JP2018151870A - ゴムストリップの巻回条件の計算方法及びタイヤの製造方法 - Google Patents

ゴムストリップの巻回条件の計算方法及びタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 環状のゴム部材を目標断面形状に安定して形成する。【解決手段】 帯状のゴムストリップを被巻付体に螺旋状に巻き重ねて、予め定められた目標断面形状を有する環状のゴム部材を形成するための巻回条件を、コンピュータを用いて計算するための方法及びタイヤの製造方法である。この計算方法では、コンピュータに、ゴムストリップの巻き重ねのための制約条件を入力する工程S1と、目標断面形状からのゴム部材の誤差を特定するための第1目的関数を入力する工程S3と、コンピュータが、最適化アルゴリズムに基づいて、制約条件の下で、少なくとも第1目的関数を満足する巻回条件の少なくとも一つの最適解を求める工程S4とを含む。【選択図】図6

Description

本発明は、帯状のゴムストリップを被巻付体に螺旋状に巻き重ねて、環状のゴム部材を形成するための巻回条件を、コンピュータを用いて計算するための方法、及び、タイヤの製造方法に関する。
下記特許文献1は、円筒状のフォーマや剛性中子等の被巻付体の外周面に、帯状のゴムストリップを螺旋状に巻き重ねることにより、空気入りタイヤ等のゴム製品を構成する環状のゴム部材を形成する所謂ストリップワインド方式を提案している。
特許第4160245号公報
環状のゴム部材を、予め設計された目標断面形状に形成するには、例えば、ゴムストリップの巻付けピッチや巻回数等を含む巻回条件を適切に設定することが重要である。しかしながら、巻回条件は、作業者による試行錯誤や、これまでの経験則に基づいて設定されていたため、作業者の熟練度によって環状のゴム部材の仕上がりにバラツキが生じやすく、目標断面形状を有する環状のゴム部材を安定して形成することが難しいという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、環状のゴム部材を目標断面形状に安定して形成しうるゴムストリップの巻回条件の計算方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、帯状のゴムストリップを被巻付体に螺旋状に巻き重ねて、予め定められた目標断面形状を有する環状のゴム部材を形成するための巻回条件を、コンピュータを用いて計算するための方法であって、前記コンピュータに、前記ゴムストリップの巻き重ねのための制約条件を入力する工程と、前記コンピュータに、前記目標断面形状からの前記ゴム部材の誤差を特定するための第1目的関数を入力する工程と、前記コンピュータが、最適化アルゴリズムに基づいて、前記制約条件の下で、少なくとも前記第1目的関数を満足する前記巻回条件の少なくとも一つの最適解を求める工程とを含むことを特徴とする。
本発明に係る前記ゴムストリップの巻回条件の計算方法において、前記巻回条件は、前記ゴムストリップの巻付けピッチ、及び、前記ゴムストリップの巻付け始端が配置される前記被巻付体の周方向の位置の少なくとも一つを含んでもよい。
本発明に係る前記ゴムストリップの巻回条件の計算方法において、前記制約条件は、前記ゴムストリップの巻回数、前記ゴムストリップの巻付け始端が配置される前記被巻付体の軸方向の位置、前記ゴムストリップの初回の巻付けピッチ、前記ゴムストリップの巻回の折返し位置、及び、前記ゴムストリップの断面形状の少なくとも一つを含んでもよい。
本発明に係る前記ゴムストリップの巻回条件の計算方法において、前記第1目的関数は、前記目標断面形状から許容可能な誤差を含んでいてもよい。
本発明に係る前記ゴムストリップの巻回条件の計算方法において、前記許容可能な誤差は、第1許容誤差と、前記第1許容誤差よりも大きい第2許容誤差とを含み、前記第2許容誤差は、前記ゴム部材の断面形状において、要求される精度が相対的に低い部分に設定されてもよい。
本発明に係る前記ゴムストリップの巻回条件の計算方法において、前記コンピュータに、初期の前記巻回条件の少なくとも一つを入力する工程をさらに含み、前記最適解を求める工程は、前記巻回条件に基づいて、前記ゴム部材の断面形状を計算する工程と、前記ゴム部材の断面形状が前記目標断面形状に近づくように、前記最適化アルゴリズムに基づいて、前記巻回条件を更新する工程とを含んでもよい。
本発明に係る前記ゴムストリップの巻回条件の計算方法において、前記コンピュータに、前記ゴム部材の断面形状の周方向のバラツキを特定するための第2目的関数を入力する工程をさらに含み、前記最適解を求める工程は、少なくとも前記第1目的関数及び前記第2目的関数の双方を満足する前記巻回条件の少なくとも一つの前記最適解を求めてもよい。
本発明に係る前記ゴムストリップの巻回条件の計算方法において、前記コンピュータに、前記ゴムストリップの巻付けピッチの変動量を特定するための第3目的関数を入力する工程をさらに含み、前記最適解を求める工程は、少なくとも前記第1目的関数及び前記第3目的関数の双方を満足する前記巻回条件の少なくとも一つの前記最適解を求めてもよい。
