JP2018150631A - 機能性繊維物、機能性繊維物の製造方法、及び、機能剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維物にアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を重合体として付着させる等で、「防炎性能の低下抑制」と「付着力の向上」の両立などを実現する。【解決手段】ポリエステル繊維2を含む繊維物1には、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体が付着している。繊維物1は、ポリエステル繊維2を含む糸条1aと、ポリエステル繊維2を含む布帛1bと、糸条1a及び/又は布帛1bを用いた繊維製品1cのうち、何れかであっても良い。又、ポリエステル繊維2を含む繊維物1の製造方法において、繊維物1を、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩、及び、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーを含む水系処理剤3によって加工する。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリエステル繊維を含む繊維物、この繊維物の製造方法、及び、ポリエステル繊維を含む繊維物に付着する剤に関する。
従来、繊維製品が知られている(特許文献1)。
この繊維製品は、粘土鉱物からなるアレルゲン吸着剤と、水溶性ヒドラジン誘導体と、多孔質無機物質と、金属酸化物とを含有してなる消臭組成物と、銀系及び亜鉛系の抗菌剤を含有してなる抗菌組成物とが、バインダー樹脂により少なくとも一部に付着している。
特開2011−231432号公報
しかしながら、特許文献1に記載された繊維製品は、付着させる抗菌剤によって抗菌機能は発揮できても、この抗菌剤の他、アレルゲン吸着剤や水溶性ヒドラジン誘導体、多孔質無機物質、金属酸化物も付着させる必要があるため、燃え易いバインダー樹脂を必須としており、このバインダー樹脂によって、繊維製品本来の防炎性能は低下する。
又、特許文献1の段落0034には、繊維製品の繊維として、ポリエステル繊維が例示されているものの、ポリエステル繊維には、ヒドロキシル基やカルボキシル基等の反応基が不足しているため、抗菌剤等の繊維製品に対する付着力が十分に得られない虞がある。
そこで、本発明は、繊維物にアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を重合体として付着させる等により、「防炎性能の低下抑制」と「付着力の向上」の両立などを実現できる繊維物、繊維物の製造方法、及び、剤を提供することを目的とする。
本発明に係る繊維物1は、ポリエステル繊維を含む繊維物であって、当該繊維物には、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体が付着していることを第1の特徴とする。
本発明に係る繊維物1の第2の特徴は、ポリエステル繊維を含む繊維物であって、当該繊維物には、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を含む化合物が付着し、当該繊維物は、JIS−L−1091:1999における、A−1法に準じる燃焼面積が30cm2 以下であり、A−1法に準じる残炎時間が3秒以下であり、D法に準じる接炎回数が3回以上である、又は、JIS−L−1091:1999における、A−2法に準じる燃焼面積が40cm2 以下であり、A−2法に準じる残炎時間が5秒以下であり、D法に準じる接炎回数が3回以上である点にある。
本発明に係る繊維物1の第3の特徴は、上記1又は2の特徴に加えて、当該繊維物は、一般社団法人繊維評価技術協議会が制定するSEKマーク繊維製品の洗濯方法の標準洗濯法に準じる洗濯の前及び/又は後において、JIS−L−1902:2015の菌液吸収法に準じる抗菌活性値が2.2以上である点にある。
本発明に係る繊維物1の第4の特徴は、上記第1〜3の特徴に加えて、当該繊維物は、前記ポリエステル繊維を含む糸条と、前記ポリエステル繊維を含む布帛と、前記糸条及び/又は布帛を用いた繊維製品のうち、何れかである点にある。
これらの特徴により、ポリエステル繊維2を含む繊維物1に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を重合体として付着させることによって、燃焼し易いバインダー樹脂を一切使用せず(有さず)、又は、バインダー樹脂を多量に使用せずとも、繊維物1にアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体を付着でき、繊維物1自体が持つ防炎性能の低下を抑制できる。
これと同時に、繊維物1において、ヒドロキシル基やカルボキシル基等の反応基をほとんど持たないポリエステル繊維2であっても、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、重合体となって絡みつく等で、繊維物1に対する付着力が向上する。
つまり、「防炎性能の低下抑制」と「付着力の向上」の両立が実現できる。
ここで、繊維物1は、本来有する防炎性能の低下を抑制すると共に、付着させたアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体による「抗菌性能」など種々の機能を有する「機能性繊維物」であるとも言える。
又、ポリエステル繊維2を含む繊維物1に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を含む化合物を付着させ、JIS−L−1091:1999のA−1法に準じる燃焼面積を30cm2 以下とし、残炎時間を3秒以下とし、D法に準じる接炎回数を3回以上とするか、又は、JIS−L−1091:1999のA−2法に準じる燃焼面積を40cm2 以下とし、残炎時間を5秒以下とし、D法に準じる接炎回数を3回以上とすることによって、繊維物1にアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の化合物を付着でき、所定の付着力を確保できる。
更に、繊維物1を、SEKマーク繊維製品の標準洗濯法に準じる洗濯の前及び/又は後において、JIS−L−1902:2015の菌液吸収法に準じる抗菌活性値を2.2以上とすることによって、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の化合物等を付着させた繊維物1の洗濯耐久性が向上する。
尚、繊維物1は、ポリエステル繊維2を含む糸条1aと、ポリエステル繊維2を含む布帛1bと、糸条1a及び/又は布帛1bを用いた繊維製品1cのうち、何れかであっても良い。
