刻Tinが入力信号を表すので、変換に使用できる時間をTFSとすると、分解能NビットのA/D変換器では、クロック周波数fclk
clk=2N/TFS (1)
で表される。フレーム数をNF、 垂直画素数をNVとし、リセット読出しと信号読出しを行い、それぞれの周期の1/2をA/D変換に用いることができると仮定すると、
FS=1/(4NFV) (2)
であるので、
clk=2N+2FV (3)
である。フレーム数を100フレーム、垂直画素数を2000とし、使用できるクロック周波数を最高2GHz程度とすると、分解能は11ビット程度である。ダイナミックレンジ換算で68dB程度である。
A/D変換器の精度を決めるものはクロック周波数にとどまらない。比較器もA/D変換器の精度を決める要素である。比較器のノイズ電圧は150μV〜200μV程度であり、ダイナミックレンジで75dB程度である。したがって、スロープ型A/D変換器のダイナミックレンジはせいぜい70dBである。
通常単位センサーが取り扱う電子数は数万個とされている。そこで電子数を3万個、保持容量を5fFと仮定すると、最大出力電圧は1V程度となる。検出すべき信号の最小値は電子1個である。これは30μVとなる。したがって、必要なダイナミックレンジは約90dBである。スロープ型A/D変換器では画素が本来有する高いダイナミックレンジの実現が困難である。このため、相関二重サンプリングを行うとともに、前述したようにA/D変換の前に0dBから20dB程度の利得を可変にした減算増幅器を設けることでより高いダイナミックレンジを得ようとするセンサー装置もある。しかしながら、ノイズを抑えるために10pF〜20pFの大きな容量を用いることが多く、面積の増大だけでなく、消費電力の増大を招く結果となっている。
したがって現在センサー装置に用いられているA/D変換器はセンサーが必要とする高いダイナミックレンジを高速かつ低消費電力で実現できていないことと、増幅器を用いているため、定常電流が流れるので、読み出し速度の適用的可変や、間欠動作など、今後のIoTで必要な機能の実現が困難であった。
特開2005−323331号公報
本発明はこのような問題点を解決するためのもので、本発明が解決しようとする課題は、高いダイナミックレンジを高速かつ低消費電力で実現するA/D変換器を提供するとともに、このようなA/D変換器を有するセンサー装置を提供することである。
また、本発明が解決しようとする別の課題は、定常電流が流れないA/D変換器を用いることにより、フレームレートや変換速度の可変化や間欠動作を容易にしたA/D変換器、及びこのようなA/D変換器を有するセンサー装置を提供することである。
また、本発明が解決しようとするさらに別の課題は、逐次比較型A/D変換器の変換値を用いて、ΔΣ型A/D変換器のパラメータを制御することにより、消費電力を一段と低減したA/D変換器、及びこのようなA/D変換器を有するセンサー装置を提供することである。
本発明の一実施態様にかかるA/D変換器は、入力電圧が供給され、内部参照電圧を出力する内部D/A変換器を有する逐次比較型A/D変換器と、入力電圧と内部D/A変換器が発生する内部参照電圧との差電圧が供給されるΔΣ型A/D変換器と、から構成され、逐次比較型A/D変換器の変換結果を上位変換結果として、ΔΣ型A/D変換器の変換結果を下位変換結果として、これらを結合してA/D変換出力を得ることを特徴とするA/D変換器であることを特徴とする。
本発明の一実施態様にかかるA/D変換器は、一対の入力信号端の差動入力電圧を増幅した差動電圧を一対の出力信号端間に発生させる差動増幅器と、入力信号端と差動増幅器の一方の入力端子の間に設けられた標本化容量と、入力値に応じた参照電圧を差動増幅器の他方の入力端子に印加する容量型D/A変換器と、差動増幅器の一対の入力端子の電圧を所定の電圧にクランプするスイッチと、差動増幅器の一対の入力端子に接続された一対の容量と、を有し、スイッチにより一対の入力端子の電圧を所定の電圧にクランプし、入力信号端には基準信号を与えるとともに、容量型D/A変換器を用いて所定の電圧を発生させ、次にスイッチを開放し、差動増幅器の差動出力に対して容量型D/A変換器を用いて逐次比較型A/D変換を行い、その後、差動増幅器の差動出力に対して一対の入力端子に接続された一対の容量を内部D/A変換器として用いてΔΣ型A/D変換を行い、逐次比較型A/D変換の結果とΔΣ型A/D変換の結果を結合して第1のA/D変換値を得、更に入力信号端には信号源の信号を与え、差動増幅器の差動出力に対して容量型D/A変換器を用いて逐次比較型A/D変換を行い、その後、差動増幅器の差動出力に対して一対の入力端子に接続された一対の容量を内部D/A変換器として用いてΔΣ型A/D変換を行い、逐次比較型A/D変換の結果とΔΣ型A/D変換の結果を結合して第2のA/D変換値を得、第1のA/D変換値と第2のA/D変換値の差分を最終のA/D変換値としたことを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、差動増幅器の一対の出力端子と、逐次比較型A/D変換を行う比較器の一対の入力端およびΔΣ型A/D変換を行う積分器の一対の入力端の間に一対の容量を挿入し、比較器の一対の入力端および積分器の一対の入力端の電圧を所定の電圧にクランプするスイッチを設け、差動増幅器の一対の入力端子の電圧を所定の電圧にクランプすることで差動増幅器の差動出力電圧と比較器の一対の入力端および積分器の一対の入力端の間のコモン電圧のシフトを行うとともにオフセット電圧を抑圧することが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、ΔΣ型A/D変換器のオーバーサンプリング比率を可変に制御する手段を有することが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、ΔΣ型A/D変換器は2次のΔΣ型A/D変調器であることが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、ΔΣ型A/D変換器は内部D/A変換器を有し、その出力電圧範囲は逐次比較型A/D変換器の1LSB以上、かつ2LSB以下であることが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、1つのA/D変換値を得るために複数回の標本化とA/D変換を行うことが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、最初のA/D変換は逐次比較型A/D変換器で行い、以降のA/D変換は標本化された入力信号と逐次比較型A/D変換器の最初の変換値により内部D/A変換器が発生する内部参照電圧との差電圧を複数回、ΔΣ型A/D変換器に供給してA/D変換を行うことが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、ΔΣ型A/D変換器は、第1の容量と、第2の容量と、第3の容量と、増幅器と、第1のフェーズでは、第1の容量に入力信号が標本化されるとともに、第2の容量に残留している電圧が増幅器で利得倍だけ増幅されて第3の容量に現れるよう制御し、第2のフェーズでは第1の容量、第2の容量及び第3の容量が並列に接続されることによって発生した電圧を出力とするよう制御し、第1のフェーズと第2のフェーズを繰り返すように制御する制御回路と、を具備することが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、増幅器は、定常電流が流れないダイナミック型増幅器である積分器であることが望ましい。さらに、増幅器は、出力負荷容量対と、出力負荷容量対を所定電圧にプリチャージするプリチャージ回路と、出力負荷容量対を入力信号対に応じて所定期間放電又は充電することによって出力負荷容量対に出力電圧が現れるよう構成した積分器を用いることが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、逐次比較型A/D変換器の変換結果を用いて、ΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び(b)パラメータを制御するΔΣ型A/D変換制御機構を有することが望ましい。このパラメータは(a)オーバーサンプリング比率、(b)量子化電圧又は(c)変換エネルギーのいずれかを含むことが望ましい。また、ΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び(b)パラメータの制御を切り替える閾値は、A/D変換器のノイズVn_adがショットノイズVn_shよりも小さい電圧、好ましくはその1/2よりも小さい電圧となるよう設定されることが望ましい。さらに、このような閾値に対応する値を記憶する設定データ記憶領域を有することが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、基準信号のA/D変換を逐次比較型A/D変換器を用いて行い、これにひき続き、1つ前のタイミングの基準信号と信号源からの信号の差分値を用いてΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び(b)パラメータの制御をすることを特徴とする。
