JP2018151089A - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機が過負荷状態に陥った場合に、より短い時間で圧縮機を正常な運転状態に復旧させながら、庫内温度が上昇するのを抑止できる冷凍冷蔵庫を提供する。【解決手段】第1冷凍サイクル11と第2冷凍サイクル12と、各冷凍サイクル11・12の運転状態を制御する制御装置31を備えている。各冷凍サイクル11・12の凝縮器15・25は1個の集約凝縮器33として構成されてフィン群36を共用している。制御装置31は、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度が上限負荷温度以上であることを出口管温度センサー41が検知した状態において、過負荷運転制御を行って第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を停止し、第1冷凍サイクル11の圧縮機24のみを運転する。過負荷運転制御が終了したら、第2冷媒サイク12の圧縮機14の運転を停止して通常運転制御に復帰させる。【選択図】図3

Description

本発明は、貯蔵室を開閉するドアを備えている冷凍冷蔵庫やリーチイン型のショーケースなどの冷凍冷蔵庫に関し、なかでも2系統の独立した冷凍サイクルを備えている冷凍冷蔵庫に関する。
この種の冷凍冷蔵庫は、例えば特許文献1に公知である。この特許文献1の冷却貯蔵庫は、第1冷凍回路と第2冷凍回路で冷凍装置が構成されており、前者回路にはインバータ圧縮機が設けられており、後者回路には駆動回転数が一定の圧縮機(定速圧縮機と言う)が設けられている。基本的には、インバータ圧縮機を駆動して庫内温度を設定温度範囲内に保持するが、インバータ圧縮機をその出力限界まで駆動しても庫内温度が設定温度を越える場合には、定速圧縮機を駆動して庫内温度を設定温度範囲内に保持する。このとき、庫内温度が設定温度範囲の上限を越えるまで、定速圧縮機の起動を遅らせる。また、両圧縮機を同時に駆動している状態で、インバータ圧縮機の駆動回転数が下限値にまで低下したにもかかわらず、さらに冷凍能力を減少する必要があれば、定速圧縮機を停止して庫内温度を設定温度範囲内に保持する。このとき、庫内温度が設定温度範囲の下限を越えて低下するまで、定速圧縮機の停止を遅らせる。このように、特許文献1の冷却貯蔵庫では、庫内温度が予め設定された冷却特性に倣って降下するように、温度センサーの検出値をパラメータにして、インバータ圧縮機と定速圧縮機の運転状態を個別に制御している。庫内温度を検知する温度センサーは、蒸発器に設けた庫内ファンの下流側に配置されている。
特許第5236245号公報(段落番号0038〜0041、図3)
例えばリーチイン型の業務用の冷凍冷蔵庫では、扉の開閉が頻繁に行われる、外気温が高い、あるいは庫内に温度の高い商品が入れられるなど、周囲環境の悪条件が重なると、庫内の空気温度が急激に上昇して、当該空気温度が設定温度範囲の上限を大幅に越えることがある。このように、庫内の空気温度が異常に高い場合には、圧縮機がフル運転されるため、その吐出圧力および吐出冷媒温度が異常に上昇して、圧縮機が過負荷状態に陥ることがある。このように過負荷状態に陥った圧縮機は、それを直ちに停止することで保護できるものの、圧縮機の停止中においては冷凍サイクルが機能しないため、庫内温度が上昇することが避けられない。このため庫内に収納した食品等の鮮度が低下し品質が劣化する点、及び再稼働時に多くのエネルギーを消費するなどの不都合が生じていた。
本発明は、2系統の独立した冷凍サイクルを備えている冷凍冷蔵庫において、圧縮機が過負荷状態に陥った場合に、より短い時間で圧縮機を正常な運転状態に復旧させて、庫内温度が上昇することを抑制でき、従って、省エネルギー化に寄与しながら、庫内に収納した食品等の鮮度低下や品質劣化を効果的に防止できる冷凍冷蔵庫を提供することを目的とする。