本発明は、タイヤの製造方法であって、請求項1乃至8のいずれかの計算方法で求められた前記巻回条件で、前記ゴム部材を形成する工程を含むことを特徴とする。
本発明のゴムストリップの巻回条件の計算方法は、コンピュータに、ゴムストリップの巻き重ねのための制約条件を入力する工程と、目標断面形状からの誤差を特定するための第1目的関数を入力する工程と、コンピュータが、最適化アルゴリズムに基づいて、制約条件の下で、少なくとも第1目的関数を満足する巻回条件の少なくとも一つの最適解を求める工程とを含んでいる。本発明のゴムストリップの計算方法によれば、作業者の熟練度に左右されることなく、環状のゴム部材を目標断面形状に安定して形成しうるゴムストリップの巻回条件を計算することができる。
ゴムストリップの巻回条件の計算方法を実行するコンピュータの一例を示す斜視図である。 生タイヤの一例を示す断面図である。 環状のゴム部材を形成する工程の一例を説明する側面図である。 環状のゴム部材を形成する工程の一例を説明する平面図である。 (a)、(b)は、環状のゴム部材の形成工程の一例を説明する断面図である。 ゴムストリップの巻回条件の計算方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 目標断面形状、及び、巻回条件に基づいて計算された環状のゴム部材の断面形状の一例を示すグラフである。 図7の部分拡大図である。 最適解計算工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態のゴムストリップの巻回条件の計算方法を説明するフローチャートである。 環状のゴム部材の側方断面図である。 本発明の他の実施形態の最適解計算工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明のさらに他の実施形態のゴムストリップの巻回条件の計算方法を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施形態の最適解計算工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
本実施形態のゴムストリップの巻回条件の計算方法(以下、単に「計算方法」ということがある)は、帯状のゴムストリップを被巻付体に螺旋状に巻き重ねて、環状のゴム部材を形成するための巻回条件を、コンピュータを用いて計算するための方法である。本実施形態において、環状のゴム部材は、未加硫の生タイヤの形成に用いられるタイヤ構成部材である場合が例示されるが、このような態様に限定されない。ここで、未加硫とは、完全な加硫に至っていない全ての態様を含むもので、いわゆる半加硫の状態はこの「未加硫」に含まれる。
図1は、計算方法を実行するコンピュータ1の一例を示す斜視図である。コンピュータ1は、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dが含まれる。この本体1aには、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリー、磁気ディスクなどの記憶装置及びディスクドライブ装置1a1、1a2などが設けられている。なお、記憶装置には、本実施形態の計算方法を実行するための処理手順(プログラム)が予め記憶されている。
図2は、生タイヤの一例を示す断面図である。生タイヤ2Tは、環状のゴム部材(タイヤ構成部材)3が積層されることによって形成されている。環状のゴム部材3としては、トレッドゴム3a、サイドウォールゴム3b、クリンチゴム3c、ビードエーペックスゴム3d、インナーライナーゴム3e、及び、クッションゴム3fが含まれる。本実施形態において、ゴムストリップの巻回条件が計算される環状のゴム部材3としては、トレッドゴム3aである場合が例示されるが、他の環状のゴム部材3であってもよい。
図3は、環状のゴム部材3を形成する工程の一例を説明する側面図である。図4は、環状のゴム部材3を形成する工程の一例を説明する平面図である。図5(a)、(b)は、環状のゴム部材3の形成工程の一例を説明する断面図である。図3、図4及び図5(a)に示されるように、環状のゴム部材3の形成工程では、先ず、従来のストリップワインド法と同様に、ゴムストリップ4の巻付け始端(周方向の端部)4sを、被巻付体5の外周面5oに固定する。次に、環状のゴム部材3の形成工程では、図4に示されるように、ゴムストリップ4を被巻付体5の軸方向に、一定の巻付けピッチPで移動させながら、被巻付体5の外周面5o上に巻き重ねられる。これにより、図5(b)に示されるように、環状のゴム部材3が形成される。なお、巻付け始端4sからゴムストリップ4を1周させた初回の巻付けピッチ(図示省略)は、その後の巻付けピッチPとは異なる。本実施形態において、ゴムストリップ4の初回の巻付けピッチは、その後の巻付けピッチよりも小さくしている。これにより、巻付け始端4s側のゴムストリップ4が、巻付け始端4sから1周させたゴムストリップ4に巻き重ねられるため、ゴムストリップ4が被巻付体5から外れるのを防ぐことができる。