本発明に係る繊維物1の製造方法は、ポリエステル繊維を含む繊維物の製造方法であって、前記繊維物を、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩、及び、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーを含む水系処理剤によって加工することを第1の特徴とする。
本発明に係る繊維物1の製造方法の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、及び/又は、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドである点にある。
本発明に係る繊維物1の製造方法の第3の特徴は、上記第1又は2の特徴に加えて、前記単官能水溶性ビニルモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートである点にある。
本発明に係る繊維物1の製造方法の第4の特徴は、上記第1〜3の何れかの特徴に加えて、前記水系処理剤は、過酸化化合物も含む点にある。
本発明に係る繊維物1の製造方法の第5の特徴は、上記第4の特徴に加えて、前記過酸化化合物は、過酸化水素、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドのうち、少なくとも何れか1種を含む点にある。
これらの特徴により、繊維物1を、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩、及び、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーを含む水系処理剤3によって加工することによって、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーのヒドロキシル基と、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩との結合反応などが繊維物1上で発現し、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩が重合体として繊維物1に絡みついて付着すること等となるため、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を単独で処理するより、前記単官能水溶性ビニルモノマーも併用することで、繊維物1自体が持つ防炎性能の低下を抑制できる。
これと同時に、繊維物1において、反応基をほとんど持たないポリエステル繊維2であっても、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、重合体となって絡みつくこと等で、繊維物1に対する付着力が向上する。
つまり、「防炎性能の低下抑制」と「付着力の向上」の両立が実現できる。
ここで、繊維物1が上述したように「機能性繊維物」と言えることから、繊維物1の製造方法は、「機能性繊維物の製造方法」であるとも言える。
尚、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、及び/又は、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドであっても良い。
ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートであっても良い。
更に、繊維物1の製造方法における水系処理剤3に過酸化化合物も含むことによって、この過酸化化合物が、前記単官能水溶性ビニルモノマー同士の重合反応における開始剤となり、その結果、単官能水溶性ビニルモノマーのヒドロキシル基と、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩との結合反応がより多く発現し、更なる「防炎性能の低下抑制」と「付着力の向上」の両立を実現できる。
尚、過酸化化合物は、過酸化水素、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドのうち、少なくとも何れか1種を含んでも良い。
本発明に係る剤10は、ポリエステル繊維を含む繊維物に付着する剤であって、当該剤は、前記繊維物に付着された際に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成した重合体が含まれることを第1の特徴とする。
この特徴により、ポリエステル繊維2を含む繊維物1に付着された際に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体を含む剤10とすることによって、繊維物1において、ヒドロキシル基やカルボキシル基等の反応基をほとんど持たないポリエステル繊維2であっても、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体が絡みつくこと等で、繊維物1に対する付着力が向上する。
ここで、剤10は、繊維物1が有する防炎性能の低下を抑制しつつ、付着させるアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体による「抗菌性能」など種々の機能を、繊維物1に持たせるため、「機能剤」であるとも言える。
本発明に係る繊維物や、繊維物の製造方法、剤によると、繊維物にアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を重合体として付着させる等によって、「防炎性能の低下抑制」と「付着力の向上」の両立などを実現できる。
本発明に係る繊維物を例示する図面代用写真であって、試験1における実施例1の布帛(試料)を示す。 本発明に係る繊維物を例示する図面代用写真であって、試験1における実施例2の布帛(試料)を示す。 試験1における比較例1の布帛(試料)を示す図面代用写真である。 試験1における比較例2の布帛(試料)を示す図面代用写真である。 試験1における比較例3の布帛(試料)を示す図面代用写真である。 試験1における比較例4の布帛(試料)を示す図面代用写真である。
<繊維物1>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1、2には、本発明に係る繊維物1が例示されている。
繊維物1には、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体や、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を含む化合物が付着している。