本発明の一実施形態にかかるA/D変換器においては、基準信号と信号源からの信号を交互に変換し、基準信号の逐次比較型によるA/D変換においては過去の基準信号の変換値を用いて内部D/A変換を制御し、過去の変換値の近傍に対応する内部参照電圧を発生させて逐次的にA/D変換を行うことを特徴とする。また、基準信号と信号源からの信号を交互に変換し、信号源からの信号の逐次比較型によるA/D変換においては過去の信号源からの信号変換値を用いて内部D/A変換を制御し、過去の信号源からの信号の変換値の近傍に対応する内部参照電圧を発生させてから逐次的にA/D変換を行うことを特徴とする。さらに、過去の信号源からの信号変換値を用いて内部D/A変換を行うための制御は、過去の信号源からの信号変換値が基準値よりも小さい場合には過去の変換値の近傍に対応する内部参照電圧を発生させることが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるセンサー装置は、自然界の信号を検知して電気信号に変換するセンサーと、電気信号を入力信号とする上述したA/D変換器と、を具備することが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるセンサー装置においては、センサーは複数の単位センサーから構成され、この単位センサーを選択する操作回路を具備することが望ましい。
本発明の一実施形態にかかるセンサー装置においては、センサーは自然界の信号を検知する信号源と基準信号を供給する基準信号源と、これらを保持容量に転送するトランジスタとを有し、自然界の信号にかかる電圧のA/D変換結果と、信号源の基準信号にかかる電圧のA/D変換結果との差分をA/D変換出力とすることが望ましい。
本発明の一実施態様にかかるセンサー装置は、逐次比較型A/D変換器および入力電圧と内部D/A変換器が発生する内部参照電圧の差電圧をΔΣ型A/D変換器の入力として供給し、前記逐次比較型A/D変換器の変換結果およびΔΣ型A/D変換器の変換結果を用いてA/D変換出力を得ることにより、逐次比較型A/D変換器では実現困難な80dB以上の高いダイナミックレンジを実現できる他、通常のΔΣ型A/D変換器の5倍以上の高速なA/D変換速度を実現できるという効果がある。
また、ΔΣ型A/D変換器の積分器は動作速度に合わせて設定された定常電流が流れる負帰還増幅器を用いるのではなく、3つの容量と受動的なスイッチングおよびダイナミック型増幅器を用いることで、定常電流の流れない積分器が実現できるため、動作速度の可変が容易であるだけでなく、間欠動作も容易で、しかも消費電力を極めて低くできるという効果があり、今後発展が期待されるIoT(Internet of Things)用のセンサー装置として適している。
本発明の一実施形態に係るセンサー装置の回路構成図である。 本発明の一実施形態に係る逐次型A/D変換器の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係るA/D変換の変換ステップの動作説明図である。 本発明の一実施形態に係るΔΣA/D変換のダイナミックレンジを示す図である。 本発明の一実施形態に係る相関二重サンプリング技術を示す図である。 本発明の一実施形態に係るCMOSイメージセンサーのダイナミックレンジを示す図である。 本発明の一実施形態に係る積分器の回路構成図である。 本発明の一実施形態に係る積分器の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係る積分器の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係るダイナミック型増幅器の回路構成図である。 本発明の一実施形態に係るダイナミック型増幅器の動作説明図である。 本発明の一実施形態に係るΔΣA/D変換器に用いる積分器の回路構成図である。 本発明の一実施形態に係る複合構造のA/D変換器の回路構成図である。 本発明の一実施形態に係る複合構造のA/D変換器の回路構成図である。 本発明の別の実施形態に係るセンサー装置の回路構成図である。 本発明の別の実施形態に係るA/D変換器の動作を説明した図表である。 本発明の別の実施形態に係るA/D変換器が具備する記憶領域を示した図である。 本発明の別の実施形態に係るA/D変換器の信号電圧、分解能、ショットノイズの関係を示したグラフである。 本発明の別の実施形態に係るA/D変換器の信号電圧と変換エネルギーの関係を示したグラフである。 本発明の別の実施形態に係るA/D変換器の動作説明図である。 本発明の別の実施形態に係るA/D変換器の内部参照電圧と電荷変動量の関係を示したグラフである。 本発明の別の実施形態に係るA/D変換器の動作説明図である。 従来のセンサー装置の回路構成図である。 従来のセンサー装置の単位センサーの回路構成図である。 従来のセンサー装置のスロープ型A/D変換器の回路構成図である。 従来のセンサー装置のスロープ型A/D変換器の動作説明図である。
(センサー装置及びこれに用いるA/D変換器)
図1に本発明の一実施形態にかかるセンサー装置10を示す。センサー装置10は自然界の信号11を受けるセンサー12、逐次比較型A/D変換器20、ΔΣ型A/D変換器30とから構成される。逐次比較型A/D変換器20は、比較器21、内部D/A変換器22及び制御ロジック回路23とから構成される。
自然界の信号11はセンサー12で電気信号VINに変換され、逐次比較型A/D変換器20に入力されて、逐次変換され上位変換値DUを上位変換値端子13に出力する。次にセンサー12からの電気信号VINと内部D/A変換器22により発生された内部参照電圧VINTREFDLとの差電圧をΔΣ型A/D変換器30に入力し、A/D変換を行う。逐次比較型A/D変換器20からの変換値を上位のA/D変換値DU、ΔΣ型A/D変換器の変換値を下位変換値DLとして下位変換値端子14に出力する。上位変換値DUと下位変換値DLとを結合することによって全体のA/D変換値[DUL]を得る。
(逐次変換ステップ)
図2に逐次比較型A/D変換器20の変換ステップごとの、センサー出力である入力電圧VINと内部参照電圧VINTREF1〜VINTREF4の様子を示す。一例として逐次比較型A/D変換器20の分解能を4ビットとしている。また入力電圧をフルスケール電圧VFSに対して11.5/16とする。
1ビット目の変換ステップは内部D/A変換器22はフルスケール電圧VFSの1/2の電圧を内部参照電圧VINTREF1として出力する。この内部参照電圧VINTREF1と入力電圧VINを比較する。この例の場合は入力電圧VINの方が高いので1を出力する。次の2ビット目の変換は、1ビット目の変換結果を受けて、フルスケール電圧VFSの3/4の電圧を内部参照電圧VINTREF2として出力する。この場合は入力電圧VINの方が低いので0を出力する。次の3ビット目の変換は2ビット目の変換結果を受けてフルスケール電圧VFSの5/8の電圧を内部参照電圧VINTREF3として出力する。この場合は入力電圧VINの方が高いので1を出力する。次の4ビット目の変換は3ビット目の変換結果を受けてフルスケール電圧VFSの11/16の電圧を内部参照電圧VINTREF4として出力する。この場合は入力電圧VINの方が高いので1を出力する。したがって、上位A/D変換値DUは1011となる。
(ΔΣ変換ステップ)
