以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。
本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。加えて「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含む。「XX」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
(実施形態)
[1.冷蔵庫の全体構成]
図1から図7を参照し、実施形態の冷蔵庫1について説明する。まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。ただし、冷蔵庫1は、以下に説明する構成の全てを有する必要はなく、いくつかの構成が適宜省略されてもよい。
図1は、実施形態の冷蔵庫1を示す正面図である。図2は、図1中に示された冷蔵庫1のF2-F2線に沿う断面図である。図1および図2に示すように、冷蔵庫1は、例えば、筐体10、複数の扉11、複数の棚12、複数の容器13、流路形成部品14、冷却ユニット15、および制御盤19を有する。
筐体10は、上壁21、下壁22、左右の側壁23,24、および後壁25を有する。
上壁21および下壁22は、略水平に広がっている。左右の側壁23,24は、下壁22の左右の端部から上方に起立し、上壁21の左右の端部に繋がっている。後壁25は、下壁22の後端部から上方に起立し、上壁21の後端部に繋がっている。
図2に示すように、筐体10は、例えば、内箱51、外箱52、および断熱部53を有する。内箱51は、筐体10の内面を形成する部材である。外箱52は、筐体10の外面を形成する部材である。外箱52は、内箱51よりも一回り大きく形成されており、内箱51の外側に配置されている。内箱51と外箱52との間には、断熱部53が設けられる。断熱部53は、例えば、発泡ウレタンのような発泡断熱材である。断熱部53は、真空断熱材を含んでもよい。
筐体10の内部には、複数の貯蔵室27が設けられている。複数の貯蔵室27は、例えば、冷蔵室27A、野菜室27B、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室27Aが配置され、冷蔵室27Aの下方に野菜室27Bが配置され、野菜室27Bの下方に製氷室27Cおよび小冷凍室27Dが配置され、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dの下方に主冷凍室27Eが配置されている。ただし、貯蔵室27の配置は、上記例に限定されず、例えば野菜室27Bと主冷凍室27Eの配置が逆でもよいし、その他の配置でもよい。筐体10は、各貯蔵室27の前面側に、各貯蔵室27に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
冷蔵室27Aおよび野菜室27Bの各々は、冷蔵温度帯の貯蔵室であり、「第1貯蔵室」の一例である。製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eの各々は、冷凍温度帯の貯蔵室であり、「第2貯蔵室」の一例である。ただし、冷凍温度帯の貯蔵室が「第1貯蔵室」に該当し、冷蔵温度帯の貯蔵室が「第2貯蔵室」に該当してもよい。
筐体10は、第1および第2の仕切部28,29を有する。第1および第2の仕切部28,29は、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部28は、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間に位置し、冷蔵室27Aと野菜室27Bとの間を仕切っている。一方で、第2仕切部29は、野菜室27Bと、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dとの間に位置し、野菜室27Bと、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dとの間を仕切っている。第2仕切部29は、断熱性を有する。
複数の貯蔵室27の開口は、複数の扉11によって開閉可能に閉じられている。複数の扉11は、例えば、冷蔵室27Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉11Aa,11Ab、野菜室27Bの開口を閉じる野菜室扉11B、製氷室27Cの開口を閉じる製氷室扉11C、小冷凍室27Dの開口を閉じる小冷凍室扉11D、および主冷凍室27Eの開口を閉じる主冷凍室扉11Eを含む。
複数の棚12は、冷蔵室27Aに設けられている。
複数の容器13は、冷蔵室27Aに設けられた冷蔵室容器13A(例えばチルド室容器)、野菜室27Bに設けられた第1および第2の野菜室容器13Ba,13Bb、製氷室27Cに設けられた製氷室容器(不図示)、小冷凍室27Dに設けられた小冷凍室容器13D、および主冷凍室27Eに設けられた第1および第2の主冷凍室容器13Ea,13Ebを含む。
流路形成部品14は、筐体10内に配置されている。流路形成部品14は、第1ダクト部品31と、第2ダクト部品32とを含む。
第1ダクト部品31は、筐体10の後壁25に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第1ダクト部品31は、例えば、野菜室27Bの下端部の後方から冷蔵室27Aの上端部の後方まで延びている。第1ダクト部品31と筐体10の後壁25との間には、冷気(空気)が流れる通路である第1ダクト空間D1が形成されている。第1ダクト部品31は、複数の冷気吹出口31aと、冷気戻り口31bとを有する。複数の冷気吹出口31aは、冷蔵室27Aにおいて複数の高さ位置に分かれて設けられている。冷気戻り口31bは、第1ダクト部品31の下端部に設けられ、野菜室27Bの後方に位置する。
第2ダクト部品32は、筐体10の後壁25に沿って設けられ、鉛直方向に延びている。第2ダクト部品32は、例えば、主冷凍室27Eの後方から製氷室27Cおよび小冷凍室27Dの上端部の後方まで延びている。第2ダクト部品32と筐体10の後壁25との間には、冷気(空気)が流れる通路である第2ダクト空間D2が形成されている。第2ダクト部品32は、冷気吹出口32aと、冷気戻り口32bとを有する。冷気吹出口32aは、第2ダクト部品32の上端部に設けられ、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dの後方に位置する。冷気戻り口32bは、第2ダクト部品32の下端部に設けられ、主冷凍室27Eの後方に位置する。
冷却ユニット15は、第1冷却モジュール40と、第2冷却モジュール45と、冷媒を循環させることにより第1冷却モジュール40および第2冷却モジュール45を冷却する冷凍サイクル装置70(図3参照)とを含む。