ゴムストリップ4は、未加硫のゴムによって形成されている。本実施形態のゴムストリップ4の断面形状は、厚さに比して幅が大きく形成されている。ゴムストリップ4の幅及び厚さについては、特に限定されない。ゴムストリップ4の一例としては、幅が1.0〜5.0mm程度であり、厚さが0.5〜1.5mm程度である。ゴムストリップ4は、コンベヤ状に形成されたアプリケータ7によって供給される。
図5(a)の仮想線で示されるように、環状のゴム部材3は、予め設計された目標断面形状Vsが設定されている。目標断面形状Vsは、例えば、CADデータ等で定義される。このような目標断面形状Vsを有する環状のゴム部材3を形成するには、ゴムストリップ4の巻回条件を適切に設定しておくことが重要である。
ゴムストリップ4の巻回条件(即ち、設計変数)の一例としては、例えば、ゴムストリップ4の巻付けピッチP(図4に示す)、及び、ゴムストリップ4の巻付け始端4s(図3に示す)が配置される被巻付体5の周方向の位置(以下、単に「巻付け始端の周方向の位置」ということがある。)の少なくとも一つが含まれる。本実施形態の巻回条件としては、ゴムストリップ4の巻付けピッチP(図4に示す)、及び、巻付け始端4sの周方向の位置が採用される。図3に示されるように、巻付け始端4sの周方向の位置は、被巻付体5の予め定められた基準位置Bpを基準として定められる被巻付体5の中心角α1で定義される。なお、ゴムストリップ4の巻回条件には、巻付け始端4sの周方向の位置だけでなく、巻付け始端4sの被巻付体5での軸方向の位置(トレッドゴム3aの幅方向の位置)が含まれてもよい。
従来、ゴムストリップ4の巻回条件は、作業者による試行錯誤や、これまでの経験則に基づいて設定されていた。このため、作業者の熟練度によって環状のゴム部材3(図5(b)に示す)の仕上がりにバラツキが生じやすく、目標断面形状Vs(図5(a)に示す)を有する環状のゴム部材3を安定して形成することが難しい。
本実施形態の計算方法では、作業者の熟練度に依存することなく、コンピュータ1を用いた最適化アルゴリズムに基づいて、ゴムストリップ4の巻回条件の少なくとも一つの最適解を求めている。
最適化アルゴリズムは、一定の制約条件のもとで、任意の目的関数を満足する最適な条件(本実施形態では、ゴムストリップ4(図4に示す)の巻回条件)を決定するためのものである。最適化アルゴリズムの一例としては、遺伝的アルゴリズム(GA(Genetic Algorithm))、及び、粒子群最適化(PSO(Particle Swarm Optimization))等が挙げられる。このような最適化アルゴリズムは、局所解に陥るのを防ぎつつ、広域最適解を探すのに適している。本実施形態の計算方法では、計算時間が比較的短い粒子群最適化(PSO)が採用されているが、遺伝子的アルゴリズム(GA)等が採用されてもよい。
粒子群最適化(PSO)では、複数の初期の条件(第1世代)を作成し、各条件の目的関数をそれぞれ求め、最も好ましい目的関数に近づくように各条件を更新(世代交代)することで最適化が行われる。各条件の更新には、乱数が用いられることにより、最適な条件が広域的に探索される。粒子群最適化(PSO)の詳細については、例えば、IEICE FundamentalsReview(電子情報通信学会) Vol.5 No.2、2011年8月「粒子群最適化と非線形システム」等の様々な文献等に記載されている。
本実施形態の計算方法において、最適解を求める巻回条件(設計変数)としては、ゴムストリップ4の巻付けピッチP(図4に示す)、及び、巻付け始端4sの周方向の位置(図3に示す)の少なくとも一つを含んでいる。本実施形態では、ゴムストリップ4の巻付けピッチP、及び、巻付け始端4sの周方向の位置の一群を一つの巻回条件とし、巻回条件(ゴムストリップ4の巻付けピッチP、及び、巻付け始端4sの周方向の位置)の最適解が計算される。図6は、計算方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の計算方法では、先ず、コンピュータ1に、ゴムストリップ4(図4に示す)の巻き重ねのための制約条件が入力される(工程S1)。制約条件は、環状のゴム部材3の形成において、必ず満たすべき条件(即ち、設計基準)である。後述の最適解計算工程S4では、制約条件に基づいて、巻回条件の最適解が計算される。
本実施形態の制約条件としては、例えば、ゴムストリップ4(図5(a)に示す)の巻回数、ゴムストリップ4の巻付け始端4sが配置される被巻付体5の軸方向の位置、ゴムストリップ4の初回の巻付けピッチ、ゴムストリップ4の巻回の折返し位置、及び、ゴムストリップ4の断面形状の少なくとも一つを含んでいる。本実施形態の制約条件は、ゴムストリップ4の巻回数、ゴムストリップ4の巻付け始端4sが配置される被巻付体5の軸方向の位置、ゴムストリップ4の初回の巻付けピッチ、及び、ゴムストリップ4の巻回の折返し位置が設定されている。これらの制約条件は、例えば、環状のゴム部材3の設計情報(目標断面形状Vs)、及び、環状のゴム部材3が用いられるゴム製品(本実施形態では、生タイヤ2T)の構造図に基づいて設定される。これらの制約条件は、コンピュータ1に入力される。