逐次比較型A/D変換が終了後、センサー12から出力された入力電圧VINと内部D/A変換器で発生させた下位A/D変換用の内部参照電圧VINTREFDLの双方をΔΣ型A/D変換器30に入力する。この例ではセンサー12から出力された入力電圧VINはフルスケール電圧VFSの11.5/16、内部D/A変換器22で発生させた内部参照電圧VINTREF4(VINTREFDL)は11/16であるので差電圧は0.5/16である。ΔΣ型A/D変換器30は逐次比較型A/D変換器20の1LSBに相当する変換範囲もしくは1LSB程度のオーバーラップを付加した変換範囲でΔΣ型A/D変換を行い下位A/D変換値DLを得る。図2において32は内部D/A変換器22で発生させた内部参照電圧VINTREFDL、33は逐次比較型A/D変換器の1LSBの電圧範囲を、31はΔΣA/D変換器の変換範囲をそれぞれ示している。
(ΔΣ変換ステップ)
図3は本発明の一実施形態に係るA/D変換の変換ステップの動作説明図である。はじめにNビットの逐次変換を行い、続いてM回の連続したΔΣA/D変換を行う。
(本実施形態の作用効果)
このようなA/D変換を行うことにより高いダイナミックレンジと高速なA/D変換を同時に実現できる。得られるダイナミックレンジDRは次式で表される。
DR=(3π/2)(2N−1)2(2L+1)(M/π)2L+1 (4)
ここで、Lは積分器の次数である。Mはオーバーサンプリング数である。
2次のΔΣ型A/D変換器における、分解能Nをパラメータに取り、ΔΣA/D変換の変換回数Mに対して得られるダイナミックレンジを図4に示す。目標のダイナミックレンジを90dBとすると、ΔΣ型A/D変換器だけではMは100であるが、本発明における6ビットの逐次比較型A/D変換と組み合わせることによりMが20で達成でき、1LSBのオーバラップを設けてもMが30で達成できる。逐次型A/D変換器はΔΣ型A/D変換器に比べ変換時間が極めて短く、消費電力も非常に小さいので、変換回数の比は速度と消費電力の比を表すと考えても良い。したがって、本発明では逐次型A/D変換器とΔΣ型A/D変換器を組み合わせることで変換速度が3倍から5倍向上するとともに、消費電力も1/3〜1/5に低減できる。
また、ΔΣ型A/D変換を用いることで、比較器のノイズはノイズシェーピング効果により信号帯域の低域ノイズが十分に抑圧されるので高ダイナミックレンジを実現する妨げにならない。
さらに、オーバーサンプリングを用いているので、回路中に含まれる容量のkT/Cノイズはλ(<1)倍と小さくなる。
λ=1/M1/2 (5)
例えば、M=20ではλ=0.22 M=30ではλ=0.18 となり、同一のダイナミックレンジを得るために必要な容量を1/4〜1/5に縮小することができる。
センサー装置に求められる仕様においては求められるダイナミックレンジが異なることも多い。この場合、本実施形態においては式(4)に示すようにΔΣ型A/D変換器のオーバーサンプリング比率Mを変えることで実現するダイナミックレンジを容易に変えることができる。オーバーサンプリング比率Mを変えるためには変換回数、デシメーションフィルタの語長、得られたA/D変換値を規格化する数の設定が必要である。本実施形態においてはこのような設定手段を備えている。
ΔΣ型A/D変換器30は有限の変換回数でA/D変換値を得る、いわゆるインクリメンタル型ΔΣ型A/D変換器を用いるが、その次数に関しては2次のΔΣ型A/D変換器が最も高いダイナミックレンジを実現できることが分かっている。したがって、2次のΔΣ型A/D変換器を用いることが妥当である。
ΔΣ型A/D変換器30のA/D変換範囲は、図2からも分かるように逐次比較型A/D変換器20の1LSBに相当する電圧範囲が最低必要である。しかし、実際の変換ではノイズや電圧のドリフトなどの電圧変動要因があり、ΔΣ型A/D変換器30のA/D変換範囲は逐次比較型A/D変換器20の1LSBより広くするためのオーバラップ電圧を必要とする。ただし、このオーバラップ電圧を大きく取り過ぎると、ΔΣ型A/D変換器30の量子化電圧が増大し、同じオーバーサンプリング比Mにおいて実現可能なダイナミックレンジが低下する。そこで、上側、下側それぞれに0.5LSBのオーバラップ電圧が、システムの簡素化も考慮して適切なオーバラップ電圧となる。したがって、ΔΣ型A/D変換器30のA/D変換範囲は逐次比較型A/D変換器20の1LSB以上、2LSB以下であることが望ましい。
A/D変換では信号の標本化が必要であるが、標本化に伴いkT/Cノイズが入りA/D変換のダイナミックレンジを低下させる。M回の標本化を行うと式(5)に示したようにMの平方根に比例してダイナミックレンジが増大するので、ダイナミックレンジの増大のためには複数回の信号の標本化とA/D変換を行うことが効果的である。
ところで、逐次比較型A/D変換器とΔΣ型A/D変換器を組み合わせてA/D変換を行う場合は、入力信号を標本化後、逐次比較型A/D変換を行い、変換が終了後、ΔΣ型A/D変換器を数クロック程度動作させて変換値を得、次のタイミングで入力信号を標本化後、逐次比較型A/D変換を行い、変換が終了後、ΔΣ型A/D変換器を数クロック程度動作させて変換値を得ていく方法がある。時間的に変動の激しい入力信号を取り扱う場合は上記の方法でのA/D変換が必要であるが、センサーからの電気信号の時間変動が小さい場合、もしくはセンサーからの電気信号が既に標本化されている場合は、このようなA/D変換方法は用いずに、初めに逐次比較型A/D変換を行い、この変換値により内部D/A変換器が発生する内部参照電圧との差電圧を複数回、前記ΔΣ型A/D変換器に供給してA/D変換を行うA/D変換方法の方が、単位時間当たりのΔΣ変換数、つまりオーバーサンプリング数Mを上げることができるため、より高いダイナミックレンジを得ることができる。さらに、不要な逐次比較を行う必要がないため、より低消費電力にすることができる。
ただし、初めに逐次比較型A/D変換を行い、この変換値により内部D/A変換器が発生する内部参照電圧との差電圧をΔΣ型A/D変換器に供給してA/D変換を行うときに、ΔΣ型A/D変換器の動作クロックに同期してセンサーからの電気信号を標本化し、逐次比較型A/D変換器の内部D/A変換器を動作させて内部参照電圧との差電圧をすぐに発生させてΔΣ型A/D変換器に供給してA/D変換を行うことをM回繰り返した方が標本化時に発生するkT/Cノイズを式(5)に示すように低減できるのでより効果的である。
(相関二重サンプリング技術)
本発明の実施形態におけるセンサー装置10においては図5に示すように信号転送回路のオフセット電圧や電圧ドリフトを抑制するために基準信号を送ってから信号を含む電圧を送りその差分をとって真の信号電圧とする相関二重サンプリング技術を用いることができる。通常はアナログ減算器で行われ、0dB〜20dB程度の利得が可変な増幅器を用いることがあるが、本発明のA/D変換器はダイナミックレンジが高いため、タイミングT1で基準となる信号VRST(n)をA/D変換し、次にタイミングT2で信号を含む電圧Vo(n)をA/D変換して、それぞれの変換値の差分を取って真の信号電圧の変換値Vs(n)を得ることができる。
このため、面積や、消費電力が大きく、定常電流が流れる増幅器を使用しなくて済むため、面積、消費電力ともに優位性を有し、適応的なフレームレートの可変や間欠動作の実現も容易である。
以上の説明においては初めに基準信号を送ってから信号を含む電圧を送ったが、初めに信号を含む電圧を送ってから次に基準信号を送っても良いことは言うまでもない。したがって、本発明では高いダイナミックレンジを必要とするセンサー装置に適している。
(CMOSイメージセンサーに適用した例)
例としてCMOSイメージセンサーを取り上げる。CMOSイメージセンサーの構成は図22に示したセンサー装置の構成と同じであり、A/D変換器列122を構成する個々のA/D変換器が図1の逐次比較型A/D変換器20及びΔΣ型A/D変換器30に相当する。また、単位センサーは図22に示したセンサー装置の構成と同じであり、これが図1のセンサー12に相当する。汎用的なセンサー読出し回路にかかる前述の説明は本実施形態においても妥当する。
図6はCMOSイメージセンサーの信号のダイナミックレンジと、本質的なノイズであるショットノイズを示している。信号電子数は1個から30000個程度のレンジがあり、したがってダイナミックレンジは約90dBである。フルスケール電圧は1Vに設定されることが多いので、電子1個あたり30μVになる。ショットノイズ電子数nsは信号電
子数nに対して
s=n1/2 (6)
の関係がある。