本発明は、圧縮機14、凝縮器15、膨張器17および蒸発器18を含む第1冷凍サイクル11と、圧縮機24、凝縮器25、膨張器27および蒸発器28を含む第2冷凍サイクル12と、これら冷凍サイクル11・12の運転状態を制御するための制御装置31とを備えている冷凍冷蔵庫を対象とする。第1冷凍サイクル11の凝縮器15と第2冷凍サイクル12の凝縮器25は1個の集約凝縮器33として構成されてフィン群36を共用している。制御装置31は、貯蔵室3の温度を検知する庫内温度センサー52の検知結果に基づき、両冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24の運転状態を制御する通常運転制御を行う。また制御装置31は、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の温度を検知する温度センサー41の検知結果に基づき、両冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24の運転状態を制御する過負荷運転制御を行う。そして、両冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24を同時に運転している通常運転制御時に、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の温度が上限負荷温度RL以上であることを温度センサー41が検知した状態において、過負荷運転制御を行って第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を停止し、第1冷凍サイクル11の圧縮機24のみを運転し、両冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24が運転されている過負荷運転制御時に、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の温度が、下限負荷温度RM以下であることを温度センサー41が検知した状態において、第2冷媒サイク12の圧縮機14の運転を停止して通常運転制御に復帰させることを特徴とする。
図4に示すように集約凝縮器33は、フィン群36と、フィン群36に折返し配置した各冷凍サイクル11・12の凝縮管群37・38と、フィン群36および凝縮管群37・38に冷却空気を送給する凝縮器ファン39を備えている。平面視における集約凝縮器33の中央領域に、第1冷凍サイクル11の凝縮管群37を配置し、集約凝縮器33の周囲領域に第2冷凍サイクル12の凝縮管群38を配置する。
第1冷凍サイクル11の蒸発器18と第2冷凍サイクル12の蒸発器28は1個の集約蒸発器45として構成されて、本体ケース1の貯蔵室3上部のダクト6内に配置してある。集約蒸発器45は、フィン群46と、フィン群46に折返し配置した各冷凍サイクル11・12の蒸発管群47・48と、ダクト6内に設けられて、貯蔵室3内の空気をダクト6の天井壁に向かって送給する蒸発器ファン49を備えている。フィン群46の上半部に第1冷凍サイクル11の蒸発管群47を配置し、同蒸発管群47の下方に第2冷凍サイクル12の蒸発管群48を配置している。
本発明の冷凍冷蔵庫においては、通常運転制御から過負荷運転制御へ移行した状態において、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を停止し、第1冷凍サイクル11の圧縮機24の運転を続行するようにした。こうしたショーケースによれば、第1冷凍サイクル11で貯蔵室3を冷却しながら、第1冷凍サイクル11の高温の冷媒液を集約凝縮器33で効果的に冷却して、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の温度をより短い時間で低下できる。これは、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を停止した状態の集約凝縮器33は、第1冷凍サイクル11の冷媒液のみを冷却すればよいので、第1冷凍サイクル11の凝縮器15が単独で設けてある場合に比べて、高温の冷媒液を集約凝縮器33で効果的に冷却できるからである。また、温度センサー41で凝縮器15の温度を検知して過負荷運転制御を行うので、庫内の空気温度を温度センサーで後追い的に検知してインバータ圧縮機および定速圧縮機の過負荷運転制御を行う従来装置に比べて、凝縮器15の温度を即座に検知して過負荷運転制御をより速やかに行えるからである。