ここで、本発明における「繊維物1に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体などが付着する」とは、上述したように、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体などが、繊維物1に絡みついて付着することの他、本発明における「繊維物1に付着する」とは、繊維物1におけるポリエステル繊維(重合体)2と、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体等との間の分子間力によって付着したり、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体などにおけるアルコキシシリル基が、繊維物1に含まれるヒドロキシル基やカルボキシル基等の反応基と結合して付着することも含む。
尚、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体などが付着する前の繊維物は、付着前繊維物1’であるとも言える。
又、本発明においては、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体などは、繊維物1に含まれているポリエステル繊維2に少なくとも付着していれば良く、これと同時に、ポリエステル繊維2以外の繊維等にも付着していても構わない。
尚、繊維物1にアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体等を付着させるタイミングも、特に限定はなく、例えば、繊維物1が、後述の布帛1bや繊維製品1cである場合は、<前加工>糸条1aの状態でアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体などを付着した後に、布帛1bや繊維製品1cとしたり、<後加工>先に糸条1aを布帛1bや繊維製品1cとした後に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体などを付着する等であっても構わない。
このような本発明の「繊維物1」とは、ポリエステル繊維2を含んでいれば、何れの構成であっても良いが、例えば、ポリエステル繊維2を含む糸条1aと、ポリエステル繊維2を含む布帛と、糸条1a及び/又は布帛1bを用いた繊維製品1cのうち、何れかであっても良い。
<糸条1a、ポリエステル繊維2>
図1、2に示されたように、糸条1aは、少なくともポリエステル繊維2を含んでいれば、糸、綱、紐など何れの構成でも良く、このポリエステル繊維2の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等であっても良い。又、当然、糸条1a全てがポリエステル繊維2で構成されていても良い。
糸条1aは、ポリエステル繊維2以外の繊維を含んでいても良く、例えば、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル系繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維、その他、絹(シルク)繊維、綿繊維、麻繊維、羊毛繊維、ガラス繊維などであり、これらを単独又は組み合わせた繊維が含まれていても良い。
糸条1aを構成する繊維(フィラメント)の数も、特に限定はなく(つまり、糸条1aは、モノフィラメントでも、マルチフィラメントでも良く)、糸条1aの繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、20dtex以上3000dtex以下である。
又、糸条1aは、防炎処理(難燃処理)を施されたものであっても良く、例えば、ポリエステル繊維2であれば難燃性物質を共重合させた糸条であったり、溶融紡糸時に難燃性物質を練り込んだ糸条であったり、難燃性物質を後処理にて付与した繊維であっても構わない。又、難燃性物質はリン系化合物であっても、ハロゲン系化合物であっても又その両方の化合物あっても良い。
<布帛1b>
図1、2に示されたように、布帛1bも、少なくともポリエステル繊維2を含んでいれば良く、布帛1b全てがポリエステル繊維2で構成されていたり、ポリエステル繊維2以外の繊維を含んでいても構わない。
布帛1bは、編物、織物、不織布や、それらを組み合わせたものである。
布帛1bが編物の場合、デンビー編(トリコット編)や、ラッシェル編、ダブルラッシェル編、バンダイク編(アトラス編)、コード編などの経編や、平編(天竺編)、ゴム編(リブ編)、パール編などの緯編など、それぞれ何れの組織であっても構わない。
布帛1bが織物の場合、何れの織組織でも構わないが、例えば、平織や綾織、朱子織、二重織、二重織以上の多重織などであっても良い。
布帛1bが不織布である場合には、例えば、往復するニードルに繊維を引っ掛けて繊維相互間を交絡したニードルパンチ不織布であっても良く、その他、熱融着性繊維を含有し加熱により成形されたサーマルボンド不織布、ノズルから紡糸された長繊維(フィラメント)を動くスクリーン上に積層して結合させたスパンボンド不織布、ステッチボンド不織布等をニードルパンチ法などによって結合させたものであっても構わない。
<繊維製品1c>
繊維製品1cは、上述した糸条1aや布帛1bを用いていれば、何れのものでも良いが、例えば、カーテンや布製(布帛製)のブラインド、暗幕の他、じゆうたんや毛せんその他の床敷物(じゅうたん等)であっても良い。
ここで、詳解すれば、じゅうたん等とは、織りカーペット等のじゅうたんの他、フェルトカーペット等の毛せんやタフテッドカーペット、ニッテッドカーペット、フックドラッグ、接着カーペット、ニードルパンチカーペット、ござ、人工芝、合成樹脂製床シートなどを含む。
又、繊維製品1cは、椅子張地、壁張地、天井張地であったり、ソファーなどのインテリア製品、カーシートなどの車輌内装品、ジャケット、スカート、パンツ、下着などの一般衣料から、スポーツ衣料、衣料資材であっても良い。
この他、繊維製品1cは、化粧品、化粧品マスク、ワイピングクロス、健康用品などの生活用途や研磨布、フィルター、有害物質除去製品、電池用セパレーターなどの環境・産業資材用途や、縫合糸、スキャフォールド、人工血管、血液フィルターなどの医療用途に使用しても良い。
ここまで述べた糸条1aや布帛1b、繊維製品1cの繊維物1には、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体などが付着しているが、それ以外にも、ハロゲン化リン酸エステルなどの難燃剤や、その他の抗菌剤が付着(付与)されていても良い。
又、繊維物1には、酸化チタン、炭酸カルシウム等の体質顔料やフィラー(充填材)を任意に付与したり、消臭剤、防カビ剤、撥水剤、防汚剤、着色剤、香料、発泡剤等を付与しても良い。
その他、繊維物1の色彩については、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、青色系、紫色系、黒色系、白色系など何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