本発明のセンサー装置では逐次型A/D変換器の±1LSBの電圧範囲では、ΔΣ型A/D変換器でA/D変換が行われる。今、逐次型A/D変換器の分解能を6ビット、フルスケール電圧を1Vとすると、1LSBは16mVである。信号電圧が16mV以下の電圧でのA/D変換は一般にΔΣ型A/D変換器が用いられるが、ΔΣ型A/D変換器は1ビットD/A変換器が用いられるときは微分非直線性誤差は殆どゼロであることが知られている。したがって、光が弱いダークレベルにおいてノイズが少ない良好な特性を得ることができる。信号電圧が16mV以上の場合は逐次型A/D変換器が用いられ、使用されている内部D/A変換器の変換誤差が入る可能性がある。しかしながら通常内部D/A変換器の微分非直線性誤差は0.03%程度であり、300μV程度の変換誤差が入る可能性がある。しかしながらこの誤差が入るのは16mVの切り替わりの電圧である。この点のショットノイズは600μVであるので、ショットノイズに隠れてほとんど検知できないレベルである。したがって本発明によるCMOSイメージセンサーは極めて弱い光から、極めて強い光までノイズの少ない良好な撮像特性を得ることができる。
(ΔΣ型A/D変換器に含まれる積分器)
図7に本発明の一実施形態にかかる積分器40を示す。この積分器40はΔΣ型A/D変換器30に含まれるものである。積分器40は3つの容量C1、C2及びC3と、4つのスイッチS1、S2、S3及びS4と1つの増幅器41とから構成される。容量C1は主として入力信号Vinを保持する容量である。容量C2は主として前回の出力電圧Voutを保持する容量である。容量C3は前回の出力電圧VoutをA倍に増幅した電圧を保持する容量である。
入力電圧Vinが供給される入力端子と容量C1の一端との間にスイッチS1が挿入されている。容量C1の他端は接地されている。容量C2の一端はVoutが現れる出力端子に接続されており、容量C2の他端は接地されている。容量C1の一端と容量C2の一端(出力端子)との間にスイッチS2が挿入されている。容量C2の一端(出力端子)と容量C3の一端との間にはスイッチS4が挿入されている。容量C3の他端は接地されている。増幅器41の入力は容量C2の一端(出力端子)に接続されており、その出力と容量C3の一端との間にはスイッチS3が挿入されている。スイッチS1〜S4はP型トランジスタとN型トランジスタを並列接続して相補的に制御信号にて駆動するトランスファゲートにて構成することが可能である。
制御回路42は、スイッチS1及びスイッチS3を制御する制御信号φ1及びスイッチS2及びスイッチS4を制御する制御信号φ2を生成する。制御回路42は、フェーズ1では、容量C1に入力信号が標本化されるとともに、容量C2に残留している電圧が増幅器41で利得A倍だけ増幅されて容量C3に現れるよう制御している。フェーズ2では容量C1、容量C2及び容量C3が並列に接続されることによって発生した電圧を出力とするよう制御する。
図8及び9は本発明の一実施態様にかかる積分器40の動作説明図である。フェーズ1(Phase 1)においてはスイッチS1及びスイッチS3が閉じられ、スイッチS2及びスイッチS4は開かれている。図8はこの状態を示している。容量C1には入力電圧Vinが印加されている。容量C3には前回の出力電圧Vout[n−1]が増幅器の利得であるA倍された電圧が印加されている。この状態での各容量C1、C2、C3に蓄積される電荷Q1、Q2、Q3は以下の式(7−1)〜(7−3)のとおりとなる。
1=C1in (7−1)
2=C2out[n−1] (7−2)
3=A・C3out[n−1] (7−3)
続いて、フェーズ2(Phase 2)においてはスイッチS2及びスイッチS4が閉じられ、スイッチS1及びスイッチS3は開かれている。このとき3つの容量は全て並列に接続されてその電圧がVout(n)になる。Vout(n)は以下の式(8)のとおり表される。
out[n]=(Q1+Q2+Q3)/(C1+C2+C3
=(C1in+(C2+A・C3)Vout[n−1])/(C1+C2+C3) (8)
ここで、以下の式(9−1)及び(9−2)のとおり定数を定める。
1=(A−1)・C3 (9−1)
K=C1/(C1+C2+C3) (9−2)
すると、Vout(n)は以下の式(10)のとおり表される。
out[n]=Vout[n−1]+KVin (10)
つまり、図7の回路で積分動作が実現される。例えば、単位容量Cuを用いて以下の式(11−1)〜(11−4)で規定される値に設定したとする。
1=2Cu (11−1)
2=Cu (11−2)
3=Cu (11−3)
A=3 (11−4)
と設定すれば、Vout(n)は以下の式(12)のとおり表される。
out[n]=Vout[n−1]+(1/2)Vin (12)
以上のとおり、本発明では、負帰還回路を用いなくても積分器を構成できる。従来の積分器の問題点であった、不安定性や低速動作の課題を克服し、安定で高速な積分器を実現することができる。
なお、図7では単相の積分器40を示したが、相補的な信号を積分するように構成することも可能である。また、積分器40は必要に応じ、入力バッファもしくは入力増幅器、出力バッファもしくは出力増幅器を含んでもよい。
(ダイナミック型増幅器)
図7の積分器40において、増幅器を定常電流の流れないダイナミック型増幅器とすることで大きな利点を得ることができる。ダイナミック型増幅器の消費エネルギEdは主として負荷容量CLの充放電電流で決まる。したがって、消費電力はクロック周波数に比例し、高速な動作ではある程度の電力を消費するが、クロック周波数を下げると、それに伴い、比例して消費電力が減少するという理想的な電力特性が得られる。このため従来の積分器のように、クロック周波数を変えるごとにバイアス電流を制御する必要が生じない。また、定常電流が流れないため、極めて低消費電力で動作する積分回路を実現することができる。
図10に本発明の一実施形態にかかるダイナミック型増幅器50を示す。差動トランジスタ対を構成するN型トランジスタM1及びM2の共通ソースにはN型トランジスタM3のドレインが接続されている。N型トランジスタM1及びN型トランジスタM2のゲートには、それぞれ、正入力Vin+及び反転入力Vin-がそれぞれ供給される。N型トランジスタM3のゲートにはクロック信号CLKが供給され、そのソースは接地されている。負荷となるP型トランジスタM4及びM5のゲートにはいずれもクロック信号CLKが供給され、そのソースにはいずれも電源電圧VDDが供給される。P型トランジスタM4のドレインは反転出力端子に接続され負荷容量CLが存在する。反転出力端子にはVout-が現れる。P型トランジスタM4のドレインとN型トランジスタM1のドレインとの間にはN型トランジスタM6が挿入されている。P型トランジスタM5のドレインは正出力端子に接続され負荷容量CLが存在する。正出力端子にはVout+が現れる。P型トランジスタM5のドレインとN型トランジスタM2のドレインとの間にはN型トランジスタM7が挿入されている。N型トランジスタM6及びM7のゲートにはコモン電圧検出・制御回路51の出力電圧が供給される。コモン電圧検出・制御回路51は、制御信号VCTによって制御されるとともに、正反転出力端子の各電圧Vout-及びVout+によっても制御される。
ダイナミック型増幅器50の動作を図11の出力電圧Vout+、Vout-の時間変化を用いて説明する。
はじめにクロック、CLKを接地レベルにする。この状態ではN型トランジスタM3は遮断され、N型トランジスタM1及びM2には電流が流れない。この結果、出力電圧Vout+及びVout-はいずれも電源電圧VDDになり、負荷容量CLもVDDにプリチャージされる。
次にクロック、CLKをVDDレベルまで引き上げる。P型トランジスタM4及びM5は遮断しN型トランジスタM3が導通する。その結果、N型トランジスタM1及びM2には電流が流れる。このときにトランジスタM6及びM7はオン状態となるようにコモン電圧検出・制御回路は動作電圧を供給する。N型トランジスタM1及びM2の電流は負荷容量CLに蓄積されている電荷を引き抜くように働くので、出力電圧Vout+及びVout-はいずれも低下する。N型トランジスタM1及びM2を流れる電流ID1及びID2は、N型トランジスタM1及びM2の相互コンダクタンスをgm、ID0をID1とID2の平均電流とし、ΔVin=Vin+−Vin-とした場合には、以下の式(13−1)及び(13−2)で示される。
D1=ID0+gm(ΔVin/2) (13−1)
D2=ID0−gm(ΔVin/2) (13−2)