第1冷却モジュール40は、例えば、第1冷却器41と、第1ファン43とを含む。第1冷却器41は、第1ダクト空間D1に配置されている。第1冷却器41は、例えば、冷蔵室27Aの下端部に対応する高さに配置されている。第1冷却器41は、後述する圧縮機17により圧縮された冷媒が供給され、第1ダクト空間D1を流れる冷気を冷却する。
第1ファン43は、例えば、第1ダクト部品31の冷気戻り口31bに設けられている。第1ファン43が駆動されると、野菜室27Bの空気が冷気戻り口31bから第1ダクト空間D1内に流入する。第1ダクト空間D1内に流入した空気は、第1ダクト空間D1内を上方に向けて流れ、第1冷却器41によって冷却される。第1冷却器41によって冷却された冷気は、複数の冷気吹出口31aから冷蔵室27Aに吹き出される。冷蔵室27Aに吹き出された冷気は、冷蔵室27Aを流れた後、野菜室27Bを経由して、再び冷気戻り口31bに戻る。これにより、冷蔵室27Aおよび野菜室27Bを流れる冷気が冷蔵庫1内で循環され、冷蔵室27Aおよび野菜室27Bの冷却が行われる。第1ファン43は、「第1送風機」の一例である。
一方で、第2冷却モジュール45は、例えば、第2冷却器46と、第2ファン48とを含む。第2冷却器46は、第2ダクト空間D2に配置されている。第2冷却器46は、後述する圧縮機17により圧縮された冷媒が供給され、第2ダクト空間D2を流れる冷気を冷却する。
第2ファン48は、例えば、第2ダクト部品32の冷気戻り口32bに設けられている。第2ファン48が駆動されると、主冷凍室27Eの空気が冷気戻り口32bから第2ダクト空間D2内に流入する。第2ダクト空間D2内に流入した空気は、第2ダクト空間D2内を上方に向けて流れ、第2冷却器46によって冷却される。第2冷却器46によって冷却された冷気は、冷気吹出口32aから製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eに流入する。製氷室27Cおよび小冷凍室27Dに流入した冷気は、製氷室27Cおよび小冷凍室27Dを流れた後、主冷凍室27Eを経由して、再び冷気戻り口32bに戻る。これにより、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27E内流れる冷気が冷蔵庫1内で循環され、製氷室27C、小冷凍室27D、および主冷凍室27Eの冷却が行われる。第2ファン48は、「第2送風機」の一例である。
本実施形態では、第1冷却器41と第2冷却器46とにより「冷却部」の一例が構成されている。同様に、第1ファン43と第2ファン48とにより「送風部」の一例が構成されている。
圧縮機17は、例えば、冷蔵庫1の底部の機械室に設けられている。圧縮機17は、貯蔵室27の冷却に用いられる冷媒ガスを圧縮する。圧縮機17により圧縮された冷媒ガスは、後述する凝縮器71などを経由して第1および第2の冷却器41,46に送られる。
制御盤19は、例えば、筐体10の上壁21に設けられている。本実施形態では、筐体10の上壁21の上面は、下方に向けて窪んだ凹部84を有する。制御盤19は、凹部84に配置されている。なお、制御盤19については、詳しく後述する。
[2.冷凍サイクル装置]
上述のように構成された冷蔵庫1は、後述の制御部100によって制御される冷凍サイクル装置70によって冷却される。
[2.1.冷凍サイクル装置の構成]
図3は、冷凍サイクル装置70の構成を示す図である。冷凍サイクル装置70は、冷媒の流れ順に、圧縮機17と、凝縮器71と、ドライヤ72と、三方弁73と、キャピラリーチューブ74,75と、第1冷却器41と、第2冷却器46とが環状に接続されることにより構成される。圧縮機17の高圧吐出口には、凝縮器71とドライヤ72とが順に接続パイプ76を介して接続されている。ドライヤ72の吐出側には、三方弁73が接続されている。三方弁73は、ドライヤ72が接続される1つの入口と、2つの出口とを有している。三方弁73の2つの出口のうち、一方の出口には冷蔵側キャピラリーチューブ74と第1冷却器41とが順に接続されている。第1冷却器41は、接続配管である冷蔵側サクションパイプ77を介して圧縮機17に接続されている。
三方弁73の2つの出口のうち、他方の出口には、冷凍側キャピラリーチューブ75と第2冷却器46とが順に接続されている。第2冷却器46は、接続配管である冷凍側サクションパイプ78を介して圧縮機17に接続されている。第2冷却器46と圧縮機17との間には、第1冷却器41からの冷媒が第2冷却器46側に逆流しないための逆止弁79が設けられている。
[2.2.冷凍サイクル装置の冷媒の流れ]
次に、冷凍サイクル装置70の冷媒の流れを説明する。まず、冷凍サイクル装置70を循環する冷媒は、圧縮機17により圧縮されて、高温、高圧のガス状冷媒となり、流路Aを流れる。このガス状冷媒は、凝縮器71により放熱されて、中温、高圧の液状冷媒となる。その後、ドライヤ72を通って、汚れや水分などの不純物が取り除かれた液状冷媒は、三方弁73により絞り制御されながら、冷蔵側キャピラリーチューブ74(または冷凍側キャピラリーチューブ75)に入る。このとき、冷蔵側キャピラリーチューブ74(または冷凍側キャピラリーチューブ75)内の中温、高圧の液状冷媒は、冷蔵側サクションパイプ77(または冷凍側サクションパイプ78)内の冷媒と熱交換されながら減圧される。そして、この冷媒は、第1冷却器41(または第2冷却器46)を通過しながら蒸発し、第1冷却器41(または第2冷却器46)内が冷却される。その後、低温、低圧のガス状となった冷媒は、冷蔵側サクションパイプ77(または冷凍側サクションパイプ78)に流入する。このとき、第1冷却器41(または第2冷却器46)から冷蔵側サクションパイプ77(または冷凍側サクションパイプ78)に流入した直後の冷媒ガスの温度は、-10℃前後と低温である。しかし、この冷媒ガスは、サクションパイプ77(またはサクションパイプ78)を通る間に、キャピラリーチューブ74(またはキャピラリーチューブ75)内の冷媒と熱交換されて、最終的には室温程度にまで昇温される。そして、この冷媒ガスが圧縮機17に再び吸入されて、冷媒の循環が完了する。
上記の冷凍サイクル装置70において、三方弁73は、制御部100(図4参照)によって制御されており、流路Bおよび流路Cのうち一方または両方を選択する。流路Bは、第1貯蔵室(冷蔵室27A、野菜室27B)を冷却するために冷媒を第1冷却器41に供給する流路であり、一方、流路Cは、第2貯蔵室(製氷室27C、小冷凍室27D、主冷凍室27E)を冷却するために冷媒を第2冷却器46に供給する流路である。これら二つの流路は合流点Dにおいて合流し、冷媒はこの合流点Dから矢印Eの方向に流れて圧縮機17へと戻る。
[3.制御]
図4は、実施形態の冷蔵庫1の制御部100を示すブロック図である。制御盤19は、マイコン、タイマなどを有したコンピュータで構成される制御部100を備え、冷蔵庫1の全般を制御する。第1貯蔵室温度センサ110、第2貯蔵室温度センサ112、第1冷却器温度センサ113、第2冷却器温度センサ114、記憶部116、圧縮機17、三方弁73、第1ファン43、第2ファン48、および操作パネル部150は、それぞれ制御部100に接続されており、制御部100からの指令によってそれぞれ制御される。