また、本発明の冷凍冷蔵庫によれば、圧縮機から吐出された冷媒の一部を、バイパス経路を介して室内熱交換器側の冷媒配管に供給する形態の過負荷対策に比べて、より短い時間で圧縮機14を正常な運転状態に復旧させながら、庫内温度が上昇するのを抑止できる。従って、圧縮機14が正常な運転状態に復旧する時間が短い分だけ省エネルギーに寄与しながら、庫内に収納した食品等の鮮度低下や品質劣化を防止できる。
フィン群36と、各冷凍サイクル11・12の凝縮管群37・38と、凝縮器ファン39を備えた集約凝縮器33において、平面視における集約凝縮器33の中央領域に、第1冷凍サイクル11の凝縮管群37を配置し、集約凝縮器33の周囲領域に第2冷凍サイクル12の凝縮管群38を配置するようにした。こうした集約凝縮器33によれば、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を停止した状態において、第1冷凍サイクル11の凝縮管群37と、同管群37の周囲に位置する面積の大きなフィン群36に新規な冷却空気を接触させて、第1冷凍サイクル11の凝縮器15における熱交換効率を高くすることができる。また、凝縮器15の熱交換効率が高いほど第1冷凍サイクル11を効率よく運転できる。
第1冷凍サイクル11の蒸発器18と第2冷凍サイクル12の蒸発器28は1個の集約蒸発器45として構成し、フィン群46の上半部に第1冷凍サイクル11の蒸発管群47を配置し、同蒸発管群47の下方に第2冷凍サイクル12の蒸発管群48を配置するようにした。また、蒸発器ファン49は貯蔵室3内の空気をダクト6の天井壁に向かって送給するようにした。こうした集約蒸発器45によれば、蒸発器ファン49から送給された加圧空気は天井壁に沿って流れる傾向があるので、第1冷凍サイクル11の蒸発管群47および上半側のフィン群46により大量の加圧空気を接触させて効果的に熱交換を行うことができ、その分だけ第1冷凍サイクル11の蒸発器18の熱交換効率を高めることができる。さらに、蒸発器18の熱交換効率が高いほど第1冷凍サイクル11を効率よく運転できる。
本発明に係る冷凍冷蔵庫の過負荷運転制御時の制御態様を示すタイムチャートである。 本発明に係る冷凍冷蔵庫の概略構造を示す縦断側面図である。 本発明に係る冷凍冷蔵庫を構成する第1、第2の冷凍サイクルの概略構造を概念的に示す説明図である。 本発明に係る冷凍冷蔵庫を構成する集約凝縮器の横断平面図である。 冷凍冷蔵庫の通常運転制御時の制御態様を示すタイムチャートである。 冷凍冷蔵庫の通常運転制御時の制御態様を示すフローチャートである。 冷凍冷蔵庫の通常運転制御時の制御態様を示すタイムチャートである。 冷凍冷蔵庫の過負荷運転制御時の制御態様を示すフローチャートである。
(実施例) 図1ないし図8は本発明に係る冷凍冷蔵庫をリーチイン型のショーケースに適用した実施例を示す。本発明における前後、左右、上下とは、図2および図4に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2に示すように、リーチイン型のショーケースは、断熱箱体からなる本体ケース1を備えており、本体ケース1の内部は多段状の棚体2を備えた貯蔵室3になっていて、貯蔵室3の前面に設けたスライドドア4を開閉することにより、食品や飲料などの貯蔵対象を出し入れできる。本体ケース1の下側に区画した機械室5の内部には、貯蔵室3の内部を一定温度に冷却するための冷凍冷蔵装置の要部が収容されている。また、貯蔵室3の上部は熱交換部としてダクト6で区画されており、その内部にも冷凍冷蔵装置の一部が配置されている。
図3において冷凍冷蔵装置は、第1冷凍サイクル11と第2冷凍サイクル12の2系統の冷凍サイクルを備えている。第1冷凍サイクル11は、モーター13で駆動される圧縮機14と、凝縮器15と、ドライヤー16と、膨張器17と、蒸発器18と、アキュムレータ19を冷媒配管20でループ状に接続して構成される。同様に、第2冷凍サイクル12は、モーター23で駆動される圧縮機24と、凝縮器25と、ドライヤー26と、膨張器27と、蒸発器28と、アキュムレータ29を冷媒配管30でループ状に接続して構成される。図3において符号31は、各冷凍サイクル11・12の運転状態を制御する制御装置であり、制御装置31は機械室5の前面に設けた制御ボックス(図示していない)の内部に表示機器類と共に収容されている。