したがって、出力電圧Vout+、Vout-は以下の式(14−1)及び(14−2)で示される。
out+=VDD−ID2t/CL (14−1)
out-=VDD−ID1t/CL (14−2)
ΔVout=Vout+−Vout-として、差動利得Gdを求めると、以下の式(15)で示される。
d=ΔVout/ΔVin=gm(t/CL) (15)
ここで、出力のコモン電圧VCをVC=(Vout++Vout-)/2と定義すると、これは以下の式(16)で示される。
C=VDD−ID0t/CL (16)
出力のコモン電圧VCの電源電圧からの変化を−ΔVCとするとΔVCは以下の式(17)で示される。
ΔVC=ID0t/CL (17)
この式(17)を式(15)に代入すると、式(18)のとおりとなる。
d=gm(ΔVC/ID0
=(2ID0/Veff)・(ΔVC/ID0
=2ΔVC/Veff (18)
ここで、Veffは実効ゲート電圧(VGS−VT)である。
したがって、差動利得Gdは同相電圧を検知して、設定電圧VCTになった時にN型トランジスタM6、M7を遮断することで実現できる。遮断後の出力電圧は保持されることは言うまでもないことである。この、N型トランジスタM6、M7の遮断は、コモン電圧検出・制御回路によって制御する。
このダイナミック増幅器の消費エネルギEdは主として負荷容量CLの充放電電流で決まり、以下の式(19)及び(20)で示される。
d=2CLDD(VDD−VCT) (19)
d=2CLDDΔVC=CLDDdeff (20)
消費電力Pdはクロック周波数をfCLKとすると、以下の式(21)で表される。
d=fCLKd=fCLKLDDdeff (21)
したがって、消費電力はクロック周波数に比例し、高速な動作ではある程度の電力を消費するが、クロック周波数を下げるとそれに伴い比例して消費電力が減少するという理想的な電力特性が得られる。このため従来の積分器のように、クロック周波数を変えるごとにバイアス電流を制御する必要が生じない。また、定常電流が流れないため、極めて低消費電力で動作する積分回路を実現することができる。間欠動作も容易に実現できることは言うまでない。
(ΔΣ型変換器に用いる積分器の接続形態)
図12に本発明の一実施形態にかかるΔΣ型変換器60を示す。これは、第1積分器61、第2積分器62及び量子化器63から構成される。個々の積分器61〜63は、図7に示した積分器40を用いており、その積分器に含まれる増幅器41は図10に示したダイナミック型増幅器50である。第1積分器61には入力電圧Vinが入力される。第2積分器62の出力が入力される量子化器63には第1積分器、第2積分器の出力を加算した値が入力される。このように、いわゆる、フィードフォワードパスを設けているのは、位相補償のためである。
(複合構造のA/D変換器)
本発明の一実施形態にかかるダイナミック型増幅器50を用いた積分器40で構成されたΔΣ型変換器60を、逐次比較型A/D変換器(SAR ADC)と組み合わせると、前述したとおり、より高速でかつ低消費電力なA/D変換器を実現できる。逐次比較型A/D変換器70は、容量とダイナミック型比較器を用いる。
図13は複合構造にかかるA/D変換器70である。入力電圧Vinが供給される入力端の先の信号線は、スイッチを介して、逐次比較型A/D変換器の分解能をNとするとき、n=2N程度の数の容量が各一端に並列に接続されている。それぞれの容量値はCuである。ΔΣA/D変換時に必要な逐次比較型A/D変換器のLSB/2の電圧シフトのために容量をCu/2とするレベルシフト容量71が2個設けられ、一方の端子は前記n個の容量と並列に接続され、容量の他端は初期状態で1つは参照電圧Vrefに、残りは接地に接続されている。同様にΔΣA/D変換時にΔΣA/D変換器の内部D/A変換機能として必要な逐次比較型A/D変換器の+LSBもしくは−LSBの電圧シフトのために容量をCuとするD/A変換容量72が2個設けられ、一方の端子は前記n個の容量と並列に接続され、容量の他端は初期状態で1つは参照電圧Vrefに、残りは接地に接続されている。比較器74の基準電圧はVref/2である。はじめにそれぞれの容量の半数は他端を参照電圧Vrefに、残りの半数は他端を接地している。
入力信号VinはS/Hスイッチが閉じられると容量の並列接続点に印加され、スイッチS/Hが開かれたタイミングで各容量に電荷として保持される。
最初のA/D変換ではこの状態で、比較器74により保持された入力信号VinとVref/2間の比較が行われ、MSBビットの1、0が決定される。次にこの比較結果に応じて制御ロジックが動作して、3n/4 もしくはn/4個の容量の他端がVrefに接続され、残りの容量は接地に接続される。比較器74は容量の共通接続点の電圧とVref/2を比較して2ビット目の変換ビットを決定する。以下同様の動作をN回繰り返して逐次比較型A/D変換動作を終了する。
次にΔΣ型A/D変換動作に移行する。はじめに比較器74の入力は積分器73の出力を選択し、レベルシフト容量のスイッチを制御してレベルシフト容量の他端を接地からVrefに切り替えることでLSB/2シフトを実現する。また、Vrefから接地に切り替えることで−LSB/2シフトを実現する。このように入力電圧範囲を適切に設定する。比較器74の出力状態に応じて、D/A変換容量の他端を切り替えることで電圧をオーバーラップした状態でΔΣ型A/D変換動作を実現できる。
ΔΣ型A/D変換動作においては1回入力信号を標本化した後は、クロックごとに入力信号を標本化せずに、連続的にΔΣ型A/D変換を行うモードと比較器が動作するクロックごとに入力信号を標本化する動作モードがある。前者はA/D変換がより高速で、かつ低消費電力で動作するという利点があるが、入力信号の標本化時に誘起されるkT/Cノイズが取れないという課題がある。後者はA/D変換がやや低速で、かつ消費電力がやや増大するという課題があるが、入力信号の標本化時に誘起されるkT/Cノイズ電力がオーバーサンプリング比M分の1に低減するという効果がある。センサー装置の仕様によりどちらも可能であるが、標本化時は、容量に接続されているスイッチの状態を初期状態に戻してやると容量の共通接続端の電圧が入力電圧Vinに戻るので、入力信号の負荷容量ドライブが軽くなり、ドライブに要する時間や消費電力は小さくなるという利点がある。信号の再標本化後は、容量に接続されているスイッチの状態を逐次変換結果に応じて再度設定してからΔΣ型A/D変換を行えば良い。ΔΣ型A/D変換に必要なクロック数は、外部から設定され、設定値に達したらΔΣ型A/D変換を終了し、変換結果を出力し、積分器をリセットするとともに必要に応じてリセットスイッチにより容量の電荷をリセットしてから、初期状態に戻り逐次比較型A/D変換動作に入ることを繰り返す。
(複合構造のA/D変換器)
図14は相関二重サンプリングをA/D変換器だけでなく、アナログ回路技術とA/D変換器を組み合わせて行う複合構造のA/D変換器を示している。A/D変換器80は、差動増幅器81を用いる。差動増幅器81は、一対の入力信号端の差動入力電圧を増幅した差動電圧を一対の出力信号端間に発生させる。
入力電圧Vinが供給される入力端の先の信号線は、容量CSを介して、容量をCu/2とする2個のΔΣA/D変換用のD/A変換容量72が各一端に並列に接続され、差動増幅器81の一方の入力端子に入力される。ΔΣA/D変換用のD/A変換容量72の他端は初期状態で1つは参照電圧Vrefに、残りは接地に接続されている。差動増幅器81における他方の入力端子には、容量をCu/2とするΔΣA/D変換用のD/A変換容量72が2個、並列に接続され、容量の他端は初期状態で1つは参照電圧Vrefに、残りは接地に接続されている。同様に、容量をCu/2とするレベルシフト容量71が2個設けられ、容量の一端はD/A変換容量72と並列に接続され、容量の他端は初期状態で1つは参照電圧Vrefに、残りは接地に接続されている。逐次型A/D変換器を構成する容量(容量型D/A変換器)79は逐次比較型A/D変換器の分解能をNとするときn=2N程度の数の容量が、各一端にレベルシフト容量71と並列に接続されている。容量の他端は初期状態で1つは参照電圧Vrefに、残りは接地に接続されている。それぞれの容量値はCuである。それぞれの容量の半数は他端を参照電圧Vrefに、残りの半数は他端を接地している。
差動増幅器81の一対の入力端子は、それぞれスイッチS1を介してコモン電圧Vcに接続される。差動増幅器81の一対の出力端子には、一対の容量が接続され、それぞれスイッチS2を介してコモン電圧Vcに接続される。