第1貯蔵室温度センサ110は、第1貯蔵室内に設けられており、第1貯蔵室内の空気温度を検出する。第1貯蔵室温度センサ110によって検出された第1貯蔵室内の空気温度は、「第1貯蔵室の温度」の一例である。同様に、第2貯蔵室温度センサ112は、第2貯蔵室内に設けられており、第2貯蔵室内の空気温度を検出する。第2貯蔵室温度センサ112によって検出された第2貯蔵室内の空気温度は、「第2貯蔵室の温度」の一例である。第1貯蔵室温度センサ110と、第2貯蔵室温度センサ112とは、それぞれ、例えばサーミスタを含む。本実施形態では、第1貯蔵室温度センサ110と第2貯蔵室温度センサ112とにより「貯蔵室温度センサ」の一例が構成されている。
第1冷却器温度センサ113は、第1冷却器41に取り付けられ、第1冷却器41の温度を検出する。第2冷却器温度センサ114は、第2冷却器46に取り付けられ、第2冷却器46の温度を検出する。第1冷却器温度センサ113と、第2冷却器温度センサ114とは、それぞれ、例えばサーミスタを含む。本実施形態では、第1冷却器温度センサ113と第2冷却器温度センサ114とにより「冷却部温度センサ」の一例が構成されている。
制御部100は、第1貯蔵室を冷却する冷蔵運転を行うには、三方弁73を切り替えて冷媒の流路を流路Bに切り替えることにより、第1冷却器41を冷却する。また、制御部100は、第2貯蔵室を冷却する冷凍運転を行うには、三方弁73を切り替えて冷媒の流路を流路Cに切り替えることにより、第2冷却器46を冷却する。なお、流路Bおよび流路Cの両方が選択された場合は、冷蔵運転および冷凍運転の両方が同時に行われる。
制御部100は、例えば冷蔵運転と冷凍運転を交互に行うことにより、第1貯蔵室および第2貯蔵室がそれぞれの設定温度帯に保たれるように、冷却ユニット15を制御する。制御部100は、冷蔵運転と冷凍運転を、下記に説明する通常冷却モードと特別冷却モードのいずれか1つのモードに従って行う。
記憶部116は、冷蔵庫1の運転に必要な情報を記憶する。記憶部116は、後述する第1基準、第2基準、第3基準、および増加係数テーブルなどを記憶する。
操作パネル部150は、各貯蔵室27の設定温度帯や運転モードを切り替えるための操作を受け付けるとともに、設定内容や現在の運転状況を表示させる。操作パネル部150は、例えば、いわゆるタッチ式の操作パネル部である。タッチ式の操作パネル部は、静電容量式スイッチによって構成されるタッチセンサを備える。
ここで、「設定温度帯」とは、貯蔵室27内の温度の維持目標となる温度帯である。第1貯蔵室の設定温度帯は、例えば1℃~4℃である。第2貯蔵室の設定温度帯は、例えば-18℃~-21℃である。一方、目標温度(冷却目標温度)は、各回の冷蔵運転または冷凍運転において、貯蔵室27の冷却の目標温度である。目標温度は、例えば、設定温度帯の下限値に設定される。
制御部100は、冷蔵運転において、第1貯蔵室の温度が第1貯蔵室の設定温度帯の下限値(目標温度)に達した場合、冷蔵運転を終了して冷凍運転を開始する。なお上記に代えて/加えて、制御部100は、冷蔵運転の間に、第2貯蔵室の温度が第2貯蔵室の設定温度帯の上限値まで上昇した場合、または第2貯蔵室の前回の冷却終了時からの経過時間が予め設定された時間(例えば20分)を超えた場合、冷蔵運転を終了して冷凍運転を開始してもよい。
一方で、制御部100は、冷凍運転において、第2貯蔵室の温度が第2貯蔵室の設定温度帯の下限値(目標温度)に達した場合、冷凍運転を終了して冷蔵運転を開始する。なお上記に代えて/加えて、制御部100は、冷凍運転の間に、第1貯蔵室の温度が第1貯蔵室の設定温度帯の上限値まで上昇した場合、または第1貯蔵室の前回の冷却終了時からの経過時間が予め設定された時間(例えば40分)を超えた場合、冷凍運転を終了して冷蔵運転を開始してもよい。制御部100は、上記制御を繰り返すことで、第1貯蔵室の温度および第2貯蔵室の温度をそれぞれの設定温度帯から大きく外れないようにする。
[3.1.通常冷却モード]
通常冷却モードとは、貯蔵室27の温度と貯蔵室27の目標温度との差分値が大きいほど、冷却ユニット15の制御量(例えば圧縮機17の運転周波数)を大きくする冷却モードである。すなわち、制御部100は、通常冷却モードの冷蔵運転では、第1貯蔵室温度センサ110によって検出された第1貯蔵室の温度が予め設定された第1貯蔵室の目標温度になるように、圧縮機17の運転周波数をフィードバック制御(例えばPID(Proportional-Integral-Differential)制御)する。すなわち、制御部100は、第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との差分値が大きいほど、高い運転周波数で圧縮機17を駆動する。このとき第1ファン43は、圧縮機17の運転周波数が高くなると、それに応じて第1ファン43の回転数も高くするように制御部100により制御される。
同様に、制御部100は、通常冷却モードの冷凍運転では、第2貯蔵室温度センサ112によって検出された第2貯蔵室の温度が予め設定された第2貯蔵室の目標温度になるように、圧縮機17の運転周波数をフィードバック制御(例えばPID制御)する。すなわち、制御部100は、第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との差分値が大きいほど、高い運転周波数で圧縮機17を駆動する。このとき第2ファン48は、圧縮機17の運転周波数が高くなると、それに応じて第2ファン48の回転数も高くするように制御部100により制御される。
通常冷却モードでは、温度センサによって検出された空気温度に基づいて圧縮機17の運転周波数をフィードバック制御することにより、貯蔵室27に投入された負荷に対応して迅速に貯蔵室27の冷却を行うことができる。一方で、通常冷却モードでは、フィードバック制御の特性のために消費電力が大きくなる場合がある。
[3.2.特別冷却モード]
特別冷却モードは、例えば、貯蔵室27の温度が所定以上上昇した場合に実行される冷却モードである。なお「貯蔵室27の温度が所定以上上昇する」とは、例えば、貯蔵室27の温度が予め設定された閾値以上になることでもよく、貯蔵室27の温度の上昇幅が予め設定された閾値以上になることでもよく、貯蔵室27の温度と第1冷却器41(または第2冷却器46)の温度との差分値が閾値以上になることでもよい。なお、「貯蔵室27の温度が所定以上上昇した場合」とは、「貯蔵室27の温度が後述する第1基準を高温側に外れた場合」と称されてもよい。
本実施形態では、制御部100は、貯蔵室温度センサ110,112および冷却器温度センサ113,114の検出結果を所定の周期(例えば1分毎)に監視し、貯蔵室27の温度が所定以上上昇したことが検出された場合に、特別冷却モードを開始する(すなわち後述する第1冷却制御を開始する)。ただし特別冷却モードは、貯蔵室27の温度が所定以上上昇することが検出されることで開始されるものに限定されない。特別冷却モードは、ある制御アルゴリズムが実行されている間に貯蔵室27の温度が上昇することで、結果として実現(開始のための特別な判定処理を行うことなく実現)されるものでもよい。この内容については後述する。