<水系処理剤3>
水系処理剤3は、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩と、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーを少なくとも含む処理剤であり、又、過酸化化合物も含んでいても良い。
この水系処理剤3で上述した繊維物1を加工(処理)することによって、燃焼し易いバインダー樹脂を一切使用せず(有さず)、又は、バインダー樹脂を多量に使用せずとも、繊維物1に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体を、確り付着させることが出来る。
又、水系処理剤3で上述した繊維物1を加工することによって、繊維物1に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を含む化合物を、確り付着させることが出来るとも言える。
尚、水系処理剤3は、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩と、前記単官能水溶性ビニルモノマーと過酸化化合物が、何れも粉末(固形)状であるだけでなく、これらのうちの何れか又は全てが、水や水性溶媒、有機溶媒に、分散又は溶解した液体状であっても良い。水系処理剤3が液体状の場合は、処理液であるとも言える。
<アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩>
上述した水系処理剤3に含まれるアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドと、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドのうち、何れか1種又は2種であっても良い。
これらアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、通常、メタノール又はエタノール等の有機溶剤を溶媒として、所定の成分濃度(例えば、50.0重量%以上60.0重量%以下など)のものを、繊維物1の加工(処理)時に、適宜、水に希釈して使用される。
この他、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、オクタデシルジエチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジエチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジ−n−プロピル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、オクタデシルジ−n−プロピル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等であっても良い。
ここまで述べたアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の中から少なくとも1 種を適宜選択して使用することも出来る。
ここで、本発明における「アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体」とは、ケイ素原子(Si)を1つずつ持つアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩それぞれが、互いのケイ素原子(Si)の間に、酸素原子(O)を挟んで重合(縮合重合)したものである。
従って、「アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体」は、シロキサン結合(Si−O−Si結合)を必ず有する。このシロキサン結合が、1つのケイ素原子に対して1つ〜4つ(又は1つ〜3つ)存在(結合)することで、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体は、線条構造や立体構造を成して、繊維物1に絡みつく等により付着する。
換言すれば、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体は、1〜4官能性(又は1〜3官能性)モノマーユニット(一般式[Rn SiO(4-n)/2m (尚、Rは、メチル基等のアルキル基、第4級アンモニウム塩を含むアルキル基(例えば、[(C36 )N+ (CH32 (CH217CH3 ]Cl- 等)、フェニル基、ビニル基などの置換基、nは0〜3(又は0〜2)の整数、mは2以上の整数)を有するとも言える。
つまり、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体は、この重合体を構成する上述のモノマーユニット(一般式[Rn SiO(4-n)/2m )のうち、少なくとも1つのモノマーユニットが、そのRとして、少なくとも1つの第4級アンモニウム塩を含むアルキル基を含んでいれば良い。
又、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体は、全てのモノマーユニットが、そのRとして、少なくとも1つの第4級アンモニウム塩を含むアルキル基を含んでいても構わない。
ここで、本発明における「モノマーユニット」とは、『重合体(高分子(ポリマー)又はオリゴマー分子)中で、重合体の基本構造の構成単位となり得る分子から形成される最大の構成単位』を意味する(国際純正応用化学連合(IUPAC) 高分子命名法委員会による高分子科学の基本的術語の用語集[“Glossary of Basic Terms in Polymer Science (IUPAC Recommendations 1996) ”, Pure Appl.Chem., 68,2287-2311 (1996)]における定義1.1 、1.2 、1.3 、1.8 、1.14参照) 。
一方、本発明における「アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を含む化合物」は、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩そのものは勿論、上述のアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体も含む。
又、これら2つ以外の物質(例えば、後述するヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーや、この単官能水溶性ビニルモノマーから生成される重合体)が、「アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を含む化合物」に含まれていても良い。
<ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマー>
上述した水系処理剤3に含まれるヒドロキシル基(水酸基)を有する単官能水溶性ビニルモノマーは、具体的には、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート(2-hydroxyethyl methacrylate :2−HEMA)であっても良い。
又、前記単官能水溶性ビニルモノマーは、1−ヒドロキシエチルメタアクリレート(1-hydroxyethyl methacrylate )であったり、その他、ヒドロキシエチルアクリレート(hydroxyethyl acrylate )、ヒドロキシプロピルアクリレート(hydroxypropyl acrylate)、ヒドロキシプロピルメタアクリレート(hydroxypropyl methacrylate)、ヒドロキシブチルアクリレート(hydroxybutyl acrylate )、ヒドロキシブチルメタアクリレート(hydroxybutyl methacrylate )等の何れか1種であったり、上述した2−HEMAも含めた2種以上であっても良い。
<過酸化化合物>
上述した水系処理剤3に含まれる場合のその過酸化化合物は、過酸化水素、ベンゾイルペルオキシド(過酸化ベンゾイル)、ジクミルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド等の有機ペルオキシド化合物の何れか1種又は2種以上であっても良い。
過酸化ベンゾイル等の水に対する溶解度が小さい場合には、エチルアルコール等の溶媒に、所定の濃度(例えば、2.0重量%など)にて一旦溶解させた後、使用しても良い。
<剤10>
剤10は、ポリエステル繊維2を含む繊維物1に付着する剤である。
この剤10は、繊維物1に付着された際に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成した重合体が含まれることとなる。
剤10は、繊維物1に付着された際にアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体が含まれるのであれば、繊維物1に付着する前は、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩が含まれるもの(更に言及すれば、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体は含まれないもの)でも良い。
つまり、本発明における「剤10」とは、繊維物1に付着された際にさえ、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体が含まれれば、実際にポリエステル繊維2に付着し且つアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体を含むものの他、一旦ポリエステル繊維2に付着していたがその後ポリエステル繊維2から脱落し且つアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体を含むものや、ポリエステル繊維2に付着させる前で且つ繊維物1に付着すればアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体を含み得るものも意味する。
特に、ポリエステル繊維2に付着させる前で且つ繊維物1に付着すればアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体を含み得る場合は、剤10は、粉末(固形)状でなく、水や水性溶媒、有機溶媒に、分散又は溶解した液体状であっても良い。
尚、剤10が液体状の場合は、液であるとも言える。
<繊維物1の製造方法>
繊維物1の製造方法とは、当該繊維物1を、上述した水系処理剤3によって加工することである。
ここで、本発明における「水系処理剤3によって加工する」とは、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の溶液(エタノール等の溶媒に溶解させた溶液)と、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーを、水にて所定の濃度(例えば、それぞれ1.0重量%など)に希釈した処理液(水系処理剤3)に、上述の繊維物1を浸すことなどを意味する。
尚、この加工において、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の溶液と前記単官能水溶性ビニルモノマーに、過酸化化合物の溶液(エタノール等の溶媒に溶解させた溶液)を、水にて所定の濃度(例えば、それぞれ1.0重量%や0.5重量%など)に希釈したものを、水系処理剤3としても良い。
又、この加工においては、処理液に浸した繊維物1を、マングルにて所定のピックアップ絞り率(例えば、70%など)で絞ったり、この絞りの後に、当該繊維物1を、所定の温度・時間(例えば、150℃の温度化で3分など)の条件下で乾燥(放置)しても良い。
ここで、繊維物1の製造方法について詳解すれば、まず、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、水にて所定の濃度に希釈した処理液中では、加水分解によって、アルコキシ基(R’−O−(尚、R’はメチル基等のアルキル基、フェニル基、ビニル基などの置換基))がシラノール基(Si−OH)となり、シラノール基同士が縮合重合してシロキサン結合となって、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体(シロキサンオリゴマー、又は、シロキサンポリマー)が生成される。
このように生成されたアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体は、繊維物1におけるポリエステル繊維(重合体)に絡みつく等して付着する(尚、付着するポリエステル繊維も重合体であることから、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩とポリエステル繊維の重合体同士が相溶しているとも言える)。
一方、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーは、処理液中では、ヒドロキシル基が水酸化物イオン(OH- )を生成し(に電離し)、処理液中のpH(水素イオン濃度)が下がるため、上述したアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩における加水分解と縮合重合が促進される。これと同時に、単官能水溶性ビニルモノマー自体も付加重合し(単官能水溶性ビニルモノマーにおけるC=Cの2重結合が−C−C−となって)、単官能水溶性ビニルモノマーの重合体が生成される(例えば、単官能水溶性ビニルモノマーが、上述した2−HEMAであれば、[−CH2 −C(CH3 )(COO(C24 ))−]m'(m’は2以上の整数))。