はじめにスイッチS1とS2は閉じられているものとする。入力信号Vinは容量CSに印加される。同時に逐次型A/D変換器を構成する容量79のスイッチを制御して等価的に容量にはβVrefが加わるようにする。ここでβは0から1を取る比例係数である。2個の単位容量Cu/2からなるレベルシフト容量71、ΔΣA/D変換用のD/A変換容量72においては1つの容量はVrefを選択し、他の容量は接地を選択するものとする。スイッチS2が閉じられているので、容量Ccには差動増幅器81の出力電圧がレベルシフトするとともに出力オフセット電圧が蓄積される。このとき入力信号Vinはリセット信号VRSTになっている。
次に、スイッチS1とS2を開き、A/D変換を行う。初めに制御回路75は逐次型A/D変換器を構成する容量79のスイッチを制御して逐次比較型A/D変換を行う。逐次比較型A/D変換終了後はΔΣA/D変換に移る。比較器74の入力は積分器73の出力を選択する。
次にレベルシフト容量71を制御してレベルシフトを行う。その後ΔΣA/D変換用のD/A変換容量72を制御してΔΣA/D変換を行う。図13に示した実施例に比べ、回路はシングルエンド型ではなく差動型になっているので、歪やノイズが少ないより高精度なA/D変換が可能になる。差動性を高めるには容量Csと逐次型A/D変換器を構成する容量79のトータル容量を一致させることが望ましい。ところで、以上のA/D変換では変換の対象となる信号は信号の標本化に伴うkT/Cノイズや回路系のオフセット電圧であり、微小な電圧であるので、最初の逐次比較型A/D変換を省略してΔΣA/D変換のみでA/D変換を行うことも可能である。
次にVinはセンサーなどの信号電圧Vsigに変化する。前回のステップと同様に初めに制御回路75は逐次型A/D変換器を構成する容量79のスイッチを制御して逐次比較型A/D変換を行う。逐次比較型A/D変換終了後はΔΣA/D変換に移る。比較器74の入力は積分器73の出力を選択する。更にレベルシフト容量71を制御してレベルシフトを行う。その後ΔΣA/D変換用のD/A変換容量72を制御してΔΣA/D変換を行う。得られたA/D変換値から、リセット信号VRSTにおいて得られたA/D変換値を引いたものが、リセット電圧VRSTからの信号Vsigの変化分になり、相関二重サンプリングが実現される。この方法では多数回の信号のサンプリングやD/A変換容量の状態を初期状態に戻す必要がないので、A/D変換の更なる高速化や低消費電力化を図ることができる。また前述したように、より高精度なA/D変換が可能になる。
(ΔΣ型A/D変換器制御)
本発明のA/D変換器は、逐次比較型A/D変換器とΔΣ型A/D変換器とから構成され、逐次比較型A/D変換器の変換結果を上位変換結果として、ΔΣ型A/D変換器の変換結果を下位変換結果として、これらを結合してA/D変換出力を得る。この構成によって、低ノイズかつ低電力なA/D変換器、およびこれを用いたセンサー装置が実現できる。
図15に本発明の一実施形態にかかるΔΣ型A/D変換制御機構91を用いたA/D変換器90を示す。図1と共通する部分には同一の符号を付し、回路構成の説明を省略する。本実施形態においては、図1に示した構成に加えて、ΔΣ型A/D変換制御機構91と設定データ記憶領域82が存在する。このような構成を有することにより、本実施形態のA/D変換器は、実質的な低ノイズ特性を維持したまま、更なる大幅な低消費電力化を図ることができる。
ΔΣ型A/D変換制御機構91は、A/D変換器の出力が供給される上位変換値端子13と接続されている。そして、変換値を基に、ΔΣ型A/D変換器の(a)動作の有無、(b)オーバーサンプリング比率、(c)量子化電圧、(d)変換エネルギー(使用する容量素子の容量の大小)等の、ΔΣ型A/D変換器の変換パラメータを制御する。
図16AはΔΣ型A/D変換制御機構91の動作を説明した図表である。上位変換値端子13に現れる信号電圧Vsの変換値に従い、その信号電圧Vsに応じてΔΣ型A/D変換器の(a)動作の有無及び(b)オーバーサンプリング比率を切り替える。具体的には、Vsの値が、Vs≧V1であればΔΣ型A/D変換器30は動作させず逐次比較型A/D変換器20のみを動作させる。Vsの値が、V1>Vs≧V2であれば逐次比較型A/D変換器20を11ビットで動作させる。Vsの値が、V2>Vs≧V3であれば逐次比較型A/D変換器20を12ビットで動作させる。Vsの値が、V3>Vs≧V4であれば逐次比較型A/D変換器20を13ビットで動作させる。Vsの値が、V4>Vs≧V5であれば逐次比較型A/D変換器20を14ビットで動作させる。
図16Bは設定データ記憶領域82を示した図である。ここには、V1、V2、V3、V4及びV5といった、ΔΣ型A/D変換器の(a)動作の有無及び(b)オーバーサンプリング比率を切り替えるための閾値にあたる値が保持されている。設定データ記憶領域82は不揮発性メモリや揮発性のレジスタアレイで構成される。外部端子83によってV1、V2、V3、V4及びV5といった設定パラメータを外部から設定する。例えば、A/D変換器の出力バスからコマンドとともに設定パラメータが入力され、設定データ記憶領域82に保存される。以下の例においては、V1は10mV、V2は2.5mV、V3は600μV、V4は150μV、V5は40μVに設定している。
図17にA/D変換器の信号電圧Vsと、ショットノイズVn_sh、A/D変換器のノイズVn_adとの関係を示す。電子1個に対する電圧変換利得をGeとすると、電子数nに対して信号電圧Vs、ショットノイズVn_shはそれぞれ
s=Gen (22)
n_sh=Ge1/2 (23)
で表される。
A/D変換器のノイズVn_adはショットノイズVn_shのη(<1)倍よりも小さい電圧であることが望ましい。η=0.5が望ましい値だと考えられているので、A/D変換器の必要分解能はこの値を用いて評価すべきである。逐次比較型A/D変換器の現実的な分解能は10ビット程度であるので、信号電圧Vsが10mV以上では逐次比較型A/D変換器のみを用いても良い。しかしながら、それ以下の信号電圧ではΔΣ型A/D変換器を用いることで必要な分解能を得ることができる。
他方で、A/D変換器の分解能を上げノイズレベルを下げることはA/D変換器の変換エネルギーの上昇を招く。A/D変換器の変換エネルギーEdはA/D変換器のノイズVn_adを用いて
d=K/Vn_ad 2 (24)
の関係があることが知られている。ここでKは比例係数である。前述したとおり、A/D変換器のノイズVn_adはショットノイズVn_shのη(<1)倍よりも小さい電圧であることが望ましい。ここで、Vn_ad=ηVn_shとおくと、
n_ad=η(Ges1/2 (25)
であるので、
d=K/(ηGes) (26)
が得られる。A/D変換器の変換エネルギーEdは信号レベルVsに反比例する。つまり、信号電圧が低いほど大きな変換エネルギーを必要とする。
図18に信号電圧Vsに対する必要な変換エネルギーとA/D変換器の分解能を示している。信号電圧Vsが10mV以上の状態においては分解能10ビットの逐次比較型A/D変換器を用いることで8pJ程度の低い変換エネルギーで済む。それ以下の信号電圧ではΔΣ型A/D変換器を用いることで低ノイズ化に必要な高い分解能を得ることができるが、変換エネルギーは上昇し、信号電圧が100μVにおいては2000pJもの、大きなエネルギー消費になることが分かる。したがって、信号電圧が100μVにおいても十分低いノイズレベルが得られるように14ビット相当のΔΣ型A/D変換器を用いると、10ビットの逐次比較型A/D変換器のみを用いた場合に比べて250倍もの大きなエネルギー消費が生じるという問題がある。
この問題は前述したΔΣ型A/D変換制御機構91を用いることで解決可能である。ΔΣ型A/D変換制御機構91は、10ビットもしくは11ビット程度の逐次比較型A/D変換器を用いて信号電圧Vsの変換値を得、信号電圧Vsの信号レベルに応じてΔΣ型A/D変換器の制御を行う。例えば、信号電圧Vsが10mV(V1)以上においてはΔΣ型A/D変換を行わずに逐次比較型A/D変換器からの変換出力値のみを用い、信号電圧Vsが10mV(V1)以下のときだけΔΣ型A/D変換を行うようにする。またΔΣ型A/D変換においても逐次比較型A/D変換器らの変換出力値により、ΔΣ型A/D変換器のオーバーサンプリング比率を制御することで、最少の変換エネルギーで必要なA/D変換ノイズが得られるように制御することができる。その制御の条件分岐は図16Aに示したとおりである。