図5は、本実施形態の特別冷却モードを説明するための図である。図5中の(a)は、第1貯蔵室の温度の変化を示す。図5中の(b)は、圧縮器17の運転周波数を示す。図5中の(c)は、第1ファン43の回転数を示す。図5中の(d)は、第2ファン48の回転数を示す。図5中において、期間(1)~(6)の各々は、冷蔵運転が行われる期間である。一方で、図5中において、期間(1)~(6)以外の期間は冷凍運転が行われる期間である。これら定義は、以降の図でも同様である。図5は、時刻txに第1貯蔵室および第2貯蔵室の扉がそれぞれ開かれ第1貯蔵室および第2貯蔵室の両方に負荷(食品など)が投入された場合の例を示す。なお、図5中の(c),(d)では、第1ファン43、第2ファン48の回転数は、各回の冷蔵運転中、冷凍運転中では一定のように示されているが、実際には各回の冷蔵運転中、冷凍運転中における温度変化に追従して変更されてもよい。なお、第1貯蔵室と第2貯蔵室を交互に冷却する場合、特別冷却モードで一方の貯蔵室の冷却を効率的に(短期間で)行うと、他方の貯蔵室の冷却されない時間が短くなり室内がぬるくなりにくいため、他方の貯蔵室の冷却に必要な時間が徐々に減少する。このため図5に示すように、t1-t2間の長さ、t3-t4間の長さ、t5-t6間の長さ、t7-t8の間の長さ、t9-t10間の長さは、徐々に短くなる。また、t2-t3間の長さ、t4-t5間の長さ、t6-t7間の長さ、t8-t9間の長さ、t10-t11の間の長さは、徐々に短くなる。
特別冷却モードの少なくとも一部では、圧縮機17の圧縮能力は、貯蔵室27の温度と貯蔵室27の目標温度との差分値に関わらずに設定される。特別冷却モードでは、制御部100は、貯蔵室27の温度が大きく上昇する場合、圧縮機17を所定の低能力で駆動する第1冷却制御(図5中のS1)、圧縮機17の圧縮能力を段階的に増加させる第2冷却制御(図5中のS2)、圧縮機17を高能力で維持する第3冷却制御(図5中のS3)、および圧縮機17を所定の低能力で駆動する第4冷却制御(図5中のS4)をこの順に行う。ここではまず、第1貯蔵室に関する第1から第4の冷却制御について説明する。
[3.1.1.第1冷却制御]
第1冷却制御では、制御部100は、第1貯蔵室温度センサ110の検出結果に基づく第1温度値(第1温度指標値)が第1基準を満たすまで、所定の低能力で圧縮機17を駆動するとともに、第1貯蔵室温度センサ110の検出結果に基づいて第1ファン43を駆動する。
「第1温度値」の一例は、第1貯蔵室温度センサ110によって検出される第1貯蔵室の温度そのものである。ただし「第1温度値」は、上記例に限定されず、第1貯蔵室の温度変化が反映される指標値であればよい。「第1温度値」は、例えば、第1貯蔵室温度センサ110の検出結果と第1冷却器温度センサ113の検出結果とに基づいて得られる値(例えば第1貯蔵室の温度と第1冷却器41の温度との差分値)でもよい。
「第1基準」は、第1冷却制御から第2冷却制御への切り替え条件として予め設定される基準である。「第1基準」は、例えば、所定の温度上昇後に冷え始めが生じた場合に満たされる基準である。「第1基準」としては、例えば、第1温度値の変化を1分毎に検出し、所定の温度上昇後に第1温度値の低下が検出されることや、第1貯蔵室の温度が所定温度範囲(例えば、5℃以上、且つ、12℃以下の範囲)まで低下することや、ある回の冷蔵運転の冷却終了時において第1貯蔵室の温度が所定温度範囲(例えば、5℃以上、且つ、12℃以下の範囲)にあることなどのうちいずれか1つ以上が設定される。なお、第1貯蔵室に関する第1基準(第1貯蔵室用の第1基準)の条件(例えば、第1基準を満たすと判定される温度値または温度範囲)と、第2貯蔵室に関する第1基準(第2貯蔵室用の第1基準)の条件(例えば、第1基準を満たすと判定される温度値または温度範囲)は、互いに異なってよい。これは、第2基準および第3基準でも同様である。
「所定の低能力」とは、例えば、第1温度値が第1基準を満たした後に使用される圧縮機17の圧縮能力範囲の中央値よりも低い低能力である。図5に示す例では、第1温度値が第1基準を満たした後に使用される圧縮機17の圧縮能力範囲(すなわち、後述する第2から第4の冷却制御において使用される圧縮機17の圧縮能力範囲)は、20Hzから45Hzである。このため、上記圧縮能力範囲の中央値は、32.5Hzである。制御部100は、第1冷却制御において、32.5Hzよりも低い低能力で圧縮機17を駆動する。図5に示す例では、制御部100は、圧縮機17を16Hzで駆動する。
さらに言えば、「所定の低能力」は、上記圧縮能力範囲の中央値(例えば32.5Hz)よりも、上記圧縮能力範囲の最低値(例えば20Hz)に近い値である。本実施形態では、制御部100は、第1冷却制御において、上記圧縮能力範囲の最低値(例えば20Hz)よりもさらに低い低能力で圧縮機17を駆動する。圧縮機17の運転周波数は、「圧縮機の圧縮能力」の一例であり、「圧縮機の制御量」の一例である。
制御部100は、第1冷却制御において、第1貯蔵室温度センサ110の検出結果に基づいて第1ファン43を駆動する。例えば、制御部100は、第1貯蔵室の温度の上昇が大きいほど、第1冷却制御における第1ファン43の回転数を高くする。
本実施形態では、制御部100は、第1貯蔵室温度センサ110の検出結果と第1冷却器温度センサ113の検出結果とに基づいて第1ファン43の回転数を決定する。例えば、制御部100は、第1貯蔵室の温度と第1冷却器41の温度との差分値が大きいほど、第1ファン43の回転数を高くする。例えば、制御部100は、第1貯蔵室の温度と第1冷却器41の温度との差分値が1℃であることを基準として、第1貯蔵室の温度と第1冷却器41の温度との差分値が上記基準に対して1℃大きいごとに、所定回転数(例えば、400rpm)増加させる。なお、ここで説明した第1ファン43の回転数の設定方法は、第1冷却制御に限らず、第2から第4の冷却制御でも同じである。すなわち、制御部100は、第2から第4の冷却制御の各々において、第1貯蔵室の温度と第1冷却器41の温度との差分値が大きいほど、第1ファン43の回転数を高くする。特別冷却モードにおける第1ファン43の回転数は、圧縮機17の運転周波数とは独立して設定される。
なお、第1冷却制御における第1ファン43の回転数の設定方法は、上記例に限定されない。例えば、制御部100は、第1冷却制御において、第1温度値が第1基準を満たした後に使用される第1ファン43の回転数範囲の中央値よりも高い回転数で第1ファン43を駆動してもよい。図5に示す例では、第1温度値が第1基準を満たした後に使用される第1ファン43の回転数(すなわち、後述する第2から第4の冷却制御において使用される第1ファン43の回転数)は、1300rpmから2300rpmである。このため、上記回転数範囲の中央値は、1800rpmである。制御部100は、第1冷却制御において、1800rpmよりも高い回転数で第1ファン43を駆動する。図5に示す例では、制御部100は、第1ファン43を2500rpmで駆動する。例えば、第1冷却制御における第1ファン43の回転数は、第1貯蔵室の温度(または第1冷却器41の温度)に関わらず、予め設定された固定値でもよい。これは、第2から第4の冷却制御でも同様である。