尚、単官能水溶性ビニルモノマーの重合体も、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体と共に、ポリエステル繊維2に絡みついて(相溶していて)も良い。
<試験1、2>
ここからは、まず本発明に係る繊維物1の実施例1〜3と、比較例1〜4について言及する。
これら実施例1〜3と比較例1〜4を用いて、後述する試験1、2を行う。
<実施例1>
防炎処理を施したセミダルのポリエステル繊維2(84dtex36フィラメントで経糸密度380本/10cm)を経糸とし、同じく防炎処理を施したセミダルのポリエステル繊維2(84dtex30フィラメントで緯糸密度460本/10cm)を緯糸とし、目付80g/m2 で、100%ポリエステル繊維2を用いた織物を織成した。
この織物を、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩としてのオクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドのエタノール溶液(以下「A剤」という)と、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーとしてのヒドロキシエチルメタアクリレート(以下「B剤」という)を、水にてそれぞれ1.0重量%の濃度に希釈した処理液(水系処理剤3)に浸し、マングルで70%ピックアップの絞り率で絞った後、150℃の温度下で3分放置(乾燥)して、実施例1の繊維物1(布帛1b)を得た。
<実施例2>
実施例1の処理液(水系処理剤3)において、過酸化化合物としての過酸化ベンゾイルの2.0重量%エタノール溶液(以下「C剤」という)を更に加え、水にてそれぞれ1.0重量%の濃度に希釈することで、実施例2の繊維物1(布帛1b)を得た。
<実施例3>
防炎処理を施したセミダルのポリエステル繊維2(300dtex96フィラメントで経糸密度240本/10cm)を経糸とし、また別の防炎処理を施したセミダルのポリエステル繊維2(帝人フロンティア株式会社製「スーパーエクスター(登録商標)」)、300dtex30フィラメントで緯糸密度340本/10cm)を緯糸とし、目付143g/m2 で、100%ポリエステル繊維2を用いた織物を織成した。
この織物を、A〜C剤の3つを、水にてそれぞれ0.5重量%の濃度に希釈した処理液(水系処理剤3)に浸し、マングルで70%ピックアップの絞り率で絞った後、150℃の温度下で3分放置(乾燥)して、実施例3の繊維物1(布帛1b)を得た。
<比較例1>
実施例1で用いた織物を、処理液ではなく、水に浸し(つまり、A〜C剤を一切使用せずに)、マングルで70%ピックアップの絞り率で絞った後、150℃の温度下で3分放置(乾燥)して、比較例1の布帛を得た。
<比較例2>
実施例1の処理液において、A剤のみを、水にて1.0重量%の濃度に希釈することで、比較例2の布帛を得た。
<比較例3>
実施例1の処理液において、A剤とC剤を、水にてそれぞれ1.0重量%の濃度に希釈することで、比較例3の布帛を得た。
<比較例4>
実施例1の処理液において、A剤と、バインダー樹脂としての非イオン性ウレタンエマルジョン樹脂(以下「D剤」という)を、水にてそれぞれ1.0重量%の濃度に希釈することで、比較例4の布帛を得た。
ここまで述べた実施例1〜3、比較例1〜4における処理液に含まれる剤とその濃度について、改めて以下の表1にまとめて示す。
<試験1>
試験1では、上述した実施例1〜3のうち実施例1、2と、比較例1〜4の布帛に対して、A剤(アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩)の付着量と、防炎性能の低下抑制について評価し、その結果を表2にて示す。
A剤の付着量に対する評価には、ブロモフェノールブルーとアンモニウム塩とのカチオン性の呈色反応(A剤が多いほど濃くなる反応)を用い、繊維物(布帛)の前処理として洗濯を実施した。
この洗濯では、実施例1、2と比較例1〜4の布帛に対して、洗剤として一般社団法人繊維評価技術協議会(Japan Textile Evaluation Technology Council 、以下「JTETC」という)が制定するJAFET標準洗剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びアルファオレフィンスルホン酸ナトリウムを配合)1.3ml/Lを用い、40℃で5分洗浄して脱水した後、40℃の水で2分のすすぎをして脱水する。これらの洗浄・脱水・すすぎ・脱水を3回行うことを1サイクルとして、計3サイクル実施した後に室温で乾燥することによって、呈色状態確認用として、各実施例・各比較例の試料を2つずつ得た。
これらの試料を、ブロムフェノールブルーの0.004重量%エタノール溶液に30秒浸漬した後水洗し、室温で乾燥させた後、呈色状態(A剤の付着量)を確認した。
呈色状態の確認は、実施例1、2と比較例1〜4の布帛の端部に、上述した洗濯によってホツレが発生するが、特にこのホツレ部分に呈色状態の差が表れるため、ホツレ部分での呈色状態(色差)で判定した。
この呈色状態(A剤の付着量)の評価基準は、A剤のみを使用した比較例2を呈色状態の基準とし、この比較例2と、実施例1、2及び比較例1、3、4を比べて、比較例2より「◎:色が濃い(付着量が多い)」、「○:色がやや濃い(付着量がやや多い)」、「△:色は同程度(付着量が同程度)」、「×:呈色反応なし(付着していない)」とした。
又、図1〜6には、実際にこの試験1にて評価した実施例1、2・比較例1〜4の試料(布帛)が示されている。
防炎性能の低下抑制に対する評価には、JIS−L−1091:1999におけるA−1法に準じて、着火3秒後の試料の残炎時間を測定した。
この残炎時間に対して、ほとんどの実施例・比較例は、試料を2つずつ(n1、n2)用意し、n1、n2それぞれの残炎時間と、n1とn2の平均値を求めたが、比較例3は、試料として1つ(n1)のみを用意し、n1の残炎時間を求め、求めたこの残炎時間を平均値として表2中に示した。
尚、「残炎時間」とは、加熱終了時から試験片(試料)が炎を発生し続ける時間の長さを意味する。
この残炎時間(防炎性能の低下抑制)の評価基準も、呈色状態の評価と同様に、比較例2の残炎時間を基準とし、この比較例2と、実施例1、2及び比較例1、3、4を比べて、比較例2より「○:残炎時間が短い(防炎性能の低下が抑制されている)」、「△:残炎時間は同程度(防炎性能が同程度)」、「×:残炎時間が長い(防炎性能が更に低下している)」とした。
<試験1(A剤の付着量・防炎性能の低下抑制)の評価>