V1〜V5は、A/D変換器のショットノイズVn_shを超えないように設定するべきである。望ましくは、A/D変換器のノイズVn_adはショットノイズVn_shのη(<1)倍よりも小さい電圧であるべきである。η=1/2が望ましいとされているため、とすれば、A/D変換器のノイズVn_adがショットノイズVn_shの1/2を超えないように、V1〜V5を設定すべきだということになる。
本実施形態のA/D変換器において、信号がフルスケールまで強度が均一であると仮定、その変換エネルギーは信号の実質的な下限値が100μVと仮定すると、Ed
と求まる。つまりΔΣ型A/D変換器を用いても殆ど逐次比較型A/D変換器の消費エネルギーで決まることになり、消費電力の大幅な増加を抑えることができる。
(ΔΣ型A/D変換器制御の変形例)
以上、本実施形態においては、逐次比較型A/D変換器とΔΣ型A/D変換器の使用切り替えをV1で、ΔΣ型A/D変換器のオーバーサンプリング比率をV2〜V4の3閾値で切り替える例を示した。しかし、閾値は3つである必要はなく、1つまたは2つ、さらには、4以上であってもよい。また、V2〜V4で(c)量子化電圧や(d)変換エネルギー(使用する容量素子の容量の大小)を切り替えてもよい。例えば、信号電圧Vsが低い領域では量子化電圧を小さくし消費電力は犠牲にしつつも精度を高めるが、信号電圧Vsが高い領域では量子化電圧を大きくして精度を低めにして消費電力を小さくすることが可能である。また、信号電圧Vsが低い領域では積分器等の回路を構成する容量素子に大きなものを用い、信号電圧Vsが高い領域では積分器等の回路を構成する容量素子に小さなものを用いることも可能である。この場合、信号電圧Vsが低い領域では消費電力は大きくなるが精度を高めることが可能になる。
(分解能の決定タイミング)
以上の説明においては信号電圧Vsに応じてΔΣ型A/D変換器オーバーサンプリング率や量子化電圧を制御すると説明した。信号電圧Vsは信号を含む電圧Voからリセット信号VRSTを引くことで得られる。しかしながらリセット信号VRSTは信号を含む電圧Voよりも前のタイミングである。リセット信号VRSTのA/D変換の分解能が低すぎると、信号を含む電圧VoのA/D変換の分解能を信号電圧Vsに応じて十分に高くしても、得られた信号のノイズレベルを十分に下げることができない。
そこで、本実施形態においては図19に示す様に、所望のリセット信号をVRST(n)とするときにそのA/D変換の分解能を1タイミング前の信号Vs(n−1)により決定する。図19においては、T2における信号Vs(n−1)によりT3における分解能を決定する。
高分解能を必要とする画像は非常に暗い場合か、ある程度の明るさの場合でも信号強度が近い場合である。したがって、タイミング的に一つ前の信号Vs(n−1)により分解能を決定しても大きな齟齬は生じない。信号強度が画素により大幅に変化する場合は逐次型A/D変換器の分解能で決まる10ビット程度の分解能になるが、このような状態ではノイズレベルが問題になることはない。また、リセット信号変換時の分解能を決定するのは画像の相関を用いているので、例えば隣接する画素の信号電圧Vsを用いて決定してもよい。
逐次比較型A/D変換器においては、内部D/A変換器として容量型D/A変換器を用いた場合、内部参照電圧VINTREFの値により参照電圧源を流れる電荷の変動量ΔQが変化し、その値は以下で表される。
ここで、Csは容量型D/A変換器の総容量値、VFSは参照電圧のフルスケール電圧である。この様子を図20に示す。電荷変動量ΔQは内部参照電圧VINTREFがフルスケール電圧の半分の時が最大で、0.25CsVFSとなる。電荷変動量ΔQが大きいと、消費エネルギーが大きいだけでなく、参照電圧の変動を励起し変換精度が劣化する恐れがある。特に逐次比較型A/D変換器においては、最初に内部参照電圧VINTREFをフルスケール電圧の半分にしてMSB変換を行うために大きな電荷変動を引き起こす。
本実施形態においては図21に示すように1つ前のタイミングの信号など、過去の信号を用いて逐次変換を制御する。基準となる信号VRSTには図16に示すように電源VDDとトランジスタM2のゲートソース間電圧VGSの差電圧VDD−VGSの信号が現れる。しかし、ゲートソース間電圧VGSはほぼ同一信号であり、標準偏差で約10mV程度の分布を持つにすぎない。正規分布を前提に3σを取ったとしても約30mV程度の分布であるにすぎず、フルスケール電圧VFSは1.0V程度であるので、5ビット程度までは同一の値を取る。また、信号電圧Vsをできるだけ大きくするために、基準となる信号VRSTは参照電圧として0Vの近傍に設定する。例えば図20においてはフルスケール電圧VFSに対し、0.05程度に設定すると、この時の電荷変動量ΔQは0.05と、MSB変換を行う場合の1/5に抑圧できる。
図21に示した実施形態においては過去の信号として1タイミング前の基準となる信号VRST(n−1)の変換値の上位数ビット分のデータを用いた逐次変換制御信号により直接内部参照電圧VINTREF(n)を発生させることで残りのビットを逐次変換する。このことにより電荷変動量ΔQを抑圧して参照電圧の変動を低減できるだけでなく、変換の高速化や低消費電力化を図ることができる。
更に、1タイミング前の信号電圧Vs(n−1)が基準値よりも小さい場合は信号電圧Vs(n)も基準値よりも小さい可能性が高いことを用いて、過去の信号である1タイミング前の信号電圧Vs(n−1)が基準値よりも小さい場合は1タイミング前の信号Vo(n−1)の変換値の上位数ビット分のデータを用いた逐次変換制御信号により直接内部参照電圧VINTREF(n)を発生させることで残りのビットを逐次変換する。この機能により、高精度な変換が必要な状態での参照電圧の変動を抑圧することができる。その結果、いちだんと高精度な変換が可能になる。
なお、以上の説明においてはCMOSイメージセンサーなどの固体撮像装置を例に取って説明したが、本発明は固体撮像装置に有効なだけでなく、他の用途の2次元センサー装置、もしくは1次元センサー装置、あるいは単独のセンサー装置に対しても適用可能であり、有効である。センサーはイメージセンサーに限らず、温度センサー、位置センサー、トルクセンサー、速度センサー、加速度センサー、圧力センサーなどにも有効である。
さらに、センサーとA/D変換回路が集積回路上にモノリシックに集積されているだけでなく、それぞれ独立に製作し、実装技術等で接合しても良い。
本実施形態のA/D変換器は、センサーと結合されるだけではなく、受信したアナログ信号をデジタル信号に変換する各種のデバイスにも適用可能であることはいうまでもない。
本発明は、センサー装置の高感度化、高精度化、低電力化に利用可能であり、定常電流が流れないように設計することが可能で、動作周波数を数桁の範囲で可変にすることができ、また間欠動作が容易であるので特に、IoT(Internet Of Things)向けセンサー装置に有用である。
11:自然界の信号
12:センサー
13:上位変換値端子
14:下位変換値端子
20:逐次比較型A/D変換器
21:比較器
22:内部D/A変換器
23:制御ロジック回路
30:ΔΣ型A/D変換器

Claims (24)

  1. 入力電圧が供給され、内部参照電圧を出力する内部D/A変換器を有する逐次比較型A/D変換器と、
    前記入力電圧と前記内部D/A変換器が発生する内部参照電圧との差電圧が供給されるΔΣ型A/D変換器と、
    から構成され、
    前記逐次比較型A/D変換器の変換結果を上位変換結果として、前記ΔΣ型A/D変換器の変換結果を下位変換結果として、これらを結合してA/D変換出力を得ることを特徴とするA/D変換器。
  2. 一対の入力信号端の差動入力電圧を増幅した差動電圧を一対の出力信号端間に発生させる差動増幅器と、
    入力信号端と前記差動増幅器の一方の入力端子の間に設けられた標本化容量と、
    入力値に応じた参照電圧を前記差動増幅器の他方の入力端子に印加する容量型D/A変換器と、
    前記差動増幅器の一対の入力端子の電圧を所定の電圧にクランプするスイッチと、
    前記差動増幅器の一対の入力端子に接続された一対の容量と、
    を有し、前記スイッチにより前記一対の入力端子の電圧を所定の電圧にクランプし、前記入力信号端には基準信号を与えるとともに、前記容量型D/A変換器を用いて所定の電圧を発生させ、