[3.1.2.第2冷却制御]
制御部100は、第1基準が満たされた場合、第1冷却制御を終了し、第2冷却制御を開始する。第2冷却制御では、制御部100は、圧縮機17の圧縮能力を段階的に増加させる。例えば、制御部100は、第2冷却制御における初回の冷蔵運転(図5中の期間(2)の冷蔵運転)の圧縮機17の運転周波数として、第1冷却制御の冷蔵運転の圧縮機17の運転周波数(例えば16Hz)と比べて高い運転周波数(例えば29Hz)を設定する。また、制御部100は、第2冷却制御における2回目の冷蔵運転(図5中の期間(3))の圧縮機17の運転周波数として、第2冷却制御における初回の冷蔵運転の圧縮機17の運転周波数と比べて高い運転周波数(例えば42Hz)を設定する。
制御部100は、第2冷却制御で段階的に増加させる圧縮機17の圧縮能力の増加幅Δfを、第2冷却制御の開始前までに検出された第1温度値の上昇の程度に基づき決定する。例えば、制御部100は、第2冷却制御の開始前までに検出された第1温度値の上昇が大きいほど、第2冷却制御における1回あたりの圧縮能力の増加幅Δfを大きくする。本実施形態では、制御部100は、「第2冷却制御の開始前までに検出された第1温度値の上昇の程度」として、第1冷却制御の終了時(すなわち第2冷却制御の開始時)の第1温度値の大きさに基づいて、第2冷却制御で段階的に増加させる圧縮機17の圧縮能力の増加幅Δfを決定する。
図6は、第2冷却制御で段階的に増加させる圧縮機17の圧縮能力の増加幅Δfを決定するための増加係数テーブルを示す図である。例えば、制御部100は、第1冷却制御の終了時における第1温度値Tが11℃よりも高く、12℃以下である場合は、増加係数として2.5を導出し、第1冷却制御時の圧縮機17の運転周波数に2.5を乗算することで得られる40Hzを、第2冷却制御で段階的に増加させる圧縮機17の圧縮能力の1回あたりの増加幅Δfとする。同様に、制御部100は、第1冷却制御の終了時における第1温度値Tが10℃よりも高く、11℃以下である場合は、増加係数として1.75を導出し、第1冷却制御時の圧縮機17の運転周波数に1.75を乗算することで得られる28Hzを、第2冷却制御で段階的に増加させる圧縮機17の圧縮能力の1回あたりの増加幅Δfとする。第1冷却制御の終了時における第1温度値Tが他の温度を示す場合も同様である。なお、第2冷却制御で段階的に増加させる圧縮機17の圧縮能力の増加幅Δfは、各回の冷蔵運転において異なってもよい。
次に、図5に戻り、第2冷却制御の説明を続ける。制御部100は、第2基準が満たされるまで、第2冷却制御を続ける。「第2基準」は、第2冷却制御から第3冷却制御への切り替え条件として予め設定された基準である。「第2基準」は、例えば、第1貯蔵室の温度低下が所定以上である場合に満たされる基準である。「第2基準」としては、例えば、第1貯蔵庫の温度が所定温度値(例えば7℃)に達することや、第2冷却制御の開始時の第1貯蔵庫の温度から所定温度幅(例えば7℃)低下することや、第2冷却制御における冷蔵運転の冷却終了時の温度が所定温度値(例えば7℃)以下であることなどのいずれか1つ以上が設定される。
[3.1.3.第3冷却制御]
制御部100は、第2基準が満たされると、第2冷却制御を終了し、第3冷却制御を開始する。第3冷却制御では、制御部100は、圧縮機17の圧縮能力を所定の高能力に維持する。「所定の高能力」は、例えば、第1冷却制御における圧縮器17の低能力よりも第2冷却制御時の最大圧縮能力に近い高能力である。例えば、「所定の高能力」は、第2冷却制御で段階的に増加させられた圧縮機17の最終的な圧縮能力と同じ以上の高能力である。第3冷却制御は、例えば、圧縮機17の冷却効率が良好な状態で圧縮機17を高い運転周波数で駆動させ、第1貯蔵室に対する冷やし込みを行うことを目的とする。第3冷却制御は、例えば複数回の冷蔵運転で実行される。
制御部100は、第3基準が満たされるまで、第3冷却制御を続ける。「第3基準」は、第3冷却制御から第4冷却制御への切り替え条件として予め設定された基準である。「第3基準」は、第1貯蔵室が第1貯蔵室の目標温度近くまで冷却された場合に満たされる基準である。「第3基準」としては、例えば、第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との差分値が閾値以下(例えば0.5℃以下)であることなどが設定される。
[3.1.4.第4冷却制御]
制御部100は、第3基準が満たされると、第3冷却制御を終了し、第4冷却制御を開始する。第4冷却制御では、制御部100は、所定の低能力で圧縮機17を駆動する。すなわち、制御部100は、第1貯蔵室の温度が第1貯蔵室の目標温度に到達する前に、圧縮機17の圧縮能力を第3冷却制御の高能力から低下させて圧縮機17を駆動する。
第4冷却制御における「所定の低能力」は、第1冷却制御における「所定の低能力」と同じでもよく、異なってもよい。第4冷却制御における「所定の低能力」は、例えば、第1温度値が第1基準を満たした後に使用される圧縮機17の圧縮能力範囲の中央値よりも低い低能力である。本実施形態では、制御部100は、第4冷却制御において、圧縮機17を20Hzで駆動する。
次に、第2貯蔵室に関する第1から第4の冷却制御について説明する。第2貯蔵室に関する第1から第4の冷却制御は、第1貯蔵室に関する第1から第4の冷却制御と同様である。このため、第2貯蔵室に関する第1から第4の冷却制御は、上述した第1から第4の冷却制御において、「第1貯蔵室」を「第2貯蔵室」と読み替え、「第1冷却器41」を「第2冷却器46」と読み替え、「第1ファン43」を「第2ファン48」と読み替え、「第1貯蔵室温度センサ110」を「第2貯蔵室温度センサ112」と読み替え、「第1冷却器温度センサ113」を「第2冷却器温度センサ114」と読み替え、「第1温度値」を「第2温度値」と読み替えればよい。
「第2温度値(第2温度指標値)」の一例は、第2貯蔵室温度センサ112によって検出される第2貯蔵室の温度そのものである。ただし「第2温度値」は、上記例に限定されず、第2貯蔵室の温度変化が反映される指標値であればよい。「第2温度値」は、例えば、第2貯蔵室温度センサ112の検出結果と第2冷却器温度センサ114の検出結果とに基づいて得られる値(例えば第2貯蔵室の温度と第2冷却器46の温度との差分値)でもよい。
なお、第1貯蔵室に関する「第1基準」と、第2貯蔵室に関する「第1基準」とは、具体的な温度としては互いに異なってもよい。すなわち、第1貯蔵室に関して第1基準を満たす場合の第1温度値と、第2貯蔵室に関して第1基準を満たす場合の第2温度値とは互いに異なってもよい。これは、第2基準および第3基準についても同様である。