次に、本実施形態の作成方法では、コンピュータ1に、初期の巻回条件(第1世代の巻回条件)の少なくとも一つが入力される(工程S2)。初期の巻回条件は、後述の最適解計算工程S4において、環状のゴム部材3の断面形状10(図7に示す)の計算に用いられる。本実施形態では、巻回条件(巻付けピッチP(図4に示す)、及び、巻付け始端4s(図3に示す)の周方向の位置の一群)が、複数設定される。
各巻回条件については、適宜決定することができる。各巻回条件は、オペレータによって直接入力されてもよいし、コンピュータ1の乱数を用いてランダムに決定されてもよい。なお、コンピュータ1の乱数を用いてランダムに決定する場合には、環状のゴム部材3の製造工程で実現可能な範囲内でランダムに決定されるのが望ましい。これにより、後述の最適解計算工程S4において、製造工程で実現不可能な巻回条件に基づいて、最適解が計算されるのを防ぐことができる。また、巻回条件の個数についても、適宜設定することができる。本実施形態では、100〜1000個の初期の巻回条件が設定される。初期の巻回条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の計算方法では、コンピュータ1に、目標断面形状Vs(図5(a)に示す)からの環状のゴム部材3(図7に示す)の誤差を特定するための第1目的関数が入力される(工程S3)。本実施形態の第1目的関数は、目標断面形状Vsから許容可能な誤差(許容誤差)を含んでいる。第1目的関数Faは、下記式(1)で定義される。
Figure 2018151870
ここで、
Fa:第1目的関数
n:ゲージ誤差
δPn:許容誤差
n:目標断面形状の半径方向の高さ
n:巻回条件で計算された環状のゴム部材の断面形状の半径方向の高さ
n:断面形状の幅方向位置を特定するための添字(1〜m)
m:幅方向位置の個数
図7は、目標断面形状Vs、及び、巻回条件に基づいて計算された環状のゴム部材3の断面形状10の一例を示すグラフである。図8は、図7の部分拡大図である。図7及び図8のグラフでは、半径方向の座標軸yにおいて、被巻付体5の外周面5o(図3に示す)の半径方向の高さをゼロとしている。また、図7及び図8のグラフでは、幅方向の座標軸xにおいて、図5(b)に示したゴム部材3の断面形状10のタイヤ赤道Cをゼロとしている。
上記式(1)において、ゲージ誤差En、及び、ゲージ誤差Enと許容誤差δPnとの比En/δPnについては、図8に示されるように、環状のゴム部材3の断面形状10の幅方向に隔設された各幅方向位置8で計算される。また、上記式(1)の第1目的関数Faは、各幅方向位置8の比En/δPnについて、全ての幅方向位置8の合計値を示している。従って、第1目的関数Faで計算される値が小さいほど、環状のゴム部材3の断面形状10が目標断面形状Vsに近似する。
幅方向位置8の間隔としては、適宜設定することができる。本実施形態の間隔は、例えば0.5〜2.0mmに設定される。また、本実施形態において、許容誤差δPnは、全ての幅方向位置8において同一の値が設定されている。この許容誤差δPnの値については、環状のゴム部材3に要求される精度に基づいて、適宜設定することができる。
第1目的関数Faは、上記式(1)に限定されるわけではなく、例えば、許容誤差δPnが省略されてもよい。また、第1目的関数Faは、目標断面形状Vsの面積と、環状のゴム部材3の断面形状の面積との差(面積の誤差)であってもよい。第1目的関数Faは、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の計算方法では、コンピュータ1が、巻回条件の少なくとも一つの最適解を求める(最適解計算工程S4)。本実施形態の最適解計算工程S4では、最適化アルゴリズムに基づいて、制約条件の下で、少なくとも第1目的関数Faを満足する巻回条件の少なくとも一つの最適解を求めている。本実施形態において、「第1目的関数Faを満足する」とは、第1目的関数Faの値が、予め定められた基準値を満たしている(即ち、基準値よりも誤差が小さい)ことを意味している。なお、基準値については、環状のゴム部材3に要求される精度に応じて、適宜設定される。図9は、最適解計算工程S4の処理手順の一例を示すフローチャートである。
本実施形態の最適解計算工程S4では、先ず、入力された各巻回条件(初期の巻回条件)に基づいて、環状のゴム部材3の断面形状10(図7に示す)が計算される(工程S41)。環状のゴム部材3の断面形状10は、制約条件(即ち、ゴムストリップ4の巻回数、ゴムストリップ4の巻付け始端4sが配置される被巻付体5の軸方向の位置、ゴムストリップ4の初回の巻付けピッチ、及び、ゴムストリップ4の巻回の折返し位置)に基づいて、巻回条件(即ち、ゴムストリップ4の巻付けピッチP(図4に示す)、巻付け始端4sの周方向の位置(図3に示す))毎に計算される。