第1冷凍サイクル11の凝縮器15と、第2冷凍サイクル12の凝縮器25は1個の集約凝縮器33として構成されており、各冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24と共に本体ケース1の機械室5に配置されている。図4において集約凝縮器33は、縦断面が門側で機械室5の底壁に固定されるケーシング34と、ケーシング34の後面に固定される風導35を備えており、ケーシング34の内部にフィン群36を配置し、各冷凍サイクル11・12の凝縮管群37・38をフィン群36に折返し配置して、フィン群36を共用している。また、風導35の内部にフィン群36および凝縮管群37・38に冷却空気を送給する1個の凝縮器ファン39が配置されている。各冷凍サイクル11・12の凝縮管群37・38の出口管部の外面には、各凝縮器15・25の出口管温度を検知する出口管温度センサー(温度センサー)41・42が配置されている(図3参照)。なお、温度センサー41・42としては、出口管温度を検知するセンサーである必要はなく、例えば入口管部と出口管部の中間の温度を検知するセンサーであってもよく、要は凝縮器15・25の温度を検知できるセンサーであれば足りる。
第1冷凍サイクル11がメインの冷凍サイクルとして運転されるのに対して、第2冷凍サイクル12は、第1冷凍サイクル11だけでは貯蔵室3内の温度(庫内温度)を所定の温度以下に維持できない場合に運転される。そのため、第1冷凍サイクル11の圧縮機14の運転頻度は、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転頻度より充分に大きくなり、前者凝縮器15の熱交換効率が高いほど第1冷凍サイクル11を効率よく運転することができる。この実施例では、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の熱交換効率を高めるために、平面視における集約凝縮器33の中央領域に、第1冷凍サイクル11の凝縮管群37を配置し、凝縮管群37とケーシング34の左右側壁の間、つまり集約凝縮器33の周囲領域に第2冷凍サイクル12の凝縮管群38を配置するようにした。また、第1冷凍サイクル11の冷凍能力と、第2冷凍サイクル12の冷凍能力は同じか、後者の冷凍能力が前者の冷凍能力より僅かに大きくなるように設定して、第1冷凍サイクル11の冷凍能力不足を、第2冷凍サイクル12の冷凍能力で素早く補充できるようにしている。
第2冷凍サイクル12の圧縮機24が停止している状態では、同サイクル12の凝縮管群38に冷媒液が送給されないため、第1冷凍サイクル11の凝縮管群37と、同管群37の周囲に位置する面積の大きなフィン群36に新規な冷却空気を接触させて、第1冷凍サイクル11の凝縮器15における熱交換効率を高くすることができる。また、凝縮器15の熱交換効率が高いほど第1冷凍サイクル11を効率よく運転できる。
第1冷凍サイクル11の蒸発器18と第2冷凍サイクル12の蒸発器28は、上記の集約凝縮器33と同様に1個の集約蒸発器45として構成されてダクト6の内部に配置されている。集約蒸発器45は、フィン群46と、フィン群46に折返し配置した各冷凍サイクル11・12の蒸発管群47・48と、ダクト6内に設けられて貯蔵室3内の空気を循環させる蒸発器ファン49を備えている。ダクト6の底壁の前部には、蒸発器ファン49用の吸込口50が開口されており、ダクト6の後部には、熱交換後の冷気を貯蔵室3内へ送給する送給口51が開口されている。軸流ファンからなる蒸発器ファン49は吸込口50に臨んで設けられており、貯蔵室3内の空気を加圧してダクト6の天井壁に向かって送給する。蒸発器ファン49と集約蒸発器45のフィン群46の間の吸込空気領域には、庫内温度センサー52が配置されている。
先に説明したように第1冷凍サイクル11の運転頻度は、第2冷凍サイクル12の運転頻度より充分に大きいので、第2冷凍サイクル12の圧縮機24が停止している状態における、第1冷凍サイクル11の蒸発器18の熱交換効率が高いほど、第1冷凍サイクル11を効率よく運転できる。このように、第1冷凍サイクル11の蒸発器18の熱交換効率を高めるために、集約蒸発器45においては、フィン群46の上半部に第1冷凍サイクル11の蒸発管群47を配置し、同蒸発管群47の下方に第2冷凍サイクル12の蒸発管群48を配置している。先に説明したように、蒸発器ファン49は貯蔵室3内の空気をダクト6の天井壁に向かって送給しており、ダクト6の天井壁に衝突した加圧空気はダクト6の天井壁に沿って流れる傾向がある。従って、第1冷凍サイクル11の蒸発管群47および上半側のフィン群46により大量の加圧空気を接触させて効果的に熱交換を行うことができ、第1冷凍サイクル11の蒸発器18の熱交換効率を高めることができる。