本実施形態では、冷蔵運転における圧縮機17の運転周波数と、冷凍運転における圧縮機17の運転周波数とは、それぞれ別々に算出される。また、冷蔵運転における第1ファン43の回転数と、冷凍運転における第2ファン46の回転数とは、それぞれ別々に算出される。このため、第1貯蔵室および第2貯蔵室のそれぞれの扉が開かれ、第1貯蔵室および第2貯蔵室の両方に負荷(食品など)が投入された場合は、図5に示す制御例のようになるが、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのいずれか一方のみに負荷が投入された場合は、別の制御例になる。
例えば、制御部100は、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち一方のみで温度上昇が生じた場合、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち温度上昇が生じた貯蔵室に対して特別冷却モードによる冷却(第1から第4の冷却制御による冷却)を行い、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち温度上昇が生じていない貯蔵室に対しては特別冷却モードによる冷却(第1から第4の冷却制御による冷却)を抑制する。本明細書で「抑制する」とは、特別冷却モードによる冷却を行わないことに限定されず、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち温度上昇が生じた貯蔵室に対して行われる特別冷却モードよりも低い程度(通常冷却モードに近い内容)で特別冷却モードが行われる場合も含む。なお本実施形態では、制御部100は、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち一方のみで温度上昇が生じた場合、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち温度上昇が生じた貯蔵室に対して特別冷却モードによる冷却(第1から第4の冷却制御による冷却)を行い、温度上昇が生じていない貯蔵室に対しては通常冷却モードによる冷却を行う。
図7は、第1貯蔵室に負荷が投入され、第2貯蔵室には負荷が投入されない場合の制御例を示す図である。図7に示すように、制御部100は、第2貯蔵室の温度変化がない場合は、第1貯蔵室を冷却する制御内容に関わらず、第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との差分値に基づき、圧縮機17の運転周波数を決定する。
[4.利点]
以下、実施形態の構成に関する利点について説明する。以下では、説明の便宜上、第1貯蔵室の冷却を中心に説明するが、第2貯蔵室の冷却に関しても同様である。
ここで、ある比較例の冷蔵庫について考える。比較例の冷蔵庫は、貯蔵室内の温度センサと目標温度との差分値をフィードバックして圧縮機17の圧縮能力を決定する。これにより、目標温度よりも貯蔵室の温度が高いほど、圧縮能力を大きく上げることで速やかに冷却を行うことができる。
しかしながら、上記比較例の冷蔵庫では、圧縮機17の効率や冷媒の状態を考慮した制御ではないため、省エネの観点では最適な制御ができない場合がある。例えば、食材などの負荷が貯蔵室に投入され、貯蔵室の温度が上昇した場合、上記比較例の冷蔵庫では圧縮機17は運転周波数を上げて駆動されることになるが、貯蔵室の温度が上昇した状態(すなわち、冷媒が早々と気化し、冷却器から圧縮機17に戻る冷媒の温度が上昇し、冷媒が膨張して体積が大きくなった状態)で圧縮機17の運転周波数を高くすると、圧縮機17の負荷が大きく、圧縮機17の冷却効率(冷却に関する消費電力効率)が低下する場合がある。すなわち、貯蔵室の温度が大きく上昇した場合に運転周波数を上げて圧縮機17を駆動すると、省エネ性が低下する場合がある。
そこで本実施形態では、制御部100は、第1貯蔵室の温度が所定以上上昇する場合に、第1貯蔵室温度センサ110の検出結果に基づく第1温度値が第1基準を満たすまで、所定の低能力で圧縮機17を駆動するとともに、第1貯蔵室温度センサ110の検出結果に基づいて第1ファン43を駆動する。このような構成によれば、第1冷却制御が行われることで、負荷の投入で貯蔵室27の温度が大きく上昇した場合でも、圧縮機17を敢えて低能力で運転することで冷却効率を高く維持しつつ、第1貯蔵室の温度に応じて第1ファン43の回転数を増加させることで冷却不足の一部を補うことができる。これにより、圧縮機17の冷却効率の低下を抑制しながら第1貯蔵室の冷却を行うことができ、省エネ性能の向上を図ることができる。
本実施形態では、制御部100は、第1貯蔵室の温度の上昇が大きいほど、第1冷却制御における第1ファン43の回転数を高くする。このような構成によれば、第1冷却器41の温度よりも第1貯蔵室の温度が高い条件で第1ファン43の回転数を上げることで、冷気循環を効率良く行い、負荷投入における温度上昇をさらに抑制することができる。
ここで、第1冷却制御のみでは、制御部100は、目標温度までの冷却時間が遅くなる場合もあり得る。そのため、本実施形態では、第1冷却制御の終了後、圧縮機17の圧縮能力を段階的に増加させる第2冷却制御を行う。このような構成によれば、例えば、貯蔵室27の温度上昇が落ち着き、貯蔵室27の温度の低下が見られたタイミングで圧縮機17の圧縮能力を増加させ、冷却速度に重みを置いて冷却を行うことで、第1冷却制御で不足する冷却性能を補うことができる。すなわち、第1冷却制御と第2冷却制御とを組み合わせることで、省エネ性と冷却性能のバランスをとることができる。また、第2冷却制御において、圧縮機17の圧縮能力を一気に高くするのではなく、段階的に増加させることで、圧縮機17の冷却効率をより向上させることができる。
本実施形態では、制御部100は、第2冷却制御の開始前までに検出された第1温度値の上昇の程度に基づき、第2冷却制御で段階的に増加させる圧縮機17の圧縮能力の増加幅を決定する。このような構成によれば、第1貯蔵室の温度変化などから圧縮機17の冷却能力の増加幅を決定することで、さまざまな負荷が投入された場合でも所定の冷却時間内に第1貯蔵室の温度を目標温度まで近づけることができる。
本実施形態では、制御部100は、第2冷却制御の終了後、圧縮機17の圧縮能力を、第1冷却制御における低能力よりも第2冷却制御における最大圧縮能力に近い高能力に維持する第3冷却制御を行う。このような構成によれば、冷媒の過度の気化が抑制され冷却器41を有効に活用することができる状態で圧縮機17の圧縮能力を高く維持することで、圧縮機17の冷却効率を高めつつ第1貯蔵室を目標温度まで最後の冷やし込みを行うことができる。これにより、第1冷却制御を行った場合でも、比較的短い冷却時間で第1貯蔵室を目標温度まで冷却することができる。また、第1貯蔵室の温度がある程度低下した状態は、冷却器から圧縮機17に戻る冷媒の温度が低く冷媒の体積が比較的小さい状態であり、圧縮機17の負荷が小さい状態である。このような状態で圧縮機17の運転周波数を高めることで、圧縮機17を高い冷却効率で使用することができる。