環状のゴム部材3の断面形状10(図7に示す)の計算方法としては、特に限定されないが、例えば、ゴムストリップ4の断面形状(図5(a)に示す)に基づいて、ゴムストリップ4を積層した形状を計算しても良いし、また、有限要素法を用いたシミュレーション等によって計算しても良い。環状のゴム部材3の断面形状10(図7に示す)は、下の層のゴムストリップ4の断面形状が変形することを考慮して計算されるのが望ましい。なお、環状のゴム部材3の断面形状10の計算において、巻回条件の巻付けピッチP(図4に示す)は、断面形状10の幅方向の端部でゴムストリップ4の巻回を折り返す際に、変動することが許容されている。計算された環状のゴム部材3の断面形状10は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の最適解計算工程S4では、巻回条件毎に計算された環状のゴム部材3の断面形状10(図7に示す)について、第1目的関数Faがそれぞれ計算される(工程S42)。第1目的関数Faは、上記式(1)を用いて計算される。各巻回条件の第1目的関数Faは、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の最適解計算工程S4では、第1目的関数Faが最も良好な巻回条件に近づくように、最適化アルゴリズムに基づいて、巻回条件が更新(世代交代)される(工程S43)。工程S43では、先ず、第1目的関数Faが最も良好な(即ち、第1目的関数Faの値が基準値に最も近い、又は、第1目的関数Faの値が基準値を最も満たしている)巻回条件が選択される。そして、工程S43では、最も良好な巻回条件に近づくように、他の巻回条件が更新される。
本実施形態の巻回条件の更新(世代交代)は、粒子群最適化(PSO)に基づいて、上記論文等を参考に適宜実施することができる。本実施形態の工程S43では、巻回条件(設計変数)毎に、巻付けピッチP、及び、巻付け始端4sの周方向の位置がそれぞれ更新される。更新された各巻回条件は、コンピュータ1に記憶される。
次に、本実施形態の最適解計算工程S4では、予め定められた更新終了条件を満たしているか否かが判断される(工程S44)。更新終了条件については、適宜設定することができる。本実施形態の更新終了条件は、オペレータが指定した巻回条件の更新回数(世代数)の上限値(例えば、40〜200)が設定されている。これにより、本実施形態の計算方法では、工程S43において、巻回条件の更新が必要以上に行われることを抑制できるため、計算時間の増大を防ぐことができる。
また、更新終了条件は、局所解に陥っていると判断するための条件(例えば、工程S44において、第1目的関数Faの変化の割合が予め定められた上限値よりも低い場合に、「Y」と判断されるような条件等)が設定されてもよい。このような更新終了条件により、巻回条件の最適解を、効率よく求めることができる。第1目的関数Faの変化の割合の上限値については、適宜設定される。更新終了条件は、コンピュータ1に記憶される。
工程S44において、更新終了条件を満たしていると判断された場合(工程S44で、「Y」)、最適解計算工程S4の一連の処理が終了し、次の工程S5が実施される。他方、工程S44において、更新終了条件を満たしていないと判断された場合(工程S44で、「N」)、工程S41〜S44が再度実施される。これにより、本実施形態の最適解計算工程S4では、更新終了条件を満たすまで、巻回条件の最適解に向かって、各巻回条件の更新(世代交代)を行うことができる。
次に、本実施形態の計算方法では、第1目的関数Faを満足しているか(即ち、第1目的関数Faの値が、予め定められた基準値を満たしているか)否かが判断される(工程S5)。本実施形態の工程S5では、先ず、最終世代の巻回条件のうち、第1目的関数Faが最も良好な巻回条件が選択される。そして、選択された巻回条件の第1目的関数Faが、基準値を満たしているか(即ち、基準値よりも誤差が小さいか)否かが判断される。
工程S5において、第1目的関数Faの値が基準値を満たしていると判断された場合(工程S5において、「Y」)、選択された巻回条件が、巻回条件の最適解として決定される(工程S6)。他方、第1目的関数Faの値が基準値を満たしていないと判断された場合(工程S5において、「N」)、初期の巻回条件が新たに入力され(工程S2)、工程S3〜工程S5が再度実施される。これにより、本実施形態の計算方法では、第1目的関数Faを満足する巻回条件の最適解を、確実に計算することができる。
このように、本実施形態のゴムストリップの計算方法によれば、作業者の熟練度に左右されることなく、最適化アルゴリズムに基づいて、図5(b)に示した環状のゴム部材3を目標断面形状Vs(図5(a)に示す)に安定して形成しうるゴムストリップの巻回条件を計算することができる。
そして、本発明のタイヤの製造方法(以下、単に「製造方法」ということがある。)では、上記計算方法で求められた巻回条件に基づいて、図3及び図4に示されるように、帯状のゴムストリップ4を被巻付体5に螺旋状に巻き重ねることにより、環状のゴム部材3(図5(b)に示す)を形成する工程を含んでいる。これにより、本発明の製造方法では、目標断面形状Vsを有する環状のゴム部材3を、確実に形成することができる。
本実施形態の計算方法では、図8に示されるように、環状のゴム部材3の断面形状10の各幅方向位置8において、同一の許容誤差δPnが設定されたが、このような態様に限定されない。環状のゴム部材3の断面形状10において、路面に接地しない部分(トレッド部の溝が形成される部分を含む。)11は、路面に接地する部分12に比べて、要求される精度が低い。このため、許容誤差δPnは、各幅方向位置8において、要求される精度に応じて異なる値が設定されてもよい。