    次に前記スイッチを開放し、前記差動増幅器の差動出力に対して前記容量型D/A変換器を用いて逐次比較型A/D変換を行い、
    その後、前記差動増幅器の差動出力に対して前記一対の入力端子に接続された一対の容量を内部D/A変換器として用いてΔΣ型A/D変換を行い、逐次比較型A/D変換の結果とΔΣ型A/D変換の結果を結合して第1のA/D変換値を得、
    更に入力信号端には信号源の信号を与え、前記差動増幅器の差動出力に対して前記容量型D/A変換器を用いて逐次比較型A/D変換を行い、
    その後、前記差動増幅器の差動出力に対して前記一対の入力端子に接続された一対の容量を内部D/A変換器として用いてΔΣ型A/D変換を行い、逐次比較型A/D変換の結果とΔΣ型A/D変換の結果を結合して第2のA/D変換値を得、
    前記第1のA/D変換値と前記第2のA/D変換値の差分を最終のA/D変換値としたことを特徴とするA/D変換器。
  3. 請求項2記載のA/D変換器において、前記差動増幅器の一対の出力端子と、逐次比較型A/D変換を行う比較器の一対の入力端およびΔΣ型A/D変換を行う積分器の一対の入力端の間に一対の容量を挿入し、前記比較器の一対の入力端および前記積分器の一対の入力端の電圧を所定の電圧にクランプするスイッチを設け、前記差動増幅器の一対の入力端子の電圧を所定の電圧にクランプすることで前記差動増幅器の差動出力電圧と前記比較器の一対の入力端および前記積分器の一対の入力端の間のコモン電圧のシフトを行うとともにオフセット電圧を抑圧することを特徴とするA/D変換器。
  4. 請求項1または請求項2記載のA/D変換器において、前記ΔΣ型A/D変換器のオーバーサンプリング比率を可変に制御する手段を有することを特徴とするA/D変換器。
  5. 請求項1または請求項2記載のA/D変換器において、前記ΔΣ型A/D変換器は2次のΔΣ型A/D変調器であることを特徴とするA/D変換器。
  6. 請求項1または請求項2記載のA/D変換器において、前記ΔΣ型A/D変換器は内部D/A変換器を有し、その出力電圧範囲は前記逐次比較型A/D変換器の1LSB以上、かつ2LSB以下であることを特徴とするA/D変換器。
  7. 請求項1記載のA/D変換器において、1つのA/D変換値を得るために複数回の標本化とA/D変換を行うことを特徴とするA/D変換器。
  8. 請求項7に記載のA/D変換器において、最初のA/D変換は逐次比較型A/D変換器で行い、以降のA/D変換は標本化された入力信号と前記逐次比較型A/D変換器の最初の変換値により内部D/A変換器が発生する内部参照電圧との差電圧を複数回、前記ΔΣ型A/D変換器に供給してA/D変換を行うことを特徴とするA/D変換器。
  9. 請求項1または請求項2に記載のA/D変換器において前記ΔΣ型A/D変換器は
    第1の容量と、
    第2の容量と、
    第3の容量と、
    増幅器と、
    第1のフェーズでは、前記第1の容量に入力信号が標本化されるとともに、前記第2の容量に残留している電圧が前記増幅器で利得倍だけ増幅されて前記第3の容量に現れるよう制御し、第2のフェーズでは前記第1の容量、前記第2の容量及び前記第3の容量が並列に接続されることによって発生した電圧を出力とするよう制御し、前記第1のフェーズと前記第2のフェーズを繰り返すように制御する制御回路と、
    を具備する積分器を有することを特徴とするA/D変換器。
  10. 請求項9に記載のA/D変換器において、前記増幅器は、定常電流が流れないダイナミック型増幅器である積分器であることを特徴とするA/D変換器。
  11. 請求項10に記載A/D変換器において、前記増幅器は、出力負荷容量対と、出力負荷容量対を所定電圧にプリチャージするプリチャージ回路と、前記出力負荷容量対を入力信号対に応じて所定期間放電又は充電することによって前記出力負荷容量対に出力電圧が現れるよう構成した積分器を用いたことを特徴とするA/D変換器。
  12. 請求項1または請求項2記載のA/D変換器において、前記逐次比較型A/D変換器の変換結果を用いて、前記ΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び(b)パラメータを制御するΔΣ型A/D変換制御機構を有することを特徴とするA/D変換器。
  13. 請求項12記載のA/D変換器において、前記パラメータは(a)オーバーサンプリング比率、(b)量子化電圧又は(c)変換エネルギーのいずれかを含むことを特徴とするA/D変換器。
  14. 請求項12記載のA/D変換器において、前記ΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び(b)パラメータの制御を切り替える閾値は、A/D変換器のノイズVn_adがショットノイズVn_shよりも小さい電圧となるよう設定されることを特徴とするA/D変換器。
  15. 請求項12記載のA/D変換器において、前記ΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び(b)パラメータの制御を切り替える閾値は、A/D変換器のノイズVn_adがショットノイズVn_shの1/2よりも小さい電圧となるよう設定されることを特徴とするA/D変換器。
  16. 請求項12記載のA/D変換器において、前記ΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び(b)パラメータの制御を切り替える閾値に対応する値を記憶する設定データ記憶領域を有することを特徴とするA/D変換器。
  17. 請求項12記載のA/D変換器において、基準信号と信号源からの信号を交互に変換し、基準信号のA/D変換値と逐次比較型A/D変換器による信号源からの信号のA/D変換値の2つのA/D変換値の差分値を用いて前記ΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び
    (b)パラメータの制御をすることを特徴とするA/D変換器。
  18. 請求項12記載のA/D変換器において、基準信号のA/D変換を逐次比較型A/D変換器を用いて行い、これにひき続き、1つ前のタイミングの基準信号と信号源からの信号の差分値を用いて前記ΔΣ型A/D変換器の(a)動作有無及び(b)パラメータの制御をすることを特徴とするA/D変換器。
  19. 請求項1または請求項2記載のA/D変換器において、基準信号と信号源からの信号を交互に変換し、基準信号の逐次比較型によるA/D変換においては過去の基準信号の変換値を用いて内部D/A変換を制御し、過去の変換値の近傍に対応する内部参照電圧を発生させて逐次的にA/D変換を行うことを特徴とするA/D変換器。
  20. 請求項1または請求項2記載のA/D変換器において、基準信号と信号源からの信号を交互に変換し、信号源からの信号の逐次比較型によるA/D変換においては過去の信号源からの信号変換値を用いて内部D/A変換を制御し、過去の信号源からの信号の変換値の近傍に対応する内部参照電圧を発生させてから逐次的にA/D変換を行うことを特徴とするA/D変換器。
  21. 請求項20記載のA/D変換器において、過去の信号源からの信号変換値を用いて内部D/A変換を行うための制御は、過去の信号源からの信号変換値が基準値よりも小さい場合には過去の変換値の近傍に対応する内部参照電圧を発生させることを特徴とするA/D変換器。
  22. 自然界の信号を検知して電気信号に変換するセンサーと、
    前記電気信号を入力信号とする請求項1乃至請求項21のいずれか1に記載のA/D変換器と、
    を具備することを特徴とするセンサー装置。
  23. 請求項22記載のセンサー装置において、前記センサーは複数の単位センサーから構成され、この単位センサーを選択する操作回路を具備することを特徴とするセンサー装置。
  24. 請求項23記載のセンサー装置において、前記センサーは前記自然界の信号を検知する信号源と基準信号を供給する基準信号源と、これらを保持容量に転送するトランジスタとを有し、
    前記自然界の信号にかかる電圧のA/D変換結果と、前期信号源の基準信号にかかる電圧のA/D変換結果との差分をA/D変換出力とすることを特徴とするセンサー装置。
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