ここで、第3冷却制御は冷却能力が高いため、第3冷却制御のまま第1貯蔵室の目標温度に達すると、冷却を停止したとしても、第1貯蔵室の温度低下がすぐには止まらず、第1貯蔵室の温度が低下を続ける場合がある。このため、第3冷却制御のまま第1貯蔵室の目標温度に達すると、第1貯蔵室を必要以上に冷却することになる。
そこで本実施形態では、制御部100は、第1貯蔵室の温度が第1貯蔵室の目標温度に到達する前に、圧縮機17の圧縮能力を第3冷却制御における高能力から低下させて圧縮機17を駆動する第4冷却制御を行う。このような構成によれば、余剰な冷却を抑制することができ、冷蔵庫1の省エネ性をさらに向上させることができる。
本実施形態では、制御部は、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち一方のみで温度上昇が生じた場合、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち温度上昇が生じた貯蔵室に対してのみ第1から第4の冷却制御を行う。このような構成によれば、各貯蔵室に投入された負荷に応じて、貯蔵室ごとに適切な圧縮機17の圧縮能力を決定することができる。
以下、実施形態のいくつかの変形例について説明する。なお以下に説明する以外の構成は、上述した実施形態と同様である。
(第1変形例)
図8は、第1変形例の特別冷却モードを説明するための図である。第1変形例では、第4冷却制御において、圧縮機17の圧縮能力を段階的に減少させる。例えば、制御部100は、第3冷却制御における圧縮機17の運転周波数が高いほど、第4冷却制御における1回あたりの圧縮能力の減少幅を大きくする。
このような構成によれば、高能力から急激に圧縮能力を低下する場合に比べて、貯蔵室27の温度が安定しやすく、また余剰の冷却もさらに生じにくくなる。
(第2変形例)
図9は、第2変形例の特別冷却モードを説明するための図である。第2変形例では、制御部100は、例えば第1から第4の冷却制御の各々において、第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との乖離度と、第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との乖離度とのうち一方のみが閾値以上である場合、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち上記乖離度が上記閾値未満である貯蔵室を冷却する圧縮機17の圧縮能力を、第1冷却制御における低能力の範囲(すなわち、第1温度値または第2温度値が第1基準を満たした後に使用される圧縮機17の圧縮能力範囲の中央値よりも低い範囲)で少なくとも1回増加させる。なお、第1貯蔵室に関する閾値と、第2貯蔵室に関する閾値は、互いに異なってもよい。これは以下に示す全ての例で同様である。
別の観点で見ると、制御部100は、例えば第1から第4の冷却制御の各々において、第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との乖離度と、第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との乖離度とのうち一方のみが閾値以上である場合、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち上記乖離度が上記閾値未満である貯蔵室を冷却する圧縮機17の圧縮能力を、上記低能力の範囲、または第2冷却制御における最大圧縮能力よりも上記低能力に近い範囲で段階的に増加させる。例えば、制御部100は、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち上記乖離度が上記閾値未満である貯蔵室を冷却する圧縮機17の圧縮能力を、上述した第1冷却制御から第3冷却制御の期間に亘り、段階的に増加させる。
図9に示す例は、第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との乖離度が閾値以上(例えば10℃以上)であり、第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との乖離度が閾値未満である場合を示す。この場合、制御部100は、第2貯蔵室の冷却において、圧縮機17の圧縮能力を、第2貯蔵室に関する第1冷却制御における低能力の範囲で少なくとも1回増加させる。なお図9において、期間(1)よりも前の期間(圧縮機17の運転周波数が約25Hzの期間)は、冷蔵庫1が閉扉で安定的に動作している通常状態である。この定義は、図10に示す第3変形例でも同様である。
このような構成によれば、第1貯蔵室に負荷が投入された場合、第2貯蔵室の冷却における圧縮機17の圧縮能力を低能力の範囲内で増加させることで、本制御が行われない場合と比べて、第2貯蔵室の温度が第2貯蔵室の目標温度に到達するまでの時間を短くすることができる。第2貯蔵室の温度が第2貯蔵室の目標温度に到達するまでの時間を短くすることができると、冷凍運転を早く終了して冷蔵運転を再開することができる。これにより、圧縮機17の冷却効率を高く維持しつつ、負荷が投入された第1貯蔵室の温度が冷凍運転中に大きく上昇すること、およびその結果として第1貯蔵室の冷却に関する圧縮機17の運転周波数を大きく増加させる必要性を抑制することができる。
ここで、第1貯蔵室に負荷が投入された場合、第1貯蔵室の冷却が優先される(例えば第2貯蔵室の冷却への切り替えが遅くなる)ため、第2貯蔵室の温度が上昇する場合がある。制御部100は、第2貯蔵室温度センサ112の検出結果に基づき上記事象を検知し、第2貯蔵室冷却時の圧縮機17の制御量(例えば運転周波数)を徐々に上昇させてもよい。図9に示す例では、制御部100は、第1冷却制御から第3冷却制御の期間に亘り、圧縮機17の圧縮能力を、第2冷却制御における最大圧縮能力よりも上記低能力に近い範囲で段階的に増加させる。これにより、第1貯蔵室の冷却が優先される場合であっても、第2貯蔵室の温度の上昇を抑制することができる。この場合も、第2貯蔵室の温度が上昇しやすい期間(第1貯蔵室の冷却が優先される期間)で圧縮機17の運転を低く抑制することで、圧縮機17の冷却効率の低下を抑制しながら第2貯蔵室の冷却を行うことができ、省エネ性能の向上を図ることができる。