本実施形態の許容誤差δPnは、第1許容誤差と、第1許容誤差よりも大きい第2許容誤差とを含んでいる。第1許容誤差の値及び第2許容誤差の値については、環状のゴム部材3に求められる精度に応じて適宜設定することができる。この第1許容誤差には、前実施形態で設定された許容誤差δPnと同一の値が設定される。
第1許容誤差は、路面に接地する部分(即ち、要求される精度が相対的に高い部分)12に設定される。他方、第2許容誤差は、路面に接地しない部分(即ち、要求される精度が相対的に低い部分)11に設定される。これにより、この実施形態では、路面に接地しない部分11の許容誤差δPnを大きくできるため、各幅方向位置8の許容誤差δPnにメリハリをつけることができる。従って、この計算方法では、巻回条件の最適解を短時間で得ることができる。
これまでの実施形態では、第1目的関数Faを満足する巻回条件の最適解が求められたが、このような態様に限定されない。例えば、第1目的関数Faを満足し、さらに、環状のゴム部材3の断面形状10の周方向のバラツキを特定するための第2目的関数を満足する巻回条件の最適解が求められてもよい。これにより、この実施形態の計算方法では、目標断面形状Vs(図5(a)に示す)を有する環状のゴム部材3を形成しつつ、FV(フォースバリエーション)が良好な環状のゴム部材3を形成しうる巻回条件を求めることができる。この実施形態において、前実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
図10は、本発明の他の実施形態の計算方法を説明するフローチャートである。図11は、環状のゴム部材3の側方断面図である。図11は、図8に示した幅方向位置8において、環状のゴム部材3を周方向に切断した状態を示している。さらに、図11に示されるように、この実施形態では、環状のゴム部材3の断面形状10の各幅方向位置8(図8に示す)において、周方向に隔設された複数の周方向位置15が定義されている。なお、周方向位置15の間隔については、例えば、環状のゴム部材3の断面形状10の周方向のバラツキを計算する精度に応じて、適宜設定することができる。
この実施形態の計算方法では、コンピュータ1に、環状のゴム部材3の断面形状10(図8に示す)の周方向のバラツキを特定するための第2目的関数を入力する工程S9がさらに含まれる。第2目的関数Fbは、下記式(2)で定義される。
Figure 2018151870
ここで、
Fb:第2目的関数
W1n:周方向位置の最大厚さ
W2n:周方向位置の最小厚さ
n:断面形状の幅方向位置を特定するための添字(1〜m)
m:幅方向位置の個数
上記式(2)において、周方向位置の最大厚さW1nは、図8に示した各幅方向位置8において、図11に示した複数の周方向位置15で計算された環状のゴム部材3の厚さのうち、最も大きい厚さを示している。周方向位置の最小厚さW2nは、図11に示した複数の周方向位置15で計算された環状のゴム部材3の厚さのうち、最も小さい厚さを示している。従って、上記式(2)において、W1n−W2nは、図8に示した各幅方向位置8において、環状のゴム部材3の断面形状10の周方向のバラツキを示している。そして、各幅方向位置8のバラツキ(W1n−W2n)について、全ての幅方向位置8の合計値が計算されることにより、第2目的関数Fbが求められる。従って、第2目的関数Fbで計算される値が小さいほど、環状のゴム部材3の断面形状10の周方向のバラツキが小さい。
図12は、本発明の他の実施形態の最適解計算工程S4の処理手順の一例を示すフローチャートである。この実施形態の最適解計算工程S4では、最適化アルゴリズムに基づいて、制約条件の下で、少なくとも第1目的関数Fa及び第2目的関数Fbの双方を満足する前記巻回条件の少なくとも一つの最適解が求められる。本実施形態において、「第2目的関数Fbを満足する」とは、第2目的関数Fbの値が、予め定められた基準値を満たしている(即ち、基準値よりもバラツキが小さい)ことを意味している。なお、基準値については、環状のゴム部材3に求められる精度に応じて、適宜設定される。
この実施形態の最適解計算工程S4では、巻回条件毎に計算された環状のゴム部材3の断面形状10について、第2目的関数Fb(上記式(2)に示す)をそれぞれ計算する工程S45がさらに含まれる。第2目的関数Fbは、コンピュータ1に入力される。
この実施形態の工程S43では、第1目的関数Fa及び第2目的関数Fbが最も良好な巻回条件に近づくように、最適化アルゴリズムに基づいて、巻回条件が更新(世代交代)される。
図10に示されるように、この実施形態の工程S5では、第1目的関数Faの値及び第2目的関数Fbを満足しているか(即ち、第1目的関数Faの値が基準値を満たし、かつ、第2目的関数Fbが基準値を満たしているか)否かが判断される。