制御装置31は定常状態において、両冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24の運転状態を制御する通常運転制御を行って、庫内温度を設定温度範囲内に維持する。しかし、リーチイン型のショーケースの使用条件や環境条件が悪化して、圧縮機14が過負荷状態に陥る可能性が高くなると過負荷運転制御を行って、庫内温度が上昇するのを防止しながら、冷媒液の温度を低下させて正常な運転状態に復旧させる。
図5に通常運転制御時のタイムチャートを示しており、図6に通常運転制御時の制御フローを示している。通常運転制御は、第1運転制御と第2運転制御に基づいて各冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24を運転し、あるいは停止させる。
第1運転制御においては、庫内温度センサー52が検知した貯蔵室3の庫内温度に基づき、各冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24を運転・停止させて、庫内温度を設定温度範囲内に維持する。第1冷凍サイクル11の圧縮機14の運転・停止の温度条件と、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転・停止の温度条件は異なっており、第1冷凍サイクル11の圧縮機14は、図5に示す上限温度Dn1で運転を開始し、下限温度Df1で運転を停止する。また、第2冷凍サイクル12の圧縮機24は、上限温度Dn2で運転を開始し、下限温度Df2で運転を停止する。
第1冷凍サイクル11の下限温度Df1は、第2冷凍サイクル12の下限温度Df2より低く設定されている。また、第1冷凍サイクル11の上限温度Dn1は、第2冷凍サイクル12の上限温度Dn2より低く、しかも第2冷凍サイクルの下限温度Df2より高く設定されている。従って、第2冷凍サイクル12の圧縮機24が運転されるときの庫内温度の温度領域は、第1冷凍サイクル11の圧縮機14が運転されるときの庫内温度の温度領域より高い温度領域になっている。こうしたリーチイン型のショーケースによれば、庫内温度が第1冷凍サイクル11の冷凍能力を越えた場合に、第2冷凍サイクル12の圧縮機24を運転して第1冷凍サイクル11の冷凍能力の不足を補うことができる。また、庫内温度が第2冷凍サイクルの下限温度Df2まで低下した場合に、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を停止して、圧縮機24の運転時間を短くすることができる。
第2運転制御においては、各冷凍サイクル11・12の出口管温度センサー41・42が検知した凝縮器15・25の出口管温度(冷媒液温度)に基づき、各冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24を運転・停止させて、圧縮機14・24が過負荷状態に陥るのを防止している。第1冷凍サイクル11の圧縮機14の運転・停止の温度条件と、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転・停止の温度条件は異なっている。図7に示すように第1冷凍サイクル11の圧縮機14は、凝縮器15の出口管温度が出口下限温度Rn1まで低下したら運転を開始し、出口上限温度Rf1まで上昇したら運転を停止する。また、第2冷凍サイクル12の圧縮機24は、凝縮器25の出口管温度が出口下限温度Rn2まで低下したら運転を開始し、出口上限温度Rf2まで上昇したら運転を停止する。第2運転制御は第1運転制御に優先して実行され、庫内温度の高低とは無関係に、凝縮器15・25の出口管温度が上記の設定温度Rn1・Rn2・Rf1・Rf2に達した時点で各圧縮機14・24を運転ないし停止させる。