なお、上述した説明において、閾値と比較される「貯蔵室の温度と貯蔵室の目標温度との乖離度」は、「貯蔵室の温度」でもよい。すなわち、制御部は、第1貯蔵室の温度と、第2貯蔵室の温度とのうち一方のみが閾値以上である場合、第1貯蔵室および第2貯蔵室の両方の上記温度が上記閾値未満である場合と比べて、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち上記温度が上記閾値未満である貯蔵室を冷却する圧縮機17の圧縮能力を、第1冷却制御における低能力の範囲で増加させてもよい。「第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との乖離度」および「第1貯蔵室の温度」は、それぞれ「第1貯蔵室の温度に関する値」の一例である。同様に、「第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との乖離度」および「第2貯蔵室の温度」は、それぞれ「第2貯蔵室の温度に関する値」の一例である。また、閾値と比較される値は、貯蔵室の温度に関する値に限定されず、貯蔵室27に投入された負荷量を推定した値などでもよい。
(第3変形例)
図10は、第3変形例の特別冷却モードを説明するための図である。第3変形例では、制御部100は、例えば第1から第4の冷却制御の各々において、第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との乖離度と、第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との乖離度とのうち一方のみが閾値以上である場合、第1貯蔵室および第2貯蔵室の両方の上記乖離度が上記閾値未満である場合と比べて、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち上記乖離度が上記閾値未満である貯蔵室を冷却する冷却時間を短くする。
図10に示す例は、第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との乖離度が閾値以上(例えば10℃以上)であり、第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との乖離度が閾値未満である場合を示す。この場合、制御部100は、第2貯蔵室の冷却において、第2貯蔵室の冷却時間を短くする。例えば、制御部100は、第1貯蔵室の前回の冷却終了(または第2貯蔵室の冷却開始)からの経過時間が予め設定された所定時間(例えば40分)を超えた場合に第2貯蔵室の冷却を終了して第1貯蔵室の冷却に移行する設定がなされている場合、上記所定時間の設定を短くする(例えば30分に設定する)。また、制御部100は、上記に代えて/上記に加えて、第2貯蔵室の設定温度帯の下限値(第2貯蔵室の冷却の目標温度)を少なくとも一時的に引き上げることで、第2貯蔵室の冷却時間を短くする。
このような構成によれば、第1貯蔵室に高負荷が投入された場合、第2貯蔵室の冷却時間を短くすることができる。すなわち、冷凍運転を早く終了して冷蔵運転を再開することができる。これにより、圧縮機17の冷却効率を高く維持しつつ、負荷が投入された第1貯蔵室の温度が冷凍運転中に大きく上昇すること、およびその結果として圧縮機17の運転周波数を大きく増加させる必要性を抑制することができる。
ここで、第1貯蔵室に負荷が投入された場合、第1貯蔵室の冷却が優先される(例えば第2貯蔵室の冷却への切り替えが遅くなる)ため、第2貯蔵室の温度が上昇する場合がある。このため図10に示すように、第1貯蔵室に負荷が投入された後の数回の第2貯蔵室の冷却時間は、ある程度の時間が必要になる。しかしながら、その後、第2貯蔵室が十分に冷えるため、第2貯蔵室の冷却時間は短くなる。
なお、上述した説明において、閾値と比較される「貯蔵室の温度と貯蔵室の目標温度との乖離度」は、「貯蔵室の温度」でもよい。すなわち、制御部は、第1貯蔵室の温度と、第2貯蔵室の温度とのうち一方のみが閾値以上である場合、第1貯蔵室および第2貯蔵室の両方の上記温度が上記閾値未満である場合と比べて、第1貯蔵室と第2貯蔵室とのうち上記温度が上記閾値未満である貯蔵室を冷却する冷却時間を短くしてもよい。「第1貯蔵室の温度と第1貯蔵室の目標温度との乖離度」および「第1貯蔵室の温度」は、それぞれ「第1貯蔵室の温度に関する値」の一例である。同様に、「第2貯蔵室の温度と第2貯蔵室の目標温度との乖離度」および「第2貯蔵室の温度」は、それぞれ「第2貯蔵室の温度に関する値」の一例である。また、閾値と比較される値は、貯蔵室の温度に関する値に限定されず、貯蔵室27に投入された負荷量を推定した値などでもよい。
以上、実施形態およびいくつかの変形例について説明した。ただし実施形態および変形例は上記例に限定されない。例えば、特別冷却モードは、所定の条件(例えば貯蔵室27の温度が所定以上上昇すること)が満たされるか否かを検出することなく実行されてもよい。例えば、冷蔵庫1は、冷蔵運転と冷凍運転とを交互に行うとともに、ある回の冷蔵運転の制御内容(例えば圧縮機17の運転周波数)を、前回の冷蔵運転または直前の冷凍運転の間に検出された情報に基づいて決定してもよい。この場合、前回の冷蔵運転(または直前の冷凍運転)と今回の冷蔵運転との間に負荷が投入されて貯蔵室27の温度が大きく上昇しても、今回の冷蔵運転における圧縮機17の運転周波数は低能力に設定される。すなわち、第1冷却制御を開始するための特別な判定処理が行われることなく、結果として第1冷却制御が実現される。なお、ある回の冷蔵運転の制御内容を、前回の冷蔵運転または直前の冷凍運転の間に検出された情報に基づいて決定する冷蔵庫1の詳細については、本発明者らが平成31年2月26日に出願した特願2019-033286の出願原稿に記載されている。この出願原稿の内容は、その全体が本願明細書において参照により援用される。
なお、実施形態において、第1から第4の冷却制御は、全てが必須であるわけではない。例えば、第2から第4冷却制御のうちいずれか1つ以上(例えば、第4冷却制御、または第3冷却制御および第4冷却制御)は、省略されてもよい。また、第2冷却制御を行う代わりに、第1冷却制御の終了後に圧縮機17の圧縮能力を一気に増加させてもよい。
また上述した実施形態では、第1貯蔵室に送られる空気を冷却する第1冷却器41と、第2貯蔵室に送られる空気を冷却する第2冷却器46とが別々に設けられている。これに代えて、第1貯蔵室に送られる空気および第2貯蔵室に送られる空気の両方を冷却する1つの冷却器(冷却部)と、第1貯蔵室に送られる空気の流路と第2貯蔵室に送られる空気の流路とを切り替えるダンパ装置と、ダンパ装置により流路が切り替えられることで、冷却器で冷却された空気を第1貯蔵室と第2貯蔵室とに交互に送る送風機(共通送風機)とが設けられてもよい。このような構成によっても、制御部100によって上記実施形態または上記変形例と同様の制御が行われることで、冷却制御の向上を図ることができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫の制御部は、第1貯蔵室の温度が所定以上上昇する場合に、貯蔵室温度センサの検出結果に基づく第1温度値が第1基準を満たすまで、第1温度値が第1基準を満たした後に使用される圧縮能力範囲の中央値よりも低い低能力で圧縮機を駆動するとともに、貯蔵室温度センサの検出結果に基づいて送風部を駆動する。このような構成によれば、さらなる冷却制御の向上を図ることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。