この実施形態の工程S5では、先ず、最終世代の巻回条件のうち、第1目的関数Fa及び第2目的関数Fbが最も良好な巻回条件が選択される。そして、選択された巻回条件の第1目的関数Faが基準値を満たしているか(即ち、基準値よりも誤差が小さいか)否か、及び、第2目的関数Fbが基準値を満たしているか(即ち、基準値よりもバラツキが小さいか)否かが判断される。これにより、この実施形態の計算方法では、第1目的関数Fa及び第2目的関数Fbを満足する巻回条件の最適解を、確実に計算することができる。
前実施形態では、第1目的関数Fa及び第2目的関数Fbの双方を満足する巻回条件の最適解が求められたが、このような態様に限定されない。例えば、第1目的関数Faを満足し、さらに、ゴムストリップ4の巻付けピッチP(図4に示す)の変動量を特定するための第3目的関数を満足する巻回条件の最適解が求められてもよい。なお、巻付けピッチPの変動量とは、ゴムストリップ4の巻回を折り返す際等に巻付けピッチPで巻回できなかったときの巻付けピッチ(図示省略)と、巻付けピッチPとの差を意味している。巻付けピッチPの変動量が小さいほど、ゴムストリップ4を供給するアプリケータ7への負担が小さくなる。
これにより、この実施形態の計算方法では、目標断面形状Vs(図5(a)に示す)を有する環状のゴム部材3を形成しつつ、ゴムストリップ4を供給するアプリケータ7への負担が小さい巻回条件を求めることができる。図13は、本発明のさらに他の実施形態の計算方法を説明するフローチャートである。なお、この実施形態において、前実施形態と同一の構成については、同一の符号を付し、説明を省略することがある。
この実施形態の計算方法では、コンピュータ1に、ゴムストリップ4の巻付けピッチP(図4に示す)の変動量を特定するための第3目的関数を入力する工程S10がさらに含まれる。第3目的関数Fcは、下記式(3)で定義される。
Figure 2018151870
ここで、
Fc:第3目的関数
Psi:巻付けピッチの変動量
i:変動量を特定するための添字
上記式(3)において、巻付けピッチの変動量Psiは、環状のゴム部材3の断面形状を計算する工程S41において、巻付けピッチP(図4に示す)が変動したときの変動量を示している。そして、全ての変動量Psiのうち、最大のものが特定されることにより、第3目的関数Fcが求められる。従って、第3目的関数Fcで計算される値が小さいほど、アプリケータ7への負担が小さい。
図14は、本発明の他の実施形態の最適解計算工程S4の処理手順の一例を示すフローチャートである。この実施形態の最適解計算工程S4では、最適化アルゴリズムに基づいて、制約条件の下で、少なくとも第1目的関数Fa及び第3目的関数Fcの双方を満足する前記巻回条件の少なくとも一つの最適解が求められる。本実施形態において、「第3目的関数Fcを満足する」とは、第3目的関数Fcの値が、予め定められた基準値を満たしている(即ち、巻付けピッチの変動量Psiが基準値よりも小さい)ことを意味している。なお、基準値については、例えば、アプリケータ7の耐久性等に応じて適宜設定される。
この実施形態の最適解計算工程S4では、巻回条件毎に計算された環状のゴム部材3の断面形状10について、第3目的関数Fc(上記式(3)に示す)をそれぞれ計算する工程S46がさらに含まれる。第3目的関数Fcは、コンピュータ1に入力される。
この実施形態の工程S43では、第1目的関数Fa及び第3目的関数Fcが最も良好な巻回条件に近づくように、最適化アルゴリズムに基づいて、巻回条件が更新(世代交代)される。
図13に示されるように、この実施形態の工程S5では、第1目的関数Faの値及び第3目的関数Fcを満足しているか(即ち、第1目的関数Faの値及び第3目的関数Fcが、予め定められた基準値を満たしているか)否かが判断される。
この実施形態の工程S5では、先ず、最終世代の巻回条件のうち、第1目的関数Fa及び第3目的関数Fcが最も良好な巻回条件が選択される。そして、選択された巻回条件の第1目的関数Faが基準値を満たしているか(即ち、基準値よりも誤差が小さいか)否か、及び、第3目的関数Fcが基準値を満たしているか(即ち、巻付けピッチの変動量Psiが基準値よりも小さいか)否かが判断される。これにより、この実施形態の計算方法では、第1目的関数Fa及び第3目的関数Fcを満足する巻回条件(設計変数)の最適解を、確実に計算することができる。
前実施形態では、第1目的関数Fa及び第3目的関数Fcの双方を満足する巻回条件の最適解が求められたが、このような態様に限定されない。例えば、第1目的関数Fa、第2目的関数Fb、及び、第3目的関数Fcを満足する巻回条件の最適解が求められてもよい。
これまでの実施形態では、粒子群最適化(PSO)、又は、遺伝的アルゴリズム(GA)のみに基づいて、巻回条件の最適解が求められたが、このような態様に限定されない。例えば、最適解計算工程S4では、線形計画法など、他の最適化手法に途中で切り替えて、巻回条件の最適解を求めてもよい。これにより、巻回条件のより良い最適解を、短時間で求めることができる。