第1冷凍サイクル11における凝縮器15の出口管温度の出口上限温度Rf1は、第2冷凍サイクル12における凝縮器25の出口管温度の出口上限温度Rf2より高く設定されている。第1冷凍サイクル11における凝縮器15の出口管温度の出口下限温度Rn1は、第2冷凍サイクル12における凝縮器25の出口管温度の出口下限温度Rn2より高く、しかも第2冷凍サイクル12における凝縮器25の出口管温度の出口上限温度Rf2より低く設定されている。従って、第2冷凍サイクル12の圧縮機24が運転されるときの凝縮器25の出口管温度の温度領域は、第1冷凍サイクル11の圧縮機14が運転されるときの凝縮器25の出口管温度の温度領域より低い温度領域になっている。
上記のように、第2冷凍サイクル12の圧縮機24を出口管温度のより低い温度領域で運転し、第1冷凍サイクル11の圧縮機14を出口管温度のより高い温度領域で運転すると、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転頻度を小さくできる。例えば、スライドドア4の開閉頻度が少なく、庫内温度の変動が小さい時間帯においては、殆どの場合第1冷凍サイクル11の圧縮機14を運転し停止するだけで、庫内温度を設定温度範囲内に維持できるので、省エネルギーに寄与できる。
第1運転制御における制御装置31は、図6に示すように庫内温度センサー52から送られた庫内温度(温度信号)が設定温度範囲内にあるか否かを判定しており、庫内温度が第1冷凍サイクル11の上限温度Dn1に達したら(S1でYES)、第1冷凍サイクル11の圧縮機14を起動する(S2)。庫内温度が第1冷凍サイクル11の上限温度Dn1未満であれば(S1でNO)S1へリターンする。その後、庫内温度が下降して庫内温度が第1冷凍サイクル11の下限温度Df1に達したら(S3でYES)、第1冷凍サイクル11の圧縮機14を停止し(S4)S1へリターンする。一方、第1冷凍サイクル11の圧縮機14を起動したにも拘らず庫内温度が上昇して(S3でNO)、庫内温度が第2冷凍サイクル12の上限温度Dn2に達したら(S5でYES)、第2冷凍サイクル12の圧縮機24を起動する(S6)。この状態では、両冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24が駆動されるので、より多くの冷媒液を循環させて庫内温度を設定温度範囲内に低下できる。S5において、庫内温度が第2冷凍サイクル12の上限温度Dn2に達していない場合(S5でNO)にはS3へリターンする。
庫内温度が低下して、庫内温度が第2冷凍サイクル12の下限温度Df2に達したら(S7でYES)、第2冷凍サイクル12の圧縮機24を停止させ(S8)、S3へリターンして第1冷凍サイクル11の圧縮機14のみで貯蔵室3内を冷却する。S6の実行後は両冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24が駆動されているが、スライドドア4の開閉が頻繁に行われるなどにより、庫内温度が第2冷凍サイクル12の下限温度Df2より高くなった場合(S7でNO)には、両冷凍サイクル11・12の圧縮機14・24が過負荷状態に陥るおそれがある。そのため、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度を出口管温度センサー41で検知して、検知温度が後述する上限負荷温度RLを越えているか否かを判定して(S9)、凝縮器15の出口管温度が上限負荷温度RLを越えていた場合(S9でYES)に過負荷運転制御を行う。また、凝縮器15の出口管温度が上限負荷温度RLより低い場合(S9でNO)にはS7へリターンする。この実施例における上限負荷温度RLは、第2冷凍サイクル12の圧縮機24をオフするときの、第2冷凍サイクル12における凝縮器25の出口上限温度Rf2(例えば55℃)と一致させたが、上限負荷温度RLは凝縮器25の出口上限温度Rf2より低く設定してあってもよい。