表2や図1〜6に示すように、実施例1(A、B剤使用)や実施例2(A〜C剤使用)の方が、基準である比較例2(A剤のみ使用)より呈色反応による色が濃く、更に多くのA剤が布帛に付着していることがわかる。
従って、A剤だけでなく、B剤やB剤及びC剤も使用した実施例1、2の方が、A剤のみの比較例2より抗菌性能を発揮することがわかる。
又、比較例3は、A剤と共にC剤も使用しているが、併用剤としてC剤のみでは、A剤のみの比較例2と同程度の色の濃さにしかならず、A剤(アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩)の付着力を向上させることは出来ない。
尚、比較例1については、A剤そのものを使用していないため、当然に呈色反応はなく、A剤(アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩)が付着していないため、抗菌性能はない。
一方、比較例4(A、D剤使用)は、基準の比較例2より呈色反応による色が濃いものの、燃焼し易いD剤(バインダー樹脂)を使用しているため、その残炎時間の平均値は、基準である比較例2の「16秒」より6秒長い「22秒」となっており、比較例2より防炎性能が更に低下している(本来の防炎処理が発揮される比較例1(剤は無使用)の「0秒」と比べれば、大幅に防炎性能が低下している)。
しかし、実施例1、2は、D剤(バインダー樹脂)を使用せずにA剤を布帛に付着させているため、それらの残炎時間の平均値は、基準の比較例2「16秒」より7秒も短い「9秒」となっており、A剤のみを使用した比較例2より、明らかに防炎性能の低下を抑制している。
つまり、「防炎性能の低下抑制」と「付着力の向上」の両立を実現できる。
尚、実施例1(A、B剤使用)と実施例2(A〜C剤使用)を比べると、A、B剤だけでなくC剤も同時に使用した方が、防炎性能の低下を抑制しつつ、呈色反応による色を更に濃い(つまり、更に多くのA剤を布帛に付着させる)ため、更なる抗菌性能を発揮できる。
又、実施例1、2の処理液におけるA〜C剤の濃度、比率等が変化しても、比較例1〜4に対して、防炎性能の低下を抑制し、付着力が向上する傾向は同様であると言える。
更に、実施例1、2と比較例2、3における防炎性能を比べると、A剤と共にB剤を使用した実施例1、2は、A剤を使用しているがB剤は使用していない比較例2、3より残炎時間が短く、更なる防炎性能の低下抑制が図れていると言える。
これは、<1>実施例1、2では、A剤とB剤の使用により、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体と共に、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーの重合体もポリエステル繊維2に付着しているため、その単官能水溶性ビニルモノマーの重合体中にC−O結合やC−C結合は存在しているが、比較例2、3では、B剤を使用しておらず、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体のSi−O結合しか存在していない点、
<2>単官能水溶性ビニルモノマーの重合体中におけるC−O結合の結合エネルギー(86kcal/mol等)やC−C結合の結合エネルギー(85kcal/mol等)は、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体におけるSi−O結合の結合エネルギー(108kcal/mol等)より小さい点の2つを鑑みるに、試料を燃焼させた際、実施例1、2におけるC−O結合やC−C結合の部分が、比較例2、3におけるSi−O結合より切れ易く、火種であるポリエステル繊維2の溶融滴下(火種のドロップオフ)が促進されて、その結果、残炎時間が短くなったとも言える(ポリエステル繊維2が溶融滴下可能にアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩の重合体や、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーの重合体が付着しているとも言える)。
<試験2>
試験2では、上述した実施例・比較例のうち、実施例3の繊維物1(布帛1b)に対して、防炎性能、及び、JTETCが制定するSEKマーク繊維製品の抗菌性試験の基準(以下「抗菌性能基準」という)を満たす(合格する)かについて評価し、その結果を表3にて示す。
防炎性能に対する評価ついては、JIS−L−1091:1999のA−1法に準じる着火3秒後の試料の燃焼面積・残炎時間と、同じくJIS−L−1091:1999のD法に準じる接炎回数を測定した。
尚、上述した燃焼面積・残炎時間に対しては、実施例3の試料を3つ(n1〜n3)用意し、接炎回数に対しては、実施例3の試料を5つ(n1〜n5)用意した。
又、「燃焼面積」とは、熱又は熱分解によって破壊された部分の総面積を意味し、「残炎時間」とは、上述と同様の意味であり、「接炎回数」とは、加熱によって溶融し、燃焼しつくすまでの回数(接炎回数)を意味する。
これら燃焼面積・残炎時間・接炎回数(防炎性能)の評価基準は、燃焼面積については、JIS−L−1091:1999のA−1法において区分3に相当する「30cm2 以下」であれば合格とし、残炎時間は、同じくJIS−L−1091:1999のA−1法において区分3に相当する「3秒以下」であれば合格、接炎回数は、JIS−L−1091:1999のD法において区分2に相当する「3回以上」であれば合格となる。
抗菌性能基準については、JIS−L−1902:2015の菌液吸収法(以下「菌液吸収法」という)に準じて評価し、JTETCが制定するSEKマーク繊維製品の洗濯方法の標準洗濯法に準じる洗濯(以下「JTETC洗濯」という)の前及び後において、菌液吸収法に準じる抗菌活性値(以下「抗菌活性値」という)が「2.2以上」であれば合格となる。
尚、菌液吸収法において使用した試験対象菌種は「黄色ぶどう球菌 Staphylococcus aureus NBRC 12732」であり、JTETC洗濯は5回行って「洗濯後」とした。
<試験2(防炎性能・抗菌性能)の評価>
表3に示すように、少なくともA剤(アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩)とB剤(ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマー)を使用した実施例3は、燃焼面積・残炎時間・接炎回数が上述した評価基準に合格し(JIS−L−1091:1999のA−1法において最も厳しい区分3や、D法において最も厳しい区分2に相当し)、且つ、JTETCが制定する抗菌性能基準にも合格する繊維物1(布帛1b)である。