また、これまでの実施形態では、制約条件として、ゴムストリップ4の巻回数が含まれたが、このような態様に限定されない。ゴムストリップ4の巻回数は、制約条件ではなく、巻回条件(即ち、設計変数)として設定されてもよい。これにより、例えば、被巻付体5の軸方向で離間して配される一対のアプリケータ(図示省略)によってゴムストリップ4が巻回される場合に、各アプリケータのゴムストリップ4の巻回数の最適解を求めることができる。また、制約条件には、ゴムストリップ4の断面形状(図5(a)に示す)がさらに含まれてもよい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図6及び図9に示した処理手順に従い、帯状のゴムストリップを被巻付体に螺旋状に巻き重ねて、目標断面形状を有する環状のゴム部材を形成するための巻回条件が、コンピュータを用いて計算された(実施例)。実施例では、コンピュータに、ゴムストリップの巻き重ねのための制約条件、及び、上記式(1)に示した第1目的関数Faが入力された。そして、実施例では、コンピュータによって、最適化アルゴリズムに基づいて、制約条件の下で、少なくとも第1目的関数Faを満足する巻回条件の最適解が計算された。
また、比較のために、作業者による試行錯誤や、これまでの経験則に基づいて、巻回条件が設定された(比較例)。
そして、実施例で計算された巻回条件、及び、比較例で設定された巻回条件に基づいて、ゴム部材の断面形状がコンピュータを用いてそれぞれ計算された。そして、実施例のゴム部材の断面形状、及び、比較例のゴム部材の断面形状について、目標断面形状との誤差がそれぞれ評価された。なお、制約条件及び巻回条件の詳細については、上記明細書中に記載したとおりである。
テストの結果、実施例のゴム部材の断面形状は、比較例のゴム部材の断面形状に比べて、目標断面形状に近似した。従って、実施例の作成方法は、環状のゴム部材を目標断面形状に安定して形成することができた。
S1 制約条件を入力する工程
S3 第1目的関数を入力する工程
S4 第1目的関数を満足する巻回条件の最適解を求める

Claims (9)

  1. 帯状のゴムストリップを被巻付体に螺旋状に巻き重ねて、予め定められた目標断面形状を有する環状のゴム部材を形成するための巻回条件を、コンピュータを用いて計算するための方法であって、
    前記コンピュータに、前記ゴムストリップの巻き重ねのための制約条件を入力する工程と、
    前記コンピュータに、前記目標断面形状からの前記ゴム部材の誤差を特定するための第1目的関数を入力する工程と、
    前記コンピュータが、最適化アルゴリズムに基づいて、前記制約条件の下で、少なくとも前記第1目的関数を満足する前記巻回条件の少なくとも一つの最適解を求める工程とを含むことを特徴とするゴムストリップの巻回条件の計算方法。
  2. 前記巻回条件は、前記ゴムストリップの巻付けピッチ、及び、前記ゴムストリップの巻付け始端が配置される前記被巻付体の周方向の位置の少なくとも一つを含む請求項1記載のゴムストリップの巻回条件の計算方法。
  3. 前記制約条件は、前記ゴムストリップの巻回数、前記ゴムストリップの巻付け始端が配置される前記被巻付体の軸方向の位置、前記ゴムストリップの初回の巻付けピッチ、前記ゴムストリップの巻回の折返し位置、及び、前記ゴムストリップの断面形状の少なくとも一つを含む請求項1又は2記載のゴムストリップの巻回条件の計算方法。
  4. 前記第1目的関数は、前記目標断面形状から許容可能な誤差を含んでいる請求項1乃至3のいずれかに記載のゴムストリップの巻回条件の計算方法。
  5. 前記許容可能な誤差は、第1許容誤差と、前記第1許容誤差よりも大きい第2許容誤差とを含み、
    前記第2許容誤差は、前記ゴム部材の断面形状において、要求される精度が相対的に低い部分に設定される請求項4に記載のゴムストリップの巻回条件の計算方法。
  6. 前記コンピュータに、初期の前記巻回条件の少なくとも一つを入力する工程をさらに含み、
    前記最適解を求める工程は、前記巻回条件に基づいて、前記ゴム部材の断面形状を計算する工程と、
    前記ゴム部材の断面形状が前記目標断面形状に近づくように、前記最適化アルゴリズムに基づいて、前記巻回条件を更新する工程とを含む請求項1乃至5のいずれかに記載のゴムストリップの巻回条件の計算方法。
  7. 前記コンピュータに、前記ゴム部材の断面形状の周方向のバラツキを特定するための第2目的関数を入力する工程をさらに含み、
    前記最適解を求める工程は、少なくとも前記第1目的関数及び前記第2目的関数の双方を満足する前記巻回条件の少なくとも一つの前記最適解を求める請求項1乃至6のいずれかに記載のゴムストリップの巻回条件の計算方法。
  8. 前記コンピュータに、前記ゴムストリップの巻付けピッチの変動量を特定するための第3目的関数を入力する工程をさらに含み、
    前記最適解を求める工程は、少なくとも前記第1目的関数及び前記第3目的関数の双方を満足する前記巻回条件の少なくとも一つの前記最適解を求める請求項1乃至7のいずれかに記載のゴムストリップの巻回条件の計算方法。
  9. タイヤの製造方法であって、
    請求項1乃至8のいずれかの計算方法で求められた前記巻回条件で、前記ゴム部材を形成する工程を含むことを特徴とするタイヤの製造方法。
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