図8において、過負荷運転制御時の制御装置31は、第2冷凍サイクル12の圧縮機24を停止させて(S11)、第1冷凍サイクル11の運転を続行する。この状態では、第1冷凍サイクル11の圧縮機14が運転され、集約凝縮器33では第1冷凍サイクル11の凝縮管群37のみが冷却されるので、凝縮管群37を通過する高温の凝縮冷媒液を効果的に冷却できる。つまり、集約凝縮器33の熱交換能力に対して、約半分の量の凝縮冷媒液が凝縮管群37を流れるだけであるので、凝縮冷媒液が効果的に冷却されることになり、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度を、効果的に低下させることができる。第2冷凍サイクル12の圧縮機24を停止させたのち、第2冷凍サイクル12の凝縮器25の出口管温度が出口下限温度Rn2まで低下した場合(S12でYES)には、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を再開する(S13)。しかし、第2冷凍サイクル12の圧縮機24を停止させたのち、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度が出口下限温度Rn2より高い場合(S12でNO)にはS12へリターンさせる。
第2冷凍サイクル12の圧縮機24の駆動を再開したのち、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度が上限負荷温度RLに達したら(S14でYES)、S11へリターンして第2冷凍サイクル12の圧縮機24を停止させる。また、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を再開したのち、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度が上限負荷温度RLに達していない場合(S14でNO)にはS15へ移行し、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度が下限負荷温度RMまで低下したか否かを判定する。第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度が下限負荷温度RMまで低下した場合(S15でYES)には、第2冷凍サイクル12の圧縮機24を停止させて(S16)、過負荷運転制御を終了し、通常運転制御のS3へリターンする。また、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度が下限負荷温度RMまで低下していない場合(S15でNO)にはS14へリターンする。この実施例における下限負荷温度RMは、第2冷凍サイクル12の圧縮機24をオンするときの、第2冷凍サイクル12における凝縮器25の出口下限温度Rn2(例えば45℃)と一致させたが、下限負荷温度RMは凝縮器25の出口下限温度Rn2より高く設定してあってもよい。
以上のように構成したショーケースにおいては、通常運転制御から過負荷運転制御へ移行した状態では、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を停止し、第1冷凍サイクル11の圧縮機24の運転を続行するようにした。こうしたショーケースによれば、第1冷凍サイクル11で貯蔵室3を冷却しながら、第1冷凍サイクル11の高温の冷媒液を集約凝縮器33で効果的に冷却して、第1冷凍サイクル11の凝縮器15の出口管温度をより短い時間で低下できる。これは、第2冷凍サイクル12の圧縮機24の運転を停止した状態の集約凝縮器33は、第1冷凍サイクル11の冷媒液のみを冷却すればよいので、第1冷凍サイクル11の凝縮器15が単独で設けてある場合に比べて、高温の冷媒液を集約凝縮器33で効果的に冷却できるからである。また、出口管温度センサー41で凝縮器15の出口管温度を検知して過負荷運転制御を行うので、庫内の空気温度を温度センサーで後追い的に検知してインバータ圧縮機および定速圧縮機の過負荷運転制御を行う従来装置に比べて、出口管温度を即座に検知して過負荷運転制御をより短い時間で終了できるからである。
また、圧縮機から吐出された冷媒の一部を、バイパス経路を介して室内熱交換器側の冷媒配管に供給する形態の過負荷対策に比べて、より短い時間で圧縮機14を正常な運転状態に復旧させながら、庫内温度が上昇するのを抑止できる。従って、圧縮機14が正常な運転状態に復旧する時間が短い分だけ省エネルギーに寄与しながら、庫内に収納した食品等の鮮度低下や品質劣化を防止できる。