故に、本発明によれば、バインダー樹脂の不使用により防炎性能の低下を抑制しつつ、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体などを、所定の防炎処理を施した糸条や布帛、繊維製品に付着して、その付着力を向上させることによって、JIS−L−1091:1999におけるA−1法の区分3やD法の区分2相当の防炎性能と、上述したJIS−L−1902:2015の菌液吸収法にて評価される一般社団法人繊維評価技術協議会が制定するSEKマーク繊維製品の抗菌性能の両方を有する繊維物1を実現できる。
又、本発明によれば、消防法(昭和23年7月24日法律第186号、平成27年9月11日法律第66号)第8条の3(詳解すれば、消防法施行令(昭和36年3月25日政令第37号、平成28年12月16日政令第379号)第4条の3、消防法施行規則(昭和36年4月1日自治省令第6号、平成28年5月27日総務省令第60号)第4条の3、及び、その後改正される消防法、消防法施行令、消防法施行規則)に規定の防炎性能や、公益財団法人日本防炎協会の防炎物品の防炎性能試験基準に合格する防炎性能を有しつつ、一般社団法人繊維評価技術協議会が制定するSEKマーク繊維製品の抗菌性能を有する繊維物1も実現できるとも言える。
尚、実施例3は、JTETC洗濯を「5回」行った後でさえ、抗菌活性値が2.2以上であったことから、JTETC洗濯を、5回よりも回数が少ない「1〜4回」行った後でも、当然に抗菌活性値は2.2以上である。
従って、本発明の繊維物1は、「一般社団法人繊維評価技術協議会が制定するSEKマーク繊維製品の洗濯方法の標準洗濯法に準じる洗濯(JTETC洗濯)の前及び/又は後において、JIS−L−1902:2015の菌液吸収法に準じる抗菌活性値が2.2以上である」とも言え、この場合の「洗濯の後」とは、と、JTETC洗濯を5回行った以外に、1〜4回行った場合も含む。
<その他>
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。繊維物1、繊維物1の製造方法、及び、剤10等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
繊維物1には、少なくともアルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体が付着していれば良いとも言える。
又、繊維物1が糸条1aである場合には、その防炎性能を、JIS−L−1091:1999におけるE−1法に準じる方法によって評価しても良い。
繊維物1には、その防炎性能に影響がない範囲で、若干のバインダー樹脂が使用されていても良い。
繊維物1のポリエステル繊維2には、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体が少なくとも付着していれば良く、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーから生成される重合体はポリエステル繊維2に付着していなくとも良い。
本発明の繊維物、繊維物の製造方法、及び、剤は、糸条や布帛だけでなく、これらの糸条や布帛を用いたカーテンや椅子張地、壁張地、天井張地など上述した様々な繊維製品に利用可能である。
1 繊維物
1a 糸条
1b 布帛
1c 繊維製品
2 ポリエステル繊維
3 水系処理剤
10 剤

Claims (10)

  1. ポリエステル繊維を含む繊維物であって、
    当該繊維物には、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成される重合体が付着していることを特徴とする繊維物。
  2. ポリエステル繊維を含む繊維物であって、
    当該繊維物には、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩を含む化合物が付着し、
    当該繊維物は、JIS−L−1091:1999における、A−1法に準じる燃焼面積が30cm2 以下であり、A−1法に準じる残炎時間が3秒以下であり、D法に準じる接炎回数が3回以上である、又は、
    JIS−L−1091:1999における、A−2法に準じる燃焼面積が40cm2 以下であり、A−2法に準じる残炎時間が5秒以下であり、D法に準じる接炎回数が3回以上であることを特徴とする繊維物。
  3. 当該繊維物は、一般社団法人繊維評価技術協議会が制定するSEKマーク繊維製品の洗濯方法の標準洗濯法に準じる洗濯の前及び/又は後において、JIS−L−1902:2015の菌液吸収法に準じる抗菌活性値が2.2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の繊維物。
  4. 当該繊維物は、前記ポリエステル繊維を含む糸条と、前記ポリエステル繊維を含む布帛と、前記糸条及び/又は布帛を用いた繊維製品のうち、何れかであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の繊維物。
  5. ポリエステル繊維を含む繊維物の製造方法であって、
    前記繊維物を、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩、及び、ヒドロキシル基を有する単官能水溶性ビニルモノマーを含む水系処理剤によって加工することを特徴とする繊維物の製造方法。
  6. 前記アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩は、オクタデシルジメチル(3−トリエトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、及び/又は、オクタデシルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドであることを特徴とする請求項5に記載の繊維物の製造方法。
  7. 前記単官能水溶性ビニルモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートであることを特徴とする請求項5又は6に記載の繊維物の製造方法。
  8. 前記水系処理剤は、過酸化化合物も含むことを特徴とする請求項5〜7の何れか1項に記載の繊維物の製造方法。
  9. 前記過酸化化合物は、過酸化水素、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシドのうち、少なくとも何れか1種を含むことを特徴とする請求項8に記載の繊維物の製造方法。
  10. ポリエステル繊維を含む繊維物に付着する剤であって、
    当該剤は、前記繊維物に付着された際に、アルコキシシラン系第4級アンモニウム塩から生成した重合体が含まれることを特徴とする剤。
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