上記の実施例では、集約凝縮器33の中央領域に第1冷凍サイクル11の凝縮管群37を配置し、集約凝縮器33の周囲領域に第2冷凍サイクル12の凝縮管群38を配置したがその必要はない。例えば、両冷凍サイクル11・12の凝縮管群37・38をフィン群36の中途部において互違いに配置してあってもよい。こうした場合でも、第1冷凍サイクル11の凝縮管群37を冷却するフィン群36の面積が大きいので、第1冷凍サイクル11の凝縮器15が単独で設けてある場合に比べて、第1冷凍サイクル11の冷媒液を効果的に冷却できる。
本発明に係る冷凍冷蔵庫は、リーチイン型のショーケース以外に、冷蔵室と冷凍室を備えている冷蔵庫に適用することができる。その場合には、集約凝縮器33で冷却した冷媒液を冷蔵室用の集約蒸発器と冷凍室用の集約蒸発器に送給して、第1冷凍サイクル11と第2冷凍サイクル12の運転状態を制御するとよい。
3 貯蔵室
6 ダクト
11 第1冷凍サイクル
12 第2冷凍サイクル
14.24 圧縮機
15・25 凝縮器
18・28 蒸発器
31 制御装置
33 集約凝縮器
37 第1冷凍サイクルの凝縮管群
38 第2冷凍サイクルの凝縮管群
41 第1冷凍サイクルの温度センサー(出口管温度センサー)
45 集約蒸発器
RL 上限負荷温度
RM 下限負荷温度

Claims (3)

  1. 圧縮機(14)、凝縮器(15)、膨張器(17)および蒸発器(18)を含む第1冷凍サイクル(11)と、圧縮機(24)、凝縮器(25)、膨張器(27)および蒸発器(28)を含む第2冷凍サイクル(12)と、これら冷凍サイクル(11・12)の運転状態を制御するための制御装置(31)とを備えている冷凍冷蔵庫であって、
    第1冷凍サイクル(11)の凝縮器(15)と第2冷凍サイクル(12)の凝縮器(25)が1個の集約凝縮器(33)として構成されてフィン群(36)を共用しており、
    制御装置(31)は、貯蔵室(3)の温度を検知する庫内温度センサー(52)の検知結果に基づき、両冷凍サイクル(11・12)の圧縮機(14・24)の運転状態を制御する通常運転制御と、第1冷凍サイクル(11)の凝縮器(15)の温度を検知する温度センサー(41)の検知結果に基づき、両冷凍サイクル(11・12)の圧縮機(14・24)の運転状態を制御する過負荷運転制御を行っており、
    両冷凍サイクル(11・12)の圧縮機(14・24)を同時に運転している通常運転制御時に、第1冷凍サイクル(11)の凝縮器(15)の温度が上限負荷温度(RL)以上であることを温度センサー(41)が検知した状態において、過負荷運転制御を行って第2冷凍サイクル(12)の圧縮機(24)の運転を停止し、第1冷凍サイクル(11)の圧縮機(24)のみを運転し、
    両冷凍サイクル(11・12)の圧縮機(14・24)が運転されている過負荷運転制御時に、第1冷凍サイクル(11)の凝縮器(15)の温度が、下限負荷温度(RM)以下であることを温度センサー(41)が検知した状態において、第2冷媒サイク(12)の圧縮機(14)の運転を停止して通常運転制御に復帰させるように構成されていることを特徴とする冷凍冷蔵庫。
  2. 集約凝縮器(33)は、フィン群(36)と、フィン群(36)に折返し配置した各冷凍サイクル(11・12)の凝縮管群(37・38)と、フィン群(36)および凝縮管群(37・38)に冷却空気を送給する凝縮器ファン(39)とを備えており、
    平面視における集約凝縮器(33)の中央領域に、第1冷凍サイクル(11)の凝縮管群(37)が配置され、集約凝縮器(33)の周囲領域に第2冷凍サイクル(12)の凝縮管群(38)が配置されている請求項1記載の冷凍冷蔵庫。
  3. 第1冷凍サイクル(11)の蒸発器(18)と第2冷凍サイクル(12)の蒸発器(28)が1個の集約蒸発器(45)として構成されて、本体ケース(1)の貯蔵室(3)上部のダクト(6)内に配置されており、
    集約蒸発器(45)は、フィン群(46)と、フィン群(46)に折返し配置した各冷凍サイクル(11・12)の蒸発管群(47・48)と、ダクト(6)内に設けられて、貯蔵室(3)内の空気をダクト(6)の天井壁に向かって送給する蒸発器ファン(49)を備えており、
    フィン群(46)の上半部に第1冷凍サイクル(11)の蒸発管群(47)が配置され、同蒸発管群(47)の下方に第2冷凍サイクル(12)の蒸発管群(48)が配置されている請求項1または2に記載の冷凍冷蔵庫。
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